第10章 オーバークラウドノードのスケーリング
オーバークラウドの作成後にノードを追加または削除する場合は、オーバークラウドを更新する必要があります。
オーバークラウドノードのスケールアウトまたは削除を開始する前に、ベアメタルノードがメンテナンスモードに設定されていないことを確認します。
以下の表を使用して、各ノード種別のスケーリングに対するサポートを判断してください。
ノード種別 | スケールアップ | スケールダウン | 備考 |
---|---|---|---|
Controller | 非対応 | 非対応 | 11章Controller ノードの置き換え に記載の手順を使用して、Controller ノードを置き換えることができます。 |
Compute | 対応 | 対応 | |
Ceph Storage ノード | 対応 | 非対応 | オーバークラウドを最初に作成する際に Ceph Storage ノードを 1 つ以上設定する必要があります。 |
Object Storage ノード | 対応 | 対応 |
オーバークラウドをスケーリングする前に、空き領域が少なくとも 10 GB あることを確認してください。この空き領域は、イメージの変換やノードのプロビジョニングプロセスのキャッシュに使用されます。
10.1. オーバークラウドへのノード追加
オーバークラウドにノードを追加できます。
Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) の新規インストールには、セキュリティーエラータやバグ修正などの特定の更新が含まれていません。その結果、Red Hat Customer Portal または Red Hat Satellite Server を使用する接続環境をスケールアップすると、RPM 更新は新しいノードに適用されません。最新の更新をオーバークラウドノードに適用するには、以下のいずれかを実行する必要があります。
- スケールアウト操作後にノードのオーバークラウド更新を完了します。
-
virt-customize
ツールを使用して、スケールアウト操作の前にパッケージをベースのオーバークラウドイメージに変更します。詳細は、Red Hat ナレッジベースで Modifying the Red Hat Linux OpenStack Platform Overcloud Image with virt-customize のソリューションを参照してください。
手順
登録する新規ノードの詳細を記載した新しい JSON ファイル (
newnodes.json
) を作成します。{ "nodes":[ { "mac":[ "dd:dd:dd:dd:dd:dd" ], "cpu":"4", "memory":"6144", "disk":"40", "arch":"x86_64", "pm_type":"ipmi", "pm_user":"admin", "pm_password":"p@55w0rd!", "pm_addr":"192.02.24.207" }, { "mac":[ "ee:ee:ee:ee:ee:ee" ], "cpu":"4", "memory":"6144", "disk":"40", "arch":"x86_64", "pm_type":"ipmi", "pm_user":"admin", "pm_password":"p@55w0rd!", "pm_addr":"192.02.24.208" } ] }
-
アンダークラウドホストに
stack
ユーザーとしてログインします。 stackrc
アンダークラウド認証情報ファイルを入手します。$ source ~/stackrc
新しいノードを登録します。
$ openstack overcloud node import newnodes.json
新しいノードごとにイントロスペクションプロセスを開始します。
$ openstack overcloud node introspect \ --provide <node_1> [<node_2>] [<node_n>]
-
--provide
オプションを使用して、イントロスペクション後に指定されたすべてのノードをavailable
状態にリセットします。 -
<node_1>
、<node_2>
、および<node_n>
までの全ノードを、イントロスペクトする各ノードの UUID に置き換えます。
-
新しいノードごとにイメージのプロパティーを設定します。
$ openstack overcloud node configure <node>