第15章 アンダークラウドおよびオーバークラウドサービスに関するヒント
このセクションでは、アンダークラウド上の特定の OpenStack サービスのチューニングと管理についてアドバイスを行います。
15.1. デプロイメントパフォーマンスのチューニング
Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) director は、OpenStack Orchestration (heat)を使用してメインのデプロイメントおよびプロビジョニング機能を実施します。openstack overcloud deploy
コマンドで --heat-config-vars-file
オプションを使用して、以下のパラメーターを調整できます。
- debug
- デバッグモードで実行します。
- log_file
- ログファイルのパスを指定します。
- max_json_body_size
- JSON リクエストボディの最大 RAW バイトサイズ。
- num_engine_workers
- ワーカーの数を設定します。Heat は一連のワーカーを使用してデプロイメントタスクを実行します。デフォルトのワーカー数を計算するには、director の heat 設定ではアンダークラウドの合計 CPU スレッド数を 2 で割ります。ここでは、スレッド数とは CPU コア数にハイパースレッディングの値を掛けたものを指します。たとえば、アンダークラウドの CPU スレッド数が 16 の場合には、デフォルトでは heat により 8 つのワーカーが提供されます。デフォルトでは、director の設定に最小および最大のワーカー数も適用されます。最小値は 4 で、最大値は 24 です。
- rpc_response_timeout
- 呼び出しからの応答を待つ秒数。
例
-
heat-overrides.yaml
などのファイルを作成します。 必要に応じてパラメーターを入力します。
rpc_response_timeout: 1200 num_engine_workers: 24 debug: true
このファイルを
openstack overcloud deploy
コマンドに追加します。$ openstack overcloud deploy \ --heat-config-vars-file heat-overrides.yaml \ --answers-file templates/answers.yaml