検索

6.2. ネットワークの分離

download PDF
director は、分離したオーバークラウドネットワークを設定する方法を提供します。つまり、オーバークラウド環境はネットワークトラフィック種別を異なるネットワークに分離して、個別のネットワークインターフェースまたはボンディングにネットワークトラフィックを割り当てます。分離ネットワークワークを設定した後に、director は OpenStack サービスが分離ネットワークを使用するように設定します。分離ネットワークが設定されていない場合には、サービスはすべて、プロビジョニングネットワーク上で実行されます。
この例では、サービスごとに別のネットワークを使用します。
  • ネットワーク 1: プロビジョニング
  • ネットワーク 2: 内部 API
  • ネットワーク 3: テナントネットワーク
  • ネットワーク 4: ストレージ
  • ネットワーク 5: ストレージ管理
  • ネットワーク 6: 管理
  • ネットワーク 7: 外部および Floating IP (オーバークラウドの作成後にマッピング)
この例では、各オーバークラウドノードは、タグ付けられた VLAN でネットワークを提供するために、ボンディング内の残りのネットワークインターフェース 2 つを使用します。以下のネットワーク割り当ては、このボンディングに適用されます。
表6.1 ネットワークサブネットおよび VLAN 割り当て
ネットワーク種別
サブネット
VLAN
内部 API
172.16.0.0/24
201
テナント
172.17.0.0/24
202
ストレージ
172.18.0.0/24
203
ストレージ管理
172.19.0.0/24
204
管理
172.20.0.0/24
205
外部 / Floating IP
10.1.1.0/24
100
ネットワーク設定の他のサンプルについては「付録E ネットワークインターフェースのテンプレート例」を参照してください。

6.2.1. カスタムのインターフェーステンプレートの作成

オーバークラウドのネットワーク設定には、ネットワークインターフェースのテンプレートセットが必要です。これらのテンプレートをカスタマイズして、ロールごとにノードのインターフェースを設定します。このテンプレートは YAML 形式の標準の Heat テンプレート (「「Heat テンプレートについての理解」」を参照) で、director にはすぐに使用開始できるように、テンプレートサンプルが含まれています。
  • /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/network/config/single-nic-vlans: このディレクトリーには、ロールごとに VLAN が設定された単一 NIC のテンプレートが含まれます。
  • /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/network/config/bond-with-vlans: このディレクトリーには、ロール別のボンディング NIC 設定のテンプレートが含まれます。
  • /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/network/config/multiple-nics: このディレクトリーには、ロール毎に NIC を 1 つ使用して複数の NIC 設定を行うためのテンプレートが含まれています。
  • /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/network/config/single-nic-linux-bridge-vlans: このディレクトリーには、Open vSwitch ブリッジの代わりに Linux ブリッジを使用してロールベースで単一の NIC に複数の VLAN が接続される構成のテンプレートが含まれます。
この例では、デフォルトのボンディング NIC の設定サンプルをベースとして使用します。/usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/network/config/bond-with-vlans にあるバージョンをコピーします。
$ cp -r /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/network/config/bond-with-vlans ~/templates/nic-configs
このコマンドによりローカルの Heat テンプレートが作成され、このテンプレートで各ロールのボンディングネットワークインターフェース設定を定義します。各テンプレートには、標準の parametersresourcesoutput が含まれます。今回のシナリオでは、resources セクションのみを編集します。各 resources セクションは、以下のように開始されます。
resources:
OsNetConfigImpl:
  type: OS::Heat::StructuredConfig
  properties:
    group: os-apply-config
    config:
      os_net_config:
        network_config:
このコマンドでは、os-apply-config コマンドと os-net-config サブコマンドがノードのネットワークプロパティーを設定するように要求が作成されます。network_config セクションには、種別順に並べられたカスタムのインターフェース設定が含まれます。これらの種別には以下が含まれます。
interface
単一のネットワークインターフェースを定義します。この設定では、実際のインターフェース名 (eth0、eth1、enp0s25) または番号付きのインターフェース (nic1、nic2、nic3) を使用して各インターフェースを定義します。
          - type: interface
            name: nic2
vlan
VLAN を定義します。parameters セクションから渡された VLAN ID およびサブネットを使用します。
          - type: vlan
            vlan_id: {get_param: ExternalNetworkVlanID}
            addresses:
              - ip_netmask: {get_param: ExternalIpSubnet}
ovs_bond
Open vSwitch で、複数の インターフェース を結合するボンディングを定義します。これにより、冗長性や帯域幅が向上します。
          - type: ovs_bond
            name: bond1
            members:
            - type: interface
              name: nic2
            - type: interface
              name: nic3
ovs_bridge
Open vSwitch で、複数の interfaceovs_bondvlan オブジェクトを接続するブリッジを定義します。
          - type: ovs_bridge
            name: {get_input: bridge_name}
            members:
              - type: ovs_bond
                name: bond1
                members:
                  - type: interface
                    name: nic2
                    primary: true
                  - type: interface
                    name: nic3
              - type: vlan
                device: bond1
                vlan_id: {get_param: ExternalNetworkVlanID}
                addresses:
                  - ip_netmask: {get_param: ExternalIpSubnet}
linux_bond
複数の interface を結合するLinux ボンディングを定義します。これにより、冗長性が向上し、帯域幅が増大します。bonding_options パラメーターには、カーネルベースのボンディングオプションを指定するようにしてください。Linux ボンディングのオプションに関する詳しい情報は、『Red Hat Enterprise Linux 7 ネットワークガイド』の「4.5.1. ボンディングモジュールのディレクティブ」のセクションを参照してください。
            - type: linux_bond
              name: bond1
              members:
              - type: interface
                name: nic2
              - type: interface
                name: nic3
              bonding_options: "mode=802.3ad"
linux_bridge
複数の interfacelinux_bond、および vlan オブジェクトを接続する Linux ブリッジを定義します。
            - type: linux_bridge
              name: bridge1
              addresses:
                - ip_netmask:
                    list_join:
                      - '/'
                      - - {get_param: ControlPlaneIp}
                        - {get_param: ControlPlaneSubnetCidr}
              members:
                - type: interface
                  name: nic1
                  primary: true
            - type: vlan
              vlan_id: {get_param: ExternalNetworkVlanID}
              device: bridge1
              addresses:
                - ip_netmask: {get_param: ExternalIpSubnet}
              routes:
                - ip_netmask: 0.0.0.0/0
                  default: true
                  next_hop: {get_param: ExternalInterfaceDefaultRoute}
各アイテムの完全なパラメーター一覧については「付録D ネットワークインターフェースのパラメーター」を参照してください。
この例では、デフォルトのボンディングインターフェース設定を使用します。たとえば /home/stack/templates/nic-configs/controller.yaml テンプレートは以下の network_config を使用します。
resources:
  OsNetConfigImpl:
    type: OS::Heat::StructuredConfig
    properties:
      group: os-apply-config
      config:
        os_net_config:
          network_config:
            - type: interface
              name: nic1
              use_dhcp: false
              addresses:
                - ip_netmask:
                    list_join:
                      - '/'
                      - - {get_param: ControlPlaneIp}
                        - {get_param: ControlPlaneSubnetCidr}
              routes:
                - ip_netmask: 169.254.169.254/32
                  next_hop: {get_param: EC2MetadataIp}
            - type: ovs_bridge
              name: {get_input: bridge_name}
              dns_servers: {get_param: DnsServers}
              members:
                - type: ovs_bond
                  name: bond1
                  ovs_options: {get_param: BondInterfaceOvsOptions}
                  members:
                    - type: interface
                      name: nic2
                      primary: true
                    - type: interface
                      name: nic3
                - type: vlan
                  device: bond1
                  vlan_id: {get_param: ExternalNetworkVlanID}
                  addresses:
                    - ip_netmask: {get_param: ExternalIpSubnet}
                  routes:
                    - default: true
                      next_hop: {get_param: ExternalInterfaceDefaultRoute}
                - type: vlan
                  device: bond1
                  vlan_id: {get_param: InternalApiNetworkVlanID}
                  addresses:
                    - ip_netmask: {get_param: InternalApiIpSubnet}
                - type: vlan
                  device: bond1
                  vlan_id: {get_param: StorageNetworkVlanID}
                  addresses:
                    - ip_netmask: {get_param: StorageIpSubnet}
                - type: vlan
                  device: bond1
                  vlan_id: {get_param: StorageMgmtNetworkVlanID}
                  addresses:
                    - ip_netmask: {get_param: StorageMgmtIpSubnet}
                - type: vlan
                  device: bond1
                  vlan_id: {get_param: TenantNetworkVlanID}
                  addresses:
                    - ip_netmask: {get_param: TenantIpSubnet}
                - type: vlan
                  device: bond1
                  vlan_id: {get_param: ManagementNetworkVlanID}
                  addresses:
                    - ip_netmask: {get_param: ManagementIpSubnet}

注記

管理ネットワークのセクションは、ネットワークインターフェースの Heat テンプレートにコメントアウトされて含まれています。このセクションをアンコメントして、管理ネットワークを有効化します。
このテンプレートは、ブリッジ (通常 br-ex という名前の外部ブリッジ) を定義し、nic2nic3 の 2 つの番号付きインターフェースから、bond1 と呼ばれるボンディングインターフェースを作成します。ブリッジにはタグ付けされた VLAN デバイスの番号が含まれており、bond1 を親デバイスとして使用します。またこのテンプレートには、director に接続するインターフェースも含まれます。
ネットワークインターフェーステンプレートの他のサンプルについては「付録E ネットワークインターフェースのテンプレート例」を参照してください。
これらのパラメーターの多くは get_param 関数を使用する点に注意してください。これらのパラメーターは、使用するネットワーク専用に作成した環境ファイルで定義します。

重要

使用していないインターフェースは、不要なデフォルトルートとネットワークループの原因となる可能性があります。たとえば、テンプレートにはネットワークインターフェース (nic4) が含まれる可能性があり、このインターフェースは OpenStack のサービス用の IP 割り当てを使用しませんが、DHCP やデフォルトルートを使用します。ネットワークの競合を回避するには、使用済みのインターフェースを ovs_bridge デバイスから削除し、DHCP とデフォルトのルート設定を無効にします。
- type: interface
  name: nic4
  use_dhcp: false
  defroute: false

6.2.2. ネットワーク環境ファイルの作成

ネットワーク環境ファイルは Heat の環境ファイルで、オーバークラウドのネットワーク環境を記述し、前のセクションのネットワークインターフェース設定テンプレートを参照します。IP アドレス範囲と合わせてネットワークのサブネットおよび VLAN を定義します。また、これらの値をローカルの環境用にカスタマイズします。
director には、すぐに使用開始できるように、環境ファイルのサンプルセットが含まれています。各環境ファイルは、/usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/network/config/ のネットワークインターフェースファイルの例と同じです。
  • /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/environments/net-single-nic-with-vlans.yaml: single-nic-vlans ネットワークインターフェースディレクトリー内の VLAN 設定が含まれる単一 NIC の環境ファイルサンプルです。外部ネットワークの無効化 (net-single-nic-with-vlans-no-external.yaml) 、または IPv6 の有効化 (net-single-nic-with-vlans-v6.yaml) 向けの環境ファイルもあります。
  • /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/environments/net-bond-with-vlans.yaml: bond-with-vlans ネットワークインターフェースディレクトリー内の VLAN 設定が含まれる単一 NIC の環境ファイルサンプルです。外部ネットワークの無効化 (net-bond-with-vlans-no-external.yaml) 、または IPv6 の有効化 (net-bond-with-vlans-v6.yaml) 向けの環境ファイルもあります。
  • /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/environments/net-multiple-nics.yaml: multiple-nics ネットワークインターフェースディレクトリー内の VLAN 設定が含まれる単一 NIC の環境ファイルサンプルです。IPv6 の有効化 (net-multiple-nics-v6.yaml) 向けの環境ファイルもあります。
  • /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/environments/net-single-nic-linux-bridge-with-vlans.yaml: Open vSwitch ブリッジではなく Linux ブリッジを使用して VLAN 設定を行う単一 NIC の環境ファイルサンプルです。これは、single-nic-linux-bridge-vlans ネットワークインターフェースディレクトリーを使用します。
このシナリオでは、/usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/environments/net-bond-with-vlans.yaml ファイルの変更版を使用します。このファイルを stack ユーザーの templates ディレクトリーにコピーします。
$ cp /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/environments/net-bond-with-vlans.yaml /home/stack/templates/network-environment.yaml
この環境ファイルには、以下のように変更されたセクションが含まれます。
resource_registry:
  OS::TripleO::BlockStorage::Net::SoftwareConfig: /home/stack/templates/nic-configs/cinder-storage.yaml
  OS::TripleO::Compute::Net::SoftwareConfig: /home/stack/templates/nic-configs/compute.yaml
  OS::TripleO::Controller::Net::SoftwareConfig: /home/stack/templates/nic-configs/controller.yaml
  OS::TripleO::ObjectStorage::Net::SoftwareConfig: /home/stack/templates/nic-configs/swift-storage.yaml
  OS::TripleO::CephStorage::Net::SoftwareConfig: /home/stack/templates/nic-configs/ceph-storage.yaml

parameter_defaults:
  InternalApiNetCidr: 172.16.0.0/24
  TenantNetCidr: 172.17.0.0/24
  StorageNetCidr: 172.18.0.0/24
  StorageMgmtNetCidr: 172.19.0.0/24
  StorageMgmtNetCidr: 172.19.0.0/24
  ManagementNetCidr: 172.20.0.0/24
  ExternalNetCidr: 10.1.1.0/24
  InternalApiAllocationPools: [{'start': '172.16.0.10', 'end': '172.16.0.200'}]
  TenantAllocationPools: [{'start': '172.17.0.10', 'end': '172.17.0.200'}]
  StorageAllocationPools: [{'start': '172.18.0.10', 'end': '172.18.0.200'}]
  StorageMgmtAllocationPools: [{'start': '172.19.0.10', 'end': '172.19.0.200'}]
  ManagementAllocationPools: [{'start': '172.20.0.10', 'end': '172.20.0.200'}]
  # Leave room for floating IPs in the External allocation pool
  ExternalAllocationPools: [{'start': '10.1.1.10', 'end': '10.1.1.50'}]
  # Set to the router gateway on the external network
  ExternalInterfaceDefaultRoute: 10.1.1.1
  # Gateway router for the provisioning network (or Undercloud IP)
  ControlPlaneDefaultRoute: 192.0.2.254
  # The IP address of the EC2 metadata server. Generally the IP of the Undercloud
  EC2MetadataIp: 192.0.2.1
  # Define the DNS servers (maximum 2) for the overcloud nodes
  DnsServers: ["8.8.8.8","8.8.4.4"]
  InternalApiNetworkVlanID: 201
  StorageNetworkVlanID: 202
  StorageMgmtNetworkVlanID: 203
  TenantNetworkVlanID: 204
  ManagementNetworkVlanID: 205
  ExternalNetworkVlanID: 100
  # Set to "br-ex" if using floating IPs on native VLAN on bridge br-ex
  NeutronExternalNetworkBridge: "''"
  # Customize bonding options if required
  BondInterfaceOvsOptions:
    "bond_mode=balance-tcp"
resource_registry セクションには、ノードのロールごとにカスタムのネットワークインターフェースンテプレートへの変更済みのリンクが含まれます。「カスタムのインターフェーステンプレートの作成」 を参照してください。
parameter_defaults セクションには、各ネットワーク種別のネットワークオプションを定義するパラメーター一覧が含まれます。これらのオプションについての詳しい参考情報は「付録F ネットワーク環境のオプション」を参照してください。
このシナリオでは、各ネットワークのオプションを定義します。すべてのネットワークの種別で、ホストと仮想 IP への IP アドレス割り当てに使われた個別の VLAN とサブネットを使用します。上記の例では、内部 API ネットワークの割り当てプールは、172.16.0.10 から開始し、172.16.0.200 で終了し、VLAN 201を使用します。これにより、静的な仮想 IP は 172.16.0.10 から 172.16.0.200 までの範囲内で割り当てられる一方で、環境では VLAN 201 が使用されます。
外部ネットワークは、Horizon Dashboard とパブリック API をホストします。クラウドの管理と Floating IP の両方に外部ネットワークを使用する場合には、仮想マシンインスタンス用の Floating IP として IP アドレスのプールを使用する余裕があることを確認します。本ガイドの例では、10.1.1.10 から 10.1.1.50 までの IP アドレスのみを外部ネットワークに割り当て、10.1.1.51 以上は Floating IP アドレスに自由に使用できます。または、Floating IP ネットワークを別の VLAN に配置し、作成後にオーバークラウドを設定してそのネットワークを使用するようにします。
BondInterfaceOvsOptions オプションは、nic2 および nic3 を使用するボンディングインターフェースのオプションを提供します。ボンディングオプションについての詳しい情報は、「付録G Open vSwitch ボンディングのオプション」を参照してください。

重要

オーバークラウドの作成後にネットワーク設定を変更すると、リソースの可用性が原因で設定に問題が発生する可能性があります。たとえば、ネットワーク分離テンプレートでネットワークのサブネット範囲を変更した場合に、サブネットがすでに使用されているため、再設定が失敗してしまう可能性があります。

6.2.3. OpenStack サービスの分離ネットワークへの割り当て

各 OpenStack サービスは、リソースレジストリーでデフォルトのネットワーク種別に割り当てられます。これらのサービスは、そのネットワーク種別に割り当てられたネットワーク内の IP アドレスにバインドされます。OpenStack サービスはこれらのネットワークに分割されますが、実際の物理ネットワーク数はネットワーク環境ファイルに定義されている数と異なる可能性があります。ネットワーク環境ファイル (/home/stack/templates/network-environment.yaml) で新たにネットワークマッピングを定義することで、OpenStack サービスを異なるネットワーク種別に再割り当てすることができます。ServiceNetMap パラメーターにより、各サービスに使用するネットワーク種別が決定されます。
たとえば、ハイライトしたセクションを変更して、ストレージ管理ネットワークサービスをストレージネットワークに再割り当てすることができます。
parameter_defaults:
  ...
  ServiceNetMap:
    NeutronTenantNetwork: tenant
    CeilometerApiNetwork: internal_api
    MongoDbNetwork: internal_api
    CinderApiNetwork: internal_api
    CinderIscsiNetwork: storage
    GlanceApiNetwork: storage
    GlanceRegistryNetwork: internal_api
    KeystoneAdminApiNetwork: internal_api
    KeystonePublicApiNetwork: internal_api
    NeutronApiNetwork: internal_api
    HeatApiNetwork: internal_api
    NovaApiNetwork: internal_api
    NovaMetadataNetwork: internal_api
    NovaVncProxyNetwork: internal_api
    SwiftMgmtNetwork: storage_mgmt
    SwiftProxyNetwork: storage
    HorizonNetwork: internal_api
    MemcachedNetwork: internal_api
    RabbitMqNetwork: internal_api
    RedisNetwork: internal_api
    MysqlNetwork: internal_api
    CephClusterNetwork: storage_mgmt
    CephPublicNetwork: storage
    # Define which network will be used for hostname resolution
    ControllerHostnameResolveNetwork: internal_api
    ComputeHostnameResolveNetwork: internal_api
    BlockStorageHostnameResolveNetwork: internal_api
    ObjectStorageHostnameResolveNetwork: internal_api
    CephStorageHostnameResolveNetwork: storage
    ...
これらのパラメーターを storage に変更すると、対象のサービスはストレージ管理ネットワークではなく、ストレージネットワークに割り当てられます。つまり、parameter_defaults セットをストレージ管理ネットワークではなくストレージネットワーク向けに定義するだけで設定することができます。

6.2.4. デプロイするネットワークの選択

通常、ネットワークとポートの環境ファイルにある resource_registry セクションは変更する必要はありません。ネットワークの一覧は、ネットワークのサブセットを使用する場合のみ変更してください。

注記

カスタムのネットワークとポートを指定する場合には、デプロイメントのコマンドラインで environments/network-isolation.yaml は追加せずに、ネットワークの環境ファイルにネットワークとポートをすべて指定してください。
分離されたネットワークを使用するには、各ネットワークのサーバーに IP アドレスを指定する必要があります。分離されたネットワーク上の IP アドレスは、アンダークラウドで Neutron を使用して管理できるため、ネットワークごとに Neutron でのポート作成を有効化する必要があります。また、環境ファイルのリソースレジストリーを上書きすることができます。
まず、これはデプロイ可能なネットワークとポートの包括的なセットです。
resource_registry:
  # This section is usually not modified, if in doubt stick to the defaults
  # TripleO overcloud networks
  OS::TripleO::Network::External: /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/network/external.yaml
  OS::TripleO::Network::InternalApi: /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/network/internal_api.yaml
  OS::TripleO::Network::StorageMgmt: /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/network/storage_mgmt.yaml
  OS::TripleO::Network::Storage: /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/network/storage.yaml
  OS::TripleO::Network::Tenant: /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/network/tenant.yaml
  OS::TripleO::Network::Management: /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/network/management.yaml

  # Port assignments for the VIPs
  OS::TripleO::Network::Ports::ExternalVipPort: /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/network/ports/external.yaml
  OS::TripleO::Network::Ports::InternalApiVipPort: /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/network/ports/internal_api.yaml
  OS::TripleO::Network::Ports::StorageVipPort: /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/network/ports/storage.yaml
  OS::TripleO::Network::Ports::StorageMgmtVipPort: /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/network/ports/storage_mgmt.yaml
  OS::TripleO::Network::Ports::TenantVipPort: /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/network/ports/tenant.yaml
  OS::TripleO::Network::Ports::ManagementVipPort: /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/network/ports/management.yaml
  OS::TripleO::Network::Ports::RedisVipPort: /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/network/ports/vip.yaml

  # Port assignments for the controller role
  OS::TripleO::Controller::Ports::ExternalPort: /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/network/ports/external.yaml
  OS::TripleO::Controller::Ports::InternalApiPort: /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/network/ports/internal_api.yaml
  OS::TripleO::Controller::Ports::StoragePort: /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/network/ports/storage.yaml
  OS::TripleO::Controller::Ports::StorageMgmtPort: /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/network/ports/storage_mgmt.yaml
  OS::TripleO::Controller::Ports::TenantPort: /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/network/ports/tenant.yaml
  OS::TripleO::Controller::Ports::ManagementPort: /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/network/ports/management.yaml

  # Port assignments for the compute role
  OS::TripleO::Compute::Ports::InternalApiPort: /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/network/ports/internal_api.yaml
  OS::TripleO::Compute::Ports::StoragePort: /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/network/ports/storage.yaml
  OS::TripleO::Compute::Ports::TenantPort: /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/network/ports/tenant.yaml
  OS::TripleO::Compute::Ports::ManagementPort: /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/network/ports/management.yaml

  # Port assignments for the ceph storage role
  OS::TripleO::CephStorage::Ports::StoragePort: /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/network/ports/storage.yaml
  OS::TripleO::CephStorage::Ports::StorageMgmtPort: /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/network/ports/storage_mgmt.yaml
  OS::TripleO::CephStorage::Ports::ManagementPort: /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/network/ports/management.yaml

  # Port assignments for the swift storage role
  OS::TripleO::SwiftStorage::Ports::InternalApiPort: /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/network/ports/internal_api.yaml
  OS::TripleO::SwiftStorage::Ports::StoragePort: /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/network/ports/storage.yaml
  OS::TripleO::SwiftStorage::Ports::StorageMgmtPort: /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/network/ports/storage_mgmt.yaml
  OS::TripleO::SwiftStorage::Ports::ManagementPort: /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/network/ports/management.yaml

  # Port assignments for the block storage role
  OS::TripleO::BlockStorage::Ports::InternalApiPort: /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/network/ports/internal_api.yaml
  OS::TripleO::BlockStorage::Ports::StoragePort: /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/network/ports/storage.yaml
  OS::TripleO::BlockStorage::Ports::StorageMgmtPort: /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/network/ports/storage_mgmt.yaml
  OS::TripleO::BlockStorage::Ports::ManagementPort: /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/network/ports/management.yaml
このファイルの最初のセクションには、OS::TripleO::Network::* リソースのリソースレジストリーの宣言が含まれます。デフォルトでは、これらのリソースは noop.yaml ファイルを参照しており、このファイルではネットワークは作成されません。ネットワークごとの YAML ファイルにあるリソースを参照すると、ネットワークの作成が有効化されます。
次の数セクションで、各ロールのノードに IP アドレスを指定します。コントローラーノードでは、ネットワークごとに IP が指定されます。コンピュートノードとストレージノードは、ネットワークのサブネットでの IP が指定されます。
事前設定済みのネットワークの 1 つを指定せずにデプロイするには、ロールのネットワーク定義および対応するポートの定義を無効にします。たとえば、以下のように storage_mgmt.yaml への全参照を noop.yaml で置き換えることができます。
resource_registry:
  # This section is usually not modified, if in doubt stick to the defaults
  # TripleO overcloud networks
  OS::TripleO::Network::External: /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/network/external.yaml
  OS::TripleO::Network::InternalApi: /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/network/internal_api.yaml
  OS::TripleO::Network::StorageMgmt: /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/network/noop.yaml
  OS::TripleO::Network::Storage: /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/network/storage.yaml
  OS::TripleO::Network::Tenant: /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/network/tenant.yaml

  # Port assignments for the VIPs
  OS::TripleO::Network::Ports::ExternalVipPort: /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/network/ports/external.yaml
  OS::TripleO::Network::Ports::InternalApiVipPort: /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/network/ports/internal_api.yaml
  OS::TripleO::Network::Ports::StorageVipPort: /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/network/ports/storage.yaml
  OS::TripleO::Network::Ports::StorageMgmtVipPort: /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/network/ports/noop.yaml
  OS::TripleO::Network::Ports::TenantVipPort: /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/network/ports/tenant.yaml
  OS::TripleO::Network::Ports::RedisVipPort: /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/network/ports/vip.yaml

  # Port assignments for the controller role
  OS::TripleO::Controller::Ports::ExternalPort: /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/network/ports/external.yaml
  OS::TripleO::Controller::Ports::InternalApiPort: /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/network/ports/internal_api.yaml
  OS::TripleO::Controller::Ports::StoragePort: /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/network/ports/storage.yaml
  OS::TripleO::Controller::Ports::StorageMgmtPort: /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/network/ports/noop.yaml
  OS::TripleO::Controller::Ports::TenantPort: /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/network/ports/tenant.yaml

  # Port assignments for the compute role
  OS::TripleO::Compute::Ports::InternalApiPort: /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/network/ports/internal_api.yaml
  OS::TripleO::Compute::Ports::StoragePort: /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/network/ports/storage.yaml
  OS::TripleO::Compute::Ports::TenantPort: /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/network/ports/tenant.yaml

  # Port assignments for the ceph storage role
  OS::TripleO::CephStorage::Ports::StoragePort: /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/network/ports/storage.yaml
  OS::TripleO::CephStorage::Ports::StorageMgmtPort: /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/network/ports/noop.yaml

  # Port assignments for the swift storage role
  OS::TripleO::SwiftStorage::Ports::InternalApiPort: /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/network/ports/internal_api.yaml
  OS::TripleO::SwiftStorage::Ports::StoragePort: /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/network/ports/storage.yaml
  OS::TripleO::SwiftStorage::Ports::StorageMgmtPort: /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/network/ports/noop.yaml

  # Port assignments for the block storage role
  OS::TripleO::BlockStorage::Ports::InternalApiPort: /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/network/ports/internal_api.yaml
  OS::TripleO::BlockStorage::Ports::StoragePort: /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/network/ports/storage.yaml
  OS::TripleO::BlockStorage::Ports::StorageMgmtPort: /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/network/ports/noop.yaml

parameter_defaults:
  ServiceNetMap:
    NeutronTenantNetwork: tenant
    CeilometerApiNetwork: internal_api
    MongoDbNetwork: internal_api
    CinderApiNetwork: internal_api
    CinderIscsiNetwork: storage
    GlanceApiNetwork: storage
    GlanceRegistryNetwork: internal_api
    KeystoneAdminApiNetwork: ctlplane # Admin connection for Undercloud
    KeystonePublicApiNetwork: internal_api
    NeutronApiNetwork: internal_api
    HeatApiNetwork: internal_api
    NovaApiNetwork: internal_api
    NovaMetadataNetwork: internal_api
    NovaVncProxyNetwork: internal_api
    SwiftMgmtNetwork: storage # Changed from storage_mgmt
    SwiftProxyNetwork: storage
    HorizonNetwork: internal_api
    MemcachedNetwork: internal_api
    RabbitMqNetwork: internal_api
    RedisNetwork: internal_api
    MysqlNetwork: internal_api
    CephClusterNetwork: storage # Changed from storage_mgmt
    CephPublicNetwork: storage
    ControllerHostnameResolveNetwork: internal_api
    ComputeHostnameResolveNetwork: internal_api
    BlockStorageHostnameResolveNetwork: internal_api
    ObjectStorageHostnameResolveNetwork: internal_api
    CephStorageHostnameResolveNetwork: storage
noop.yaml 使用するとネットワークやポートが作成されないため、ストレージ管理ネットワークのサービスはプロビジョニングネットワークにデフォルト設定されます。ストレージ管理サービスをストレージネットワークなどの別のネットワークに移動するには ServiceNetMap で変更することができます。
Red Hat logoGithubRedditYoutubeTwitter

詳細情報

試用、購入および販売

コミュニティー

Red Hat ドキュメントについて

Red Hat をお使いのお客様が、信頼できるコンテンツが含まれている製品やサービスを活用することで、イノベーションを行い、目標を達成できるようにします。

多様性を受け入れるオープンソースの強化

Red Hat では、コード、ドキュメント、Web プロパティーにおける配慮に欠ける用語の置き換えに取り組んでいます。このような変更は、段階的に実施される予定です。詳細情報: Red Hat ブログ.

会社概要

Red Hat は、企業がコアとなるデータセンターからネットワークエッジに至るまで、各種プラットフォームや環境全体で作業を簡素化できるように、強化されたソリューションを提供しています。

© 2024 Red Hat, Inc.