第15章 アセットの種類
Business Central リポジトリーでバージョン管理されているものはすべてアセットです。プロジェクトには、ルール、パッケージ、ビジネスプロセス、デシジョンテーブル、ファクトモデル、ドメイン固有言語 (DSL)、またはプロジェクト要件に固有のその他のアセットを含めることができます。
次の図では、Red Hat Process Automation Manager 7.11 で利用可能なアセットを紹介します。
ケース管理 (プレビュー) およびケース定義のアセットタイプは、ケースプロジェクトでのみ使用できます。
以下のセクションでは、Red Hat Process Automation Manager 7.11 の各アセットを説明します。
ビジネスプロセス
ビジネスプロセスは、ビジネス目標を達成するのに必要なステップを示すダイアグラムです。
ケース管理 (プレビュー)
ケース管理は、Business Process Management (BPM) の拡張機能で、適用可能なビジネスプロセスを管理します。ケース管理は、ルーティンで、予測可能なタスクを対象する BPM の効率指向アプローチとは対照的に、繰り返さず、予測できないプロセスに対する問題解決を提供します。ここでは、プロセスが前もって予測できない、一回限りの状況が管理されます。
重要ビジネスプロセスアプリケーションサンプルには、テクノロジープレビューとして提供されている機能が含まれます。テクノロジープレビュー機能は、Red Hat 製品のサービスレベルアグリーメント (SLA) ではサポートされておらず、機能的に完全ではない可能性があるため、実稼働環境での使用は推奨されません。テクノロジープレビュー機能は、最新の製品機能をいち早く提供し、お客様には開発段階で機能性をテストし、フィードバックをお寄せいただくことができます。
ケース定義
ケースは、Business Central のケース定義プロセスデザイナーを使用して作成されます。ケース作成は、ケース管理に基づいて、各ケースに固有のゴールおよびタスクを設定します。ケースフローは、動的タスクまたはプロセスを追加して、実行時に動的に変更できます。
データオブジェクト
データオブジェクトは、作成するルールアセットの設定要素です。データオブジェクトは、プロジェクトで指定したパッケージに Java オブジェクトとして実装されているカスタムのデータタイプです。たとえば、データフィールドの Name、Address、および Date of Birth を使用して、ローン申請ルールに詳細な個人情報を指定できます。このカスタムのデータタイプは、アセットとデシジョンサービスがどのデータに基づいているかを指定します。
デシジョンテーブル (スプレッドシート)
デシジョンテーブルは、スプレッドシートまたは Red Hat Decision Manager ユーザーインターフェイスにガイド付きデシジョンテーブルとして保存されるルールの集まりです。外部の XLS ファイルまたは XLSX ファイルにルールを定義したら、Business Central のプロジェクトに、そのファイルをデシジョンテーブルとしてアップロードします。
重要通常は、デシジョンテーブルのスプレッドシートを 1 つだけアップロードする必要があります。これには、Business Central の 1 つのルールパッケージに必要なすべての
RuleTable
定義が含まれます。異なるパッケージに複数のデシジョンテーブルのスプレッドシートをアップロードすることはできますが、同じパッケージに複数のスプレッドシートをアップロードすると、RuleSet
属性またはRuleTable
属性が競合するコンパイルエラーが発生する可能性があるため、これは推奨されません。DMN
Decision Model and Notation (DMN) は、ビジネスデシジョンの設計とデシジョン実装の間のギャップを標準的に埋めていきます。Business Central の DMN デザイナーを使用すると、DMN 意思決定要件ダイアグラム (DRD) を設計し、完全で機能的な DMN 意思決定モデルの意思決定論理を定義できます。
DRL ファイル
ルールファイルは一般的に、.drl 拡張子を持つファイルです。DRL ファイルには、複数のルール、クエリー、関数だけでなく、お使いのルールやクエリーが割り当てて、使用する import、global、属性などのリソース宣言が含まれています。ただし、複数のルールファイルでルールを使用することもできます (その場合は、.rule という拡張子が推奨されますが必須ではありません)。ルールを複数のファイルで使用すると、多くのルールを管理しやすくなります。DRL ファイルは単なるテキストファイルです。
DSL 定義
ドメイン固有言語 (または DSL) は、問題があるドメインに対するルール言語を作成するために使用します。DSL 定義のセットは、DSL センテンスから DRL コンストラクトへの変換から設定され、基礎となるすべてのルール言語とデシジョンエンジン機能の使用を可能にします。
列挙
データの列挙は任意のアセットタイプで、ガイド付きデザイナーのドロップダウンリストを提供するように設定できます。これらは他のアセットと同じように保存および編集され、所属するパッケージに適用されます。
フォーム
フォームは、ビジネスプロセスのユーザーデータを集めるのに使用されます。Business Central は、フォームを自動的に生成するオプションを提供しますが、特定のビジネスプロセス要件を満たすように変更できます。
グローバル変数
グローバル変数を使用すると、ルールに利用できるアプリケーションオブジェクトを作成できます。一般的に、グローバル変数は、ルールが使用するデータまたはサービス (特に、ルール結果で使用されるアプリケーションサービス) を提供したり、ルールからデータ (ルール結果で追加されるログや値など) を返したり、ルールがアプリケーションと対話してコールバックを行ったりするために使用されます。
ガイド付きデシジョンテーブル
デシジョンテーブルは、スプレッドシートまたは Red Hat Decision Manager ユーザーインターフェイスにガイド付きデシジョンテーブルとして保存されるルールの集まりです。
ガイド付きデシジョンテーブルのグラフ
ガイド付きデシジョンテーブルのグラフは、1 つのデザイナーに表示される関連するガイド付きデシジョンテーブルの集まりです。このデザイナーを使用して、1 つの場所で関連するさまざまなデシジョンテーブルを視覚化し、使用できます。さらに、条件またはアクションが同じデータ型を、別のテーブルの条件またはアクションとしても使用する場合、テーブルは、テーブルのグラフデザイナーの行に物理的にリンクされます。
たとえば、1 つのデシジョンテーブルがローンの申請料を決定し、別のテーブルがその申請料を使用してその他のアクションを決定する場合、ガイド付きデシジョンテーブルのグラフでは 2 つのデシジョンテーブルがリングされます。
ガイド付きルール
ルールは、デシジョンエンジンが実行するロジックを提供します。ルールには、名前、属性、ルールの左側にある
when
ステートメント、およびルールの右側にあるthen
ステートメントが含まれます。ガイド付きルールテンプレート
ガイド付きルールテンプレートは、Drools Rule Language (DRL) に組み込まれ、プロジェクトのデシジョンサービスの中心となる、複数のルールで再利用可能なルール構造を提供します。
パッケージ
すべてのアセットは Business Central のパッケージに含まれます。パッケージはルールのディレクトリー、および名前空間となります。
Solver の設定
Solver 設定は Solver デザイナーにより作成され、KJAR のデプロイ後に Execution Solver またはプレーンな Java コードで実行できます。Business Central に Solver 設定を修正および作成できます。
テストシナリオ
Red Hat Process Automation Manager のテストシナリオでは、ルール、モデル、およびイベントの機能を実稼働環境にデプロイする前に検証できます。テストシナリオでは、ファクトまたはプロジェクトモデルのインスタンスと類似する条件のデータを使用します。このデータは指定のルールセットと照合され、想定された結果が実際の結果と一致するとテストに成功します。想定された結果が実際の結果と一致しないと、テストは失敗します。
テストシナリオ (レガシー)
デフォルトのテストシナリオアセットが開発中であるため、Red Hat Process Automation Manager 7.11 には、レガシーのテストシナリオのサポートが含まれています。
作業アイテムの定義
作業アイテムの定義は、カスタムタスクの表示方法を定義します。たとえば、タスク名、アイコン、パラメーター、その他の属性などです。