4.2. DMN 意思決定要件ダイアグラム (DRD) のコンポーネント
デシジョン要件ダイアグラム (DRD) は、DMN モデルを視覚的にしたものです。DMN モデルでは、DRD は意思決定要件グラフ (DRG) 全体の一部またはすべてを表します。DRD は、デシジョンノード、ビジネスナレッジモデル、ビジネスナレッジのソース、入力データ、およびデシジョンサービスを使用して、ビジネスデシジョンを追跡します。
以下の表では、DRD のコンポーネントについてまとめています。
コンポーネント | 説明 | 表記 | |
---|---|---|---|
要素 | デシジョン | 1 つ以上の要素が定義したデシジョンロジックをもとに出力を決定するノード。 | |
ビジネスナレッジモデル | 1 つまたは複数のデシジョン要素が含まれる再利用可能な関数。同じロジックですが、サブの入力または決定が異なるため、ビジネスナレッジモデルを使用してどの手順に従うかを決定します。 | ||
ナレッジソース | デシジョンまたはビジネスナレッジモデルを規定する外部の機関、ドキュメント、委員会またはポリシー。ナレッジソースは、実行可能なビジネスルールではなく、実際の要因への参照となります。 | ||
入力データ | デシジョンノードまたはビジネスナレッジモデルで使用する情報。入力データには通常、融資戦略で使用するローン申請データなど、ビジネスに関連するビジネスレベルのコンセプトまたはオブジェクトが含まれます。 | ||
デシジョンサービス | 呼び出しのサービスとして公開される、再利用可能なデシジョンセットを含むトップレベルのデシジョン。デシジョンサービスは、外部アプリケーションまたは BPMN ビジネスプロセスから呼び出し可能です。 | ||
要件コネクター | 情報要件 | 情報を必要とする別のデシジョンノードへの入力データノードまたはデシジョンノードからの接続 | |
ナレッジ要件 | デシジョンロジックを呼び出す別のビジネスナレッジモデルまたはデシジョンノードへのビジネスナレッジモデルからの接続 | ||
認証局の要件 | 入力データノードまたはデシジョンノードから従属するナレッジソース、またはナレッジソースからデシジョンノード、ビジネスナレッジモデル、または別のナレッジソースへの接続 | ||
アーティファクト | テキストのアノテーション | 入力データノード、デシジョンノード、ビジネスナレッジモデル、またはナレッジソースに関連する注釈 | |
関連付け | 入力データノード、デシジョンノード、ビジネスナレッジモデル、またはナレッジソースからテキストアノテーションへの接続 |
以下の表では、DRD 要素間で使用可能なコネクターについてまとめています。
接続元 | 接続先 | 接続の種類 | 例 |
---|---|---|---|
デシジョン | デシジョン | 情報要件 | |
ビジネスナレッジモデル | デシジョン | ナレッジ要件 | |
ビジネスナレッジモデル | |||
デシジョンサービス | デシジョン | ナレッジ要件 | |
ビジネスナレッジモデル | |||
入力データ | デシジョン | 情報要件 | |
ナレッジソース | 認証局の要件 | ||
ナレッジソース | デシジョン | 認証局の要件 | |
ビジネスナレッジモデル | |||
ナレッジソース | |||
デシジョン | テキストのアノテーション | 関連付け | |
ビジネスナレッジモデル | |||
ナレッジソース | |||
入力データ |
以下の DRD は、これらの DMN コンポーネントの実際の使用例です。
図4.1 DRD 例: ローンの事前審査
以下の DRD は、再利用可能なデシジョンサービスの一部となる DMN コンポーネントについて例示しています。
図4.2 DRD 例: デシジョンサービスとしての電話の対応
DMN デシジョンサービスノードでは、一番下のセグメントデシジョンノードはデシジョンサービス外からの入力データを組み込んで、デシジョンサービスノードにある一番上のセグメントの最終地点に行き着きます。デシジョンサービスから返される上位のデシジョンは、後続のデシジョンまたは DMN モデルのビジネスナレッジ要件に実装されます。他の DMN モデル内の DMN デシジョンサービスを再利用し、異なる入力データや外向け接続で、同じデシジョンロジックを適用します。