第7章 DMN モデルの実行


Business Central を使用して Red Hat Process Automation Manager のプロジェクトに DMN ファイルをインポートまたは作成するか、Business Central を使用しないプロジェクトのナレッジ JAR (KJAR) ファイルの一部として DMN ファイルをパッケージ化できます。Red Hat Process Automation Manager プロジェクトに DMN ファイルを実装した後に、KIE Server にこのファイルを含む KIE コンテナーをデプロイしてリモートアクセスするか、呼び出すアプリケーションの依存関係として KIE コンテナーを直接操作することで、DMN デシジョンサービスを実行できます。DMN ナレッジパッケージを作成しデプロイするその他のオプションも利用できますが、そのほとんどはナレッジアセットの全タイプ (DRL ファイルやプロセス定義など) と類似しています。

プロジェクトのパッケージングおよびデプロイメントの方法に外部 DMN アセットを含める方法は、Red Hat Process Automation Manager プロジェクトのパッケージ化およびデプロイ を参照してください。

7.1. DMN コールの Java アプリケーションへの直接組み込み

KIE コンテナーは、呼び出しプログラムにナレッジアセットを直接組み込む場合や、KJAR 用 Maven 依存関係を使用して物理的にプルする場合は、ローカルとみなされます。コードのバージョンと、DML 定義のバージョンとの間に密接な関係がある場合は、通常、ナレッジアセットをプロジェクトに直接組み込みます。意思決定への変更は、アプリケーションを更新して再デプロイしないと有効になりません。このアプローチに対する利点は、適切なオペレーションがランタイムへの外部の依存関係に依存していないことですが、ロックされた環境の場合は制限になる可能性があります。

Maven の依存関係を使用すると、システムプロパティーを使用して、更新を定期的にスキャンして自動的に更新するなど、特定バージョンの意思決定が動的に変更するため、柔軟性が高まります。これにより、外部の依存関係がサービスのデプロイ時間に影響を及ぼしますが、意思決定はローカルで実行されるため、ランタイム時に利用可能な外部サービスに対する信頼が低くなります。

前提条件

  • KJAR アーティファクトとして DMN プロジェクトをビルドして Maven リポジトリーにデプロイするか、プロジェクトクラスパスの一部として DMN アセットを追加している。理想的には、より効率的な実行ができるように、実行可能なモデルとして DMN プロジェクトをビルドしておいてください。

    mvn clean install -DgenerateDMNModel=yes

    プロジェクトのパッケージ化およびデプロイメント、および実行可能モデルに関する詳細は、Red Hat Process Automation Manager プロジェクトのパッケージ化およびデプロイ を参照してください。

手順

  1. クライアントアプリケーションで、Java プロジェクトの関連クラスパスに以下の依存関係を追加します。

    <!-- Required for the DMN runtime API -->
    <dependency>
      <groupId>org.kie</groupId>
      <artifactId>kie-dmn-core</artifactId>
      <version>${rhpam.version}</version>
    </dependency>
    
    <!-- Required if not using classpath KIE container -->
    <dependency>
      <groupId>org.kie</groupId>
      <artifactId>kie-ci</artifactId>
      <version>${rhpam.version}</version>
    </dependency>

    <version> は、プロジェクトで現在使用している Red Hat Process Automation Manager の Maven アーティファクトバージョンです (例: 7.52.0.Final-redhat-00007)。

    注記

    個別の依存関係に対して Red Hat Process Automation Manager <version> を指定するのではなく、Red Hat Business Automation BOM (bill of materials) の依存関係をプロジェクトの pom.xml ファイルに追加することを検討してください。Red Hat Business Automation BOM は、Red Hat Decision Manager と Red Hat Process Automation Manager の両方に適用されます。BOM ファイルを追加すると、提供される Maven リポジトリーから、推移的依存関係の適切なバージョンがプロジェクトに含められます。

    BOM 依存関係の例:

    <dependency>
      <groupId>com.redhat.ba</groupId>
      <artifactId>ba-platform-bom</artifactId>
      <version>7.11.0.redhat-00005</version>
      <scope>import</scope>
      <type>pom</type>
    </dependency>

    Red Hat Business Automation BOM (Bill of Materials) についての詳細情報は、What is the mapping between RHPAM product and maven library version? を参照してください。

  2. classpath または ReleaseId から KIE コンテナーを作成します。

    KieServices kieServices = KieServices.Factory.get();
    
    ReleaseId releaseId = kieServices.newReleaseId( "org.acme", "my-kjar", "1.0.0" );
    KieContainer kieContainer = kieServices.newKieContainer( releaseId );

    または、以下のオプションを使用します。

    KieServices kieServices = KieServices.Factory.get();
    
    KieContainer kieContainer = kieServices.getKieClasspathContainer();
  3. namespace モデルおよび modelName モデルを使用して、KIE コンテナーの DMNRuntime と、評価する DMN モデルへの参照を取得します。

    DMNRuntime dmnRuntime = KieRuntimeFactory.of(kieContainer.getKieBase()).get(DMNRuntime.class);
    
    String namespace = "http://www.redhat.com/_c7328033-c355-43cd-b616-0aceef80e52a";
    String modelName = "dmn-movieticket-ageclassification";
    
    DMNModel dmnModel = dmnRuntime.getModel(namespace, modelName);
  4. 希望するモデルに対してデシジョンサービスを実行します。

    DMNContext dmnContext = dmnRuntime.newContext();  1
    
    for (Integer age : Arrays.asList(1,12,13,64,65,66)) {
        dmnContext.set("Age", age);  2
        DMNResult dmnResult =
            dmnRuntime.evaluateAll(dmnModel, dmnContext);  3
    
        for (DMNDecisionResult dr : dmnResult.getDecisionResults()) {  4
            log.info("Age: " + age + ", " +
                     "Decision: '" + dr.getDecisionName() + "', " +
                     "Result: " + dr.getResult());
      }
    }
    1
    モデル評価に対する入力として使用する、新しい DMN コンテキストをインスタンス化します。この例では、Age Classification の意思決定を複数回ループさせています。
    2
    入力の DMN コンテキストに入力変数を割り当てます。
    3
    DMN モデルに定義した DMN デシジョンをすべて評価します。
    4
    1 回の評価で結果が 1 つ以上になることがあり、ループを作成します。

    この例では、以下の結果を出力します。

    Age 1 Decision 'AgeClassification' : Child
    Age 12 Decision 'AgeClassification' : Child
    Age 13 Decision 'AgeClassification' : Adult
    Age 64 Decision 'AgeClassification' : Adult
    Age 65 Decision 'AgeClassification' : Senior
    Age 66 Decision 'AgeClassification' : Senior

    DMN モデルがより効率性の高い実行を行えるように、実行可能なモデルとしてこれまでにコンパイルされていない場合は、DMN モデルの実行時に、以下のプロパティーを有効化してください。

    -Dorg.kie.dmn.compiler.execmodel=true
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