第3章 Red Hat Process Automation Manager へのパッチ更新およびマイナーリリースアップグレードの適用


大抵の場合は、Business Central、Process Server、ヘッドレス Process Automation Manager コントローラーなど、Red Hat Process Automation Manager の特定コンポーネントの更新を容易にする自動更新ツールが Red Hat Process Automation Manager のパッチ更新と新規マイナーバージョンで提供されます。デシジョンエンジンやスタンダードの Business Central など、その他の Red Hat Process Automation Manager アーティファクトは、各マイナーリリースが含まれる新しいアーティファクトとしてリリースされるため、再インストールして更新を適用する必要があります。

この自動更新ツールを使ってパッチ更新とマイナーリリースアップグレードの両方を Red Hat Process Automation Manager 7.6 に適用することができます。バージョン 7.6 から 7.6.1 への更新といった Red Hat Process Automation Manager のパッチ更新には、最新のセキュリティー更新とバグ修正が含まれます。バージョン 7.5.x から 7.6 へのアップグレードといった Red Hat Process Automation Manager のマイナーリリースアップグレードには、機能強化、セキュリティー更新、バグ修正が含まれます。

注記

Red Hat Process Automation Manager への更新だけが、Red Hat Process Automation Manager パッチ更新に含まれます。Red Hat JBoss EAP へのパッチは、Red Hat JBoss EAP パッチ配信を使用して適用する必要があります。詳細は『Red Hat JBoss EAP パッチおよびアップグレードガイド』を参照してください。

前提条件

  • Red Hat Process Automation Manager インスタンスおよび Process Server インスタンスが実行していない。Red Hat Process Automation Manager または Process Server のインスタンスを実行している間は更新を適用しないでください。

手順

  1. Red Hat カスタマーポータルの Software Downloads ページに移動し (ログインが必要) 、ドロップダウンオプションから選択およびバージョンを選択します。

    例:

    • 製品: Process Automation Manager
    • バージョン: 7.6.1

    バージョン 7.5 から 7.6.x などのように、Red Hat Process Automation Manager の新たなマイナーリリースにアップグレードする場合は、お使いの Red Hat Process Automation Manager に最新のパッチ更新を適用してから、以下の手順にしたがって新たなマイナーリリースにアップグレードしてください。

  2. Patches をクリックし、Red Hat Process Automation Manager [VERSION] Patch Update をダウンロードし、ダウンロードした rhpam-$VERSION-update.zip ファイルを一時ディレクトリーに展開します。

    この更新ツールは、Business Central、Process Server、およびヘッドレス Process Automation Manager コントローラーなど、Red Hat Process Automation Manager の一定のコンポーネントの更新を自動化します。このツールを使用して最初に更新を適用し、Red Hat Process Automation Manager ディストリビューションに関連するその他の更新、または新しいリリースアーティファクトをインストールします。

  3. 更新ツールがファイルを更新しないようにするには、展開した rrhpam-$VERSION-update ディレクトリーに移動し、blacklist.txt ファイルを開き、更新しないファイルの相対パスを追加します。

    ファイルが blacklist.txt ファイルの一覧に追加されていると、更新スクリプトは、そのファイルを新しいバージョンに置き換えずにそのまま残し、新しいバージョンのファイルに .new 接尾辞を付けて追加します。ブラックリストのファイルが配布されなくなると、更新ツールは、.removed 接尾辞の付いた、空のマーカーファイルを作成します。新しいファイルをそのままにするか、手動でマージするか削除します。

    blacklist.txt ファイルで除外されるファイルの例:

    WEB-INF/web.xml  // Custom file
    styles/base.css  // Obsolete custom file kept for record

    更新後の、ブラックリストに指定されたファイルディレクトリー内のコンテンツ:

    $ ls WEB-INF
    web.xml web.xml.new
    $ ls styles
    base.css base.css.removed
  4. コマンドの端末で、rhpam-$VERSION-update.zip ファイルから展開した一時ファイルに移動し、以下の形式で apply-updates スクリプトを実行します。

    重要

    更新を行う前に、Red Hat Process Automation Manager インスタンスおよび Process Server インスタンスが実行していないことを確認します。Red Hat Process Automation Manager または Process Server のインスタンスを実行している間は更新を適用しないでください。

    Linux システムまたは Unix ベースのシステムの場合:

    $ ./apply-updates.sh $DISTRO_PATH $DISTRO_TYPE

    Windows の場合:

    $ .\apply-updates.bat $DISTRO_PATH $DISTRO_TYPE

    $DISTRO_PATH の部分は、関連するディストリビューションディレクトリーへのパスで、$DISTRO_TYPE の部分は、更新しているディストリビューションの種類となります。

    Red Hat Process Automation Manager 更新ツールでは、以下のディストリビューションの種類がサポートされます。

    • rhpam-business-central-eap7-deployable: Business Central (business-central.war) を更新します。
    • rhpam-kie-server-ee8: Process Server (kie-server.war) を更新します。
    • rhpam-controller-ee7: ヘッドレス Process Automation Manager controller (controller.war) を更新します。

    Red Hat JBoss EAP で、Red Hat Process Automation Manager の完全ディストリビューションに対する Business Central および Process Server への更新の例:

    ./apply-updates.sh ~EAP_HOME/standalone/deployments/business-central.war rhpam-business-central-eap7-deployable
    
    ./apply-updates.sh ~EAP_HOME/standalone/deployments/kie-server.war rhpam-kie-server-ee8

    ヘッドレス Process Automation Manager コントローラーへの更新例 (使用している場合):

    ./apply-updates.sh ~EAP_HOME/standalone/deployments/controller.war rhpam-controller-ee7

    更新スクリプトは、展開した rhpam-$VERSION-update ディレクトリーに、指定したディストリビューションのコピーを含む backup ディレクトリーを作成してから、更新を行います。

  5. 更新ツールが完了したら、更新ツールをダウンロードした、Red Hat カスタマーポータルの Software Downloads ページに戻り、Red Hat Process Automation Manager ディストリビューションに関するその他の更新または新しいリリースアーティファクトをインストールします。

    デシジョンエンジンまたはその他のアドオンに関する .jar など、Red Hat Process Automation Manager ディストリビューションにすでに存在しているファイルについては、ファイルの既存のバージョンを、Red Hat カスタマーポータルから取得した新しいバージョンに置き換えます。

  6. エアギャップ環境など、スタンドアロンの Red Hat Process Automation Manager 7.6.0 Maven Repository アーティファクト (rhpam-7.6.0-maven-repository.zip) を使用する場合は、Red Hat Process Automation Manager 7.6.x Maven Repository をダウンロードして、ダウンロードした rhpam-7.6.x-maven-repository.zip ファイルを既存の ~/maven-repository ディレクトリーに展開して、関連するコンテンツを更新します。

    Maven リポジトリーの更新例:

    $ unzip -o rhpam-7.6.1-maven-repository.zip 'rhba-7.6.1.GA-maven-repository/maven-repository/*' -d /tmp/rhbaMavenRepoUpdate
    
    $ mv /tmp/rhbaMavenRepoUpdate/rhba-7.6.1.GA-maven-repository/maven-repository/ $REPO_PATH/
    注記

    更新が完了したら /tmp/rhbaMavenRepoUpdate フォルダーを削除してください。

  7. 関連する更新をすべて適用したら、Red Hat Process Automation Manager および Process Server を起動して、Business Central にログインします。
  8. Business Central 内のすべてのプロジェクトデータが存在して正確であることを確認し、Business Central ウィンドウの右上隅でプロファイル名をクリックし、About をクリックして、更新した製品バージョン番号を確認します。

    Business Central でエラーが発生したり、データが不足していることが通知されたら、rhpam-$VERSION-update ディレクトリーの backup ディレクトリーにコンテンツを復元し、更新ツールへの変更を戻します。Red Hat カスタマーポータルで Red Hat Process Automation Manager の以前のバージョンから、関連するリリースアーティファクトを再インストールできます。以前のディストリビューションを復元したら、更新を再実行してください。

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