第6章 Clair について
Clair は、National Vulnerability Database (NVD) の Common Vulnerability Scoring System (CVSS) データを使用して脆弱性データを補完します。NVD は、さまざまなソフトウェアコンポーネントやシステムの既知の脆弱性やセキュリティー問題など、セキュリティー関連情報を提供する米国政府のリポジトリーです。NVD のスコアを使用することは、Clair にとって次の利点があります。
- データの同期。Clair は、脆弱性データベースを NVD と定期的に同期できます。これにより、最新の脆弱性データが確実に保持されます。
- 照合と補完。Clair は、コンテナーイメージ内で発見した脆弱性のメタデータと識別子を NVD のデータと比較します。このプロセスでは、Common Vulnerabilities and Exposures (CVE) ID などの一意の識別子と NVD 内のエントリーの照合を実行します。一致するものが見つかった場合、Clair は重大度スコア、説明、リファレンスなど、NVD から詳細情報を追加して、脆弱性情報を補完することができます。
- 重大度スコア。NVD は、Common Vulnerability Scoring System (CVSS) スコアなどの重大度スコアを脆弱性に割り当て、各脆弱性に関連する潜在的な影響とリスクを示します。NVD の重大度スコアを組み込むことにより、Clair は検出した脆弱性の重大さに関するコンテキストをより多く提供できます。
Clair が NVD に基づいて脆弱性を発見した場合は、コンテナーイメージ内で検出された脆弱性の重大度と潜在的な影響について、標準化された詳細な評価が、UI を通じてユーザーに報告されます。CVSS の補完データは、Clair に次の利点を提供します。
- 脆弱性の優先順位付け。CVSS スコアを利用することで、ユーザーは重大度に基づいて脆弱性に優先順位を付け、最も重要な問題に最初に対処できるようになります。
- リスクの評価。CVSS スコアは、コンテナー化されたアプリケーションに対する脆弱性の潜在的なリスクを Clair ユーザーが理解するのに役立ちます。
- 重大度の伝達。CVSS スコアを使用すると、Clair ユーザーはチームおよび組織全体に脆弱性の重大度を標準化された方法で伝達できます。
- 修復戦略の通知。CVSS の補完データは、Quay.io のユーザーが適切な修復戦略を策定する際に役立ちます。
- コンプライアンスとレポート。Clair によって生成されるレポートに CVSS データを統合すると、セキュリティーの脆弱性に対処し、業界の標準と規制に準拠するという組織的な取り組みを示すのに役立ちます。
Clair のインストールと設定に関するドキュメントは 、Red Hat Quay の Clair を使用した脆弱性報告 を参照してください。