3.6. アップグレード後のタスクの実行


本セクションで紹介する手順の一部はオプションです。お使いのインストールに関連する手順のみを選択できます。

3.6.1. Discovery のアップグレード

PXE ベースの検出プロセスを使用する場合には、Satellite の ホスト > 検出されたホスト ページに表示させるホストで、Satellite または Capsule Server 上で Discovery アップグレードの手順を実行する必要があります。

このセクションでは、PXE ブートを使用して Satellite Server に登録するホストに渡した PXELinux テンプレートとブートイメージを更新する方法を説明します。

Satellite 6.11 以降、プロビジョニングテンプレートには別途サブネットが関連付けられるので、対象のサブネットに対して TFTP Capsule を使用するように初期設定しないようにしてください。アップグレード後にサブネットを作成する場合には、特に Satellite また Capsule が Discovery テンプレートにプロキシーサービスを提供できるようにしてから、テンプレート Capsule を使用するように、検出されたホストで全ホストを設定する必要があります。

アップグレード中は、TFTP プロキシーが設定された各サブネットが有効化されている場合には、テンプレート Capsule を TFTP Capsule と同じに設定してください。アップグレード後には、すべてのサブネットでこれが正しく設定されていることを確認してください。

ホストで PXE ブートを使用しない場合には、Satellite に新規ホストを検出させるために、これらの手順は、必要ありません。

関連情報

Discovery サービスの設定に関する詳細は、ホストの プロビジョニング の Discovery サービスの設定 を 参照してください

3.6.1.1. Satellite Server での Discovery のアップグレード

  1. Satellite Web UI で Discovery テンプレートを更新します。

    1. Satellite Web UI で、Hosts > Provisioning templates に移動します。
    2. PXELinux global default 行で クローン をクリックします。
    3. 名前 フィールドに、テンプレートの新しい名前を入力します (例: ACME PXE global default)。
    4. テンプレートエディターフィールドで、ONTIMEOUT local 行を ONTIMEOUT discovery に変更し、送信 をクリックします。
    5. Satellite Web UI で、Administer > Settings に移動します。
    6. Provisioning タブで、Default PXE global template entry を環境のカスタム値に設定します。
    7. Global default PXELinux template をクリックします。
    8. メニューから新しく作成したテンプレートの名前を選択し、Submit をクリックします。
    9. Satellite Web UI で、Hosts > Provisioning templates に移動します。
    10. PXE デフォルトのビルド をクリックして、OK をクリックします。
    注記

    テンプレートが変更された場合、Satellite のアップグレードによってテンプレートがデフォルトバージョンに上書きされます。PXE デフォルト設定が構築されると、Settings で設定されたテンプレートが TFTP にデプロイされます。これにより、新しいテンプレートが Settings で正しく設定されている場合、デフォルトのテンプレートがデプロイされる可能性があります。

  2. Satellite Web UI で Configure > Discovery Rules に移動し、選択した組織および場所を検出ルールに関連付けます。

3.6.2. Capsule Server での Discovery のアップグレード

  1. Satellite Server で、Foreman Discovery パッケージが最新であることを確認します。

    Copy to Clipboard Toggle word wrap
    # satellite-maintain packages install tfm-rubygem-foreman_discovery
  2. 以前の手順で更新が行われた場合には、satellite-maintain サービスを再起動します。

    Copy to Clipboard Toggle word wrap
    # satellite-maintain service restart
  3. 検出されたホストでプロビジョニングネットワークに接続した Satellite Capsule の Discovery イメージ、または検出されたホストに TFTP サービスを提供する Satellite Capsule の Discovery イメージをアップグレードします。

    Copy to Clipboard Toggle word wrap
    # satellite-maintain packages install foreman-discovery-image
  4. 同じインスタンスに、Proxy サービスを提供するパッケージをインストールして、foreman-proxy サービスを再起動します。

    Copy to Clipboard Toggle word wrap
    # satellite-maintain packages install tfm-rubygem-smart_proxy_discovery
    # service foreman-proxy restart
  5. Satellite Web UI で、インフラストラクチャー > Capsule に移動して、関連する Capsule の機能コラムに Discovery が表示されていることを確認します。必要に応じて、アクション ドロップダウンメニューから リフレッシュ を選択します。
  6. インフラストラクチャー > サブネット に移動し、検出を使用する各サブネットで以下を行います。

    1. サブネット名をクリックします。
    2. Capsule タブで、上で設定した Capsule に Discovery Capsule が設定されているのを確認します。

3.6.2.1. サブネットにテンプレート Capsule があることの確認

テンプレート機能が環境で有効にされている場合には、検出されたホストが含まれる全サブネットにテンプレート Capsule があることを確認します。

  1. Satellite Web UI で、Infrastructure > Subnets に移動します。
  2. 確認するサブネットを選択します。
  3. Capsule タブで、テンプレート Capsule が、このサブネットに設定されていることを確認します。

テンプレート Capsules によるサブネットの設定の詳細は、Provisioning ガイドの Configuring the Discovery Service を参照してください。

3.6.3. virt-who のアップグレード

Satellite Server または Capsule Server に virt-who がインストールされている場合は、Satellite Server または Capsule Server のアップグレード時に一緒にアップグレードされるため、追加の作業は必要ありません。これ以外の作業は必要ありません。virt-who を他の場所にインストールしている場合は、手動でアップグレードする必要があります。

作業開始前の準備

Satellite Server または Capsule Server に登録しているホストに virt-who がインストールされている場合は、最初にホストを Satellite Client 6 リポジトリーで利用可能な最新パッケージにアップグレードします。ホストのアップグレードに関する詳細は、「コンテンツホストのアップグレード」 を参照してください。

virt-who の手動アップグレード

  1. virt-who をアップグレードします。

    Copy to Clipboard Toggle word wrap
    # yum upgrade virt-who
  2. virt-who サービスを再起動して、新しいバージョンを有効にします。

    Copy to Clipboard Toggle word wrap
    # systemctl restart virt-who.service

3.6.4. 以前のバージョンの Satellite Tools リポジトリーの削除

Satellite 6.11 へのアップグレードが完了したら、コンテンツビューから Red Hat Satellite Tools 6.10 リポジトリーを削除して、無効にすることができます。

バージョン 6.10 の Satellite Tools リポジトリーを無効にします。

  1. Satellite Web UI で、コンテンツ > Red Hat リポジトリー に移動します。
  2. Enabled Repositories エリアで、Red Hat Satellite Tools 6.10 for RHEL 7 Server RPMs x86_64 を探します。
  3. 右側の 無効化 アイコンをクリックします。

リポジトリーがまだコンテンツビューに含まれている場合には、無効にできません。スケジュールされているタスクにより、無効にされたリポジトリーからパッケージが自動的に削除されます。

3.6.5. Ansible コンテンツの移行

Red Hat Enterprise Linux 7 から Red Hat Enterprise Linux 8 へのアップグレードには、Ansible Engine 2.9 から Ansible Core 2.12 へのアップグレードが含まれます。

Playbook、REX 内のジョブテンプレート、ディスク上のロールおよびコレクションなどのカスタム Ansible コンテンツがあり、Satellite 上の Ansible RPM によって配信されるモジュールに依存している場合は、Ansible インストールを適応させるか、Ansible コンテンツを移行するために追加の手順を実行する必要があります。

Ansible Core には必須モジュールのみが含まれています。FQCN 表記 namespace.collection.module に関しては、ansible.builtin.* を引き続き使用できますが、それ以外のものは Ansible Core にはありません。つまり、以前のように非組み込みの Ansible モジュールを使用できなくなるため、最終的には別のソースから入手する必要があります。

アップグレード後に Ansible コンテンツを処理するには、次のオプションがあります。

  • Ansible Galaxy から必須ではない機能を提供する、コミュニティーが管理する追加のコレクションを取得できます。詳細は、Galaxy User GuideInstalling collections を参照してください。

    Red Hat はこのコンテンツへのサポートを提供していない点に注意してください。

  • Red Hat Automation Hub のサブスクリプションをお持ちの場合は、ansible-galaxy を設定して Automation Hub サーバーと通信し、そこからコンテンツをダウンロードできます。そのコンテンツは Red Hat によってサポートされています。ansible-galaxy の Automation Hub 接続の設定に関する詳細は、コンテンツの主なソースとして Red Hat Automation Hub を設定 を参照してください。
  • Ansible ロール、テンプレート、およびその他の影響を受けるコンテンツを書き換えることができます。Red Hat は、お客様が独自に維持するコンテンツへのサポートを提供していない点に注意してください。
注記

外部の Ansible Galaxy サーバーに接続していない Capsule に Ansible コンテンツをダウンロードしてインストールする場合は、Capsule の設定で Ansible Galaxy サーバーの URL を直接使用するのではなく、Satellite Server を介してコンテンツを渡す必要があります。

  1. Ansible Galaxy サーバーからのコンテンツを、Satellite Server のカスタムリポジトリーに同期します。
  2. Capsule で Ansible を設定して、Satellite Server からコンテンツをダウンロードします。

3.6.6. PostgreSQL 領域の確保

PostgreSQL データベースは、特に負荷の高いデプロイメントにおいて、大容量のディスク領域を使用できます。Satellite でこのディスク領域の一部を回収するには、この手順を使用します。

手順

  1. postgresql サービス以外の全サービスを停止します。

    Copy to Clipboard Toggle word wrap
    # satellite-maintain service stop --exclude postgresql
  2. postgres ユーザーに切り替えて、データベースの領域を回収します。

    Copy to Clipboard Toggle word wrap
    # su - postgres -c 'vacuumdb --full --all'
  3. Vacuum が完了したら、他のサービスを開始します。

    Copy to Clipboard Toggle word wrap
    # satellite-maintain service start

3.6.7. テンプレート、パラメーター、ルックアップキーおよび値の更新

アップグレードプロセスで、Satellite は Satellite 6.11 で非推奨となったマクロの場所を特定し、デフォルトの Satellite テンプレート、パラメーター、ルックアップキーおよび値の以前の構文を新しい構文に変換します。ただし、Satellite は、クローンされたテンプレートや、作成したカスタムジョブまたはプロビジョニングテンプレートに含まれる以前の構文は変換しません。

このプロセスは、以下のような単純なテキスト置換を使用します。

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@host.params['parameter1'] -> host_param('parameter1')
@host.param_true?('parameter1') -> host_param_true?('parameter1')
@host.param_false?('parameter1') -> host_param_false?('parameter1')
@host.info['parameters'] -> host_enc['parameters']
警告

Satellite で複製されたテンプレートを使用する場合、複製されたテンプレートが Satellite の元のテンプレートの最新バージョンと異なるかどうかを確認します。同じテンプレートの構文は、Satellite のバージョンによって異なる場合があります。複製されたテンプレートに古い構文が含まれている場合は、テンプレートの最新バージョンに一致するように構文を更新します。

アップグレード中に、このテキスト置換でファイルの変数を破損したり、省略したりしないように、以前の構文のテンプレート、パラメーター、ルックアップキーおよび値のすべてを確認して、手動で置き換えます。

以下のエラーは、アップグレード後にファイル内に以前の構文が残っていることが原因で発生します。

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 undefined method '#params' for Host::Managed::Jail

Fixing the outdated subscription_manager_registration snippet

Satellite 6.4 以降では、subscription_manager_registration スニペットの代わりに redhat_register スニペットを使用します。

Satellite 6.3 以前からアップグレードする場合は、以下のようにカスタムジョブまたはプロビジョニングテンプレートの subscription_manager_registration スニペットを置き換える必要があります。

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<%= snippet "subscription_manager_registration" %>
               ↓
<%= snippet 'redhat_register' %>

3.6.8. 事前定義済みプロファイルを使用した Satellite Server の調整

Satellite のデプロイメントに 5000 台を超えるホストが含まれる場合には、事前定義済みの tuning プロファイルを使用して Satellite のパフォーマンスを向上できます。

Capsule では tuning プロファイルを使用できない点に注意してください。

Satellite が管理するホストの数と利用可能なハードウェアリソースに応じて、プロファイルの 1 つを選択できます。

tuning プロファイルは、/usr/share/foreman-installer/config/foreman.hiera/tuning/sizes ディレクトリーにあります。

--tuning オプションを指定して satellite-installer コマンドを実行した場合には、デプロイメント設定が以下の順番で Satellite Server に適用されます。

  1. /usr/share/foreman-installer/config/foreman.hiera/tuning/common.yaml ファイルで定義したデフォルトの tuning プロファイル
  2. /usr/share/foreman-installer/config/foreman.hiera/tuning/sizes/ ディレクトリーで定義され、デプロイメントに適用する tuning プロファイル
  3. オプション: /etc/foreman-installer/custom-hiera.yaml ファイルを設定した場合、Satellite はこれらの設定を適用します。

/etc/foreman-installer/custom-hiera.yaml ファイルで定義した設定は、tuning プロファイルで定義した設定を上書きすることに注意してください。

したがって、tuning プロファイルを適用する前に、/usr/share/foreman-installer/config/foreman.hiera/tuning/common.yaml のデフォルトの tuning プロファイルに定義されている設定、適用する tuning プロファイル、および /etc/foreman-installer/custom-hiera.yaml ファイルを比較して、重複する設定内容を /etc/foreman-installer/custom-hiera.yaml ファイルから削除する必要があります。

default

管理対象ホスト数: 0 – 5000

RAM: 20G

CPU コア数: 4

medium

管理対象ホスト数: 5001 – 10000

RAM: 32G

CPU コア数: 8

large

管理対象ホスト数: 10001 – 20000

RAM: 64G

CPU コア数: 16

extra-large

管理対象ホスト数: 20001 – 60000

RAM: 128G

CPU コア数: 32

extra-extra-large

マネージドホスト数: 60000+

RAM: 256G

CPU コア数: 48+

手順

  1. オプション: Satellite Server で、custom-hiera.yaml ファイルを設定した場合、/etc/foreman-installer/custom-hiera.yaml ファイルを custom-hiera.original にバックアップします。/etc/foreman-installer/custom-hiera.yaml ファイルが破損した場合には、バックアップファイルを使用して、ファイルを元の状態に戻します。

    Copy to Clipboard Toggle word wrap
    # cp /etc/foreman-installer/custom-hiera.yaml \
    /etc/foreman-installer/custom-hiera.original
  2. オプション: Satellite Server で custom-hiera.yaml ファイルを設定した場合、/usr/share/foreman-installer/config/foreman.hiera/tuning/common.yaml のデフォルト tuning プロファイルの定義と、/usr/share/foreman-installer/config/foreman.hiera/tuning/sizes/ に適用する tuning プロファイルを確認します。/etc/foreman-installer/custom-hiera.yaml ファイルの設定内容と比較して、/etc/foreman-installer/custom-hiera.yaml ファイルで重複設定を削除します。
  3. 適用するプロファイルに対して、--tuning オプションを指定して satellite-installer コマンドを入力します。たとえば、medium tuning プロファイル設定を適用するには、以下のコマンドを入力します。

    Copy to Clipboard Toggle word wrap
    # satellite-installer --tuning medium
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