4.4.2. TSIG 認証を使用した動的 DNS 更新の設定
IdM サーバーが DNS (TSIG) テクノロジーの秘密鍵トランザクション認証を使用するように設定できます。このテクノロジーは、認証に rndc.key
キーファイルを使用します。TSIG プロトコルについては RFC2845 に定義されています。
前提条件
- IdM サーバーがデプロイされ、ホストベースのファイアウォールが正確に設定されている。詳細は『Linux ドメイン ID、認証、およびポリシーガイド』の「ポート要件」を参照してください。
-
IdM サーバーで
root
権限を取得する必要があります。 - デプロイメントに DNS サービスを提供するように Satellite Server または Capsule Server が設定されていることを確認する。
- デプロイメントの DNS サービスを管理する Satellite または Capsule のいずれかのベースオペレーティングシステムで DNS 、DHCP および TFTP サービスを設定する必要がある。
- 応答ファイルのバックアップを作成しておく。応答ファイルが破損した場合に、元の状態に戻せるように、バックアップを使用できます。詳細は、「 Satellite Server の設定」を 参照してください。
手順
TSIG 認証で動的 DNS 更新を設定するには、以下の手順を実行します。
IdM サーバーの DNS ゾーンに対する外部アップデートの有効化
IdM サーバーで、以下の内容を
/etc/named.conf
ファイルの先頭に追加します。include "/etc/rndc.key"; controls { inet IdM_Server_IP_Address port 953 allow { Satellite_IP_Address; } keys { "rndc-key"; }; };
named
サービスをリロードして、変更を有効にします。# systemctl reload named
IdM Web UI で、ネットワークサービス > DNS > DNS ゾーン に移動して、ゾーンの名前をクリックします。設定 タブで、以下の変更を適用します。
BIND update policy (BIND アップデートポリシー)
ボックスで以下の内容を追加します。grant "rndc-key" zonesub ANY;
- Dynamic update を True に設定します。
- Update (更新) をクリックして変更を保存します。
IdM サーバーから Satellite Server のベースオペレーティングシステムに
/etc/rndc.key
ファイルをコピーします。以下のコマンドを入力します。# scp /etc/rndc.key root@satellite.example.com:/etc/rndc.key
rndc.key
ファイルに適切な所有者、パーミッション、SELinux コンテキストを設定するには、以下のコマンドを入力します。# restorecon -v /etc/rndc.key # chown -v root:named /etc/rndc.key # chmod -v 640 /etc/rndc.key
foreman-proxy
ユーザーは、手動でnamed
グループに割り当てます。通常、satellite-installer はforeman-proxy
ユーザーがnamed
UNIX グループに所属させますが、今回のシナリオでは、Satellite でユーザーとグループを管理していないので、foreman-proxy
ユーザーをnamed
グループに手作業で割り当てる必要があります。# usermod -a -G named foreman-proxy
Satellite Server で以下の
satellite-installer
コマンドを入力して、Satellite が外部の DNS サーバーを使用するように設定します。# satellite-installer --scenario satellite \ --foreman-proxy-dns=true \ --foreman-proxy-dns-managed=false \ --foreman-proxy-dns-provider=nsupdate \ --foreman-proxy-dns-server="IdM_Server_IP_Address" \ --foreman-proxy-keyfile=/etc/rndc.key \ --foreman-proxy-dns-ttl=86400
IdM サーバーの DNS ゾーンに対する外部アップデートのテスト
bind-utils
ユーティリティーをインストールします。# yum install bind-utils
Satellite Server 上の
/etc/rndc.key
ファイルのキーが IdM サーバーで使用されているキーファイルと同じであることを確認します。key "rndc-key" { algorithm hmac-md5; secret "secret-key=="; };
Satellite Server で、ホストのテスト DNS エントリーを作成します。(例:
192.168.25.1
の IdM サーバーに、192.168.25.20
の A レコードを指定したtest.example.com
ホストなど)# echo -e "server 192.168.25.1\n \ update add test.example.com 3600 IN A 192.168.25.20\n \ send\n" | nsupdate -k /etc/rndc.key
Satellite Server で、DNS エントリーをテストします。
# nslookup test.example.com 192.168.25.1 Server: 192.168.25.1 Address: 192.168.25.1#53 Name: test.example.com Address: 192.168.25.20
- IdM Web UI でエントリーを参照するために、Network Services (ネットワークサービス) > DNS > DNS Zones (DNS ゾーン) に移動します。ゾーンの名前をクリックし、名前でホストを検索します。
正常に解決されたら、テスト DNS エントリーを削除します。
# echo -e "server 192.168.25.1\n \ update delete test.example.com 3600 IN A 192.168.25.20\n \ send\n" | nsupdate -k /etc/rndc.key
DNS エントリーが削除されたことを確認します。
# nslookup test.example.com 192.168.25.1
レコードが正常に削除されている場合は、上記の
nslookup
コマンドが失敗し、SERVFAIL
エラーメッセージを返します。