2.6. HTTP サーバーの設定
HTTP サーバーがインストールされ、有効化されました。次のステップでは、設定を指定します。HTTP サーバーは、ポート 80 に Web サーバーを提供する /etc/httpd/conf/httpd.conf にデフォルト設定をすでにいくつか提供しています。ユーザー指定のポートに追加の Web サーバーを提供するために、設定を追加します。
ユーザー定義のポートには変数入力が必要なため、テンプレートファイルを使用して設定内容を保存します。モジュールで、templates という名前のディレクトリーを作成し、新しいディレクトリーに myserver.conf.erb という名前のファイルを追加します。ファイルに以下のコンテンツを追加します。
Listen <%= @httpd_port %> NameVirtualHost *:<%= @httpd_port %> <VirtualHost *:<%= @httpd_port %>> DocumentRoot /var/www/myserver/ ServerName <%= @fqdn %> <Directory "/var/www/myserver/"> Options All Indexes FollowSymLinks Order allow,deny Allow from all </Directory> </VirtualHost>
このテンプレートは、Apache Web サーバー設定の標準構文に従います。唯一の相違点は、モジュールから変数を注入する際に Ruby のエスケープ文字が含まれる点です。たとえば、Web サーバーポートを指定するために使用する httpd_port
などがあります。
fqdn
が追加されている点にも注意してください。これは、システムの完全修飾ドメイン名を保存する変数です。これは、システムファクトとして知られています。システムファクトは、各該当システムの Puppet カタログを生成する前に各システムから収集します。Puppet は facter
コマンドを使用して、これらのシステムファクトを収集します。また、facter
を実行してこれらのファクトのリストを表示することもできます。
httpd.pp マニフェストを編集し、強調表示されている行を追加します。
class mymodule::httpd { package { 'httpd': ensure => installed, } service { 'httpd': ensure => running, enable => true, require => Package["httpd"], } file {'/etc/httpd/conf.d/myserver.conf': notify => Service["httpd"], ensure => file, require => Package["httpd"], content => template("mymodule/myserver.conf.erb"), } file { "/var/www/myserver": ensure => "directory", } }
これにより、以下の操作が実行されます。
- サーバー設定ファイル /etc/httpd/conf.d/myserver.conf のファイルリソース宣言を追加します。
-
notify ⇒ Service["httpd"]
属性を使用して、設定ファイルとhttpd
サービスとの関係を追加します。これにより、設定ファイルへの変更の有無が確認されます。ファイルが変更された場合には、Puppet によりサービスが再起動されます。 - このファイルを追加する前に、httpd パッケージがインストールされていることを確認します。
-
この /etc/httpd/conf.d/myserver.conf ファイルの
content
は、以前に作成した myserver.conf.erb テンプレートです。 - 2 つ目のファイルリソース宣言を追加します。これにより、Web サーバーの /var/www/myserver/ ディレクトリーが作成されます。
また、メインのマニフェストファイルに httpd_port
パラメーターを含める必要があります。init.pp マニフェストを編集し、以下の太字のテキストを追加します。
class mymodule ( $httpd_port = 8120 ) { include mymodule::httpd }
これにより、httpd_port
パラメーターをデフォルト値 8120 に設定します。この値は Satellite Server で上書きできます。
puppet apply
コマンドを再度実行して、モジュールへの変更をテストします。
# puppet apply mymodule/tests/init.pp --noop ... Notice: /Stage[main]/Mymodule::Httpd/File[/var/www/myserver]/ensure: current_value absent, should be directory (noop) ... Notice: /Stage[main]/Mymodule::Httpd/File[/etc/httpd/conf.d/myserver.conf]/ensure: current_value absent, should be file (noop) ...
これらの出力通知メッセージでは、設定ファイルと Web サーバーディレクトリーの作成が表示されます。