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Red Hat Satellite の管理

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Red Hat Satellite 6.9

Red Hat Satellite の管理ガイド

概要

本ガイドでは、Red Hat Satellite 6 Server を設定および管理する手順について説明します。この作業を続行する前に、Red Hat Satellite 6 Server と必要なすべての Capsule Server を正常にインストールしておく必要があります。

第1章 Red Hat Satellite へのアクセス

Red Hat Satellite のインストールと設定が終わったら、Web ユーザーインターフェイスを使用して Satellite にログインし、追加の設定を行います。

1.1. Katello ルート CA 証明書のインストール

Satellite に初めてログインする場合は、デフォルトの自己署名証明書を使用していることを通知する警告が表示され、ルート CA 証明書がブラウザーにインストールされるまでこのブラウザーを Satellite に接続できない可能性があります。以下の手順を実行して、Satellite 上でルート CA 証明書を特定し、ブラウザーにインストールします。

前提条件

Red Hat Satellite がインストールされ、設定されていること。

手順

  1. Satellite Server の完全修飾ドメイン名を特定します。

    # hostname -f
  2. Web ブラウザーで以下の完全修飾ドメイン名を指定して、Satellite Server の pub ディレクトリーにアクセスします。

    https://satellite.example.com/pub
  3. Satellite に初めてアクセスする場合は、信頼できない接続を警告するメッセージが Web ブラウザーに表示されます。自己署名証明書を承認し、Satellite の URL をセキュリティー例外として追加し、設定を上書きします。この手順は、使用しているブラウザーによって異なる場合があります。セキュリティー例外を承認する前に Satellite の URL が有効であることを確認します。
  4. katello-server-ca.crt を選択します。
  5. 証明書を認証局としてブラウザーにインポートして信頼し、Web サイトを特定します。

Katello ルート CA 証明書の手動インポート

ブラウザーでセキュリティー例外を追加できない場合は、Katello ルート CA 証明書を手動でインポートします。

  1. Satellite CLI から、Web UI へのアクセスに使用するマシンに、katello-server-ca.crt ファイルをコピーします。

    # scp /var/www/html/pub/katello-server-ca.crt \
    username@hostname:remotefile
  2. ブラウザーで、katello-server-ca.crt 証明書を認証局としてインポートして信頼し、Web サイトを識別します。

1.2. Satellite へのログイン

さらに設定するには、Web ユーザーインターフェイスを使用して Satellite にログインします。

前提条件

ブラウザーに Katello ルート CA 証明書がインストールされていること。詳細は、「Katello ルート CA 証明書のインストール」 を参照してください。

手順

  1. Web ブラウザーで以下の完全修飾ドメイン名を指定して、Satellite Server にアクセスします。

    https://satellite.example.com/
  2. 設定プロセスで作成したユーザー名とパスワードを入力します。設定プロセス時にユーザーを作成されなかった場合は、デフォルトのユーザー名 admin が使用されます。ログインに問題がある場合は、パスワードをリセットできます。詳細は、「管理ユーザーパスワードのリセット」 を参照してください。

1.3. Satellite Web UI のナビゲーションタブ

ナビゲーションタブを使用して、Satellite Web UI を参照します。

表1.1 ナビゲーションタブ
ナビゲーションタブ説明

すべてのコンテキスト

このタブをクリックすると、組織とロケーションが変更されます。組織やロケーションが選択されていない場合、デフォルト組織は 任意の組織 に、デフォルトロケーションは 任意のロケーション になります。このタブを使用して異なる値に変更します。

監視

サマリーダッシュボードおよびレポートを表示します。

コンテンツ

コンテンツ管理ツールを提供します。コンテンツビュー、アクティベーションキー、ライフサイクル環境などが含まれます。

ホスト

ホストインベントリーおよびプロビジョニング設定ツールを提供します。

設定

一般的な設定ツール、およびホストグループや Puppet データを含むデータを提供します。

インフラストラクチャー

Satellite 6 が環境と対話する方法を設定するツールを提供します。

Insights

Red Hat Insights 管理ツールを提供します。

ユーザー名

ユーザーが個人情報を編集できるユーザー管理機能を提供します。

notfications1

環境に対する重要な変更が管理者に通知されるようにイベントの通知が表示されます。

管理

一般設定のほかに、ユーザーおよび RBAC 設定などの詳細設定を提供します。

1.4. パスワードの変更

以下の手順は、パスワードを変更する方法を示しています。

Red Hat Satellite パスワードの変更:

  1. 右上にあるユーザー名をクリックします。
  2. メニューから マイアカウント を選択します。
  3. 現在のパスワード フィールドに現在のパスワードを入力します。
  4. パスワード フィールドに新しいパスワードを入力します。
  5. 確認 フィールドに新しいパスワードを再入力します。
  6. 送信 ボタンをクリックして、新しいパスワードを保存します。

1.5. 管理ユーザーパスワードのリセット

以下の手順を使用して、管理者パスワードを無作為に生成された文字にリセットするか、新しい管理者パスワードを設定します。

管理ユーザーパスワードのリセット:

パスワードを無作為に生成された文字にリセットするには、以下の手順を実行します。

  1. Satellite Server がインストールされているベースのオペレーティングシステムにログインします。
  2. 以下のコマンドを実行してパスワードをリセットします。

    # foreman-rake permissions:reset
    Reset to user: admin, password: qwJxBptxb7Gfcjj5
  3. このパスワードを使用して、Satellite Web UI でパスワードをリセットします。
  4. Satellite Server の ~/.hammer/cli.modules.d/foreman.yml ファイルを編集し、新規パスワードを追加します。

    #  vi ~/.hammer/cli.modules.d/foreman.yml

~/.hammer/cli.modules.d/foreman.yml ファイルを更新しない限り、Hammer CLI では新規パスワードを使用できません。

新規の管理ユーザーパスワードの設定:

管理ユーザーのパスワードを新しいパスワードに変更するには、次の手順を実行します。

  1. Satellite Server がインストールされているベースのオペレーティングシステムにログインします。
  2. パスワードをリセットするには、以下のコマンドを入力します。

    # foreman-rake permissions:reset password=new_password
  3. Satellite Server の ~/.hammer/cli.modules.d/foreman.yml ファイルを編集し、新規パスワードを追加します。

    #  vi ~/.hammer/cli.modules.d/foreman.yml

~/.hammer/cli.modules.d/foreman.yml ファイルを更新しない限り、Hammer CLI では新規パスワードを使用できません。

1.6. ログインページでのカスタムメッセージの設定

ログインページへのカスタムメッセージの設定

  1. 管理 > 設定 に移動して、全般 タブをクリックします。
  2. ログインページフッターテキスト の横にある編集ボタンをクリックして、ログインページに表示させるテキストを入力します。たとえば、自社で必須とされる警告メッセージなどにすることができます。
  3. 保存 をクリックします。
  4. Satellite の Web UI からログアウトして、ログインページで Satellite バージョン番号の下にカスタムテキストが表示されることを確認します。

第2章 Red Hat Satellite の起動および停止

Satellite には、コマンドラインから Satellite サービスを管理するための satellite-maintain service コマンドが含まれています。このコマンドは Satellite のバックアップの作成時に役に立ちます。バックアップ作成に関する詳細は、8章Satellite Server および Capsule Server のバックアップ を参照してください。

satellite-installer コマンドを使用して Satellite をインストールした後に、すべての Satellite サービスは自動的に起動されて有効になります。これらのサービスのリストを表示するには、以下のコマンドを実行します。

# satellite-maintain service list

実行中のサービスのステータスを確認するには、以下のコマンドを実行します。

# satellite-maintain service status

satellite-maintain サービスを停止するには、以下のコマンドを実行します。

# satellite-maintain service stop

satellite-maintain サービスを起動するには、以下のコマンドを実行します。

# satellite-maintain service start

satellite-maintain サービスを再起動するには、以下のコマンドを実行します。

# satellite-maintain service restart

第3章 内部 Satellite データベースから外部データベースへの移行

Red Hat Satellite のインストールプロセスの一部として、satellite-installer コマンドは MongoDB および PostgreSQL のデータベースを Satellite と同じサーバー上にインストールします。デフォルトの内部データベースを使用している場合で、サーバーの負荷を軽減するために外部データベースを使い初める必要がある場合は、内部データベースを外部データベースに移行することが可能です。外部データベースに MongoDB と PostgreSQL のどちらのデータベースが使用できるか (または両方使用できるか) については、要件によって異なります。

Satellite Server のデータベースが内部または外部なのかを確認するには、データベースのステータスをクエリーすることができます。

PostgreSQL の場合は、以下のコマンドを実行します。

# satellite-maintain service status --only postgresql

MongoDB の場合は、以下のコマンドを実行します。

# satellite-maintain service status --only rh-mongodb34-mongod

外部データベースとして MongoDB を使用する際の注意点 および 外部データベースとして PostgreSQL を使用する際の注意点 を参照して、Satellite デプロイメントに外部データベースを使用するかどうかを決定します。

Red Hat では、外部データベースのメンテナーンスのサポートやそのためのツールは提供していません。これにはバックアップ、アップグレード、データベースのチューニングが含まれます。外部データベースをサポートし、管理する自社のデータベース管理者が必要です。

デフォルトの内部データベースから外部データベースに移行するには、以下の手順を完了する必要があります。

  1. 「外部データベース用のホストの準備」.外部データベースをホストするように Red Hat Enterprise Linux 7 サーバーを準備します。
  2. 「MongoDB のインストール」pulp_database を所有する pulp ユーザーで MongoDB を準備します。
  3. 「PostgreSQL のインストール」。Satellite および Candlepin のデータベースおよびそれらを所有する専用ユーザーで PostgreSQL を準備します。
  4. 「外部データベースへの移行」。新規データベースを参照するように satellite-installer のパラメーターを編集し、satellite-installer を実行します。

3.1. 外部データベースとして MongoDB を使用する際の注意点

Pulp は MongoDB データベースを使用します。MongoDB を外部データベースとして使用する場合は、以下の情報を参照してお使いの Satellite 設定にこのオプションが適しているかどうかを判別してください。Satellite は MongoDB バージョン 3.4 をサポートしています。

外部 MongoDB の利点

  • Satellite 上の空きメモリーと空き CPU が増えます。
  • Satellite 操作にマイナスの影響をもたらすことなく MongoDB サーバーのシステムを調整する柔軟性が得られます。

外部 MongoDB のマイナス点

  • デプロイメントの複雑性が増し、問題解決がより困難になります。
  • 外部 MongoDB サーバーの場合は、パッチおよびメンテナーンス対象に新たなシステムが加わることになります。
  • Satellite または Mongo データベースサーバーのいずれかにハードウェアまたはストレージ障害が発生すると、Satellite が機能しなくなります。
  • Satellite と外部データベースサーバーの間でレイテンシーが発生すると、パフォーマンスに影響が出る可能性があります。

FIPS 関連の制限

  • FIPS モードの Satellite で外部 MongoDB を使用することはできません。

3.2. 外部データベースとして PostgreSQL を使用する際の注意点

Foreman、Katello、および Candlepin は PostgreSQL データベースを使用します。PostgreSQL を外部データベースとして使用する場合は、以下の情報を参照してお使いの Satellite 設定にこのオプションが適しているかどうかを判別してください。Satellite は PostgreSQL バージョン 12.1 をサポートします。

外部 PostgreSQL の利点

  • Satellite 上の空きメモリーと空き CPU が増えます。
  • PostgreSQL データベースで shared_buffers を高い値に設定しても、Satellite 上の他のサービスの妨げるリスクがありません。
  • Satellite 操作にマイナスの影響をもたらすことなく PostgreSQL サーバーのシステムを調整する柔軟性が得られます。

外部 PostgreSQL のマイナス点

  • デプロイメントの複雑性が増し、問題解決がより困難になります。
  • 外部 PostgreSQL サーバーの場合は、パッチおよびメンテナーンス対象に新たなシステムが加わることになります。
  • Satellite または PostgreSQL データベースサーバーのいずれかにハードウェアまたはストレージ障害が発生すると、Satellite が機能しなくなります。
  • Satellite Server とデータベースサーバーの間でレイテンシーが発生すると、パフォーマンスに影響が出ます。

お使いの Satellite 上の PostgreSQL データベースが原因でパフォーマンスの低下が生じている可能性がある場合は、Satellite 6: How to enable postgres query logging to detect slow running queries を参照して時間のかかっているクエリーがあるかどうか判定します。1 秒以上かかるクエリーがある場合は、通常、大規模インストールのパフォーマンスが原因であることが多く、外部データベースに移行しても問題解決が期待できません。時間のかかっているクエリーがある場合は、Red Hat サポートチームまでお問い合わせください。

3.3. 外部データベース用のホストの準備

新しくプロビジョニングされたシステムに最新の Red Hat Enterprise Linux 7 サーバーをインストールして、外部データベースをホストします。

Red Hat Software Collections および Red Hat Enterprise Linux のサブスクリプションでは、外部データベースと Satellite を併用する場合に、正しいサービスレベルアグリーメントが提供されません。外部データベースに使用するベースオペレーティングシステムにも、Satellite サブスクリプションをアタッチする必要があります。

前提条件

  • Red Hat Enterprise Linux 7 サーバーが Satellite の ストレージ要件 を満たしていること。

手順

  1. Satellite Infrastructure サブスクリプションのアタッチ の手順に従い、サーバーに Satellite サブスクリプションをアタッチします。
  2. すべてのリポジトリーを無効にし、以下のリポジトリーのみを有効にします。

    # subscription-manager repos --disable '*'
    # subscription-manager repos --enable=rhel-server-rhscl-7-rpms \
    --enable=rhel-7-server-rpms --enable=rhel-7-server-satellite-6.9-rpms

3.4. MongoDB のインストール

インストール可能な MongoDB は、内部データベースのインストール中に satellite-installer ツールでインストールされたものと同じバージョンの MongoDB のみになります。MongoDB はサポート対象のバージョンであれば、Red Hat Software Collections (RHSCL) リポジトリーからまたは外部ソースからインストールすることが可能です。Satellite は MongoDB バージョン 3.4 をサポートしています。

手順

  1. MongoDB をインストールするには、以下のコマンドを入力します。

    # yum install rh-mongodb34 rh-mongodb34-syspaths
  2. rh-mongodb34 サービスを起動して有効にします。

    # systemctl start rh-mongodb34-mongod
    # systemctl enable rh-mongodb34-mongod
  3. pulp_database データベース用に、MongoDB に Pulp ユーザーを作成します。

    # mongo pulp_database \
    --eval "db.createUser({user:'pulp',pwd:'pulp_password',roles:[{role:'dbOwner', db:'pulp_database'},{ role: 'readWrite', db: 'pulp_database'}]})"
  4. /etc/opt/rh/rh-mongodb34/mongod.conf ファイルでバインド IP を指定します。

    bindIp: your_mongodb_server_bind_IP,::1
  5. /etc/opt/rh/rh-mongodb34/mongod.conf ファイルを編集して security セクションの認証を有効にします。

    security:
      authorization: enabled
  6. rh-mongodb34-mongod サービスを再起動します。

    # systemctl restart rh-mongodb34-mongod
  7. MongoDB にポート 27017 を開きます。

    # firewall-cmd --add-port=27017/tcp
    # firewall-cmd --runtime-to-permanent
  8. Satellite Server から、データベースにアクセスできることをテストします。接続が成功すると、コマンドから 1 が返ります。

    # scl enable rh-mongodb34 " mongo --host mongo.example.com \
    -u pulp -p pulp_password --port 27017 --eval 'ping:1' pulp_database"

3.5. PostgreSQL のインストール

インストール可能な PostgreSQL は、内部データベースのインストール中に satellite-installer ツールでインストールされたものと同じバージョンの PostgreSQL のみになります。PostgreSQL はサポート対象のバージョンであれば、Red Hat Enteprise Linux Server 7 リポジトリーからまたは外部ソースからインストールすることが可能です。Satellite は PostgreSQL バージョン 12.1 をサポートします。

手順

  1. PostgreSQL をインストールするには、以下のコマンドを入力します。

    # yum install rh-postgresql12-postgresql-server \
    rh-postgresql12-syspaths \
    rh-postgresql12-postgresql-evr
  2. PostgreSQL を初期化するには、以下のコマンドを入力します。

    # postgresql-setup initdb
  3. /var/opt/rh/rh-postgresql12/lib/pgsql/data/postgresql.conf ファイルを編集します。

    # vi /var/opt/rh/rh-postgresql12/lib/pgsql/data/postgresql.conf
  4. # を削除して、着信接続をリッスンするようにします。

    listen_addresses = '*'
  5. /var/opt/rh/rh-postgresql12/lib/pgsql/data/pg_hba.conf ファイルを編集します。

    # vi /var/opt/rh/rh-postgresql12/lib/pgsql/data/pg_hba.conf
  6. 以下の行をファイルに追加します。

      host  all   all   Satellite_ip/24   md5
  7. PostgreSQL サービスを起動し、有効にするには、以下のコマンドを実行します。

    # systemctl start postgresql
    # systemctl enable postgresql
  8. 外部 PostgreSQL サーバーで postgresql ポートを開きます。

    # firewall-cmd --add-service=postgresql
    # firewall-cmd --runtime-to-permanent
  9. postgres ユーザーに切り替え、PostgreSQL クライアントを起動します。

    $ su - postgres -c psql
  10. 3 つのデータベースと専用のロールを作成します。1 つは Satellite 用、1 つは Candlepin 用、もう 1 つは Pulp 用です。

    CREATE USER "foreman" WITH PASSWORD 'Foreman_Password';
    CREATE USER "candlepin" WITH PASSWORD 'Candlepin_Password';
    CREATE USER "pulp" WITH PASSWORD 'Pulpcore_Password';
    CREATE DATABASE foreman OWNER foreman;
    CREATE DATABASE candlepin OWNER candlepin;
    CREATE DATABASE pulpcore OWNER pulp;
  11. postgres ユーザーをログアウトします。

    # \q
  12. Satellite Server から、データベースにアクセスできることをテストします。接続に成功した場合には、コマンドは 1 を返します。

    # PGPASSWORD='Foreman_Password' psql -h postgres.example.com  -p 5432 -U foreman -d foreman -c "SELECT 1 as ping"
    # PGPASSWORD='Candlepin_Password' psql -h postgres.example.com -p 5432 -U candlepin -d candlepin -c "SELECT 1 as ping"
    # PGPASSWORD='Pulpcore_Password' psql -h postgres.example.com -p 5432 -U pulpcore -d pulpcore -c "SELECT 1 as ping"

3.6. 外部データベースへの移行

既存のデータをバックアップおよび転送してから、satellite-installer コマンドを使用して、外部の MongoDB および PostgreSQL データベースに接続するように Satellite を設定します。

前提条件

  • Red Hat Enterprise Linux サーバーに MongoDB および PostgreSQL データベースをインストールおよび設定していること。

手順

  1. Satellite Server で、satellite-maintain サービスを停止します。

    # satellite-maintain service stop
  2. postgreSQL および mongod のサービスを起動します。

    # systemctl start postgresql
    # systemctl start mongod
  3. 内部データベースのバックアップを作成します。

    # satellite-maintain backup online --skip-pulp-content --preserve-directory -y /var/migration_backup
  4. データを新規外部データベースに転送します。

    PGPASSWORD='Foreman_Password' pg_restore -h postgres.example.com -U foreman -d foreman < /var/migration_backup/foreman.dump
    PGPASSWORD='Candlepin_Password' pg_restore -h postgres.example.com -U candlepin -d candlepin < /var/migration_backup/candlepin.dump
    mongorestore --host mongo.example.com --db pulp_database --username pulp_user --password pulp_password /var/migration_backup/mongo_dump/pulp_database/
  5. satellite-installer コマンドを使って Satellite が新規データベースを参照するように更新します。

    satellite-installer --scenario satellite \
        --foreman-db-host postgres.example.com \
        --foreman-db-password Foreman_Password \
        --foreman-db-database foreman \
        --foreman-db-manage false \
        --katello-candlepin-db-host postgres.example.com \
        --katello-candlepin-db-name candlepin \
        --katello-candlepin-db-password Candlepin_Password \
        --katello-candlepin-manage-db false \
        --katello-pulp-db-username pulp \
        --katello-pulp-db-password pulp_password \
        --katello-pulp-db-seeds mongo.example.com:27017 \
        --katello-pulp-db-name pulp_database \
        --katello-pulp-manage-db false

第4章 Ansible Collections を使用した Satellite の管理

Satellite Ansible Collections は、Satellite API と対話する Ansible モジュールセットです。Satellite Ansible Collections を使用して、Satellite の多くの側面を管理および自動化することができます。

4.1. RPM からの Satellite Ansible モジュールのインストール

この手順を使用して、Satellite Ansible モジュールをインストールします。

前提条件

  • Ansible 2.9 以降のリポジトリーが有効になっていて、Ansible パッケージが更新されていること。

    # subscription-manager repos --enable rhel-7-server-ansible-2.9-rpms
    # satellite-maintain packages update ansible

手順

  • 以下のコマンドを使用して、RPM をインストールします。

    # satellite-maintain packages install ansible-collection-redhat-satellite

4.2. Satellite Ansible モジュールの表示

次のディレクトリーのコンテンツを一覧表示することで、インストールされている Satellite Ansible モジュールを表示できます。

# ls /usr/share/ansible/collections/ansible_collections/redhat/satellite/plugins/modules/
注記

本ガイド作成時では、ansible-doc -l コマンドはまだコレクションを一覧表示していません。

または、https://cloud.redhat.com/ansible/automation-hub/redhat/satellite/docs で、Satellite Ansible モジュールの完全なリストとその他の関連情報を確認することもできます。

すべてのモジュールは `redhat.satellite` 名前空間にあり、`redhat.satellite._module_name_` という形式で参照できます。たとえば、activation_key モジュールに関する情報を表示するには、以下のコマンドを入力します。

$ ansible-doc redhat.satellite.activation_key

第5章 ユーザーとロールの管理

ユーザーは、システムを使用する各個人の一連の詳細情報を定義します。組織と環境をユーザーに関連付けることで、新しいエンティティーを作成する際にこれらのデフォルト値を自動的に使用することができます。また、ユーザーには 1 つ以上のロールを割り当てることもでき、ユーザーには組織と環境を参照および管理する権限が与えられます。ユーザーの使用に関する詳細は、「ユーザー管理」 を参照してください。

複数のユーザーのパーミッションは、ユーザーグループでまとめることにより一括して管理できます。また、ユーザーグループ自体をさらにグループ化してパーミッションの階層を作成できます。ユーザーグループの作成の詳細は、「ユーザーグループの作成と管理」 を参照してください。

ロールでは、一連のパーミッションおよびアクセスレベルを定義します。各ロールには、ロールに許可されたアクションを指定する 1 つ以上のパーミッションフィルターが含まれます。アクションは、リソースタイプに従ってグループ化されます。ロールが作成されたら、そのロールにはユーザーとユーザーグループを関連付けることができます。この場合は、ユーザーの大きなグループに同じ一連のパーミッションセットを割り当てることができます。Red Hat Satellite では、事前定義された一連のロールが提供され、「ロールの作成および管理」 で説明されているようにカスタムロールおよびパーミッションフィルターを作成することもできます。

5.1. ユーザー管理

管理者は、Satellite ユーザーを作成、変更、および削除できます。また、異なる ロール をユーザーやユーザーのグループに割り当てて、アクセスパーミッションを設定することもできます。

5.1.1. ユーザーの作成

この手順を使用してユーザーを作成します。

手順

ユーザーを作成するには、以下の手順を行います。

  1. 管理 > ユーザー に移動します。
  2. ユーザーの作成 をクリックします。
  3. ログイン フィールドにユーザーのユーザー名を入力します。
  4. および フィールドに、ユーザーの実名を入力します。
  5. Email アドレス フィールドにメールアドレスを入力します。
  6. 説明 フィールドには、新規ユーザーの説明を加えます。
  7. 言語 一覧からユーザー用の言語を選択します。
  8. タイムゾーン 一覧からタイムゾーンを選択します。

    デフォルトでは、Satellite Server はユーザーのブラウザーの言語とタイムゾーンを使用します。

  9. ユーザーのパスワードを設定します。

    1. 認証先 一覧から、ユーザー認証に使用するソースを選択します。

      • 内部: Satellite Server 内でのユーザー管理を有効にします。
      • 外部: 13章外部認証の設定 の説明にある外部認証を設定します。
    2. パスワード フィールドに初回パスワードを入力して、確認 フィールドで再入力します。
  10. 送信 をクリックしてユーザーを作成します。

CLI をご利用の場合

以下のコマンドを実行してユーザーを作成します。

# hammer user create \
--login user_name \
--password user_password \
--mail user_mail \
--auth-source-id 1 \
--organization-ids org_ID1,org_ID2...

--auth-source-id 1 の設定では、ユーザーは内部で認証されますが、外部認証を指定することもできます。--admin オプションを追加して、管理者権限をユーザーに付与します。組織 ID を指定する必要はありません。update サブコマンドを使用してユーザーの詳細を変更できます。

ユーザー関連のサブコマンドに関する情報は、hammer user --help の入力してください。

5.1.2. ユーザーへのロールの割り当て

この手順を使用して、ロールをユーザーに割り当てます。

手順

  1. 管理 > ユーザー に移動します。
  2. ロールを割り当てるユーザーの ユーザー名 をクリックします。

    注記

    ユーザーアカウントが表示されない場合は、現在適切な組織を表示しているかどうかを確認します。Satellite の全ユーザーを一覧表示するには、デフォルトの組織 をクリックしてから 任意の組織 をクリックします。

  3. ロケーション タブをクリックして、ロケーションが割り当てられていない場合は選択します。
  4. 組織 タブをクリックして、組織が割り当てられていることを確認します。
  5. ロール タブをクリックして利用可能なロールのリストを表示します。
  6. ロール リストから割り当てるロールを選択します。

    利用可能な全パーミッションを付与するには、管理 チェックボックスを選択します。

  7. 送信 をクリックします。

ユーザーに割り当てられたロールを参照するには、ロール タブをクリックします。割り当てられたロールは、選択された項目 に表示されます。割り当てたロールを削除するには、選択された項目 でロール名をクリックします。

CLI をご利用の場合

ユーザーにロールを割り当てるには、次のコマンドを入力します。

# hammer user add-role --id user_id --role role_name

5.1.3. 別のユーザーアカウントへの切り替え

管理者は、別のユーザーとして Satellite Web UI に一時的にログオンすることにより、テストおよびトラブルシューティングの目的で他の認証済みユーザーに切り替えることができます。別のユーザーに切り替える場合、管理者は、同じメニューを含め、切り替えたユーザーとまったく同じシステム内のアクセス権限を持ちます。

監査は、管理者が別のユーザーとして実行するアクションを記録するために作成されます。ただし、管理者が別のユーザーとして実行するすべてのアクションは、切り替え後のユーザーで実行されたものとして記録されます。

前提条件

  • Satellite の管理者権限を持つユーザーとして Satellite Web UI にログオンしていること。

手順

別のユーザーにアカウントを切り替えて使用するには、以下の手順を実行します。

  1. Satellite Web UI で、Administer > Users に移動します。
  2. 切り替えるユーザーの右側の アクション コラムの一覧から、ユーザー切り替え を選択します。

切り替えセッションを停止するには、メインメニューの右上にある切り替えアイコンをクリックします。

5.1.4. SSH キー

ユーザーに SSH キーを追加すると、プロビジョニング中に SSH キーのデプロイメントが可能になります。

プロビジョニング中に SSH キーをデプロイする方法については、プロビジョニングガイドプロビジョニング中の SSH キーのデプロイ を参照してください。

SSH キーおよびその作成方法についての詳細は、Red Hat Enterprise Linux 7 システム管理者のガイドSSH ベースの認証の使用 を参照してください。

5.1.5. ユーザーの SSH キー管理

この手順を使用して、ユーザーの SSH キーを追加または削除します。

前提条件

Red Hat Satellite 管理ユーザーとして Web UI にログインするか、SSH キーの追加には create_ssh_key パーミッションを有効にしたユーザーとして、キーの削除には destroy_ssh_key パーミッションを有効にしたユーザーとしてログインすること。

手順

  1. 管理 > ユーザー に移動します。
  2. ユーザー名 コラムから必要となるユーザーのユーザー名をクリックします。
  3. SSH キー タブをクリックします。

    • SSH キーの追加

      1. 公開 SSH キーのコンテンツをクリップボードに用意します。
      2. SSH キーの追加 をクリックします。
      3. キー フィールドに公開 SSH キーのコンテンツをクリップボードから貼り付けます。
      4. 名前 フィールドに SSH キーの名前を入力します。
      5. 送信 をクリックします。
    • SSH キーの削除

      1. 削除する SSH キーの列にある 削除 をクリックします。
      2. 確認プロンプトで OK をクリックします。

CLI をご利用の場合

SSH キーをユーザーに追加するには、公開 SSH キーファイルへのパスを指定するか、クリップボードにコピーする公開 SSH キーのコンテンツへのパスが必要です。

  • 公開 SSH キーファイルがある場合は、次のコマンドを入力します。

    # hammer user ssh-keys add \
    --user-id user_id \
    --name key_name \
    --key-file ~/.ssh/id_rsa.pub
  • SSH 公開キーのコンテンツがある場合は、次のコマンドを入力します。

    # hammer user ssh-keys add \
    --user-id user_id \
    --name key_name \
    --key ecdsa-sha2-nistp256 AAAAE2VjZHNhLXNoYTItbmlzdHAyNTYAAAAIbmlzdHAyNtYAAABBBHHS2KmNyIYa27Qaa7EHp+2l99ucGStx4P77e03ZvE3yVRJEFikpoP3MJtYYfIe8k 1/46MTIZo9CPTX4CYUHeN8= host@user

ユーザーの SSH キーを削除するには、次のコマンドを入力します。

# hammer user ssh-keys delete --id key_id --user-id user_id

ユーザーにアタッチされた SSH キーを表示するには、次のコマンドを入力します。

# hammer user ssh-keys info --id key_id --user-id user_id

ユーザーにアタッチされた SSH キーを表示するには、以下のコマンドを入力します。

# hammer user ssh-keys list --user-id user_id

5.1.6. メール通知

メール通知は Satellite Server が定期的に作成するか、特定イベントの完了後に作成されます。定期通知は、毎日、毎週、または毎月送信することができます。

通知をトリガーするイベントは以下のとおりです。

  • ホストのビルド
  • コンテンツビューのプロモーション
  • ホストが報告するエラー
  • リポジトリーの同期

デフォルトでは、ユーザーにはメールは通知されません。通知のタイプや頻度などの基準に基づいて、ユーザーが通知を受信するように管理者が設定できます。

注記

メール通知を個人のメールアドレスではなくグループのメールアドレスに送信する場合は、グループのメールアドレスと最小の Satellite パーミッションでユーザーアカウントを作成し、そのユーザーアカウントを必要な通知タイプにサブスクライブします。

重要

Satellite Server は、デフォルトで送信メールを有効化していないため、メール設定を確認する必要があります。詳細は、オンラインネットワークからの Satellite Server のインストールSatellite Server での送信メールの設定 を参照してください。

5.1.7. メール通知の設定

Satellite Web UI でメール通知を設定します。

手順

  1. 管理 > ユーザー に移動します。
  2. 編集する ユーザー名 をクリックします。
  3. ユーザー タブで、メール フィールドの値を確認します。メール通知は、このフィールドのアドレスに送信されます。
  4. メール設定 タブで メールの有効化 を選択します。
  5. 通知タイプの横にあるドロップダウンメニューから、ユーザーが受信する通知を選択します。

    注記

    メールクエリー テキストボックスに必要なクエリーを記入すると、監査サマリー 通知をフィルターすることができます。

  6. 送信 をクリックします。

    通知メールのユーザーへの送信が開始されます。

5.1.8. メールの配信テスト

メールの配信を確認するには、テストメールをユーザーに送信します。メールが配信されれば、設定が適切であることを確認できます。

手順

  1. Satellite Web UI で、Administer > Users に移動します。
  2. ユーザー名をクリックします。
  3. メール設定 タブで テストメール をクリックします。

    ユーザーのメールアドレスにすぐにテストメッセージが送信されます。

メールが配信されれば、確認は完了です。配信されない場合は、以下の診断ステップを実行してください。

  1. ユーザーのメールアドレスを確認します。
  2. Satellite Server のメール設定を確認します。
  3. ファイアウォールおよびメールサーバーのログを調べます。

5.1.9. 電子メール通知のテスト

ユーザーが正常に E メール通知をサブスクライブしていることを確認するには、手動で通知をトリガーします。

手順

  • 通知をトリガーするには、以下のコマンドを実行します。

    # foreman-rake reports:<frequency>

    frequency を以下のいずれかで置き換えます。

    • daily (毎日)
    • weekly (毎週)
    • monthly (毎月)

これでサブスクライブしている全ユーザーに指定された頻度ですべての予定されている通知が配信されます。サブスクライブしているユーザーがすべて通知を受信すれば、検証に成功しています。

注記

現在、手動でトリガーした通知の個別ユーザーへの送信は、サポート対象外です。

5.1.10. 通知タイプ

Satellite では以下の通知が作成されます。

  • 監査サマリー: Satellite Server が監査した全アクティビティーのサマリーです。
  • ホストの構築: ホストが構築されるとこの通知が送信されます。
  • ホストエラータアドバイザリー: ユーザーが管理するホストの適用およびインストール可能なエラータのサマリーです。
  • OpenSCAP ポリシーサマリー: OpenSCAP ポリシーレポートとその結果のサマリーです。
  • エラータのプロモート: コンテンツビューのプロモーション後にのみ送信される通知です。これには、プロモートされたコンテンツビューに登録された適用およびインストール可能なエラータのサマリーが含まれます。これにより、どの更新がどのホストに適用されたかを監視できます。
  • Puppet エラー状態 : ホストが Puppet に関連するエラーを報告した後に送信される通知です。
  • Puppet サマリー : Puppet レポートのサマリーです。
  • エラータの同期 : リポジトリーの同期後にのみ送信される通知です。これには、同期で導入された新しいエラータのサマリーが含まれます。

5.2. ユーザーグループの作成と管理

5.2.1. ユーザーグループ

Red Hat Satellite では、ユーザーのグループにパーミッションを割り当てることができます。また、ユーザーグループを他のユーザーグループのコレクションとして作成することもできます。外部認証ソースを使用している場合は、「外部ユーザーグループの設定」 で説明されているように Satellite ユーザーグループを外部ユーザーグループに対してマップできます。

ユーザーグループは組織コンテキストで定義されます。したがって、ユーザーグループにアクセスする前に組織を選択する必要があります。

5.2.2. ユーザーグループの作成

以下の手順を使用してユーザーグループを作成します。

手順

  1. 管理 > ユーザーグループ に移動します。
  2. ユーザーグループの作成 をクリックします。
  3. ユーザーグループ タブで、新規ユーザーグループの名前を指定し、グループメンバーを選択します。

    • ユーザーグループ のリストから、以前に作成したユーザーグループを選択します。
    • ユーザー のリストからユーザーを選択します。
  4. ロール タブで、ユーザーグループに割り当てるロールを選択します。または、管理者 チェックボックスを選択して利用可能なすべてのパーミッションを割り当てます。
  5. 送信 をクリックします。

CLI をご利用の場合

ユーザーグループを作成するには、次のコマンドを入力します。

# hammer user-group create \
--name usergroup_name \
--user-ids user_ID1,user_ID2... \
--role-ids role_ID1,role_ID2...

5.2.3. ユーザーグループの削除

Satellite Web UI を使ってユーザーグループを削除します。

手順

  1. 管理 > ユーザーグループ に移動します。
  2. 削除するユーザーグループの右側にある 削除 をクリックします。
  3. 警告ボックスで、OK をクリックしてユーザーグループを削除します。

5.3. ロールの作成および管理

Red Hat Satellite では、標準的なタスクに十分なパーミッションとなる事前定義済みロール一式が提供されます (「Satellite で利用可能な事前定義済みロール」 を参照)。また、カスタムロールを設定し、このカスタムロールに 1 つ以上のパーミッションフィルターを割り当てることもできます。パーミッションフィルターでは、特定のリソースタイプに許可されるアクションを定義します。特定の Satellite プラグインによりロールが自動的に作成されます。

5.3.1. ロールの作成

以下の手順を使用してロールを作成します。

手順

  1. 管理 > ロール に移動します。
  2. ロールの作成 をクリックします。
  3. ロールの 名前 を記入します。
  4. 送信 をクリックして、新しいロールを保存します。

CLI をご利用の場合

以下のコマンドを実行してロールを作成します。

# hammer role create --name role_name

ロールにはパーミッションを含める必要があります。ロールの作成後は、「ロールへのパーミッションの追加」 に進んでください。

5.3.2. ロールのクローン作成

Satellite Web UI を使ってロールのクローンを作成します。

手順

  1. 管理 > ロール に移動して、必要なロールの右側にあるドロップダウンメニューから クローン を選択します。
  2. ロールの 名前 を記入します。
  3. 送信 をクリックしてロールのクローンを作成します。
  4. クローンされたロールの名前をクリックし、フィルター に移動します。
  5. 必要に応じて、パーミッションを編集します。
  6. 送信 をクリックして、新しいロールを保存します。

5.3.3. ロールへのパーミッションの追加

以下の手順を使用して、ロールにパーミッションを追加します。

手順

  1. 管理 > ロール に移動します。
  2. 必要なロールの右側にあるドロップダウンリストから フィルターの追加 を選択します。
  3. ドロップダウンリストから リソースタイプ を選択します。(その他) グループには、どのリソースグループにも関連付けられていないパーミッションが含まれます。
  4. 選択するパーミションを パーミッション リストからクリックします。
  5. リソースタイプ での選択により、無制限上書き のチェックボックスが表示されます。無制限 チェックボックスはデフォルトで選択され、選択されたタイプの全リソースにパーミッションが適用されます。無制限 チェックボックスを無効にすると、検索 フィールドが有効になります。このフィールドで、Red Hat Satellite 6 の検索構文を使用して詳細なフィルターリングを指定できます。詳細は、「詳細なパーミッションフィルターリング」 を参照してください。上書き チェックボックスを有効にすると、新たなロケーションと組織を追加して、それらのロケーションや組織のリソースタイプにこのロールがアクセスできるようになります。また、すでに関連付けられたロケーションや組織をリソースタイプから削除して、アクセスを制限することもできます。
  6. 次へ をクリックします。
  7. 送信 をクリックして変更を保存します。

CLI をご利用の場合

ロールにパーミッションを追加するには、以下の手順を実行します。

  1. 利用可能な全パーミッションを表示します。

    # hammer filter available-permissions
  2. ロールにパーミッションを追加します。

    # hammer filter create \
    --role role_name \
    --permission-ids perm_ID1,perm_ID2...

ロールとパーミッションパラメーターの詳細は、hammer role --help および hammer filter --help コマンドを入力します。

5.3.4. ロールのパーミションの表示

Satellite Web UI を使ってロールのパーミッションを表示します。

手順

  1. 管理 > ロール に移動します。
  2. 必要なロールの右側にある フィルター をクリックして、フィルター ページを開きます。

フィルター ページでは、リソースタイプ別にグループ化されたロールに割り当てられたパーミッションの表が示されます。また、このページでは、Satellite システムで使用できるパーミッションとアクションの完全な表を生成できます。手順は 「パーミッションの完全テーブルの作成」 を参照してください。

5.3.5. パーミッションの完全テーブルの作成

Satellite CLI を使ってパーミッションテーブルを作成します。

手順

  1. 必要なパッケージがインストールされていることを確認します。Satellite Server で以下のコマンドを実行します。

    # satellite-maintain packages install foreman-console
  2. 以下のコマンドで Satellite コンソールを起動します。

    # foreman-rake console

    コンソールに以下のコードを挿入します。

    f = File.open('/tmp/table.html', 'w')
    
    result = Foreman::AccessControl.permissions {|a,b| a.security_block <=> b.security_block}.collect do |p|
          actions = p.actions.collect { |a| "<li>#{a}</li>" }
          "<tr><td>#{p.name}</td><td><ul>#{actions.join('')}</ul></td><td>#{p.resource_type}</td></tr>"
    end.join("\n")
    
    f.write(result)

    上記の構文により、パーミッションの表が作成され、/tmp/table.html ファイルに保存されます。

  3. Ctrl + D を押して、Satellite コンソールを終了します。/tmp/table.html の最初の行に以下のテキストを挿入します。

    <table border="1"><tr><td>Permission name</td><td>Actions</td><td>Resource type</td></tr>

    /tmp/table.html の最後に以下のテキストを追加します。

    </table>
  4. Web ブラウザーで /tmp/table.html を開いて、表を確認します。

5.3.6. ロールの削除

Satellite Web UI を使ってロールを削除します。

手順

  1. 管理 > ロール に移動します。
  2. 削除するロールの右側にあるドロップダウンリストから 削除 を選択します。
  3. 警告ボックスで、OK をクリックしてロールを削除します。

5.3.7. Satellite で利用可能な事前定義済みロール

ロールロールが提供するパーミッション [a]

Access Insights Admin

Insights のルールを追加して編集します。

Access Insights Viewer

Insight レポートを表示します。

Ansible Roles Manager

ホストおよびホストグループでのロールのプレイ。Ansible ロールを表示、破棄、およびインポートします。Ansible 変数を表示、編集、作成、破棄、およびインポートします。

Ansible Tower Inventory Reader

ファクト、ホスト、およびホストグループを表示します。

Bookmarks manager

ブックマークを作成、編集、削除します。

Boot disk access

起動ディスクをダウンロードします。

Compliance manager

SCAP コンテンツファイル、コンプライアンスポリシー、テーラリングファイルの表示、作成、編集、破棄を行います。コンプライアンスレポートを表示します。

Compliance viewer

コンプライアンスレポートを表示します。

Create ARF report

コンプライアンスレポートを作成します。

Default role

他のロールに関係なく、各ユーザーに与えられる一連のパーミッション。

Discovery Manager

検出されたホストを表示、プロビジョニング、編集、および破棄し、検出ルールを管理します。

Discovery Reader

ホストと検出ルールを表示します。

Edit hosts

ホストを表示、作成、編集、破棄、および構築します。

Edit partition tables

パーティションテーブルを表示、作成、編集、および破棄します。

Manager

管理者のロールに似ているが、グローバル設定の編集パーミッションがありません。Satellite Web UI では、グローバル設定は、管理 > 設定 にあります。

Organization admin

組織ごとに定義された管理者ロール。このロールでは、他の組織のリソースは表示できません。

Red Hat Access Logs

ログビューアーとログを表示します。

Remote Execution Manager

完全リモート実行パーミッションのあるロール。ジョブテンプレートの編集も含まれます。

Remote Execution User

リモート実行ジョブを実行します。

Site manager

Manager ロールの制限バージョン。

System admin

  • 管理 > 設定 でグローバル設定を編集します。
  • ユーザー、ユーザーグループ、ロールを参照、作成、編集、破棄します。
  • 組織とロケーションを参照、作成、編集、破棄、割り当てますが、その中のリソースは参照しません。

このロールが指定されたユーザーは、ユーザーを作成したり、そのユーザーに全ロールを割り当てたりできます。そのため、このロールは信頼できるユーザーにのみ付与してください。

Tasks manager

Satellite タスクを表示および編集します。

Tasks reader

Satellite タスクの表示のみが可能なロール。

Viewer

Satellite 構造、ログ、レポートおよび統計の各要素の設定を表示できる機能を提供する受動的なロール。

View hosts

ホストの表示のみが可能なロール。

Virt-who Manager

完全な virt-who パーミッションのあるロール。

Virt-who Reporter

virt-who が生成したレポートを Satellite にアップロードできます。virt-who を手動で設定して、限定的な virt-who パーミッションを持つユーザーロールが必要な場合に使用できます。

Virt-who Viewer

virt-who 設定の表示ができます。このロールでは、既存の virt-who 設定 を使用した virt-who インスタンスのデプロイができます。

[a] ??? に記載されている特権ユーザーでは、事前定義されたロールに関連付けられている許可アクションをそのまま表示できます。

5.4. 詳細なパーミッションフィルターリング

5.4.1. 詳細なパーミッションフィルター

「ロールへのパーミッションの追加」 の説明にあるように、Red Hat Satellite では、リソースタイプの選択済みインスタンスに対する設定済みユーザーパーミッションを制限できます。これらの詳細なフィルターは Satellite データベースに対するクエリーであり、ほとんどのリソースタイプでサポートされています。

5.4.2. 詳細なパーミッションフィルターの作成

以下の手順を使用して、詳細なフィルターを作成します。

Satellite では、検索条件はアクション作成には適用されません。たとえば、検索フィールドで create_locations アクションを name = "Default Location" 式で制限しても、ユーザーが新しく作成されたロケーションにカスタム名を割り当てることができないわけではありません。

手順

フィルターの編集 ページの 検索 フィールドにクエリーを指定します。アクティブにするフィールドに対して 無制限 チェックボックスを選択解除します。クエリーの形式は以下のようになります。

field_name operator value
  • field_name は、問い合わせるフィールドを示します。利用可能なフィールド名の範囲はリソースタイプによって異なります。たとえば、Partition Table リソースタイプでは、クエリーパラメーターとして familylayout、および name が提供されます。
  • operator は、field_namevalue との間の比較タイプを指定します。適用可能な演算子の概要は、「詳細な検索に対してサポートされる演算子」 を参照してください。
  • value は、フィルターリングに使用される値です。この値は、組織の名前などです。2 つの種類のワイルドカード文字がサポートされ、アンダースコア (_) は単一の文字を置換し、パーセント記号 (%) はゼロ以上の文字を置換します。

ほとんどのリソースタイプに対して、検索 フィールドは利用可能なパラメーターを示すドロップダウンリストを提供します。このリストは、検索フィールドにカーソルを置くと表示されます。多くのリソースタイプに対しては、andnothas といった論理演算子を使用してクエリーを組み合わせることもできます。

CLI をご利用の場合

詳細なフィルターを作成するには、以下のように --search オプションを指定して hammer filter create を入力し、パーミッションフィルターで絞り込みます。

# hammer filter create \
--permission-ids 91 \
--search "name ~ ccv*" \
--role qa-user

このコマンドは、名前が ccv で始まるコンテンツビューのみを表示、作成、編集、破棄するパーミッションを qa-user ロールに追加します。

5.4.3. 詳細なパーミッションフィルターの使用例

管理者は、選択されたユーザーが環境パスの特定の部分を変更することを許可できます。以下のフィルターを使用すると、アプリケーションライフサイクルの開発段階にあるコンテンツを使用して作業できますが、実稼働環境にプッシュされるとそのコンテンツにはアクセスできなくなります。

5.4.3.1. ホストリソースタイプのパーミッションの適用

以下のクエリーは、host-editors という名前のグループのホストに対してのみ、ホストのリソースタイプに指定されたパーミッションを適用します。

hostgroup = host-editors

以下のクエリーは、XXXX, Yyyy、または zzzz の文字列に名前が一致するレコードを返します。

name ^ (XXXX, Yyyy, zzzz)

また、選択された環境に対するパーミッションを制限することもできます。これを行うには、検索 フィールドに環境名を指定します。以下に例を示します。

Dev

検索 ch フィールドでより詳細なパーミッションフィルターを使用すると、特定の組織またはロケーションにユーザーパーミッションを制限できます。ただし、リソースタイプによっては、ロケーション および 組織 タブを提供する 上書き チェックボックスが、GUI の代わりとなります。これらのタブでは、利用可能な組織とロケーションのリストから選択できます。「組織固有のマネージャーロールの作成」を参照してください。

5.4.3.2. 組織固有のマネージャーロールの作成

Satellite UI を使って org-1 という名前の単一の組織に制限されたマネージャーロールを作成する方法を示します。

手順

  1. 管理 > ロール に移動します。
  2. 既存の Organization admin ロールをクローンします。フィルター ボタンの横にあるドロップダウンリストから クローン を選択します。この結果、クローンされたロールの名前 (たとえば、org-1 admin) を挿入するよう求められます。
  3. ロールに関連付けるロケーションと組織をクリックします。
  4. 送信 をクリックしてロールを作成します。
  5. org-1 admin をクリックしてから フィルター をクリックし、関連付けられたフィルターを確認します。デフォルトのフィルターはほとんどのケースで機能します。ただし、必要に応じて、編集 をクリックして各フィルターのプロパティーを変更することもできます。フィルターによっては、ロールを追加のロケーションと組織のリソースにアクセスできるようにする場合には、上書き オプションを有効にできます。たとえば、ドメイン リソースタイプを選択して 上書き オプションを選択し、ロケーション組織 タブを使って追加のロケーションと組織を選択すると、このロールに関連付けられていない追加のロケーションと組織のドメインにこのロールがアクセスできるようになります。また、New filter をクリックして、新しいフィルターをこのロールに関連付けることもできます。

5.4.4. 詳細な検索に対してサポートされる演算子

表5.1 論理演算子

演算子

説明

and

検索条件を組み合わせます。

not

式を否定します。

has

オブジェクトには指定したプロパティーが必要です。

表5.2 記号演算子

演算子

説明

=

Is equal to。テキストフィールドで使用する等価比較。大文字と小文字の区別あり。

!=

Is not equal to。= 演算子の反転。

~

Like。テキストフィールドで使用するキーワード出現検索。大文字と小文字の区別なし。

!~

Not like。~ 演算子の反転。

^

In。テキストフィールドで使用する等価比較。大文字と小文字を区別した検索。これは、Is equal to 比較とは別の SQL クエリーを生成し、複数値の比較をより効率的に行えます。

!^

Not in。^ 演算子の反転。

>, >=

Greater thangreater than or equal to.数値フィールドのみに対応します。

<, ⇐

Less thanless than or equal to.数値フィールドのみに対応します。

第6章 セキュリティーコンプライアンスの管理

セキュリティーコンプライアンス管理は、セキュリティーポリシーの定義、それらのポリシーへのコンプライアンスの監査、およびコンプライアンス違反のインスタンスの解決などを行う継続的なプロセスです。コンプライアンス違反は、組織の設定管理ポリシーに基づいて管理されます。セキュリティーポリシーは、ホスト固有のものから業界共通のものまでに及ぶため、ポリシー定義には柔軟性が必要になります。

6.1. セキュリティーコンテンツの自動化プロトコル

Satellite 6 では、Security Content Automation Protocol (SCAP) を使ってセキュリティー設定ポリシーを定義します。たとえば、セキュリティーポリシーは、Red Hat Enterprise Linux を実行するホストの場合に SSH 経由のログインを root アカウントに許可しないように指定することが可能です。Satellite 6 では、管理対象の全ホストについて、コンプライアンスの監査とレポーティングをスケジュールすることができます。SCAP についての詳細は、Red Hat Enterprise Linux 7 セキュリティーガイド を参照してください。

6.1.1. SCAP コンテンツ

SCAP コンテンツは、ホストのチェックに使用される設定およびセキュリティーベースラインが含まれるデータストリーム形式のコンテンツです。チェックリストは extensible checklist configuration description format (XCCDF) および open vulnerability and assessment language (OVAL) の脆弱性に記述されます。ルール とも呼ばれるチェックリスト項目は、システム項目の必要な設定を表します。たとえば、どのユーザーも root ユーザーアカウントを使用して SSH 経由でホストにログインできないように指定することができます。ルールは 1 つ以上のプロファイルに分類でき、複数のプロファイルで 1 つのルールを共有できるようにすることができます。SCAP コンテンツはルールとプロファイルの両方で設定されています。

SCAP コンテンツは、作成することも、ベンダーから取得することも可能です。サポート対象のプロファイルは、Red Hat Enterprise Linux の scap-security-guide パッケージで提供されます。SCAP コンテンツの作成については本ガイドで扱いませんが、独自のコンテンツをダウンロード、デプロイ、変更、作成する方法については、Red Hat Enterprise Linux 7 セキュリティーガイド を参照してください。

Satellite 6 の OpenSCAP コンポーネントとともに提供されるデフォルトの SCAP コンテンツは、Red Hat Enterprise Linux のバージョンによって異なります。Red Hat Enterprise Linux 7 には、Red Hat Enterprise Linux 6 と Red Hat Enterprise Linux 7 の両方のコンテンツがインストールされます。

6.1.2. XCCDF プロファイル

XCCDF プロファイルは、ホストまたはホストグループの評価に使用されるチェックリストです。プロファイルは、業界標準またはカスタム標準への準拠を確認するために作成されます。

Satellite 6 で提供されるプロファイルは、OpenSCAP project から取得できます。

6.1.2.1. 利用可能な XCCDF プロファイルの一覧表示

Satellite UI で、利用可能な XCCD プロファイルを一覧表示します。

手順

  • ホスト > SCAP コンテンツ に移動します。

6.2. SCAP コンテンツの設定

6.2.1. OpenSCAP Puppet モジュールのインポート

注記

ホストで OpenSCAP 監査を設定するために Puppet を使用しない場合は、この手順をスキップできます。

OpenSCAP でホストを監査するには、先に Puppet 環境をインポートする必要があります。Puppet 環境には、OpenSCAP 設定をデプロイするために各ホストに割り当てる必要のある Puppe クラスが含まれます。

Satellite Web UI で、Puppet 環境と、監査する各ホストを関連付ける必要があります。

手順

  1. Satellite Web UI で、設定 > 環境 に移動します。
  2. satellite.example.com からの環境のインポート をクリックします。
  3. 監査するホストに関連付けられた Puppet 環境のチェックボックスを選択します。

    Puppet 環境が存在しない場合には、実稼働 環境のチェックボックスを選択します。OpenSCAP に必要な Puppet クラスは、デフォルトで 実稼働 環境に含まれます。

  4. 更新 をクリックします。

6.2.2. デフォルト OpenSCAP コンテンツのロード

CLI で、デフォルトの OpenSCAP コンテンツをロードします。

手順

  • 以下のように foreman-rake コマンドを使用します。

    # foreman-rake foreman_openscap:bulk_upload:default

6.2.3. 追加の SCAP コンテンツ

追加の SCAP コンテンツは、各自で作成したものか他から取得したものかを問わず、Satellite Server にアップロードできます。SCAP コンテンツは、ポリシーに適用される前に Satellite Server にインポートされる必要があります。たとえば、Red Hat Enterprise Linux 7.2 リポジトリーで利用可能な scap-security-guide RPM パッケージには、Payment Card Industry Data Security Standard (PCI-DSS) バージョン 3 向けのプロファイルが含まれます。このコンテンツは、オペレーティングシステムのバージョン固有ではないため、Red Hat Enterprise Linux 7.2 を実行していない場合でも Satellite Server にアップロードできます。

6.2.3.1. 追加の SCAP コンテンツのアップロード

Satellite Web UI で追加の SCAP コンテンツをアップロードします。

手順

  1. ホスト > SCAP コンテンツ に移動して、新規 SCAP コンテンツ をクリックします。
  2. タイトル テキストボックスにタイトルを入力します。

    例: RHEL 7.2 SCAP Content

  3. ファイルの選択 をクリックしてから、SCAP コンテンツファイルが含まれるロケーションに移動し、開く を選択します。
  4. 送信 をクリックします。

SCAP コンテンツファイルが正常にロードされると、Successfully created RHEL 7.2 SCAP Content (RHEL 7.2 SCAP コンテンツが正常に作成されました) といったメッセージが表示され、SCAP コンテンツ のリストに新規のタイトルが含まれます。

6.3. コンプライアンスポリシーの管理

6.3.1. コンプライアンスポリシー

コンプライアンスポリシー とも呼ばれる定期監査は、XCCDF プロファイルに対して指定したホストのコンプライアンスをチェックするスケジュールタスクです。スキャンのスケジュールは Satellite Server で指定され、スキャンはホストで実行されます。スキャンが完了すると、Asset Reporting File (ARF) が XML 形式で生成され、Satellite Server にアップロードされます。スキャンの結果はコンプライアンスポリシーダッシュボードで確認できます。コンプライアンスポリシーでは、スキャンされるホストに変更はなされません。SCAP コンテンツには、関連付けられたルールのあるいくつかのプロファイルが含まれますが、デフォルトではポリシーは含まれません。

6.3.2. コンプライアンスポリシーの作成

Satellite 6 では、ホストがセキュリティー要件に準拠するように、コンテンツホストをスキャンするコンプライアンスポリシーを作成できます。

Puppet または Ansible を使用して、ホストにコンプライアンスポリシーをデプロイできます。デフォルトでは Puppet は 30 分ごとに実行される点にご留意ください。新規ポリシーを割り当てる場合には、次の Puppet の実行でホストにポリシーを同期します。ただし、Ansible では、実行をスケジューリングできません。新しいポリシーを追加するには、手動またはリモート実行を使用して、Ansible ロールを実行する必要があります。リモート実行の詳細は、ホストの管理ガイドの リモートジョブの設定とセットアップ を参照してください。

前提条件

開始する前に、Puppet または Ansible のどちらのデプロイメントを使用するかを決定すること。

  • Puppet デプロイメントの場合は、監査する各ホストが Puppet 環境に関連付けられていることを確認します。詳細は、「OpenSCAP Puppet モジュールのインポート」 を参照してください。
  • Ansible デプロイメントの場合は、theforeman.foreman_scap_client Ansible ロールを必ずインポートしてください。Ansible ロールのインポートに関する詳細は、Satellite で Ansible を使用するための設定Satellite で Ansible を使い始める を参照してください。

手順

  1. ホスト > ポリシー に移動して、手動、Ansible または Puppet のいずれかのデプロイメントを選択します。
  2. ポリシーの名前、説明 (オプション) を入力してから 次へ をクリックします。
  3. 適用する SCAP コンテンツおよび XCCDF プロファイルを選択してから 次へ をクリックします。

    BZ#1704582 が解決されるまで、Default XCCDF Profile は空のレポートを返す可能性がある点に注意してください。

  4. ポリシーを適用する時間を指定してから 次へ をクリックします。

    期間 のリストから、毎週毎月、または カスタム を選択します。

    • 毎週 を選択したら 平日 リストから曜日を選択します。
    • 毎月 を選択したら 日付 フィールドで日付を指定します。
    • カスタム を選択したら Cron 行 フィールドに有効な Cron 式を入力します。

      Custom オプションでは、毎週 もしくは 毎月 オプションよりもスケジュールに柔軟性を持たせることができます。

  5. ポリシーを適用するロケーションを選択してから 次へ をクリックします。
  6. ポリシーを適用する組織を選択してから 次へ をクリックします。
  7. ポリシーを適用するホストグループを選択してから 送信 をクリックします。

Puppet エージェントが選択したホストグループに属するホスト、またはポリシーが適用されているホストで実行される場合、OpenSCAP クライアントがインストールされ、Cron ジョブがポリシーの指定されたスケジュールとともに追加されます。SCAP Content タブでは、すべてのターゲットホストのディレクトリー /var/lib/openscap/content/ に配信される SCAP コンテンツの名前を指定します。

6.3.3. コンプライアンスポリシーの表示

特定の OpenSCAP コンテンツおよびプロファイルの組み合わせ別に適用されるルールをプレビューできます。これは、ポリシーを計画する場合に便利です。

Satellite Web UI で、コンプライアンスポリシーを表示します。

手順

  1. ホスト > ポリシー に移動します。
  2. ガイドの表示 をクリックします。

6.3.4. コンプライアンスポリシーの編集

Satellite Web UI で、コンプライアンスポリシーを編集します。

手順

  1. ホスト > ポリシー に移動します。
  2. ポリシーの名前の右側にあるドロップダウンリストから、編集 を選択します。
  3. 必要な属性を編集します。
  4. 送信 をクリックします。

編集されたポリシーは、次に Puppet エージェントが Satellite Server で更新をチェックする際にホストに適用されます。これはデフォルトで 30 分ごとに実行されます。

6.3.5. コンプライアンスポリシーの削除

Satellite Web UI で、既存のポリシーを削除します。

  1. ホスト > ポリシー に移動します。
  2. ポリシーの名前の右側にあるドロップダウンリストから、削除 を選択します。
  3. 確認メッセージで OK をクリックします。

6.4. テーラリングファイル

テーラリングファイルを使うと、既存の OpenSCAP ポリシーを分岐したり書き換えたりせずにカスタマイズすることができます。テーラリングファイルは、ポリシー作成時や更新時にポリシーに割り当てることができます。

テーラリングファイルは SCAP Workbench を使用して作成することができます。SCAP Workbench ツールについての詳細は、Customizing SCAP Security Guide for your use-case を参照してください。

6.4.1. テーラリングファイルのアップロード

Satellite Web UI でテーラリングファイルをアップロードします。

手順

  1. ホスト > コンプライアンス - テーラリングファイル に移動して、新規 テーラリングファイル をクリックします。
  2. 名前 テキストボックスに、名前を入力します。
  3. ファイルの選択 をクリックしてから、SCAP DataStream テーラリングファイルが含まれるロケーションに移動し、開く を選択します。
  4. 送信 をクリックして、選択したテーラリングファイルをアップロードします。

6.4.2. テーラリングファイルのポリシーへの割り当て

Satellite Web UI でテーラリングファイルをポリシーに割り当てます。

手順

  1. ホスト > コンプライアンス - ポリシー に移動します。
  2. 新規ポリシー、または既存のコンプライアンスポリシーがある場合は、新規コンプライアンスポリシー をクリックします。
  3. 名前 テキストボックスに名前を入力して 次へ をクリックします。
  4. ドロップダウンメニューから Scap コンテンツ を選択します。
  5. ドロップダウンメニューから XCCDF プロファイル を選択します。
  6. ドロップダウンメニューから テーラリングファイル を選択します。
  7. ドロップダウンメニューから テーラリングファイル内の XCCDF プロファイル を選択します。

    テーラリングファイルは複数の XCCDF プロファイルを含めることが可能なため、XCCDF プロファイルの選択が重要になります。

  8. 次へ をクリックします。
  9. ドロップダウンメニューから 期間 を選択します。
  10. ドロップダウンメニューから 平日 を選択して、次へ をクリックします。
  11. 選択したアイテム ウィンドウに移動させる ロケーション を選択して、次へ をクリックします。
  12. 選択したアイテム ウィンドウに移動させる 組織 を選択して、次へ をクリックします。
  13. 選択したアイテム ウィンドウに移動させる ホストグループ を選択して、送信 をクリックします。

6.5. OpenSCAP 用のホストグループの設定

以下の手順を使用して、ホストグループに全 OpenSCAP 要件を設定します。

OpenSCAP 設定の概要

ホストグループに必要なコンポーネントを割り当てるには、Satellite Server で次のタスクを実行する必要があります。

  • Capsule で OpenSCAP を有効にします。詳細は、Capsule Server のインストールガイドの 外部 Capsule での OpenSCAP の有効化 を参照してください。
  • OpenSCAP Capsule を割り当てます。
  • OpenSCAP ポリシーをデプロイするための Puppet クラスを含む Puppet 環境を割り当ててます。
  • foreman_scap_client および foreman_scap_client::params Puppet クラスを割り当てます。
  • 追加するコンプライアンスポリシーを割り当てます。

ホストの作成および管理に関する詳細は、ホストの管理 ガイドを参照してください。

手順

  1. Satellite Web UI で 設定 > ホストグループ に移動して、ホストグループを作成するか、OpenSCAP レポートを設定するホストグループをクリックします。
  2. Puppet 環境 リストから、foreman_scap_client および foreman_scap_client::params が含まれる Puppet 環境を選択します。
  3. OpenSCAP Capsule リストから、使用する OpenSCAP が有効になった Capsule を選択します。
  4. Puppet クラス タブをクリックして、foreman_scap_clientforeman_scap_client::params の Puppet クラスを追加します。
  5. 送信 をクリックして変更を保存します。
  6. ホスト > ポリシー に移動します。
  7. ホストグループに割り当てるポリシーを選択します。
  8. ホストグループ タブをクリックします。
  9. ホストグループ リストから、このポリシーに割り当てるホストグループを任意の数だけ割り当てます。
  10. 送信 をクリックして変更を保存します。

6.6. OpenSCAP のホスト設定

以下の手順を使用して、ホスト向けの OpenSCAP の全要件を設定します。

OpenSCAP 設定の概要

ホストに必要なコンポーネントを割り当てるには、Satellite Server で次のタスクを実行する必要があります。

  • Capsule で OpenSCAP を有効にします。詳細は、Capsule Server のインストールガイドの 外部 Capsule での OpenSCAP の有効化 を参照してください。
  • OpenSCAP Capsule を割り当てます。
  • OpenSCAP ポリシーをデプロイするための Puppet クラスを含む Puppet 環境を割り当ててます。
  • foreman_scap_client および foreman_scap_client::params Puppet クラスを割り当てます。
  • 追加するコンプライアンスポリシーを割り当てます。

ホストの作成および管理に関する詳細は、ホストの管理 ガイドを参照してください。

手順

  1. Satellite Web UI で ホスト > すべてのホスト に移動して、OpenSCAP レポートを設定するホストで、編集 をクリックします。
  2. Puppet 環境 リストから、foreman_scap_client および foreman_scap_client::params が含まれる Puppet 環境を選択します。
  3. OpenSCAP Capsule リストから、使用する OpenSCAP が有効になった Capsule を選択します。
  4. Puppet クラス タブをクリックして、foreman_scap_clientforeman_scap_client::params の Puppet クラスを追加します。
  5. コンプライアンスポリシーを追加するには、次のいずれかの場所に移動します。
  6. ホスト > すべてのホスト に移動します。
  7. ポリシーを追加するホストを選択します。
  8. アクションの選択 をクリックします。
  9. リストから コンプライアンスポリシーの割り当て を選択します。
  10. ポリシーウィンドウで、利用可能なポリシーの一覧からポリシーを選択して、送信 をクリックします。

6.7. コンプライアンスの監視

Red Hat Satellite 6 では、コンプライアンスを一元化して監視および管理できます。コンプライアンスダッシュボードには、ホストのコンプライアンスの概要が表示され、そのポリシーの範囲内にある各ホストの詳細を表示する機能が提供されます。コンプライアンスレポートでは、適用可能なポリシーを使用して、各ホストのコンプライアンスの詳細を分析します。この情報を使用して、各ホストが提示するリスクを評価し、ホストがコンプライアンスを満たすために必要なリソースを管理できます。

SCAP を使用してコンプライアンスを監視する際の共通の目的には以下が含まれます。

  • ポリシーコンプライアンスの表示
  • コンプライアンスの変更の検知

6.7.1. コンプライアンスポリシーダッシュボード

コンプライアンスポリシーダッシュボードでは、ホストのコンプライアンスの統計的なサマリーが表示され、そのポリシーの範囲内にある各ホストの詳細を表示できます。コンプライアンス違反として評価されたすべてのホストについては、Failed の統計から、コンプライアンスタスクの優先付けに便利なメトリクスが提供されます。Never audited として検出されたホストも、ステータスが不明なため、優先する必要があります。

コンプライアンスポリシーダッシュボード

6.7.2. コンプライアンスポリシーダッシュボードの表示

Satellite Web UI を使用して、コンプライアンスポリシーダッシュボードでポリシーコンプライアンスを検証します。

手順

  1. Satellite Web UI で、ホスト > ポリシー に移動します。
  2. 必要なポリシー名をクリックします。ダッシュボードに次の情報が提供されます。

    • ホストのポリシーコンプライアンスの状況を概要ビューで表示するリングチャート。
    • ホストのポリシーに関するコンプライアンス状況についての統計の内訳 (表形式)。
    • 各ホストの最新ポリシーレポートへのリンク。

6.7.3. コンプライアンスのメール通知

Satellite Server は、Openscap ポリシーサマリー のメール通知をサブスクライブしているすべてのユーザーに、OpenSCAP サマリーメールを送信します。通知メールをサブスクライブする方法の詳細は、「メール通知の設定」 を参照してください。ポリシーが実行されるたびに、Satellite は直前の実行との比較で結果をチェックし、変更がないかどうかを確認します。メールは各サブスクライバーがリクエストする頻度で送信され、各ポリシーのサマリーと直近の結果を提供します。

OpenSCAP サマリー メールメッセージには、以下の情報が含まれます。

  • 対象とする期間の詳細。
  • すべのホストの合計 (状況別): 変更済み、準拠、および非準拠。
  • 各ホストの表形式の内訳と、合格、失敗、変更済み、または結果が不明な場合などのルールの合計を含む最新ポリシーの結果。

6.7.4. コンプライアンスレポート

コンプライアンスレポートには、ホストに対するポリシー実行の結果が出力されます。各レポートには、ポリシーごとの合格または不合格のルールの合計数が含まれます。デフォルトでは、レポートは日付の降順にリストされます。

Satellite Web UI で、ホスト > レポート に移動して、すべてのコンプライアンスレポートを一覧表示します。

コンプライアンスレポートは以下のエリアで設定されます。

  • はじめに
  • Evaluation Characteristics (評価特性)
  • Compliance and Scoring (コンプライアンスおよびスコアリング)
  • Rule Overview (ルールの概要)

Evaluation Characteristics (評価特性)

Evaluation Characteristics (評価特性) エリアでは、評価されたホスト、評価に使用されたプロファイル、および評価の開始と終了を含む、特定のプロファイルに対する評価についての詳細情報を提供します。参照用として ホストの IPv4、IPv6、および MAC アドレスも一覧表示されます。

名前説明

Target machine

評価対象ホストの完全修飾ドメイン名 (FQDN)。

test-system.example.com

Benchmark URL

ホストが評価された SCAP コンテンツの URL。

/var/lib/openscap/content/1fbdc87d24db51ca184419a2b6f

Benchmark ID

ホストが評価されたベンチマークの識別子。ベンチマークは、プロファイルのセットです。

xccdf_org.ssgproject.content_benchmark_RHEL_7

Profile ID

ホストが評価されたプロファイルの識別子。

xccdf_org.ssgproject_content_profile_rht-ccp

Started at

評価の開始日時 (ISO 8601 形式)。

2015-09-12T14:40:02

Finished at

評価の終了日時 (ISO 8601 形式)。

2015-09-12T14:40:05

Performed by

ホストで評価を実行したローカルアカウントの名前。

root

Compliance and Scoring (コンプライアンスおよびスコアリング)

Compliance and Scoring (コンプライアンスおよびスコアリング) エリアでは、ホストがプロファイルのルールに準拠しているかどうかの概要、重大度別の非コンプライアンスの内訳、およびパーセンテージで示される全体のコンプライアンススコアを示します。ルールへのコンプライアンスがチェックされなかった場合には、ルール結果 フィールドで その他 として分類されます。

Rule Overview (ルールの概要)

Rule Overview (ルールの概要) エリアでは、階層的なレイアウトで示されるルールと、すべてのルールの詳細とコンプライアンスの結果を示します。

コンプライアンスレポートに組み込まれるルールの一覧を制限するためにチェックボックスを選択したり、クリアしたりします。たとえば、非コンプライアンスを重点的にレビューする場合には、pass および informational チェックボックスをクリアします。

すべてのルールを検索するには、検索 フィールドに条件を入力します。検索は、入力時に動的に適用されます。検索 フィールドは、単一のプレーンテキストの検索用語のみを受け入れ、それは大文字と小文字を区別しない検索に適用されます。検索の実行時には、説明が検索条件に一致するルールのみが一覧表示されます。検索フィルターを削除するには、検索条件を削除します。

各結果の説明については、結果 コラムに示されるステータスの上にカーソルを移動します。

6.7.5. ホストのコンプライアンス違反の調査

Satellite Web UI を使用して、ホストがルールのコンプライアンス違反をした理由を特定します。

手順

  1. Satellite Web UI で、ホスト > レポート に移動して、すべてのコンプライアンスレポートを一覧表示します。
  2. 個々のレポートの詳細を表示するには、特定のホストの行で レポートの表示 をクリックします。
  3. 詳細を確認するには、ルールのタイトルをクリックします。

    • ルールの説明。可能な場合は、ホストがコンプライアンスを満たすための指示を含みます。
    • ルールの根拠。
    • 場合により、修復スクリプト。
警告

推奨される修復操作やスクリプトのいずれについても、まず実稼働以外の環境でテストしてから実装するようにしてください。

6.7.6. コンプライアンスレポートの検索

コンプライアンスレポートの検索フィールドを使用して、任意のホストのサブセットに関して入手可能なレポート一覧を絞り込みます。

手順

  • フィルターを適用するには、検索 フィールドに検索クエリーを入力し、検索 をクリックします。検索クエリーでは大文字と小文字は区別されません。

ユースケースの検索

  • 以下の検索クエリーでは、6 つ以上のルールに合格しなかったコンプライアンスレポートが検索されます。

    failed > 5
  • 以下の検索クエリーでは、ホスト名に prod- の文字が含まれるホストで、YYYY 年 1 月 1 日より後に作成されたコンプライアンスレポートが検索されます。

    host ~ prod- AND date > "Jan 1, YYYY"
  • 以下の検索クエリーでは、 rhel7_audit コンプライアンスポリシーを使用して、1 時間前以降に生成されたすべてのレポートが検索されます。

    "1 hour ago" AND compliance_policy = date = "1 hour ago" AND compliance_policy = rhel7_audit
  • 以下の検索クエリーでは、XCCDF ルールに合格のレポートが検索されます。

    xccdf_rule_passed = xccdf_org.ssgproject.content_rule_firefox_preferences-auto-download_actions
  • 以下の検索クエリーは、XCCDF ルールに不合格のレポートが検索されます。

    xccdf_rule_failed = xccdf_org.ssgproject.content_rule_firefox_preferences-auto-download_actions
  • 以下の検索クエリーは、結果が XCCDF ルールに合格または不合格以外のレポートが検索されます。

    xccdf_rule_othered = xccdf_org.ssgproject.content_rule_firefox_preferences-auto-download_actions

追加情報

  • 空の 検索 フィールドをクリックすると、利用可能な検索パラメーターが一覧表示されます。
  • andnot および has の論理演算子を使用すると複雑なクエリーを作成することができます。論理演算子の詳細は、「詳細な検索に対してサポートされる演算子」 を参照してください。
  • 正規表現は、検索クエリーで使用できません。ただし、1 つの検索式に複数のフィールドを使用できます。利用可能なすべての検索演算子の詳細は、「詳細な検索に対してサポートされる演算子」 を参照してください。
  • 検索をブックマークすると、同じ検索クエリーを再利用できます。詳細は、「ブックマークの作成」 を参照してください。

6.7.7. コンプライアンスレポートの削除

コンプライアンスレポートを削除するには、次の手順を実行します。

  1. Satellite Web UI で、ホスト > レポート に移動します。
  2. コンプライアンスレポートウィンドウで、削除するポリシーを特定し、ポリシーの名前の右側にある 削除 を選択します。
  3. OK をクリックします。

6.7.8. 複数のコンプライアンスレポートの削除

複数のコンプライアンスポリシーを同時に削除できます。ただし、Satellite Web UI では、コンプライアンスポリシーはページ分割されているため、レポートを 1 ページずつ削除する必要があります。すべての OpenSCAP レポートを削除する場合は、Red Hat Satellite API ガイドOpenSCAP レポートの削除 セクションのスクリプトを使用します。

  1. Satellite Web UI で、ホスト > レポート に移動します。
  2. コンプライアンスレポートウィンドウで、削除するコンプライアンスレポートを選択します。
  3. リストの右上の レポートの削除 を選択します。
  4. 削除するページ数だけ、この手順を繰り返します。

6.8. OpenSCAP でサポートされる仕様

以下の仕様が OpenSCAP でサポートされています。

タイトル説明バージョン

XCCDF

Extensible Configuration Checklist Description Format

1.2

OVAL

Open Vulnerability and Assessment Language

5.11

-

Asset Identification

1.1

ARF

Asset Reporting Format

1.1

CCE

Common Configuration Enumeration

5.0

CPE

Common Platform Enumeration

2.3

CVE

Common Vulnerabilities and Exposures

-

CVSS

Common Vulnerability Scoring System

2.0

第7章 TLS 1.0 および TLS 1.1 暗号化の無効化

インフラストラクチャーのセキュリティー要件に応じて、Satellite の暗号化設定を変更したり、脆弱性を素早く修正したりする場合があります。

Satellite の Apache サービスおよび Qpid サービスは、TLS 1.0 および 1.1 暗号化がデフォルトで有効になっています。Satellite および Capsule でこの手順を使用し、PCI-DSS 規制などが必要とする TLS 1.2 のみを許可するように Satellite および Capsule を設定します。

手順

  1. /etc/foreman-installer/custom-hiera.yaml ファイルを開いて、編集します。

    # vi /etc/foreman-installer/custom-hiera.yaml
  2. 以下のエントリーを追加します。

    # Apache
    apache::mod::ssl::ssl_protocol: [ 'ALL' , '-SSLv3' , '-TLSv1' , '-TLSv1.1' , '+TLSv1.2' ]
    
    # QPID Dispatch
    foreman_proxy_content::qpid_router_ssl_ciphers: 'ALL:!aNULL:+HIGH:-SSLv3:!IDEA-CBC-SHA'
  3. satellite-installer コマンドを入力して上記の設定を適用し、Qpid が TLS 1.2 のみを使用するように設定します。

    # satellite-installer \
    --foreman-proxy-content-qpid-router-ssl-protocols=TLSv1.2

第8章 Satellite Server および Capsule Server のバックアップ

災害発生時に、Red Hat Satellite デプロイメントと関連データの継続性を確保するために、Satellite デプロイメントをバックアップすることができます。デプロイメントでカスタム設定を使用する場合は、バックアップおよび災害復旧ポリシーを策定する際にカスタム設定をどのように扱うかについて考慮する必要があります。

Satellite Server と Capsule Server のどちらか、およびすべての関連データのバックアップを作成するには、satellite-maintain backup コマンドを使用します。別のシステム上の別のストレージデバイスにバックアップすることを強くお勧めします。

バックアップ中は Satellite サービスは利用できません。したがって、他の管理者が他のタスクをスケジュールしていないか確認する必要があります。cron を使用して、バックアップをスケジュールできます。詳細は、「週次の完全バックアップ後の日次増分バックアップ例」 を参照してください。

オフラインバックアップまたはスナップショットバックアップ中はサービスが非アクティブになり、Satellite はメンテナーンスモードに入ります。ポート 443 上での外部からのトラフィックはすべてファイアウォールで拒否され、修正がトリガーされないようになります。

バックアップには、/root/ssl-build ディレクトリーの機密情報が含まれます。たとえば、ホスト名、SSH キー、要求ファイル、SSL 証明書が含まれる場合があります。バックアップを暗号化するか、安全な場所に移動し、破損のリスクやホストへの不正アクセスを最小限に抑えます。

従来のバックアップ方法

従来のバックアップ方法を使用することもできます。詳細はRed Hat Enterprise Linux 7 システム管理者のガイドログローテーション を参照してください。

注記

satellite-maintain backup コマンドを使用してバックアップを作成する場合は、satellite-maintain サービスを停止しないでください。

  • スナップショットまたは従来のバックアップを作成するときは、以下のようにすべてのサービスを停止する必要があります。

    # satellite-maintain service stop
  • スナップショットまたは従来のバックアップを作成したら、サービスを起動します。

    # satellite-maintain service start

8.1. バックアップサイズの予測

完全バックアップでは、MongoDB、PostgreSQL、および Pulp のデータベースファイルと Satellite 設定ファイルの非圧縮アーカイブを作成します。Satellite サービスが利用できない時間を短縮するため、圧縮はアーカイブの作成後に実行されます。

完全バックアップには、以下のデータを格納するための領域が必要です。

  • 非圧縮の Satellite データベースおよび設定ファイル。
  • 圧縮された Satellite データベースおよび設定ファイル。
  • バックアップを確実にするため、予測領域全体の 20% を追加。

手順

  1. du コマンドを入力して、Satellite データベースおよび設定ファイルを含む非圧縮ディレクトリーのサイズを予測します。

    # du -sh /var/lib/mongodb /var/opt/rh/rh-postgresql12/lib/pgsql/data /var/lib/pulp
    480G	/var/lib/mongodb
    100G    /var/opt/rh/rh-postgresql12/lib/pgsql/data
    100G	/var/lib/pulp
    # du -csh /var/lib/qpidd /var/lib/tftpboot /etc /root/ssl-build \
    /var/www/html/pub /opt/puppetlabs
    886M    /var/lib/qpidd
    16M     /var/lib/tftpboot
    37M	/etc
    900K	/root/ssl-build
    100K	/var/www/html/pub
    2M	/opt/puppetlabs
    942M   total
  2. 圧縮データを保存するために必要な領域を計算します。

    以下の表は、バックアップに含まれるすべてのデータ項目の圧縮率を示しています。

    表8.1 バックアップデータ圧縮率
    データ型ディレクトリー比率圧縮結果の例

    MongoDB データベースファイル

    /var/lib/mongodb

    85 - 90 %

    480 GB → 60 GB

    PostgreSQL データベースファイル

    /var/opt/rh/rh-postgresql12/lib/pgsql/data

    80 - 85%

    100 GB → 20 GB

    Pulp RPM ファイル

    /var/lib/pulp

    (非圧縮)

    100 GB

    設定ファイル

    /var/lib/qpidd
    /var/lib/tftpboot
    /etc
    /root/ssl-build
    /var/www/html/pub
    /opt/puppetlabs

    85%

    942 MB → 141 MB

    この例では、圧縮されたバックアップデータは合計 180 GB を占有します。

  3. バックアップの保存に必要な利用可能な領域を計算するには、圧縮および非圧縮のバックアップデータの予測値を合計し、合計値の 20% をさらに追加してバックアップの信頼性を高めます。

    この例では、非圧縮および圧縮のバックアップデータに 681 GB と 180 GB の合計 861 GB が必要です。172 GB の予備領域もあわせ、1033 GB をバックアップの場所に割り当てる必要があります。

8.2. Satellite Server または Capsule Server の完全バックアップの実行

Red Hat Satellite 6.9 は、satellite-maintain backup コマンドを使用してバックアップを作成します。

Satellite Server のバックアップには、以下の 3 つの方法があります。

  • オフラインバックアップ
  • オンラインバックアップ
  • スナップショットバックアップ

    それぞれの方法の詳細については、各バックアップ方法の使用法ステートメントを表示できます。

オフラインバックアップの場合:

# satellite-maintain backup offline --help

オンラインバックアップの場合:

# satellite-maintain backup online --help

スナップショットバックアップの場合:

# satellite-maintain backup snapshot --help

ディレクトリーの作成

satellite-maintain backup コマンドを実行すると、指定したバックアップディレクトリーにタイムスタンプの付いたサブディレクトリーが作成されます。satellite-maintain backup コマンドではバックアップは上書きされないので、バックアップまたは増分バックアップから復元する際には、適切なディレクトリーまたはサブディレクトリーを選択する必要があります。satellite-maintain backup コマンドは、必要に応じてサービスを停止したり、再開したりします。

satellite-maintain backup offline コマンドを実行すると、以下のデフォルトのバックアップディレクトリーが作成されます。

  • Satellite では satellite-backup
  • Capsule では foreman-proxy-backup

カスタムディレクトリー名を設定する場合は、--preserve-directory オプションを追加して、ディレクトリー名を追加します。バックアップはその後、コマンドラインで指定したディレクトリーに保存されます。--preserve-directory オプションを使用する場合、バックアップが失敗してもデータは削除されません。

ローカルの PgSQL データベースを使用する場合、postgres ユーザーには、バックアップディレクトリーへの書き込みアクセス権が必要です。

リモートデータベース

satellite-maintain backup コマンドを使用して、リモートデータベースをバックアップできます。

リモートデータベースのバックアップには、オンラインとオフラインの両方の方法を使用できますが、スナップショットなどのオフライン方法を使用すると satellite-maintain backup コマンドはデータベースダンプを実行します。

前提条件

  • バックアップ場所には、バックアップを保存するのに十分な空きディスク領域があること。詳細は、「バックアップサイズの予測」 を参照してください。

手順

Satellite Server または Capsule Server の完全なオフラインバックアップを実行するには、以下の手順のいずれかを実行します。

警告

Satellite Server および Capsule Server の他のユーザーにすべての変更を保存するよう指示して、バックアップ中は Satellite サービスが利用できないことを警告してください。バックアップと同じ時間に他のタスクがスケジュールされていないことを確認してください。

  • Satellite Server で以下のコマンドを入力します。

    # satellite-maintain backup offline /var/satellite-backup
  • Capsule Server で以下のコマンドを入力します。

    # satellite-maintain backup offline /var/foreman-proxy-backup

8.3. Pulp コンテンツなしでのバックアップの実行

Pulp ディレクトリーの内容を除外するオフラインバックアップを実行できます。Pulp コンテンツなしのバックアップはデバッグに役に立ち、Pulp データベースのバックアップなしに設定ファイルへのアクセスを提供することを目的としています。Pulp コンテンツを含まないディレクトリーから復元することはできません。

警告

Satellite Server および Capsule Server の他のユーザーにすべての変更を保存するよう指示して、バックアップ中は Satellite サービスが利用できないことを警告してください。バックアップと同じ時間に他のタスクがスケジュールされていないことを確認してください。

前提条件

  • バックアップ場所には、バックアップを保存するのに十分な空きディスク領域があること。詳細は、「バックアップサイズの予測」 を参照してください。

手順

  • Pulp コンテンツなしでオフラインバックアップを実行するには、以下のコマンドを入力します。

    # satellite-maintain backup offline --skip-pulp-content /var/backup_directory

8.4. 増分バックアップの実行

この手順を使用して、前回のバックアップ以降のすべての変更のオフラインバックアップを実行します。

増分バックアップを実行するには、シーケンスの最初の増分バックアップを作成するための参照として完全バックアップを実行する必要があります。復元用として、最新の完全バックアップと、増分バックアップの完全なシーケンスを保持します。

警告

Satellite Server および Capsule Server の他のユーザーにすべての変更を保存するよう指示して、バックアップ中は Satellite サービスが利用できないことを警告してください。バックアップと同じ時間に他のタスクがスケジュールされていないことを確認してください。

前提条件

  • バックアップ場所には、バックアップを保存するのに十分な空きディスク領域があること。詳細は、「バックアップサイズの予測」 を参照してください。

手順

  1. 完全なオフラインバックアップを実行するには、以下のコマンドを入力します。

    # satellite-maintain backup offline  /var/backup_directory
  2. バックアップディレクトリー内にディレクトリーを作成し、初回増分バックアップを保存するには、--incremental オプションを使用する satellite-maintain backup コマンドを入力します。

    # satellite-maintain backup offline --incremental /var/backup_directory/full_backup  /var/backup_directory
  3. 2 回目増分バックアップを作成するには、--incremental オプションを使用する satellite-maintain backup コマンドを入力し、次回増分の開始点を示すために、初回増分バックアップへのパスを追加します。これで 2 回目増分バックアップのディレクトリーがバックアップディレクトリー内に作成されます。

    # satellite-maintain backup offline --incremental /var/backup_directory/first_incremental_backup  /var/backup_directory
  4. オプション: 別のバージョンのバックアップをポイントし、開始点としてそのバックアップバージョンでの増分シリーズを作成する場合は、いつでもこれを行うことができます。たとえば、初回もしくは 2 回目増分バックアップからではなく、完全バックアップから新しい増分バックアップを作成するには、完全バックアップディレクトリーをポイントします。

    # satellite-maintain backup offline --incremental /var/backup_directory/full_backup  /var/backup_directory

8.5. 週次の完全バックアップ後の日次増分バックアップ例

以下のスクリプトでは、日曜日に完全バックアップを実行した後に、増分バックアップを毎日実行します。増分バックアップが実行されるたびに、新しいサブディレクトリーが作成されます。このスクリプトでは、日次の cron ジョブが必要になります。

#!/bin/bash -e
PATH=/sbin:/bin:/usr/sbin:/usr/bin
DESTINATION=/var/backup_directory
if [[ $(date +%w) == 0 ]]; then
  satellite-maintain backup offline --assumeyes $DESTINATION
else
  LAST=$(ls -td -- $DESTINATION/*/ | head -n 1)
  satellite-maintain backup offline --assumeyes --incremental "$LAST" $DESTINATION
fi
exit 0

satellite-maintain backup コマンドでは、PATH 内に /sbin ディレクトリーおよび /usr/sbin ディレクトリーを格納する必要があり、確認プロンプトをスキップするために --assumeyes オプションを使用することに注意してください。

8.6. オンラインバックアップの実行

デバッグ目的でのみ、オンラインバックアップを実行します。

オンラインバックアップに関するリスク

サービスがオンラインの間は、Mongo と Postgres データベース間でデータの不一致が発生する可能性があります。

オンラインバックアップ実行時は、Pulp データベースに影響を与える手順がある場合は、Pulp 部分のバックアップ手順は変更がなくなるまで繰り返されます。Pulp データベースのバックアップは Satellite バックアップの中で最も時間のかかる部分であるため、バックアップ中に Pulp データベースが変更される変更を加えると、バックアップ手順が繰り返されます。

実稼働環境では、スナップショット方法を使用します。詳細は、「スナップショットバックアップの実行」 を参照してください。実稼働環境でオンラインバックアップ方法を使用する場合は、バックアップ中に変更がないように注意して実行してください。

警告

Satellite Server および Capsule Server の他のユーザーにすべての変更を保存するよう指示して、バックアップ中は Satellite サービスが利用できないことを警告してください。バックアップと同じ時間に他のタスクがスケジュールされていないことを確認してください。

前提条件

  • バックアップ場所には、バックアップを保存するのに十分な空きディスク領域があること。詳細は、「バックアップサイズの予測」 を参照してください。

手順

  • オンラインバックアップを実行するには、以下のコマンドを入力します。

    # satellite-maintain backup online /var/backup_directory

8.7. スナップショットバックアップの実行

Pulp、MongoDB、および PostgreSQL ディレクトリーの論理ボリュームマネージャー (LVM) スナップショットを使用するスナップショットバックアップを実行できます。LVM スナップショットからバックアップを作成すると、一貫性のないバックアップのリスクが軽減されます。

スナップショットバックアップ方法は、完全なオフラインバックアップよりも速いため、Satellite のダウンタイムが短縮されます。

使用方法を表示するには、以下のコマンドを入力します。

satellite-maintain backup snapshot -h
警告

Satellite Server および Capsule Server の他のユーザーにすべての変更を保存するよう指示して、バックアップ中は Satellite サービスが利用できないことを警告してください。バックアップと同じ時間に他のタスクがスケジュールされていないことを確認してください。

前提条件

スナップショットバックアップを開始する前に、以下の条件を満たしていることを確認してください。

  • システムは、スナップショットを作成するディレクトリー (/var/lib/pulp//var/lib/mongodb/、および /var/opt/rh/rh-postgresql12/lib/pgsql/) に LVM を使用します。
  • 関連ボリュームグループ (VG) の空きディスク領域が、スナップショットのサイズの 3 倍あること。正確には、VG には新規スナップショットを受け入れるために十分な、メンバーの論理ボリューム (LV) に予約されていない領域が必要になります。また、LV のいずれかには、バックアップディレクトリー用の十分な空き領域が必要になります。
  • ターゲットのバックアップディレクトリーが、スナップショットを作成するディレクトリー以外の LV にあること。

手順

  • スナップショットバックアップを実行するには、satellite-maintain backup snapshot コマンドを入力します。

    # satellite-maintain backup snapshot /var/backup_directory

satellite-maintain backup snapshot コマンドは、サービスがアクティブな際にスナップショットを作成し、バックアップに影響を与える可能性があるすべてのサービスを停止します。これにより、メンテナーンスの時間が短縮されます。バックアップが正常に実行されると、全サービスが再起動され、LVM スナップショットが削除されます。

8.8. バックアップを実行する際のホワイトリスト化とスキップの手順

satellite-maintain backup コマンドを使用したバックアップは、ステップ順に進められます。バックアップの一部を省略するには、--whitelist オプションをコマンドに追加し、省略するステップのラベルを追加します。

  • 利用可能なステップのラベルを一覧表示するには、以下のコマンドを入力します。

    # satellite-maintain advanced procedure run -h
  • バックアップの手順をスキップするには、--whitelist オプションを指定して satellite-maintain backup コマンドを入力します。以下に例を示します。

    # satellite-maintain backup online --whitelist backup-metadata  -y /var/backup_directory

第9章 バックアップからの Satellite Server または Capsule Server の復元

8章Satellite Server および Capsule Server のバックアップ の手順で作成されたバックアップデータから Red Hat Satellite Server または Red Hat Capsule Server を復元できます。このプロセスでは、バックアップを生成したサーバーと同じサーバーでバックアップを復元する方法を概説します。バックアップに含まれる全データはターゲットシステムで削除されます。元のシステムが利用できない場合は、同じ設定およびホスト名でシステムをプロビジョニングしてください。

9.1. 完全バックアップからの復元

以下の手順を使用して、完全バックアップから Red Hat Satellite または Capsule Server を復元します。復元プロセスが完了するとすべてのプロセスがオンラインになり、すべてのデータベースおよびシステム設定がバックアップ時の状態に戻ります。

前提条件

  • 適切なインスタンスを復元していること。Red Hat Satellite インスタンスでホスト名、設定が同一であり、マイナーバージョン (X.Y) が元のシステムと同じである必要があります。
  • 既存のターゲットディレクトリーがあること。ターゲットディレクトリーは、アーカイブ内に含まれている設定ファイルから読み取られます。
  • Satellite Server または Capsule Server のベースシステムにこのデータを格納するのに十分な領域と、復元後にバックアップ内に含まれる /etc//var/ ディレクトリー内のすべてのデータを格納するのに十分な領域があること。

    ディレクトリーの使用量を確認するには、以下のコマンドを入力します。

    # du -sh /var/backup_directory

    空き領域のサイズを確認するには、以下のコマンドを入力します。

    # df -h /var/backup_directory

    --total オプションを追加すると複数ディレクトリーの合計結果が取得できます。

  • すべての SELinux コンテキストが適切であること。以下のコマンドを入力して、適切な SELinux コンテキストを復元します。

    # restorecon -Rv /

手順

  1. Satellite または Capsule のインストールに適した方法を選択します。

  2. バックアップデータを Satellite Server のローカルファイルシステムにコピーします。/var/ または /var/tmp/ を使用します。
  3. 復元スクリプトを実行します。

    # satellite-maintain restore /var/backup_directory

    ここでの backup_directory は、バックアップされたデータを格納しているタイムスタンプ付きのディレクトリーまたはサブディレクトリーになります。

    コピーするデータサイズが原因で、復元プロセスの完了に長い時間がかかることがあります。

関連情報

  • トラブルシューティングを行うには、/var/log/foreman/production.log および /var/log/messages にあるファイルを参照してください。

9.2. 増分バックアップからの復元

増分バックアップから Satellite または Capsule Server を復元するには、以下の手順を実行します。複数の増分バックアップのブランチがある場合は、完全バックアップと復元するブランチの各増分バックアップを時系列で選択します。

復元プロセスが完了するとすべてのプロセスがオンラインになり、すべてのデータベースおよびシステム設定がバックアップ時の状態に戻ります。

手順

  1. 「完全バックアップからの復元」 の手順を使用して、最新の完全バックアップを復元します。
  2. /var//var/tmp/ などの Satellite Server のローカルファイルシステムから完全バックアップデータを削除します。
  3. /var//var/tmp/ などの Satellite Server のローカルファイルシステムに増分バックアップデータをコピーします。
  4. 増分バックアップが作成された順序で復元します。

    # satellite-maintain restore -i /var/backup_directory/FIRST_INCREMENTAL
    # satellite-maintain restore -i /var/backup_directory/SECOND_INCREMENTAL

    satellite-maintain backup コマンドを使用してバックアップを作成した場合は、このコマンドに -i オプションを使用する必要はありません。

関連情報

  • トラブルシューティングを行うには、/var/log/foreman/production.log および /var/log/messages にあるファイルを参照してください。

9.3. 仮想マシンのスナップショットを使用した Capsule Server のバックアップと復元

Capsule Server が仮想マシンである場合、スナップショットから復元することができます。復元元となるスナップショットは、毎週作成することが推奨されます。失敗した場合は、新規 Capsule Server をインストールまたは設定し、Satellite Server からデータベースコンテンツを同期します。

必要な場合は、新規 Capsule Server をデプロイして、ホスト名が以前のものと同じであることを確認し、その後に Capsule 証明書をインストールします。これは、-certs.tar で終わるパッケージ名で、Satellite Server にまだ残っている可能性があります。他のオプションとして、新規に作成します。Capsule Server のインストール にある手順に従い、Web UI で Capsule Server が Satellite Server に接続されたことを確認します。この後に、「外部 Capsule の同期」 の手順で Satellite から同期します。

9.3.1. 外部 Capsule の同期

外部 Capsule と Satellite を同期します。

手順

  1. 外部 Capsule から同期 するには、Web UI で関連する組織とロケーションを選択するか、任意の組織任意のロケーション を選択します。
  2. インフラストラクチャー > Capsules (スマートプロキシー) に移動し、同期する Capsule 名をクリックします。
  3. 概要 タブで 同期 を選択します。

第10章 Satellite Server または Capsule Server の名前の変更

Satellite Server または Capsule Server の名前を変更するには、satellite-change-hostname スクリプトを使用する必要があります。

Satellite Server の名前を変更する場合は、すべての Satellite クライアントを再登録し、新しい Satellite ホスト名を指すように各 Capsule Server を設定する必要があります。カスタム SSL 証明書を使用する場合は、新しいホスト名で再生成する必要があります。virt-who を使用する場合は、新しいホスト名で virt-who 設定ファイルを更新する必要があります。

Capsule Server の名前を変更する場合は、すべての Capsule クライアントを再登録し、Satellite Web UI で Capsule ホスト名を更新する必要があります。カスタム SSL 証明書を使用する場合は、新しいホスト名で再生成する必要があります。

警告

名前変更プロセスを実行すると、変更対象であるホストの Satellite Server 上の全サービスがシャットダウンされます。名前変更が完了すると、全サービスが再開されます。

10.1. Satellite Server の名前の変更

Satellite Server のホスト名は、Satellite Server のコンポーネント、すべての Capsule Server、および Satellite Server に登録されているホストが通信用に使用しています。この手順により、新規ホスト名への参照をすべて更新することができます。

外部認証を使用している場合は、satellite-change-hostname スクリプトの実行後に、外部認証向けに Satellite Server を再設定する必要があります。satellite-change-hostname スクリプトは、Satellite Server 用の外部認証を破棄してしまいます。外部認証の設定の詳細は、13章外部認証の設定 を参照してください。

virt-who を使用する場合、satellite-change-hostname スクリプトを実行した後、新しいホスト名で virt-who 設定ファイルを更新する必要があります。詳細は、Red Hat Satellite での仮想マシンサブスクリプションの設定virt-who 設定の修正 を参照してください。

前提条件

  • hostname コマンドと hostname -f コマンドの両方で、Satellite Server の FQDN を返す必要があります。そうしないと、satellite-change-hostname スクリプトが完了しません。hostname コマンドが FQDN の代わりに Satellite Server のショートネームを返す場合、satellite-change-hostname スクリプトの使用を試みる前に、hostnamectl set-hostname old_fqdn を 使用して古い FQDN を正しく設定する必要があります。
  • ホスト名を変更する前に、Satellite Server のバックアップを実行してください。名前変更プロセスが失敗した場合は、バックアップから復元してください。詳細は、8章Satellite Server および Capsule Server のバックアップ を参照してください。
  • オプション: Satellite Server がカスタムの SSL 証明書をインストールしている場合は、ホストの新しい名前用に新しい証明書を取得すること。詳細は、オンラインネットワークからの Satellite Server のインストールカスタムの SSL 証明書を使用した Satellite Server の設定 を参照してください。

手順

  1. Satellite Server で satellite-change-hostname スクリプトを実行する適切な方法を選択して、新しいホスト名と Satellite 認証情報を提供します。

    • Satellite Server をデフォルトの自己署名 SSL 証明書でインストールした場合は、以下のコマンドを入力します。

      # satellite-change-hostname new-satellite \
      --username admin \
      --password password
    • Satellite Server をカスタムの SSL 証明書でインストールした場合は、以下を実行します。

      # satellite-change-hostname new-satellite \
      --username admin \
      --password password \
      --custom-cert "/root/ownca/test.com/test.com.crt" \
      --custom-key "/root/ownca/test.com/test.com.key"
  2. オプション: Satellite Server の新しいホスト名用にカスタム SSL 証明書を作成した場合は、Satellite インストールスクリプトを実行して証明書をインストールします。カスタム SSL 証明書のインストールに関する詳細は、オンラインネットワークからの Satellite Server のインストールカスタムの SSL 証明書の Satellite Server へのデプロイ を参照してください。
  3. すべての Satellite クライアントで以下のコマンドを入力して、ブートストラップ RPM を再インストールし、クライアントを再登録して、サブスクリプションを更新します。

    この手順は、リモート実行機能を使用して実行できます。詳細は、ホストの管理リモートジョブの設定とセットアップ を参照してください。

    # yum remove -y katello-ca-consumer*
    
    # rpm -Uvh http://new-satellite.example.com/pub/katello-ca-consumer-latest.noarch.rpm
    
    # subscription-manager register \
    --org="Default_Organization" \
    --environment="Library" \
    --force
    
    # subscription-manager refresh
  4. すべての Capsule Server で、Satellite インストールスクリプトを実行して、新規ホスト名への参照を更新します。

    # satellite-installer \
    --foreman-proxy-content-parent-fqdn new-satellite.example.com \
    --foreman-proxy-foreman-base-url https://new-satellite.example.com \
    --foreman-proxy-trusted-hosts new-satellite.example.com \
    --puppet-server-foreman-url new-satellite.example.com
  5. Satellite Server で、すべての Capsule Server を一覧表示します。

    # hammer capsule list
  6. Satellite Server で、コンテンツを各 Capsule Server に同期します。

    # hammer capsule content synchronize \
    --id capsule_id_number

10.2. Capsule Server の名前の変更

Capsule Server のホスト名は、Satellite Server のコンポーネントおよび Capsule Server に登録されている全ホストが参照しています。この手順により、新規ホスト名への参照をすべて更新することができます。

注記
  • hostname コマンドと hostname -f コマンドの両方で、Capsule Server の FQDN を返す必要があります。そうしないと、satellite-change-hostname スクリプトが完了しません。
  • hostname コマンドが FQDN ではなく Capsule Server のショートネームを返す場合、satellite-change-hostname スクリプトを使用する前に、hostnamectl set-hostname old_fqdn を使用して古い FQDN を正しく設定する必要があります。

前提条件

  • Capsule Server をバックアップすること。satellite-change-hostname スクリプトを実行すると、Capsule Server への変更は元に戻せません。名前変更プロセスが失敗した場合は、バックアップから復元してください。

    ホスト名を変更する前にバックアップを実行してください。詳細は、8章Satellite Server および Capsule Server のバックアップ を参照してください。

警告

BZ#1829115 が解決されるまで、Capsule Server の名前を変更する前に Capsule Server の usr/share/katello/hostname-change.rb ファイルを編集し、次の行をコメントアウトする必要があります。

STDOUT.puts "updating hostname in hammer configuration"
self.run_cmd("sed -i.bak -e 's/#{@old_hostname} \
/#{@new_hostname}/g' #{hammer_root_config_path}/*.yml")
self.run_cmd("sed -i.bak -e 's/#{@old_hostname} \
/#{@new_hostname>/g' #{hammer_config_path}/*.yml")

手順

  1. Satellite Server で、Capsule Server の 新しい証明書のアーカイブファイルを生成します。

    • デフォルトの SSL 証明書を使用している場合は、以下のコマンドを実行します。

      # capsule-certs-generate \
      --foreman-proxy-fqdn new-capsule.example.com \
      --certs-tar /root/new-capsule.example.com-certs.tar

      .tar ファイルへの完全パスを必ず入力してください。

    • カスタムの SSL 証明書を使用している場合は、Capsule Server 用の新しい SSL 証明書を作成します。詳細は、Capsule Server のインストールカスタム SSL 証明書を使用した Capsule Server の設定 を参照してください。
  2. Satellite Server 上で、証明書アーカイブファイルを Capsule Server にコピーし、プロンプトが表示されたら、root ユーザーのパスワードを提供します。この例では、アーカイブファイルは root ユーザーのホームディレクトリーにコピーされますが、別の場所にコピーすることもできます。

    # scp /root/new-capsule.example.com-certs.tar root@capsule.example.com:
  3. Capsule Server で satellite-change-hostname スクリプトを実行し、新しいホスト名と Satellite 認証情報、および証明書アーカイブファイル名を提供します。

    # satellite-change-hostname new-capsule --username admin \
    --password password \
    --certs-tar /root/new-capsule.example.com-certs.tar

    .tar ファイルへの完全パスを必ず入力してください。

  4. オプション: Capsule Server で、Capsule Server のカスタム証明書を作成した場合、証明書をデプロイするには、capsule-certs-generate コマンドが返す satellite-installer コマンドを入力します。詳細は、Capsule Server のインストールカスタムの SSL 証明書の Capsule Server へのデプロイ を参照してください。
  5. すべての Capsule クライアントで、以下のコマンドを入力して、ブートストラップ RPM を再インストールし、クライアントを再登録して、サブスクリプションを更新します。

    この手順は、リモート実行機能を使用して実行できます。詳細は、ホストの管理リモートジョブの設定とセットアップ を参照してください。

    # yum remove -y katello-ca-consumer*
    
    # rpm -Uvh http://new-capsule.example.com/pub/katello-ca-consumer-latest.noarch.rpm
    
    # subscription-manager register --org="Default_Organization" \
    --environment="Library" \
    --force
    
    # subscription-manager refresh
  6. Satellite Web UI で、インフラストラクチャー > Capsules に移動します。
  7. リストで Capsule Server を見つけ、右側にある 編集 をクリックします。
  8. 名前URL フィールドが Capsule Server の新規ホスト名に一致するように変更して、送信 をクリックします。
  9. DNS サーバーで、Capsule Server の新規ホスト名用のレコードを追加し、古いホスト名のレコードを削除します。

第11章 Satellite Server のメンテナーンス

本章では、監査レコードの取り扱い、未使用タスクの消去方法、いっぱいになったディスクから Pulp を復元する方法、MongoDB からディスク領域を確保する方法などの Red Hat Satellite Server のメンテナーンス方法について説明します。

11.1. 監査レコードの削除

監査レコードは Satellite で自動作成されます。foreman-rake audits:expire コマンドを使うと、監査はいつでも取り消すことができます。また、cron ジョブを使用して、設定した間隔で、監査レコードの削除をスケジューリングすることも可能です。

デフォルトでは、foreman-rake audits:expire コマンドを使用すると 90 日以上経過した監査レコードが削除されます。days オプションに日数を追加して、監査レコードを保持する日数を指定することが可能です。

たとえば、7 日以上経過した監査レコードを削除する場合は、以下のコマンドを実行します。

# foreman-rake audits:expire days=7

11.2. 監査レコードの匿名化

foreman-rake audits:anonymize コマンドを使うと、データベースで監査レコードを保持しつつ、ユーザーアカウントや IP 情報を削除できます。また、cron ジョブを使用して、設定した間隔で、監査レコードの匿名化をスケジューリングすることも可能です。

デフォルトでは、foreman-rake audits:anonymize コマンドを使用すると 90 日以上経過した監査レコードが匿名化されます。days オプションに日数を追加して、監査レコードを保持する日数を指定することが可能です。

たとえば、7 日以上経過した監査レコードを匿名化する場合は、以下のコマンドを実行します。

# foreman-rake audits:anonymize days=7

11.3. 未使用タスクのクリーニング機能の設定

Satellite はクリーニングを定期的に実行することで、データベース内のディスク領域を削減し、ディスク増加率を制限します。その結果、Satellite のバックアップがより短時間で完了し、全体的なパフォーマンスも向上します。

デフォルトでは、Satellite は毎日 19 時 45 分 にタスクをクリーンアップする cron ジョブを実行します。Satellite は、クリーニング中に以下のタスクを削除します。

  • 正常に実行され、30 日を超過したタスク
  • 1 年を超過したすべてのタスク

以前のバージョンからアップグレードされた Satellite の場合

BZ#1788615 が解決されるまで、この機能は Satellite 6.9 以降の新規インストールでのみ機能します。以前のバージョンから Satellite をアップグレードすると、この機能はデフォルトで無効になります。Satellite が定期的なクリーニングを実行できるようにするには、以下のコマンドを入力します。

# satellite-installer --foreman-plugin-tasks-automatic-cleanup true

オプションでこの手順を使用して設定を調整し、ニーズに対応します。

手順

  1. オプション: Satellite が cron ジョブを実行する時刻を設定するには、--foreman-plugin-tasks-cron-line パラメーターを cron 形式で希望する時刻に設定します。たとえば、cron ジョブを毎日 15 時 00 分に実行するようにスケジュールするには、以下のコマンドを入力します。

    # satellite-installer --foreman-plugin-tasks-cron-line "00 15 * * *"
  2. オプション: Satellite がタスクを削除するまでの期間を設定するには、/etc/foreman/plugins/foreman-tasks.yaml ファイルの :rules: セクションを編集します。

11.4. 完全なディスクからのリカバリー

以下の手順では、Pulp データベースのある論理ボリューム (LV) に空き領域がない場合の解決方法について説明します。

完全なディスクからのリカバリー方法

  1. 実行中の Pulp タスクを完了させます。新たなタスクは開始しないでください。ディスクに空きスペースがないため、失敗することになります。
  2. /var/lib/pulp ディレクトリーのある LV に十分な空き領域があることを確認します。以下のような方法があります。

    1. 孤立したコンテンツを削除します:

      # foreman-rake katello:delete_orphaned_content RAILS_ENV=production

      これは 1 週間ごとに実行されるので、多くの領域が解放されるわけではありません。

    2. できるだけ多くのリポートのダウンロードポリシーを 即時 から オンデマンド に変更し、ダウンロード済みパッケージを削除します。手順については、Red Hat カスタマーポータルのナレッジベースのソリューション How to change syncing policy for Repositories on Satellite from "Immediate" to "On-Demand" を参照してください。
    3. /var/lib/pulp ディレクトリーのある LV 上のファイルシステムを拡張します。詳細は、Red Hat Enterprise Linux 7 論理ボリュームマネージャーの管理論理ボリュームのファイルシステムの拡張 を参照してください。

      注記

      (ext3、ext4、または xfs などの) 通常外のファイルシステムを使用している場合は、そのファイルシステムをアンマウントして使用されていない状態にする必要があります。その場合は、以下を実行します。

      1. satellite-maintain サービスを停止します。

        # satellite-maintain service stop
      2. LV 上のファイルシステムを拡張します。
      3. satellite-maintain サービスを起動します。

        # satellite-maintain service start
  3. ディスクに空きスペースがないために Pulp タスクが失敗していた場合は、それらのタスクを再実行します。

11.5. Satellite または Capsule のベースオペレーティングシステムでのパッケージの管理

Satellite または Capsule のベースオペレーティングシステムでパッケージをインストールして更新するには、satellite-maintain packages コマンドを入力する必要があります。

Satellite では、yum を使用したパッケージのインストールと更新はできません。理由は、yum が Satellite または Capsule 関連のパッケージも更新し、その結果システムの不整合が発生する可能性があるためです。

重要

パッケージのインストール後に satellite-installer コマンドが実行されるため、satellite-maintain packages コマンドは、このコマンドを実行するオペレーティングシステムのサービスの一部を再起動します。

手順

  • Satellite または Capsule でパッケージをインストールするには、以下のコマンドを入力します。

    # satellite-maintain packages install package_1 package_2
  • Satellite または Capsule で特定のパッケージを更新するには、以下のコマンドを入力します。

    # satellite-maintain packages update package_1 package_2
  • Satellite または Capsule ですべてのパッケージを更新するには、以下のコマンドを入力します。

    # satellite-maintain packages update

yum を使用したパッケージ更新の確認

yum を使用して更新を確認する場合は、コマンドを入力して手動でパッケージをインストールおよび更新してから、yum を使用して更新を確認できます。

# satellite-maintain packages unlock
# yum check update
# satellite-maintain packages lock

パッケージを個別に更新すると、Satellite または Capsule でパッケージの不整合が発生する可能性があります。Satellite でのパッケージの更新の詳細については、Satellite Server の更新 を参照してください。

Satellite または Capsule のパッケージ管理での yum の有効化

yum を使用して直接システムにパッケージをインストールして更新し、システムの安定性をご自身で管理する場合は、以下のコマンドを入力します。

# satellite-maintain packages unlock

パッケージ管理のデフォルト設定への復元

デフォルト設定を復元して Satellite または Capsule を有効にし、ユーザーが yum を使用してパッケージをインストールおよび更新できないようにし、システムの安定性を確保する必要がある場合は、以下のコマンドを入力します。

# satellite-maintain packages lock

11.6. MongoDB スペースの確保

MongoDB データベースは、特に負荷の高いデプロイメントにおいて、大容量のディスク領域を使用できます。この手順を使用して、Satellite でこのディスク領域の一部を確保します。

前提条件

手順

  1. Pulp サービスを停止します。

    # satellite-maintain service stop --only \
    pulp_celerybeat.service,pulp_resource_manager.service,pulp_streamer.service,pulp_workers.service,httpd
  2. MongoDB シェルにアクセスします。

    # mongo pulp_database
  3. 修復前の MongoDB のディスク領域の使用量を確認します。

    > db.stats()
  4. 現在の MongoDB データベースに 2 GB を足したサイズに相当する空のディスク領域があることを確認します。MongoDB データベースを含むボリュームに十分な領域がない場合、別のボリュームをマウントし、これを修復に使用することができます。
  5. 修復コマンドを入力します。データベースのサイズによっては、修復コマンドは、その他すべての操作をブロックし、完了までに時間がかかる場合があることに注意してください。

    > db.repairDatabase()
  6. 修復後の MongoDB のディスク領域の使用量を確認します。

    > db.stats()
  7. MongoDB シェルを終了します。

    > exit
  8. Pulp サービスを開始します。

    # satellite-maintain service start

11.7. PostgreSQL 領域の確保

PostgreSQL データベースは、特に負荷の高いデプロイメントにおいて、大容量のディスク領域を使用できます。この手順を使用して、Satellite でこのディスク領域の一部を確保します。

手順

  1. postgresql サービス以外の全サービスを停止します。

    # satellite-maintain service stop --exclude postgresql
  2. postgres ユーザーに切り替えてデータベースの領域を確保します。

    # su - postgres -c 'vacuumdb --full --dbname=foreman'
  3. Vacuum が完了したら、他のサービスを開始します。

    # satellite-maintain service start

第12章 問題のログとレポート

本章では、関連するログファイルに関する情報、デバッグロギングを有効にする方法、サポートケースを開き、関連するログ tar ファイルを添付する方法、Satellite Web UI 内でサポートケースにアクセスする方法など、Red Hat Satellite Server における問題のログおよびレポート方法について説明します。

本章で説明されたログファイルと他の情報を使用して独自にトラブルシューティングを行ったり、サポートが必要な場合は、これらの情報と他の多くのファイルとともに診断および設定情報を取得して Red Hat サポートに送信することができます。

Satellite のロギング設定の詳細は、satellite-installer を使用し、--full-help オプションを指定します。

# satellite-installer --full-help | grep logging

12.1. デバッグロギングの有効化

デバッグロギングでは、最も詳細にわたるログ情報が提供され、Satellite 6.9 とそのコンポーネントで発生する可能性がある問題のトラブルシューティングが簡単になります。

Satellite CLI で、デバッグロギングを有効にして、Satellite 6.9 の詳細なデバッグ情報をログに記録します。

手順

デバッグロギングを有効にするには、Satellite Server で次の手順を実行します。

  1. デバッグロギングを有効にするには、次のコマンドを入力します。

    # satellite-installer --foreman-logging-level debug
  2. デバッグが完了したら、ロギングレベルをデフォルト値にリセットします。

    # satellite-installer --reset-foreman-logging-level

12.2. 個別のロガーの有効化

個別のロガーを有効にして、一部のロギングを選択的に有効にできます。Satellite では、以下のロガーを使用します。

app
Web 要求とアプリケーションの一般的なメッセージをすべてロギングします。デフォルト値: true
audit
追加のファクト統計、追加、更新、削除されたファクトの数をロギングします。デフォルト値: true
ldap
ハイレベルの LDAP クエリーと LDAP オペレーションをロギングします。デフォルト値: false
permissions
ページを読み込む時にユーザーのロール、フィルター、パーミッションへのクエリーをロギングします。デフォルト値: false
sql
Rails ActiveRecord を使用した SQL クエリーをロギングします。デフォルト値: false

手順

個別のロガーを有効にするには、次の手順を実行します。

  1. 任意の個別ロガーを有効化します。たとえば、sqlldap のロガーを有効にするには、以下のコマンドを入力します。

    # satellite-installer --foreman-loggers sql:true --foreman-loggers ldap:true
  2. オプション: デフォルト値にロガーをリセットするには、以下のコマンドを入力します。

    # satellite-installer --reset-foreman-loggers

12.3. Journal へのロギングの設定

Satellite が Journal を使用したロギングを管理するように設定します。Journal は、ログメッセージを rsyslog に転送し、rsyslog はログメッセージを /var/log/messages に記述します。この変更を加えた後は、ログメッセージが /var/log/foreman/production.log または /var/log/foreman-proxy.log には表示されなくなる点にご留意ください。

Journal に関する詳細は、Red Hat Enterprise Linux 7 システム管理者のガイドJournal の使用 を参照してください。

手順

Journal を使用した Satellite Server のロギングを設定するには、次の手順を実行します。

  1. 以下の satellite-installer コマンドを入力して、ロギングを journald に設定します。

    # satellite-installer --foreman-logging-level info \
    --foreman-logging-type journald \
    --foreman-logging-layout pattern --foreman-proxy-log JOURNAL
  2. Apache デーモンを再起動します。

    # satellite-maintain service restart --only httpd

12.4. Satellite が提供するログファイルディレクトリー

Red Hat Satellite は、システム情報を通知とログファイルの形式で提供します。

表12.1 レポートおよびトラブルシューティングのログファイルディレクトリー
ログファイルディレクトリーログファイルの内容の説明

/var/log/candlepin

サブスクリプションの管理

/var/log/foreman

Foreman

/var/log/foreman-proxy

Foreman プロキシー

/var/log/httpd

Apache HTTP サーバー

/var/log/foreman-installer/satellite

Satellite インストーラー

/var/log/foreman-installer/capsule

Capsule Server インストーラー

/var/log/libvirt

仮想化 API

/var/log/mongodb

Satellite データベース

/var/log/production

Foreman

/var/log/pulp

Celerybeat および Celery 起動要求メッセージ。起動が完了したら、メッセージは /var/log/messages に記録されます。

/var/log/puppet

設定管理

/var/log/rhsm

サブスクリプションの管理

/var/log/tomcat6 および /var/log/tomcat

それぞれ Red Hat Enterprise Linux 6 と Red Hat Enterprise Linux 7 向けの Apache Web サーバーメッセージ

/var/log/messages

pulp、rhsm、および goferd に関連する他のさまざまなログメッセージ

foreman-tail コマンドを使用して、Satellite に関連する多くのログファイルを追跡することもできます。foreman-tail -l を実行すると、追跡するプロセスとサービスがリストされます。

12.5. ログ情報の収集ユーティリティー

ログファイルから情報を収集するユーティリティーは、2 つあります。

表12.2 ログ収集ユーティリティー
コマンド説明

foreman-debug

foreman-debug コマンドは、Red Hat Satellite とそのバックエンドサービスの設定およびログファイルデータとシステム情報を収集します。この情報は収集され、tar ファイルに書き込まれます。デフォルトでは、出力される tar ファイルは、/tmp/foreman-debug-xxx.tar.xz に格納されます。

また、foreman-debug コマンドは、過去 60 日間に実行されたタスクをエクスポートします。デフォルトでは、出力される tar ファイルは、/tmp/task-export-xxx.tar.xz に格納されます。このファイルが見当たらない場合は、/tmp/task-export.log ファイルで、タスクのエクスポートが失敗した理由を確認できます。

詳細情報については、foreman-debug --help を実行してください。

このコマンドの実行時にはタイムアウトがありません。

sosreport

sosreport コマンドは、Red Hat Enterprise Linux システムから設定および診断情報 (実行中のカーネルバージョン、ロードされたモジュール、システムおよびサービス設定ファイルなど) を収集するツールです。また、このコマンドは外部プログラムを実行して (たとえば、foreman-debug -g)、Satellite 固有の情報を収集し、この出力を tar ファイルに格納します。

デフォルトでは、出力 tar ファイルは /var/tmp/sosreport-XXX-20171002230919.tar.xz にあります。詳細については、sosreport --help を実行するか、What is an sosreport and how to create one in Red Hat Enterprise Linux? を参照してください。

sosreport コマンドは foreman-debug -g を呼び出し、500 秒後にタイムアウトします。Satellite Server のログファイルが大きい場合や多くの Satellite タスクがある場合、サポートエンジニアはサポートケース作成時に sosreportforeman-debug の出力を必要とすることがあります。

重要

foreman-debugsosreport では、情報を収集する間にパスワード、トークン、キーなどのセキュリティー情報が削除されます。ただし、tar ファイルには依然として Red Hat Satellite Server についての機密情報が含まれる可能性があります。Red Hat では、この情報をパブリックではなく特定の受信者に直接送信することを推奨します。

第13章 外部認証の設定

外部認証を使用して、外部 ID プロバイダーのユーザーグループメンバーシップからユーザーとユーザーグループのパーミッションを派生させることができます。外部認証を使用する場合には、このようなユーザーを作成したり、グループメンバーシップを Satellite Server で手動で保守したりする必要はありません。

重要なユーザーおよびグループアカウント情報

ユーザーおよびグループアカウントはすべて、ローカルアカウントである必要があります。これにより、Satellite Server 上のローカルアカウントと Active Directory ドメイン内のアカウントによる認証競合が避けられます。

ユーザーおよびグループアカウントが /etc/passwd/etc/group ファイルの両方に存在すれば、この競合によってシステムが影響を受けることはありません。たとえば、puppetapacheforeman および foreman-proxy グループのエントリーが /etc/passwd/etc/group の両ファイルに存在することを確認するには、以下のコマンドを実行します。

# cat /etc/passwd | grep 'puppet\|apache\|foreman\|foreman-proxy'
# cat /etc/group | grep 'puppet\|apache\|foreman\|foreman-proxy'

外部認証の設定シナリオ

Red Hat Satellite では、外部認証の設定において以下の一般的なシナリオがサポートされます。

  • Lightweight Directory Access Protocol (LDAP) サーバーを外部 ID プロバイダーとして使用するシナリオ。LDAP は、一元的に保存された情報にネットワークを介してアクセスするために使用されるオープンプロトコルセットです。Satellite では、Satellite Web UI を介して LDAP 全体を管理できます。詳細は、「LDAP の使用」 を参照してください。LDAP を使用して Red Hat Identity Management または AD サーバーに接続できますが、セットアップでは、Satellite の Web UI でのサーバー検出、フォレスト間信頼、または Kerberos を使用したシングルサインオンはサポートされません。
  • Red Hat Identity Management サーバーを外部 ID プロバイダーとして使用するシナリオ。Red Hat Identity Management は、ネットワーク環境で使用される個別 ID、認証情報、および権限を管理します。Red Hat Identity Management を使用した設定は、Satellite Web UI のみを使用して完了できず、CLI との対話が必要です。詳細は、「Red Hat Identity Management の使用」 を参照してください。
  • フォレスト間 Kerberos 信頼を介して Red Hat Identity Management に統合された Active Directory (AD) を外部 ID プロバイダーとして使用するシナリオ。詳細は、「フォレスト間信頼を使用する Active Directory」 を参照してください。
  • Red Hat Single Sign On を Satellite への外部認証用の OpenID プロバイダーとして使用するシナリオ。詳細は、「Red Hat Single Sign On 認証を使用した Satellite の設定」 を参照してください。
  • TOTP を使用した Satellite への外部認証に Red Hat Single Sign-On を OpenID プロバイダーとして使用するシナリオ。詳細は、「TOTP での Red Hat Single Sign On 認証の設定」 を参照してください。

Satellite でプロビジョニングしたホストは、Satellite Server にアクセスできるだけでなく、Red Hat Identity Management レルムと統合することもできます。Red Hat Satellite には、レルムまたはドメインプロバイダーに登録されたシステムのライフサイクルを自動的に管理するレルム機能があります。詳細は、「プロビジョンされたホストの外部認証」 を参照してください。

表13.1 認証の概要
Type認証ユーザーグループ

Red Hat Identity Management

Kerberos または LDAP

あり

Active Directory

Kerberos または LDAP

あり

POSIX

LDAP

あり

13.1. LDAP の使用

Red Hat Satellite で TLS を使用してセキュアな LDAP 接続 (LDAPS) を確立する必要がある場合は、まず、接続先の LDAP サーバーで使用する証明書を取得して、以下の説明のように Satellite Server のベースオペレーティングシステムでこの証明書を信頼済みとしてマークします。LDAP サーバーで中間認証局との証明書チェーンを使用する場合は、すべての証明書が取得されるように、チェーン内のすべてのルートおよび中間証明書が信頼済みである必要があります。この時点でセキュアな LDAP を必要としない場合は、「Red Hat Satellite で LDAP を使用する設定」 に進みます。

SSSD 設定の使用

このセクションでは、LDAP の直接統合について説明しますが、Red Hat では、SSSD を使用して Red Hat Identity Management、AD、または LDAP サーバーに設定することを推奨します。SSSD により、認証プロセスの一貫性が向上されます。推奨設定の詳細は、「Active Directory の使用」 を参照してください。SSSD 認証情報をキャッシュして LDAP 認証に使用することもできます。SSSD の詳細については、Red Hat Enterprise Linux 7 システムレベルの認証ガイドSSSD の設定 を参照してください。

13.1.1. セキュア LDAP 向けの TLS の設定

Satellite CLI を使用して、セキュア LDAP (LDAPS) 向けに TLS を設定します。

手順

  1. LDAP サーバーから証明書を取得します。

    1. Active Directory 証明書サービスを使用する場合は、ベース 64 エンコード X.509 形式を使用してエンタープライズ PKI CA 証明書をエクスポートします。Active Directory サーバーでの CA 証明書の作成およびエクスポートについては、How to configure Active Directory authentication with TLS on Red Hat Satellite 6? を参照してください。
    2. LDAP サーバー証明書は、Satellite Server がインストールされている Red Hat Enterprise Linux システムの一時的な場所にダウンロードし、終了時に削除します。

      たとえば、/tmp/example.crt です。ファイル名の拡張子を .cer.crt にすることが唯一の規則であり、この拡張子は、DER バイナリーまたは PEM ASCII の形式の証明書を参照できます。

  2. LDAP サーバーからの証明書を信頼します。

    Red Hat Satellite Server では、LDAP 認証用の CA 証明書は /etc/pki/tls/certs/ ディレクトリー内の個別ファイルである必要があります。

    1. install コマンドを使用して適切なパーミッションでインポート済みの証明書を /etc/pki/tls/certs/ ディレクトリーにインストールします。

      # install /tmp/example.crt /etc/pki/tls/certs/
    2. root で以下のコマンドを実行して、LDAP サーバーから取得した example.crt 証明書を信頼します。

      # ln -s example.crt /etc/pki/tls/certs/$(openssl \
      x509 -noout -hash -in \
      /etc/pki/tls/certs/example.crt).0
    3. httpd サービスを再起動します。

      # systemctl restart httpd

13.1.2. Red Hat Satellite で LDAP を使用する設定

Satellite Web UI で、LDAP を使用するように Satellite を設定します。

Satellite の Web UI で Kerberos を使用したシングルサインオン機能が必要な場合は、代わりに Red Hat Identity Management および AD 外部認証を使用する必要があることに注意してください。これらのオプションの詳細については、Red Hat Identity Management の使用 または Active Directory の使用 を参照してください。

手順

  1. Network Information System (NIS) サービスのブール値を true に設定して SELinux により LDAP の送信接続がブロックされないようにします。

    # setsebool -P nis_enabled on
  2. 管理 > LDAP 認証 に移動します。
  3. 認証ソースの作成 をクリックします。
  4. LDAP サーバータブで LDAP サーバーの名前、ホスト名、ポート、およびサーバータイプを入力します。デフォルトポートは 389、デフォルトサーバータイプは POSIX です (認証サーバーのタイプに応じて FreeIPA または Active Directory を選択することもできます)。TLS 暗号化接続に対しては、LDAPS チェックボックスを選択して暗号化を有効にします。ポートは LDAPS のデフォルト値である 636 に変更されるはずです。
  5. アカウント タブで、アカウント情報とドメイン名の詳細を入力します。説明と例については、「LDAP 設定の説明」 を参照してください。
  6. 属性マッピング タブで、LDAP 属性を Satellite 属性にマッピングします。ログイン名、名、姓、メールアドレス、および写真の属性をマッピングできます。サンプルについては、「LDAP 接続の設定例」 を参照してください。
  7. ロケーション タブで、左側の表からロケーションを選択します。選択したロケーションは、LDAP 認証ソースから作成されたユーザーに割り当てられ、初回ログイン以降、利用可能となります。
  8. 組織 タブで、左側の表から組織を選択します。選択した組織は、LDAP 認証ソースから作成されたユーザーに割り当てられ、初回ログイン以降、利用可能となります。
  9. 送信 をクリックします。
  10. LDAP ユーザーの新しいアカウントを設定します。

    • Automatically Create Accounts In Satellite のチェックボックスを選択していない場合は、「ユーザーの作成」 を参照してユーザーアカウントを手動で作成してください。
    • Satellite でアカウントを自動作成する のチェックボックスを選択した場合は、LDAP ユーザーは LDAP アカウントおよびパスワードを使用して Satellite にログインできます。初回ログイン後に、Satellite 管理者はロールを手動で割り当てる必要があります。Satellite でユーザーアカウントに適切なロールを割り当てる方法は、「ユーザーへのロールの割り当て」 を参照してください。

13.1.3. LDAP 設定の説明

以下の表は、アカウント タブの各設定の説明を示しています。

表13.2 アカウントタブの設定
設定説明

アカウント

LDAP サーバーへの読み取りアクセス権のある LDAP アカウントのユーザー名。ユーザー名は、サーバーで匿名の読み取りが許可されている場合は必要ありません。以下に例を示します。

uid=$login,cn=users,cn=accounts,dc=example,dc=com

$login 変数には、ログインページで入力されたユーザー名がリテラル文字列として格納されます。この値は、変数が展開されたときにアクセスされます。

この変数は、LDAP ソースからの外部ユーザーグループとは使用できません。ユーザーがログインしていない場合、Satellite はグループリストを取得する必要があります。匿名または専用サービスユーザーを使用してください。

アカウントパスワード

アカウント フィールドで定義されたユーザーの LDAP パスワード。アカウント$login 変数を使用している場合は、このフィールドを空白にすることができます。

ベース DN

LDAP ディレクトリーの最上位のドメイン名。

グローバルベース DN

グループが含まれる LDAP ディレクトリーツリーの最上位のドメイン名。

LDAP フィルター

LDAP クエリーを制限するフィルター。

Satellite でアカウントを自動作成する

このチェックボックスを選択した場合には、LDAP ユーザーが Satellite に最初にログインしたときに、Satellite によりユーザーアカウントが作成されます。初回ログイン後に、Satellite 管理者はロールを手動で割り当てる必要があります。Satellite でユーザーアカウントに適切なロールを割り当てる方法は、「ユーザーへのロールの割り当て」 を参照してください。

ユーザーグループの同期

このオプションが選択された場合は、ユーザーのログイン時にユーザーのユーザーグループメンバーシップが自動的に同期され、メンバーシップは常に最新の状態になります。このオプションが選択されていない場合は、Satellite で cron ジョブを使用してグループメンバーシップを定期的 (デフォルトでは 30 分ごと) に同期します。詳細については、外部ユーザーグループの設定: を参照してください。

13.1.4. LDAP 接続の設定例

以下の表は、異なる種類の LDAP 接続の設定例を示しています。以下の例では、ユーザーおよびグループのエントリーに対してバインド、読み取り、および検索のパーミッションを持つ redhat という名前の専用サービスアカウントを使用します。LDAP 属性名は、大文字と小文字が区別されることに注意してください。

表13.3 Active Directory、Free IPA または Red Hat Identity Management、POSIX LDAP 接続 の設定例
設定Active DirectoryFreeIPA または Red Hat Identity ManagementPOSIX (OpenLDAP)

アカウント

DOMAIN\redhat

uid=redhat,cn=users, cn=accounts,dc=example, dc=com

uid=redhat,ou=users, dc=example,dc=com

アカウントパスワード

P@ssword

-

-

ベース DN

DC=example,DC=COM

dc=example,dc=com

dc=example,dc=com

グループベース DN

CN=Users,DC=example,DC=com

cn=groups,cn=accounts, dc=example,dc=com

cn=employee,ou=userclass, dc=example,dc=com

ログイン名属性

userPrincipalName

uid

uid

名属性

givenName

givenName

givenName

姓属性

sn

sn

sn

メールアドレス属性

mail

mail

mail

注記

userPrincipalName では、ユーザー名に空白文字を使用できます。ログイン名属性 sAMAccountName (上記の表にはリストされていない) は、レガシーの Microsoft システムとの後方互換性を提供します。sAMAccountName では、ユーザー名に空白文字を使用できません。

13.1.5. LDAP フィルターの例

管理者は LDAP フィルターを作成することで、特定のユーザーの Satellite へのアクセスを制限することができます。

表13.4 特定ユーザーのログインを許可するフィルターの例
ユーザーフィルター

User1、User3

(memberOf=cn=Group1,cn=Users,dc=domain,dc=example)

User2、User3

(memberOf=cn=Group2,cn=Users,dc=domain,dc=example)

User1、User2、User3

(|(memberOf=cn=Group1,cn=Users,dc=domain,dc=example)(memberOf=cn=Group2,cn=Users,dc=domain,dc=example))

LDAP ディレクトリー構造

上記の例のフィルターで使用される LDAP ディレクトリー構造

DC=Domain,DC=Example
   |
   |----- CN=Users
         |
         |----- CN=Group1
         |----- CN=Group2
         |----- CN=User1
         |----- CN=User2
         |----- CN=User3

LDAP グループメンバーシップ

上記の例のフィルターで使用されるグループメンバーシップ

グループメンバー

Group1

User1、User3

Group2

User2、User3

13.2. Red Hat Identity Management の使用

本項では、Red Hat Satellite Server と Red Hat Identity Management サーバーを統合する方法とホストベースアクセス制御を有効にする方法を示します。

注記

Red Hat Identity Management は、外部認証ソースとして、シングルサインオンサポートなしで接続できます。詳細は、「LDAP の使用」 を参照してください。

前提条件

  • Satellite Server は、Red Hat Enterprise Linux 7.1 以降で実行する必要があります。
  • Satellite Server のベースオペレーティングシステムが、組織の Red Hat Identity Management 管理者によって Red Hat Identity Management ドメインに登録されていること。

この章の例では、Red Hat Identity Management と Satellite の設定が分離されていることを前提としています。ただし、両方のサーバーの管理者権限がある場合は、Red Hat Enterprise Linux 7 Linux ドメイン ID、認証、およびポリシーガイド の説明に従って Red Hat Identity Management を設定できます。

13.2.1. Satellite Server での Red Hat Identity Management 認証の設定

Satellite CLI で、まず Red Hat Identity Management サーバーにホストエントリーを作成して、Red Hat Identity Management 認証を設定します。

手順

  1. Red Hat Identity Management サーバーで、次のコマンドを入力し、プロンプトが表示されたら、パスワードを入力して、認証します。

    # kinit admin
  2. 認証されたことを確認するには、次のコマンドを入力します。

    # klist
  3. 以下のように、Red Hat Identity Management サーバー上で Satellite Server のホストエントリーを作成し、ワンタイムパスワードを生成します。

    # ipa host-add --random hostname
    注記

    Red Hat Identity Management 登録を完了するには、生成されたワンタイムパスワードをクライアントで使用する必要があります。

    ホスト設定プロパティーの詳細は、Red Hat Enterprise Linux 7 Linux ドメイン ID、認証、およびポリシーガイドホストエントリー設定のプロパティー を参照してください。

  4. 以下のように、Satellite Server 向けの HTTP サービスを作成します。

    # ipa service-add HTTP/hostname

    サービス管理の詳細については、Red Hat Enterprise Linux 7 Linux ドメイン ID、認証、およびポリシーガイドサービスの管理 を参照してください。

  5. Satellite Server で、IPA クライアントをインストールします。

    警告

    このコマンドは、パッケージのインストール中に Satellite サービスを再起動する可能性があります。Satellite でのパッケージのインストールと更新に関する詳細は、「Satellite または Capsule のベースオペレーティングシステムでのパッケージの管理」 を参照してください。

    # satellite-maintain packages install ipa-client
  6. Satellite Server で、以下のコマンドを root として入力し、Red Hat Identity Management 登録を設定します。

    # ipa-client-install --password OTP

    OTP を、Red Hat Identity Management 管理者により提供されたワンタイムパスワードに置き換えます。

  7. Satellite Server が Red Hat Enterprise Linux 7 で実行されている場合は、以下のコマンドを実行します。

    # subscription-manager repos --enable rhel-7-server-optional-rpms

    インストーラーは、オプションのリポジトリー rhel-7-server-optional-rpms (Red Hat Enterprise Linux 7 の場合) に含まれるパッケージに依存します。

  8. 以下のコマンドを使用して、foreman-ipa-authentication を true に設定します。

    # satellite-installer --foreman-ipa-authentication=true
  9. satellite-maintain サービスを再起動します。

    # satellite-maintain service restart

この時点で、外部ユーザーは Red Hat Identity Management 認証情報を使用して Satellite にログインできます。ユーザー名とパスワードを使用して直接 Satellite Server にログインするか、設定済みの Kerberos シングルサインオンを活用してクライアントマシンでチケットを取得し、自動的にログインするかを選択できます。また、ワンタイムパスワードを使用した二要素認証 (2FA OTP) もサポートされます。Red Hat Identity Management 内のユーザーが 2FA 向けに設定され、Satellite Server が Red Hat Enterprise Linux 7 で実行されている場合には、このユーザーは OTP を使用して Satellite に対して認証することもできます。

13.2.2. ホストベースの認証制御の設定

HBAC ルールでは、Red Hat Identity Management ユーザーがドメイン内のどのマシンにアクセスできるかを定義します。一部のユーザーが Satellite Server にアクセスできないように、Red Hat Identity Management サーバーで HBAC を設定できます。この方法では、ログインが許可されていないユーザーのデータベースエントリーを、Satellite で作成できないようにします。HBAC の詳細については、Red Hat Enterprise Linux 7 Linux ドメイン ID、認証、およびポリシーガイドホストベースのアクセス制御の設定 を参照してください。

Red Hat Identity Management サーバーで、ホストベースの認証制御 (HBAC) を設定します。

手順

  1. Red Hat Identity Management サーバーで、次のコマンドを入力し、プロンプトが表示されたら、パスワードを入力して、認証します。

    # kinit admin
  2. 認証されたことを確認するには、次のコマンドを入力します。

    # klist
  3. HBAC サービスおよびルールを Red Hat Identity Management サーバーで作成し、リンクします。以下の例では、satellite-prod という PAM サービス名を使用しています。Red Hat Identity Management サーバー上で以下のコマンドを実行してください。

    # ipa hbacsvc-add satellite-prod
    # ipa hbacrule-add allow_satellite_prod
    # ipa hbacrule-add-service allow_satellite_prod --hbacsvcs=satellite-prod
  4. satellite-prod サービスへのアクセス権があるユーザーと Satellite Server のホスト名を追加します。

    # ipa hbacrule-add-user allow_satellite_prod --user=username
    # ipa hbacrule-add-host allow_satellite_prod --hosts=satellite.example.com

    または、allow_satellite_prod ルールにホストグループとユーザーグループを追加できます。

  5. ルールのステータスを確認するために、以下のコマンドを実行します。

    # ipa hbacrule-find satellite-prod
    # ipa hbactest --user=username --host=satellite.example.com --service=satellite-prod
  6. Red Hat Identity Management サーバーで allow_all ルールが無効であることを確認します。他のサービスに影響を与えずにこのルールを無効にする方法については、Red Hat カスタマーポータルのアーティクル How to configure HBAC rules in IdM to allow specific users to login to clients via ssh を参照してください。
  7. 「Satellite Server での Red Hat Identity Management 認証の設定」 で説明されているように、Satellite Server で Red Hat Identity Management 統合を設定します。Satellite Server で、root として PAM サービスを定義します。

    # satellite-installer --foreman-pam-service=satellite-prod

13.3. Active Directory の使用

このセクションでは、Satellite Server 用の外部認証ソースとして直接 Active Directory (AD) を使用する方法を示します。

注記

シングルサインオンサポートなしで、Active Directory を外部認証ソースとして接続できます。詳細は、「LDAP の使用」 を参照してください。設定例については、How to configure Active Directory authentication with TLS on Satellite 6 を参照してください。

直接 AD 統合では、ID が保存されている AD ドメインに Satellite Server が直接参加します。推奨の設定には、以下の 2 つの手順が含まれます。

13.3.1. GSS-Proxy

Apache での Kerberos 認証の従来のプロセスでは、Apache プロセスが keytab ファイルへの読み取りアクセスを持っている必要があります。GSS-Proxy を使用すると、Kerberos 認証機能を保持しつつ keytab ファイルへのアクセスを削除することにより Apache サーバーに対してより厳密な権限の分離を実行できます。AD を Satellite の外部認証ソースとして使用する場合は、keytab ファイルのキーがホストキーと同じであるため、GSS-proxy を実装することが推奨されます。

注記

AD 統合では、Red Hat Satellite Server を Red Hat Enterprise Linux 7.1 以降にデプロイする必要があります。

Satellite Server のベースオペレーティングシステムとして動作する Red Hat Enterprise Linux で以下の手順を実行します。本セクションの例では、EXAMPLE.ORG が AD ドメインの Kerberos レルムです。手順を完了すると、EXAMPLE.ORG レルムに属するユーザーは Satellite Server にログインできます。

13.3.2. Satellite Server の AD サーバーへの登録

Satellite CLI で、Active Directory サーバーに Satellite Server を登録します。

前提条件

  • GSS-proxy と nfs-utils がインストールされていること。

    GSS-proxy と nfs-utils をインストールします。

    # satellite-maintain packages install gssproxy nfs-utils

手順

  1. 必要なパッケージをインストールします。

    # satellite-maintain packages install sssd adcli realmd ipa-python-compat krb5-workstation samba-common-tools
  2. Satellite Server を AD サーバーに登録します。以下のコマンドを実行するには、管理者パーミッションが必要な場合があります。

    # realm join -v EXAMPLE.ORG

13.3.3. GSS-proxy を使用した直接 AD 統合の設定

Satellite CLI で、GSS-proxy を使用する直接 Active Directory 統合を設定します。

前提条件

手順

  1. /etc/ipa/ ディレクトリーと default.conf ファイルを作成します。

    # mkdir /etc/ipa
    # touch /etc/ipa/default.conf
  2. default.conf ファイルに以下のコンテンツを追加します。

    [global]
    server = unused
    realm = EXAMPLE.ORG
  3. 以下の内容で /etc/net-keytab.conf ファイルを作成します。

    [global]
    workgroup = EXAMPLE
    realm = EXAMPLE.ORG
    kerberos method = system keytab
    security = ads
  4. Apache ユーザーの有効なユーザー ID を特定します。

    # id apache

    Apache ユーザーには keytab ファイルへのアクセス権を割り当てないでください。

  5. 以下の内容で /etc/gssproxy/00-http.conf ファイルを作成します。

    [service/HTTP]
    mechs = krb5
    cred_store = keytab:/etc/krb5.keytab
    cred_store = ccache:/var/lib/gssproxy/clients/krb5cc_%U
    euid = ID_of_Apache_User
  6. keytab エントリーを作成します。

    # KRB5_KTNAME=FILE:/etc/httpd/conf/http.keytab net ads keytab add HTTP -U administrator -d3 -s /etc/net-keytab.conf
    # chown root.apache /etc/httpd/conf/http.keytab
    # chmod 640 /etc/httpd/conf/http.keytab
  7. Satellite の IPA 認証を有効にします。

    # satellite-installer --foreman-ipa-authentication=true
  8. gssproxy サービスを起動して、有効にします。

    # systemctl restart gssproxy.service
    # systemctl enable gssproxy.service
  9. Apache サーバーが gssproxy サービスを使用するように設定します。

    1. 以下の内容で /etc/systemd/system/httpd.service ファイルを作成します。

      .include /lib/systemd/system/httpd.service
      [Service]
      Environment=GSS_USE_PROXY=1
    2. 変更をサービスに適用します。

      # systemctl daemon-reload
  10. httpd サービスを起動して、有効にします。

    # systemctl restart httpd.service
  11. SSO が想定どおりに動作していることを確認します。

    Apache サーバーが実行中であり、クライアントに有効な Kerberos チケットがある場合、サーバーに対して HTTP 要求を行うユーザーは認証されます。

    1. 次のコマンドを使用して、LDAP ユーザーの Kerberos チケットを取得します。

      # kinit ldapuser
    2. 以下のコマンドを使用して、Kerberos チケットを表示します。

      # klist
    3. 以下のコマンドを使用して、SSO 認証に成功時の出力を表示します。

      # curl -k -u : --negotiate https://satellite.example.com/users/extlogin

      これにより、以下の応答が返されます。

      <html><body>You are being <a href="https://satellite.example.com/users/4-ldapuserexample-com/edit">redirected</a>.</body></html>

13.3.4. Web ブラウザーでの Kerberos の設定

Firefox ブラウザーの設定の詳細は、Red Hat Enterprise Linux 7 システムレベルの認証ガイドFirefox でシングルサインオンに Kerberos を使用する設定 を参照してください。

Internet Explorer ブラウザーを使用している場合は、Satellite Server をローカルイントラネットまたは信頼済みサイトのリストに追加し、統合 Windows 認証を使用する の設定にチェックを入れます。詳細については、Internet Explorer のマニュアルを参照してください。

注記

直接 AD 統合では、Red Hat Identity Management を介した HBAC は利用できません。代わりに、管理者が AD 環境でポリシーを一元管理することを可能にする Group Policy Objects (GPO) を使用できます。GPO と PAM サービス間の適切なマッピングを行うには、以下の sssd 設定を使用します。

access_provider = ad
ad_gpo_access_control = enforcing
ad_gpo_map_service = +foreman

ここでは、foreman は PAM サービスの名前です。GPO の詳細については、Red Hat Enterprise Linux Windows 統合ガイド を参照してください。

13.3.5. フォレスト間信頼を使用する Active Directory

Kerberos では、cross-forest trust を作成して、2 つの異なるドメインフォレスト間の関係を定義できます。ドメインフォレストとは、ドメインの階層構造のことで、AD と Red Hat Identity Management の両方でフォレストが形成されます。AD と Red Hat Identity Management との間での有効な信頼関係により、AD のユーザーは一連の認証情報を使用して Linux ホストおよびサービスにアクセスできます。フォレスト間信頼の詳細は、Red Hat Enterprise Linux 7 Windows 統合ガイドActive Directory および Identity Management によるフォレスト間の信頼作成 を参照してください。

Satellite 側から見ると、設定プロセスは、フォレスト間の信頼を設定せずに Red Hat Identity Management サーバーと統合する場合と同じです。Satellite Server は IPM ドメインに登録し、「Red Hat Identity Management の使用」 で説明されているように統合する必要があります。

13.3.6. フォレスト間信頼を使用するための Red Hat Identity Management サーバーの設定

Red Hat Identity Management サーバーで、cross-forest trust を使用するようにサーバーを設定します。

手順

  1. HBAC を有効にします。

    1. 外部グループを作成して、この外部グループに AD グループを追加します。
    2. 新しい外部グループを POSIX グループに追加します。
    3. HBAC ルールで POSIX グループを使用します。
  2. AD ユーザーの追加属性を転送するよう sssd を設定します。

    • この AD ユーザー属性を /etc/sssd/sssd.confnss セクションと domain セクションに追加します。

      以下に例を示します。

      [nss]
      user_attributes=+mail, +sn, +givenname
      
      [domain/EXAMPLE]
      ldap_user_extra_attrs=mail, sn, givenname

13.4. 外部ユーザーグループの設定

Satellite は、自動的に、外部ユーザーグループに外部ユーザーを関連付けることはありません。Satellite 上の外部ソースと同じ名前のユーザーグループを作成する必要があります。こうすることで、外部ユーザーグループのメンバーは、自動的に Satellite ユーザーグループのメンバーになり、関連するパーミッションが付与されます。

外部ユーザーグループの設定は、外部認証の種類によって異なります。

外部ユーザーに追加のパーミッションを割り当てるには、外部マッピングが指定されていない内部ユーザーグループに、このユーザーを追加します。次に、このグループに必要なロールを割り当てます。

前提条件

  • LDAP サーバーを使用する場合は、Satellite が LDAP 認証を使用するように設定する。詳細は、「LDAP の使用」 を参照してください。

    LDAP ソースから外部ユーザーグループを使用する場合は、アカウントユーザー名の代わりとして $login 変数を使用できず、匿名または専用サービスユーザーを使用する必要があります。

  • Red Hat Identity Management または AD サーバーを使用する場合は、Satellite が Red Hat Identity Management または AD 認証を使用するように設定する。詳細は、13章外部認証の設定 を参照してください。
  • 少なくとも 1 人の外部ユーザーが初回認証されることを確認する。
  • 使用する外部グループ名をメモする。外部ユーザーのグループメンバーシップを確認するには、以下のコマンドを入力します。

    # id username

外部ユーザーグループの設定:

  1. Satellite Web UI で、管理 > ユーザーグループ に移動して、ユーザーグループの作成 をクリックします。
  2. 新規ユーザーグループの名前を指定します。外部ユーザーグループのリフレッシュ時にユーザーが自動的に追加されるのを避けるため、ユーザーを選択しないでください。
  3. ロール タブをクリックし、ユーザーグループに割り当てるロールを選択します。または、管理者 のチェックボックスを選択して、利用可能なすべてのパーミッションを割り当てます。
  4. 外部グループ タブで、外部ユーザーグループの追加 をクリックして、認証ソース ドロップダウンメニューから認証ソースを選択します。

    名前 フィールドに外部グループの名前を指定します。

  5. 送信 をクリックします。

13.5. LDAP の外部ユーザーグループのリフレッシュ

ユーザーのログイン時にユーザーのグループメンバーシップを自動的に同期するように LDAP ソースを設定するには、認証ソース ページで、ユーザーグループの同期 オプションを選択します。このオプションが選択されていない場合、デフォルトで、LDAP ユーザーグループは、 30 分ごとに LDAP 認証ソースを同期するようにスケジュールされた cron ジョブで自動的にリフレッシュされます。

LDAP 認証ソースのユーザーグループが、次回のスケジュールタスクが実行されるまでの間に変更された場合に、ユーザーが不正な外部ユーザーグループに割り当てられることがあります。これはスケジュールされたタスクの実行時に、自動的に修正されます。

以下の手順を使用して、LDAP ソースを手動でリフレッシュします。

手順

  1. 管理 > ユーザーグループ に移動し、ユーザーグループを選択します。
  2. 外部グループ タブに移動し、必要なユーザーグループの右側にある リフレッシュ をクリックします。

CLI をご利用の場合

以下のコマンドを入力します。

# foreman-rake ldap:refresh_usergroups

13.6. Red Hat Identity Management または AD の外部ユーザーグループの更新

Red Hat Identity Management または AD ベースの外部ユーザーグループは、グループメンバーが Satellite にログインしたときのみリフレッシュされます。Satellite Web UI で、外部ユーザーグループのユーザーメンバーシップを変更することはできず、このような変更がされた場合には、次のグループリフレッシュ時に上書きされます。

13.7. プロビジョンされたホストの外部認証

以下のセクションを使用して、Red Hat Identity Management レルムサポート用の Satellite Server または Capsule Server を設定します。続いて、Red Hat Identity Management レルムグループにホストを追加します。

前提条件

プロビジョニングされたホストの外部認証を設定するには、以下を設定していること。

  • Satellite Server をコンテンツ配信ネットワークに登録しておくか、外部の Capsule Server を Satellite Server に登録しておく。
  • Red Hat Identity Management などのレルムまたはドメインプロバイダーがデプロイされていること。

Red Hat Satellite Server または Red Hat Satellite Capsule Server に Red Hat Identity Management パッケージをインストールして設定する手順:

プロビジョニングされたホストに Red Hat Identity Management を使用するには、以下の手順を実行して、Red Hat Satellite Server または Red Hat Satellite Capsule Server に Red Hat Identity Management パッケージをインストールして設定します。

  1. Satellite Server または Capsule Server に ipa-client パッケージをインストールします。

    # satellite-maintain packages install ipa-client
  2. サーバーを Red Hat Identity Management クライアントとして設定します。

    # ipa-client-install
  3. Red Hat Identity Management でレルムプロキシーユーザー realm-capsule と、関連のロールを作成します。

    # foreman-prepare-realm admin realm-capsule

    以下の手順で必要となるので、返されたプリンシパル名と、Red Hat Identity Management サーバーの設定情報をメモします。

Red Hat Identity Management レルムサポート用の Red Hat Satellite Server または Capsule Server の設定方法

使用する Satellite お よび全 Capsule で次の手順を実行します。

  1. 同じプリンシパルおよびレルムに追加する Capsule Server に、/root/freeipa.keytab ファイルをコピーします。

    # scp /root/freeipa.keytab root@capsule.example.com:/etc/foreman-proxy/freeipa.keytab
  2. /root/freeipa.keytab ファイルを /etc/foreman-proxy ディレクトリーに移動して、所有者を foreman-proxy ユーザーに設定します。

    # mv /root/freeipa.keytab /etc/foreman-proxy
    # chown foreman-proxy:foreman-proxy /etc/foreman-proxy/freeipa.keytab
  3. レルムに追加する全 Capsule で、以下のコマンドを入力します。Satelllite に 統合された Capsule を使用する場合には、Satellite Server でこのコマンドを入力します。

    # satellite-installer --foreman-proxy-realm true \
    --foreman-proxy-realm-keytab /etc/foreman-proxy/freeipa.keytab \
    --foreman-proxy-realm-principal realm-capsule@EXAMPLE.COM \
    --foreman-proxy-realm-provider freeipa

    これらのオプションは、Red Hat Satellite Server を初めて設定する場合にも使用できます。

  4. ca-certificates パッケージの最新バージョンがインストールされていることを確認し、Red Hat Identity Management 認証局を信頼します。

    # cp /etc/ipa/ca.crt /etc/pki/ca-trust/source/anchors/ipa.crt
    # update-ca-trust enable
    # update-ca-trust
  5. オプション: 既存の Satellite Server または Capsule Server で Red Hat Identity Management を設定する場合には、以下の手順を実行して、設定の変更が適用されていることを確認します。

    1. foreman-proxy サービスを再起動します。

      # systemctl restart foreman-proxy
    2. Satellite Web UI で、インフラストラクチャー > Capsules に移動します。
    3. Red Hat Identity Management 用に設定した Capsule の場所を特定して、アクション コラムのリストから リフレッシュ を選択します。

Red Hat Identity Management 対応のカプセルのレルムの作成方法

統合型または外部の Capsule に Red Hat Identity Management を設定した後に、レルムを作成して、Red Hat Identity Management が設定された Capsule をレルムに追加する必要があります。

レルムを作成するには、以下の手順を行います。

  1. Satellite Web UI で、インフラストラクチャー > レルム に移動して、レルムの作成 をクリックします。
  2. 名前 フィールドには、レルムの名前を入力します。
  3. レルムのタイプ 一覧から、レルムのタイプを選択します。
  4. Realm Capsule 一覧から、Red Hat Identity Management を設定した Capsule Server を選択します。
  5. ロケーション タブをクリックして、ロケーション 一覧から、新しいレレムを追加するロケーションを選択します。
  6. 組織 タブをクリックして、組織 一覧から、新規レルムを追加する組織を選択します。
  7. 送信 をクリックします。

レルム情報でのホストグループの更新

使用するホストグループを、新しいレルム情報で更新する必要があります。

  1. 設定 > ホストグループ に移動して、更新するホストグループを選択し、ネットワーク タブをクリックします。
  2. レルム 一覧から、この手順の一部で作成するレルムを選択して 送信 をクリックします。

Red Hat Identity Management ホストグループへのホストの追加

Red Hat Identity Management では、システムの属性に基づいて自動メンバーシップルールをセットアップできます。Red Hat Satellite のレルム機能は、管理者に対し、Red Hat Satellite ホストグループを Red Hat Identity Management パラメーター userclass にマップする機能を提供します。これにより、管理者は automembership を設定することができます。

ネスト化されたホストグループが使用される場合、それらは Red Hat Satellite ユーザーインターフェイスに表示され、Red Hat Identity Management サーバーに送信されます。たとえば、"Parent/Child/Child" のように表示されます。

Satellite Server または Capsule Server は更新を Red Hat Identity Management サーバーに送信しますが、automembership のルールは、初回登録時にのみ適用されます。

Red Hat Identity Management ホストグループにホストを追加するには、以下を実行します。

  1. Red Hat Identity Management サーバーで、ホストグループを作成します。

    # ipa hostgroup-add hostgroup_name --desc=hostgroup_description
  2. automembership ルールを作成します。

    # ipa automember-add --type=hostgroup hostgroup_name automember_rule

    以下のオプションを使用できる場所:

    • automember-add は automember グループとしてグループにフラグを立てます。
    • --type=hostgroup は、ターゲットグループがユーザーグループではなく、ホストグループであることを特定します。
    • automember_rule は、automember ルールの識別に使用する名前を追加します。
  3. userclass 属性に基づいて automembership の条件を定義します。

    # ipa automember-add-condition --key=userclass --type=hostgroup --inclusive-regex=^webserver hostgroup_name
    ----------------------------------
    Added condition(s) to "hostgroup_name"
    ----------------------------------
    Automember Rule: automember_rule
    Inclusive Regex: userclass=^webserver
    ----------------------------
    Number of conditions added 1
    ----------------------------

    以下のオプションを使用できる場所:

    • automember-add-condition では、グループメンバーを識別する正規表現の条件を追加します。
    • --key=userclass はキー属性を userclass に指定します。
    • --type=hostgroup は、ターゲットグループがユーザーグループではなく、ホストグループであることを特定します。
    • --inclusive-regex= ^webserver は、正規表現パターンで一致する値を識別します。
    • hostgroup_name: ターゲットホストグループの名前を識別します。

システムが Satellite Server の hostgroup_name ホストグループに追加されると、そのシステムは、Red Hat Identity Management サーバーの "hostgroup_name" ホストグループに自動的に追加されます。Red Hat Identity Management ホストグループは、HBAC (ホストベースアクセス制御)、sudo ポリシー、およびその他の Red Hat Identity Management 機能を許可します。

13.8. Red Hat Single Sign On 認証を使用した Satellite の設定

Red Hat Single Sign On を外部認証用の OpenID プロバイダーとして使用するように Satellite を設定するには、以下のセクションを使用します。

13.8.1. Red Hat Single Sign On 認証を使用した Satellite の設定時の前提条件

Red Hat Single Sign-On 外部認証を使用して Satellite を設定する前に、以下の要件を満たすようにしてください。

  • HTTP ではなく、HTTPS を使用する Red Hat Single Sign On サーバーを正常にインストールしている。
  • 管理者権限を持つ Red Hat Single Sign-On アカウント。
  • Red Hat Single Sign-On で作成した Satellite ユーザーアカウントのレルム。
  • 証明書または CA が自己署名されている場合は、それらがエンドユーザー証明書トラストストアに追加されていることを確認する。
  • ユーザーが Red Hat Single Sign-On にインポートまたは追加されている。

    LDAP や Kerberos などの既存のユーザーデータベースが設定されている場合は、ユーザーのフェデレーションを設定することでユーザーをインポートできます。詳細は、Red Hat Single Sign On サーバー管理ガイドユーザーストレージフェデレーション を参照してください。

    既存のユーザーデータベースが設定されていない場合は、Red Hat Single Sign-On でユーザーを手作業で作成できます。詳細は、Red Hat Single Sign On サーバー管理ガイド新規ユーザーの作成 を参照してください。

13.8.2. Satellite の Red Hat Single Sign-On クライアントとして登録

以下の手順を使用して、Satellite をクライアントとして Red Hat Single Sign-On に登録し、認証ソースとして Red Hat Single Sign-On を使用するように Satellite を設定します。

Satellite と Red Hat Single Sign-On は、2 つの異なる認証方法で設定できます。

  1. Satellite Web UI を使用した Satellite への認証。
  2. Satellite CLI を使用した Satellite への認証。

どちらの方法でも、異なる Satellite クライアントを Red Hat Single Sign-On に登録して設定する必要があるため、ユーザーの認証方法を事前に決定する必要があります。この手順では、Red Hat Single Sign-On の Satellite クライアントの登録および設定方法が区別されています。

両認証方法を使用して、どちらのクライアントも適宜設定する場合には、Red Hat Single Sign-On に異なる Satellite クライアントを 2 つ登録することも可能です。

手順

  1. Satellite Server で、以下のパッケージをインストールします。

    # satellite-maintain packages install mod_auth_openidc keycloak-httpd-client-install
  2. Satellite をクライアントとして Red Hat Single Sign-On に登録します。Web UI と CLI とでログインの登録プロセスが異なる点に注意してください。Red Hat Single Sign-On に 2 つの Satellite クライアントを登録すると、Web UI と CLI から Satellite にログインできます。

    • Web UI で Satellite への認証を行う場合は、以下のようにクライアントを作成します。

      # keycloak-httpd-client-install --app-name foreman-openidc \
      --keycloak-server-url "https://RHSSO.com" \
      --keycloak-admin-username "admin" \
      --keycloak-realm "Satellite_Realm" \
      --keycloak-admin-realm master \
      --keycloak-auth-role root-admin \
      -t openidc -l /users/extlogin --force

      プロンプトが表示されたら、管理アカウントのパスワードを入力します。このコマンドは、Red Hat Single Sign On で Satellite のクライアントを作成します。

      次に、認証ソースとして Red Hat Single Sign On を使用するように Satellite を設定します。

      # satellite-installer --foreman-keycloak true \
      --foreman-keycloak-app-name "foreman-openidc" \
      --foreman-keycloak-realm "Satellite_Realm"
    • CLI で Satellite への認証を行う場合は、以下のようにクライアントを作成します。

      # keycloak-httpd-client-install --app-name hammer-openidc \
      --keycloak-server-url "https://RHSSO.com" \
      --keycloak-admin-username "admin" \
      --keycloak-realm "Satellite_Realm" \
      --keycloak-admin-realm master \
      --keycloak-auth-role root-admin \
      -t openidc -l /users/extlogin --force

      プロンプトが表示されたら、管理アカウントのパスワードを入力します。このコマンドは、Red Hat Single Sign On で Satellite のクライアントを作成します。

  3. httpd サービスを再起動します。

    # systemctl restart httpd

13.8.3. Red Hat Single Sign-On での Satellite クライアントの設定

以下の手順を使用して、Red Hat Single Sign-On Web UI で Satellite クライアントを設定し、Satellite クライアントのグループおよびオーディエンスマッパーを作成します。

手順

  1. Red Hat Single Sign-On Web UI で、クライアント に移動し、Satellite クライアントをクリックします。
  2. アクセスタイプを設定します。

    • Web UI を使用して Satellite への認証を行うには、アクセスタイプ 一覧から 機密 を選択します。
    • CLI を使用して Satellite への認証を行うには、アクセスタイプ 一覧から 公開 を選択します。
  3. 有効なリダイレクト URI フィールドに有効なリダイレクト URI を追加します。

    • Web UI を使用して Satellite への認証を行うには、https://satellite.example.com/users/extlogin の形式で URI を入力します。Satellite FQDN の後に /users/extlogin の文字列を追加する必要があります。

      この手順の完了後に、Satellite クライアントが Web UI を使用してログインするには以下の 有効なリダイレクト URI が必要です。

      https://satellite.example.com/users/extlogin/redirect_uri
      https://satellite.example.com/users/extlogin
    • CLI を使用してユーザーが Satellite への認証を行うには、既存の URI の下の空白フィールドに urn:ietf:wg:wg:oauth:2.0:oob を入力します。

      この手順の完了後に、Satellite クライアントが CLI を使用してログインするには以下の 有効なリダイレクト URI が必要です。

      https://satellite.example.com/users/extlogin/redirect_uri
      urn:ietf:wg:oauth:2.0:oob
  4. 保存 をクリックします。
  5. マッパー タブ、作成 の順にクリックし、オーディエンスマッパーを追加します。
  6. 名前 フィールドに、オーディエンスマッパーの名前を入力します。
  7. マッパータイプ リストから、オーディエンス を選択します。
  8. 組み込み済みクライアントオーディエンス リストから、Satellite クライアントを選択します。
  9. 保存 をクリックします。
  10. 作成 をクリックして、グループメンバーシップをもとに Satellite の認証を指定できるようにグループマッパーを追加します。
  11. 名前 フィールドにグループマッパーの名前を入力します。
  12. マッパータイプ リストから、グループメンバーシップ を選択します。
  13. トークンクレーム名groups と入力します。
  14. フルグループパス のトグルを OFF に設定します。
  15. 保存 をクリックします。

13.8.4. Red Hat Single Sign-On 認証用の Satellite オプションの設定

このセクションでは、Satellite Web UI または CLI を使用して Red Hat Single Sign-On 認証用に Satellite を設定します。

13.8.4.1. Web UI を使用した Red Hat Single Sign-On 認証用の Satellite オプションの設定

以下の手順では、Satellite Web UI を使用して Red Hat Single Sign-On 認証向けに Satellite を設定します。

レルム内の https://RHSSO.com/auth/realms/Satellite_Realm/.well-known/openid-configuration の URL に移動し、値を取得して Satellite オプションを設定できます。

前提条件

  • Red Hat Single Sign-On Web UI の Satellite クライアントでの アクセスタイプ 設定が 機密 に設定されていることを確認します。

手順

  1. Satellite Web UI で、管理 > 設定 に移動して、認証 タブをクリックします。
  2. ログイン委任の認証 の行を見つけ、 コラムで Yes に値を設定します。
  3. Authorize login delegation auth source user autocreate 行を見つけ、 コラムで External に値を設定します。
  4. ログイン委任のログアウト URL の行を見つけ、 コラムで、https://satellite.example.com/users/extlogout に値を設定します。
  5. OIDC アルゴリズム の行を見つけ、 コラムで、Red Hat Single Sign On のエンコーティングのアルゴリズムを設定します (例: RS256)。
  6. OIDC オーディエンス 行を見つけ、 コラムで、値を Red Hat Single Sign On のクライアント ID に設定します。
  7. OIDC 発行者 行を見つけ、 コラムで、値を https://RHSSO.com/auth/realms/Satellite_Realm に設定します。
  8. OIDC JWKs URL 行を見つけ、 コラムで、値を https://RHSSO.com/auth/realms/Satellite_Realm/protocol/openid-connect/certs に設定します。
  9. 管理 > 認証元 に移動し、External をクリックします。
  10. LDAP 認証ソースの作成 をクリックし、Red Hat Single Sign-On サーバーを選択します。
  11. 場所 タブをクリックして、Red Hat Single Sign-On 認証ソースを使用できる場所を追加します。
  12. 組織 タブをクリックして、Red Hat Single Sign-On 認証ソースを使用できる組織を追加します。
  13. 送信 をクリックします。
13.8.4.2. CLI を使用した Red Hat Single Sign-On 認証用の Satellite オプションの設定

以下の手順では、Satellite CLI を使用して Red Hat Single Sign-On 認証向けに Satellite を設定します。

レルム内の https://RHSSO.com/auth/realms/Satellite_Realm/.well-known/openid-configuration の URL に移動し、値を取得して Satellite オプションを設定できます。

前提条件

  • Red Hat Single Sign-On Web UI の Satellite クライアントでの アクセスタイプ 設定が 公開 に設定されていることを確認します。

手順

  1. Satellite で、ログイン委任を true に設定し、ユーザーが Open IDC プロトコルを使用して認証できるようにします。

    # hammer settings set --name authorize_login_delegation --value true
  2. ログイン委任のログアウト URL を以下のように設定します。

    # hammer settings set --name login_delegation_logout_url \
    --value https://satellite.example.com/users/extlogout
  3. Red Hat Single Sign On のエンコーティングのアルゴリズムを設定します (例: RS256)。

    # hammer settings set --name oidc_algorithm --value 'RS256'
  4. URL RHSSO.example.com/auth/realms/RHSSO_REALM/.well-known/openid-configuration を開いて値をメモし、以下のステップのオプションに入力します。
  5. Open IDC オーディエンスに Hammer クライアントの値を追加します。

    # hammer settings set --name oidc_audience \
    --value "['satellite.example.com-hammer-openidc']"
    注記

    複数の Red Hat Single Sign-On クライアントを Satellite に登録する場合は、以下のように、アレイに全オーディエンスを必ず追加してください。以下に例を示します。

    # hammer settings set --name oidc_audience \
    --value "['satellite.example.com-foreman-openidc', 'satellite.example.com-hammer-openidc']"
  6. Open IDC 発行者の値を設定します。

    # hammer settings set --name oidc_issuer \
    --value "RHSSO.example.com/auth/realms/RHSSO_Realm"
  7. Open IDC Java Web Token (JWT) の値を設定します。

    # hammer settings set --name oidc_jwks_url \
    --value "RHSSO.example.com/auth/realms/RHSSO_Realm/protocol/openid-connect/certs"
  8. Red Hat Single Sign-On 認証ソースの ID を取得します。

    # hammer auth-source external list
  9. ロケーションと組織を設定します。

    # hammer auth-source external update --id Authentication Source ID \
    --location-ids Location ID --organization-ids Organization ID

13.8.5. Red Hat Single Sign-On を使用した Satellite Web UI へのログイン

以下の手順に従って、Red Hat Single Sign-On を使用して Satellite Web UI にログインします。

手順

  • ブラウザーで Satellite にログインし、認証情報を入力します。

13.8.6. Red Hat Single Sign-On を使用した Satellite CLI へのログイン

以下の手順に従って、コード付与タイプを使用して Satellite CLI への認証を行います。

手順

  1. コード付与タイプを使用して Satellite CLI への認証を行うには、以下のコマンドを入力します。

    # hammer auth login oauth \
    --two-factor \
    --oidc-token-endpoint 'https://RHSSO.example.com/auth/realms/ssl-realm/protocol/openid-connect/token' \
    --oidc-authorization-endpoint 'https://RHSSO.example.com/auth' \
    --oidc-client-id 'satellite.example.com-foreman-openidc' \
    --oidc-redirect-uri urn:ietf:wg:oauth:2.0:oob

    このコマンドは、サクセスコードの入力を要求します。

  2. サクセスコードを取得するには、コマンドが返す URL に移動し、必要な情報を提供します。
  3. Web UI が返すサクセスコードをコピーします。
  4. hammer auth login oauth のコマンドプロンプトに、サクセスコードを入力して Satellite CLI に対して認証を行います。

13.8.7. Red Hat シングルサインオン認証用のグループマッピングの設定

必要に応じて、ロールベースのアクセス制御 (RBAC) を実装するには、Satellite でグループを作成し、このグループにロールを割り当ててから Active Directory グループを Satellite グループにマッピングします。これにより、Red Hat Single Sign-On の指定のグループに所属する場合には、該当する Satellite グループでログインします。この例では、Active Directory の Satellite-admin ユーザーグループのユーザーを設定し、Satellite で管理者権限を持つユーザーとして認証されるようにします。

手順

  1. Satellite Web UI で、管理 > ユーザーグループ に移動して、ユーザーグループの作成 ボタンをクリックします。
  2. 名前 フィールドにユーザーグループの名前を入力します。名前は Active Directory と同じにしないでください。
  3. 右側の列には、ユーザーおよびユーザーグループを追加しないでください。ロール タブをクリックします。
  4. 管理 チェックボックスを選択します。
  5. 外部グループ タブをクリックします。
  6. 外部ユーザーグループの追加 をクリックします。
  7. 名前 フィールドに、Active Directory の名前を入力します。
  8. 一覧から 外部 を選択します。

13.9. TOTP での Red Hat Single Sign On 認証の設定

TOTP カードを使用した外部認証用の OpenID プロバイダーとして Red Hat Single Sign-On を使用するように Satellite を設定するには、以下のセクションを使用します。

13.9.1. Red Hat Single Sign On 認証を使用した Satellite の設定時の前提条件

Red Hat Single Sign-On 外部認証を使用して Satellite を設定する前に、以下の要件を満たすようにしてください。

  • HTTP ではなく、HTTPS を使用する Red Hat Single Sign On サーバーを正常にインストールしている。
  • 管理者権限を持つ Red Hat Single Sign-On アカウント。
  • Red Hat Single Sign-On で作成した Satellite ユーザーアカウントのレルム。
  • 証明書または CA が自己署名されている場合は、それらがエンドユーザー証明書トラストストアに追加されていることを確認する。
  • ユーザーが Red Hat Single Sign-On にインポートまたは追加されている。

    LDAP や Kerberos などの既存のユーザーデータベースが設定されている場合は、ユーザーのフェデレーションを設定することでユーザーをインポートできます。詳細は、Red Hat Single Sign On サーバー管理ガイドユーザーストレージフェデレーション を参照してください。

    既存のユーザーデータベースが設定されていない場合は、Red Hat Single Sign-On でユーザーを手作業で作成できます。詳細は、Red Hat Single Sign On サーバー管理ガイド新規ユーザーの作成 を参照してください。

13.9.2. Satellite の Red Hat Single Sign-On クライアントとして登録

以下の手順を使用して、Satellite をクライアントとして Red Hat Single Sign-On に登録し、認証ソースとして Red Hat Single Sign-On を使用するように Satellite を設定します。

Satellite と Red Hat Single Sign-On は、2 つの異なる認証方法で設定できます。

  1. Satellite Web UI を使用した Satellite への認証。
  2. Satellite CLI を使用した Satellite への認証。

どちらの方法でも、異なる Satellite クライアントを Red Hat Single Sign-On に登録して設定する必要があるため、ユーザーの認証方法を事前に決定する必要があります。この手順では、Red Hat Single Sign-On の Satellite クライアントの登録および設定方法が区別されています。

両認証方法を使用して、どちらのクライアントも適宜設定する場合には、Red Hat Single Sign-On に異なる Satellite クライアントを 2 つ登録することも可能です。

手順

  1. Satellite Server で、以下のパッケージをインストールします。

    # satellite-maintain packages install mod_auth_openidc keycloak-httpd-client-install
  2. Satellite をクライアントとして Red Hat Single Sign-On に登録します。Web UI と CLI とでログインの登録プロセスが異なる点に注意してください。Red Hat Single Sign-On に 2 つの Satellite クライアントを登録すると、Web UI と CLI から Satellite にログインできます。

    • Web UI で Satellite への認証を行う場合は、以下のようにクライアントを作成します。

      # keycloak-httpd-client-install --app-name foreman-openidc \
      --keycloak-server-url "https://RHSSO.com" \
      --keycloak-admin-username "admin" \
      --keycloak-realm "Satellite_Realm" \
      --keycloak-admin-realm master \
      --keycloak-auth-role root-admin \
      -t openidc -l /users/extlogin --force

      プロンプトが表示されたら、管理アカウントのパスワードを入力します。このコマンドは、Red Hat Single Sign On で Satellite のクライアントを作成します。

      次に、認証ソースとして Red Hat Single Sign On を使用するように Satellite を設定します。

      # satellite-installer --foreman-keycloak true \
      --foreman-keycloak-app-name "foreman-openidc" \
      --foreman-keycloak-realm "Satellite_Realm"
    • CLI で Satellite への認証を行う場合は、以下のようにクライアントを作成します。

      # keycloak-httpd-client-install --app-name hammer-openidc \
      --keycloak-server-url "https://RHSSO.com" \
      --keycloak-admin-username "admin" \
      --keycloak-realm "Satellite_Realm" \
      --keycloak-admin-realm master \
      --keycloak-auth-role root-admin \
      -t openidc -l /users/extlogin --force

      プロンプトが表示されたら、管理アカウントのパスワードを入力します。このコマンドは、Red Hat Single Sign On で Satellite のクライアントを作成します。

  3. httpd サービスを再起動します。

    # systemctl restart httpd

13.9.3. Red Hat Single Sign-On での Satellite クライアントの設定

以下の手順を使用して、Red Hat Single Sign-On Web UI で Satellite クライアントを設定し、Satellite クライアントのグループおよびオーディエンスマッパーを作成します。

手順

  1. Red Hat Single Sign-On Web UI で、クライアント に移動し、Satellite クライアントをクリックします。
  2. アクセスタイプを設定します。

    • Web UI を使用して Satellite への認証を行うには、アクセスタイプ 一覧から 機密 を選択します。
    • CLI を使用して Satellite への認証を行うには、アクセスタイプ 一覧から 公開 を選択します。
  3. 有効なリダイレクト URI フィールドに有効なリダイレクト URI を追加します。

    • Web UI を使用して Satellite への認証を行うには、https://satellite.example.com/users/extlogin の形式で URI を入力します。Satellite FQDN の後に /users/extlogin の文字列を追加する必要があります。

      この手順の完了後に、Satellite クライアントが Web UI を使用してログインするには以下の 有効なリダイレクト URI が必要です。

      https://satellite.example.com/users/extlogin/redirect_uri
      https://satellite.example.com/users/extlogin
    • CLI を使用してユーザーが Satellite への認証を行うには、既存の URI の下の空白フィールドに urn:ietf:wg:wg:oauth:2.0:oob を入力します。

      この手順の完了後に、Satellite クライアントが CLI を使用してログインするには以下の 有効なリダイレクト URI が必要です。

      https://satellite.example.com/users/extlogin/redirect_uri
      urn:ietf:wg:oauth:2.0:oob
  4. 保存 をクリックします。
  5. マッパー タブ、作成 の順にクリックし、オーディエンスマッパーを追加します。
  6. 名前 フィールドに、オーディエンスマッパーの名前を入力します。
  7. マッパータイプ リストから、オーディエンス を選択します。
  8. 組み込み済みクライアントオーディエンス リストから、Satellite クライアントを選択します。
  9. 保存 をクリックします。
  10. 作成 をクリックして、グループメンバーシップをもとに Satellite の認証を指定できるようにグループマッパーを追加します。
  11. 名前 フィールドにグループマッパーの名前を入力します。
  12. マッパータイプ リストから、グループメンバーシップ を選択します。
  13. トークンクレーム名groups と入力します。
  14. フルグループパス のトグルを OFF に設定します。
  15. 保存 をクリックします。

13.9.4. Red Hat Single Sign-On 認証用の Satellite オプションの設定

このセクションでは、Satellite Web UI または CLI を使用して Red Hat Single Sign-On 認証用に Satellite を設定します。

13.9.4.1. Web UI を使用した Red Hat Single Sign-On 認証用の Satellite オプションの設定

以下の手順では、Satellite Web UI を使用して Red Hat Single Sign-On 認証向けに Satellite を設定します。

レルム内の https://RHSSO.com/auth/realms/Satellite_Realm/.well-known/openid-configuration の URL に移動し、値を取得して Satellite オプションを設定できます。

前提条件

  • Red Hat Single Sign-On Web UI の Satellite クライアントでの アクセスタイプ 設定が 機密 に設定されていることを確認します。

手順

  1. Satellite Web UI で、管理 > 設定 に移動して、認証 タブをクリックします。
  2. ログイン委任の認証 の行を見つけ、 コラムで Yes に値を設定します。
  3. Authorize login delegation auth source user autocreate 行を見つけ、 コラムで External に値を設定します。
  4. ログイン委任のログアウト URL の行を見つけ、 コラムで、https://satellite.example.com/users/extlogout に値を設定します。
  5. OIDC アルゴリズム の行を見つけ、 コラムで、Red Hat Single Sign On のエンコーティングのアルゴリズムを設定します (例: RS256)。
  6. OIDC オーディエンス 行を見つけ、 コラムで、値を Red Hat Single Sign On のクライアント ID に設定します。
  7. OIDC 発行者 行を見つけ、 コラムで、値を https://RHSSO.com/auth/realms/Satellite_Realm に設定します。
  8. OIDC JWKs URL 行を見つけ、 コラムで、値を https://RHSSO.com/auth/realms/Satellite_Realm/protocol/openid-connect/certs に設定します。
  9. 管理 > 認証元 に移動し、External をクリックします。
  10. LDAP 認証ソースの作成 をクリックし、Red Hat Single Sign-On サーバーを選択します。
  11. 場所 タブをクリックして、Red Hat Single Sign-On 認証ソースを使用できる場所を追加します。
  12. 組織 タブをクリックして、Red Hat Single Sign-On 認証ソースを使用できる組織を追加します。
  13. 送信 をクリックします。
13.9.4.2. CLI を使用した Red Hat Single Sign-On 認証用の Satellite オプションの設定

以下の手順では、Satellite CLI を使用して Red Hat Single Sign-On 認証向けに Satellite を設定します。

レルム内の https://RHSSO.com/auth/realms/Satellite_Realm/.well-known/openid-configuration の URL に移動し、値を取得して Satellite オプションを設定できます。

前提条件

  • Red Hat Single Sign-On Web UI の Satellite クライアントでの アクセスタイプ 設定が 公開 に設定されていることを確認します。

手順

  1. Satellite で、ログイン委任を true に設定し、ユーザーが Open IDC プロトコルを使用して認証できるようにします。

    # hammer settings set --name authorize_login_delegation --value true
  2. ログイン委任のログアウト URL を以下のように設定します。

    # hammer settings set --name login_delegation_logout_url \
    --value https://satellite.example.com/users/extlogout
  3. Red Hat Single Sign On のエンコーティングのアルゴリズムを設定します (例: RS256)。

    # hammer settings set --name oidc_algorithm --value 'RS256'
  4. URL RHSSO.example.com/auth/realms/RHSSO_REALM/.well-known/openid-configuration を開いて値をメモし、以下のステップのオプションに入力します。
  5. Open IDC オーディエンスに Hammer クライアントの値を追加します。

    # hammer settings set --name oidc_audience \
    --value "['satellite.example.com-hammer-openidc']"
    注記

    複数の Red Hat Single Sign-On クライアントを Satellite に登録する場合は、以下のように、アレイに全オーディエンスを必ず追加してください。以下に例を示します。

    # hammer settings set --name oidc_audience \
    --value "['satellite.example.com-foreman-openidc', 'satellite.example.com-hammer-openidc']"
  6. Open IDC 発行者の値を設定します。

    # hammer settings set --name oidc_issuer \
    --value "RHSSO.example.com/auth/realms/RHSSO_Realm"
  7. Open IDC Java Web Token (JWT) の値を設定します。

    # hammer settings set --name oidc_jwks_url \
    --value "RHSSO.example.com/auth/realms/RHSSO_Realm/protocol/openid-connect/certs"
  8. Red Hat Single Sign-On 認証ソースの ID を取得します。

    # hammer auth-source external list
  9. ロケーションと組織を設定します。

    # hammer auth-source external update --id Authentication Source ID \
    --location-ids Location ID --organization-ids Organization ID

13.9.5. TOTP での Red Hat Single Sign On 認証を使用した Satellite の設定

Time-based One-time Password (TOTP) を使用した外部認証用の OpenID プロバイダーとして Red Hat Single Sign-On を使用するように Satellite を設定するには、以下のセクションを使用します。

手順

  1. Red Hat Single Sign-On Web UI で、Satellite レルムに移動します。
  2. Authentication に移動し、OTP Policy タブをクリックします。
  3. サポートされるアプリケーション フィールドに FreeOTP または Google Authenticator が含まれていることを確認します。
  4. 要件に合わせて OTP を設定します。
  5. 必要に応じて、すべてのユーザーのデフォルト認証方法として TOTP 認証を使用する場合は、Flows タブをクリックして OTP Form 設定の右側にある REQUIRED を選択します。
  6. Required Actions タブをクリックします。
  7. Configure OTP 行の右側にある Default Action チェックボックスを選択します。

13.9.6. Red Hat Single Sign-On TOTP 認証を使用した Satellite Web UI へのログイン

以下の手順に従って、Red Hat Single Sign-On TOTP 認証で Satellite Web UI にログインします。

手順

  1. Satellite にログインすると、Satellite は Red Hat Single Sign-On のログイン画面にリダイレクトします。
  2. ユーザー名とパスワードを入力し、ログイン をクリックします。
  3. 初回ログインの場合には、Red Hat Single Sign-On により、バーコードをスキャンし、表示された暗証番号を入力してクライアントを設定するように求められます。
  4. クライアントを設定して有効な暗証番号を入力すると、Red Hat Single Sign-On で Satellite にリダイレクト後にログインされます。

13.9.7. Red Hat Single Sign-On を使用した Satellite CLI へのログイン

以下の手順に従って、コード付与タイプを使用して Satellite CLI への認証を行います。

手順

  1. コード付与タイプを使用して Satellite CLI への認証を行うには、以下のコマンドを入力します。

    # hammer auth login oauth \
    --two-factor \
    --oidc-token-endpoint 'https://RHSSO.example.com/auth/realms/ssl-realm/protocol/openid-connect/token' \
    --oidc-authorization-endpoint 'https://RHSSO.example.com/auth' \
    --oidc-client-id 'satellite.example.com-foreman-openidc' \
    --oidc-redirect-uri urn:ietf:wg:oauth:2.0:oob

    このコマンドは、サクセスコードの入力を要求します。

  2. サクセスコードを取得するには、コマンドが返す URL に移動し、必要な情報を提供します。
  3. Web UI が返すサクセスコードをコピーします。
  4. hammer auth login oauth のコマンドプロンプトに、サクセスコードを入力して Satellite CLI に対して認証を行います。

13.9.8. Red Hat シングルサインオン認証用のグループマッピングの設定

必要に応じて、ロールベースのアクセス制御 (RBAC) を実装するには、Satellite でグループを作成し、このグループにロールを割り当ててから Active Directory グループを Satellite グループにマッピングします。これにより、Red Hat Single Sign-On の指定のグループに所属する場合には、該当する Satellite グループでログインします。この例では、Active Directory の Satellite-admin ユーザーグループのユーザーを設定し、Satellite で管理者権限を持つユーザーとして認証されるようにします。

手順

  1. Satellite Web UI で、管理 > ユーザーグループ に移動して、ユーザーグループの作成 ボタンをクリックします。
  2. 名前 フィールドにユーザーグループの名前を入力します。名前は Active Directory と同じにしないでください。
  3. 右側の列には、ユーザーおよびユーザーグループを追加しないでください。ロール タブをクリックします。
  4. 管理 チェックボックスを選択します。
  5. 外部グループ タブをクリックします。
  6. 外部ユーザーグループの追加 をクリックします。
  7. 名前 フィールドに、Active Directory の名前を入力します。
  8. 一覧から 外部 を選択します。

13.10. Red Hat Single Sign On 認証の無効化

Satellite で Red Hat Single Sign On 認証を無効化するには、以下の手順を実行します。

手順

  • Red Hat Single Sign On 認証を無効化するには、以下のコマンドを入力します。

    # satellite-installer --reset-foreman-keycloak

第14章 リソースの監視

本章では、管理システムの監視とレポーティングの設定方法について説明します。これには、ホストの設定やコンテンツビュー、コンプライアンス、サブスクリプションと現在登録されているホスト、プロモーションおよび同期が含まれます。

14.1. Red Hat Satellite コンテンツダッシュボードの使用

Red Hat Satellite コンテンツダッシュボードには、ホストの設定の概要やコンテンツビュー、コンプライアンスレポート、サブスクリプションと現在登録されているホストの状態についての概要や、プロモーションおよび同期の概要、さらに最新の通知一覧などを提供する各種ウィジェットが含まれています。

コンテンツダッシュボードにアクセスするには、監視 > ダッシュボード に移動します。ダッシュボードは、各ウィジェットをクリックして別の位置にドラッグすることで、配置を変更することができます。以下のウィジェットが利用できます。

ホスト設定の状態

最後のレポーティング期間におけるホストの設定状態およびそれに該当するホスト数。以下の表では、各設定状態を説明しています。

表14.1 ホスト設定の状態
アイコン状態説明

1

変更をエラーなく実行したホスト

最後のレポーティング期間に変更が正常に実行されたホスト。

2

エラー状態のホスト

最後のレポーティング期間にエラーが検出されたホスト。

3

直近 35 分間での良好なホストレポート

直近の 35 分間で変更を行わず、エラーがないホスト。

4

保留中の変更があるホスト

いくつかのリソースが適用されているものの、Puppet が noop モードで実行されるように設定されたホスト。

5

同期していないホスト

同期がされておらず、最後のレポーティング期間にレポートが受信されていないホスト。

6

レポートのないホスト

最後のレポーティング期間にレポートが受信されていないホスト。

7

警告が無効にされているホスト

監視対象外のホスト。

設定状態のいずれかをクリックすると、該当するホストが表示されます。

ホスト設定チャート
ホスト状態の割合と該当するホストのパーセンテージを示す円グラフです。
最新イベント

管理情報、製品、サブスクリプションの変更およびエラーに関するホストが生成するメッセージの一覧です。

すべてのユーザーに送信されるグローバル通知や、異常なアクティビティーまたはエラーを検出するためにこのセクションを監視します。

実行分布 (直近 30 分)
デフォルトでは 30 分となっている直近の Puppet 間隔中の実行中 Puppet エージェントの分布状況を示すグラフです。このケースでは、各コラムで 3 分間にクライアントから受け取ったレポート数を示しています。
新規ホスト
最近作成されたホスト一覧です。ホストをクリックすると、詳細が表示されます。
タスクのステータス
ステータスと結果別に分類される現在のすべてのタスクのサマリーです。タスク番号をクリックすると、対応するタスクの一覧が表示されます。
最新の警告/エラータスク
警告またはエラーにより停止している最新タスクの一覧です。タスクをクリックして詳細を確認してください。
検出されたホスト
検出プラグインによってプロビジョニングネットワークで検出されたベアメタルホストの一覧です。
最新のエラータ
Satellite に登録されているホストで利用できるすべてのエラータの一覧です。
コンテンツビュー
Satellite におけるすべてのコンテンツビューおよびそれらの公開状態の一覧です。
同期の概要
Satellite で有効にされているすべての製品またはリポジトリーおよびそれらの同期の状態の概要です。同期待ちになっている製品、同期されていない製品、同期が行われた製品はすべてこのセクションに一覧表示されます。
ホストサブスクリプションの状態

Satellite に登録されているホストによって現在使用されているサブスクリプションの概要です。サブスクリプションとはご購入いただいた証明書を指します。このサブスクリプションでホストのソフトウェア、アップグレード、およびセキュリティー修正などが利用できるようになります。以下の表はサブスクリプションの状態の種類を示しています。

表14.2 ホストのサブスクリプションの状態
アイコン状態説明

1229

無効

製品がインストールされていて、サブスクリプションが適切に使用されていないホストです。これらのホストには早急な対応が必要です。

1230

部分使用

サブスクリプションが使用されていて、有効なエンタイトルメントを持つホストですが、それらのエンタイトルメントは完全には使用されていません。これらのホストが予定通りに設定されていることを確認するために、これらのホストを監視する必要があります。

1228

有効

有効なエンタイトルメントを有し、それらのエンタイトルメントを完全に使用しているホストです。

サブスクリプションタイプを選択し、選択したタイプのサブスクリプションに関連付けられたホストを表示します。

サブスクリプションのステータス
アクティブなサブスクリプションの数、次の 120 日で期限の切れるサブスクリプションの数、および最近期限切れになったサブスクリプションの数を表示する現在のサブスクリプション合計の概要です。
ホストコレクション
Satellite 内のすべてのホストコレクションとそれらの状態の一覧で、各ホストコレクション内のコンテンツホストの数なども含まれます。
Virt-who 設定の状態

環境内のホスト上で稼働している virt-who デーモンから受け取ったレポートの状態。以下の状態があります。

表14.3 Virt-who 設定状態
状態説明

レポートなし

virt-who 設定デプロイメント中にエラーが発生したか、設定がデプロイされていないか、もしくは予定された期間に virt-who が Foreman に接続できないか、いずれかのためにレポートが受信されていません。

変更なし

ハイパーバイザーが仮想マシン上で変更を検出していない、または virt-who が予定された期間中にレポートのアップロードに失敗したために、レポートが受信されていません。仮想マシンを追加したものの、設定が 変更なし 状態にある場合は、その virt-who が実行中か確認してください。

OK

予定期間中にエラーなしでレポートが受信されました。

設定合計数

virt-who 設定の合計数。

各状態の設定を表示するには、その設定状態をクリックします。

このウィジェットでは、変更のない最新の設定 にある 変更なし で最新の 3 つの設定も一覧表示されます。

最新のコンプライアンスレポート
最新のコンプライアンスレポート一覧。各コンプライアンスレポートでは、パス (P)、不合格 (F)、その他 (O) のルール数が表示されます。ホストをクリックすると、コンプライアンスレポートの詳細が表示されます。ポリシーをクリックすると、その詳細が表示されます。
コンプライアンスレポートの内訳
コンプライアンスレポートの状態の分布を示す円グラフです。
Red Hat Insights アクション
Red Hat Insights は Satellite に組み込まれたツールで、環境をチェックし、実行可能なアクションを提案します。アクションは、可用性、安定性、パフォーマンス、セキュリティーの 4 つに分けられます。
Red Hat Insights リスクサマリー

リスクレベルに応じたアクションの分布を示す表です。リスクレベルは、アクションの重要性と問題を発生させる可能性を示しています。リスクレベルには、低、中、高、重大があります。

注記

Satellite Web UI で表示される日付の形式を変更することはできません。

14.1.1. タスクの管理

Red Hat Satellite は、同期されたリポジトリー、適用されたエラータ、公開されたコンテンツビューなどの計画されたタスクまたは実行されたタスクのすべての詳細なログを保持します。ログを確認するには、監視 > タスク に移動します。

タスクウィンドウでは、特定のタスクを検索し、そのステータス、詳細、およびタスクが開始してからの経過時間を表示できます。1 つ以上のタスクをキャンセルして再開することもできます。

タスクは Dynflow エンジンを使用して管理されます。リモートタスクには、必要に応じて調整できるタイムアウトが設定されます。

タイムアウト設定を調整するには、以下を実行します。

  1. 管理 > 設定 に移動します。
  2. 検索ボックスに %_timeout を入力し、検索 をクリックします。検索では、説明を含む 4 つの設定が返されます。
  3. のコラムで、数字の横にあるアイコンをクリックして編集します。
  4. 希望する秒数を入力したら、保存 をクリックします。
注記

低帯域幅の場合は %_finish_timeout 値の編集が役に立つ場合があります。待ち時間が長い場合は %_accept_timeout 値の編集が役立つことがあります。

タスクが初期化されると、Candlepin または Pulp などのタスクで使用されるすべてのバックエンドサービスについて正常に機能するかどうかがチェックされます。チェックにパスしない場合は、次のようなエラーを受信します。

There was an issue with the backend service candlepin: Connection refused – connect(2).

バックエンドサービスチェック機能で問題が発生する場合は、以下の方法で無効にできます。

サービスのチェックを無効にするには、以下を実行します。

  1. 管理 > 設定 に移動します。
  2. 検索ボックスに check_services_before_actions を入力し、検索 をクリックします。
  3. コラムでアイコンをクリックして値を編集します。
  4. ドロップダウンメニューから false を選択します。
  5. 保存 をクリックします。

14.2. RSS 通知の設定

Satellite のイベント通知アラートを表示するには、画面右上の 通知 アイコンをクリックします。

デフォルトでは、通知エリアには Red Hat Satellite Blog で公開された RSS フィードイベントが表示されます。

フィードは 12 時間ごとにリフレッシュされ、新規イベントが利用可能となるたびに通知エリアがリフレッシュされます。

URL フィードを変更することで RSS フィード通知を設定できます。サポートされるフィード形式は、RSS 2.0 と Atom です。RSS 2.0 フィード設定の例については、Red Hat Satellite Blog feed を参照してください。Atom フィード設定の例については、Foreman blog feed を参照してください。

RSS フィード通知の設定方法

  1. 管理 > 設定 に移動して、通知 タブを選択します。
  2. RSS URL の行で、 コラムの編集アイコンをクリックし、必要な URL を入力します。
  3. RSS 有効化の行で、 コラムの編集アイコンをクリックし、この機能を有効または無効にします。

14.3. Satellite Server の監視

Satellite Server Web UI の 概要 ページで、以下の概要情報が確認できます。

  • システムステータス (Capsule、利用可能なプロバイダー、コンピュートリソース、およびプラグインを含む)
  • サポート情報
  • システム情報
  • バックエンドシステムの状態
  • インストールされたパッケージ

概要 ページに移動するには:

  • Satellite Server Web UI の右上で 管理 > 概要 をクリックします。
注記

Pulp の失敗後は、同期の遅延のため、最大 10 分間 Pulp のステータスが エラー ではなく、OK と表示される場合があります。

14.4. Capsule Server の監視

以下の項では、Satellite Web UI を使用して、保守とトラブルシューティングに役に立つ Capsule 情報を見つける方法について説明します。

14.4.1. 一般的な Capsule 情報の表示

インフラストラクチャー > Capsules (スマートプロキシー) に移動して、Satellite Server に登録された Capsule Server の表を表示します。表に含まれる情報には以下の質問に対する回答が含まれます。

Capsule Server は稼働していますか ?
これは、ステータス コラムで緑色のアイコンにより示されます。赤色のアイコンは、非アクティブな Capsule を示します。その Capsule をアクティベートするには、Capsule Server で service foreman-proxy restart コマンドを使用します。
Capsule Server で有効なサービスはどれですか ?
機能 コラムで、Capsule がたとえば DHCP サービスを提供するかどうか、また Pulp ノードとして動作するかどうかを確認できます。Capsule の機能はインストール中に有効にしたり、後で設定したりできます。詳細は、Capsule Server のインストール を参照してください。
Capsule Server はどの組織およびロケーションに割り当てられていますか ?

Capsule Server は複数の組織およびロケーションに割り当てることができますが、現在選択された組織に属する Capsule のみが表示されます。すべての Capsule をリストするには、左上隅にあるコンテキストメニューから 任意の組織 を選択します。

Capsule 設定の変更後に、アクション コラムのドロップダウンメニューから リフレッシュ を選択して Capsule の表を最新状態にしてください。

詳細情報を表示するには Capsule 名をクリックします。概要 タブでは、Capsule の表にある情報と同じものを見つけることができます。さらに、以下の質問に回答することができます。

Capsule Server が管理するホストはどれですか ?
関連するホストの数は 管理対象ホスト ラベルの横に表示されます。関連するホストの詳細を表示するには、その数をクリックします。
Capsule Server で利用可能なストレージ容量はどれくらいですか ?
/var/lib/pulp/var/lib/pulp/content、および /var/lib/mongodb で Pulp コンテンツが使用しているストレージ容量が表示されます。また、Capsule で利用可能な残りのストレージ容量を確認できます。

14.4.2. サービスの監視

インフラストラクチャー > Capsules (スマートプロキシー) に移動し、選択した Capsule 名をクリックします。サービス タブでは、DNS ドメインのリストや Pulp ワーカーの数などの、Capsule サービスに関する基本的な情報を見つけることができます。ページの外観は、Capsule Server で有効なサービスによって異なります。より詳細なステータス情報を提供するサービスには Capsule ページで専用のタブが用意されることがあります (「Puppet の監視」 を参照)。

14.4.3. Puppet の監視

インフラストラクチャー > Capsules (スマートプロキシー) に移動し、選択した Capsule 名をクリックします。Puppet タブでは、以下を確認できます。

  • 全般 サブタブで、Puppet イベントのサマリー、最新の Puppet 実行の概要、関連するホストの同期ステータス。
  • 環境 サブタブで、Puppet 環境のリスト。

Puppet CA タブでは、以下の情報を確認できます。

  • 全般 サブタブで、証明書ステータスの概要と自動署名エントリーの数。
  • 証明書 サブタブで、Capsule に関連する CA 証明書の表。ここでは、証明書失効データを調べたり、取り消し をクリックして証明書をキャンセルしたりすることができます。
  • エントリーの自動署名 サブタブで、自動署名エントリーのリスト。ここでは、新規 をクリックしてエントリーを作成したり、削除 をクリックしてエントリーを削除したりできます。

第15章 検索およびブックマーク機能

Satellite Web UI は、Web UI の大半のページで利用できる強力な検索機能を特長としています。この機能によって Satellite Server が管理するあらゆる種類のリソースを検索できます。検索では、フリーテキストと構文ベースのクエリーの両方を使用でき、クエリーは詳細な予測入力を使用して実行されます。検索クエリーは今後の再利用に備えてブックマークとして保存することができます。

15.1. 検索クエリーの構築

検索クエリーの入力を開始すると、現在のクエリーを補完する有効なオプションの一覧が表示されます。一覧からオプションを選択するか、補完機能を使用してクエリーを構築するか、または入力を継続するかのいずれかのオプションを選択できます。検索エンジンがフリーテキストを解釈する方法については、「フリーテキスト検索の使用」 を参照してください。

15.1.1. クエリーの構文

parameter operator value

検索に利用できるフィールド、リソースおよびクエリーが解釈される方法はコンテキスト、つまり検索を実行するページによって異なります。たとえば、ホストページのホストグループフィールドはホストグループページの名前フィールドに相当します。またフィールドのタイプにより、利用可能な演算子および許可される値が決まります。すべての演算子の一覧については、演算子 を参照してください。値の形式についての説明は、 を参照してください。

15.1.2. 演算子

パラメーター の間で使用できるすべての演算子は以下の表に一覧表示されています。予測に基づいて構築されるクエリーで表示される可能性のある他の記号および特殊文字 (コロンなど) には特別な意味がなく、フリーテキストとして処理されます。

表15.1 検索で使用できる比較演算子
演算子ショートネーム説明

=

EQUALS

数値、時間的な値 (temporal value) またはテキストの値を受け入れます。テキストの場合、大文字と小文字が区別された完全一致が返されます。

hostgroup = RHEL7

!=

NOT EQUALS

~

LIKE

テキストまたは時間的な値 (temporal value) を受け入れます。大文字と小文字を区別しない一致を返します。1 文字の場合の _、ゼロを含む任意の数の文字の場合の % または たは * などのワイルドカードを受け入れます。ワイルドカードが指定されない場合、文字列はワイルドカードで囲まれている場合の様に処理されます (例: %rhel7%)。

hostgroup ~ rhel%

!~

NOT LIKE

>

GREATER THAN

数値、または時間的な値 (temporal value) を受け入れます。時間的な値の場合、演算子 > is は later than (次の日付より後) として、< は earlier than (次の日付より前) として解釈されます。どちらの演算子も EQUALS: >= <= と組み合わせることができます。

registered_at > 10-January-2017
検索結果では、指定された日付の後、つまり 2017 年 1 月 10 日から現在までの間に登録されたホストが返されます。

registered_at <= Yesterday
検索結果では、昨日以前に登録されたホストが返されます。

<

LESS THAN

^

IN

SQL の場合と同様に、値の一覧に対して式を比較します。値が含まれる一致または値の含まれない一致をそれぞれ返します。

release_version !^ 7

!^

NOT IN

HAS or set?

 

存在する値、または存在しない値をそれぞれ返します。

has hostgroup または set? hostgroup
Puppet クラスページでは、検索結果は 1 つ以上のホストグループに割り当てられたクラスを返します。

not has hostgroup または null? hostgroup
ホストの概要を表示するダッシュボードで、検索結果はホストグループが割り当てられていないすべてのホストを返します。

NOT HAS or null?

 

記述された構文に従う単純なクエリーを組み合わせて、論理演算子の AND、OR および NOT を使用してより複雑なクエリーにすることができます。演算子の代替表記も使用できます。

表15.2 検索で使用できる論理演算子
演算子代替表記

and

&

&&

<空白文字>

class = motd AND environment ~ production

or

|

||

 

errata_status = errata_needed || errata_status = security_needed

not

!

 

hostgroup ~ rhel7 not status.failed

15.1.3. 値

テキストの値

空白文字を含むテキストは引用符で囲む必要があります。囲まないと、空白文字は AND 演算子として解釈されます。

例:

hostgroup = "Web servers"

検索は、Web servers という名前の割り当て済みのホストグループとともにホストを返します。

hostgroup = Web servers

検索は、%servers% に一致するフィールドを持つホストグループ Web のホストを返します。

時間の値

以下を含め、数多くの日付/時刻形式を使用できます。

  • "10 January 2017"
  • "10 Jan 2017"
  • 10-January-2017
  • 10/January/2017
  • "January 10, 2017"
  • Today、Yesterday など。
警告

02/10/2017 または 10-02-2017 などのあいまいな日付形式を使用しないようにしてください。

15.3. ブックマークの管理

検索クエリーをブックマークとして保存し、再利用することもできます。ブックマークは削除したり、変更したりすることもできます。

ブックマークは、作成されたページでのみ表示されます。一部のページには、すべての active または disabled ホストなど、一般的な検索で使用可能なデフォルトのブックマークがあります。

15.3.1. ブックマークの作成

本セクションでは、検索クエリーをブックマークとして保存する方法について説明します。関連ページ用の検索クエリーのブックマークは、作成したそのページで保存する必要があります。たとえば、ホスト関連の検索クエリーは、ホストページで保存します。

ブックマークを作成するには、以下の手順に従います。

  1. ブックマークを作成するページに移動します。
  2. 検索 フィールドに保存する検索クエリーを入力します。
  3. 検索 ボタンの右側にある矢印を選択し、この検索をブックマーク を選択します。
  4. 名前 フィールドに 新規ブックマークの名前を入力します。
  5. 検索クエリー フィールドに正しい検索クエリーがあることを確認します。
  6. 公開 チェックボックスの設定を確認します。

    • 公開 にチェックを入れると、ブックマークが公開されて全ユーザーに見えるようになります。
    • 公開 のチェックを外すと、ブックマークが非公開となり、作成したユーザーのみに見えるようになります。
  7. 送信 をクリックします。

作成されたことを確認するには、検索 ボタンの右側にある矢印を選択してブックマーク一覧を表示するか、管理 > ブックマーク に移動してから、ブックマークの名前を ブックマーク 一覧で確認します。

15.3.2. ブックマークの削除

ブックマークは、ブックマークページで削除できます。

ブックマークの削除手順

  1. 管理 > ブックマーク に移動します。
  2. ブックマークページで、削除するブックマークの 削除 をクリックします。
  3. 確認ウィンドウが表示されたら、OK をクリックして削除を確認します。

削除されたことを確認するには、ブックマークの名前がないことを ブックマーク 一覧で確認します。

付録A Satellite の設定

このセクションには、Administer > Settings に移動して、Satellite Web UI で編集できる設定に関する重要な情報または既知の問題が含まれています。

表A.1 一般的な設定情報
設定説明

DB キャッシュの修正

Satellite は、パーミッションとロールのキャッシュを保持します。これを Yes に設定すると、Satellite は、次回再起動時にこのキャッシュを再作成します。

表A.2 プロビジョニングの設定情報
設定説明

名前ジェネレーターのタイプ

新規ホスト作成時のホスト名の生成方法を指定します。

デフォルトの Random-based オプションでは、使用可能ではあるものの必須ではない、一意のランダムなホスト名を生成します。多くのホストを作成し、命名方法がわからないユーザーには便利です。

MAC-based オプションは、ベアメタルのホストのみになります。ホストを削除してから、後で作成すると、MAC アドレスをベースにした同じホスト名が付けられます。サーバーを再利用し、常に同じホスト名にする場合に便利です。

Off オプションでは、名前生成関数が無効になり、ホスト名フィールドは空白になります。

Safemode レンダリング

プロビジョニングテンプレートのセーフモードレンダリングを有効にします。デフォルトの推奨オプション Yes は、Satellite 内でホワイトリストに記載されていない変数およびオブジェクトへのアクセスを拒否します。

No に設定すると、テンプレート機能を使用するパーミッションがあるユーザーは、テンプレートやパラメーター、スマート変数を編集することで、いかなるオブジェクトにもアクセスすることが可能になります。こうなると、ユーザーは Satellite Server で完全なリモートコード実行が可能になり、すべての認証が無効になります。特に大企業では、このオプションは安全ではありません。

Satellite に保存されているファクトの除外パターン

BZ#1759111 が解決されるまで、docker* などのワイルドカード値を使用して docker で始まるすべてのファクトを除外する場合は、除外する用語が名前の一部に含まれるファクトも除外されることに注意してください。

一致する識別子を持つインターフェイスを無視

BZ#1759111 が解決されるまで、docker* などのワイルドカード値を使用して docker で始まるすべてのファクトを無視する場合は、無視する用語が名前の一部に含まれるファクトも除外されることに注意してください。

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