オンラインネットワークからの Satellite Server のインストール
オンラインネットワークからの Red Hat Satellite Server のインストール
概要
第1章 インストールのための環境準備
Satellite をインストールする前に、環境が以下の要件を満たしていることを確認する必要があります。
1.1. システム要件
ネットワーク接続されたベースのオペレーティングシステムには、以下の要件が適用されます。
- x86_64 アーキテクチャー
- Red Hat Enterprise Linux 7 Server の最新バージョン
- 最低 4 コア 2.0 GHz CPU
- Satellite Server が機能するには、最低 20 GB のメモリーが必要です。また、最低 4 GB のスワップ領域が推奨されます。最低値よりも少ないメモリーで実行している Satellite は正常に動作しないことがあります。
- 一意なホスト名 (小文字、数字、ドット (.)、ハイフン (-) を使用できます)
- 現在の Red Hat Satellite サブスクリプション
- 管理ユーザー (root) アクセス
- システム umask 0022
- 完全修飾ドメイン名を使用した完全な正引きおよび逆引きの DNS 解決
Satellite Server をインストールする前に、環境がインストール要件を満たしていることを確認する必要があります。
Satellite Server は、新たにプロビジョニングしたシステムにインストールしておく。Satellite Server が作成するローカルのユーザーとの競合を回避するため、新たにプロビジョニングしたシステムには、以下のユーザーを外部アイデンティティープロバイダーで設定して使用しないようにしてください。
- postgres
- mongodb
- apache
- qpidd
- qdrouterd
- squid
- foreman
- tomcat
- foreman-proxy
- puppet
- puppetserver
認定ハイパーバイザー
Satellite Server は、Red Hat Enterprise Linux の実行をサポートするハイパーバイザーで稼働する物理システムおよび仮想マシン両方で完全にサポートされます。認定ハイパーバイザーに関する詳細は、Which hypervisors are certified to run Red Hat Enterprise Linux? を参照してください。
SELinux モード
SELinux は、Enforcing モードまたは Permissive モードのいずれかで有効化されている必要があります。無効化された SELinux でのインストールはサポートされません。
FIPS モード
FIPS モードで稼働する Red Hat Enterprise Linux システムに、Satellite Server をインストールできます。詳細は、Red Hat Enterprise Linux セキュリティーガイドの FIPS モードの有効化 を参照してください。
1.2. ストレージ要件
以下の表には、特定のディレクトリーのストレージ要件が詳細に記載されています。これらの値は、想定のユースケースシナリオに基づいており、各環境ごとに異なることがあります。
ランタイムサイズは Red Hat Enterprise Linux 6、7、および 8 のリポジトリーと同期して測定されました。
ディレクトリー | インストールサイズ | ランタイムサイズ |
---|---|---|
/var/cache/pulp/ | 1M バイト | 20 GB |
/var/lib/pulp/ | 1 MB | 300 GB |
/var/lib/mongodb/ | 3.5 GB | 50 GB |
/var/lib/qpidd/ | 25 MB | 適用外 |
/var/log/ | 10 MB | 10 GB |
/var/opt/rh/rh-postgresql12 | 100 MB | 10 GB |
/var/spool/squid/ | 0 MB | 10 GB |
/usr | 3 GB | 適用外 |
/opt | 3 GB | 適用外 |
/opt/puppetlabs | 500 MB | 適用外 |
1.3. ストレージのガイドライン
Satellite Server をインストールして効率性を向上させる場合は、以下のガイドラインを考慮してください。
-
/tmp
ディレクトリーを別のファイルシステムとしてマウントする場合は、/etc/fstab
ファイルのexec
マウントオプションを使用する必要があります。/tmp
が、noexec
オプションを指定してすでにマウントされている場合は、オプションをexec
に変更して、ファイルシステムを再マウントする必要があります。これは、puppetserver
サービスが機能するために必要です。 -
Satellite Server データの多くは
/var
ディレクトリーに格納されるため、LVM ストレージに/var
をマウントして、システムがスケーリングできるようにしてください。 -
/var/cache/pulp/
と/var/lib/pulp/
ディレクトリーに同じボリュームを使用することで、同期後に/var/cache/pulp/
から/var/lib/pulp/
にコンテンツを移動する時間を短縮できます。 -
/var/lib/qpidd/
ディレクトリーでは、goferd
サービスが管理するコンテンツホスト 1 つに対して使用される容量は 2 MB を少し超えます。たとえば、コンテンツホストの数が 10,000 個の場合、/var/lib/qpidd/
に 20 GB のディスク容量が必要になります。 -
/var/lib/pulp/
ディレクトリーと/var/lib/mongodb/
ディレクトリーには、高帯域幅で低レイテンシーのストレージの使用をお勧めします。Red Hat Satellite には I/O を大量に使用する操作が多数あるため、高レイテンシーで低帯域幅のストレージを使用すると、パフォーマンス低下の問題が発生します。インストールに、毎秒 60 - 80 メガバイトのスピードがあることを確認してください。fio
ツールを使用すると、このデータが取得できます。fio
ツールの詳細な使用方法は、Red Hat ナレッジベースのソリューション Impact of Disk Speed on Satellite Operations を参照してください。
ファイルシステムのガイドライン
-
XFS ファイルシステムは、
ext4
では存在する inode の制限がないため、Red Hat Satellite 6 では XFS ファイルシステムを使用してください。Satellite Server は多くのシンボリックリンクを使用するため、ext4
とデフォルトの数の inode を使用する場合は、システムで inode が足りなくなる可能性が高くなります。 -
MongoDB は従来の I/O を使用してデータファイルにアクセスしないので、MongoDB では NFS を使用しないでください。また、NFS でデータファイルとジャーナルファイルの両方がホストされている場合にはパフォーマンスの問題が発生します。NFS を使用する必要がある場合は、
/etc/fstab
ファイルでbg
、nolock
、およびnoatime
のオプションを使用してボリュームをマウントします。 - Pulp データストレージに NFS を使用しないでください。Pulp に NFS を使用すると、コンテンツの同期のパフォーマンスが低下します。
- 入出力レイテンシーが高すぎるため、GFS2 ファイルシステムは使用しないでください。
ログファイルのストレージ
ログファイルは、/var/log/messages/
、/var/log/httpd/
、および /var/lib/foreman-proxy/openscap/content/
に書き込まれます。logrotate を使って、これらのファイルのサイズを管理できます。詳細はRed Hat Enterprise Linux 7 システム管理者のガイドの ログローテーション を参照してください。
ログメッセージに必要なストレージの正確な容量は、インストール環境および設定により異なります。
NFS マウントを使用する場合の SELinux の考慮事項
NFS 共有を使用して /var/lib/pulp
ディレクトリーをマウントすると、SELinux は同期プロセスをブロックします。これを避けるには、以下の行を /etc/fstab
に追加して、ファイルシステムテーブル内の /var/lib/pulp
ディレクトリーの SELinux コンテキストを指定します。
nfs.example.com:/nfsshare /var/lib/pulp/content nfs context="system_u:object_r:httpd_sys_rw_content_t:s0" 1 2
NFS 共有が既にマウントされている場合は、上記の方法を使用して再マウントし、以下のコマンドを入力します。
# chcon -R system_u:object_r:httpd_sys_rw_content_t:s0 /var/lib/pulp
重複パッケージ
同じパッケージが異なるリポジトリーで重複して存在する場合には、ディスク上に一度しか保存されません。そのため、重複するパッケージを別のリポジトリーに追加するときに必要な追加ストレージが少なくて済みます。ストレージの多くは、/var/lib/mongodb/
および /var/lib/pulp/
ディレクトリーにあります。これらのエンドポイントは手動で設定できません。ストレージの問題を回避するために、ストレージが /var
ファイルシステムで利用可能であることを確認してください。
一時的なストレージ
/var/cache/pulp/
ディレクトリーは、同期中に、コンテンツを一時的に保存するために使用します。同期タスクがすべて完了したら、コンテンツは /var/lib/pulp/
ディレクトリーに移動されます。
RPM 形式のコンテンツの場合は、各 RPM ファイルは同期後に /var/lib/pulp
ディレクトリーに移動されます。一度に、/var/cache/pulp/
ディレクトリーに保存される RPM ファイルは 5 つです。デフォルトでは、RPM コンテンツの同期タスクは最大 8 つまで同時に実行でき、それぞれ最大 1 GB のメタデータを使用します。
ソフトウェアコレクション
ソフトウェアコレクションは、/opt/rh/
ディレクトリーと /opt/theforeman/
ディレクトリーにインストールされます。
/opt
ディレクトリーへのインストールには、root ユーザーによる書き込みパーミッションおよび実行パーミッションが必要です。
シンボリックリンク
/var/lib/pulp/
および /var/lib/mongodb/
にはシンボリックリンクは使用できません。
同期された RHEL ISO
RHEL コンテンツの ISO を Satellite に同期する予定の場合には、Red Hat Enterprise Linux のすべてのマイナーバージョンも同期することに注意してください。これに対応するため、Satellite に適切なストレージを設定するようにプランニングする必要があります。
1.4. サポート対象オペレーティングシステム
オペレーティングシステムは、ディスク、ローカル ISO イメージ、キックスタート、または Red Hat がサポートする方法であれば他の方法でもインストールできます。Red Hat Satellite Server は、Satellite Server 6.9 のインストール時に入手可能な Red Hat Enterprise Linux 7 Server の最新バージョンでのみサポートされています。EUS または z-stream を含む以前の Red Hat Enterprise Linux バージョンはサポートされません。
Red Hat Satellite Server には、@Base
パッケージグループが含む Red Hat Enterprise Linux インストールが必要です。他のパッケージセットの変更や、サーバーの運用に直接必要でないサードパーティーの設定やソフトウェアは含めないようにしてください。この制限は、ハード化や Red Hat 以外の他社のセキュリティーソフトウェアが該当します。インフラストラクチャーにこのようなソフトウェアが必要な場合は、Satellite Server が完全に機能することを最初に確認し、その後でシステムのバックアップを作成して、Red Hat 以外のソフトウェアを追加します。
新しくプロビジョニングされたシステムに Satellite Server をインストールします。
Red Hat では、このシステムを Satellite Server の実行以外に使用するサポートはしていません。
1.5. サポート対象ブラウザー
Satellite は、最新版の Firefox および Google Chrome ブラウザーをサポートします。
Satellite Web UI とコマンドラインインターフェイスは、英語、ポルトガル語、中国語 (簡体)、中国語 (繁体)、韓国語、日本語、イタリア語、スペイン語、ロシア語、フランス語、ドイツ語に対応しています。
1.6. ポートとファイアウォールの要件
Satellite アーキテクチャーのコンポーネントで通信を行うには、ベースオペレーティングシステム上で、必要なネットワークポートが開放/解放されているようにしてください。また、ネットワークベースのファイアウォールでも、必要なネットワークポートを開放する必要があります。
この情報を使用して、ネットワークベースのファイアウォールを設定してください。クラウドソリューションによっては、ネットワークベースのファイアウォールと同様にマシンが分離されるので、特にマシン間の通信ができるように設定する必要があります。アプリケーションベースのファイアウォールを使用する場合には、アプリケーションベースのファイアウォールで、テーブルに記載のアプリケーションすべてを許可して、ファイアウォールに既知の状態にするようにしてください。可能であれば、アプリケーションのチェックを無効にして、プロトコルをベースにポートの通信を開放できるようにしてください。
統合 Capsule
Satellite Server には Capsule が統合されており、Satellite Server に直接接続されたホストは、以下のセクションのコンテキストでは Satellite のクライアントになります。これには、Capsule Server が実行されているベースオペレーティングシステムが含まれます。
Capsule のクライアント
Satellite と統合された Capsule ではない Capsule のクライアントであるホストには、Satellite Server へのアクセスは必要ありません。Satellite トポロジーの詳細はRed Hat Satellite 6 の計画の Capsule のネットワーク を参照してください。
使用している設定に応じて、必要なポートは変わることがあります。
ポートのマトリックス表は、Red Hat ナレッジベースソリューションの Red Hat Satellite List of Network Ports を参照してください。
以下の表は、宛先ポートとネットワークトラフィックの方向を示しています。
ポート | プロトコル | サービス | 用途 |
---|---|---|---|
443 | TCP | HTTPS | サブスクリプション管理サービス (access.redhat.com) と Red Hat CDN (cdn.redhat.com) への接続。 |
Satellite Server に Red Hat CDN へのアクセス権がある。Red Hat CDN (cdn.redhat.com) で使用されている IP アドレスの一覧は、Red Hat カスタマーポータルのナレッジベース記事 Red Hat が公開している CIDR の一覧 を参照してください。
ポート | プロトコル | サービス | 用途 |
---|---|---|---|
443 | TCP | HTTPS | Satellite へのブラウザーベース UI アクセス |
80 | TCP | HTTP | Satellite に Web UI でアクセスするための HTTPS へのリダイレクション (オプション) |
ポート | プロトコル | サービス | 用途 |
---|---|---|---|
80 | TCP | HTTP | Anaconda、yum、Katello 証明書およびテンプレートの取得向け、iPXE ファームウェアのダウンロード向け |
443 | TCP | HTTPS | サブスクリプション管理サービス、yum、Telemetry サービス、Katello エージェントへの接続向け |
5646 | TCP | AMQP | Capsule の Qpid ディスパッチルーターから Satellite の Qpid ディスパッチルーターへの通信 |
5647 | TCP | AMQP | Satellite の Qpid ディスパッチルーターと通信する Katello エージェント |
8000 | TCP | HTTP | キックスタートテンプレートをホストにダウンロードする Anaconda、iPXE ファームウェアのダウンロード向け |
8140 | TCP | HTTPS | マスター接続に対する Puppet エージェント |
9090 | TCP | HTTPS | プロビジョニング時の検出イメージや、リモート実行 (Rex) 設定の SSH キーをコピーするための Satellite Server との通信で使用するために、統合 Capsule で SCAP レポートを送信 |
7 | TCP および UDP | ICMP | IP アドレスが解放されていることを確認するためのクライアント上の外部 DHCP から Satellite ネットワークと ICMP ECHO (オプション) |
53 | TCP および UDP | DNS | Satellite の統合 Capsule の DNS サービスへのクライアント DNS クエリー (オプション) |
67 | UDP | DHCP | Satellite の統合 Capsule ブロードキャストと、Satellite 統合 Capsule からプロビジョニングするクライアントに対する DHCP ブロードキャストを行うクライアント (オプション) |
69 | UDP | TFTP | プロビジョニングのために Satellite の統合 Capsule から PXE ブートイメージファイルをダウンロードするクライアント (オプション) |
5000 | TCP | HTTPS | Docker レジストリーのための Katello への接続 (オプション) |
Satellite Server に直接接続された管理対象ホストは、統合された Capsule のクライアントとなるため、このコンテキストではクライアントになります。これには、Capsule Server が稼働しているベースオペレーティングシステムが含まれます。
ポート | プロトコル | サービス | 用途 |
---|---|---|---|
443 | TCP | HTTPS | Capsule の Pulp サーバーへの接続 |
9090 | TCP | HTTPS | Capsule のプロキシーへの接続 |
80 | TCP | HTTP | bootdisk のダウンロード (オプション) |
ポート | プロトコル | サービス | 用途 |
---|---|---|---|
22 | TCP | SSH | Remote Execution (Rex) および Ansible 向けの Satellite および Capsule からの通信 |
443 | TCP | HTTPS | vCenter のコンピュートリソースに対する Satellite からの通信 |
5000 | TCP | HTTP | OpenStack のコンピュートリソースまたは実行中のコンテナーに対する Satellite からの通信 |
22, 16514 | TCP | SSH、SSL/TLS | libvirt のコンピュートリソースに対する Satellite からの通信 |
389、636 | TCP | LDAP、LDAPS | LDAP およびセキュアな LDAP 認証ソースに対する Satellite からの通信 |
5900〜5930 | TCP | SSL/TLS | ハイパーバイザー向け Web UI の NoVNC コンソールに対する Satellite からの通信 |
1.7. クライアントから Satellite Server への接続の有効化
Satellite Server の内部 Capsule のクライアントである Capsule とコンテンツホストは、Satellite のホストベースのファイアウォールとすべてのネットワークベースのファイアウォールを介したアクセスを必要とします。
以下の手順を使用して、Satellite のインストール先の Red Hat Enterprise Linux 7 システムでホストベースのファイアウォールを設定し、クライアントからの受信接続を有効にして、これらの設定をシステムの再起動後にも保持する方法について説明します。使用するポートの詳細は、「ポートとファイアウォールの要件」 を参照してください。
手順
クライアントから Satellite の通信用のポートを開放するには、Satellite をインストールするベースオペレーティングシステムで以下のコマンドを入力します。
# firewall-cmd \ --add-port="80/tcp" --add-port="443/tcp" \ --add-port="5647/tcp" --add-port="8000/tcp" \ --add-port="8140/tcp" --add-port="9090/tcp" \ --add-port="53/udp" --add-port="53/tcp" \ --add-port="67/udp" --add-port="69/udp" \ --add-port="5000/tcp"
変更を永続化します。
# firewall-cmd --runtime-to-permanent
1.8. ファイアウォール設定の確認
この手順を使用して、ファイアウォール設定への変更を検証します。
手順
ファイアウォールの設定を検証するには、以下の手順を実行します。
以下のコマンドを入力します。
# firewall-cmd --list-all
詳細情報は、Red Hat Enterprise Linux 7 セキュリティーガイドの firewalld の概要 を参照してください。
1.9. DNS 解決の検証
完全修飾ドメイン名を使用して完全な正引きおよび逆引き DNS 解決を検証すると、Satellite のインストール中の問題を回避できます。
手順
ホスト名とローカルホストが正しく解決されることを確認します。
# ping -c1 localhost # ping -c1 `hostname -f` # my_system.domain.com
名前解決に成功すると、以下のような出力が表示されます。
# ping -c1 localhost PING localhost (127.0.0.1) 56(84) bytes of data. 64 bytes from localhost (127.0.0.1): icmp_seq=1 ttl=64 time=0.043 ms --- localhost ping statistics --- 1 packets transmitted, 1 received, 0% packet loss, time 0ms rtt min/avg/max/mdev = 0.043/0.043/0.043/0.000 ms # ping -c1 `hostname -f` PING hostname.gateway (XX.XX.XX.XX) 56(84) bytes of data. 64 bytes from hostname.gateway (XX.XX.XX.XX): icmp_seq=1 ttl=64 time=0.019 ms --- localhost.gateway ping statistics --- 1 packets transmitted, 1 received, 0% packet loss, time 0ms rtt min/avg/max/mdev = 0.019/0.019/0.019/0.000 ms
静的および一時的なホスト名との不一致を避けるには、次のコマンドを入力して、システム上のすべてのホスト名を設定します。
# hostnamectl set-hostname name
詳細は、Red Hat Enterprise Linux 7 ネットワークガイドの hostnamectl を使ったホスト名の設定 を参照してください。
Satellite 6 の運用には名前解決が非常に重要です。Satellite が完全修飾ドメイン名を適切に解決できない場合には、コンテンツ管理、サブスクリプション管理、プロビジョニングなどのタスクに失敗します。
第2章 IPv6 ネットワークでの Satellite インストール環境の準備
IPv6 ネットワークで Satellite をインストールして使用できます。IPv6 ネットワークで Satellite をインストールする前に、制限事項と、以下の要件を満たしていることを確認してください。
IPv6 ネットワークにホストをプロビジョニングするには、Satellite のインストール後に、UEFI HTTP ブートプロビジョニング用の Satellite も設定する必要があります。詳細は、「IPv6 ネットワークでの UEFI HTTP ブート向けの Satellite の設定」 を参照してください。
2.1. IPv6 ネットワークでの Satellite インストールの制限事項
IPv6 ネットワークでの Satellite のインストールには、次の制限があります。
- Satellite および Capsule は、IPv6 のみのシステムにインストールでき、デュアルスタックのインストールはサポートしていません。
- Satellite プロビジョニングテンプレートには、PXE と HTTP (iPXE) プロビジョニングでの IPv6 サポートがありますが、テスト済みかつ認定済みのプロビジョニングワークフローは UEFI HTTP ブートプロビジョニングです。この制約は、Satellite を使用してホストをプロビジョニングする場合にのみ適用されます。
2.2. IPv6 ネットワークでの Satellite インストールの要件
IPv6 ネットワークで Satellite をインストールする前に、以下の要件を満たしていることを確認してください。
-
Satellite または Capsule からホストをプロビジョニングする予定の場合には、最新の
grub2
パッケージが含まれている Red Hat Enterprise Linux バージョン 7.9 以降に Satellite および Capsules をインストールする必要があります。 - 外部の IPv6 サーバーを管理対象外のサービスとして別にデプロイして GURB2 にクライアントをブートストラップしてから、DHCPv6 を使用するか、IPv6 アドレスを割り当てて IPv 6 ネットワークを設定する必要があります。Red Hat Enterprise Linux (ISC DHCP) の DHCP サーバーには IPv6 レコード管理の統合 API が含まれていないので、DHCP 管理を行う Capsule DHCP プラグインは IPv4 サブネットだけに限定されます。
- 外部の IPv4 HTTP プロキシーサーバーをデプロイする必要があります。これは、Satellite は IPv4 ネットワークでのみコンテンツを配信するので、IPv4 プロキシーを使用してそのコンテンツを IPv6 ネットワーク上にあるホストにリダイレクトする必要があります。
- この IPv4 HTTP プロキシーサーバーをデフォルトのプロキシーとして使用するように Satellite を設定する必要があります。詳細は、デフォルトの HTTP プロキシーの Satellite への追加 を参照してください。
第3章 Satellite Server のインストール
オンラインネットワークから Satellite Server をインストールする場合は、Red Hat コンテンツ配信ネットワークから直接パッケージと更新を取得できます。
Satellite Server に自己登録することはできません。
以下の手順を使用して、Satellite Server をインストールし、初期設定を実行して、サブスクリプションマニフェストをインポートします。サブスクリプションマニフェストに関する詳細はコンテンツ管理ガイドの サブスクリプションの管理 を参照してください。
Satellite 6 インストールスクリプトは Puppet をベースとするので、インストールスクリプトを複数回実行すると、手動での設定変更を上書きする可能性がある点に注意してください。これを回避し、今後どの変更を適用するか判断するには、インストールスクリプトの実行時に --noop
の引数を使用します。この引数では、実際の変更は加えられません。今後変更される可能性のある内容は /var/log/foreman-installer/satellite.log
に書き込まれます。
ファイルは常にバックアップされるため、不要な変更を元に戻すことができます。たとえば、foreman-installer ログで Filebucket に関する以下のようなエントリーが確認できます。
/Stage[main]/Dhcp/File[/etc/dhcp/dhcpd.conf]: Filebucketed /etc/dhcp/dhcpd.conf to puppet with sum 622d9820b8e764ab124367c68f5fa3a1
以前のファイルは以下のように復元できます。
# puppet filebucket -l \ restore /etc/dhcp/dhcpd.conf 622d9820b8e764ab124367c68f5fa3a1
3.1. Red Hat サブスクリプション管理への登録
Red Hat サブスクリプション管理にホストを登録すると、ユーザーが利用可能なサブスクリプションにホストを登録して、サブスクリプションのコンテンツを使用できるようになります。これには、Red Hat Enterprise Linux、Red Hat Software Collection (RHSCL)、Red Hat Satellite などのコンテンツが含まれます。
手順
Red Hat コンテンツ配信ネットワークにシステムを登録します。プロンプトが表示されたら、カスタマーポータルのユーザー名とパスワードを入力します。
# subscription-manager register
このコマンドを実行すると、以下のような出力が表示されます。
# subscription-manager register Username: user_name Password: The system has been registered with ID: 541084ff2-44cab-4eb1-9fa1-7683431bcf9a
3.2. Satellite Infrastructure サブスクリプションのアタッチ
Satellite Server の登録後に、サブスクリプションプール ID を特定して、利用可能なサブスクリプションを割り当てる必要があります。Red Hat Satellite Infrastructure のサブスクリプションを使用すると、Red Hat Satellite、Red Hat Enterprise Linux および Red Hat Software Collections (RHSCL) コンテンツにアクセスできるようになります。必要なサブスクリプションはこれだけです。
Red Hat Satellite Infrastructure は、Smart Management を提供するサブスクリプションすべてに含まれます。詳細は、Red Hat ナレッジベースのソリューション Satellite Infrastructure Subscriptions MCT3718 MCT3719 を参照してください。
サブスクリプションがシステムに割り当てられていない場合には、利用可能として分類されます。利用可能な Satellite サブスクリプションを見つけることができない場合は、Red Hat ナレッジベースソリューション How do I figure out which subscriptions have been consumed by clients registered under Red Hat Subscription Manager? を参照してスクリプトを実行し、サブスクリプションが別のシステムで使用されているかどうかを確認します。
手順
Satellite Infrastructure サブスクリプションのプール ID を特定します。
# subscription-manager list --all --available --matches 'Red Hat Satellite Infrastructure Subscription'
このコマンドを実行すると、以下のような出力が表示されます。
Subscription Name: Red Hat Satellite Infrastructure Subscription Provides: Red Hat Satellite Red Hat Software Collections (for RHEL Server) Red Hat CodeReady Linux Builder for x86_64 Red Hat Ansible Engine Red Hat Enterprise Linux Load Balancer (for RHEL Server) Red Hat Red Hat Software Collections (for RHEL Server) Red Hat Enterprise Linux Server Red Hat Satellite Capsule Red Hat Enterprise Linux for x86_64 Red Hat Enterprise Linux High Availability for x86_64 Red Hat Satellite Red Hat Satellite 5 Managed DB Red Hat Satellite 6 Red Hat Discovery SKU: MCT3719 Contract: 11878983 Pool ID: 8a85f99968b92c3701694ee998cf03b8 Provides Management: No Available: 1 Suggested: 1 Service Level: Premium Service Type: L1-L3 Subscription Type: Standard Ends: 03/04/2020 System Type: Physical
- サブスクリプションプール ID を書き留めます。上記の例と、実際のサブスクリプションプール ID は異なります。
Satellite Server の実行先のベースオペレーティングシステムに、Satellite Infrastructure サブスクリプションを割り当てます。
# subscription-manager attach --pool=pool_id
このコマンドを実行すると、以下のような出力が表示されます。
Successfully attached a subscription for: Red Hat Satellite Infrastructure Subscription
オプション: Satellite Infrastructure サブスクリプションが割り当てられていることを確認します。
# subscription-manager list --consumed
3.3. リポジトリーの設定
この手順を使用して、Satellite Server のインストールに必要なリポジトリーを有効にします。
手順
すべてのリポジトリーを無効にします。
# subscription-manager repos --disable "*"
以下のリポジトリーを有効にします。
# subscription-manager repos --enable=rhel-7-server-rpms \ --enable=rhel-7-server-satellite-6.9-rpms \ --enable=rhel-7-server-satellite-maintenance-6-rpms \ --enable=rhel-server-rhscl-7-rpms \ --enable=rhel-7-server-ansible-2.9-rpms
注記Red Hat Virtualization (RHV) がホストする仮想マシンとして、Satellite Server をインストールする場合は、Red Hat Common リポジトリーを有効にして、RHV ゲストエージェントとドライバーもインストールする必要があります。詳細はVirtual Machine Management Guideの Installing the Guest Agents and Drivers on Red Hat Enterprise Linux を参照してください。
メタデータを消去します。
# yum clean all
オプション: 必要なリポジトリーが有効になっていることを確認します。
# yum repolist enabled
3.4. Satellite Server パッケージのインストール
Satellite Server パッケージをインストールする前に、すべてのパッケージを更新する必要があります。
手順
すべてのパッケージを更新します。
# yum update
Satellite Server パッケージをインストールします。
# yum install satellite
3.5. chronyd とシステムクロックの同期
時間のずれを最小限に抑えるには、Satellite Server をインストールするベースオペレーティングシステムのシステムクロックを Network Time Protocol (NTP) サーバーと同期する必要があります。ベースオペレーティングシステムのクロックが正しく設定されていない場合には、証明書の検証に失敗する可能性があります。
chrony
スイートに関する詳細は、Red Hat Enterprise Linux 7 システム管理者ガイドの chrony スイートを使用した NTP 設定 を参照してください。
手順
chrony
パッケージをインストールします。# yum install chrony
chronyd
サービスを起動して、有効にします。# systemctl start chronyd # systemctl enable chronyd
3.6. ベースオペレーティングシステムへの SOS パッケージのインストール
ベースオペレーティングシステムに sos パッケージをインストールし、Red Hat Enterprise Linux システムから設定および診断情報を取得できるようにします。このパッケージを使用すると、Red Hat テクニカルサポートへのサービスリクエストの起票時に必要な初期システム分析を提示できます。sos
の使用方法に関する詳細は、カスタマーポータルのナレッジベースソリューション What is a sosreport and how to create one in Red Hat Enterprise Linux 4.6 and later? を参照してください。
手順
sos パッケージをインストールします。
# yum install sos
3.7. Satellite Server の設定
satellite-installer
インストールスクリプトを使用して Satellite Server をインストールします。以下の手法から 1 つ選択します。
- 「Satellite の手動設定」。この手法では、1 つまたは複数のコマンドオプションを指定して、インストールスクリプトを実行します。コマンドオプションは、対応するデフォルトの初期設定オプションを上書きし、Satellite 応答ファイルに記録されます。必要なオプションの設定に、必要に応じてスクリプトは何回でも実行することができます。
-
「応答ファイルを使用した Satellite の自動設定」この手法では、インストールスクリプトの実行時に設定プロセスを自動化する応答ファイルを使用します。デフォルトの Satellite の応答ファイルは
/etc/foreman-installer/scenarios.d/satellite-answers.yaml
です。使用中の応答ファイルは、/etc/foreman-installer/scenarios.d/satellite.yaml
設定ファイルのanswer_file
ディレクティブで設定します。
Satellite インストーラーの実行時に使用するオプションによっては、設定が完了するのに数分かかることがあります。管理者は、両方の方法でこれまでに使用されたオプションを応答ファイルで確認できます。
3.7.1. Satellite の手動設定
初期設定では、組織、場所、ユーザー名、およびパスワードが作成されます。初期設定後に、必要に応じて追加の組織と場所を作成できます。初期設定では、MongoDB および PostgreSQL データベースも同じサーバーにインストールします。
インストールプロセスの完了には、数十分かかることがあります。システムにリモートで接続する場合は、リモートシステムから切断された場合にインストールの進捗を確認できるよう、通信セッションの一時中断または再接続を許可できる screen
または tmux
などのユーティリティーを使用してください。Red Hat ナレッジベースの記事 How to use the screen command には screen
のインストールについて記載されています。または、詳しくは screen
の man ページを参照してください。インストールコマンドを実行しているシェルへの接続が切断された場合は、/var/log/foreman-installer/satellite.log
のログを参照してプロセスが正常に完了したかどうかを確認します。
手動設定に関する考慮事項
-
satellite-installer --scenario satellite --help
コマンドを使用して、利用可能なオプションとすべてのデフォルト値を表示します。値を指定しない場合は、デフォルト値が使用されます。 -
--foreman-initial-organization
オプションに、意味を持つ値を指定します。たとえば、会社名を指定できます。値に一致する内部ラベルが作成されますが、このラベルは後で変更できません。値を指定しない場合は、ラベルが Default_Organization の Default Organization という名前の組織が作成されます。組織名は変更できますが、ラベルは変更できません。 -
デフォルトでは、インストーラーが設定するすべての設定ファイルが Puppet によって管理されます。
satellite-installer
を実行すると、Puppet が管理するファイルに手動で加えられた変更が初期値で上書きされます。Satellite Server は、デフォルトでは、サービスとして実行している Puppet エージェントを使用してインストールされます。必要に応じて、--puppet-runmode=none
オプションを使用して、Satellite Server で Puppet エージェントを無効にできます。 -
DNS ファイルと DHCP ファイルを手動で管理する場合には、
--foreman-proxy-dns-managed=false
オプションと--foreman-proxy-dhcp-managed=false
オプションを使用して、各サービスに関連するファイルが Puppet で管理されないようにします。他のサービスにカスタム設定を適用する方法は、付録A Red Hat Satellite へのカスタム設定の適用 を参照してください。
手順
使用する追加オプションを指定し、以下のコマンドを入力します。
# satellite-installer --scenario satellite \ --foreman-initial-organization "initial_organization_name" \ --foreman-initial-location "initial_location_name" \ --foreman-initial-admin-username admin_user_name \ --foreman-initial-admin-password admin_password
このスクリプトは、進捗を表示し、
/var/log/foreman-installer/satellite.log
にログを記録します。
3.7.2. 応答ファイルを使用した Satellite の自動設定
応答ファイルを使用すると、カスタマイズされたオプションでインストールを自動化できます。最初の応答ファイルには、部分的に情報が入力されます。応答ファイルには、satellite-installer
スクリプトの初回実行後に、インストール向けの標準的なパラメーター値が入力されます。いつでも Satellite Server の設定は変更できます。
ネットワークの変更の場合は、可能な限り、IP アドレスの代わりに FQDN を使用する必要があります。
手順
デフォルトの応答ファイル
/etc/foreman-installer/scenarios.d/satellite-answers.yaml
をローカルファイルシステムの場所にコピーします。# cp /etc/foreman-installer/scenarios.d/satellite-answers.yaml \ /etc/foreman-installer/scenarios.d/my-answer-file.yaml
-
設定可能なすべてのオプションを表示するには、
satellite-installer --scenario satellite --help
コマンドを実行します。 - 応答ファイルのコピーを開き、ご使用の環境に適した値を編集し、ファイルを保存します。
/etc/foreman-installer/scenarios.d/satellite.yaml
ファイルを開き、カスタム応答ファイルを参照する応答ファイルエントリーを編集します。:answer_file: /etc/foreman-installer/scenarios.d/my-answer-file.yaml
satellite-installer
スクリプトを実行します。# satellite-installer --scenario satellite
3.8. Satellite Server へのサブスクリプションマニフェストのインポート
以下の手順を使用して、サブスクリプションマニフェストを Satellite Server にインポートします。
前提条件
- カスタマーポータルから、サブスクリプションマニフェストファイルをエクスポートしておくこと。詳細は、Red Hat Subscription Management の使用ガイドの マニフェストの使用 を参照してください。
手順
- Satellite Web UI で、コンテキストが、使用する組織に設定されていることを確認します。
- コンテンツ > サブスクリプション に移動して、マニフェストの管理 をクリックします。
- マニフェストの管理ウィンドウで、参照をクリックします。
- サブスクリプションマニフェストファイルが保存されている場所に移動して、表示 をクリックします。マニフェストの管理ウィンドウが自動的に終了しない場合は、終了 をクリックしてサブスクリプションウィンドウに戻ります。
CLI をご利用の場合
サブスクリプションマニフェストファイルをクライアントから Satellite Server にコピーします。
$ scp ~/manifest_file.zip root@satellite.example.com:~/.
Satellite Server に
root
ユーザーとしてログインし、サブスクリプションマニフェストファイルをインポートします。# hammer subscription upload \ --file ~/manifest_file.zip \ --organization "organization_name"
第4章 Satellite Server での追加設定の実行
4.1. Satellite Server での Red Hat Insights の使用
Red Hat Insights を使用すると、セキュリティー違反、パフォーマンスの低下、および安定性の消失に関連するシステムとダウンタイムを診断できます。ダッシュボードを使用して、安定性、セキュリティー、およびパフォーマンスの主要なリスクを素早く特定できます。また、カテゴリー別に分類したり、影響度および解決方法の詳細を表示したり、影響を受けたシステムを調べたりすることができます。
サブスクリプションマニフェストに Red Hat Insights のエンタイトルメントを追加する必要がない点に注意してください。Satellite および Red Hat Insights の詳細は、Satellite で管理される Red Hat Enterprise Linux (RHEL) 上の Red Hat Insights を参照してください。
Satellite Server を保守し、Satellite で発生する可能性のある問題を監視および診断する能力を向上させるには、Satellite Server に Red Hat Insights をインストールし、Satellite Server を Red Hat Insights に登録します。
insights-client のスケジューリング
Satellite に insights-client.timer
を設定することで、デフォルトの insights-client
実行スケジュールを変更できる点に留意してください。詳細は、Red Hat Insights のクライアント設定ガイド の insights-client スケジュールの変更 を参照してください。
手順
Satellite Server で Red Hat Insights をインストールするには、以下のコマンドを入力します。
# satellite-maintain packages install insights-client
Satellite Server を Red Hat Insights に登録するには、以下のコマンドを入力します。
# satellite-installer --register-with-insights
4.2. Red Hat Insights への登録の無効化
Satellite のインストールまたはアップグレード後に、必要に応じて Red Hat Insights の登録または登録解除を選択できます。たとえば、オフライン環境で Satellite を使用する必要がある場合は、Satellite Server から insights-client
の登録を解除できます。
前提条件
- Satellite を Red Hat カスタマーポータルに登録している。
手順
オプション: Satellite Server から Red Hat Insights の登録を解除するには、以下のコマンドを入力します。
# insights-client --unregister
オプション: Satellite Server を Red Hat Insights に登録するには、以下のコマンドを入力します。
# satellite-installer --register-with-insights
4.3. Satellite Tools 6.9 リポジトリーの有効化
Satellite Tools 6.9 のリポジトリーは、Satellite Server に登録したクライアントに katello-agent
、katello-host-tools
、および puppet
パッケージを提供します。
手順
- Satellite Web UI で、コンテンツ > Red Hat リポジトリー に移動します。
- 検索フィールドを使用して Satellite Tools 6.9 (RHEL 7 Server 用) (RPM) のリポジトリー名を入力します。
利用可能なリポジトリーペインで、Satellite Tools 6.9 (RHEL 7 Server 用) (RPM) をクリックして、リポジトリーセットを展開します。
Satellite Tools 6.9 の項目が表示されていない場合は、カスタマーポータルから取得したサブスクリプションマニフェストにその項目が含まれないことが原因として考えられます。この問題を修正するには、カスタマーポータルにログインし、これらのリポジトリーを追加し、サブスクリプションマニフェストをダウンロードして、Satellite にインポートします。
-
x86_64
エントリーでは、有効化 アイコンをクリックして、リポジトリーを有効にします。
ホストで実行している Red Hat Enterprise Linux の各サポート対象メジャーバージョンに対して Satellite Tools 6.9 リポジトリーを有効にします。Red Hat リポジトリーの有効後に、このリポジトリーの製品が自動的に作成されます。
CLI をご利用の場合
hammer repository-set enable
コマンドを使用して、Satellite Tools 6.9 リポジトリーを有効にします。# hammer repository-set enable --organization "initial_organization_name" \ --product 'Red Hat Enterprise Linux Server' \ --basearch='x86_64' \ --name 'Red Hat Satellite Tools 6.9 (for RHEL 7 Server) (RPMs)'
4.4. Satellite Tools 6.9 リポジトリーの同期
本セクションを使用して、Red Hat コンテンツ配信ネットワーク (CDN) から Satellite に Satellite Tools 6.9 リポジトリーを同期します。このリポジトリーは、Satellite Server に登録したクライアントに katello-agent
、katello-host-tools
、および puppet
パッケージを提供します。
手順
Satellite Web UI で、コンテンツ > 同期の状態 に移動します。
同期可能な製品リポジトリーのリストが表示されます。
- Red Hat Enterprise Linux Server 製品の横にある矢印をクリックして、利用可能なコンテンツを表示します。
- Satellite Tools 6.9 (RHEL 7 Server 用) RPMs x86_64 を選択します。
- 今すぐ同期 をクリックします。
CLI をご利用の場合
hammer repository synchronize
コマンドを使用して、Satellite Tools 6.9 リポジトリーを同期します。# hammer repository synchronize --organization "initial_organization_name" \ --product 'Red Hat Enterprise Linux Server' \ --name 'Red Hat Satellite Tools 6.9 for RHEL 7 Server RPMs x86_64' \ --async
4.5. IPv6 ネットワークでの UEFI HTTP ブート向けの Satellite の設定
以下の手順を使用して、UEFI HTTP ブートプロビジョニングで IPv6 ネットワークのホストをプロビジョニングするように Satellite を設定します。
前提条件
- クライアントが DHCP および HTTP サーバーにアクセスできることを確認します。
- クライアントが DHCP の要求と応答を送受信できるように、クライアントが UDP ポート 67 および 68 にアクセス可能であることを確認します。
- Satellite および Capsule からファイルおよびキックスタートテンプレートをダウンロードできるように、クライアントに対して TCP ポート 8000 が解放してあることを確認します。
- ホストプロビジョニングインターフェイスサブネットに HTTP ブート Capsule、テンプレート Capsule セットがあることを確認します。詳細は、プロビジョニングガイドの Satellite Server へのサブネットの追加 を参照してください。
- 管理 > 設定 > プロビジョニング の順に移動して、トークン期間 が 0 に設定されていないことを確認します。Satellite は、DHCPv6 サービスが管理対象外であるため、リモートの IPv6 アドレスでネットワークから起動するクライアントを特定できないので、プロビジョニングトークンは有効化しておく必要があります。
手順
- インストーラーでの DHCP 管理を無効にするか、使用しないようにします。
- IPv6 サブネットが Satellite で作成されている場合にはすべて、DHCP Capsule を空白に設定します。
- オプション: ホストおよび DHCP サーバーがルーターで隔てられている場合は、DHCP リレーエージェントを設定し、DHCP サーバーを指定しておく。
プロビジョニング元の Satellite または Capsule で、
grub2-efi
パッケージを最新版に更新します。# satellite-maintain packages install grub2-efi
- Red Hat Enterprise Linux 8 キックスタートリポジトリーを同期します。
4.6. HTTP プロキシーを使用した Satellite Server の設定
以下の手順を使用して、HTTP プロキシーで Satellite を設定します。
4.6.1. デフォルトの HTTP プロキシーの Satellite への追加
ネットワークで HTTP プロキシーを使用している場合は、Red Hat コンテンツ配信ネットワーク (CDN) または別のコンテンツソースへの要求送信に HTTP プロキシーを使用するように Satellite Server を設定できます。ネットワークの変更が原因で接続が失われるのを回避するために、可能な限り IP の代わりに FQDN を使用します。
以下の手順では、Satellite のコンテンツダウンロード専用のプロキシーを設定します。
手順
- Satellite Web UI で、インフラストラクチャー > HTTP プロキシー に移動します。
- 新しい HTTP プロキシー をクリックします。
- 名前 フィールドで、HTTP プロキシーの名前を入力します。
-
Url フィールドで、
https://proxy.example.com:8080
の形式で HTTP プロキシーの URL を入力します。 - オプション: 認証が必要な場合には、Username フィールドに認証に使用するユーザー名を入力します。
- オプション: 認証が必要な場合には、Password フィールドに認証に使用するパスワードを入力します。
- プロキシーへの接続をテストするには、テスト接続 ボタンをクリックします。
- 送信 をクリックします。
- 管理 > 設定 に移動して、コンテンツ タブをクリックします。
- 作成した HTTP プロキシーに Default HTTP Proxy 設定を指定します。
CLI をご利用の場合
http_proxy
、https_proxy
およびno_proxy
変数が設定されていないことを確認します。# unset http_proxy # unset https_proxy # unset no_proxy
HTTP プロキシーエントリーを Satellite に追加します。
# hammer http-proxy create --name=myproxy \ --url http://myproxy.example.com:8080 \ --username=proxy_username \ --password=proxy_password
Satellite がデフォルトでこの HTTP プロキシーを使用するように設定します。
# hammer settings set --name=content_default_http_proxy --value=myproxy
4.6.2. Red Hat CDN に接続するための HTTP プロキシーの設定
Satellite が Red Hat CDN に接続し、リポジトリーを同期できることを確認します。
手順
ネットワークゲートウェイと HTTP プロキシーで、以下のホスト名に対して TCP を有効にします。
ホスト名 ポート プロトコル subscription.rhsm.redhat.com
443
HTTPS
cdn.redhat.com
443
HTTPS
*.akamaiedge.net
443
HTTPS
cert-api.access.redhat.com (Red Hat Insights を使っている場合)
443
HTTPS
api.access.redhat.com (Red Hat Insights を使っている場合)
443
HTTPS
Satellite Server は、SSL を使用して Red Hat CDN との通信のセキュリティーを確保します。SSL インターセプションプロキシーを使用すると、この通信を干渉します。これらのホストはプロキシーでホワイトリスト化する必要があります。
Red Hat CDN (cdn.redhat.com) で使用されている IP アドレスの一覧は、Red Hat カスタマーポータルのナレッジベース記事 Red Hat が公開している CIDR の一覧 を参照してください。
Satellite Server の
/etc/rhsm/rhsm.conf
ファイルで、以下の詳細を記入します。# an http proxy server to use (enter server FQDN) proxy_hostname = myproxy.example.com # port for http proxy server proxy_port = 8080 # user name for authenticating to an http proxy, if needed proxy_user = # password for basic http proxy auth, if needed proxy_password =
4.6.3. カスタムポートでの Satellite へのアクセスを確保するように SELinux を設定する手順
SELinux を使用すると、Red Hat Satellite 6 と Red Hat Subscription Manager は、特定のポートにしかアクセスできます。HTTP キャッシュの場合には、TCP ポートは 8080、8118、8123、および 10001 - 10010 を使用できます。SELinux タイプが http_cache_port_t
のポートを使用する場合には、以下の手順を実行してください。
手順
Satellite で以下のコマンドを実行して、SELinux で HTTP キャッシュに許可されているポートを確認します。
# semanage port -l | grep http_cache http_cache_port_t tcp 8080, 8118, 8123, 10001-10010 [output truncated]
以下のコマンドを実行して、SELinux が HTTP キャッシュにポート (たとえば、8088) を許可するよう設定します。
# semanage port -a -t http_cache_port_t -p tcp 8088
4.6.4. 全 Satellite HTTP 要求での HTTP プロキシーの使用
Satellite Server は、HTTP および HTTPS をブロックするファイアウォールの内側に設定する必要がある場合に、コンピュートリソースなどの外部システムとの通信に使用するプロキシーを設定してください。
プロビジョニングにコンピュートリソースを使用し、コンピュートリソースと、異なる HTTP プロキシーを併用する場合には、コンピュートリソースに設定したプロキシーではなく、Satellite 通信すべてに設定したプロキシーが優先されます。
手順
- Satellite Web UI で、管理 > 設定に移動します。
- HTTP(S) プロキシー 行で、隣接する Value 列を選択し、プロキシー URL を入力します。
- チェックのアイコンをクリックして変更を保存します。
CLI をご利用の場合
以下のコマンドを入力します。
# hammer settings set --name=http_proxy --value=Proxy_URL
4.6.5. プロキシー化された要求を受信しないようにホストを除外する手順
Satellite HTTP または HTTPS 要求に HTTP プロキシーを使用する場合は、プロキシー経由で通信しないように、特定のホストを除外できます。
手順
- Satellite Web UI で、管理 > 設定に移動します。
- HTTP(S) proxy except hosts の行で、隣接する Value の列を選択して、プロキシー要求から除外する、1 つまたは複数のホストの名前を入力します。
- チェックのアイコンをクリックして変更を保存します。
CLI をご利用の場合
以下のコマンドを入力します。
# hammer settings set --name=http_proxy_except_list --value=[hostname1.hostname2...]
4.6.6. HTTP プロキシーのリセット
現在の HTTP プロキシーの設定をリセットする場合には、Default HTTP Proxy 設定を解除します。
手順
- 管理 > 設定 に移動して、コンテンツ タブをクリックします。
- Default HTTP Proxy の設定を no global default に指定します。
CLI をご利用の場合
content_default_http_proxy
の設定を空の文字列に設定します。# hammer settings set --name=content_default_http_proxy --value=""
4.7. 管理対象ホスト上での電源管理の有効化
Intelligent Platform Management Interface (IPMI) または類似するプロトコルを使用して管理対象ホストで電源管理タスクを実行するには、Satellite Server でベースボード管理コントローラー (BMC) モジュールを有効にする必要があります。
前提条件
- すべての管理対象ホストには、BMC タイプのネットワークインターフェイスが必要である。Satellite Server はこの NIC を使用して、適切な認証情報をホストに渡します。詳細は、ホストの管理ガイドの ベースボード管理コントローラー (BMC) インターフェイスの追加 を参照してください。
手順
BMC を有効にするには、以下のコマンドを入力します。
# satellite-installer --foreman-proxy-bmc "true" \ --foreman-proxy-bmc-default-provider "freeipmi"
4.8. Satellite Server での DNS、DHCP および TFTP の設定
DNS、DHCP および TFTP サービスを Satellite Server で設定するには、お使いの環境に適したオプションを指定して satellite-installer
コマンドを使用します。設定可能なオプションの全リストを表示するには、satellite-installer --scenario satellite --help
コマンドを入力します。
設定を変更するには、satellite-installer
コマンドを再び実行する必要があります。コマンドは複数回実行でき、実行するたびにすべての設定ファイルが変更された値で更新されます。
代わりに外部の DNS、DHCP および TFTP サービスを使用するには、5章外部サービスでの Satellite Server の設定 を参照してください。
Multihomed DHCP の詳細の追加
Multihomed DHCP を使用する場合は、ネットワークインターフェイスファイルの更新が必要です。
/etc/systemd/system/dhcpd.service.d/interfaces.conf
ファイルで、以下の行を編集して Multihomed DHCP を追加します。[Service] ExecStart=/usr/sbin/dhcpd -f -cf /etc/dhcp/dhcpd.conf -user dhcpd -group dhcpd --no-pid eth0 eth1 eth2
このファイルがまだ存在しない場合は作成します。
以下のコマンドを入力して、デーモンのリロードを実行します。
# systemctl --system daemon-reload
以下のコマンドを入力して、dhcpd サービスを再起動します。
# systemctl restart dhcpd.service
前提条件
以下の情報が利用可能であることを確認する。
- DHCP IP アドレス範囲
- DHCP ゲートウェイ IP アドレス
- DHCP ネームサーバー IP アドレス
- DNS 情報
- TFTP サーバー名
- ネットワークの変更の場合は、可能な限り、IP アドレスの代わりに FQDN を使用します。
- ネットワーク管理者に連絡して正しい設定が行われていることを確認する。
手順
お使いの環境に適したオプションで、
satellite-installer
コマンドを入力してください。以下の例では、完全なプロビジョニングサービスの設定を示しています。# satellite-installer --scenario satellite \ --foreman-proxy-dns true \ --foreman-proxy-dns-managed true \ --foreman-proxy-dns-interface eth0 \ --foreman-proxy-dns-zone example.com \ --foreman-proxy-dns-reverse 2.0.192.in-addr.arpa \ --foreman-proxy-dhcp true \ --foreman-proxy-dhcp-managed true \ --foreman-proxy-dhcp-interface eth0 \ --foreman-proxy-dhcp-range "192.0.2.100 192.0.2.150" \ --foreman-proxy-dhcp-gateway 192.0.2.1 \ --foreman-proxy-dhcp-nameservers 192.0.2.2 \ --foreman-proxy-tftp true \ --foreman-proxy-tftp-managed true \ --foreman-proxy-tftp-servername 192.0.2.3
プロンプトに表示される satellite-installer
コマンドの進行状況を監視できます。/var/log/foreman-installer/satellite.log
でログを表示できます。/etc/foreman-installer/scenarios.d/satellite-answers.yaml
ファイルで、使用されている設定 (initial_admin_password
パラメーターなど) を表示できます。
DHCP、DNS および TFTP サービスの設定に関する情報は、プロビジョニングガイドの ネットワークサービスの設定 セクションを参照してください。
4.9. 管理対象外ネットワークに対する DNS、DHCP、および TFTP の無効化
TFTP、DHCP および DNS サービスを手動で管理する場合には、Satellite がオペレーティングシステム上でこれらのサービスを管理しないようにし、オーケストレーションを無効にして、DHCP および DNS バリデーションエラーを回避する必要があります。ただし、Satellite ではオペレーティングシステムのバックエンドサービスは削除されません。
手順
Satellite Server で以下のコマンドを入力します。
# satellite-installer --foreman-proxy-dhcp false \ --foreman-proxy-dns false \ --foreman-proxy-tftp false
- Satellite Web UI で、インフラストラクチャー > Capsule に移動し、サブネットを選択します。
- Capsules タブで、DHCP Capsule、TFTP Capsule、および 逆引き DNS Capsule を選択します。
- インフラストラクチャー > ドメイン に移動し、ドメインを選択します。
- DNS Capsule フィールドの内容を消去します。
オプション: サードパーティーが提供する DHCP サービスを使用する場合は、以下のオプションを渡すように DHCP サーバーを設定します。
Option 66: IP address of Satellite or Capsule Option 67: /pxelinux.0
DHCP オプションの詳細は RFC 2132 を参照してください。
Satellite 6 は、Capsule が該当するサブネットとドメインに設定されていない場合にオーケストレーションを実行しません。Capsule の関連付けを有効または無効にした場合に、想定のレコードと設定ファイルが存在しないと、既存のホストのオーケストレーションコマンドが失敗することがあります。オーケストレーションを有効にするために Capsule を関連付ける場合は、今後、ホストの削除に失敗しないように、既存の Satellite ホストに対して必要な DHCP レコード、DNS レコード、TFTP ファイルが所定の場所にあることを確認します。
4.10. Satellite Server での送信メールの設定
Satellite Server からメールメッセージを送信するには、SMTP サーバーまたは sendmail
コマンドのいずれかを使用できます。
手順
- Satellite Web UI で、管理 → 設定 に移動します。
Email タブをクリックして、希望する配信方法に一致する設定オプションを設定します。変更は即座に反映されます。
以下の例は、SMTP サーバーを使用する場合の設定オプションの例を示しています。
表4.1 配信方法に SMTP サーバーを使用する例 名前 値例 配信方法
SMTP
SMTP アドレス
smtp.example.com
SMTP 認証
ログイン
SMTP HELO/EHLO ドメイン
example.com
SMTP パスワード
パスワード
SMTP ポート
25
SMTP ユーザー名
user@example.com
SMTP ユーザー名
とSMTP パスワード
では、SMTP サーバーのログイン認証情報を指定します。以下の例では、gmail.com が SMTP サーバーとして使用されています。
表4.2 gmail.com を SMTP サーバーとして使用する例 名前 値例 配信方法
SMTP
SMTP アドレス
smtp.gmail.com
SMTP 認証
plain
SMTP HELO/EHLO ドメイン
smtp.gmail.com
SMTP enable StartTLS auto
あり
SMTP パスワード
パスワード
SMTP ポート
587
SMTP ユーザー名
user@gmail.com
以下の例では、
sendmail
コマンドが配信方法として使用されています。表4.3 配信方法に sendmail を使用する例 名前 値例 配信方法
Sendmail
Sendmail の引数
-i -t -G
Sendmail の引数
では、sendmail
コマンドに渡すオプションを指定します。デフォルト値は、-i -t
です。詳細は、sendmail 1 の man ページを参照してください。
TLS 認証を使用する SMTP サーバーで電子メールを送信する場合は、以下のいずれかの手順を実行してください。
SMTP サーバーの CA 証明書を信頼済みとしてマークします。このようにマークするには、Satellite Server で以下のコマンドを実行します。
# cp mailca.crt /etc/pki/ca-trust/source/anchors/ # update-ca-trust enable # update-ca-trust
ここで、
mailca.crt
は SMTP サーバーの CA 証明書です。-
別の方法では、Web UI の
SMTP enable StartTLS auto
オプションをNo
に設定します。
-
Test email をクリックしてユーザーのメールアドレスにテストメッセージを送信し、設定が機能していることを確認します。メッセージの送信に失敗する場合は、Web UI でエラーが表示されます。詳細については、
/var/log/foreman/production.log
のログを確認してください。
個別ユーザーまたはユーザーグループに対する電子メール通知の設定に関する詳細は、Red Hat Satellite の管理の メール通知の設定 を参照してください。
4.11. Satellite 向けの別の CNAME の設定
Satellite 向けに別の CNAME を設定できます。これは、Satellite に接続するクライアントシステムとは別のドメイン名で、Satellite Web インターフェイスをデプロイする場合に便利です。新規証明書をホストにもう一度デプロイしなくてもいいように、Capsule をインストールして Satellite にホストを登録する前に、別の CNAME 設定を事前に計画しておく必要があります。
4.11.1. 別の CNAME を使用した Satellite の設定
以下の手順を使用して、別の CNAME で Satellite を設定します。デフォルトの Satellite 証明書のユーザーとカスタム証明書のユーザーでは、手順が異なることに留意してください。
デフォルトの Satellite 証明書を使用する場合
デフォルトの Satellite 証明書で Satellite をインストールし、別の CNAME で Satellite を設定する場合には、Satellite で以下のコマンドを入力して、追加の CNAME で新たにデフォルトの Satellite SSL 証明書を生成します。
# satellite-installer --certs-cname alternate_fqdn --certs-update-server
-
Satellite をインストールしていない場合には、
satellite-installer
コマンドに--certs-cname alternate_fqdn
オプションを追加して Satellite を別の CNAME でインストールしてください。
カスタム証明書を使用する場合
カスタム証明書で Satellite を使用する場合は、カスタム証明書の作成時に、別の CNAME レコードをカスタム証明書に追加します。詳細は、Satellite Server 向けのカスタムの SSL 証明書の作成 を参照してください。
4.11.2. ホストが別の Satellite CNAME を使用してコンテンツを管理する設定
Satellite が別の CNAME で設定されている場合には、コンテンツ管理にもう 1 つの Satellite CNAME を使用するようにホストを設定できます。これには、ホストがもう 1 つの Satellite CNAME を参照するように設定してから、Satellite に登録する必要があります。この設定は、ブートストラップスクリプトを使用するか、手動で実行できます。
ブートストラップスクリプトを使用したホストの設定
ホストで --server alternate_fqdn.example.com
オプションを指定してブートストラップスクリプトを実行し、ホストを別の Satellite CNAME に登録します。
# ./bootstrap.py --server alternate_fqdn.example.com
ホストの手動設定
ホストで /etc/rhsm/rhsm.conf
ファイルを編集して、以下のように別のホスト名を参照するように hostname
および baseurl
設定を更新します。
[server] # Server hostname: hostname = alternate_fqdn.example.com content omitted [rhsm] # Content base URL: baseurl=https://alternate_fqdn.example.com/pulp/repos
これで、subscription-manager
でホストを登録できました。
4.12. カスタムの SSL 証明書を使用した Satellite Server の設定
デフォルトでは、Red Hat Satellite 6 は自己署名の SSL 証明書を使用して、Satellite Server、外部の Capsule Server および全ホストの間で暗号化した通信ができるようにします。Satellite 自己署名の証明書を使用できない場合には、外部の証明局で署名した SSL 証明書を使用するように Satellite Server を設定できます。
カスタムの証明書で Satellite Server を設定するには、以下の手順を実行します。
- 「Satellite Server 向けのカスタム SSL 証明書の作成」
- 「カスタムの SSL 証明書の Satellite Server へのデプロイ」
- 「ホストへの カスタム SSL 証明書のデプロイ」
- Satellite Server に外部の Capsule Server を登録した場合には、カスタムの SSL 証明書を使用して設定する必要があります。同じ証明局を使用して Satellite Server と Capsule Server の証明書を署名する必要がある。詳細は、Capsule Server のインストールの カスタム SSL 証明書を使用した Capsule Server の設定 を参照してください。
4.12.1. Satellite Server 向けのカスタム SSL 証明書の作成
この手順を使用して、Satellite Server 用にカスタムの SSL 証明書を作成します。Satellite Server 用のカスタムの SSL 証明書がある場合にはこの手順は省略してください。
カスタム証明書を使用して Satellite Server を設定する場合には、次の点を考慮してください。
- SSL 証明書には、Privacy-Enhanced Mail (PEM) エンコードを使用する必要がある。
- Satellite Server と Capsule Server の両方に、同じ証明書を使用できない。
- 同じ証明局を使用して Satellite Server と Capsule Server の証明書を署名する必要がある。
手順
カスタムの SSL 証明書を作成するには、以下の手順を実行します。
ソースの証明書ファイルすべてを保存するには、
root
ユーザーだけがアクセスできるディレクトリーを作成します。# mkdir /root/satellite_cert
Certificate Signing Request (CSR) を署名する秘密鍵を作成します。
秘密鍵は暗号化する必要がないことに注意してください。パスワードで保護された秘密鍵を使用する場合は、秘密鍵のパスワードを削除します。
この Satellite Server の秘密鍵がすでにある場合は、この手順を省略します。
# openssl genrsa -out
/root/satellite_cert/satellite_cert_key.pem
4096証明書署名要求 (CSR) 用の
/root/satellite_cert/openssl.cnf
設定ファイルを作成して、以下のコンテンツを追加します。[ req ] req_extensions = v3_req distinguished_name = req_distinguished_name x509_extensions = usr_cert prompt = no [ req_distinguished_name ] 1 C = Country Name (2 letter code) ST = State or Province Name (full name) L = Locality Name (eg, city) O = Organization Name (eg, company) OU = The division of your organization handling the certificate CN = satellite.example.com 2 [ v3_req ] basicConstraints = CA:FALSE keyUsage = digitalSignature, nonRepudiation, keyEncipherment, dataEncipherment extendedKeyUsage = serverAuth, clientAuth, codeSigning, emailProtection subjectAltName = @alt_names [ usr_cert ] basicConstraints=CA:FALSE nsCertType = client, server, email keyUsage = nonRepudiation, digitalSignature, keyEncipherment extendedKeyUsage = serverAuth, clientAuth, codeSigning, emailProtection nsComment = "OpenSSL Generated Certificate" subjectKeyIdentifier=hash authorityKeyIdentifier=keyid,issuer [ alt_names ] DNS.1 = satellite.example.com 3
- 1
[ req_distinguished_name ]
セクションに、貴社の組織の情報を入力します。- 2
- 証明書のコモンネーム
CN
を、Satellite Server の完全修飾ドメイン名 (FQDN) と一致するように設定します。FQDN を確認するには、対象の Satellite Server でhostname -f
コマンドを入力します。これは、katello-certs-check
コマンドが証明書を正しく検証することを確認するために必要です。 - 3
- サブジェクトの別名 (SAN: Subject Alternative Name)
DNS.1
を、お使いのサーバーの完全修飾ドメイン名 (FQDN) に一致する用に設定します。
証明書署名要求 (CSR) を作成します。
# openssl req -new \ -key /root/satellite_cert/satellite_cert_key.pem \ 1 -config /root/satellite_cert/openssl.cnf \ 2 -out /root/satellite_cert/satellite_cert_csr.pem 3
証明局に証明書署名要求を送信します。同じ証明局を使用して Satellite Server と Capsule Server の証明書を署名する必要がある。
要求を送信する場合は、証明書の有効期限を指定してください。証明書要求を送信する方法は異なるため、推奨の方法について認証局にお問い合わせください。要求への応答で、認証局バンドルと署名済み証明書を別々のファイルで受け取ることになります。
4.12.2. カスタムの SSL 証明書の Satellite Server へのデプロイ
この手順を使用して、Satellite Server が、認証局で署名されたカスタムの SSL 署名書を使用するように設定します。katello-certs-check
コマンドは、入力した証明書ファイルを検証して、Satellite Server にカスタムの SSL 証明書をデプロイするのに必要なコマンドを返します。
手順
Satellite Server にカスタムの証明書をデプロイするには、以下の手順を実行します。
カスタムの SSL 証明書入力ファイルを検証します。
katello-certs-check
コマンドが正しく実行されるには、証明書のコモンネーム (CN) が Satellite Server の FQDN と一致する必要があることに注意してください。# katello-certs-check \ -c /root/satellite_cert/satellite_cert.pem \ 1 -k /root/satellite_cert/satellite_cert_key.pem \ 2 -b /root/satellite_cert/ca_cert_bundle.pem 3
このコマンドに成功すると、2 つの
satellite-installer
コマンドが返されます。1 つは、Satellite Server に証明書をデプロイするのに使用する必要があります。katello-certs-check
の出力例Validation succeeded. To install the Red Hat Satellite Server with the custom certificates, run: satellite-installer --scenario satellite \ --certs-server-cert "/root/satellite_cert/satellite_cert.pem" \ --certs-server-key "/root/satellite_cert/satellite_cert_key.pem" \ --certs-server-ca-cert "/root/satellite_cert/ca_cert_bundle.pem" To update the certificates on a currently running Red Hat Satellite installation, run: satellite-installer --scenario satellite \ --certs-server-cert "/root/satellite_cert/satellite_cert.pem" \ --certs-server-key "/root/satellite_cert/satellite_cert_key.pem" \ --certs-server-ca-cert "/root/satellite_cert/ca_cert_bundle.pem" \ --certs-update-server --certs-update-server-ca
要件に合わせて
katello-certs-check
コマンドの出力から、satellite-installer
コマンドを入力し、カスタムの SSL 証明書で新しい Satellite をインストールするか、現在実行中の Satellite の証明書を更新します。実行するコマンドが不明な場合には、
/etc/foreman-installer/scenarios.d/.installed
が存在するかをチェックし、Satellite がインストールされていることが確認できます。ファイルが存在する場合には、2 番目のsatellite-installer
コマンドを実行すると証明書が更新されます。重要証明書のデプロイ後に、証明書のアーカイブファイルを削除しないでください。Satellite Server のアップグレード時などに必要です。
-
Satellite Server にネットワークでアクセスできるコンピューターで、この URL (
https://satellite.example.com
) に移動します。 - ブラウザーで、証明書の詳細を表示して、デプロイした証明書を確認します。
4.12.3. ホストへの カスタム SSL 証明書のデプロイ
Satellite Server がカスタムの SSL 証明書を使用する用に設定した後に、Satellite Server に登録されている全ホストに katello-ca-consumer
パッケージもインストールする必要があります。
手順
各ホストに
katello-ca-consumer
パッケージをインストールします。# yum localinstall \ http://satellite.example.com/pub/katello-ca-consumer-latest.noarch.rpm
4.13. Satellite での外部データベースの使用
Red Hat Satellite のインストールプロセスの一部として、satellite-installer コマンドは MongoDB および PostgreSQL のデータベースを Satellite と同じサーバー上にインストールします。Satellite のデプロイメントによっては、デフォルトのローカルにあるデータベースの代わりに外部データベースを使用すると、サーバーの負荷を軽減される場合があります。外部データベースに MongoDB と PostgreSQL のどちらのデータベースが使用できるか (または両方使用できるか) については、要件によって異なります。
Red Hat では、外部データベースのメンテナーンスのサポートやそのためのツールは提供していません。これにはバックアップ、アップグレード、データベースのチューニングが含まれます。外部データベースをサポートし、管理する自社のデータベース管理者が必要です。
外部データベースとして MongoDB を使用する際の注意点 および 外部データベースとして PostgreSQL を使用する際の注意点 を参照して、Satellite デプロイメントに外部データベースを使用するかどうかを決定します。
Satellite 用に外部データベースを作成して使用するには、以下の手順を実行します。
- 「外部データベース用のホストの準備」: 外部データベースをホストするように Red Hat Enterprise Linux 7 サーバーを準備します。
-
「MongoDB のインストール」。
pulp_database
を所有するpulp
ユーザーで MongoDB を準備します。 - 「PostgreSQL のインストール」Satellite、Candlepin、Pulp のデータベースを使用して PostgreSQL を準備し、それらを所有する専用ユーザーを配置します。
-
「外部データベースを使用するための Satellite の設定」。新規データベースを参照するように
satellite-installer
のパラメーターを編集し、satellite-installer
を実行します。
4.13.1. 外部データベースとして MongoDB を使用する際の注意点
Pulp は MongoDB データベースを使用します。MongoDB を外部データベースとして使用する場合は、以下の情報を参照してお使いの Satellite 設定にこのオプションが適しているかどうかを判別してください。Satellite は MongoDB バージョン 3.4 をサポートしています。
外部 MongoDB の利点
- Satellite 上の空きメモリーと空き CPU が増えます。
- Satellite 操作にマイナスの影響をもたらすことなく MongoDB サーバーのシステムを調整する柔軟性が得られます。
外部 MongoDB のマイナス点
- デプロイメントの複雑性が増し、問題解決がより困難になります。
- 外部 MongoDB サーバーの場合は、パッチおよびメンテナーンス対象に新たなシステムが加わることになります。
- Satellite または Mongo データベースサーバーのいずれかにハードウェアまたはストレージ障害が発生すると、Satellite が機能しなくなります。
- Satellite と外部データベースサーバーの間でレイテンシーが発生すると、パフォーマンスに影響が出る可能性があります。
FIPS 関連の制限
- FIPS モードの Satellite で外部 MongoDB を使用することはできません。
4.13.2. 外部データベースとして PostgreSQL を使用する際の注意点
Foreman、Katello、および Candlepin は PostgreSQL データベースを使用します。PostgreSQL を外部データベースとして使用する場合は、以下の情報を参照してお使いの Satellite 設定にこのオプションが適しているかどうかを判別してください。Satellite は PostgreSQL バージョン 12.1 をサポートします。
外部 PostgreSQL の利点
- Satellite 上の空きメモリーと空き CPU が増えます。
-
PostgreSQL データベースで
shared_buffers
を高い値に設定しても、Satellite 上の他のサービスの妨げるリスクがありません。 - Satellite 操作にマイナスの影響をもたらすことなく PostgreSQL サーバーのシステムを調整する柔軟性が得られます。
外部 PostgreSQL のマイナス点
- デプロイメントの複雑性が増し、問題解決がより困難になります。
- 外部 PostgreSQL サーバーの場合は、パッチおよびメンテナーンス対象に新たなシステムが加わることになります。
- Satellite または PostgreSQL データベースサーバーのいずれかにハードウェアまたはストレージ障害が発生すると、Satellite が機能しなくなります。
- Satellite Server とデータベースサーバーの間でレイテンシーが発生すると、パフォーマンスに影響が出ます。
お使いの Satellite 上の PostgreSQL データベースが原因でパフォーマンスの低下が生じている可能性がある場合は、Satellite 6: How to enable postgres query logging to detect slow running queries を参照して時間のかかっているクエリーがあるかどうか判定します。1 秒以上かかるクエリーがある場合は、通常、大規模インストールのパフォーマンスが原因であることが多く、外部データベースに移行しても問題解決が期待できません。時間のかかっているクエリーがある場合は、Red Hat サポートチームまでお問い合わせください。
4.13.3. 外部データベース用のホストの準備
新しくプロビジョニングされたシステムに最新の Red Hat Enterprise Linux 7 サーバーをインストールして、外部データベースをホストします。
Red Hat Software Collections および Red Hat Enterprise Linux のサブスクリプションでは、外部データベースと Satellite を併用する場合に、正しいサービスレベルアグリーメントが提供されません。外部データベースに使用するベースオペレーティングシステムにも、Satellite サブスクリプションをアタッチする必要があります。
前提条件
- Red Hat Enterprise Linux 7 サーバーが Satellite の ストレージ要件 を満たしていること。
手順
- Satellite Infrastructure サブスクリプションのアタッチ の手順に従い、サーバーに Satellite サブスクリプションをアタッチします。
すべてのリポジトリーを無効にし、以下のリポジトリーのみを有効にします。
# subscription-manager repos --disable '*' # subscription-manager repos --enable=rhel-server-rhscl-7-rpms \ --enable=rhel-7-server-rpms --enable=rhel-7-server-satellite-6.9-rpms
4.13.4. MongoDB のインストール
インストール可能な MongoDB は、内部データベースのインストール中に satellite-installer
ツールでインストールされたものと同じバージョンの MongoDB のみになります。MongoDB はサポート対象のバージョンであれば、Red Hat Software Collections (RHSCL) リポジトリーからまたは外部ソースからインストールすることが可能です。Satellite は MongoDB バージョン 3.4 をサポートしています。
手順
MongoDB をインストールするには、以下のコマンドを入力します。
# yum install rh-mongodb34 rh-mongodb34-syspaths
rh-mongodb34 サービスを起動して有効にします。
# systemctl start rh-mongodb34-mongod # systemctl enable rh-mongodb34-mongod
pulp_database データベース用に、MongoDB に Pulp ユーザーを作成します。
# mongo pulp_database \ --eval "db.createUser({user:'pulp',pwd:'pulp_password',roles:[{role:'dbOwner', db:'pulp_database'},{ role: 'readWrite', db: 'pulp_database'}]})"
/etc/opt/rh/rh-mongodb34/mongod.conf
ファイルでバインド IP を指定します。bindIp: your_mongodb_server_bind_IP,::1
/etc/opt/rh/rh-mongodb34/mongod.conf
ファイルを編集してsecurity
セクションの認証を有効にします。security: authorization: enabled
rh-mongodb34-mongod
サービスを再起動します。# systemctl restart rh-mongodb34-mongod
MongoDB にポート 27017 を開きます。
# firewall-cmd --add-port=27017/tcp # firewall-cmd --runtime-to-permanent
Satellite Server から、データベースにアクセスできることをテストします。接続が成功すると、コマンドから
1
が返ります。# scl enable rh-mongodb34 " mongo --host mongo.example.com \ -u pulp -p pulp_password --port 27017 --eval 'ping:1' pulp_database"
4.13.5. PostgreSQL のインストール
インストール可能な PostgreSQL は、内部データベースのインストール中に satellite-installer
ツールでインストールされたものと同じバージョンの PostgreSQL のみになります。PostgreSQL はサポート対象のバージョンであれば、Red Hat Enteprise Linux Server 7 リポジトリーからまたは外部ソースからインストールすることが可能です。Satellite は PostgreSQL バージョン 12.1 をサポートします。
手順
PostgreSQL をインストールするには、以下のコマンドを入力します。
# yum install rh-postgresql12-postgresql-server \ rh-postgresql12-syspaths \ rh-postgresql12-postgresql-evr
PostgreSQL を初期化するには、以下のコマンドを入力します。
# postgresql-setup initdb
/var/opt/rh/rh-postgresql12/lib/pgsql/data/postgresql.conf
ファイルを編集します。# vi /var/opt/rh/rh-postgresql12/lib/pgsql/data/postgresql.conf
#
を削除して、着信接続をリッスンするようにします。listen_addresses = '*'
/var/opt/rh/rh-postgresql12/lib/pgsql/data/pg_hba.conf
ファイルを編集します。# vi /var/opt/rh/rh-postgresql12/lib/pgsql/data/pg_hba.conf
以下の行をファイルに追加します。
host all all Satellite_ip/24 md5
PostgreSQL サービスを起動し、有効にするには、以下のコマンドを実行します。
# systemctl start postgresql # systemctl enable postgresql
外部 PostgreSQL サーバーで postgresql ポートを開きます。
# firewall-cmd --add-service=postgresql # firewall-cmd --runtime-to-permanent
postgres
ユーザーに切り替え、PostgreSQL クライアントを起動します。$ su - postgres -c psql
3 つのデータベースと専用のロールを作成します。1 つは Satellite 用、1 つは Candlepin 用、もう 1 つは Pulp 用です。
CREATE USER "foreman" WITH PASSWORD 'Foreman_Password'; CREATE USER "candlepin" WITH PASSWORD 'Candlepin_Password'; CREATE USER "pulp" WITH PASSWORD 'Pulpcore_Password'; CREATE DATABASE foreman OWNER foreman; CREATE DATABASE candlepin OWNER candlepin; CREATE DATABASE pulpcore OWNER pulp;
postgres
ユーザーをログアウトします。# \q
Satellite Server から、データベースにアクセスできることをテストします。接続に成功した場合には、コマンドは
1
を返します。# PGPASSWORD='Foreman_Password' psql -h postgres.example.com -p 5432 -U foreman -d foreman -c "SELECT 1 as ping" # PGPASSWORD='Candlepin_Password' psql -h postgres.example.com -p 5432 -U candlepin -d candlepin -c "SELECT 1 as ping" # PGPASSWORD='Pulpcore_Password' psql -h postgres.example.com -p 5432 -U pulpcore -d pulpcore -c "SELECT 1 as ping"
4.13.6. 外部データベースを使用するための Satellite の設定
satellite-installer
コマンドを使用して Satellite が外部の MongoDB と PostgreSQL データベースに接続するように設定します。
前提条件
- Red Hat Enterprise Linux サーバーに MongoDB および PostgreSQL データベースをインストールおよび設定していること。
手順
Satellite の外部データベースを設定するには以下のコマンドを入力します。
satellite-installer --scenario satellite \ --foreman-db-host postgres.example.com \ --foreman-db-password Foreman_Password \ --foreman-db-database foreman \ --foreman-db-manage false \ --katello-candlepin-db-host postgres.example.com \ --katello-candlepin-db-name candlepin \ --katello-candlepin-db-password Candlepin_Password \ --katello-candlepin-manage-db false \ --foreman-proxy-content-pulpcore-manage-postgresql false \ --foreman-proxy-content-pulpcore-postgresql-host postgres.example.com \ --foreman-proxy-content-pulpcore-postgresql-db-name pulpcore \ --foreman-proxy-content-pulpcore-postgresql-password Pulpcore_Password \ --katello-pulp-db-username pulp \ --katello-pulp-db-password pulp_password \ --katello-pulp-db-seeds mongo.example.com:27017 \ --katello-pulp-db-name pulp_database
データベースのステータスを確認します。
PostgreSQL の場合は、以下のコマンドを実行します。
# satellite-maintain service status --only postgresql
MongoDB の場合は、以下のコマンドを実行します。
# satellite-maintain service status --only rh-mongodb34-mongod
4.14. mongod へのアクセスの制限
データ損失の危険を減らすために、MongoDB データベースデーモン mongod
へのアクセスは apache
ユーザーと root
ユーザーにだけ設定する必要があります。
ご使用の Satellite Server の mongod
へのアクセスを制限するには、ファイアウォール設定を更新する必要があります。
手順
以下のコマンドを入力して、ファイアウォール設定を更新します。
# firewall-cmd --direct --add-rule ipv4 filter OUTPUT 0 -o lo -p \ tcp -m tcp --dport 27017 -m owner --uid-owner apache -j ACCEPT \ && firewall-cmd --direct --add-rule ipv6 filter OUTPUT 0 -o lo -p \ tcp -m tcp --dport 27017 -m owner --uid-owner apache -j ACCEPT \ && firewall-cmd --direct --add-rule ipv4 filter OUTPUT 0 -o lo -p \ tcp -m tcp --dport 27017 -m owner --uid-owner root -j ACCEPT \ && firewall-cmd --direct --add-rule ipv6 filter OUTPUT 0 -o lo -p \ tcp -m tcp --dport 27017 -m owner --uid-owner root -j ACCEPT \ && firewall-cmd --direct --add-rule ipv4 filter OUTPUT 1 -o lo -p \ tcp -m tcp --dport 27017 -j DROP \ && firewall-cmd --direct --add-rule ipv6 filter OUTPUT 1 -o lo -p \ tcp -m tcp --dport 27017 -j DROP \ && firewall-cmd --direct --add-rule ipv4 filter OUTPUT 0 -o lo -p \ tcp -m tcp --dport 28017 -m owner --uid-owner apache -j ACCEPT \ && firewall-cmd --direct --add-rule ipv6 filter OUTPUT 0 -o lo -p \ tcp -m tcp --dport 28017 -m owner --uid-owner apache -j ACCEPT \ && firewall-cmd --direct --add-rule ipv4 filter OUTPUT 0 -o lo -p \ tcp -m tcp --dport 28017 -m owner --uid-owner root -j ACCEPT \ && firewall-cmd --direct --add-rule ipv6 filter OUTPUT 0 -o lo -p \ tcp -m tcp --dport 28017 -m owner --uid-owner root -j ACCEPT \ && firewall-cmd --direct --add-rule ipv4 filter OUTPUT 1 -o lo -p \ tcp -m tcp --dport 28017 -j DROP \ && firewall-cmd --direct --add-rule ipv6 filter OUTPUT 1 -o lo -p \ tcp -m tcp --dport 28017 -j DROP
変更を永続化します。
# firewall-cmd --runtime-to-permanent
4.15. 事前定義済みプロファイルを使用した Satellite Server の調整
Satellite のデプロイメントに 5000 台を超えるホストが含まれる場合には、事前定義済みの tuning プロファイルを使用して Satellite のパフォーマンスを向上できます。
Capsule では tuning プロファイルを使用できない点に注意してください。
Satellite が管理するホストの数と利用可能なハードウェアリソースに応じて、プロファイルの 1 つを選択できます。
tuning プロファイルは、/usr/share/foreman-installer/config/foreman.hiera/tuning/sizes
ディレクトリーにあります。
--tuning
オプションを指定して satellite-installer
コマンドを実行した場合には、デプロイメント設定が以下の順番で Satellite Server に適用されます。
-
/usr/share/foreman-installer/config/foreman.hiera/tuning/common.yaml
ファイルで定義したデフォルトの tuning プロファイル -
/usr/share/foreman-installer/config/foreman.hiera/tuning/sizes/
ディレクトリーで定義され、デプロイメントに適用する tuning プロファイル -
オプション:
/etc/foreman-installer/custom-hiera.yaml
ファイルを設定した場合、Satellite はこれらの設定を適用します。
/etc/foreman-installer/custom-hiera.yaml
ファイルで定義した設定は、tuning プロファイルで定義した設定を上書きすることに注意してください。
したがって、tuning プロファイルを適用する前に、/usr/share/foreman-installer/config/foreman.hiera/tuning/common.yaml
のデフォルトの tuning プロファイルに定義されている設定、適用する tuning プロファイル、および /etc/foreman-installer/custom-hiera.yaml
ファイルを比較して、重複する設定内容を /etc/foreman-installer/custom-hiera.yaml
ファイルから削除する必要があります。
- default
管理対象ホスト数: 0-5000
RAM: 20G
CPU コア数: 4
- medium
管理対象ホスト数: 5001-10000
RAM: 32G
CPU コア数: 8
- large
管理対象ホスト数: 10001-20000
RAM: 64G
CPU コア数: 16
- extra-large
管理対象ホスト数: 20001-60000
RAM: 128G
CPU コア数: 32
- extra-extra-large
管理対象ホスト数: 60000+
RAM: 256G
CPU コア数: 48+
手順
お使いの Satellite デプロイメントの tuning プロファイルを設定するには、以下の手順を実行します。
オプション: Satellite Server で、
custom-hiera.yaml
ファイルを設定した場合、/etc/foreman-installer/custom-hiera.yaml
ファイルをcustom-hiera.original
にバックアップします。/etc/foreman-installer/custom-hiera.yaml
ファイルが破損した場合には、バックアップファイルを使用して、ファイルを元の状態に戻します。# cp /etc/foreman-installer/custom-hiera.yaml \ /etc/foreman-installer/custom-hiera.original
-
オプション: Satellite Server で
custom-hiera.yaml
ファイルを設定した場合、/usr/share/foreman-installer/config/foreman.hiera/tuning/common.yaml
のデフォルト tuning プロファイルの定義と、/usr/share/foreman-installer/config/foreman.hiera/tuning/sizes/
に適用する tuning プロファイルを確認します。/etc/foreman-installer/custom-hiera.yaml
ファイルの設定内容と比較して、/etc/foreman-installer/custom-hiera.yaml
ファイルで重複設定を削除します。 適用するプロファイルに対して、
--tuning
オプションを指定してsatellite-installer
コマンドを入力します。たとえば、medium tuning プロファイル設定を適用するには、以下のコマンドを入力します。# satellite-installer --tuning medium
第5章 外部サービスでの Satellite Server の設定
Satellite Server で DNS、DHCP、および TFTP サービスを設定しない場合は、外部 DNS、DHCP、および TFTP サービスと連携させる Satellite Server の設定のセクションを使用します。
5.1. 外部 DNS を使用した Satellite Server の設定
外部 DNS を使用して Satellite Server を設定できます。Satellite Server は nsupdate
ユーティリティー−を使用して、リモートサーバーで DNS レコードを更新します。
変更を永続的に保存するには、お使いの環境に適したオプションを指定して、satellite-installer
コマンドを入力する必要があります。
前提条件
- 外部 DNS サーバーが設定されている必要がある。
手順
bind-utils
パッケージをインストールしておく。# yum install bind bind-utils
外部 DNS サーバーの
/etc/rndc.key
ファイルを Satellite Server にコピーします。# scp root@dns.example.com:/etc/rndc.key /etc/rndc.key
所有者、パーミッション、SELinux コンテキストを設定します。
# restorecon -v /etc/rndc.key # chown -v root:named /etc/rndc.key # chmod -v 640 /etc/rndc.key
nsupdate
ユーティリティーをテストするには、ホストをリモートで追加します。# echo -e "server DNS_IP_Address\n \ update add aaa.virtual.lan 3600 IN A Host_IP_Address\n \ send\n" | nsupdate -k /etc/rndc.key # nslookup aaa.virtual.lan DNS_IP_Address # echo -e "server DNS_IP_Address\n \ update delete aaa.virtual.lan 3600 IN A Host_IP_Address\n \ send\n" | nsupdate -k /etc/rndc.key
foreman-proxy
ユーザーは、手動でnamed
グループに割り当てます。通常、satellite-installer はforeman-proxy
ユーザーがnamed
UNIX グループに所属させますが、今回のシナリオでは、Satellite でユーザーとグループを管理していないので、foreman-proxy
ユーザーをnamed
グループに手作業で割り当てる必要があります。# usermod -a -G named foreman-proxy
satellite-installer
コマンドを入力して、以下の永続的な変更を/etc/foreman-proxy/settings.d/dns.yml
ファイルに加えます。# satellite-installer --foreman-proxy-dns=true \ --foreman-proxy-dns-managed=false \ --foreman-proxy-dns-provider=nsupdate \ --foreman-proxy-dns-server="DNS_IP_Address" \ --foreman-proxy-keyfile=/etc/rndc.key \ --foreman-proxy-dns-ttl=86400
foreman-proxy サービスを再起動します。
# systemctl restart foreman-proxy
- Satellite Server Web UI にログインします。
- インフラストラクチャー > Capsules に移動し、Satellite Server の場所を特定して、Actions コラムの一覧から、Refresh を選択します。
- DNS サービスに適切なサブネットとドメインを関連付けます。
5.2. 外部 DHCP を使用した Satellite Server の設定
外部の DHCP で Satellite Server を設定するには、以下の手順を実行します。
5.2.1. Satellite Server を使用するための外部 DHCP サーバーの設定
外部の DHCP サーバーを Red Hat Enterprise Linux サーバーの Satellite Server で使用できるように設定するには、ISC DHCP Service と Berkeley Internet Name Domain (BIND) パッケージをインストールする必要があります。また、DHCP 設定とリースフィアルを Satellite Server と共有する必要があります。この手順の例では、分散型の Network File System (NFS) プロトコルを使用して DHCP 設定とリースファイルを共有します。
外部の DHCP サーバーとして dnsmasq を使用する場合には、dhcp-no-override
の設定を有効にします。Satellite は grub2/
サブディレクトリーの配下にある TFTP サーバーに設定ファイルを作成するので、この設定を必ず有効にしてください。dhcp-no-override
設定が無効な場合には、クライアントは root ディからブートローダーと設定をフェッチするのでエラーが発生する可能性があります。
手順
Red Hat Enterprise Linux Server で、ISC DHCP サービスおよび BIND (Berkeley Internet Name Domain) パッケージをインストールします。
# yum install dhcp bind
セキュリティートークンを生成します。
# dnssec-keygen -a HMAC-MD5 -b 512 -n HOST omapi_key
上記のコマンドを実行すると、2 つのファイルで設定されるキーペアが現在のディレクトリーに作成されます。
キーからシークレットハッシュをコピーします。
# cat Komapi_key.+*.private |grep ^Key|cut -d ' ' -f2
すべてのサブネットに対して
dhcpd
設定ファイルを編集し、キーを追加します。以下に例を示します。# cat /etc/dhcp/dhcpd.conf default-lease-time 604800; max-lease-time 2592000; log-facility local7; subnet 192.168.38.0 netmask 255.255.255.0 { range 192.168.38.10 192.168.38.100; option routers 192.168.38.1; option subnet-mask 255.255.255.0; option domain-search "virtual.lan"; option domain-name "virtual.lan"; option domain-name-servers 8.8.8.8; } omapi-port 7911; key omapi_key { algorithm HMAC-MD5; secret "jNSE5YI3H1A8Oj/tkV4...A2ZOHb6zv315CkNAY7DMYYCj48Umw=="; }; omapi-key omapi_key;
option routers
の値は、外部の DHCP サービスと使用する Satellite または Capsule IP アドレスに置き換える点に注意してください。- キーファイルが作成されたディレクトリーから、2 つのキーファイルを削除します。
Satellite Server で各サブネットを定義します。定義済みのサブネットに DHCP Capsule は設定しないでください。
競合を回避するには、リースと予約範囲を別に設定します。たとえば、リース範囲を 192.168.38.10 から 192.168.38.100 に設定した場合には、Satellite Web UI で予約範囲を 192.168.38.101 から 192.168.38.250 に設定します。
DHCP サーバーに外部アクセスできるように、ファイアウォールを設定します。
# firewall-cmd --add-service dhcp \ && firewall-cmd --runtime-to-permanent
Satellite Server で
foreman
ユーザーの UID と GID を指定します。# id -u foreman 993 # id -g foreman 990
DHCP サーバーで、1 つ前の手順で定義した ID と同じ
foreman
ユーザーとグループを作成します。# groupadd -g 990 foreman # useradd -u 993 -g 990 -s /sbin/nologin foreman
設定ファイルにアクセスできるように、読み取りおよび実行フラグを復元します。
# chmod o+rx /etc/dhcp/ # chmod o+r /etc/dhcp/dhcpd.conf # chattr +i /etc/dhcp/ /etc/dhcp/dhcpd.conf
DHCP サービスを起動します。
# systemctl start dhcpd
NFS を使用して DHCP 設定ファイルおよびリースファイルをエクスポートします。
# yum install nfs-utils # systemctl enable rpcbind nfs-server # systemctl start rpcbind nfs-server nfs-lock nfs-idmapd
NFS を使用してエクスポートする DHCP 設定ファイルとリースファイルのディレクトリーを作成します。
# mkdir -p /exports/var/lib/dhcpd /exports/etc/dhcp
作成したディレクトリーにマウントポイントを作成するには、以下の行を
/etc/fstab
ファイルに追加します。/var/lib/dhcpd /exports/var/lib/dhcpd none bind,auto 0 0 /etc/dhcp /exports/etc/dhcp none bind,auto 0 0
/etc/fstab
のファイルシステムをマウントします。# mount -a
/etc/exports
に以下の行があることを確認します。/exports 192.168.38.1(rw,async,no_root_squash,fsid=0,no_subtree_check) /exports/etc/dhcp 192.168.38.1(ro,async,no_root_squash,no_subtree_check,nohide) /exports/var/lib/dhcpd 192.168.38.1(ro,async,no_root_squash,no_subtree_check,nohide)
入力する IP アドレスは、外部 DHCP サービスで使用する Satellite または Capsule IP アドレスを指定する点に注意してください。
NFS サーバーをリロードします。
# exportfs -rva
ファイアウォールで DHCP omapi ポート 7911 を設定します。
# firewall-cmd --add-port="7911/tcp" \ && firewall-cmd --runtime-to-permanent
オプション: NFS に外部からアクセスできるようにファイアウォールを設定します。クライアントは NFSv3 を使用して設定します。
# firewall-cmd --zone public --add-service mountd \ && firewall-cmd --zone public --add-service rpc-bind \ && firewall-cmd --zone public --add-service nfs \ && firewall-cmd --runtime-to-permanent
5.2.2. 外部 DHCP サーバーを使用した Satellite Server の設定
外部 DHCP サーバーを使用した Satellite Server を設定できます。
前提条件
- 外部の DHCP サーバーを設定し、Satellite Server と DHCP 設定ファイルとリースファイルを共有していることを確認する。詳細は、「Satellite Server を使用するための外部 DHCP サーバーの設定」 を参照してください。
手順
nfs-utils
ユーティリティーをインストールします。# yum install nfs-utils
NFS 用の DHCP ディレクトリーを作成します。
# mkdir -p /mnt/nfs/etc/dhcp /mnt/nfs/var/lib/dhcpd
ファイルの所有者を変更します。
# chown -R foreman-proxy /mnt/nfs
NFS サーバーとの通信とリモートプロシージャコール (RPC: Remote Procedure Call) 通信パスを検証します。
# showmount -e DHCP_Server_FQDN # rpcinfo -p DHCP_Server_FQDN
/etc/fstab
ファイルに以下の行を追加します。DHCP_Server_FQDN:/exports/etc/dhcp /mnt/nfs/etc/dhcp nfs ro,vers=3,auto,nosharecache,context="system_u:object_r:dhcp_etc_t:s0" 0 0 DHCP_Server_FQDN:/exports/var/lib/dhcpd /mnt/nfs/var/lib/dhcpd nfs ro,vers=3,auto,nosharecache,context="system_u:object_r:dhcpd_state_t:s0" 0 0
/etc/fstab
でファイルシステムをマウントします。# mount -a
foreman-proxy
ユーザーがネットワークで共有したファイルにアクセスできることを確認するには、DHCP 設定ファイルとリースファイルを表示します。# su foreman-proxy -s /bin/bash bash-4.2$ cat /mnt/nfs/etc/dhcp/dhcpd.conf bash-4.2$ cat /mnt/nfs/var/lib/dhcpd/dhcpd.leases bash-4.2$ exit
satellite-installer
コマンドを入力して、以下の永続的な変更を/etc/foreman-proxy/settings.d/dhcp.yml
ファイルに加えます。# satellite-installer --foreman-proxy-dhcp=true \ --foreman-proxy-dhcp-provider=remote_isc \ --foreman-proxy-plugin-dhcp-remote-isc-dhcp-config /mnt/nfs/etc/dhcp/dhcpd.conf \ --foreman-proxy-plugin-dhcp-remote-isc-dhcp-leases /mnt/nfs/var/lib/dhcpd/dhcpd.leases \ --foreman-proxy-plugin-dhcp-remote-isc-key-name=omapi_key \ --foreman-proxy-plugin-dhcp-remote-isc-key-secret=jNSE5YI3H1A8Oj/tkV4...A2ZOHb6zv315CkNAY7DMYYCj48Umw== \ --foreman-proxy-plugin-dhcp-remote-isc-omapi-port=7911 \ --enable-foreman-proxy-plugin-dhcp-remote-isc \ --foreman-proxy-dhcp-server=DHCP_Server_FQDN
foreman-proxy
サービスを再起動します。# systemctl restart foreman-proxy
- Satellite Server Web UI にログインします。
- インフラストラクチャー > Capsules に移動し、Satellite Server の場所を特定して、Actions コラムの一覧から、Refresh を選択します。
- DHCP サービスに適切なサブネットとドメインを関連付けます。
5.3. 外部 TFTP での Satellite Server の設定
外部 TFTP サービスを使用して Satellite Server を設定できます。
手順
NFS 用に TFTP ディレクトリーを作成します。
# mkdir -p /mnt/nfs/var/lib/tftpboot
/etc/fstab
ファイルで以下の行を追加します。TFTP_Server_IP_Address:/exports/var/lib/tftpboot /mnt/nfs/var/lib/tftpboot nfs rw,vers=3,auto,nosharecache,context="system_u:object_r:tftpdir_rw_t:s0" 0 0
/etc/fstab
のファイルシステムをマウントします。# mount -a
satellite-installer
コマンドを入力して、以下の永続的な変更を/etc/foreman-proxy/settings.d/tffp.yml
ファイルに加えます。# satellite-installer --foreman-proxy-tftp=true \ --foreman-proxy-tftp-root /mnt/nfs/var/lib/tftpboot
DHCP サービスとは異なるサーバーで TFTP サービスを実行している場合は、TFTP サービスを実行するサーバーの FQDN または IP アドレスに、
tftp_servername
設定を更新します。# satellite-installer --foreman-proxy-tftp-servername=TFTP_Server_FQDN
- Satellite Server Web UI にログインします。
- インフラストラクチャー > Capsules に移動し、Satellite Server の場所を特定して、Actions コラムの一覧から、Refresh を選択します。
- TFTP サービスに適切なサブネットとドメインを関連付けます。
5.4. 外部 IdM DNS を使用した Satellite Server の設定
Satellite Server がホストの DNS レコードを追加する時には、まずどの Capsule が対象のドメインに DNS を提供しているかを判断します。次に、デプロイメントに使用する DNS サービスを提供するように設定された Capsule と通信し、レコードを追加します。ホストはこのプロセスには関与しません。そのため、IdM サーバーを使用して管理するドメインに DNS サービスを提供するように設定された Satellite または Capsule に IdM クライアントをインストールし、設定する必要があります。
Satellite Server は、 Red Hat Identity Management (IdM) サーバーを使って DNS サービスを提供するように設定できます。Red Hat Identity Management の詳細は、Linux ドメイン ID、認証、およびポリシーガイド を参照してください。
Red Hat Identity Management (IdM) サーバーを使用して DNS サービスを提供するように Satellite Server を設定するには、以下の手順のいずれかを使用します。
内部 DNS サービスに戻すには、次の手順を使用します。
DNS の管理に、Satellite Server を使用する必要はありません。Satellite のレルム登録機能を使用しており、プロビジョニングされたホストが自動的に IdM に登録されている場合は、ipa-client-install
スクリプトでクライアント用に DNS レコードが作成されます。外部の IdM DNS とレルム登録を同時に使用して、Satellite Server を設定することはできません。レルム登録の設定に関する詳細は、Red Hat Satellite の管理の プロビジョンされたホストの外部認証 を参照してください。
5.4.1. GSS-TSIG 認証を使用した動的 DNS 更新の設定
RFC3645 で定義されている秘密鍵トランザクション (GSS-TSIG) 技術の一般的なセキュリティーサービスアルゴリズムを使用するように IdM サーバーを設定できます。IdM サーバーが GSS-TSIG 技術を使用するように設定するには、Satellite Server のベースオペレーティングシステムに IdM クライアントをインストールする必要があります。
前提条件
- IdM サーバーがデプロイされ、ホストベースのファイアウォールが正確に設定されている。詳細はLinux ドメイン ID、認証、およびポリシーガイドの ポート要件 を参照してください。
- IdM サーバーの管理者に問い合わせて、IdM サーバーでゾーンを作成するパーミッションが割り当てられた、IdM サーバーのアカウントを取得する。
- デプロイメントに DNS サービスを提供するように Satellite Server または Capsule Server が設定されていることを確認する。
- デプロイメントの DNS サービスを管理する Satellite または Capsule のいずれかのベースオペレーティングシステムで DNS 、DHCP および TFTP サービスを設定する必要がある。
- 応答ファイルのバックアップを作成しておく。応答ファイルが破損した場合に、元の状態に戻せるように、バックアップを使用できます。詳細は、Satellite Server の設定 を参照してください。
手順
GSS-TSIG 認証で動的 DNS 更新を設定するには、以下の手順を実行します。
IdM サーバーでの Kerberos プリンシパルの作成
IdM 管理者から取得したアカウントの Kerberos チケットを取得します。
# kinit idm_user
IdM サーバーでの認証に使用する Satellite Server の新規 Kerberos プリンシパルを作成します。
# ipa service-add satellite.example.com
IdM クライアントのインストールおよび設定
デプロイメントの DNS サービスを管理する Satellite または Capsule のベースオペレーティングシステムで
ipa-client
パッケージをインストールします。# satellite-maintain packages install ipa-client
インストールスクリプトとそれに続くプロンプトを実行して、IdM クライアントを設定します。
# ipa-client-install
Kerberos チケットを取得します。
# kinit admin
既存の
keytab
を削除します。# rm /etc/foreman-proxy/dns.keytab
このシステムの
keytab
を取得します。# ipa-getkeytab -p capsule/satellite.example.com@EXAMPLE.COM \ -s idm1.example.com -k /etc/foreman-proxy/dns.keytab
注記サービス中の元のシステムと同じホスト名を持つスタンバイシステムに keytab を追加する際には、
r
オプションを追加します。これにより、新規の認証情報が生成されることを防ぎ、元のシステムの認証情報が無効になります。dns.keytab
ファイルのグループと所有者をforeman-proxy
に設定します。# chown foreman-proxy:foreman-proxy /etc/foreman-proxy/dns.keytab
オプション:
keytab
ファイルが有効であることを確認するには、以下のコマンドを入力します。# kinit -kt /etc/foreman-proxy/dns.keytab \ capsule/satellite.example.com@EXAMPLE.COM
IdM Web UI での DNS ゾーンの設定
管理するゾーンを作成して、設定します。
- Network Services (ネットワークサービス) > DNS > DNS Zones (DNS ゾーン) に移動します。
-
追加 を選択し、ゾーン名を入力します。(例:
example.com
) - Add and Edit をクリックします。
設定タブをクリックして BIND 更新ポリシー ボックスで、以下のようにセミコロン区切りのエントリーを追加します。
grant capsule/047satellite.example.com@EXAMPLE.COM wildcard * ANY;
- Dynamic update を True に設定します。
- Allow PTR sync を有効にします。
- 送信 をクリックして、変更を保存します。
逆引きゾーンを作成して設定します。
- Network Services (ネットワークサービス) > DNS > DNS Zones (DNS ゾーン) に移動します。
- Add をクリックします。
- Reverse zone IP network を選択して、CIDR 形式でネットワークアドレスを追加し、逆引き参照を有効にします。
- Add and Edit をクリックします。
設定 タブの BIND 更新ポリシー ボックスで、以下のようにセミコロン区切りのエントリーを追加します。
grant capsule\047satellite.example.com@EXAMPLE.COM wildcard * ANY;
- Dynamic update を True に設定します。
- 送信 をクリックして、変更を保存します。
ドメインの DNS サービスを管理する Satellite または Capsule Server の設定
satellite-installer
コマンドを使用して、ドメインの DNS サービスを管理するように Satellite または Capsule を設定します。Satellite で以下のコマンドを入力します。
satellite-installer --scenario satellite \ --foreman-proxy-dns=true \ --foreman-proxy-dns-managed=true \ --foreman-proxy-dns-provider=nsupdate_gss \ --foreman-proxy-dns-server="idm1.example.com" \ --foreman-proxy-dns-tsig-principal="capsule/satellite.example.com@EXAMPLE.COM" \ --foreman-proxy-dns-tsig-keytab=/etc/foreman-proxy/dns.keytab \ --foreman-proxy-dns-reverse="55.168.192.in-addr.arpa" \ --foreman-proxy-dns-zone=example.com \ --foreman-proxy-dns-ttl=86400
Capsule で、以下のコマンドを実行します。
satellite-installer --scenario capsule \ --foreman-proxy-dns=true \ --foreman-proxy-dns-managed=true \ --foreman-proxy-dns-provider=nsupdate_gss \ --foreman-proxy-dns-server="idm1.example.com" \ --foreman-proxy-dns-tsig-principal="capsule/satellite.example.com@EXAMPLE.COM" \ --foreman-proxy-dns-tsig-keytab=/etc/foreman-proxy/dns.keytab \ --foreman-proxy-dns-reverse="55.168.192.in-addr.arpa" \ --foreman-proxy-dns-zone=example.com \ --foreman-proxy-dns-ttl=86400
Satellite または Capsule のプロキシーサービスを再起動します。
# systemctl restart foreman-proxy
satellite-installer
コマンドを実行して Capsule 設定に変更を加えた後に、Satellite Web UI で変更のある Capsule ごとに設定を更新する必要があります。
Satellite Web UI での設定更新
- インフラストラクチャー > Capsules に移動し、Satellite Server の場所を特定して、Actions コラムの一覧から、Refresh を選択します。
ドメインを設定します。
- インフラストラクチャー > ドメイン に移動し、ドメイン名を選択します。
- ドメイン タブで、DNS Capsule が、サブネットが接続されている Capsule に設定されていることを確認します。
サブネットを設定します。
- インフラストラクチャー > サブネット に移動し、サブネット名を選択します。
- サブネット タブで、IPAM を None に設定します。
- ドメイン タブで、IdM サーバーを使用して管理するドメインを選択します。
- Capsules タブで、Reverse DNS Capsule が、サブネットが接続されている Capsule に設定されていることを確認します。
- 送信 をクリックして変更を保存します。
5.4.2. TSIG 認証を使用した動的 DNS 更新の設定
IdM サーバーが DNS (TSIG) テクノロジーの秘密鍵トランザクション認証を使用するように設定できます。このテクノロジーは、認証に rndc.key
キーファイルを使用します。TSIG プロトコルについては RFC2845 に定義されています。
前提条件
- IdM サーバーがデプロイされ、ホストベースのファイアウォールが正確に設定されている。詳細はLinux ドメイン ID、認証、およびポリシーガイドの ポート要件 を参照してください。
-
IdM サーバーで
root
権限を取得する必要があります。 - デプロイメントに DNS サービスを提供するように Satellite Server または Capsule Server が設定されていることを確認する。
- デプロイメントの DNS サービスを管理する Satellite または Capsule のいずれかのベースオペレーティングシステムで DNS 、DHCP および TFTP サービスを設定する必要がある。
- 応答ファイルのバックアップを作成しておく。応答ファイルが破損した場合に、元の状態に戻せるように、バックアップを使用できます。詳細は、Satellite Server の設定 を参照してください。
手順
TSIG 認証で動的 DNS 更新を設定するには、以下の手順を実行します。
IdM サーバーの DNS ゾーンに対する外部更新の有効化
IdM サーバーで、以下の内容を
/etc/named.conf
ファイルの先頭に追加します。######################################################################## include "/etc/rndc.key"; controls { inet _IdM_Server_IP_Address_ port 953 allow { _Satellite_IP_Address_; } keys { "rndc-key"; }; }; ########################################################################
named
サービスをリロードして、変更を有効にします。# systemctl reload named
IdM Web UI で、ネットワークサービス > DNS > DNS ゾーン に移動して、ゾーンの名前をクリックします。設定 タブで、以下の変更を適用します。
BIND update policy (BIND 更新ポリシー)
ボックスで以下の内容を追加します。grant "rndc-key" zonesub ANY;
- Dynamic update を True に設定します。
- 更新 をクリックして変更を保存します。
IdM サーバーから Satellite Server のベースオペレーティングシステムに
/etc/rndc.key
ファイルをコピーします。以下のコマンドを入力します。# scp /etc/rndc.key root@satellite.example.com:/etc/rndc.key
rndc.key
ファイルに適切な所有者、パーミッション、SELinux コンテキストを設定するには、以下のコマンドを入力します。# restorecon -v /etc/rndc.key # chown -v root:named /etc/rndc.key # chmod -v 640 /etc/rndc.key
foreman-proxy
ユーザーは、手動でnamed
グループに割り当てます。通常、satellite-installer はforeman-proxy
ユーザーがnamed
UNIX グループに所属させますが、今回のシナリオでは、Satellite でユーザーとグループを管理していないので、foreman-proxy
ユーザーをnamed
グループに手作業で割り当てる必要があります。# usermod -a -G named foreman-proxy
Satellite Server で以下の
satellite-installer
コマンドを入力して、Satellite が外部の DNS サーバーを使用するように設定します。# satellite-installer --scenario satellite \ --foreman-proxy-dns=true \ --foreman-proxy-dns-managed=false \ --foreman-proxy-dns-provider=nsupdate \ --foreman-proxy-dns-server="IdM_Server_IP_Address" \ --foreman-proxy-keyfile=/etc/rndc.key \ --foreman-proxy-dns-ttl=86400
IdM サーバーの DNS ゾーンに対する外部更新のテスト
bind-utils
ユーティリティーをインストールします。# yum install bind-utils
Satellite Server 上の
/etc/rndc.key
ファイルのキーが IdM サーバーで使用されているキーファイルと同じであることを確認します。key "rndc-key" { algorithm hmac-md5; secret "secret-key=="; };
Satellite Server で、ホストのテスト DNS エントリーを作成します。(例:
192.168.25.1
の IdM サーバーに、192.168.25.20
の A レコードを指定したtest.example.com
ホストなど)# echo -e "server 192.168.25.1\n \ update add test.example.com 3600 IN A 192.168.25.20\n \ send\n" | nsupdate -k /etc/rndc.key
Satellite Server で、DNS エントリーをテストします。
# nslookup test.example.com 192.168.25.1 Server: 192.168.25.1 Address: 192.168.25.1#53 Name: test.example.com Address: 192.168.25.20
- IdM Web UI でエントリーを参照するために、Network Services (ネットワークサービス) > DNS > DNS Zones (DNS ゾーン) に移動します。ゾーンの名前をクリックし、名前でホストを検索します。
正常に解決されたら、テスト DNS エントリーを削除します。
# echo -e "server 192.168.25.1\n \ update delete test.example.com 3600 IN A 192.168.25.20\n \ send\n" | nsupdate -k /etc/rndc.key
DNS エントリーが削除されたことを確認します。
# nslookup test.example.com 192.168.25.1
レコードが正常に削除されている場合は、上記の
nslookup
コマンドが失敗し、SERVFAIL
エラーメッセージを返します。
5.4.3. 内部 DNS サービス使用への復元
Satellite Server および Capsule Server を DNS プロバイダーとして使用するように戻すことができます。外部の DNS を設定する前に作成した応答ファイルのバックアップを使用するか、応答ファイルのバックアップを作成します。応答ファイルに関する詳細は、Satellite Server の設定 を参照してください。
手順
ドメインの DNS サーバーを管理するように設定する Satellite または Capsule Server で、以下の手順を実行します。
DNS サーバーとしての Satellite または Capsule の設定
外部の DNS を設定する前に応答ファイルのバックアップを作成済みの場合には、応答ファイルを復元して、
satellite-installer
コマンドを入力します。# satellite-installer
応答ファイルの適切なバックアップがない場合には、ここで応答ファイルのバックアップを作成します。応答ファイルを使用せずに Satellite または Capsule を DNS サーバーとして設定するには、Satellite と影響のある各 Capsule で、以下の
satellite-installer
コマンドを入力します。# satellite-installer \ --foreman-proxy-dns=true \ --foreman-proxy-dns-managed=true \ --foreman-proxy-dns-provider=nsupdate \ --foreman-proxy-dns-server="127.0.0.1" \ --foreman-proxy-dns-tsig-principal="foremanproxy/satellite.example.com@EXAMPLE.COM" \ --foreman-proxy-dns-tsig-keytab=/etc/foreman-proxy/dns.keytab
詳細は、Capsule Server での DNS、DHCP、および TFTP の設定 を参照してください。
satellite-installer
コマンドを実行して Capsule 設定に変更を加えた後に、Satellite Web UI で変更のある Capsule ごとに設定を更新する必要があります。
Satellite Web UI での設定更新
- インフラストラクチャー > Capsules に移動します。
- 更新する各 Capsule で、アクション リストから リフレッシュ を選択します。
ドメインを設定します。
- インフラストラクチャー > ドメイン に移動して、設定するドメイン名をクリックします。
- ドメイン タブで、DNS Capsule を、サブネットの接続先の Capsule に設定します。
サブネットを設定します。
- インフラストラクチャー > サブネット に移動し、サブネット名を選択します。
- サブネット タブで、IPAM を DHCP または Internal DB に設定します。
- ドメイン タブで、Satellite または Capsule で管理するドメインを選択します。
- Capsules タブで、Reverse DNS Capsule を、サブネットの接続先の Capsule に設定します。
- 送信 をクリックして変更を保存します。
付録A Red Hat Satellite へのカスタム設定の適用
satellite-installer
を使用して初めて Satellite をインストールし、設定する場合には、--foreman-proxy-dns-managed=false
と --foreman-proxy-dhcp-managed=false
のインストーラーフラグを使用して、DNS および DHCP 設定ファイルが Puppet で管理されないように指定してください。これらのフラグがインストーラーの初回実行時に指定されていない場合には、アップグレードの目的で再実行する場合など、インストーラーを再実行すると、手動で変更した内容がすべて上書きされます。変更が上書きされた場合には、復元の手順を実行して手動の変更を復元する必要があります。詳細は、付録B Puppet 実行で上書きされた手動変更の復元 を参照してください。
カスタム設定に利用可能なすべてのインストーラーフラグを表示するには、satellite-installer --scenario satellite --full-help
を実行します。Puppet クラスには、Satellite インストーラーに公開されていないものもあります。これらのクラスを手動で管理して、インストーラーが値を上書きしないようにするには、設定ファイル /etc/foreman-installer/custom-hiera.yaml
にエントリーを追加して設定値を指定します。この設定ファイルは YAML 形式で、<puppet class>::<parameter name>: <value>
という形式を 1 行あたり 1 エントリーで記入します。このファイルで指定した設定値は、インストーラーを再起動しても維持されます。
一般的な例を示します。
Apache で ServerTokens ディレクティブが製品名のみを返すように設定するには、以下のようにします。
apache::server_tokens: Prod
Apache サーバー署名をオフにするには、以下のようにします。
apache::server_signature: Off
Pulp で pulp ワーカーの数を設定するには、以下のようにします。
pulp::num_workers: 8
Satellite インストーラー用の Puppet モジュールは、/usr/share/foreman-installer/modules
に保存されています。クラス、パラメーター、および値を調べるには、.pp
ファイル (例: moduleName/manifests/example.pp) を確認してください。別の方法では、grep
コマンドでキーワード検索を実行します。
値の設定によっては、Red Hat Satellite のパフォーマンスや機能に影響が出る意図しない結果がもたらされる場合があります。設定を適用する前に変更の影響を考慮して、実稼働以外の環境で最初に変更をテストしてください。実稼働以外の Satellite 環境がない場合は、Satellite インストーラーを --noop
と --verbose
のオプションを追加して実行します。変更によって問題が発生する場合は、該当箇所を custom-hiera.yaml
から削除し、Satellite インストーラーを再実行します。特定の値を変更することが安全かどうかを確認する場合は、Red Hat サポートにお問い合わせください。
付録B Puppet 実行で上書きされた手動変更の復元
Puppet 実行で手動による設定が上書きされた場合でも、ファイルを元の状態に戻すことができます。以下の例では、Puppet 実行で上書きされた DHCP 設定ファイルを復元します。
手順
復元するファイルをコピーします。こうすることで、アップグレードに必要な変更があるか、ファイル間で比較できます。これは DNS や DHCP サービスでは一般的ではありません。
# cp /etc/dhcp/dhcpd.conf /etc/dhcp/dhcpd.backup
ログファイルを確認して、上書きされたファイルの md5sum をメモします。以下に例を示します。
# journalctl -xe ... /Stage[main]/Dhcp/File[/etc/dhcp/dhcpd.conf]: Filebucketed /etc/dhcp/dhcpd.conf to puppet with sum 622d9820b8e764ab124367c68f5fa3a1 ...
上書きされたファイルを復元します。
# puppet filebucket restore --local --bucket \ /var/lib/puppet/clientbucket /etc/dhcp/dhcpd.conf \ 622d9820b8e764ab124367c68f5fa3a1
- バックアップしたファイルと復元されたファイルを比べます。復元されたファイルに、アップグレードに必要な変更を追加します。