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OpenShift での AMQ Streams のデプロイおよびアップグレード

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Red Hat AMQ Streams 2.1

OpenShift Container Platform での AMQ Streams 2.1 のデプロイ

概要

OperatorHub またはインストールアーティファクトを使用して、AMQ Streams を OpenShift クラスターにデプロイします。Kafka コンポーネントをデプロイおよび管理する AMQ Streams Cluster Operator を使用します。AMQ Streams をアップグレードして新機能を活用します。アップグレードの一環として、Kafka をサポートされる最新バージョンにアップグレードします。

多様性を受け入れるオープンソースの強化

Red Hat では、コード、ドキュメント、Web プロパティーにおける配慮に欠ける用語の置き換えに取り組んでいます。まずは、マスター (master)、スレーブ (slave)、ブラックリスト (blacklist)、ホワイトリスト (whitelist) の 4 つの用語の置き換えから始めます。これは大規模な取り組みであるため、これらの変更は今後の複数のリリースで段階的に実施されます。詳細は、Red Hat CTO である Chris Wright のメッセージをご覧ください。

第1章 デプロイメントの概要

AMQ Streams は、OpenShift クラスターで Apache Kafka を実行するプロセスを簡素化します。

本ガイドでは、AMQ Streams をデプロイおよびアップグレードするすべての方法の手順を取り上げ、デプロイメントの対象や、OpenShift クラスターで Apache Kafka を実行するために必要なデプロイメントの順序について説明します。

デプロイメントの手順を説明する他に、デプロイメントを準備および検証するためのデプロイメントの前および後の手順についても説明します。本ガイドでは、メトリクスを導入するための追加のデプロイメントオプションについても説明しています。

アップグレードの手順は、「AMQ Streams および Kafka のアップグレード」を参照してください。

AMQ Streams は、パブリックおよびプライベートクラウドからデプロイメントを目的とするローカルデプロイメントまで、ディストリビューションに関係なくすべてのタイプの OpenShift クラスターで動作するよう設計されています。

1.1. デプロイメントの設定

本ガイドのデプロイメント手順は、デプロイメントの初期構造の設定に役立つように設計されています。構造の設定後、カスタムリソースを使用して、正確なニーズに合わせてデプロイメントを設定できます。デプロイメント手順では、AMQ Streams に同梱されているインストールファイルのサンプルを使用します。手順では、検討する必要がある重要な設定事項について説明しますが、使用できる設定オプションをすべて取り上げるわけではありません。

AMQ Streams をデプロイする前に、Kafka コンポーネントに使用できる設定オプションを確認できます。設定オプションの詳細は、Configuring AMQ Streams on OpenShiftを参照してください。

1.1.1. Kafka のセキュリティー

デプロイメントでは、Cluster Operator はクラスター内でのデータの暗号化および認証に対して自動で TLS 証明書を設定します。

AMQ Streams では、暗号化認証、および 承認 の追加の設定オプションが提供されます。

1.1.2. デプロイメントの監視

AMQ Streams は、デプロイメントを監視する追加のデプロイメントオプションをサポートします。

1.1.3. CPU およびメモリーのリソース制限および要求

デフォルトでは、AMQ Streams Cluster Operator はデプロイするオペランドの CPU およびメモリーリソースの要求および制限を指定しません。

Kafka などのアプリケーションでリソースの安定性を確保してパフォーマンスを向上させるには、十分なリソースを確保する必要があります。

使用する適切なリソース量は、特定の要件やユースケースによって異なります。

CPU およびメモリーリソースの設定を検討してください。AMQ Streams カスタムリソース の各コンテナーのリソース要求および制限を設定できます。

1.2. AMQ Streams のカスタムリソース

AMQ Streams を使用した Kafka コンポーネントの OpenShift クラスターへのデプロイメントは、カスタムリソースの適用により高度な設定が可能です。カスタムリソースは、OpenShift リソースを拡張するために CRD (カスタムリソース定義、Custom Resource Definition) によって追加される API のインスタンスとして作成されます。

CRD は、OpenShift クラスターでカスタムリソースを記述するための設定手順として機能し、デプロイメントで使用する Kafka コンポーネントごとに AMQ Streams で提供されます。CRD およびカスタムリソースは YAML ファイルとして定義されます。YAML ファイルのサンプルは AMQ Streams ディストリビューションに同梱されています。

また、CRD を使用すると、CLI へのアクセスや設定検証などのネイティブ OpenShift 機能を AMQ Streams リソースで活用することもできます。

1.2.1. AMQ Streams カスタムリソースの例

AMQ Streams 固有リソースのインスタンス化および管理に使用されるスキーマを定義するため、CRD をクラスターに 1 度インストールする必要があります。

CRD をインストールして新規カスタムリソースタイプをクラスターに追加した後に、その仕様に基づいてリソースのインスタンスを作成できます。

クラスターの設定によりますが、インストールには通常、クラスター管理者権限が必要です。

注記

カスタムリソースの管理は、AMQ Streams 管理者のみが行えます。詳細は、AMQ Streams 管理者の指定 を参照してください。

kind:Kafka などの新しい kind リソースは、OpenShift クラスター内で CRD によって定義されます。

Kubernetes API サーバーを使用すると、kind を基にしたカスタムリソースの作成が可能になり、カスタムリソースが OpenShift クラスターに追加されたときにカスタムリソースの検証および格納方法を CRD から判断します。

警告

CRD が削除されると、そのタイプのカスタムタイプも削除されます。さらに、Pod や Statefulset などのカスタムリソースによって作成されたリソースも削除されます。

AMQ Streams 固有の各カスタムリソースは、リソースの kind の CRD によって定義されるスキーマに準拠します。AMQ Streams コンポーネントのカスタムリソースには、specで定義される共通の設定プロパティーがあります。

CRD とカスタムリソースの関係を理解するため、Kafka トピックの CRD の例を見てみましょう。

Kafka トピックの CRD

apiVersion: kafka.strimzi.io/v1beta2
kind: CustomResourceDefinition
metadata: 1
  name: kafkatopics.kafka.strimzi.io
  labels:
    app: strimzi
spec: 2
  group: kafka.strimzi.io
  versions:
    v1beta2
  scope: Namespaced
  names:
    # ...
    singular: kafkatopic
    plural: kafkatopics
    shortNames:
    - kt 3
  additionalPrinterColumns: 4
      # ...
  subresources:
    status: {} 5
  validation: 6
    openAPIV3Schema:
      properties:
        spec:
          type: object
          properties:
            partitions:
              type: integer
              minimum: 1
            replicas:
              type: integer
              minimum: 1
              maximum: 32767
      # ...

1
CRD を識別するためのトピック CRD、その名前および名前のメタデータ。
2
この CRD に指定された項目には、トピックの API にアクセスするため URL に使用されるグルShortNameープ (ドメイン) 名、複数名、およびサポートされるスキーマバージョンが含まれます。他の名前は、CLI のインスタンスリソースを識別するために使用されます。たとえば、oc get kafkaShortNametopic my-topicoc get kafkatopics などです。
3
ShortName は CLI コマンドで使用できます。たとえば、oc get kafkatopic の代わりに oc get kt を略名として使用できます。
4
カスタムリソースで get コマンドを使用する場合に示される情報。
5
リソースの スキーマ参照 に記載されている CRD の現在の状態。
6
openAPIV3Schema 検証によって、トピックカスタムリソースの作成が検証されます。たとえば、トピックには 1 つ以上のパーティションと 1 つのレプリカが必要です。
注記

ファイル名に、インデックス番号とそれに続く「Crd」が含まれるため、AMQ Streams インストールファイルと提供される CRD YAML ファイルを識別できます。

KafkaTopic カスタムリソースに該当する例は次のとおりです。

Kafka トピックカスタムリソース

apiVersion: kafka.strimzi.io/v1beta2
kind: KafkaTopic 1
metadata:
  name: my-topic
  labels:
    strimzi.io/cluster: my-cluster 2
spec: 3
  partitions: 1
  replicas: 1
  config:
    retention.ms: 7200000
    segment.bytes: 1073741824
status:
  conditions: 4
    lastTransitionTime: "2019-08-20T11:37:00.706Z"
    status: "True"
    type: Ready
  observedGeneration: 1
  / ...

1
kind および apiVersion によって、インスタンスであるカスタムリソースの CRD が特定されます。
2
トピックまたはユーザーが属する Kafka クラスターの名前 (Kafka リソースの名前と同じ) を定義する、KafkaTopic および KafkaUser リソースのみに適用可能なラベル。
3
指定内容には、トピックのパーティション数およびレプリカ数や、トピック自体の設定パラメーターが示されています。この例では、メッセージがトピックに保持される期間や、ログのセグメントファイルサイズが指定されています。
4
KafkaTopic リソースのステータス条件。lastTransitionTimetype 条件が Ready に変更されています。

プラットフォーム CLI からカスタムリソースをクラスターに適用できます。カスタムリソースが作成されると、Kubernetes API の組み込みリソースと同じ検証が使用されます。

KafkaTopic の作成後、Topic Operator は通知を受け取り、該当する Kafka トピックが AMQ Streams で作成されます。

1.3. Kafka Bridge を使用した Kafka クラスターへの接続

AMQ Streams Kafka Bridge API を使用して、コンシューマーを作成および管理し、ネイティブ Kafka プロトコルではなく HTTP を介してレコードを送受信できます。

Kafka Bridge を設定する場合、Kafka クラスターへの HTTP アクセスを設定します。その後、Kafka Bridge を使用して、クラスターからのメッセージを生成および消費したり、REST インターフェースを介して他の操作を実行することができます。

関連情報

1.4. 本書の表記慣例

ユーザーが置き換えた値

ユーザーが置き換えた値は、置換可能とも呼ばれ、山かっこ(<>)を付けて斜体で表示されます。アンダースコア(_)は、複数単語の値に使用されます。値がコードまたはコマンドを参照すると、monospace も使用されます。

たとえば、以下のコードでは <my_namespace> を namespace の名前に置き換えます。

sed -i 's/namespace: .*/namespace: <my_namespace>/' install/cluster-operator/*RoleBinding*.yaml

1.5. 関連情報

第2章 AMQ Streams のインストール方法

AMQ Streams on OpenShift 4.6 から 4.10 にインストールする方法は 2 つあります。

インストール方法説明

インストールアーティファクト (YAML ファイル)

AMQ Streams ソフトウェアダウンロードページ から、Red Hat AMQ Streams 2.1 OpenShift インストールおよびサンプルファイル をダウンロードします。oc を使用して YAML インストールアーティファクトを OpenShift クラスターにデプロイします。最初に、Cluster Operator を install/cluster-operator から単一、複数、またはすべての namespace にデプロイします。

install/ アーティファクトを使用して以下をデプロイすることもできます。

  • AMQ Streams 管理者ロール (strimzi-admin)
  • スタンドアロン Topic Operator (topic-operator)
  • スタンドアロン User Operator (user-operator)
  • AMQ Streams Drain Cleaner (drain-cleaner)

OperatorHub

OperatorHub で Red Hat Integration - AMQ Streams を使用し、AMQ Streams を単一の namespace またはすべての namespace にデプロイします。

柔軟性が重要な場合は、インストールアーティファクトによる方法を選択します。OperatorHub メソッドは標準的な設定を提供し、、自動更新を利用できるようにします。

第3章 AMQ Streams でデプロイされるもの

Apache Kafka コンポーネントは、AMQ Streams ディストリビューションを使用して OpenShift にデプロイするために提供されます。Kafka コンポーネントは通常、クラスターとして実行され、可用性を確保します。

Kafka コンポーネントが組み込まれた通常のデプロイメントには以下が含まれます。

  • ブローカーノードの Kafka クラスター
  • レプリケートされた ZooKeeper インスタンスの zookeeper クラスター
  • 外部データ接続用の Kafka Connect クラスター
  • セカンダリークラスターで Kafka クラスターをミラーリングする Kafka MirrorMaker クラスター
  • 監視用に追加のKafka メトリクスデータを抽出する Kafka Exporter
  • Kafka クラスターに対して HTTP ベースの要求を行う Kafka Bridge

少なくとも Kafka および ZooKeeper は必要ですが、上記のコンポーネントがすべて必須なわけではありません。MirrorMaker や Kafka Connect など、一部のコンポーネントでは Kafka なしでデプロイできます。

3.1. デプロイメントの順序

OpenShift クラスターへのデプロイメントで必要な順序は次のとおりです。

  1. Cluster Operator をデプロイし、Kafka クラスターを管理します。
  2. ZooKeeper クラスターとともに Kafka クラスターをデプロイし、Topic Operator および User Operator がデプロイメントに含まれるようにします。
  3. 任意で以下をデプロイします。

    • Topic Operator および User Operator (Kafka クラスターとともにデプロイしなかった場合)
    • Kafka Connect
    • Kafka MirrorMaker
    • Kafka Bridge
    • メトリクスを監視するためのコンポーネント

Cluster Operator は、 DeploymentService、および Pod リソースなどのコンポーネントの OpenShift リソースを作成します。OpenShift リソース名には、デプロイ時にコンポーネントに指定された名前が追加されます。たとえば、my-kafka-cluster という名前の Kafka クラスターには、 my-kafka-cluster-kafka という名前のサービスがあります。

第4章 AMQ Streams デプロイメントの準備

ここでは、AMQ Streams デプロイメントを準備する方法を説明します。

注記

本ガイドのコマンドを実行するには、クラスターユーザーに RBAC (ロールベースアクセス制御) および CRD を管理する権限を付与する必要があります。

4.1. デプロイメントの前提条件

AMQ Streams をデプロイするには、以下が必要です。

  • OpenShift 4.6 から 4.10 クラスター。

    AMQ Streams は AMQ Streams Strimzi 0.28.x をベースとしている。

  • oc コマンドラインツールがインストールされ、稼働中のクラスターに接続するように設定されていること。

4.2. AMQ Streams リリースアーティファクトのダウンロード

デプロイメントファイルを使用して AMQ Streams をインストールするには、AMQ Streams ソフトウェアダウンロードページ から AMQ Streams の <version> インストールとサンプルファイル アーカイブをダウンロードして展開します。

AMQ Streams のリリースアーティファクトには、YAML ファイルが含まれています。これらのファイルは、AMQ Streams コンポーネントの OpenShift へのデプロイ、共通の操作の実行、および Kafka クラスターの設定に便利です。

ocを使用して、ダウンロードした ZIP ファイルの install/cluster-operator フォルダーから Cluster Operator をデプロイします。Cluster Operator のデプロイメントおよび設定に関する詳細は、「Cluster Operator のデプロイ」 を参照してください。

また、AMQ Streams Cluster Operator によって管理されない Kafka クラスターをトピックおよび User Operator のスタンドアロンインストールと共に使用する場合は、install/topic-operator および install/user-operator フォルダーからデプロイできます。

注記

AMQ Streams コンテナーイメージは、Red Hat Ecosystem Catalog から使用することもできます。しかし、提供される YAML ファイルを使用して AMQ Streams をデプロイすることが推奨されます。

4.3. 設定ファイルとデプロイメントファイルの例

AMQ Streams で提供される設定およびデプロイメントファイルの例を使用して、異なる設定で Kafka コンポーネントをデプロイし、デプロイメントを監視します。カスタムリソースの設定ファイルの例には、重要なプロパティーおよび値が含まれています。これは、独自のデプロイメントでサポートされる追加の設定プロパティーで拡張できます。

4.3.1. ファイルの場所の例

サンプルファイルは、AMQ Streams ソフトウェアダウンロードページからダウンロード可能なリリースアーティファクトとともに提供されます。

oc コマンドラインツールを使用してサンプルをダウンロードおよび適用できます。これらの例は、デプロイメントに独自の Kafka コンポーネント設定を構築する際の開始点として使用できます。

注記

Operator を使用して AMQ Streams をインストールした場合、サンプルファイルをダウンロードし、それらを使用して設定をアップロードできます。

4.3.2. AMQ Streams で提供されるサンプルファイル

リリースアーティファクトには、設定例が含まれる examples ディレクトリーが含まれます。

Examples ディレクトリー

examples
├── user 1
├── topic 2
├── security 3
│   ├── tls-auth
│   ├── scram-sha-512-auth
│   └── keycloak-authorization
├── mirror-maker 4
├── metrics 5
├── kafka 6
├── cruise-control 7
├── connect 8
└── bridge 9

1
User Operator によって管理される KafkaUser カスタムリソース設定。
2
Topic Operator によって管理される KafkaTopic カスタムリソースの設定。
3
Kafka コンポーネントの認証および承認設定。TLS および SCRAM-SHA-512 認証の設定例が含まれています。Red Hat Single Sign-On の例には、Kafka カスタムリソース設定および Red Hat Single Sign-On レルム仕様が含まれています。この例を使用して、Red Hat Single Sign-On 承認サービスを試すことができます。
4
Mirror Maker のデプロイメント用の Kafka カスタムリソース設定。レプリケーションポリシーおよび同期頻度の設定例が含まれます。
5
Prometheus インストールおよび Grafana ダッシュボードファイルが含まれるメトリクス設定
6
Kafka のデプロイメント用の Kafka カスタムリソース設定。一時または永続で、単一または複数ノードのデプロイメントの設定例が含まれます。
7
Cruise Control のデプロイメント設定のある Kafka カスタムリソース。デフォルトまたはユーザー最適化ゴールを使用する設定の例とともに、Cruise Control から最適化プロポーザルを生成するための KafkaRebalance カスタムリソースが含まれます。
8
Kafka Connect のデプロイメントの KafkaConnect および KafkaConnector カスタムリソース設定。単一または複数ノードのデプロイメントの設定例が含まれています。
9
KafkaBridge のデプロイメント用の KafkaBridge カスタムリソース設定。

4.4. コンテナーイメージを独自のレジストリーにプッシュ

AMQ Streams のコンテナーイメージは Red Hat Ecosystem Catalog にあります。AMQ Streams によって提供されるインストール YAML ファイルは、直接 Red Hat Ecosystem Catalog からイメージをプルします。

Red Hat Ecosystem Catalog にアクセスできない場合や独自のコンテナーリポジトリーを使用する場合は以下を行います。

  1. リストにある すべての コンテナーイメージをプルします。
  2. 独自のレジストリーにプッシュします。
  3. インストール YAML ファイルのイメージ名を更新します。
注記

リリースに対してサポートされる各 Kafka バージョンには別のイメージがあります。

コンテナーイメージnamespace/リポジトリー説明

Kafka

  • registry.redhat.io/amq7/amq-streams-kafka-31-rhel8:2.1.0
  • registry.redhat.io/amq7/amq-streams-kafka-30-rhel8:2.1.0

次を含む、Kafka を実行するための AMQ Streams イメージ。

  • Kafka Broker
  • Kafka Connect
  • Kafka MirrorMaker
  • ZooKeeper
  • TLS Sidecars

Operator

  • registry.redhat.io/amq7/amq-streams-rhel8-operator:2.1.0

Operator を実行するための AMQ Streams イメージ。

  • Cluster Operator
  • Topic Operator
  • User Operator
  • Kafka Initializer

Kafka Bridge

  • registry.redhat.io/amq7/amq-streams-bridge-rhel8:2.1.0

AMQ Streams Kafka Bridge を稼働するための AMQ Streams イメージ

AMQ Streams Drain Cleaner

  • registry.redhat.io/amq7/amq-streams-drain-cleaner-rhel8:2.1.0

AMQ Streams Drain Cleaner を実行するための AMQ Streams イメージ

4.5. AMQ Streams の管理者の指名

AMQ Streams では、デプロイメントの設定にカスタムリソースが提供されます。デフォルトでは、これらのリソースを表示、作成、編集、および削除する権限は OpenShift クラスター管理者に制限されます。AMQ Streams には、このような権限を他のユーザーに割り当てするために使用する 2 つのクラスターロールがあります。

  • strimzi-view ロールを指定すると、ユーザーは AMQ Streams リソースを表示できます。
  • strimzi-admin ロールを指定すると、ユーザーは AMQ Streams リソースを作成、編集、または削除することもできます。

これらのロールをインストールすると、これらの権限は自動でデフォルトの OpenShift クラスターロールに集約 (追加) されます。strimzi-viewview ロールに集約され、strimzi-adminedit および admin ロールに集約されます。集約により、これらのロールを同様の権限を持つユーザーに割り当てする必要がない可能性があります。

以下の手順では、クラスター管理者でないユーザーが AMQ Streams リソースを管理できるようにする strimzi-admin ロールの割り当て方法を説明します。

システム管理者は、Cluster Operator のデプロイ後に AMQ Streams の管理者を指名できます。

前提条件

手順

  1. OpenShift で strimzi-view および strimzi-admin クラスターロールを作成します。

    oc create -f install/strimzi-admin
  2. 必要な場合は、ユーザーに必要なアクセス権限を付与するロールを割り当てます。

    oc create clusterrolebinding strimzi-admin --clusterrole=strimzi-admin --user=user1 --user=user2

第5章 Web コンソールを使用した OperatorHub からの AMQ Streams のインストール

OpenShift Container Platform Web コンソールの OperatorHub から Red Hat Integration - AMQ Streams Operator をインストールします。

本セクションの手順では以下の方法を説明します。

5.1. Red Hat Integration Operator を使用した AMQ Streams Operator のインストール

Red Hat Integration Operator (非推奨) を使用すると、Red Hat Integration コンポーネントを管理する Operator を選択およびインストールできます。複数の Red Hat Integration サブスクリプションがある場合、Red Hat Integration Operator を使用して、AMQ Streams Operator およびサブスクライブしている Red Hat Integration コンポーネントのすべての Operator をインストールおよび更新できます。

AMQ Streams Operator の場合は、Operator Lifecycle Manager (OLM) を使用して、OCP コンソールの OperatorHub から OpenShift Container Platform (OCP) クラスターに Red Hat Integration Operator をインストールできます。

注記

Red Hat Integration Operator は非推奨となり、今後削除予定です。OpenShift4.6 から 4.10 の OperatorHub で利用できるようになります。

関連情報

Red Hat Integration Operator のインストールおよび使用に関する詳細は、『Red Hat Integration Operator のインストール』を参照してください。

5.2. OperatorHub からの AMQ Streams Operator のインストール

OpenShift Container Platform Web コンソールの OperatorHub を使用して、AMQ Streams オペレーターをインストールしてサブスクライブできます。

この手順では、プロジェクトを作成し、そのプロジェクトに AMQ Streams オペレーターをインストールする方法について説明します。プロジェクトは名前空間の表現です。管理しやすくするために、namespace を使用して関数を分離することをお勧めします。

警告

適切な更新チャネルを使用するようにしてください。サポートされるバージョンの OpenShift を使用している場合、デフォルトの stable チャネルから安全に AMQ Streams をインストールできます。ただし、stable チャネルで自動更新を有効にすることは推奨されません。自動アップグレードでは、アップグレード前に必要な手順がスキップされます。バージョン固有のチャネルでのみ自動アップグレードを使用します。

前提条件

  • cluster-admin または strimzi-admin パーミッションを持つアカウントを使用して OpenShift Container Platform Web コンソールにアクセスできること。

手順

  1. OpenShift Web コンソールで Home > Projects ページに移動し、インストール用のプロジェクト (namespace) を作成します。

    この例では、amq-streams-kafka という名前のプロジェクトを使用します。

  2. Operators > OperatorHub ページに移動します。
  3. スクロール、または Filter by keyword ボックスにキーワードを入力して、Red Hat Integration - AMQ Streams Operator を見つけます。

    Operator は、Streaming & Messaging カテゴリーにあります。

  4. Red Hat Integration - AMQ Streams をクリックして、Operator 情報を表示します。
  5. Operator に関する情報を確認し、Install をクリックします。
  6. Install Operator ページで、次のインストールおよび更新オプションから選択します。

    • Update Channel (更新チャネル):Operator の更新チャネルを選択します。

      • stable チャネル (デフォルト) には最新の更新とリリースがすべて含まれます。これには、十分なテストを行った上、安定していることが想定される、メジャー、マイナー、およびマイクロリリースが含まれます。
      • amq-streams-X.x チャネルには、メジャーリリースのマイナーリリースの更新およびマイクロリリースの更新が含まれます。X は、メジャーリリースのバージョン番号に置き換えられます。
      • amq-streams-X.Y.x チャネルには、マイナーリリースのマイクロリリースの更新が含まれます。X はメジャーリリースのバージョン番号、Y はマイナーリリースのバージョン番号に置き換えられます。
    • Installation Mode (インストールモード):作成したプロジェクトを選択して、特定の namespace に Operator をインストールします。

      AMQ Streams Operator をクラスターのすべての namespace (デフォルトのオプション) にインストールするか、特定の namespace にインストールするかを選択できます。特定の namespace を Kafka クラスターおよびその他の AMQ Streams コンポーネントの専用とすることが推奨されます。

    • 更新の承認:デフォルトでは、OLM (Operator Lifecycle Manager) によって、AMQ Streams Operator は自動的に最新の AMQ Streams バージョンにアップグレードされます。今後のアップグレードを手動で承認する場合は、Manual を選択します。詳細は、OpenShift ドキュメントの Operators ガイドを参照してください。
  7. Install をクリックして、選択した namespace に Operator をインストールします。

    AMQ Streams Operator によって、Cluster Operator、CRD、およびロールベースアクセス制御 (RBAC) リソースは選択された namespace にデプロイされます。

  8. Operator を使用する準備ができたら、Operators > Installed Operators に移動して、Operator が選択した namespace にインストールされていることを確認します。

    ステータスは Succeeded と表示されます。

    これで、AMQ Streams Operator を使用して、Kafka クラスターから始めて Kafka コンポーネントをデプロイできます。

5.3. AMQ Streams Operator を使用した Kafka コンポーネントのデプロイ

Openshift にインストールすると、AMQ Streams Operator は、ユーザーインターフェイスから Kafka コンポーネントをインストールできるようにします。

次の Kafka コンポーネントをインストールできます。

  • Kafka
  • Kafka Connect
  • Kafka MirrorMaker
  • Kafka MirrorMaker 2
  • Kafka Topic
  • Kafka User
  • Kafka Bridge
  • Kafka Connector
  • Kafka Rebalance

コンポーネントを選択して、インスタンスを作成します。少なくとも、Kafka インスタンスを作成します。この手順では、デフォルト設定を使用して Kafka インスタンスを作成する方法を説明します。インストールを実行する前に、デフォルトのインストール仕様を設定できます。

プロセスは、他の Kafka コンポーネントのインスタンスを作成する場合と同じです。

前提条件

手順

  1. Web コンソールで Operators > Installed Operators ページに移動し、Red Hat Integration - AMQ Streams をクリックして、Operator の詳細を表示します。

    提供されている API から、Kafka コンポーネントのインスタンスを作成できます。

  2. Kafka の下の Create instance をクリックして、Kafka インスタンスを作成します。

    デフォルトでは、3 つの Kafka ブローカーノードと 3 つの ZooKeeper ノードを持つ my-cluster という名の Kafka クラスターを作成します。クラスターはエフェメラルストレージを使用します。

  3. Create をクリックして、Kafka のインストールを開始します。

    ステータスが Ready に変わるまで待ちます。

第6章 インストールアーティファクトを使用した AMQ Streams のデプロイ

AMQ Streams のデプロイメント環境を準備 したら、AMQ Streams を OpenShift クラスターにデプロイできます。リリースアーティファクトで提供されるデプロイメントファイルを使用できます。

デプロイメントファイルを使用して Kafka クラスターを作成します

任意で、要件に応じて以下の Kafka コンポーネントをデプロイできます。

AMQ Streams は Strimzi 0.28.x をベースとしています。AMQ Streams 2.1 は、OpenShift 4.6 から 4.10 にデプロイできます。

注記

本ガイドのコマンドを実行するには、クラスターユーザーに RBAC (ロールベースアクセス制御) および CRD を管理する権限を付与する必要があります。

6.1. Kafka クラスターの作成

Cluster Operator で Kafka クラスターを管理できるようにするには、これを Kafka リソースとしてデプロイする必要があります。AMQ Streams では、これ用のデプロイメントファイルのサンプルが同梱されています。これらのファイルを使用して、Topic Operator および User Operator を同時にデプロイできます。

Kafka クラスターを Kafka リソースとしてデプロイしていない場合は、Cluster Operator を使用してこれを管理できません。これは、たとえば OpenShift 外で実行されている Kafka クラスターに適用されます。ただし、Topic Operator および User Operator は、スタンドアロンコンポーネントとしてデプロイし、使用することができます。

注記

Cluster Operator は、OpenShift クラスターの 1 つ、複数、またはすべての namespace を監視できます。Topic Operator および User Operator は、Kafka クラスターデプロイメントの単一の namespace で KafkaTopics および KafkaUsers を監視します。

Kafka クラスターを Topic Operator および User Operator とデプロイ

AMQ Streams によって管理される Kafka クラスターを Topic Operator および User Operator と使用する場合は、このデプロイメント手順を実行します。

  1. Cluster Operator をデプロイします
  2. Cluster Operator を使用して以下をデプロイします。

スタンドアロン Topic Operator および User Operator のデプロイ

AMQ Streams によって管理されない Kafka クラスターを Topic Operator および User Operator と使用する場合は、このデプロイメント手順を実行します。

6.1.1. Cluster Operator のデプロイ

Cluster Operator は、OpenShift クラスター内で Apache Kafka クラスターのデプロイおよび管理を行います。

本セクションの手順では、以下のいずれかを監視するように Cluster Operator をデプロイする方法を説明します。

6.1.1.1. Cluster Operator デプロイメントの監視オプション

Cluster Operator の稼働中に、Kafka リソースの更新に対する監視が開始されます。

Cluster Operator をデプロイして、以下からの Kafka リソースの監視を選択できます。

  • 単一の namespace (Cluster Operator が含まれる同じ namespace)
  • 複数の namespace
  • すべての namespace
注記

AMQ Streams では、デプロイメントの処理を簡単にするため、YAML ファイルのサンプルが提供されます。

Cluster Operator では、以下のリソースの変更が監視されます。

  • Kafka クラスターの Kafka
  • Kafka Connect クラスターの KafkaConnect
  • Kafka Connect クラスターでコネクターを作成および管理するための KafkaConnector
  • Kafka MirrorMaker インスタンスの KafkaMirrorMaker
  • Kafka MirrorMaker 2.0 インスタンスの KafkaMirrorMaker2
  • Kafka Bridge インスタンスの KafkaBridge
  • Cruise Control の最適化リクエストの KafkaRebalance

OpenShift クラスターでこれらのリソースの 1 つが作成されると、Operator によってクラスターの詳細がリソースより取得されます。さらに、StatefulSet、Service、および ConfigMap などの必要な OpenShift リソースが作成され、リソースの新しいクラスターの作成が開始されます。

Kafka リソースが更新されるたびに、リソースのクラスターを構成する OpenShift リソースで該当する更新が Operator によって実行されます。

クラスターの望ましい状態がリソースのクラスターに反映されるようにするため、リソースへのパッチ適用後またはリソースの削除後にリソースが再作成されます。この操作は、サービスの中断を引き起こすローリングアップデートの原因となる可能性があります。

リソースが削除されると、Operator によってクラスターがアンデプロイされ、関連する OpenShift リソースがすべて削除されます。

6.1.1.2. 単一の namespace を監視対象とする Cluster Operator のデプロイメント

この手順では、OpenShift クラスターの単一の namespace で AMQ Streams リソースを監視するように Cluster Operator をデプロイする方法を説明します。

前提条件

  • この手順では、CustomResourceDefinitionsClusterRoles、および ClusterRoleBindings を作成できる OpenShift ユーザーアカウントを使用する必要があります。通常、OpenShift クラスターでロールベースアクセス制御 (RBAC) を使用する場合、これらのリソースを作成、編集、および削除する権限を持つユーザーは system:admin などの OpenShift クラスター管理者に限定されます。

手順

  1. Cluster Operator がインストールされる namespace を使用するように、AMQ Streams のインストールファイルを編集します。

    たとえば、この手順では Cluster Operator は <my_cluster_operator_namespace> という namespace にインストールされます。

    Linux の場合は、以下を使用します。

    sed -i 's/namespace: .*/namespace: <my_cluster_operator_namespace>/' install/cluster-operator/*RoleBinding*.yaml

    MacOS の場合は、以下を使用します。

    sed -i '' 's/namespace: .*/namespace: <my_cluster_operator_namespace>/' install/cluster-operator/*RoleBinding*.yaml
  2. Cluster Operator をデプロイします。

    oc create -f install/cluster-operator -n <my_cluster_operator_namespace>
  3. デプロイメントのステータスを確認します。

    oc get deployments -n <my_cluster_operator_namespace>

    出力には、デプロイメント名と準備状態が表示されます。

    NAME                                READY  UP-TO-DATE  AVAILABLE
    amq-streams-cluster-operator-<version>  1/1    1           1

    READY は、Ready/expected 状態のレプリカ数を表示します。AVAILABLE 出力に 1 が表示されれば、デプロイメントは成功しています。

6.1.1.3. 複数の namespace を監視対象とする Cluster Operator のデプロイメント

この手順では、OpenShift クラスターの複数の namespace 全体で AMQ Streams リソースを監視するように Cluster Operator をデプロイする方法を説明します。

前提条件

  • この手順では、CustomResourceDefinitionsClusterRoles、および ClusterRoleBindings を作成できる OpenShift ユーザーアカウントを使用する必要があります。通常、OpenShift クラスターでロールベースアクセス制御 (RBAC) を使用する場合、これらのリソースを作成、編集、および削除する権限を持つユーザーは system:admin などの OpenShift クラスター管理者に限定されます。

手順

  1. Cluster Operator がインストールされる namespace を使用するように、AMQ Streams のインストールファイルを編集します。

    たとえば、この手順では Cluster Operator は <my_cluster_operator_namespace> という namespace にインストールされます。

    Linux の場合は、以下を使用します。

    sed -i 's/namespace: .*/namespace: <my_cluster_operator_namespace>/' install/cluster-operator/*RoleBinding*.yaml

    MacOS の場合は、以下を使用します。

    sed -i '' 's/namespace: .*/namespace: <my_cluster_operator_namespace>/' install/cluster-operator/*RoleBinding*.yaml
  2. install/cluster-operator/060-Deployment-strimzi-cluster-operator.yaml ファイルを編集し、Cluster Operator によって監視されるすべての namespace のリストを STRIMZI_NAMESPACE 環境変数に追加します。

    たとえば、この手順では Cluster Operator は watched-namespace-1watched-namespace-2、および watched-namespace-3 という namespace を監視します。

    apiVersion: apps/v1
    kind: Deployment
    spec:
      # ...
      template:
        spec:
          serviceAccountName: strimzi-cluster-operator
          containers:
          - name: strimzi-cluster-operator
            image: registry.redhat.io/amq7/amq-streams-rhel8-operator:2.1.0
            imagePullPolicy: IfNotPresent
            env:
            - name: STRIMZI_NAMESPACE
              value: watched-namespace-1,watched-namespace-2,watched-namespace-3
  3. リストした各 namespace に RoleBindings をインストールします。

    この例では、コマンドの watched-namespace を前述のステップでリストした namespace に置き換えます。watched-namespace-1watched-namespace-2、および watched-namespace-3 に対してこれを行います。

    oc create -f install/cluster-operator/020-RoleBinding-strimzi-cluster-operator.yaml -n <watched_namespace>
    oc create -f install/cluster-operator/031-RoleBinding-strimzi-cluster-operator-entity-operator-delegation.yaml -n <watched_namespace>
  4. Cluster Operator をデプロイします。

    oc create -f install/cluster-operator -n <my_cluster_operator_namespace>
  5. デプロイメントのステータスを確認します。

    oc get deployments -n <my_cluster_operator_namespace>

    出力には、デプロイメント名と準備状態が表示されます。

    NAME                                READY  UP-TO-DATE  AVAILABLE
    amq-streams-cluster-operator-<version>  1/1    1           1

    READY は、Ready/expected 状態のレプリカ数を表示します。AVAILABLE 出力に 1 が表示されれば、デプロイメントは成功しています。

6.1.1.4. すべての namespace を対象とする Cluster Operator のデプロイメント

この手順では、OpenShift クラスターのすべての namespace 全体で AMQ Streams リソースを監視するように Cluster Operator をデプロイする方法を説明します。

このモードで実行している場合、Cluster Operator によって、新規作成された namespace でクラスターが自動的に管理されます。

前提条件

  • この手順では、CustomResourceDefinitionsClusterRoles、および ClusterRoleBindings を作成できる OpenShift ユーザーアカウントを使用する必要があります。通常、OpenShift クラスターでロールベースアクセス制御 (RBAC) を使用する場合、これらのリソースを作成、編集、および削除する権限を持つユーザーは system:admin などの OpenShift クラスター管理者に限定されます。

手順

  1. Cluster Operator がインストールされる namespace を使用するように、AMQ Streams のインストールファイルを編集します。

    たとえば、この手順では Cluster Operator は <my_cluster_operator_namespace> という namespace にインストールされます。

    Linux の場合は、以下を使用します。

    sed -i 's/namespace: .*/namespace: <my_cluster_operator_namespace>/' install/cluster-operator/*RoleBinding*.yaml

    MacOS の場合は、以下を使用します。

    sed -i '' 's/namespace: .*/namespace: <my_cluster_operator_namespace>/' install/cluster-operator/*RoleBinding*.yaml
  2. install/cluster-operator/060-Deployment-strimzi-cluster-operator.yaml ファイルを編集し、STRIMZI_NAMESPACE 環境変数の値を * に設定します。

    apiVersion: apps/v1
    kind: Deployment
    spec:
      # ...
      template:
        spec:
          # ...
          serviceAccountName: strimzi-cluster-operator
          containers:
          - name: strimzi-cluster-operator
            image: registry.redhat.io/amq7/amq-streams-rhel8-operator:2.1.0
            imagePullPolicy: IfNotPresent
            env:
            - name: STRIMZI_NAMESPACE
              value: "*"
            # ...
  3. クラスター全体ですべての namespace にアクセスできる権限を Cluster Operator に付与する ClusterRoleBindings を作成します。

    oc create clusterrolebinding strimzi-cluster-operator-namespaced --clusterrole=strimzi-cluster-operator-namespaced --serviceaccount <my_cluster_operator_namespace>:strimzi-cluster-operator
    oc create clusterrolebinding strimzi-cluster-operator-entity-operator-delegation --clusterrole=strimzi-entity-operator --serviceaccount <my_cluster_operator_namespace>:strimzi-cluster-operator

    <my_cluster_operator_namespace> は、Cluster Operator をインストールする namespace に置き換えます。

  4. Cluster Operator を OpenShift クラスターにデプロイします。

    oc create -f install/cluster-operator -n <my_cluster_operator_namespace>
  5. デプロイメントのステータスを確認します。

    oc get deployments -n <my_cluster_operator_namespace>

    出力には、デプロイメント名と準備状態が表示されます。

    NAME                                READY  UP-TO-DATE  AVAILABLE
    amq-streams-cluster-operator-<version>  1/1    1           1

    READY は、Ready/expected 状態のレプリカ数を表示します。AVAILABLE 出力に 1 が表示されれば、デプロイメントは成功しています。

6.1.2. Kafka のデプロイ

Apache Kafka は、耐障害性のリアルタイムデータフィードを実現する、オープンソースの分散型 publish/subscribe メッセージングシステムです。

本セクションの手順では、以下を説明します。

Kafka をインストールする場合、AMQ Streams によって ZooKeeper クラスターもインストールされ、Kafka と ZooKeeper との接続に必要な設定が追加されます。

6.1.2.1. Kafka クラスターのデプロイメント

この手順では、Cluster Operator を使用して Kafka クラスターを OpenShift クラスターにデプロイする方法を説明します。

デプロイメントでは、YAML ファイルの仕様を使って Kafka リソースが作成されます。

AMQ Streams には、設定ファイルのサンプルが含まれています。Kafka デプロイメントでは、以下の例が提供されます。

kafka-persistent.yaml
3 つの Zookeeper ノードと 3 つの Kafka ノードを使用して永続クラスターをデプロイします。
kafka-jbod.yaml
それぞれが複数の永続ボリューを使用する、3 つの ZooKeeper ノードと 3 つの Kafka ノードを使用して、永続クラスターをデプロイします。
kafka-persistent-single.yaml
1 つの ZooKeeper ノードと 1 つの Kafka ノードを使用して、永続クラスターをデプロイします。
kafka-ephemeral.yaml
3 つの ZooKeeper ノードと 3 つの Kafka ノードを使用して、一時クラスターをデプロイします。
kafka-ephemeral-single.yaml
3 つの ZooKeeper ノードと 1 つの Kafka ノードを使用して、一時クラスターをデプロイします。

この手順では、一時 および 永続 Kafka クラスターデプロイメントの例を使用します。

一時クラスター
通常、Kafka の一時クラスターは開発およびテスト環境での使用に適していますが、本番環境での使用には適していません。このデプロイメントでは、ブローカー情報 (ZooKeeper) と、トピックまたはパーティション (Kafka) を格納するための emptyDir ボリュームが使用されます。emptyDir ボリュームを使用すると、その内容は厳密に Pod のライフサイクルと関連し、Pod がダウンすると削除されます。
永続クラスター
Kafka の永続クラスターでは、PersistentVolumes を使用して ZooKeeper および Kafka データを格納します。PersistentVolumeClaim を使用して PersistentVolume が取得され、PersistentVolume の実際のタイプには依存しません。たとえば、YAML ファイルを変更しなくても Amazon AWS デプロイメントで Amazon EBS ボリュームを使用できます。PersistentVolumeClaimStorageClass を使用し、自動ボリュームプロビジョニングをトリガーすることができます。

サンプル YAML ファイルは、サポートされる最新の Kafka バージョンを指定し、サポートされるログメッセージ形式バージョンの設定とブローカー間のプロトコルバージョンの設定を指定します。Kafka configinter.broker.protocol.version プロパティーは、指定された Kafka バージョン (spec.kafka.version) によってサポートされるバージョンである必要があります。このプロパティーは、Kafka クラスターで使用される Kafka プロトコルのバージョンを表します。

Kafka 3.0.0 以降、inter.broker.protocol.version3.0 以上に設定されていると、log.message.format.version オプションは無視されるため、設定する必要はありません。

Kafka のアップグレード 時に、inter.broker.protocol.version への更新が必要です。

サンプルクラスターの名前はデフォルトで my-cluster になります。クラスター名はリソースの名前によって定義され、クラスターがデプロイされた後に変更できません。クラスターをデプロイする前にクラスター名を変更するには、関連する YAML ファイルにある Kafka リソースの Kafka.metadata.name プロパティーを編集します。

デフォルトのクラスター名および指定された Kafka バージョン

apiVersion: kafka.strimzi.io/v1beta2
kind: Kafka
metadata:
  name: my-cluster
spec:
  kafka:
    version: 3.1.0
    #...
    config:
      #...
      log.message.format.version: "3.1"
      inter.broker.protocol.version: "3.1"
  # ...

手順

  1. 一時 または 永続 クラスターを作成およびデプロイします。

    開発またはテストでは、一時クラスターの使用が適している可能性があります。永続クラスターはどのような状況でも使用することができます。

    • 一時 クラスターを作成およびデプロイするには、以下を実行します。

      oc apply -f examples/kafka/kafka-ephemeral.yaml
    • 永続 クラスターを作成およびデプロイするには、以下を実行します。

      oc apply -f examples/kafka/kafka-persistent.yaml
  2. デプロイメントのステータスを確認します。

    oc get pods -n <my_cluster_operator_namespace>

    出力には、Pod 名および readiness が表示されます。

    NAME                        READY   STATUS    RESTARTS
    my-cluster-entity-operator  3/3     Running   0
    my-cluster-kafka-0          1/1     Running   0
    my-cluster-kafka-1          1/1     Running   0
    my-cluster-kafka-2          1/1     Running   0
    my-cluster-zookeeper-0      1/1     Running   0
    my-cluster-zookeeper-1      1/1     Running   0
    my-cluster-zookeeper-2      1/1     Running   0

    my-cluster は Kafka クラスターの名前です。

    デフォルトのデプロイメントでは、Entity Operator クラスター、3 つの Kafka Pod、および 3 つの ZooKeeper Pod をインストールします。

    READY は、Ready/expected 状態のレプリカ数を表示します。STATUSRunning と表示されると、デプロイメントは成功しています。

6.1.2.2. Cluster Operator を使用した Topic Operator のデプロイ

この手順では、Cluster Operator を使用して Topic Operator をデプロイする方法を説明します。

Kafka リソースの entityOperator プロパティーを設定し、topicOperator が含まれるようにします。デフォルトでは、Topic Operator は Kafka クラスターデプロイメントの namespace で KafkaTopics を監視します。

AMQ Streams によって管理されない Kafka クラスターを Topic Operator と使用する場合は、Topic Operator をスタンドアロンコンポーネントとしてデプロイする必要があります。

entityOperator および topicOperator プロパティーの設定に関する詳細は、Configuring the Entity Operator を参照してください。

手順

  1. Kafka リソースの entityOperator プロパティーを編集し、topicOperator が含まれるようにします。

    apiVersion: kafka.strimzi.io/v1beta2
    kind: Kafka
    metadata:
      name: my-cluster
    spec:
      #...
      entityOperator:
        topicOperator: {}
        userOperator: {}
  2. EntityTopicOperatorSpec schema reference」に記載されているプロパティーを使用して、Topic Operator の spec を設定します。

    すべてのプロパティーにデフォルト値を使用する場合は、空のオブジェクト ({}) を使用します。

  3. リソースを作成または更新します。

    次のように oc apply を使用します。

    oc apply -f <your-file>
6.1.2.3. Cluster Operator を使用した User Operator のデプロイ

この手順では、Cluster Operator を使用して User Operator をデプロイする方法を説明します。

Kafka リソースの entityOperator プロパティーを設定し、userOperator が含まれるようにします。デフォルトでは、User Operator は Kafka クラスターデプロイメントの namespace で KafkaUsers を監視します。

AMQ Streams によって管理されない Kafka クラスターを User Operator と使用する場合は、User Operator をスタンドアロンコンポーネントとしてデプロイする必要があります。

entityOperator および userOperator プロパティーの設定に関する詳細は、Configuring the Entity Operator を参照してください。

手順

  1. Kafka リソースの entityOperator プロパティーを編集し、userOperator が含まれるようにします。

    apiVersion: kafka.strimzi.io/v1beta2
    kind: Kafka
    metadata:
      name: my-cluster
    spec:
      #...
      entityOperator:
        topicOperator: {}
        userOperator: {}
  2. EntityUserOperatorSpec スキーマ参照」に記載されているプロパティーを使用して、User Operator の spec を設定します。

    すべてのプロパティーにデフォルト値を使用する場合は、空のオブジェクト ({}) を使用します。

  3. リソースを作成または更新します。

    oc apply -f <your-file>

6.1.3. AMQ Streams Operator の代替のスタンドアロンデプロイメントオプション

Topic Operator および User Operator のスタンドアロンデプロイメントを実行できます。Cluster Operator によって管理されない Kafka クラスターを使用している場合は、これらの Operator のスタンドアロンデプロイメントを検討してください。

Operator を OpenShift にデプロイします。Kafka は OpenShift 外で実行できます。たとえば、Kafka を管理対象サービスとして使用する場合があります。スタンドアロン Operator のデプロイメント設定を調整し、Kafka クラスターのアドレスと一致するようにします。

6.1.3.1. スタンドアロン Topic Operator のデプロイ

この手順では、Topic Operator をトピック管理のスタンドアロンコンポーネントとしてデプロイする方法を説明します。スタンドアロン Topic Operator を Cluster Operator によって管理されない Kafka クラスターと使用できます。

スタンドアロンデプロイメントは、任意の Kafka クラスターと操作できます。

スタンドアロンデプロイメントファイルは AMQ Streams で提供されます。05-Deployment-strimzi-topic-operator.yaml デプロイメントファイルを使用して、Topic Operator をデプロイします。Kafka クラスターへの接続に必要な環境変数を追加または設定します。

前提条件

  • Topic Operator が接続する Kafka クラスターを実行しています。

    スタンドアロンの Topic Operator が接続用に正しく設定されている限り、Kafka クラスターはベアメタル環境、仮想マシン、または管理対象クラウドアプリケーションサービスで実行できます。

手順

  1. install/topic-operator/05-Deployment-strimzi-topic-operator.yaml スタンドアロンデプロイメントファイルの env プロパティーを編集します。

    スタンドアロンの Topic Operator デプロイメント設定の例

    apiVersion: apps/v1
    kind: Deployment
    metadata:
      name: strimzi-topic-operator
      labels:
        app: strimzi
    spec:
      # ...
      template:
        # ...
        spec:
          # ...
          containers:
            - name: strimzi-topic-operator
              # ...
              env:
                - name: STRIMZI_NAMESPACE 1
                  valueFrom:
                    fieldRef:
                      fieldPath: metadata.namespace
                - name: STRIMZI_KAFKA_BOOTSTRAP_SERVERS 2
                  value: my-kafka-bootstrap-address:9092
                - name: STRIMZI_RESOURCE_LABELS 3
                  value: "strimzi.io/cluster=my-cluster"
                - name: STRIMZI_ZOOKEEPER_CONNECT 4
                  value: my-cluster-zookeeper-client:2181
                - name: STRIMZI_ZOOKEEPER_SESSION_TIMEOUT_MS 5
                  value: "18000"
                - name: STRIMZI_FULL_RECONCILIATION_INTERVAL_MS 6
                  value: "120000"
                - name: STRIMZI_TOPIC_METADATA_MAX_ATTEMPTS 7
                  value: "6"
                - name: STRIMZI_LOG_LEVEL 8
                  value: INFO
                - name: STRIMZI_TLS_ENABLED 9
                  value: "false"
                - name: STRIMZI_JAVA_OPTS 10
                  value: "-Xmx=512M -Xms=256M"
                - name: STRIMZI_JAVA_SYSTEM_PROPERTIES 11
                  value: "-Djavax.net.debug=verbose -DpropertyName=value"
                - name: STRIMZI_PUBLIC_CA 12
                  value: "false"
                - name: STRIMZI_TLS_AUTH_ENABLED 13
                  value: "false"
                - name: STRIMZI_SASL_ENABLED 14
                  value: "false"
                - name: STRIMZI_SASL_USERNAME 15
                  value: "admin"
                - name: STRIMZI_SASL_PASSWORD 16
                  value: "password"
                - name: STRIMZI_SASL_MECHANISM 17
                  value: "scram-sha-512"
                - name: STRIMZI_SECURITY_PROTOCOL 18
                  value: "SSL"

    1
    KafkaTopic リソースを監視する Topic Operator の OpenShift namespace。Kafka クラスターの namespace を指定します。
    2
    Kafka クラスターのすべてのブローカーを検出し、接続するブートストラップブローカーアドレスのホストとポートのペア。サーバーがダウンした場合に備えて、コンマ区切りリストを使用して 2 つまたは 3 つのブローカーアドレスを指定します。
    3
    Topic Operator によって管理される KafkaTopic リソースを識別するためのラベルセレクター。
    4
    ZooKeeper クラスターに接続するためのアドレスのホストおよびポートのペア。これは、Kafka クラスターが使用する ZooKeeper クラスターと同じである必要があります。
    5
    ZooKeeper セッションのタイムアウト (秒単位)。デフォルトは 18000 (18 秒) です。
    6
    定期的な調整の間隔 (秒単位)。デフォルトは 120000 (2 分) です。
    7
    Kafka からトピックメタデータの取得を試行する回数。各試行の間隔は、指数バックオフとして定義されます。パーティションまたはレプリカの数が原因で、トピックの作成に時間がかかる場合は、この値を大きくすることを検討してください。デフォルトの試行回数は 6 回です。
    8
    ロギングメッセージの出力レベル。レベルを、ERRORWARNINGINFODEBUG、または TRACE に設定できます。
    9
    Kafka ブローカーとの暗号化された通信の TLS サポートを有効にします。
    10
    (任意) Topic Operator を実行する JVM に使用される Java オプション。
    11
    (任意) Topic Operator に設定されたデバッグ (-D) オプション。
    12
    (オプション)TLS が STRIMZI_TLS_ENABLED によって有効になっている場合、トラストストア証明書の生成を省略します。この環境変数が有効になっている場合、ブローカーは TLS 証明書に公的に信頼できる認証局を使用する必要があります。デフォルトは false です。
    13
    (オプション)相互 TLS 認証用のキーストア証明書を生成します。これを false に設定すると、TLS を使用した Kafka ブローカーへのクライアント認証が無効になります。デフォルトは true です。
    14
    (オプション)Kafka ブローカーに接続するときにクライアント認証の SASL サポートを有効にします。デフォルトは false です。
    15
    (任意)クライアント認証用の SASL ユーザー名。SASL が STRIMZI_SASL_ENABLED によって有効化された場合のみ必須です。
    16
    (任意)クライアント認証用の SASL パスワード。SASL が STRIMZI_SASL_ENABLED によって有効化された場合のみ必須です。
    17
    (任意)クライアント認証用の SASL メカニズム。SASL が STRIMZI_SASL_ENABLED によって有効化された場合のみ必須です。この値は plainscram-sha-256、または scram-sha-512 に設定できます。
    18
    (任意)Kafka ブローカーとの通信に使用されるセキュリティープロトコル。デフォルト値は「PLAINTEXT」です。値は PLAINTEXTSSLSASL_PLAINTEXT、または SASL_SSL に設定できます。
  2. 公開認証局から証明書を使用している Kafkaブ ローカーに接続する場合は、STRIMZI_PUBLIC_CAtrue に設定します。たとえば、Amazon AWS MSK サービスを使用している場合は、このプロパティーを true に設定します。
  3. STRIMZI_TLS_ENABLED 環境変数で TLS を有効にした場合、Kafka クラスターへの接続を認証するために使用されるキーストアおよびトラストストアを指定します。

    TLS 設定の例

    # ....
    env:
      - name: STRIMZI_TRUSTSTORE_LOCATION 1
        value: "/path/to/truststore.p12"
      - name: STRIMZI_TRUSTSTORE_PASSWORD 2
        value: "TRUSTSTORE-PASSWORD"
      - name: STRIMZI_KEYSTORE_LOCATION 3
        value: "/path/to/keystore.p12"
      - name: STRIMZI_KEYSTORE_PASSWORD 4
        value: "KEYSTORE-PASSWORD"
    # ...

    1
    トラストストアには、Kafka および ZooKeeper サーバー証明書の署名に使用される認証局の公開鍵が含まれます。
    2
    トラストストアにアクセスするためのパスワード。
    3
    キーストアには、TLS クライアント認証の秘密鍵が含まれます。
    4
    キーストアにアクセスするためのパスワード
  4. Topic Operator をデプロイします。

    oc create -f install/topic-operator
  5. デプロイメントのステータスを確認します。

    oc get deployments

    出力には、デプロイメント名と準備状態が表示されます。

    NAME                    READY  UP-TO-DATE  AVAILABLE
    strimzi-topic-operator  1/1    1           1

    READY は、Ready/expected 状態のレプリカ数を表示します。AVAILABLE 出力に 1 が表示されれば、デプロイメントは成功しています。

6.1.3.2. スタンドアロン User Operator のデプロイ

この手順では、ユーザー管理のスタンドアロンコンポーネントとして User Operator をデプロイする方法を説明します。スタンドアロン User Operator を Cluster Operator によって管理されない Kafka クラスターと使用できます。

スタンドアロンデプロイメントは、任意の Kafka クラスターと操作できます。

スタンドアロンデプロイメントファイルは AMQ Streams で提供されます。05-Deployment-strimzi-user-operator.yaml デプロイメントファイルを使用して、User Operator をデプロイします。Kafka クラスターへの接続に必要な環境変数を追加または設定します。

前提条件

  • User Operator が接続する Kafka クラスターを実行しています。

    スタンドアロンの User Operator が接続用に正しく設定されている限り、Kafka クラスターはベアメタル環境、仮想マシン、または管理対象クラウドアプリケーションサービスで実行できます。

手順

  1. 以下の env プロパティーを install/user-operator/05-Deployment-strimzi-user-operator.yaml スタンドアロンデプロイメントファイルで編集します。

    スタンドアロン User Operator デプロイメント設定の例

    apiVersion: apps/v1
    kind: Deployment
    metadata:
      name: strimzi-user-operator
      labels:
        app: strimzi
    spec:
      # ...
      template:
        # ...
        spec:
          # ...
          containers:
            - name: strimzi-user-operator
              # ...
              env:
                - name: STRIMZI_NAMESPACE 1
                  valueFrom:
                    fieldRef:
                      fieldPath: metadata.namespace
                - name: STRIMZI_KAFKA_BOOTSTRAP_SERVERS 2
                  value: my-kafka-bootstrap-address:9092
                - name: STRIMZI_CA_CERT_NAME 3
                  value: my-cluster-clients-ca-cert
                - name: STRIMZI_CA_KEY_NAME 4
                  value: my-cluster-clients-ca
                - name: STRIMZI_LABELS 5
                  value: "strimzi.io/cluster=my-cluster"
                - name: STRIMZI_FULL_RECONCILIATION_INTERVAL_MS 6
                  value: "120000"
                - name: STRIMZI_LOG_LEVEL 7
                  value: INFO
                - name: STRIMZI_GC_LOG_ENABLED 8
                  value: "true"
                - name: STRIMZI_CA_VALIDITY 9
                  value: "365"
                - name: STRIMZI_CA_RENEWAL 10
                  value: "30"
                - name: STRIMZI_JAVA_OPTS 11
                  value: "-Xmx=512M -Xms=256M"
                - name: STRIMZI_JAVA_SYSTEM_PROPERTIES 12
                  value: "-Djavax.net.debug=verbose -DpropertyName=value"
                - name: STRIMZI_SECRET_PREFIX 13
                  value: "kafka-"
                - name: STRIMZI_ACLS_ADMIN_API_SUPPORTED 14
                  value: "true"

    1
    KafkaUser リソースを監視する User Operator の OpenShift namespace。指定できる namespace は 1 つだけです。
    2
    Kafka クラスターのすべてのブローカーを検出し、接続するブートストラップブローカーアドレスのホストとポートのペア。サーバーがダウンした場合に備えて、コンマ区切りリストを使用して 2 つまたは 3 つのブローカーアドレスを指定します。
    3
    TLS クライアント認証に対して新しいユーザー証明書に署名する認証局の公開鍵 (ca.crt) の値が含まれる OpenShift Secret
    4
    TLS クライアント認証に対して新しいユーザー証明書に署名する認証局の秘密鍵 (ca.key) の値が含まれる OpenShift Secret
    5
    User Operator によって管理される KafkaUser リソースを識別するために使用されるラベルセレクター。
    6
    定期的な調整の間隔 (秒単位)。デフォルトは 120000 (2 分) です。
    7
    ロギングメッセージの出力レベル。レベルを、ERRORWARNINGINFODEBUG、または TRACE に設定できます。
    8
    ガベッジコレクション (GC) ロギングを有効にします。デフォルトは true です。
    9
    認証局の有効期間。デフォルトは 365 日です。
    10
    認証局の更新期間。更新期間は、現在の証明書の有効期日から逆算されます。デフォルトでは、古い証明書が期限切れになる前の証明書の更新期間は 30 日です。
    11
    (任意) User Operator を実行する JVM に使用される Java オプション。
    12
    (任意) User Operator に設定されたデバッグ (-D) オプション。
    13
    (オプション)User Operator によって作成される OpenShift シークレットの名前のプレフィックス。
    14
    (任意)Kafka クラスターが Kafka Admin API を使用した承認 ACL ルールの管理をサポートするかどうかを示します。false に設定すると、User Operator は simple 承認 ACL ルールを持つすべてのリソースを拒否します。これは、Kafka クラスターログで不要な例外を回避するのに役立ちます。デフォルトは true です。
  2. TLS を使用して Kafka クラスターに接続する場合は、接続の認証に使用されるシークレットを指定します。それ以外の場合は、次のステップに進みます。

    TLS 設定の例

    # ....
    env:
      - name: STRIMZI_CLUSTER_CA_CERT_SECRET_NAME 1
        value: my-cluster-cluster-ca-cert
      - name: STRIMZI_EO_KEY_SECRET_NAME 2
        value: my-cluster-entity-operator-certs
    # ..."

    1
    TLS クライアント認証に対して Kafka ブローカー証明書に署名する認証局の公開鍵 (ca.crt) の値が含まれる OpenShift Secret
    2
    Kafka クラスターに対する TLS 認証の秘密鍵と証明書が含まれるキーストア (entity-operator.p12) が含まれる OpenShift SecretSecret には、キーストアにアクセスするためのパスワード (entity-operator.password) も含まれる必要があります。
  3. User Operator をデプロイします。

    oc create -f install/user-operator
  4. デプロイメントのステータスを確認します。

    oc get deployments

    出力には、デプロイメント名と準備状態が表示されます。

    NAME                   READY  UP-TO-DATE  AVAILABLE
    strimzi-user-operator  1/1    1           1

    READY は、Ready/expected 状態のレプリカ数を表示します。AVAILABLE 出力に 1 が表示されれば、デプロイメントは成功しています。

6.2. Kafka Connect のデプロイ

Kafka Connect は、Apache Kafka と外部システムとの間でデータをストリーミングするためのツールです。

AMQ Streams では、Kafka Connect は分散 (distributed) モードでデプロイされます。Kafka Connect はスタンドアロンモードでも動作しますが、AMQ Streams ではサポートされません。

Kafka Connect では、コネクター の概念を使用し、スケーラビリティーと信頼性を維持しながら Kafka クラスターで大量のデータを出し入れするためのフレームワークが提供されます。

Kafka Connect は通常、Kafka を外部データベース、ストレージシステム、およびメッセージングシステムと統合するために使用されます。

本セクションの手順では以下の方法を説明します。

注記

コネクター という用語は、Kafka Connect クラスター内で実行されているコネクターインスタンスや、コネクタークラスと同じ意味で使用されます。本ガイドでは、本文の内容で意味が明確である場合に コネクター という用語を使用します。

6.2.1. Kafka Connect の OpenShift クラスターへのデプロイ

この手順では、Cluster Operator を使用して Kafka Connect クラスターを OpenShift クラスターにデプロイする方法を説明します。

Kafka Connect クラスターは Deployment として実装されます。その Deployment には、コネクターのワークロードを タスク として分布するノード (ワーカー とも呼ばれる) の設定可能な数が含まれるため、メッセージフローのスケーラビリティーや信頼性が高くなります。

デプロイメントでは、YAML ファイルの仕様を使って KafkaConnect リソースが作成されます。

AMQ Streams には、設定ファイルのサンプルが含まれています。この手順では、以下のサンプルファイルを使用します。

  • examples/connect/kafka-connect.yaml

手順

  1. Kafka Connect を OpenShift クラスターにデプロイします。examples/connect/kafka-connect.yaml ファイルを使用して Kafka Connect をデプロイします。

    oc apply -f examples/connect/kafka-connect.yaml
  2. デプロイメントのステータスを確認します。

    oc get deployments -n <my_cluster_operator_namespace>

    出力には、デプロイメント名と準備状態が表示されます。

    NAME                        READY  UP-TO-DATE  AVAILABLE
    my-connect-cluster-connect  1/1    1           1

    my-connect-cluster は、Kafka Connect クラスターの名前です。

    READY は、Ready/expected 状態のレプリカ数を表示します。AVAILABLE 出力に 1 が表示されれば、デプロイメントは成功しています。

6.2.2. 複数インスタンスの Kafka Connect 設定

Kafka Connect のインスタンスを複数実行している場合は、以下の config プロパティーのデフォルト設定を変更する必要があります。

apiVersion: kafka.strimzi.io/v1beta2
kind: KafkaConnect
metadata:
  name: my-connect
spec:
  # ...
  config:
    group.id: connect-cluster 1
    offset.storage.topic: connect-cluster-offsets 2
    config.storage.topic: connect-cluster-configs 3
    status.storage.topic: connect-cluster-status  4
    # ...
# ...
1
Kafka 内の Kafka Connect クラスター ID。
2
コネクターオフセットを保存する Kafka トピック。
3
コネクターおよびタスクステータスの設定を保存する Kafka トピック。
4
コネクターおよびタスクステータスの更新を保存する Kafka トピック。
注記

これら 3 つのトピックの値は、同じ group.id を持つすべての Kafka Connect インスタンスで同じする必要があります。

デフォルト設定を変更しないと、同じ Kafka クラスターに接続する各 Kafka Connect インスタンスは同じ値でデプロイされます。その結果、事実上はすべてのインスタンスが結合されてクラスターで実行され、同じトピックが使用されます。

複数の Kafka Connect クラスターが同じトピックの使用を試みると、Kafka Connect は想定どおりに動作せず、エラーが生成されます。

複数の Kafka Connect インスタンスを実行する場合は、インスタンスごとにこれらのプロパティーの値を変更してください。

6.2.3. コネクタープラグインでの Kafka Connect の拡張

Kafka Connect の AMQ Streams コンテナーイメージには、ファイルベースのデータを Kafka クラスターで出し入れするために 2 つの組み込みコネクターが含まれています。

表6.1 ファイルコネクター
ファイルコネクター説明

FileStreamSourceConnector

ファイル (ソース) から Kafka クラスターにデータを転送します。

FileStreamSinkConnector

Kafka クラスターからファイル (シンク) にデータを転送します。

ここの手順では、以下を行って、独自のコネクタークラスをコネクターイメージに追加する方法を説明します。

重要

Kafka Connect REST API または KafkaConnector カスタムリソースを使用 して、直接コネクターの設定を作成します。

6.2.3.1. AMQ Streams を使用した新しいコンテナーイメージの自動作成

この手順では、AMQ Streams が追加のコネクターで新しいコンテナーイメージを自動的にビルドするように Kafka Connect を設定する方法を説明します。コネクタープラグインは、KafkaConnect カスタムリソースの .spec.build.plugins プロパティーを使用して定義します。AMQ Streams はコネクタープラグインを自動的にダウンロードし、新しいコンテナーイメージに追加します。コンテナーは、.spec.build.output に指定されたコンテナーリポジトリーにプッシュされ、Kafka Connect デプロイメントで自動的に使用されます。

前提条件

イメージをプッシュ、保存、およびプルできる独自のコンテナーレジストリーを提供する必要があります。AMQ Streams は、プライベートコンテナーレジストリーだけでなく、QuayDocker Hub などのパブリックレジストリーもサポートします。

手順

  1. .spec.build.output でコンテナーレジストリーを指定し、.spec.build.plugins で追加のコネクターを指定して、 KafkaConnect カスタムリソースを設定します。

    apiVersion: kafka.strimzi.io/v1beta2
    kind: KafkaConnect
    metadata:
      name: my-connect-cluster
    spec: 1
      #...
      build:
        output: 2
          type: docker
          image: my-registry.io/my-org/my-connect-cluster:latest
          pushSecret: my-registry-credentials
        plugins: 3
          - name: debezium-postgres-connector
            artifacts:
              - type: tgz
                url: https://repo1.maven.org/maven2/io/debezium/debezium-connector-postgres/1.3.1.Final/debezium-connector-postgres-1.3.1.Final-plugin.tar.gz
                sha512sum: 962a12151bdf9a5a30627eebac739955a4fd95a08d373b86bdcea2b4d0c27dd6e1edd5cb548045e115e33a9e69b1b2a352bee24df035a0447cb820077af00c03
          - name: camel-telegram
            artifacts:
              - type: tgz
                url: https://repo.maven.apache.org/maven2/org/apache/camel/kafkaconnector/camel-telegram-kafka-connector/0.7.0/camel-telegram-kafka-connector-0.7.0-package.tar.gz
                sha512sum: a9b1ac63e3284bea7836d7d24d84208c49cdf5600070e6bd1535de654f6920b74ad950d51733e8020bf4187870699819f54ef5859c7846ee4081507f48873479
      #...
    1
    2
    (必須) 新しいイメージがプッシュされるコンテナーレジストリーの設定。
    3
    (必須) 新しいコンテナーイメージに追加するコネクタープラグインとそれらのアーティファクトの一覧。各プラグインは、1 つ以上の artifact で設定する必要があります。
  2. リソースを作成または更新します。

    $ oc apply -f KAFKA-CONNECT-CONFIG-FILE
  3. 新しいコンテナーイメージがビルドされ、Kafka Connect クラスターがデプロイされるまで待ちます。
  4. Kafka Connect REST API または KafkaConnector カスタムリソースを使用して、追加したコネクタープラグインを使用します。

関連情報

詳細は、Using Strimzi ガイドを参照してください。

6.2.3.2. Kafka Connect ベースイメージからの Docker イメージの作成

この手順では、カスタムイメージを作成し、/opt/kafka/plugins ディレクトリーに追加する方法を説明します。

Red Hat Ecosystem Catalog の Kafka コンテナーイメージを、追加のコネクタープラグインで独自のカスタムイメージを作成するためのベースイメージとして使用できます。

AMQ Stream バージョンの Kafka Connect は起動時に、/opt/kafka/plugins ディレクトリーに含まれるサードパーティーのコネクタープラグインをロードします。

手順

  1. registry.redhat.io/amq7/amq-streams-kafka-31-rhel8:2.1.0 をベースイメージとして使用して、新規の Dockerfile を作成します。

    FROM registry.redhat.io/amq7/amq-streams-kafka-31-rhel8:2.1.0
    USER root:root
    COPY ./my-plugins/ /opt/kafka/plugins/
    USER 1001

    プラグインファイルの例

    $ tree ./my-plugins/
    ./my-plugins/
    ├── debezium-connector-mongodb
    │   ├── bson-3.4.2.jar
    │   ├── CHANGELOG.md
    │   ├── CONTRIBUTE.md
    │   ├── COPYRIGHT.txt
    │   ├── debezium-connector-mongodb-0.7.1.jar
    │   ├── debezium-core-0.7.1.jar
    │   ├── LICENSE.txt
    │   ├── mongodb-driver-3.4.2.jar
    │   ├── mongodb-driver-core-3.4.2.jar
    │   └── README.md
    ├── debezium-connector-mysql
    │   ├── CHANGELOG.md
    │   ├── CONTRIBUTE.md
    │   ├── COPYRIGHT.txt
    │   ├── debezium-connector-mysql-0.7.1.jar
    │   ├── debezium-core-0.7.1.jar
    │   ├── LICENSE.txt
    │   ├── mysql-binlog-connector-java-0.13.0.jar
    │   ├── mysql-connector-java-5.1.40.jar
    │   ├── README.md
    │   └── wkb-1.0.2.jar
    └── debezium-connector-postgres
        ├── CHANGELOG.md
        ├── CONTRIBUTE.md
        ├── COPYRIGHT.txt
        ├── debezium-connector-postgres-0.7.1.jar
        ├── debezium-core-0.7.1.jar
        ├── LICENSE.txt
        ├── postgresql-42.0.0.jar
        ├── protobuf-java-2.6.1.jar
        └── README.md

    注記

    この例では、MongoDB、MySQL、および PostgreSQL 用の Debezium コネクターを使用します。Kafka Connect で実行されている Debezium は、他の Kafka Connect タスクと同じように表示されます。

  2. コンテナーイメージをビルドします。
  3. カスタムイメージをコンテナーレジストリーにプッシュします。
  4. 新しいコンテナーイメージを示します。

    以下のいずれかを行います。

    • KafkaConnect カスタムリソースの KafkaConnect.spec.image プロパティーを編集します。

      設定された場合、このプロパティーによって Cluster Operator の STRIMZI_KAFKA_CONNECT_IMAGES 変数がオーバーライドされます。

      apiVersion: kafka.strimzi.io/v1beta2
      kind: KafkaConnect
      metadata:
        name: my-connect-cluster
      spec: 1
        #...
        image: my-new-container-image 2
        config: 3
          #...
      1
      2
      Pod の Docker イメージ。
      3
      Kafka Connect ワーカー (コネクターではない) の設定。

      または

    • install/cluster-operator/060-Deployment-strimzi-cluster-operator.yaml ファイルの STRIMZI_KAFKA_CONNECT_IMAGES 変数を編集して新しいコンテナーイメージを示すようにした後、Cluster Operator を再インストールします。

6.2.4. コネクターの作成および管理

コネクタープラグインのコンテナーイメージを作成したら、Kafka Connect クラスターにコネクターインスタンスを作成する必要があります。その後、稼働中のコネクターインスタンスを設定、監視、および管理できます。

コネクターは特定の コネクタークラス のインスタンスで、メッセージに関して関連する外部システムとの通信方法を認識しています。コネクターは多くの外部システムで使用でき、独自のコネクターを作成することもできます。

ソース および シンク タイプのコネクターを作成できます。

ソースコネクター
ソースコネクターは、外部システムからデータを取得し、それをメッセージとして Kafka に提供するランタイムエンティティーです。
シンクコネクター
シンクコネクターは、Kafka トピックからメッセージを取得し、外部システムに提供するランタイムエンティティーです。
6.2.4.1. コネクターの作成および管理用の API

AMQ Streams では、コネクターの作成および管理に 2 つの API が提供されます。

  • KafkaConnector カスタムリソース (KafkaConnectors と呼ばれます)
  • Kafka Connect REST API

API を使用すると、以下を行うことができます。

  • コネクターインスタンスのステータスの確認。
  • 稼働中のコネクターの再設定。
  • コネクターインスタンスのコネクタータスク数の増減。
  • コネクターの再起動。
  • 失敗したタスクを含むコネクタータスクの再起動。
  • コネクターインスタンスの一時停止。
  • 一時停止したコネクターインスタンスの再開。
  • コネクターインスタンスの削除。

KafkaConnector カスタムリソース

KafkaConnectors を使用すると、Kafka Connect のコネクターインスタンスを OpenShift ネイティブに作成および管理できるため、cURL などの HTTP クライアントが必要ありません。その他の Kafka リソースと同様に、コネクターの望ましい状態を OpenShift クラスターにデプロイされた KafkaConnector YAML ファイルに宣言し、コネクターインスタンスを作成します。KafkaConnector リソースは、リンク先の Kafka Connect クラスターと同じ namespace にデプロイする必要があります。

該当する KafkaConnector リソースを更新して稼働中のコネクターインスタンスを管理した後、更新を適用します。該当する KafkaConnector を削除して、コネクターを削除します。

下位バージョンの AMQ Streams との互換性を維持するため、KafkaConnectors はデフォルトで無効になっています。Kafka Connect クラスターの KafkaConnectors を有効にするには、KafkaConnect リソースで strimzi.io/use-connector-resources アノテーションを true に設定します。手順は、Configuring Kafka Connect を参照してください。

KafkaConnectors が有効になると、Cluster Operator によって監視が開始されます。KafkaConnectors に定義された設定と一致するよう、稼働中のコネクターインスタンスの設定を更新します。

AMQ Streams には KafkaConnector 設定ファイルの例が含まれます。これをもとに、 を使用して FileStreamSourceConnectorFileStreamSinkConnector を作成、管理できます。

注記

KafkaConnector リソースにアノテーションを付けて、コネクターの再起動 または コネクタータスクの再起動 ができます。

Kafka Connect API

Kafka Connect REST API でサポートされる操作は、Apache Kafka Connect API のドキュメント で説明されています。

Kafka Connect API の使用から KafkaConnectors の使用への切り替え

Kafka Connect API の使用から KafkaConnectors の使用に切り替えると、コネクターを管理できます。スイッチの作成は、次の作業を以下の順序で行います。

  1. 設定で KafkaConnector リソースをデプロイし、コネクターインスタンスを作成します。
  2. strimzi.io/use-connector-resources アノテーションを true に設定して、Kafka Connect 設定で KafkaConnectors を有効にします。
警告

リソースを作成する前に KafkaConnectors を有効にすると、すべてのコネクターが削除されます。

KafkaConnectors の使用から Kafka Connect API の使用に切り替えるには、まず Kafka Connect 設定から KafkaConnectors を有効にするアノテーションを削除します。それ以外の場合、Kafka Connect REST API を使用して直接行われた手動による変更は、 Cluster Operator によって元に戻されます。

6.2.4.2. サンプル KafkaConnector リソースのデプロイ

Kafka Connect で KafkaConnectors を使用し、Kafka クラスターとの間でデータをストリーミングします。

AMQ Streams には、設定ファイルのサンプルが含まれています。この手順では、以下のサンプルファイルを使用します。

  • examples/connect/source-connector.yaml

このファイルは、以下のコネクターインスタンスの作成に使用されます。

  • Kafka ライセンスファイル(ソース)から各行を読み取り、データをメッセージとして単一の Kafka トピックに書き込む FileStreamSourceConnector インスタンス。
  • Kafka トピックからメッセージを読み取り、メッセージを一時ファイル (シンク) に書き込む FileStreamSinkConnector インスタンス。
注記

実稼働環境で、「コネクタープラグインでの Kafka Connect の拡張」 の説明どおりに、必要な Kafka Connect コネクターが含まれるコンテナーイメージを準備します。

FileStreamSourceConnector および FileStreamSinkConnector が例として提供されています。ここで説明するように、コンテナーでこれらのコネクターを実行することは、実稼働のユースケースには適していません。

前提条件

手順

  1. examples/connect/source-connector.yaml ファイルを編集します。

    apiVersion: kafka.strimzi.io/v1beta2
    kind: KafkaConnector
    metadata:
      name: my-source-connector 1
      labels:
        strimzi.io/cluster: my-connect-cluster 2
    spec:
      class: org.apache.kafka.connect.file.FileStreamSourceConnector 3
      tasksMax: 2 4
      config: 5
        file: "/opt/kafka/LICENSE" 6
        topic: my-topic 7
        # ...
    1
    コネクターの名前として使用される KafkaConnector リソースの名前。OpenShift リソースで有効な名前を使用します。
    2
    コネクターインスタンスを作成する Kafka Connect クラスターの名前。コネクターは、リンク先の Kafka Connect クラスターと同じ namespace にデプロイする必要があります。
    3
    コネクタークラスのフルネームまたはエイリアス。これは、Kafka Connect クラスターによって使用されているイメージに存在するはずです。
    4
    コネクターが作成できる Kafka Connect Tasks の最大数。
    5
    キーと値のペアとしてのコネクター設定
    6
    このサンプルソースコネクター設定では、/opt/kafka/LICENSE ファイルからデータが読み取られます。
    7
    ソースデータのパブリッシュ先となる Kafka トピック。
  2. OpenShift クラスターでソース KafkaConnector を作成します。

    oc apply -f examples/connect/source-connector.yaml
  3. examples/connect/sink-connector.yaml ファイルを作成します。

    touch examples/connect/sink-connector.yaml
  4. 以下の YAML を sink-connector.yaml ファイルに貼り付けます。

    apiVersion: kafka.strimzi.io/v1beta2
    kind: KafkaConnector
    metadata:
      name: my-sink-connector
      labels:
        strimzi.io/cluster: my-connect
    spec:
      class: org.apache.kafka.connect.file.FileStreamSinkConnector 1
      tasksMax: 2
      config: 2
        file: "/tmp/my-file" 3
        topics: my-topic 4
    1
    コネクタークラスのフルネームまたはエイリアス。これは、Kafka Connect クラスターによって使用されているイメージに存在するはずです。
    2
    キーと値のペアとしてのコネクター設定
    3
    ソースデータのパブリッシュ先となる一時ファイル。
    4
    ソースデータの読み取り元となる Kafka トピック。
  5. OpenShift クラスターにシンク KafkaConnector を作成します。

    oc apply -f examples/connect/sink-connector.yaml
  6. コネクターリソースが作成されたことを確認します。

    oc get kctr --selector strimzi.io/cluster=MY-CONNECT-CLUSTER -o name
    
    my-source-connector
    my-sink-connector

    MY-CONNECT-CLUSTER を Kafka Connect クラスターに置き換えます。

  7. コンテナーで、kafka -console-consumer.sh を実行して、ソースコネクターによってトピックに書き込まれたメッセージを読み取ります。

    oc exec MY-CLUSTER-kafka-0 -i -t -- bin/kafka-console-consumer.sh --bootstrap-server MY-CLUSTER-kafka-bootstrap.NAMESPACE.svc:9092 --topic my-topic --from-beginning
ソースおよびシンクコネクターの設定オプション

コネクター設定は、KafkaConnector リソースの spec.config プロパティーで定義されます。

FileStreamSourceConnector クラスおよび FileStreamSinkConnector クラスは、Kafka Connect REST API と同じ設定オプションをサポートします。他のコネクターは異なる設定オプションをサポートします。

表6.2 FileStreamSource コネクタークラスの設定オプション
名前タイプデフォルト値説明

file

文字列

Null

メッセージを書き込むソースファイル。指定のない場合は、標準入力が使用されます。

topic

リスト

Null

データのパブリッシュ先となる Kafka トピック。

表6.3 FileStreamSinkConnector クラスの設定オプション
名前タイプデフォルト値説明

file

文字列

Null

メッセージを書き込む宛先ファイル。指定のない場合は標準出力が使用されます。

topics

リスト

Null

データの読み取り元となる 1 つ以上の Kafka トピック。

topics.regex

文字列

Null

データの読み取り元となる 1 つ以上の Kafka トピックと一致する正規表現。

6.2.4.3. Kafka コネクターの再起動の実行

この手順では、OpenShift アノテーションを使用して Kafka コネクターの再起動を手動でトリガーする方法を説明します。

前提条件

  • Cluster Operator が稼働している必要があります。

手順

  1. 再起動する Kafka コネクターを制御する KafkaConnector カスタムリソースの名前を見つけます。

    oc get KafkaConnector
  2. コネクターを再起動するには、OpenShift で KafkaConnector リソースにアノテーションを付けます。たとえば、oc annotate を使用すると以下のようになります。

    oc annotate KafkaConnector KAFKACONNECTOR-NAME strimzi.io/restart=true
  3. 次の調整が発生するまで待ちます (デフォルトでは 2 分ごとです)。

    アノテーションが調整プロセスで検出されれば、Kafka コネクターは再起動されます。Kafka Connect が再起動リクエストを受け入れると、アノテーションは KafkaConnector カスタムリソースから削除されます。

6.2.4.4. Kafka コネクタータスクの再起動の実行

この手順では、OpenShift アノテーションを使用して Kafka コネクタータスクの再起動を手動でトリガーする方法を説明します。

前提条件

  • Cluster Operator が稼働している必要があります。

手順

  1. 再起動する Kafka コネクタータスクを制御する KafkaConnector カスタムリソースの名前を見つけます。

    oc get KafkaConnector
  2. KafkaConnector カスタムリソースから再起動するタスクの ID を検索します。タスク ID は 0 から始まる負の値ではない整数です。

    oc describe KafkaConnector KAFKACONNECTOR-NAME
  3. コネクタータスクを再起動するには、OpenShift で KafkaConnector リソースにアノテーションを付けます。たとえば、oc annotate を使用してタスク 0 を再起動します。

    oc annotate KafkaConnector KAFKACONNECTOR-NAME strimzi.io/restart-task=0
  4. 次の調整が発生するまで待ちます (デフォルトでは 2 分ごとです)。

    アノテーションが調整プロセスで検出されれば、Kafka コネクタータスクは再起動されます。Kafka Connect が再起動リクエストを受け入れると、アノテーションは KafkaConnector カスタムリソースから削除されます。

6.2.4.5. Kafka Connect API の公開

KafkaConnector リソースを使用してコネクターを管理する代わりに、Kafka Connect REST API を使用します。Kafka Connect REST API は、<connect_cluster_name>-connect-api:8083 で実行しているサービスとして利用できます。ここで、<connect_cluster_name> は、お使いの Kafka Connect クラスターの名前になります。サービスは、Kafka Connect インスタンスの作成時に作成されます。

注記

strimzi.io/use-connector-resources アノテーションは KafkaConnectors を有効にします。アノテーションを KafkaConnect リソース設定に適用した場合、そのアノテーションを削除して Kafka Connect API を使用する必要があります。それ以外の場合、Kafka Connect REST API を使用して直接行われた手動による変更は、 Cluster Operator によって元に戻されます。

コネクター設定を JSON オブジェクトとして追加できます。

コネクター設定を追加するための curl 要求の例

curl -X POST \
  http://my-connect-cluster-connect-api:8083/connectors \
  -H 'Content-Type: application/json' \
  -d '{ "name": "my-source-connector",
    "config":
    {
      "connector.class":"org.apache.kafka.connect.file.FileStreamSourceConnector",
      "file": "/opt/kafka/LICENSE",
      "topic":"my-topic",
      "tasksMax": "4",
      "type": "source"
    }
}'

API には OpenShift クラスター内でのみアクセスできます。OpenShift クラスター外部で実行しているアプリケーションに Kafka Connect API がアクセスできるようにする場合は、以下の機能のいずれかを使用して Kafka Connect API を手動で公開できます。

  • LoadBalancer または NodePort タイプのサービス
  • Ingress リソース
  • OpenShift ルート
注記

接続は安全ではないため、外部からのアクセスはよく考えてから許可してください。

サービスを作成する場合には、<connect_cluster_name>-connect-api サービスの selector からラベルを使用して、サービスがトラフィックをルーティングする Pod を設定します。

サービスのセレクター設定

# ...
selector:
  strimzi.io/cluster: my-connect-cluster 1
  strimzi.io/kind: KafkaConnect
  strimzi.io/name: my-connect-cluster-connect 2
#...

1
OpenShift クラスターでの Kafka Connect カスタムリソースの名前。
2
Cluster Operator によって作成された Kafka Connect デプロイメントの名前。

また、外部クライアントからの HTTP 要求を許可する NetworkPolicy を作成する必要もあります。

Kafka Connect API への要求を許可する NetworkPolicy の例

apiVersion: networking.k8s.io/v1
kind: NetworkPolicy
metadata:
  name: my-custom-connect-network-policy
spec:
  ingress:
  - from:
    - podSelector: 1
        matchLabels:
          app: my-connector-manager
    ports:
    - port: 8083
      protocol: TCP
  podSelector:
    matchLabels:
      strimzi.io/cluster: my-connect-cluster
      strimzi.io/kind: KafkaConnect
      strimzi.io/name: my-connect-cluster-connect
  policyTypes:
  - Ingress

1
API への接続が許可される Pod のラベル。

クラスター外でコネクター設定を追加するには、curl コマンドで API を公開するリソースの URL を使用します。

6.3. Kafka MirrorMaker のデプロイ

Cluster Operator によって、1 つ以上の Kafka MirrorMaker のレプリカがデプロイされ、Kafka クラスターの間でデータが複製されます。このプロセスはミラーリングと言われ、Kafka パーティションのレプリケーションの概念と混同しないようにします。MirrorMaker は、ソースクラスターからメッセージを消費し、これらのメッセージをターゲットクラスターにパブリッシュします。

6.3.1. Kafka MirrorMaker の OpenShift クラスターへのデプロイ

この手順では、Cluster Operator を使用して Kafka MirrorMaker クラスターを OpenShift クラスターにデプロイする方法を説明します。

デプロイメントでは、YAML ファイルの仕様を使って、デプロイされた MirrorMaker のバージョンに応じて KafkaMirrorMaker または KafkaMirrorMaker2 リソースが作成されます。

重要

Kafka MirrorMaker 1 (ドキュメントでは単に MirrorMaker と呼ばれる) は Apache Kafka 3.0.0 で非推奨となり、Apache Kafka 4.0.0 で削除されます。そのため、Kafka MirrorMaker 1 のデプロイに使用される KafkaMirrorMaker カスタムリソースも、AMQ Streams で非推奨となりました。Apache Kafka 4.0.0 を導入すると、KafkaMirrorMaker リソースは AMQ Streams から削除されます。代わりに、IdentityReplicationPolicyKafkaMirrorMaker2 カスタムリソースを使用します。

AMQ Streamsは設定ファイルの例を提供しています。この手順では、以下のサンプルファイルを使用します。

  • examples/mirror-maker/kafka-mirror-maker.yaml
  • examples/mirror-maker/kafka-mirror-maker-2.yaml

手順

  1. Kafka MirrorMaker を OpenShift クラスターにデプロイします。

    MirrorMaker の場合

    oc apply -f examples/mirror-maker/kafka-mirror-maker.yaml

    MirrorMaker 2.0 の場合

    oc apply -f examples/mirror-maker/kafka-mirror-maker-2.yaml
  2. デプロイメントのステータスを確認します。

    oc get deployments -n <my_cluster_operator_namespace>

    出力には、デプロイメント名と準備状態が表示されます。

    NAME                          READY  UP-TO-DATE  AVAILABLE
    my-mirror-maker-mirror-maker  1/1    1           1
    my-mm2-cluster-mirrormaker2   1/1    1           1

    my-mirror-maker は Kafka MirrorMaker クラスターの名前で、my-mm2-cluster は、Kafka MirrorMaker 2.0 クラスターの名前です。

    READY は、Ready/expected 状態のレプリカ数を表示します。AVAILABLE 出力に 1 が表示されれば、デプロイメントは成功しています。

6.4. Kafka Bridge のデプロイ

Cluster Operator によって、1 つ以上の Kafka Bridge のレプリカがデプロイされ、HTTP API 経由で Kafka クラスターとクライアントの間でデータが送信されます。

6.4.1. Kafka Bridge を OpenShift クラスターへデプロイ

この手順では、Cluster Operator を使用して Kafka Bridge クラスターを OpenShift クラスターにデプロイする方法を説明します。

デプロイメントでは、YAML ファイルの仕様を使って KafkaBridge リソースが作成されます。

AMQ Streams には、設定ファイルのサンプルが含まれています。この手順では、以下のサンプルファイルを使用します。

  • examples/bridge/kafka-bridge.yaml

手順

  1. Kafka Bridge を OpenShift クラスターにデプロイします。

    oc apply -f examples/bridge/kafka-bridge.yaml
  2. デプロイメントのステータスを確認します。

    oc get deployments -n <my_cluster_operator_namespace>

    出力には、デプロイメント名と準備状態が表示されます。

    NAME              READY  UP-TO-DATE  AVAILABLE
    my-bridge-bridge  1/1    1           1

    my-bridge は、Kafka Bridge クラスターの名前です。

    READY は、Ready/expected 状態のレプリカ数を表示します。AVAILABLE 出力に 1 が表示されれば、デプロイメントは成功しています。

6.4.2. Kafka Bridge サービスのローカルマシンへの公開

ポート転送を使用して AMQ Streams の Kafka Bridge サービスを http://localhost:8080 上でローカルマシンに公開します。

注記

ポート転送は、開発およびテストの目的でのみ適切です。

手順

  1. OpenShift クラスターの Pod の名前をリストします。

    oc get pods -o name
    
    pod/kafka-consumer
    # ...
    pod/quickstart-bridge-589d78784d-9jcnr
    pod/strimzi-cluster-operator-76bcf9bc76-8dnfm
  2. ポート 8080 で Kafka Bridge Pod に接続します。

    oc port-forward pod/quickstart-bridge-589d78784d-9jcnr 8080:8080 &
    注記

    ローカルマシンのポート 8080 がすでに使用中の場合は、代わりの HTTP ポート (8008 など) を使用します。

これで、API リクエストがローカルマシンのポート 8080 から Kafka Bridge Pod のポート 8080 に転送されるようになります。

6.4.3. OpenShift 外部の Kafka Bridge へのアクセス

デプロイメント後、AMQ Streams Kafka Bridge には同じ OpenShift クラスターで実行しているアプリケーションのみがアクセスできます。これらのアプリケーションは、<kafka_bridge_name>-bridge-service サービスを使用して API にアクセスします。

OpenShift クラスター外部で実行しているアプリケーションに Kafka Bridge がアクセスできるようにする場合は、以下の機能のいずれかを作成して Kafka Bridge を手動で公開できます。

  • LoadBalancer または NodePort タイプのサービス
  • Ingress リソース
  • OpenShift ルート

サービスを作成する場合には、<kafka_bridge_name>-bridge-service サービスの selector からラベルを使用して、サービスがトラフィックをルーティングする Pod を設定します。

  # ...
  selector:
    strimzi.io/cluster: kafka-bridge-name 1
    strimzi.io/kind: KafkaBridge
  #...
1
OpenShift クラスターでの Kafka Bridge カスタムリソースの名前。

第7章 Kafka クラスターへのクライアントアクセスの設定

AMQ Streams のデプロイ 後、本章では以下の操作を行う方法について説明します。

  • サンプルプロデューサーおよびコンシューマークライアントをデプロイし、これを使用してデプロイメントを検証する
  • Kafka クラスターへの外部クライアントアクセスを設定する

    OpenShift 外部のクライアントに Kafka クラスターへのアクセスを設定する手順はより複雑で、Kafka コンポーネントの設定手順 に精通している必要があります。

7.1. サンプルクライアントのデプロイ

この手順では、ユーザーが作成した Kafka クラスターを使用してメッセージを送受信するプロデューサーおよびコンシューマークライアントの例をデプロイする方法を説明します。

前提条件

  • クライアントが Kafka クラスターを使用できる必要があります。

手順

  1. Kafka プロデューサーをデプロイします。

    oc run kafka-producer -ti --image=registry.redhat.io/amq7/amq-streams-kafka-31-rhel8:2.1.0 --rm=true --restart=Never -- bin/kafka-console-producer.sh --broker-list cluster-name-kafka-bootstrap:9092 --topic my-topic
  2. プロデューサーが稼働しているコンソールにメッセージを入力します。
  3. Enter を押してメッセージを送信します。
  4. Kafka コンシューマーをデプロイします。

    oc run kafka-consumer -ti --image=registry.redhat.io/amq7/amq-streams-kafka-31-rhel8:2.1.0 --rm=true --restart=Never -- bin/kafka-console-consumer.sh --bootstrap-server cluster-name-kafka-bootstrap:9092 --topic my-topic --from-beginning
  5. コンシューマーコンソールに受信メッセージが表示されることを確認します。

7.2. OpenShift 外クライアントのアクセスの設定

以下の手順では、OpenShift 外部からの Kafka クラスターへのクライアントアクセスを設定する方法を説明します。

Kafka クラスターのアドレスを使用して、異なる OpenShift namespace または完全に OpenShift 外のクライアントに外部アクセスを提供できます。

アクセスを提供するために、外部 Kafka リスナーを設定します。

以下のタイプの外部リスナーがサポートされます。

  • OpenShift Route およびデフォルトの HAProxy ルーターを使用する route
  • ロードバランサーサービスを使用する loadbalancer
  • OpenShift ノードのポートを使用する nodeport
  • OpenShift IngressNGINX Ingress Controller for Kubernetes を使用する ingress

要件ならびにお使いの環境およびインフラストラクチャーに応じて、選択するタイプは異なります。たとえば、ロードバランサーは、ベアメタル等の特定のインフラストラクチャーには適さない場合があります。ベアメタルでは、ノードポートがより適したオプションを提供します。

以下の手順では、

  1. TLS 暗号化および認証、ならびに Kafka 簡易承認 を有効にして、Kafka クラスターに外部リスナーが設定されます。
  2. 簡易承認 用に TLS 認証および アクセス制御リスト (ACL) を定義して、クライアントに KafkaUser が作成されます。

TLS、SCRAM-SHA-512、または OAuth 2.0 認証を使用するようにリスナーを設定できます。TLS は常に暗号化を使用しますが、SCRAM-SHA-512 および OAuth 2.0 認証でも暗号化を使用することが推奨されます。

Kafka ブローカーにシンプルな、OAuth 2.0、OPA、またはカスタム承認を設定できます。承認を有効にすると、承認は有効なすべてのリスナーに適用されます。

KafkaUser 認証および承認メカニズムを設定する場合、必ず同等の Kafka 設定と一致するようにしてください。

  • KafkaUser.spec.authenticationKafka.spec.kafka.listeners[*].authentication と一致します。
  • KafkaUser.spec.authorizationKafka.spec.kafka.authorization と一致します。

KafkaUser に使用する認証をサポートするリスナーが少なくとも 1 つ必要です。

注記

Kafka ユーザーと Kafka ブローカー間の認証は、それぞれの認証設定によって異なります。たとえば、TLS が Kafka 設定で有効になっていない場合は、TLS でユーザーを認証できません。

AMQ Streams Operator により設定プロセスが自動されます。

  • Cluster Operator はリスナーを作成し、クラスターおよびクライアント認証局 (CA) 証明書を設定して Kafka クラスター内で認証を有効にします。
  • User Operator はクライアントに対応するユーザーを作成すると共に、選択した認証タイプに基づいて、クライアント認証に使用されるセキュリティークレデンシャルを作成します。

この手順では、Cluster Operator によって生成された証明書が使用されますが、独自の証明書をインストール してそれらを置き換えることができます。外部認証局によって管理される Kafka リスナー証明書を使用するようにリスナーを設定することもできます。

PKCS #12 (.p12) 形式および PEM (.crt) 形式の証明書を利用できます。この手順では、PKCS #12 証明書を説明します。

前提条件

  • クライアントが Kafka クラスターを使用できる必要があります。
  • Cluster Operator および User Operator がクラスターで実行されている必要があります。
  • OpenShift クラスター外のクライアントが Kafka クラスターに接続できる必要があります。

手順

  1. external Kafka リスナーと共に Kafka クラスターを設定します。

    • リスナーを通じて Kafka ブローカーにアクセスするのに必要な認証を定義します。
    • Kafka ブローカーで承認を有効にします。

      以下に例を示します。

      apiVersion: kafka.strimzi.io/v1beta2
      kind: Kafka
      metadata:
        name: my-cluster
        namespace: myproject
      spec:
        kafka:
          # ...
          listeners: 1
          - name: external 2
            port: 9094 3
            type: LISTENER-TYPE 4
            tls: true 5
            authentication:
              type: tls 6
            configuration:
              preferredNodePortAddressType: InternalDNS 7
              bootstrap and broker service overrides 8
              #...
          authorization: 9
            type: simple
            superUsers:
              - super-user-name 10
        # ...
      1
      外部リスナーを有効にする設定オプションは、汎用 Kafka リスナースキーマ参照 に記載されています。
      2
      リスナーを識別するための名前。Kafka クラスター内で一意である必要があります。
      3
      Kafka 内でリスナーによって使用されるポート番号。ポート番号は指定の Kafka クラスター内で一意である必要があります。許可されるポート番号は 9092 以上ですが、すでに Prometheus および JMX によって使用されているポート 9404 および 9999 以外になります。リスナーのタイプによっては、ポート番号は Kafka クライアントに接続するポート番号と同じではない場合があります。
      4
      routeloadbalancernodeport、または ingress として指定される外部リスナータイプ。内部リスナーは internal として指定されます。
      5
      リスナーで TLS による暗号化を有効にします。デフォルトは false です。route リスナーには TLS 暗号化は必要ありません。
      6
      認証は tls として指定されます。
      7
      8
      (任意設定) AMQ Streams はクライアントに公開するアドレスを自動的に決定します。アドレスは OpenShift によって自動的に割り当てられます。AMQ Streams を実行しているインフラストラクチャーが正しい ブートストラップおよびブローカーサービスのアドレス を提供しない場合、そのアドレスを上書きできます。検証はオーバーライドに対しては実行されません。オーバーライド設定はリスナーのタイプによって異なります。たとえば、route の場合はホストを、 loadbalancer の場合は DNS 名または IP アドレスを、また nodeport の場合はノードポートを、それぞれ上書きすることができます。
      9
      simple と指定された承認 (AclAuthorizer Kafka プラグインを使用する)。
      10
      (任意設定) スーパーユーザーは、ACL で定義されたアクセス制限に関係なく、すべてのブローカーにアクセスできます。
      警告

      OpenShift Route アドレスは、Kafka クラスターの名前、リスナーの名前、および作成される namespace の名前で構成されます。たとえば、my-cluster-kafka-listener1-bootstrap-myproject (CLUSTER-NAME-kafka-LISTENER-NAME-bootstrap-NAMESPACE) となります。route リスナータイプを使用している場合、アドレス全体の長さが上限の 63 文字を超えないように注意してください。

  2. Kafka リソースを作成または更新します。

    oc apply -f <kafka_configuration_file>

    Kafka クラスターは、TLS 認証を使用する Kafka ブローカーリスナーと共に設定されます。

    Kafka ブローカー Pod ごとにサービスが作成されます。

    サービスが作成され、Kafka クラスターに接続するための ブートストラップアドレス として機能します。

    サービスは、nodeport リスナーを使用した Kafka クラスターへの外部接続用 外部ブートストラップアドレス としても作成されます。

    kafka ブローカーのアイデンティティーを検証するクラスター CA 証明書もシークレット <cluster_name>-cluster-ca-cert に作成されます。

    注記

    外部リスナーの使用時に Kafka クラスターをスケーリングする場合に、すべての Kafka ブローカーのローリングアップデートがトリガーされる可能性があります。これは設定によって異なります。

  3. Kafka リソースのステータスからブートストラップアドレスおよびポートを見つけます。

    oc get kafka KAFKA-CLUSTER-NAME -o jsonpath='{.status.listeners[?(@.name=="external")].bootstrapServers}'

    Kafka クライアントのブートストラップアドレスを使用して、Kafka クラスターに接続します。

  4. Kafka クラスターにアクセスする必要があるクライアントに対応するユーザーを作成または変更します。

    • Kafka リスナーと同じ認証タイプを指定します。
    • 簡易承認に承認 ACL を指定します。

      以下に例を示します。

      apiVersion: kafka.strimzi.io/v1beta2
      kind: KafkaUser
      metadata:
        name: my-user
        labels:
          strimzi.io/cluster: my-cluster 1
      spec:
        authentication:
          type: tls 2
        authorization:
          type: simple
          acls: 3
            - resource:
                type: topic
                name: my-topic
                patternType: literal
              operation: Read
            - resource:
                type: topic
                name: my-topic
                patternType: literal
              operation: Describe
            - resource:
                type: group
                name: my-group
                patternType: literal
              operation: Read
      1
      ラベルは、作成するユーザーの Kafka クラスターのラベルと一致する必要があります。
      2
      認証は tls として指定されます。
      3
      簡易承認には、ユーザーに適用する ACL ルールのリストが必要です。ルールは、ユーザー名 (my-user) を基に Kafka リソースで許可される操作を定義します。
  5. KafkaUser リソースを作成または変更します。

    oc apply -f USER-CONFIG-FILE

    KafkaUser リソースと同じ名前の Secret と共に、ユーザーが作成されます。Secret には、TLS クライアント認証の秘密鍵と公開鍵が含まれます。

    以下に例を示します。

    apiVersion: v1
    kind: Secret
    metadata:
      name: my-user
      labels:
        strimzi.io/kind: KafkaUser
        strimzi.io/cluster: my-cluster
    type: Opaque
    data:
      ca.crt: PUBLIC-KEY-OF-THE-CLIENT-CA
      user.crt: USER-CERTIFICATE-CONTAINING-PUBLIC-KEY-OF-USER
      user.key: PRIVATE-KEY-OF-USER
      user.p12: P12-ARCHIVE-FILE-STORING-CERTIFICATES-AND-KEYS
      user.password: PASSWORD-PROTECTING-P12-ARCHIVE
  6. パブリッククラスター CA 証明書を必要な証明書形式に展開します。

    oc get secret KAFKA-CLUSTER-NAME-cluster-ca-cert -o jsonpath='{.data.ca\.p12}' | base64 -d > ca.p12
  7. パスワードファイルからパスワードを抽出します。

    oc get secret KAFKA-CLUSTER-NAME-cluster-ca-cert -o jsonpath='{.data.ca\.password}' | base64 -d > ca.password
  8. パブリッククラスター証明書の認証情報でクライアントを設定します。

    クライアントコードのサンプル

    properties.put("security.protocol","SSL"); 1
    properties.put(SslConfigs.SSL_TRUSTSTORE_LOCATION_CONFIG,"/path/to/ca.p12"); 2
    properties.put(SslConfigs.SSL_TRUSTSTORE_PASSWORD_CONFIG,CA-PASSWORD); 3
    properties.put(SslConfigs.SSL_TRUSTSTORE_TYPE_CONFIG,"PKCS12"); 4

    1
    (TLS クライアント認証ありまたはなしで) TLS による暗号化を有効にします。
    2
    証明書がインポートされたトラストストアの場所を指定します。
    3
    トラストストアにアクセスするためのパスワードを指定します。このプロパティーは、トラストストアで必要なければ省略できます。
    4
    トラストストアのタイプを識別します。
    注記

    セキュリティープロトコルを使用します。 (TLS で SCRAM-SHA 認証を使用する場合)

  9. ユーザー Secret から必要な証明書形式にユーザー CA 証明書を抽出します。

    oc get secret USER-NAME -o jsonpath='{.data.user\.p12}' | base64 -d > user.p12
  10. パスワードファイルからパスワードを抽出します。

    oc get secret USER-NAME -o jsonpath='{.data.user\.password}' | base64 -d > user.password
  11. ユーザー CA 証明書の認証情報でクライアントを設定します。

    クライアントコードのサンプル

    properties.put(SslConfigs.SSL_KEYSTORE_LOCATION_CONFIG,"/path/to/user.p12"); 1
    properties.put(SslConfigs.SSL_KEYSTORE_PASSWORD_CONFIG,"<user.password>"); 2
    properties.put(SslConfigs.SSL_KEYSTORE_TYPE_CONFIG,"PKCS12"); 3

    1
    証明書がインポートされたキーストアの場所を指定します。
    2
    キーストアにアクセスするためのパスワードを指定します。このプロパティーは、キーストアで必要なければ省略できます。パブリックユーザー証明書は、作成時にクライアント CA により署名されます。
    3
    キーストアのタイプを識別します。
  12. Kafka クラスターに接続するためのブートストラップアドレスおよびポートを追加します。

    bootstrap.servers: BOOTSTRAP-ADDRESS:PORT

関連情報

第8章 AMQ Streams のメトリクスおよびダッシュボードの設定

Prometheus および Grafana を使用して、AMQ Streams デプロイメントを監視できます。

ダッシュボードでキーメトリクスを表示し、特定の条件下でトリガーされるアラートを設定すると、AMQ Streams デプロイメントを監視できます。メトリクスは、AMQ Streams の各コンポーネントで利用できます。

AMQ Streams は、メトリクス情報を提供するために、Prometheus ルールと Grafana ダッシュボードを使用します。

Prometheus に AMQ Streams の各コンポーネントのルールセットが設定されている場合、Prometheus はクラスターで稼働している Pod からキーメトリクスを使用します。次に、Grafana はこれらのメトリクスをダッシュボードで可視化します。AMQ Streams には、デプロイメントに合わせてカスタマイズできる Grafana ダッシュボードのサンプルが含まれています。

AMQ Streams は、ユーザー定義プロジェクトのモニタリング (OpenShift 機能) を使用して、Prometheus の設定プロセスを単純化します。

要件に応じて以下を行うことができます。

Prometheus および Grafana が設定されると、監視に AMQ Streams が提供する Grafana ダッシュボードのサンプルを使用できます。

さらに、分散トレーシングを設定して、エンドツーエンドのメッセージ追跡を行うようにデプロイメントを設定することもできます。

注記

AMQ Streams は、Prometheus と Grafana のインストールファイルの例を提供します。AMQ Streams の監視を試みる際に、このファイルを開始点として使用できます。さらにサポートするには、Prometheus および Grafana 開発者コミュニティーに参加してみてください。

メトリクスおよびモニタリングツールのサポートドキュメント

メトリクスおよびモニタリングツールの詳細は、サポートドキュメントを参照してください。

8.1. Kafka Exporter でのコンシューマーラグの監視

Kafka Exporter は、Apache Kafka ブローカーおよびクライアントの監視を強化するオープンソースプロジェクトです。Kafka クラスターで Kafka Exporter をデプロイ するように、Kafka リソースを設定できます。Kafka Exporter は、オフセット、コンシューマーグループ、コンシューマーラグ、およびトピックに関連する Kafka ブローカーから追加のメトリクスデータを抽出します。一例として、メトリクスデータを使用すると、低速なコンシューマーの識別に役立ちます。ラグデータは Prometheus メトリクスとして公開され、解析のために Grafana で使用できます。

重要

Kafka Exporter は、コンシューマーラグおよびコンシューマーオフセットに関連する追加のメトリクスのみを提供します。通常の Kafka メトリクスでは、Kafka ブローカー で、Prometheus メトリクスを設定する必要があります。

コンシューマーラグは、メッセージの生成と消費の差を示しています。具体的には、指定のコンシューマーグループのコンシューマーラグは、パーティションの最後のメッセージと、そのコンシューマーが現在ピックアップしているメッセージとの時間差を示しています。

ラグには、パーティションログの最後を基準とする、コンシューマーオフセットの相対的な位置が反映されます。

プロデューサーおよびコンシューマーオフセット間のコンシューマーラグ

Consumer lag

この差は、Kafka ブローカートピックパーティションの読み取りと書き込みの場所である、プロデューサーオフセットとコンシューマーオフセットの間の デルタ とも呼ばれます。

あるトピックで毎秒 100 個のメッセージがストリーミングされる場合を考えてみましょう。プロデューサーオフセット (トピックパーティションの先頭) と、コンシューマーが読み取った最後のオフセットとの間のラグが 1000 個のメッセージであれば、10 秒の遅延があることを意味します。

コンシューマーラグ監視の重要性

可能な限りリアルタイムのデータの処理に依存するアプリケーションでは、コンシューマーラグを監視して、ラグが過度に大きくならないようにチェックする必要があります。ラグが大きくなるほど、リアルタイム処理の達成から遠ざかります。

たとえば、パージされていない古いデータの大量消費や、予定外のシャットダウンが、コンシューマーラグの原因となることがあります。

コンシューマーラグの削減

Grafana のチャートを使用して、ラグを分析し、ラグ削減の方法が対象のコンシューマーグループに影響しているかどうかを確認します。たとえば、ラグを減らすように Kafka ブローカーを調整すると、ダッシュボードには コンシューマーグループごとのラグ のチャートが下降し 毎分のメッセージ消費 のチャートが上昇する状況が示されます。

通常、ラグを削減するには以下を行います。

  • 新規コンシューマーを追加してコンシューマーグループをスケールアップします。
  • メッセージがトピックに留まる保持時間を延長します。
  • ディスク容量を追加してメッセージバッファーを増強します。

コンシューマーラグを減らす方法は、基礎となるインフラストラクチャーや、AMQ Streams によりサポートされるユースケースによって異なります。たとえば、ラグが生じているコンシューマーの場合、ディスクキャッシュからフェッチリクエストに対応できるブローカーを活用できる可能性は低いでしょう。場合によっては、コンシューマーの状態が改善されるまで、自動的にメッセージをドロップすることが許容されることがあります。

8.2. Cruise Control 操作の監視

Cruise Control は、ブローカー、トピック、およびパーティションの使用状況を追跡するために Kafka ブローカーを監視します。Cruise Control は、独自のパフォーマンスを監視するためのメトリクスのセットも提供します。

Cruise Control メトリクスレポーターは、Kafka ブローカーから未加工のメトリクスデータを収集します。データは、Cruise Control によって自動的に作成されるトピックに生成されます。メトリクスは、Kafka クラスターの最適化提案の生成 に使用されます。

Cruise Control メトリクスは、Cruise Control 操作のリアルタイム監視で利用できます。たとえば、Cruise Control メトリクスを使用して、実行中のリバランス操作のステータスを監視したり、操作のパフォーマンスで検出された異常についてアラートを提供したりできます。

Cruise Control 設定で Prometheus JMX Exporter を有効にして Cruise Control メトリクスを公開します。

注記

センサー として知られる利用可能な Cruise Control メトリクスの完全なリストは、Cruise Control のドキュメントを 参照してください。

8.2.1. Cruise Control メトリクスの公開

Cruise Control 操作でメトリクスを公開する場合は、Kafka リソースを設定して、Cruise Control をデプロイし、デプロイメントで Prometheus メトリクスを有効にします。独自の設定を使用するか、AMQ Streams によって提供される kafka-cruise-control-metrics.yaml ファイルのサンプルを使用できます。

設定を Kafka リソースの CruiseControl プロパティーの metricsConfig に追加します。この設定により、Prometheus JMX Exporter が有効化され、HTTP エンドポイント経由で Cruise Control メトリクスが公開されます。HTTP エンドポイントは Prometheus サーバーによってスクレープされます。

Cruise Control のメトリクス設定例

  apiVersion: kafka.strimzi.io/v1beta2
  kind: Kafka
  metadata:
    name: my-cluster
  Spec:
    # ...
    cruiseControl:
      # ...
      metricsConfig:
        type: jmxPrometheusExporter
        valueFrom:
          configMapKeyRef:
            name: cruise-control-metrics
            key: metrics-config.yml
  ---
  kind: ConfigMap
  apiVersion: v1
  metadata:
    name: cruise-control-metrics
    labels:
      app: strimzi
  data:
    metrics-config.yml: |
    # metrics configuration...

8.2.2. Cruise Control メトリクスの表示

Cruise Control メトリクスを公開したら、Prometheus または別の適切なモニタリングシステムを使用して、メトリクスデータの情報を表示することができます。Streams for Apache Kafka は、Cruise Control メトリクスの視覚化を表示する Grafana ダッシュボードのサンプル を提供します。ダッシュボードは strimzi-cruise-control.json という名前の JSON ファイルです。公開されるメトリクスは、Grafana ダッシュボードを有効にする 際に監視データを提供します。

8.2.2.1. 分散スコアの監視

Cruise Control メトリクスには、分散スコアが含まれます。分散度は、Kafka クラスター内でワークロードがどの程度均等に分散されているかを示す尺度です。

分散度スコア (balancedness-score) の Cruise Control メトリクスは、KafkaRebalance リソースの分散度スコアとは異なる可能性があります。Cruise Control は anomaly.detection.goals を使用して各スコアを計算します。これは、KafkaRebalance リソースで使用される default.goals と同じでない可能性があります。anomaly.detection.goals は、Kafka カスタムリソースの spec.cruiseControl.config に指定されます。

注記

KafkaRebalance リソースを更新すると、最適化プロポーザルをフェッチします。以下の条件のいずれかが適用されると、キャッシュされた最新の最適化プロポーザルがフェッチされます。

  • KafkaRebalance goals は、Kafka リソースの default.goals セクションに設定されたゴールと一致します。
  • KafkaRebalance goals は指定されていません。

これ以外の場合は、Cruise Control は KafkaRebalance goals に基づいて、新しい最適化プロポーザルを生成します。更新ごとに新しいプロポーザルが生成されると、パフォーマンスの監視に影響を及ぼす可能性があります。

8.2.2.2. 異常検出へのアラート

Cruise Control の 異常検出 は、ブローカーの障害などの最適化ゴールの生成をブロックする条件のメトリクスデータを提供します。可視性を高めたい場合は、異常検出器が提供するメトリックを使用して、アラートを設定し、通知を送信できます。Cruise Control の 異常通知機能 を設定して、指定された通知チャネルを介してこれらのメトリクスに基づいてアラートをルーティングできます。または、Prometheus を設定して、異常検出器によって提供されるメトリクスデータをスクレープし、アラートを生成することもできます。その後、Prometheus Alertmanager は Prometheus で生成されるアラートをルーティングできます。

Cruise Control ドキュメント には、AnomalyDetector メトリクスおよび異常通知機能に関する情報が記載されています。

8.3. メトリクスファイルの例

Grafana ダッシュボードおよびその他のメトリクス設定ファイルの例は、AMQ Streams によって提供される 設定ファイルの例 を参照してください。

AMQ Streams で提供されるサンプルメトリクスファイル

metrics
├── grafana-dashboards 1
│   ├── strimzi-cruise-control.json
│   ├── strimzi-kafka-bridge.json
│   ├── strimzi-kafka-connect.json
│   ├── strimzi-kafka-exporter.json
│   ├── strimzi-kafka-mirror-maker-2.json
│   ├── strimzi-kafka.json
│   ├── strimzi-operators.json
│   └── strimzi-zookeeper.json
├── grafana-install
│   └── grafana.yaml 2
├── prometheus-additional-properties
│   └── prometheus-additional.yaml 3
├── prometheus-alertmanager-config
│   └── alert-manager-config.yaml 4
├── prometheus-install
│    ├── alert-manager.yaml 5
│    ├── prometheus-rules.yaml 6
│    ├── prometheus.yaml 7
│    ├── strimzi-pod-monitor.yaml 8
├── kafka-bridge-metrics.yaml 9
├── kafka-connect-metrics.yaml 10
├── kafka-cruise-control-metrics.yaml 11
├── kafka-metrics.yaml 12
└── kafka-mirror-maker-2-metrics.yaml 13

1
異なる AMQ Streams コンポーネントの Grafana ダッシュボードの例。
2
Grafana イメージのインストールファイル。
3
CPU、メモリー、およびディスクボリュームの使用状況についてのメトリクスをスクレープする追加の設定。これらのメトリクスは、ノード上の OpenShift cAdvisor エージェントおよび kubelet から直接提供されます。
4
Alertmanager による通知送信のためのフック定義。
5
Alertmanager をデプロイおよび設定するためのリソース。
6
Prometheus Alertmanager と使用するアラートルールの例 (Prometheus とデプロイ)。
7
Prometheus イメージのインストールリソースファイル。
8
Prometheus Operator によって Prometheus サーバーのジョブに変換される PodMonitor の定義。これにより、Pod から直接メトリクスデータをスクレープできます。
9
メトリクスが有効になっている Kafka Bridge リソース。
10
Kafka Connect に対する Prometheus JMX Exporter の再ラベル付けルールを定義するメトリクス設定。
11
Cruise Control に対する Prometheus JMX Exporter の再ラベル付けルールを定義するメトリクス設定。
12
Kafka および ZooKeeper に対する Prometheus JMX Exporter の再ラベル付けルールを定義するメトリクス設定。
13
Kafka Mirror Maker 2.0 に対する Prometheus JMX Exporter の再ラベル付けルールを定義するメトリクス設定。

8.3.1. Prometheus メトリクス設定の例

AMQ Streams は、Prometheus JMX Exporter を使用して、Prometheus サーバーによってスクレープできる HTTP エンドポイント経由でメトリクスを公開します。

Grafana ダッシュボードが依存する Prometheus JMX Exporter の再ラベル付けルールは、カスタムリソース設定として AMQ Streams コンポーネントに対して定義されます。

ラベルは名前と値のペアです。再ラベル付けは、ラベルを動的に書き込むプロセスです。たとえば、ラベルの値は Kafka サーバーおよびクライアント ID の名前から派生されます。

AMQ Streams では、再ラベル付けルールが含まれるカスタムリソース設定用の YAML ファイルのサンプルが提供されます。Prometheus メトリクス設定をデプロイする場合、カスタムリソースのサンプルをデプロイすることや、メトリクス設定を独自のカスタムリソース定義にコピーすることができます。

表8.1 メトリクス設定を含むカスタムリソースの例
コンポーネントカスタムリソースサンプル YAML ファイル

Kafka および ZooKeeper

Kafka

kafka-metrics.yaml

Kafka Connect

KafkaConnect

kafka-connect-metrics.yaml

Kafka MirrorMaker 2.0

KafkaMirrorMaker2

kafka-mirror-maker-2-metrics.yaml

Kafka Bridge

KafkaBridge

kafka-bridge-metrics.yaml

Cruise Control

Kafka

kafka-cruise-control-metrics.yaml

8.3.2. アラート通知の Prometheus ルールの例

アラート通知の Prometheus ルールの例は、AMQ Streams によって提供される メトリクス設定ファイルの例 と共に提供されます。ルールは、Prometheus デプロイメント で使用するための prometheus-rules.yaml ファイルのサンプルに指定されています。

アラートルールによって、メトリクスで監視される特定条件についての通知が提供されます。ルールは Prometheus サーバーで宣言されますが、アラート通知は Prometheus Alertmanager で対応します。

Prometheus アラートルールでは、継続的に評価される PromQL 表現を使用して条件が記述されます。

アラート表現が true になると、条件が満たされ、Prometheus サーバーからアラートデータが Alertmanager に送信されます。次に Alertmanager は、そのデプロイメントに設定された通信方法を使用して通知を送信します。

アラートルールの定義に関する一般的な留意点:

  • for プロパティーはルールと併用され、アラートがトリガーされる前に条件が維持されなければならない期間を決定します。
  • ティック (tick) は ZooKeeper の基本的な時間単位です。ミリ秒単位で測定され、Kafka.spec.zookeeper.configtickTime パラメーターを使用して設定されます。たとえば、ZooKeeper で tickTime=3000 の場合、3 ティック (3 x 3000) は 9000 ミリ秒と等しくなります。
  • ZookeeperRunningOutOfSpace メトリクスおよびアラートを利用できるかどうかは、使用される OpenShift 設定およびストレージ実装によります。特定のプラットフォームのストレージ実装では、メトリクスによるアラートの提供に必要な利用可能な領域について情報が提供されない場合があります。

Alertmanager は、電子メール、チャットメッセージなどの通知方法を使用するように設定できます。ルールの例のデフォルト設定は、特定のニーズに合わせて調整してください。

8.3.2.1. ルールの変更例

prometheus-rules.yaml ファイルには、以下のコンポーネントのルールの例が含まれます。

  • Kafka
  • ZooKeeper
  • Entitiy Operator
  • Kafka Connect
  • Kafka Bridge
  • MirrorMaker
  • Kafka Exporter

各ルールの例の説明は、ファイルに記載されています。

8.3.3. Grafana ダッシュボードのサンプル

Prometheus をデプロイしてメトリクスを提供する場合は、AMQ Streams で提供される Grafana ダッシュボードのサンプルを使用して、AMQ Streams コンポーネントを監視できます。

ダッシュボードのサンプルは、examples/metrics/grafana-dashboards ディレクトリーに JSON ファイルで提供されます。

すべてのダッシュボードは、JVM メトリクスに加えてコンポーネントに固有のメトリクスを提供します。たとえば、AMQ Streams Operator の Grafana ダッシュボードは、調整の数または処理中のカスタムリソースに関する情報を提供します。

ダッシュボードのサンプルには、Kafka でサポートされるすべてのメトリクスは表示されません。ダッシュボードには、監視用の代表的なメトリクスのセットが表示されます。

表8.2 Grafana ダッシュボードの例
ComponentJSON ファイルの例:

AMQ Streams の Operator

strimzi-operators.json

Kafka

strimzi-kafka.json

ZooKeeper

strimzi-zookeeper.json

Kafka Connect

strimzi-kafka-connect.json

Kafka MirrorMaker 2.0

strimzi-kafka-mirror-maker-2.json

Kafka Bridge

strimzi-kafka-bridge.json

Cruise Control

strimzi-cruise-control.json

Kafka Exporter

strimzi-kafka-exporter.json

8.4. Prometheus メトリクス設定のデプロイ

Prometheus メトリクス設定をデプロイし、AMQ Streams で Prometheus を使用します。metricsConfig プロパティーを使用して、Prometheus メトリクスを有効化および設定します。

独自の設定、または AMQ Streams で提供されるサンプルのカスタムリソース設定ファイル を使用できます。

  • kafka-metrics.yaml
  • kafka-connect-metrics.yaml
  • kafka-mirror-maker-2-metrics.yaml
  • kafka-bridge-metrics.yaml
  • kafka-cruise-control-metrics.yaml

設定ファイルのサンプルには、再ラベル付けルールと Prometheus メトリクスの有効化に必要な設定があります。Prometheus は、ターゲット HTTP エンドポイントからメトリクスを収集します。サンプルファイルは、AMQ Streams で Prometheus を試すのに適した方法です。

再ラベル付けルールおよびメトリクス設定を適用するには、以下のいずれかを行います。

  • 独自のカスタムリソースに設定例をコピーする。
  • メトリクス設定でカスタムリソースをデプロイする。

Kafka Exporter メトリクスを含める場合は、kafkaExporter 設定を Kafka リソースに追加します。

重要

Kafka Exporter は、コンシューマーラグおよびコンシューマーオフセットに関連する追加のメトリクスのみを提供します。通常の Kafka メトリクスでは、Kafka ブローカー で、Prometheus メトリクスを設定する必要があります。

この手順では、Kafka リソースに Prometheus メトリクス設定をデプロイする方法を説明します。このプロセスは、他のリソースのサンプルファイルを使用する場合と同じです。

手順

  1. Prometheus 設定でカスタムリソースのサンプルをデプロイします。

    たとえば、Kafka リソースごとに kafka-metrics.yaml ファイルを適用します。

    サンプル設定のデプロイ

    oc apply -f kafka-metrics.yaml

    または、kafka-metrics.yaml の設定例を独自の Kafka リソースにコピーすることもできます。

    サンプル設定のコピー

    oc edit kafka <kafka-configuration-file>

    metricsConfig プロパティーと、Kafka リソースを参照する ConfigMap をコピーします。

    Kafka のメトリクス設定例

    apiVersion: kafka.strimzi.io/v1beta2
    kind: Kafka
    metadata:
      name: my-cluster
    spec:
      kafka:
        # ...
        metricsConfig: 1
          type: jmxPrometheusExporter
          valueFrom:
            configMapKeyRef:
              name: my-config-map
              key: my-key
    ---
    kind: ConfigMap 2
    apiVersion: v1
    metadata:
      name: kafka-metrics
      labels:
        app: strimzi
    data:
      kafka-metrics-config.yml: |
      # metrics configuration...

    1
    メトリクス設定が含まれる ConfigMap を参照する metricsConfig プロパティーをコピーします。
    2
    メトリクス設定を指定する ConfigMap 全体をコピーします。
    注記

    Kafka Bridge の場合、enableMetrics プロパティーを指定し、これを true に設定します。

    apiVersion: kafka.strimzi.io/v1beta2
    kind: KafkaBridge
    metadata:
      name: my-bridge
    spec:
      # ...
      bootstrapServers: my-cluster-kafka:9092
      http:
        # ...
      enableMetrics: true
      # ...
  2. Kafka Exporter をデプロイするには、kafkaExporter 設定を追加します。

    KafkaExporter 設定は、Kafka リソースでのみ指定されます。

    Kafka Exporter のデプロイの設定例

    apiVersion: kafka.strimzi.io/v1beta2
    kind: Kafka
    metadata:
      name: my-cluster
    spec:
      # ...
      kafkaExporter:
        image: my-registry.io/my-org/my-exporter-cluster:latest 1
        groupRegex: ".*" 2
        topicRegex: ".*" 3
        resources: 4
          requests:
            cpu: 200m
            memory: 64Mi
          limits:
            cpu: 500m
            memory: 128Mi
        logging: debug 5
        enableSaramaLogging: true 6
        template: 7
          pod:
            metadata:
              labels:
                label1: value1
            imagePullSecrets:
              - name: my-docker-credentials
            securityContext:
              runAsUser: 1000001
              fsGroup: 0
            terminationGracePeriodSeconds: 120
        readinessProbe: 8
          initialDelaySeconds: 15
          timeoutSeconds: 5
        livenessProbe: 9
          initialDelaySeconds: 15
          timeoutSeconds: 5
    # ...

    1
    高度なオプションコンテナイメージの設定。これは 特別な状況でのみ推奨されます
    2
    メトリクスに含まれるコンシューマーグループを指定する正規表現。
    3
    メトリクスに含まれるトピックを指定する正規表現。
    4
    5
    指定の重大度 (debug、info、warn、error、fatal) 以上でメッセージをログに記録するためのログ設定。
    6
    Sarama ロギングを有効にするブール値 (Kafka Exporter によって使用される Go クライアントライブラリー)。
    7
    8
    9

8.5. OpenShift での Kafka メトリクスおよびダッシュボードの表示

AMQ Streams が OpenShift Container Platform にデプロイされると、ユーザー定義プロジェクトのモニタリング によりメトリクスが提供されます。この OpenShift 機能により、開発者は独自のプロジェクト (例: Kafka プロジェクト) を監視するために別の Prometheus インスタンスにアクセスできます。

ユーザー定義プロジェクトのモニタリングが有効である場合、openshift-user-workload-monitoring プロジェクトには以下のコンポーネントが含まれます。

  • Prometheus Operator
  • Prometheus インスタンス (Prometheus Operator によって自動的にデプロイされます)
  • Thanos Ruler インスタンス

AMQ Streams は、これらのコンポーネントを使用してメトリクスを消費します。

クラスター管理者は、ユーザー定義プロジェクトのモニタリングを有効にし、開発者およびその他のユーザーに独自のプロジェクト内のアプリケーションを監視するパーミッションを付与する必要があります。

Grafana のデプロイメント

Grafana インスタンスを、Kafka クラスターが含まれるプロジェクトにデプロイできます。その後、Grafana ダッシュボードのサンプルを使用して、AMQ Streams の Prometheus メトリクスを Grafana ユーザーインターフェースで可視化できます。

重要

openshift-monitoring プロジェクトはコアプラットフォームコンポーネントのモニタリングを提供します。このプロジェクトの Prometheus および Grafana コンポーネントを使用して、OpenShift Container Platform 4.x 上の AMQ Streams の監視を設定しないでください

手順の概要

OpenShift Container Platform で AMQ Streams のモニタリングを設定するには、以下の手順を順番に行います。

8.5.1. 前提条件

  • YAML ファイルのサンプルを使用して、Prometheus メトリクス設定がデプロイされている 必要があります。
  • ユーザー定義プロジェクトの監視が有効になっている必要があります。クラスター管理者は、OpenShift クラスターに cluster-monitoring-config 設定マップを作成しています。
  • クラスター管理者は、monitoring-rules-edit または monitoring-edit ロールを割り当てている。

cluster-monitoring-config 設定マップの作成およびユーザー定義プロジェクトをモニターするためのパーミッションをユーザーに付与する方法の詳細については、OpenShift Container Platform の Monitoring を参照してください。

8.5.2. 関連情報

8.5.3. Prometheus リソースのデプロイ

Prometheus を使用して、Kafka クラスターのモニタリングデータを取得します。

独自の Prometheus デプロイメントを使用するか、AMQ Streams によって提供される メトリクス設定ファイルのサンプル を使用して Prometheus をデプロイできます。サンプルファイルを使用するには、PodMonitor リソースを設定し、デプロイします。PodMonitors は、Apache Kafka、ZooKeeper、Operator、Kafka Bridge、および Cruise Control から直接データをスクレープします。

次に、Alertmanager のアラートルールのサンプルをデプロイします。

前提条件

手順

  1. ユーザー定義プロジェクトのモニタリングが有効であることを確認します。

    oc get pods -n openshift-user-workload-monitoring

    有効であると、モニタリングコンポーネントの Pod が返されます。以下に例を示します。

    NAME                                   READY   STATUS    RESTARTS   AGE
    prometheus-operator-5cc59f9bc6-kgcq8   1/1     Running   0          25s
    prometheus-user-workload-0             5/5     Running   1          14s
    prometheus-user-workload-1             5/5     Running   1          14s
    thanos-ruler-user-workload-0           3/3     Running   0          14s
    thanos-ruler-user-workload-1           3/3     Running   0          14s

    Pod が返されなければ、ユーザー定義プロジェクトのモニタリングは無効になっています。「OpenShift での Kafka メトリクスおよびダッシュボードの表示」 の前提条件を参照してください。

  2. 複数の PodMonitor リソースは、examples/metrics/prometheus-install/strimzi-pod-monitor.yaml で定義されます。

    PodMonitor リソースごとに spec.namespaceSelector.matchNames プロパティーを編集します。

    apiVersion: monitoring.coreos.com/v1
    kind: PodMonitor
    metadata:
      name: cluster-operator-metrics
      labels:
        app: strimzi
    spec:
      selector:
        matchLabels:
          strimzi.io/kind: cluster-operator
      namespaceSelector:
        matchNames:
          - <project-name> 1
      podMetricsEndpoints:
      - path: /metrics
        port: http
    # ...
    1
    メトリクスをスクレープする Pod が実行されているプロジェクト (例: Kafka)。
  3. strimzi-pod-monitor.yaml ファイルを、Kafka クラスターが稼働しているプロジェクトにデプロイします。

    oc apply -f strimzi-pod-monitor.yaml -n MY-PROJECT
  4. Prometheus ルールのサンプルを同じプロジェクトにデプロイします。

    oc apply -f prometheus-rules.yaml -n MY-PROJECT

8.5.4. Grafana のサービスアカウントの作成

AMQ Streams の Grafana インスタンスは、cluster-monitoring-view ロールが割り当てられたサービスアカウントで実行する必要があります。

Grafana を使用してモニタリングのメトリクスを表示する場合は、サービスアカウントを作成します。

手順

  1. Grafana の ServiceAccount を作成します。ここでは、リソースの名前は grafana-serviceaccount です。

    apiVersion: v1
    kind: ServiceAccount
    metadata:
      name: grafana-serviceaccount
      labels:
        app: strimzi
  2. ServiceAccount を、Kafka クラスターが含まれるプロジェクトにデプロイします。

    oc apply -f GRAFANA-SERVICEACCOUNT -n MY-PROJECT
  3. cluster-monitoring-view ロールを Grafana ServiceAccount に割り当てる ClusterRoleBinding リソースを作成します。ここでは、リソースの名前は grafana-cluster-monitoring-binding です。

    apiVersion: rbac.authorization.k8s.io/v1
    kind: ClusterRoleBinding
    metadata:
      name: grafana-cluster-monitoring-binding
      labels:
        app: strimzi
    subjects:
      - kind: ServiceAccount
        name: grafana-serviceaccount
        namespace: <my-project> 1
    roleRef:
      kind: ClusterRole
      name: cluster-monitoring-view
      apiGroup: rbac.authorization.k8s.io
    1
    プロジェクトの名前。
  4. ClusterRoleBinding を、Kafka クラスターが含まれるプロジェクトにデプロイします。

    oc apply -f <grafana-cluster-monitoring-binding> -n <my-project>

8.5.5. Prometheus データソースを使用した Grafana のデプロイ

Grafana をデプロイし、Prometheus メトリクスを表示します。Grafana アプリケーションには、OpenShift Container Platform モニタリングスタックの設定が必要です。

OpenShift Container Platform では、openshift-monitoring プロジェクトに Thanos Querier インスタンスが含まれています。Thanos Querier は、プラットフォームメトリクスを集約するために使用されます。

必要なプラットフォームメトリクスを使用するには、Grafana インスタンスには Thanos Querier に接続できる Prometheus データソースが必要です。この接続を設定するには、トークンを使用し、Thanos Querier と並行して実行される oauth-proxy サイドカーに対して認証を行うconfig map を作成します。datasource.yaml ファイルは config map のソースとして使用されます。

最後に、Kafka クラスターが含まれるプロジェクトにボリュームとしてマウントされた config map で Grafana アプリケーションをデプロイします。

手順

  1. Grafana ServiceAccount のアクセストークンを取得します。

    oc serviceaccounts get-token grafana-serviceaccount -n MY-PROJECT

    次のステップで使用するアクセストークンをコピーします。

  2. Grafana の Thanos Querier 設定が含まれる datasource.yaml ファイルを作成します。

    以下に示すように、アクセストークンを httpHeaderValue1 プロパティーに貼り付けます。

    apiVersion: 1
    
    datasources:
    - name: Prometheus
      type: prometheus
      url: https://thanos-querier.openshift-monitoring.svc.cluster.local:9091
      access: proxy
      basicAuth: false
      withCredentials: false
      isDefault: true
      jsonData:
        timeInterval: 5s
        tlsSkipVerify: true
        httpHeaderName1: "Authorization"
      secureJsonData:
        httpHeaderValue1: "Bearer ${GRAFANA-ACCESS-TOKEN}" 1
      editable: true
    1
    GRAFANA-ACCESS-TOKEN:Grafana ServiceAccount のアクセストークンの値。
  3. datasource.yaml ファイルから grafana-config という名前の config map を作成します。

    oc create configmap grafana-config --from-file=datasource.yaml -n MY-PROJECT
  4. Deployment および Service で構成される Grafana アプリケーションを作成します。

    grafana-config config map はデータソース設定のボリュームとしてマウントされます。

    apiVersion: apps/v1
    kind: Deployment
    metadata:
      name: grafana
      labels:
        app: strimzi
    spec:
      replicas: 1
      selector:
        matchLabels:
          name: grafana
      template:
        metadata:
          labels:
            name: grafana
        spec:
          serviceAccountName: grafana-serviceaccount
          containers:
          - name: grafana
            image: grafana/grafana:7.5.15
            ports:
            - name: grafana
              containerPort: 3000
              protocol: TCP
            volumeMounts:
            - name: grafana-data
              mountPath: /var/lib/grafana
            - name: grafana-logs
              mountPath: /var/log/grafana
            - name: grafana-config
              mountPath: /etc/grafana/provisioning/datasources/datasource.yaml
              readOnly: true
              subPath: datasource.yaml
            readinessProbe:
              httpGet:
                path: /api/health
                port: 3000
              initialDelaySeconds: 5
              periodSeconds: 10
            livenessProbe:
              httpGet:
                path: /api/health
                port: 3000
              initialDelaySeconds: 15
              periodSeconds: 20
          volumes:
          - name: grafana-data
            emptyDir: {}
          - name: grafana-logs
            emptyDir: {}
          - name: grafana-config
            configMap:
              name: grafana-config
    ---
    apiVersion: v1
    kind: Service
    metadata:
      name: grafana
      labels:
        app: strimzi
    spec:
      ports:
      - name: grafana
        port: 3000
        targetPort: 3000
        protocol: TCP
      selector:
        name: grafana
      type: ClusterIP
  5. Grafana アプリケーションを、Kafka クラスターが含まれるプロジェクトにデプロイします。

    oc apply -f <grafana-application> -n <my-project>

8.5.6. Grafana サービスへのルートの作成

Grafana サービスを公開するルートを介して、Grafana ユーザーインターフェースにアクセスできます。

手順

  • grafana サービスへのルートの作成:

    oc create route edge <my-grafana-route> --service=grafana --namespace=KAFKA-NAMESPACE

8.5.7. Grafana ダッシュボードサンプルのインポート

Grafana を使用して、カスタマイズ可能なダッシュボードで Prometheus メトリクスを視覚化します。

AMQ Streams は、Grafana のダッシュボード設定ファイルのサンプル を JSON 形式で提供します。

  • examples/metrics/grafana-dashboards

この手順では、Grafana ダッシュボードのサンプルを使用します。

ダッシュボードのサンプルは、キーメトリクスを監視するを開始点として適していますが、Kafka でサポートされるすべてのメトリクスは表示されません。使用するインフラストラクチャーに応じて、ダッシュボードのサンプルの編集や、他のメトリクスの追加を行うことができます。

手順

  1. Grafana サービスへのルートの詳細を取得します。以下に例を示します。

    oc get routes
    
    NAME               HOST/PORT                         PATH  SERVICES
    MY-GRAFANA-ROUTE   MY-GRAFANA-ROUTE-amq-streams.net        grafana
  2. Web ブラウザーで、Route ホストおよびポートの URL を使用して Grafana ログイン画面にアクセスします。
  3. ユーザー名とパスワードを入力し、続いて Log In をクリックします。

    デフォルトの Grafana ユーザー名およびパスワードは、どちらも admin です。初回ログイン後に、パスワードを変更できます。

  4. Configuration > Data Sources で、Prometheus データソースが作成済みであることを確認します。データソースは 「Prometheus データソースを使用した Grafana のデプロイ」 に作成されています。
  5. + アイコンをクリックしてから、Import をクリックします。
  6. examples/metrics/grafana-dashboards で、インポートするダッシュボードの JSON をコピーします。
  7. JSON をテキストボックスに貼り付け、Load をクリックします。
  8. 他の Grafana ダッシュボードのサンプル用に、ステップ 5-7 を繰り返します。

インポートされた Grafana ダッシュボードは、Dashboards ホームページから表示できます。

第9章 AMQ Streams のアップグレード

AMQ Streams をバージョン 2.1 にアップグレードすると、新機能および改良された機能、パフォーマンスの向上、およびセキュリティーオプションを利用できます。

このアップグレード中に、Kafka をサポートされる最新バージョンにアップグレードします。各 Kafka リリースによって、AMQ Streams デプロイメントに新機能、改善点、およびバグ修正が導入されます。

新しいバージョンで問題が発生した場合は、AMQ Streams を以前のバージョンに ダウングレード できます。

リリースされた AMQ Streams バージョンは、AMQ Streams ソフトウェアダウンロードページ から入手できます。

アップグレードパス

2 つのアップグレードパスが可能です。

インクリメント
AMQ Streams を以前のマイナーバージョンからバージョン 2.1 にアップグレードします。
マルチバージョン

AMQ Streams を 1 回で古いバージョンからバージョン 2.1 にアップグレードします (1 つ以上の中間バージョンを飛ばします)。

たとえば、AMQ Streams 1.8 から直接 AMQ Streams 2.1 にアップグレードします。

Kafka バージョンのサポート

  • Kafka 3.1.0 は実稼働環境での使用でサポートされます。
  • Kafka 3.0.0 は、AMQ Streams 2.1 にアップグレードする目的でのみサポートされます。
注記

ご使用のバージョンの AMQ Streams によってサポートされれば、上位バージョンの Kafka にアップグレードできます。サポートされる下位バージョンの Kafka にダウングレードできる場合もあります。

ダウンタイムと可用性

高可用性に対してトピックが設定されている場合、AMQ Streams をアップグレードしても、これらのトピックからデータをパブリッシュおよび読み取るコンシューマーとプロデューサーのダウンタイムは発生しません。高可用性トピックのレプリケーション係数は 3 以上であり、パーティションはブローカー間で均等に分散されます。

AMQ Streams をアップグレードするとローリングアップデートがトリガーされ、プロセスのさまざまな段階ですべてのブローカーが順に再起動されます。ローリングアップデート中に、すべてのブローカーがオンライン状態ではないため、クラスター全体の可用性 は一時的に低下します。クラスターの可用性が低下すると、ブローカーの障害によってメッセージが失われる可能性が高くなります。

9.1. 必要なアップグレードシーケンス

ダウンタイムなしでブローカーとクライアントをアップグレードするには、以下の順序でアップグレード手順を 必ず 完了してください。

  1. Kubernetes クラスターのバージョンがサポートされていることを確認してください。

    AMQ Streams 2.1 は、OpenShift 4.6 から 4.10 でサポートされます。

    ダウンタイムを最小限に抑えて Kubernetes をアップグレード できます。

  2. AMQ Streams を 1.7 以前からアップグレードする場合は、既存のカスタムリソースを更新して、v1beta2 API バージョンをサポートします
  3. 新しい AMQ Streams バージョンに Cluster Operator を更新 します。
  4. サポートされる最新の Kafka バージョンに、すべての Kafka ブローカーとクライアントアプリケーションをアップグレードします
  5. オプション:パーティションの再分散に Incremental Cooperative Rebalance プロトコルを使用するために、コンシューマーと Kafka Streams アプリケーションをアップグレードします。

9.1.1. Cluster Operator のアップグレードオプション

Cluster Operator のアップグレード方法は、デプロイ方法によって異なります。

インストールファイルの使用
インストール用の YAML ファイルを使用して Cluster Operator をデプロイした場合は、「Cluster Operator のアップグレード」の説明に従って、Operator のインストールファイルを変更してアップグレードを実行します。
OperatorHub の使用

OperatorHub から AMQ Streams をデプロイした場合は、Operator Lifecycle Manager (OLM) を使用して AMQ Streams Operator の更新チャネルを新しい AMQ Streams バージョンに変更します。

選択したアップグレードストラテジーに応じて、チャネルの更新後に以下のいずれかを実行します。

  • 自動アップグレードが開始されます。
  • 手動アップグレードでは、インストールを開始する前に承認が必要です。

    OperatorHub を使用した Operator のアップグレードについての詳細は、OpenShift ドキュメントの「Upgrading installed Operators」を参照してください。

9.1.2. OperatorHub を使用した AMQ Streams 1.7 以前からのアップグレード

OperatorHub を使用して AMQ Streams 1.7 以前からアップグレードする場合に必要となるアクション

Red Hat Integration - AMQ Streams Operator は、v1beta2 カスタムリソースのみをサポートします。OperatorHub で AMQ Streams Operator をバージョン 2.1 に アップグレードする前 に、カスタムリソースを v1beta2 にアップグレードする必要があります。

すべてのカスタムリソースの v1beta2 API バージョンが AMQ Streams 1.7 で導入されました。AMQ Streams 1.8 では、KafkaTopic および KafkaUser を除くすべての AMQ Streams カスタムリソースから v1alpha1 および v1beta1 API バージョンが削除されました。

バージョン 1.7 より前の AMQ Streams バージョンからアップグレードする場合は、以下を行います。

  1. AMQ Streams 1.7 へのアップグレード
  2. AMQ Streams ソフトウェアのダウンロードページ から、AMQ Streams 1.8 で提供される Red Hat AMQ Streams API Conversion Tool をダウンロードします。
  3. カスタムリソースおよび CRD を v1beta2に変換します

    詳細は、AMQ Streams 1.7 upgrade documentation を参照してください。

  4. OperatorHub で、Red Hat Integration - AMQ Streams Operator のバージョン 1.7.0 を削除します。
  5. 存在する場合は、Red Hat Integration - AMQ Streams Operator のバージョン 2.1.0 を削除します。

    存在しない場合は、次のステップに進みます。

    AMQ Streams Operator の Approval StrategyAutomatic に設定されている場合、Operator のバージョン 2.1.0 がすでにクラスターに存在する可能性があります。リリース前にカスタムリソースおよび CRD を v1beta2 API バージョンに 変換しなかった 場合、Operator が管理するカスタムリソースおよび CRD は古い API バージョンを使用します。その結果、2.1.0 Operator は Pending ステータスで停止します。このような場合、Red Hat Integration - AMQ Streams Operator のバージョン 2.1.0 およびバージョン 1.7.0 を削除する必要があります。

    両方の Operator を削除すると、新しい Operator バージョンがインストールされるまで、調整は一時停止されます。カスタムリソースへの変更が遅延しないように、次の手順を直ちに実行します。

  6. OperatorHub で、Red Hat Integration - AMQ Streams Operator のバージョン 2.1.0 を即時にインストールします。

    インストールされた 2.1.0 Operator はクラスターの監視を開始し、ローリングアップデートを実行します。このプロセス中に、クラスターのパフォーマンスが一時的に低下する場合があります。

注記

別の方法として、バージョン 1.7 からカスタムリソースをインストールし、リソースを変換してから 1.8 以降にアップグレードすることもできます。

9.2. 最小限のダウンタイムでの OpenShift のアップグレード

OpenShift をアップグレードする場合は、OpenShift アップグレードのドキュメントを参照して、アップグレードパスとノードを正しくアップグレードする手順を確認してください。OpenShift をアップグレードする前に、お使いの AMQ Streams バージョンでサポートされるバージョン を確認してください。

アップグレードを実行する際に、Kafka クラスターを利用できるようにしておくことを推奨します。

以下のストラテジーのいずれかを使用できます。

  1. Pod の Disruption Budget (停止状態の予算) を設定します。
  2. 以下の方法の 1 つで Pod をローリングします。

    1. AMQ Streams Drain Cleaner の使用
    2. アノテーションを Pod に適用して手動で

Pod の Disruption Budget(停止状態の予算)を設定して Pod をロールオーバーする方法のいずれかを使用する必要があります。

Kafka を稼働し続けるには、高可用性のためにトピックも複製する必要があります。これには、少なくとも 3 つのレプリケーション係数と、レプリケーション係数よりも 1 つ少ない In-Sync レプリカの最小数を指定するトピック設定が必要です。

高可用性のためにレプリケートされた Kafka トピック

apiVersion: kafka.strimzi.io/v1beta2
kind: KafkaTopic
metadata:
  name: my-topic
  labels:
    strimzi.io/cluster: my-cluster
spec:
  partitions: 1
  replicas: 3
  config:
    # ...
    min.insync.replicas: 2
    # ...

高可用性環境では、Cluster Operator はアップグレードプロセス時にトピックの In-Sync レプリカの最小数を維持し、ダウンタイムが発生しないようにします。

9.2.1. AMQ Streams Drain Cleaner を使用した Pod のローリング

AMQ Streams Drain Cleaner ツールを使用して、アップグレード時にノードをエビクトできます。AMQ Streams Drain Cleaner は、ローリングアップデート Pod アノテーションを Pod に付けます。これにより、Cluster Operator に、エビクトされた Pod のローリングアップデートを実行するように指示します。

Pod の Disruption Budget(停止状態の予算)により、指定された数の Pod のみが、特定の時点で利用できなくなります。Kafka ブローカー Pod の計画的なメンテナンス中に、Pod の Disruption Budget (停止状態の予算) により、Kafka が高可用性環境で引き続き実行されます。

Kafka コンポーネントの template のカスタマイズを使用して、Pod の Disruption Budget (停止状態の予算) を指定します。デフォルトでは、Pod の Disruption Budget (停止状態の予算) は、単一の Pod のみを指定時に利用できないようにします。

これを実行するには、maxUnavailable0 (ゼロ) に設定します。Pod の Disruption Budget (停止状態の予算) の最大値をゼロに減らすと、自発的な中断が回避されるため、Pod を手動でエビクトする必要があります。

Pod の Disruption Budget (停止状態の予算) の指定

apiVersion: kafka.strimzi.io/v1beta2
kind: Kafka
metadata:
  name: my-cluster
  namespace: myproject
spec:
  kafka:
    # ...
    template:
      podDisruptionBudget:
        maxUnavailable: 0
# ...

9.2.2. トピックを利用可能な状態に維持しながらの手動での Pod のローリング

アップグレード時に、Cluster Operator 経由で Pod の手動ローリングアップデートをトリガーできます。Pod リソースを使用して、ローリングアップデートは新規 Pod でリソースの Pod を再起動します。AMQ Streams Drain Cleaner を使用する場合と同様に、Pod の Disruption Budget の maxUnavailable の値をゼロに設定する必要があります。

ドレイン(解放)する必要のある Pod を監視する必要があります。次に Pod アノテーションを追加して更新を行います。

ここで、アノテーションは Kafka ブローカーを更新します。

Kafka ブローカー Pod での手動ローリングアップデートの実行

oc annotate pod <cluster_name>-kafka-<index> strimzi.io/manual-rolling-update=true

<cluster_name> は、クラスターの名前に置き換えます。Kafka ブローカー Pod の名前は <cluster-name>-kafka-<index> です。ここで、<index> はゼロで始まり、レプリカの合計数から 1 を引いた数で終了します。例: my-cluster-kafka-0

9.3. AMQ Streams カスタムリソースのアップグレード

AMQ Streams を 1.7 以前から 2.1 にアップグレードする場合、カスタムリソースが API バージョン v1beta2 を使用していることを確認する必要があります。AMQ Streams 1.8 以降にアップグレードするに、カスタムリソース定義およびカスタムリソースをアップグレードする必要があります。アップグレードを実行するには、AMQ Streams 1.7 で提供される API 変換ツール を使用できます。詳細は、AMQ Streams 1.7 upgrade documentation を参照してください。

9.4. Cluster Operator のアップグレード

この手順では、AMQ Streams 2.1 を使用するように Cluster Operator デプロイメントをアップグレードする方法を説明します。

インストール YAML ファイルを使用して Cluster Operator をデプロイした場合は、以下の手順に従います。

Cluster Operator によって管理される Kafka クラスターの可用性は、アップグレード操作による影響を受けません。

注記

特定バージョンの AMQ Streams へのアップグレード方法については、そのバージョンをサポートするドキュメントを参照してください。

前提条件

手順

  1. 既存の Cluster Operator リソース (/install/cluster-operator ディレクトリー内) に追加した設定変更を覚えておきます。すべての変更は、新しいバージョンの Cluster Operator によって上書きされます。
  2. カスタムリソースを更新して、AMQ Streams バージョン 2.1 で使用できるサポート対象の設定オプションを反映します。
  3. Cluster Operator を更新します。

    1. Cluster Operator を実行している namespace に従い、新しい Cluster Operator バージョンのインストールファイルを編集します。

      Linux の場合は、以下を使用します。

      sed -i 's/namespace: .*/namespace: <my_cluster_operator_namespace>/' install/cluster-operator/*RoleBinding*.yaml

      MacOS の場合は、以下を使用します。

      sed -i '' 's/namespace: .*/namespace: <my_cluster_operator_namespace>/' install/cluster-operator/*RoleBinding*.yaml
    2. 既存の Cluster Operator Deployment で 1 つ以上の環境変数を編集した場合、install/cluster-operator/060-Deployment-strimzi-cluster-operator.yaml ファイルを編集し、これらの環境変数を使用します。
  4. 設定を更新したら、残りのインストールリソースとともにデプロイします。

    oc replace -f install/cluster-operator

    ローリングアップデートが完了するのを待ちます。

  5. 新しい Operator バージョンがアップグレード元の Kafka バージョンをサポートしなくなった場合、Cluster Operator はバージョンがサポートされていないことを示すエラーメッセージを返します。そうでない場合は、エラーメッセージは返されません。

    • エラーメッセージが返される場合は、新しい Cluster Operator バージョンでサポートされる Kafka バージョンにアップグレードします。

      1. Kafka カスタムリソースを編集します。
      2. spec kafka.version プロパティーをサポートされる Kafka バージョンに変更します。
    • エラーメッセージが返されない場合は、次のステップに進みます。Kafka のバージョンを後でアップグレードします。
  6. Kafka Pod のイメージを取得して、アップグレードが正常に完了したことを確認します。

    oc get pods my-cluster-kafka-0 -o jsonpath='{.spec.containers[0].image}'

    イメージタグには、新しい Operator のバージョンが表示されます。以下に例を示します。

    registry.redhat.io/amq7/amq-streams-kafka-30-rhel8:2.1.0

Cluster Operator はバージョン 2.1 にアップグレードされましたが、管理するクラスターで稼働している Kafka のバージョンは変更されていません。

Cluster Operator のアップグレードの次に、Kafka のアップグレードを実行する必要があります。

9.5. Kafka のアップグレード。

Cluster Operator を 2.1 にアップグレードした後、次にすべての Kafka ブローカーをサポートされる最新バージョンの Kafka にアップグレードします。

Kafka のアップグレードは、Kafka ブローカーのローリングアップデートによって Cluster Operator によって実行されます。

Cluster Operator は、Kafka クラスターの設定に基づいてローリングアップデートを開始します。

Kafka.spec.kafka.config に以下が含まれている場合Cluster Operator によって開始されるもの

inter.broker.protocol.versionlog.message.format.version の両方。

単一のローリングアップデート更新後、inter.broker.protocol.version を手動で更新し、続いて log.message.format.version を更新する必要があります。それぞれを変更すると、ローリングアップデートがさらにトリガーされます。

inter.broker.protocol.version または log.message.format.version のいずれか。

2 つのローリングアップデート

inter.broker.protocol.version または log.message.format.version の設定なし。

2 つのローリングアップデート

重要

Kafka 3.0.0 以降、inter.broker.protocol.version3.0 以上に設定されていると、log.message.format.version オプションは無視されるため、設定する必要はありません。ブローカーの log.message.format.version プロパティーおよびトピックの message.format.version プロパティーは、非推奨となり、Kafka の今後のリリースで削除されます。

Cluster Operator は、Kafka のアップグレードの一環として、ZooKeeper のローリングアップデートを開始します。

  • ZooKeeper バージョンが変更されなくても、単一のローリングアップデートが発生します。
  • 新しいバージョンの Kafka に新しいバージョンの ZooKeeper が必要な場合、追加のローリングアップデートが発生します。

9.5.1. Kafka バージョン

Kafka のログメッセージ形式バージョンとブローカー間のプロトコルバージョンは、それぞれメッセージに追加されるログ形式バージョンとクラスターで使用される Kafka プロトコルのバージョンを指定します。正しいバージョンが使用されるようにするため、アップグレードプロセスでは、既存の Kafka ブローカーの設定変更と、クライアントアプリケーション (コンシューマーおよびプロデューサー) のコード変更が行われます。

以下の表は、Kafka バージョンの違いを示しています。

Kafka のバージョンInterbroker プロトコルのバージョンログメッセージ形式のバージョンZooKeeper のバージョン

3.1.0

3.1

3.1

3.6.3

3.0.0

3.0

3.0

3.6.3

ブローカー間のプロトコルバージョン

Kafka では、ブローカー間の通信に使用されるネットワークプロトコルはブローカー間プロトコル (Inter-broker protocol) と呼ばれます。Kafka の各バージョンには、互換性のあるバージョンのブローカー間プロトコルがあります。上記の表が示すように、プロトコルのマイナーバージョンは、通常 Kafka のマイナーバージョンと一致するように番号が増加されます。

ブローカー間プロトコルのバージョンは、Kafka リソースでクラスター全体に設定されます。これを変更するには、Kafka.spec.kafka.configinter.broker.protocol.version プロパティーを編集します。

ログメッセージ形式のバージョン

プロデューサーが Kafka ブローカーにメッセージを送信すると、特定の形式を使用してメッセージがエンコードされます。この形式は Kafka のリリース間で変更される可能性があるため、メッセージにはエンコードに使用されたメッセージ形式のバージョンが指定されます。

特定のメッセージ形式のバージョンを設定するために使用されるプロパティーは以下のとおりです。

  • トピック用の message.format.version プロパティー
  • Kafka ブローカーの log.message.format.version プロパティー

Kafka 3.0.0 以降、メッセージ形式のバージョンの値は inter.broker.protocol.version と一致すると見なされ、設定する必要はありません。値は、使用される Kafka バージョンを反映します。

Kafka 3.0.0 以降にアップグレードする場合、inter.broker.protocol.version を更新する際にこれらの設定を削除できます。それ以外の場合は、アップグレード先の Kafka バージョンに基づいてメッセージ形式のバージョンを設定します。

トピックの message.format.version のデフォルト値は、Kafka ブローカーに設定される log.message.format.version によって定義されます。トピックの message.format.version は、トピック設定を編集すると手動で設定できます。

9.5.2. クライアントをアップグレードするストラテジー

クライアントアプリケーション (Kafka Connect コネクターを含む) のアップグレードに適切な方法は、特定の状況によって異なります。

消費するアプリケーションは、そのアプリケーションが理解するメッセージ形式のメッセージを受信する必要があります。その状態であることを、以下のいずれかの方法で確認できます。

  • プロデューサーをアップグレードする 前に、トピックのすべてのコンシューマーをアップグレードする。
  • ブローカーでメッセージをダウンコンバートする。

ブローカーのダウンコンバートを使用すると、ブローカーに余分な負荷が加わるので、すべてのトピックで長期にわたりダウンコンバートに頼るのは最適な方法ではありません。ブローカーの実行を最適化するには、ブローカーがメッセージを一切ダウンコンバートしないようにしてください。

ブローカーのダウンコンバートは 2 通りの方法で設定できます。

  • トピックレベルの message.format.version では単一のとピックが設定されます。
  • ブローカーレベルの log.message.format.version は、トピックレベルの message.format.version が設定されてないトピックのデフォルトです。

新バージョンの形式でトピックにパブリッシュされるメッセージは、コンシューマーによって認識されます。これは、メッセージがコンシューマーに送信されるときでなく、ブローカーがプロデューサーからメッセージを受信するときに、ブローカーがダウンコンバートを実行するからです。

クライアントのアップグレードに使用できる一般的なストラテジーを以下に示します。クライアントアプリケーションをアップグレードするストラテジーは他にもあります。

重要

Kafka 3.0.0 以降にアップグレードすると、各ストラテジーで概説されている手順がわずかに変わります。Kafka 3.0.0 以降、メッセージ形式のバージョンの値は inter.broker.protocol.version と一致すると見なされ、設定する必要はありません。

ブローカーレベルのコンシューマーの最初のストラテジー

  1. コンシューマーとして機能するアプリケーションをすべてアップグレードします。
  2. ブローカーレベル log.message.format.version を新バージョンに変更します。
  3. プロデューサーとして機能するアプリケーションをアップグレードします。

このストラテジーは分かりやすく、ブローカーのダウンコンバートの発生をすべて防ぎます。ただし、所属組織内のすべてのコンシューマーを整然とアップグレードできることが前提になります。また、コンシューマーとプロデューサーの両方に該当するアプリケーションには通用しません。さらにリスクとして、アップグレード済みのクライアントに問題がある場合は、新しい形式のメッセージがメッセージログに追加され、以前のコンシューマーバージョンに戻せなくなる場合があります。

トピックレベルのコンシューマーの最初のストラテジー

トピックごとに以下を実行します。

  1. コンシューマーとして機能するアプリケーションをすべてアップグレードします。
  2. トピックレベルの message.format.version を新バージョンに変更します。
  3. プロデューサーとして機能するアプリケーションをアップグレードします。

このストラテジーではブローカーのダウンコンバートがすべて回避され、トピックごとにアップグレードできます。この方法は、同じトピックのコンシューマーとプロデューサーの両方に該当するアプリケーションには通用しません。ここでもリスクとして、アップグレード済みのクライアントに問題がある場合は、新しい形式のメッセージがメッセージログに追加される可能性があります。

ダウンコンバージョンを使用したトピックレベルのコンシューマーの最初のストラテジー

トピックごとに以下を実行します。

  1. トピックレベルの message.format.version を、旧バージョンに変更します (または、デフォルトがブローカーレベルの log.message.format.version のトピックを利用します)。
  2. コンシューマーおよびプロデューサーとして機能するアプリケーションをすべてアップグレードします。
  3. アップグレードしたアプリケーションが正しく機能することを確認します。
  4. トピックレベルの message.format.version を新バージョンに変更します。

このストラテジーにはブローカーのダウンコンバートが必要ですが、ダウンコンバートは一度に 1 つのトピック (またはトピックの小さなグループ) のみに必要になるので、ブローカーへの負荷は最小限に抑えられます。この方法は、同じトピックのコンシューマーとプロデューサーの両方に該当するアプリケーションにも通用します。この方法により、新しいメッセージ形式バージョンを使用する前に、アップグレードされたプロデューサーとコンシューマーが正しく機能することが保証されます。

この方法の主な欠点は、多くのトピックやアプリケーションが含まれるクラスターでの管理が複雑になる場合があることです。

注記

複数のストラテジーを適用することもできます。たとえば、最初のいくつかのアプリケーションとトピックに、「トピック単位でコンシューマーを最初にアップグレード、ダウンコンバートあり」のストラテジーを適用します。これが問題なく適用されたら、より効率的な別のストラテジーの使用を検討できます。

9.5.3. Kafka バージョンおよびイメージマッピング

Kafka のアップグレード時に、STRIMZI_KAFKA_IMAGES 環境変数と Kafka.spec.kafka.version プロパティーの設定について考慮してください。

  • それぞれの Kafka リソースは Kafka.spec.kafka.version で設定できます。
  • Cluster Operator の STRIMZI_KAFKA_IMAGES 環境変数により、Kafka のバージョンと、指定の Kafka リソースでそのバージョンが要求されるときに使用されるイメージをマッピングできます。

    • Kafka.spec.kafka.image を設定しないと、そのバージョンのデフォルトのイメージが使用されます。
    • Kafka.spec.kafka.image を設定すると、デフォルトのイメージがオーバーライドされます。
警告

Cluster Operator は、Kafka ブローカーの想定されるバージョンが実際にイメージに含まれているかどうかを検証できません。所定のイメージが所定の Kafka バージョンに対応することを必ず確認してください。

9.5.4. Kafka ブローカーおよびクライアントアプリケーションのアップグレード

この手順では、AMQ Streams Kafka クラスターを最新のサポートされる Kafka バージョンにアップグレードする方法を説明します。

新しい Kafka バージョンを現在のバージョンと比較すると、新しいバージョンは ログメッセージ形式の上位バージョンブローカー間プロトコルの上位バージョン、またはその両方をサポートする可能性があります。必要に応じて、これらのバージョンをアップグレードする手順を実行します。詳細は、「Kafka バージョン」 を参照してください。

クライアントをアップグレードするストラテジーを選択する必要もあります。Kafka クライアントは、この手順の 6 でアップグレードされます。

前提条件

Kafka リソースをアップグレードするには、以下を確認します。

  • 両バージョンの Kafka をサポートする Cluster Operator が稼働している。
  • Kafka.spec.kafka.config には、新しい Kafka バージョンでサポートされないオプションが含まれていない

手順

  1. Kafka クラスター設定を更新します。

    oc edit kafka my-cluster
  2. 設定されている場合、Kafka.spec.kafka.configlog.message.format.version があり、inter.broker.protocol.version現在の Kafka バージョンのデフォルトに設定されていることを確認します。

    たとえば、Kafka のバージョン 3.0.0 から 3.1.0 へのアップグレードは以下のようになります。

    kind: Kafka
    spec:
      # ...
      kafka:
        version: 3.0.0
        config:
          log.message.format.version: "3.0"
          inter.broker.protocol.version: "3.0"
          # ...

    log.message.format.version および inter.broker.protocol.version が設定されていない場合、AMQ Streams では、次のステップの Kafka バージョンの更新後、これらのバージョンを現在のデフォルトに自動的に更新します。

    注記

    log.message.format.version および inter.broker.protocol.version の値は、浮動小数点数として解釈されないように文字列である必要があります。

  3. Kafka.spec.kafka.version を変更して、新しい Kafka バージョンを指定します。現在の Kafka バージョンのデフォルトで log.message.format.version および inter.broker.protocol.version のままにします。

    注記

    kafka.version を変更すると、クラスターのすべてのブローカーがアップグレードされ、新しいブローカーバイナリの使用が開始されます。このプロセスでは、一部のブローカーは古いバイナリーを使用し、他のブローカーはすでに新しいバイナリーにアップグレードされています。Inter.broker.protocol.version を変更しないと、ブローカーはアップグレード中も相互に通信を継続できます。

    たとえば、Kafka 3.0.0 から 3.1.0 へのアップグレードは以下のようになります。

    apiVersion: kafka.strimzi.io/v1beta2
    kind: Kafka
    spec:
      # ...
      kafka:
        version: 3.1.0 1
        config:
          log.message.format.version: "3.0" 2
          inter.broker.protocol.version: "3.0" 3
          # ...
    1
    Kafka のバージョンが新しいバージョンに変更されます。
    2
    メッセージ形式のバージョンは変更されません。
    3
    ブローカー間のプロトコルバージョンは変更されません。
    警告

    新しい Kafka バージョンの inter.broker.protocol.version が変更された場合は、Kafka をダウングレードできません。ブローカー間プロトコルのバージョンは、__consumer_offsets に書き込まれたメッセージなど、ブローカーによって保存される永続メタデータに使用されるスキーマを判断します。ダウングレードされたクラスターはメッセージを理解しません。

  4. Kafka クラスターのイメージが Kafka.spec.kafka.image の Kafka カスタムリソースで定義されている場合、image を更新して、新しい Kafka バージョンでコンテナーイメージを示すようにします。

    Kafka バージョンおよびイメージマッピング」を参照してください。

  5. エディターを保存して終了し、ローリングアップデートの完了を待ちます。

    Pod の状態の遷移を監視して、ローリングアップデートの進捗を確認します。

    oc get pods my-cluster-kafka-0 -o jsonpath='{.spec.containers[0].image}'

    ローリングアップデートにより、各 Pod が新バージョンの Kafka のブローカーバイナリーを使用するようになります。

  6. クライアントのアップグレードに選択したストラテジーに応じて、新バージョンのクライアントバイナリーを使用するようにすべてのクライアントアプリケーションをアップグレードします。

    必要に応じて、Kafka Connect および MirrorMaker の version プロパティーを新バージョンの Kafka として設定します。

    1. Kafka Connect では、KafkaConnect.spec.version を更新します。
    2. MirrorMaker では、KafkaMirrorMaker.spec.version を更新します。
    3. MirrorMaker 2.0 の場合は、KafkaMirrorMaker2.spec.version を更新します。
  7. 設定されている場合、新しい inter.broker.protocol.version バージョンを使用するように Kafka リソースを更新します。それ以外の場合は、ステップ 9 に進みます。

    たとえば、Kafka 3.1.0 へのアップグレードでは以下のようになります。

    apiVersion: kafka.strimzi.io/v1beta2
    kind: Kafka
    spec:
      # ...
      kafka:
        version: 3.1.0
        config:
          log.message.format.version: "3.0"
          inter.broker.protocol.version: "3.1"
          # ...
  8. Cluster Operator によってクラスターが更新されるまで待ちます。
  9. 設定されている場合、新しい log.message.format.version バージョンを使用するように Kafka リソースを更新します。それ以外の場合は、ステップ 10 に進みます。

    たとえば、Kafka 3.1.0 へのアップグレードでは以下のようになります。

    apiVersion: kafka.strimzi.io/v1beta2
    kind: Kafka
    spec:
      # ...
      kafka:
        version: 3.1.0
        config:
          log.message.format.version: "3.1"
          inter.broker.protocol.version: "3.1"
          # ...
    重要

    Kafka 3.0.0 以降、inter.broker.protocol.version3.0 以上に設定されていると、log.message.format.version オプションは無視されるため、設定する必要はありません。

  10. Cluster Operator によってクラスターが更新されるまで待ちます。

    • これで、Kafka クラスターおよびクライアントが新バージョンの Kafka を使用するようになります。
    • ブローカーは、ブローカー間プロトコルバージョンと新バージョンの Kafka のメッセージ形式バージョンを使用して、メッセージを送信するように設定されます。

Kafka のアップグレードに従い、必要な場合は以下を行うことができます。

9.6. コンシューマーの Cooperative Rebalancing へのアップグレード

Kafka コンシューマーおよび Kafka Streams アプリケーションをアップグレードすることで、パーティションの再分散にデフォルトの Eager Rebalance プロトコルではなく Incremental Cooperative Rebalance プロトコルを使用できます。この新しいプロトコルが Kafka 2.4.0 に追加されました。

コンシューマーは、パーティションの割り当てを Cooperative Rebalance で保持し、クラスターの分散が必要な場合にプロセスの最後でのみ割り当てを取り消します。これにより、コンシューマーグループまたは Kafka Streams アプリケーションが使用不可能になる状態が削減されます。

注記

Incremental Cooperative Rebalance プロトコルへのアップグレードは任意です。Eager Rebalance プロトコルは引き続きサポートされます。

手順

Incremental Cooperative Rebalance プロトコルを使用するように Kafka コンシューマーをアップグレードするには以下を行います。

  1. Kafka クライアント .jar ファイルを新バージョンに置き換えます。
  2. コンシューマー設定で、partition.assignment.strategycooperative-sticky を追加します。たとえば、range ストラテジーが設定されている場合は、設定を range, cooperative-sticky に変更します。
  3. グループ内の各コンシューマーを順次再起動し、再起動後に各コンシューマーがグループに再度参加するまで待ちます。
  4. コンシューマー設定から前述の partition.assignment.strategy を削除して、グループの各コンシューマーを再設定し、cooperative-sticky ストラテジーのみを残します。
  5. グループ内の各コンシューマーを順次再起動し、再起動後に各コンシューマーがグループに再度参加するまで待ちます。

Incremental Cooperative Rebalance プロトコルを使用するように Kafka Streams アプリケーションをアップグレードするには以下を行います。

  1. Kafka Streams の .jar ファイルを新バージョンに置き換えます。
  2. Kafka Streams の設定で、upgrade.from 設定パラメーターをアップグレード前の Kafka バージョンに設定します (例: 2.3)。
  3. 各ストリームプロセッサー (ノード) を順次再起動します。
  4. upgrade.from 設定パラメーターを Kafka Streams 設定から削除します。
  5. グループ内の各コンシューマーを順次再起動します。

第10章 AMQ Streams のダウングレード

アップグレードしたバージョンの AMQ Streams で問題が発生した場合は、インストールを直前のバージョンに戻すことができます。

以下のダウングレードを実行できます。

  1. Cluster Operator を以前の AMQ Streams バージョンに戻します。

  2. すべての Kafka ブローカーとクライアントアプリケーションを、以前の Kafka バージョンにダウングレードします。

以前のバージョンの AMQ Streams では使用している Kafka バージョンがサポートされない場合、メッセージに追加されるログメッセージ形式のバージョンが一致すれば Kafka をダウングレードすることができます。

10.1. Cluster Operator の以前のバージョンへのダウングレード

AMQ Streams で問題が発生した場合は、インストールを元に戻すことができます。

この手順では、Cluster Operator デプロイメントを以前のバージョンにダウングレードする方法を説明します。

前提条件

手順

  1. 既存の Cluster Operator リソース (/install/cluster-operator ディレクトリー内) に追加した設定変更を覚えておきます。すべての変更は、以前のバージョンの Cluster Operator によって上書きされます。
  2. カスタムリソースを元に戻して、ダウングレードする AMQ Streams バージョンで利用可能なサポート対象の設定オプションを反映します。
  3. Cluster Operator を更新します。

    1. Cluster Operator を実行している namespace に従い、以前のバージョンのインストールファイルを編集します。

      Linux の場合は、以下を使用します。

      sed -i 's/namespace: .*/namespace: <my_cluster_operator_namespace>/' install/cluster-operator/*RoleBinding*.yaml

      MacOS の場合は、以下を使用します。

      sed -i '' 's/namespace: .*/namespace: <my_cluster_operator_namespace>/' install/cluster-operator/*RoleBinding*.yaml
    2. 既存の Cluster Operator Deployment で 1 つ以上の環境変数を編集した場合、install/cluster-operator/060-Deployment-strimzi-cluster-operator.yaml ファイルを編集し、これらの環境変数を使用します。
  4. 設定を更新したら、残りのインストールリソースとともにデプロイします。

    oc replace -f install/cluster-operator

    ローリングアップデートが完了するのを待ちます。

  5. Kafka Pod のイメージを取得して、アップグレードが正常に完了したことを確認します。

    oc get pod my-cluster-kafka-0 -o jsonpath='{.spec.containers[0].image}'

    イメージタグには、新しい AMQ Streams バージョンと Kafka バージョンが順に示されます。例: NEW-STRIMZI-VERSION-kafka-CURRENT-KAFKA-VERSION

Cluster Operator は以前のバージョンにダウングレードされました。

10.2. Kafka のダウングレード

Kafka バージョンのダウングレードは、Cluster Operator によって実行されます。

10.2.1. ダウングレードでの Kafka バージョンの互換性

Kafka のダウングレードは、互換性のある現在およびターゲットの Kafka バージョン と、メッセージがログに記録された状態に依存します。

そのバージョンが、クラスターでこれまで使用された inter.broker.protocol.version 設定をサポートしない場合、または新しい log.message.format.version を使用するメッセージメッセージにメッセージが追加された場合は、下位バージョンの Kafka に戻すことはできません。

Inter.broker.protocol.version は、__consumer_offsets に書き込まれたメッセージのスキーマなど、ブローカーによって保存される永続メタデータに使用されるスキーマを判断します。クラスターで以前使用された inter.broker.protocol.version が認識されない Kafka バージョンにダウングレードすると、ブローカーが認識できないデータが発生します。

ダウングレードする Kafka のバージョンの関係は次のとおりです。

  • ダウングレードする Kafka バージョンの log.message.format.version が現行バージョンと 同じ である場合、Cluster Operator は、ブローカーのローリング再起動を 1 回実行してダウングレードを行います。
  • 別の log.message.format.version の場合、ダウングレード後の Kafka バージョンが使用するバージョンに設定された log.message.format.version に 実行中のクラスターに存在する場合に限り、ダウングレードが可能です。通常は、アップグレードの手順が log.message.format.version の変更前に中止された場合にのみ該当します。その場合、ダウングレードには以下が必要です。

    • 2 つのバージョンで Interbroker プロトコルが異なる場合、ブローカーのローリング再起動が 2 回必要です。
    • 両バージョンで同じ場合は、ローリング再起動が 1 回必要です。

以前のバージョンでサポートされない log.message.format.version が新バージョンで使われていた場合 (log.message.format.versionのデフォルト値が使われていた場合など)、ダウングレードは実行 できません。たとえば以下のリソースの場合、log.message.format.version が変更されていないので、Kafka バージョン 3.0.0 にダウングレードできます。

apiVersion: kafka.strimzi.io/v1beta2
kind: Kafka
spec:
  # ...
  kafka:
    version: 3.1.0
    config:
      log.message.format.version: "3.0"
      # ...

log.message.format.version"3.1" に設定されているか、値がない(このためパラメーターに 3.1.0 ブローカーのデフォルト値 3.1 が採用される)場合は、ダウングレードを実施できません。

重要

Kafka 3.0.0 以降、inter.broker.protocol.version3.0 以上に設定されていると、log.message.format.version オプションは無視されるため、設定する必要はありません。

10.2.2. Kafka ブローカーおよびクライアントアプリケーションのダウングレード

この手順では、AMQ Streams Kafka クラスターを Kafka の下位 (以前の) バージョンにダウングレードする方法 (3.1.0 から 3.0.0 へのダウングレードなど) を説明します。

前提条件

AMQ Streams Kafka クラスターをダウングレードする前に、Kafka リソースについて以下を確認してください。

  • 重要:Kafka バージョンの互換性
  • 両バージョンの Kafka をサポートする Cluster Operator が稼働している。
  • Kafka.spec.kafka.config に、ダウングレードする Kafka バージョンでサポートされていないオプションが含まれていない。
  • Kafka.spec.kafka.config に、ダウングレード先の Kafka バージョンでサポートされる log.message.format.versioninter.broker.protocol.version がある。

    Kafka 3.0.0 以降、inter.broker.protocol.version3.0 以上に設定されていると、log.message.format.version オプションは無視されるため、設定する必要はありません。

手順

  1. Kafka クラスター設定を更新します。

    oc edit kafka KAFKA-CONFIGURATION-FILE
  2. Kafka.spec.kafka.version を変更して、以前のバージョンを指定します。

    たとえば、Kafka 3.1.0 から 3.0.0 へのダウングレードは以下のようになります。

    apiVersion: kafka.strimzi.io/v1beta2
    kind: Kafka
    spec:
      # ...
      kafka:
        version: 3.0.0 1
        config:
          log.message.format.version: "3.0" 2
          inter.broker.protocol.version: "3.0" 3
          # ...
    1
    Kafka のバージョンが以前のバージョンに変更されます。
    2
    メッセージ形式のバージョンは変更されません。
    3
    ブローカー間のプロトコルバージョンは変更されません。
    注記

    log.message.format.version および inter.broker.protocol.version の値は、浮動小数点数として解釈されないように文字列である必要があります。

  3. Kafka バージョンのイメージが Cluster Operator の STRIMZI_KAFKA_IMAGES に定義されているイメージとは異なる場合は、Kafka.spec.kafka.image を更新します。

    「Kafka バージョンおよびイメージマッピング」 を参照してください。

  4. エディターを保存して終了し、ローリングアップデートの完了を待ちます。

    更新をログで確認するか、または Pod 状態の遷移を監視して確認します。

    oc logs -f CLUSTER-OPERATOR-POD-NAME | grep -E "Kafka version downgrade from [0-9.]+ to [0-9.]+, phase ([0-9]+) of \1 completed"
    oc get pod -w

    Cluster Operator ログで INFO レベルのメッセージを確認します。

    Reconciliation #NUM(watch) Kafka(NAMESPACE/NAME): Kafka version downgrade from FROM-VERSION to TO-VERSION, phase 1 of 1 completed
  5. すべてのクライアントアプリケーション (コンシューマー) をダウングレードして、以前のバージョンのクライアントバイナリーを使用します。

    これで、Kafka クラスターおよびクライアントは以前の Kafka バージョンを使用するようになります。

  6. トピックメタデータの保存に ZooKeeper を使用する 1.7 よりも前のバージョンの AMQ Streams に戻す場合は、Kafka クラスターから内部トピックストアのトピックを削除します。

    oc run kafka-admin -ti --image=registry.redhat.io/amq7/amq-streams-kafka-31-rhel8:2.1.0 --rm=true --restart=Never -- ./bin/kafka-topics.sh --bootstrap-server localhost:9092 --topic __strimzi-topic-operator-kstreams-topic-store-changelog --delete && ./bin/kafka-topics.sh --bootstrap-server localhost:9092 --topic __strimzi_store_topic --delete

第11章 AMQ Streams のアンインストール

OpenShift Container Platform Web コンソールまたは CLI を使用して OperatorHub から AMQ Streams on OpenShift 4.6 - 4.10 をアンインストールできます。

AMQ Streams のインストールに使用したのと同じアプローチを使用します。

AMQ Streams をアンインストールする場合は、デプロイメント専用に作成され、AMQ Streams リソースから参照されるリソースを特定する必要があります。

このようなリソースには以下があります。

  • シークレット (カスタム CA および証明書、Kafka Connect Secrets、その他の Kafka シークレット)
  • ロギング ConfigMap (external タイプ)

KafkaKafkaConnectKafkaMirrorMakerKafkaBridgeのいずれかの設定で参照されるリソースです。

警告

CustomResourceDefinitions を削除すると、対応するカスタムリソース(KafkaKafkaConnectKafkaMirrorMaker、または KafkaBridge)、およびそれらに依存するリソース(Deployments、StatefulSets、およびその他の依存リソース)のガベージコレクションが実行されます。

11.1. Web コンソールを使用した OperatorHub からの AMQ Streams のアンインストール

この手順では、OperatorHub から AMQ Streams をアンインストールし、デプロイメントに関連するリソースを削除する方法を説明します。

コンソールから手順を実行したり、別の CLI コマンドを使用したりできます。

前提条件

  • cluster-admin または strimzi-admin パーミッションを持つアカウントを使用して OpenShift Container Platform Web コンソールにアクセスできること。
  • 削除するリソースを特定している。

    AMQ Streams をアンインストールしたら、以下の oc CLI コマンドを使用してリソースを検索して、削除されていることを確認できます。

    AMQ Streams デプロイメントに関連するリソースを検索するコマンド

    oc get <resource_type> --all-namespaces | grep <kafka_cluster_name>

    <resource_type> は、secret または configmap などのチェックするリソースのタイプに置き換えます。

手順

  1. OpenShift Web コンソールで、Operators > Installed Operators に移動します。
  2. インストールされた Red Hat Integration - AMQ Streams Operator については、オプションアイコン(3 つの縦の点)を選択し、Uninstall Operator をクリックします。

    Operator が Installed Operators から削除されます。

  3. Home > Projects に移動し、AMQ Streams と Kafka コンポーネントがインストールされているプロジェクトを選択します。
  4. Inventory のオプションをクリックして関連リソースを削除します。

    リソースには以下が含まれます。

    • デプロイメント
    • StatefulSets
    • Pod
    • サービス
    • ConfigMap
    • シークレット
    ヒント

    検索を使用して、Kafka クラスターの名前で始まる関連リソースを検索します。また、Workloads でもリソースを検索できます。

代わりの CLI コマンド

CLI コマンドを使用して、OperatorHub から AMQ Streams をアンインストールできます。

  1. AMQ Streams サブスクリプションを削除します。

    oc delete subscription amq-streams -n openshift-operators
  2. クラスターサービスバージョン (CSV) を削除します。

    oc delete csv amqstreams.<version>  -n openshift-operators
  3. 関連する CRD を削除します。

    oc get crd -l app=strimzi -o name | xargs oc delete

11.2. CLI を使用した AMQ Streams のアンインストール

この手順では、oc コマンドラインツールを使用して AMQ Streams をアンインストールし、デプロイメントに関連するリソースを削除する方法を説明します。

前提条件

  • 削除するリソースを特定している。

    AMQ Streams をアンインストールしたら、以下の oc CLI コマンドを使用してリソースを検索して、削除されていることを確認できます。

    AMQ Streams デプロイメントに関連するリソースを検索するコマンド

    oc get <resource_type> --all-namespaces | grep <kafka_cluster_name>

    <resource_type> は、secret または configmap などのチェックするリソースのタイプに置き換えます。

手順

  1. Cluster Operator Deployment、関連する CustomResourceDefinitions、および RBAC リソースを削除します。

    Cluster Operator のデプロに使用されるインストールファイルを指定します。

    oc delete -f amq-streams-<version>/install/cluster-operator
  2. 前提条件で特定したリソースを削除します。

    oc delete <resource_type> <resource_name> -n <namespace>

    <resource_type> は削除するリソースのタイプに、 <resource_name> はリソースの名前に置き換えます。

    シークレットの削除例

    oc delete secret my-cluster-clients-ca -n my-project

第12章 AMQ Streams でのメータリングの使用

OCP 4 で利用可能なメータリングツールを使用して、異なるデータソースからメータリングレポートを生成できます。クラスター管理者として、メータリングを使用してクラスターの内容を分析できます。独自のクエリーを作成するか、または事前定義 SQL クエリーを使用して、利用可能な異なるデータソースからデータを処理する方法を定義できます。Prometheus をデフォルトのデータソースとして使用すると、Pod、namespace、およびその他ほとんどの Kubernetes リソースのレポートを生成できます。

OpenShift の Metering Operator を使用すると、インストールされた AMQ Streams コンポーネントを分析し、Red Hat サブスクリプションに準拠しているかどうかを判断することができます。

AMQ Streams でメータリングを使用するには、まず OpenShift Container Platform に Metering operator をインストールし、設定する必要があります。

12.1. メータリングリソース

メータリングには、メータリングのデプロイメントやインストール、およびメータリングが提供するレポート機能を管理するために使用できるリソースが多数含まれています。メータリングは以下の CRD を使用して管理されます。

表12.1 メータリングリソース
名前説明

MeteringConfig

デプロイメントのメータリングスタックを設定します。メータリング スタックを構成する各コンポーネントを制御するカスタマイズおよび設定オプションが含まれます。

Report

使用するクエリー、クエリーを実行するタイミングおよび頻度、および結果を保存する場所を制御します。

ReportQuery

ReportDataSources 内に含まれるデータに対して分析を実行するために使用される SQL クエリーが含まれます。

ReportDataSource

ReportQuery および Report で利用可能なデータを制御します。メータリング内で使用できるように複数の異なるデータベースへのアクセスの設定を可能にします。

12.2. AMQ Streams のメータリングラベル

以下の表では、AMQ Streams インフラストラクチャーコンポーネントおよびインテグレーションのメータリングラベルが一覧表示されています。

表12.2 メータリングラベル
ラベル可能な値

com.company

Red_Hat

rht.prod_name

Red_Hat_Integration

rht.prod_ver

2022.Q2

rht.comp

AMQ_Streams

rht.comp_ver

2.1

rht.subcomp

インフラストラクチャー

cluster-operator

entity-operator

zookeeper

アプリケーション

kafka-broker

kafka-connect

kafka-connect-build

kafka-mirror-maker2

kafka-mirror-maker

cruise-control

kafka-bridge

kafka-exporter

drain-cleaner

rht.subcomp_t

infrastructure

application

  • インフラストラクチャーの例 (インフラストラクチャーコンポーネントが entity-operator の場合)

    com.company=Red_Hat
    rht.prod_name=Red_Hat_Integration
    rht.prod_ver=2022.Q2
    rht.comp=AMQ_Streams
    rht.comp_ver=2.1
    rht.subcomp=entity-operator
    rht.comp_t=infrastructure
  • アプリケーションの例 (インテグレーションのデプロイメント名が kafka-bridge の場合)

    com.company=Red_Hat
    rht.prod_name=Red_Hat_Integration
    rht.prod_ver=2022.Q2
    rht.comp=AMQ_Streams
    rht.comp_ver=2.1
    rht.subcomp=kafka-bridge
    rht.comp_t=application

付録A サブスクリプションの使用

AMQ Streams は、ソフトウェアサブスクリプションから提供されます。サブスクリプションを管理するには、Red Hat カスタマーポータルでアカウントにアクセスします。

アカウントへのアクセス

  1. access.redhat.com に移動します。
  2. アカウントがない場合は、作成します。
  3. アカウントにログインします。

サブスクリプションのアクティベート

  1. access.redhat.com に移動します。
  2. サブスクリプション に移動します。
  3. Activate a subscription に移動し、16 桁のアクティベーション番号を入力します。

Zip および Tar ファイルのダウンロード

zip または tar ファイルにアクセスするには、カスタマーポータルを使用して、ダウンロードする関連ファイルを検索します。RPM パッケージを使用している場合は、この手順は必要ありません。

  1. ブラウザーを開き、access.redhat.com/downloads で Red Hat カスタマーポータルの Product Downloads ページにログインします。
  2. INTEGRATION AND AUTOMATION カテゴリーで、AMQ Streams for Apache Kafka エントリーを見つけます。
  3. 必要な AMQ Streams 製品を選択します。Software Downloads ページが開きます。
  4. コンポーネントの Download リンクをクリックします。

改訂日時: 2022-07-12 13:27:23 +1000

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