RHEL での AMQ Streams の使用
Red Hat Enterprise Linux での AMQ Streams 2.4 のデプロイメントの設定および管理
概要
多様性を受け入れるオープンソースの強化
Red Hat では、コード、ドキュメント、Web プロパティーにおける配慮に欠ける用語の置き換えに取り組んでいます。まずは、マスター (master)、スレーブ (slave)、ブラックリスト (blacklist)、ホワイトリスト (whitelist) の 4 つの用語の置き換えから始めます。この取り組みは膨大な作業を要するため、今後の複数のリリースで段階的に用語の置き換えを実施して参ります。詳細は、Red Hat CTO である Chris Wright のメッセージ をご覧ください。
第1章 AMQ Streams の概要
Red Hat AMQ Streams は、Apache ZooKeeper および Apache Kafka プロジェクトをベースとした、非常にスケーラブルで分散型の高性能データストリーミングプラットフォームです。
主なコンポーネントは以下で構成されます。
- Kafka Broker
生成クライアントから消費側のクライアントにレコードを配信するメッセージングブローカー
Apache ZooKeeper は Kafka のコア依存関係で、高信頼性の分散調整のためのクラスター調整サービスを提供する。
- Kafka Streams API
- ストリームプロセッサー アプリケーションを作成するための API
- プロデューサーおよびコンシューマー API
- Kafka ブローカーとの間でメッセージを生成および消費するための Java ベースの API
- Kafka Bridge
- AMQ Streams Kafka Bridge では、HTTP ベースのクライアントと Kafka クラスターとの対話を可能にする RESTful インターフェイスを提供する。
- Kafka Connect
- Connector プラグインを使用して、Kafka ブローカーと他のシステム間でデータをストリーミングするツールキット
- Kafka MirrorMaker
- データセンター内またはデータセンター全体の 2 つの Kafka クラスター間でデータをレプリケーションする。
- Kafka Exporter
- 監視用に Kafka メトリクスデータの抽出に使用されるエクスポーター
Kafka ブローカーのクラスターは、これらのすべてのコンポーネントを接続するハブです。ブローカーは、設定データの保存やクラスターの調整に Apache ZooKeeper を使用します。Apache Kafka の実行前に、Apache ZooKeeper クラスターを用意する必要があります。
図1.1 AMQ Streams のアーキテクチャー

1.1. Kafka Bridge を使用した Kafka クラスターへの接続
AMQ Streams Kafka Bridge API を使用して、コンシューマーを作成および管理し、ネイティブ Kafka プロトコルではなく HTTP を介してレコードを送受信できます。
Kafka Bridge を設定する場合、Kafka クラスターへの HTTP アクセスを設定します。その後、Kafka Bridge を使用して、クラスターからのメッセージを生成および消費したり、REST インターフェイスを介して他の操作を実行することができます。
関連情報
- Kafka Bridge のインストールおよび使用に関する詳細は、AMQ Streams Kafka Bridge の使用 を参照してください。
1.2. 本書の表記慣例
ユーザー置換値
ユーザーが置き換える値は、置き換え可能 な値とも呼ばれ、山かっこ (<>) を付けて 斜体 で表示されます。アンダースコア ( _ ) は、複数単語の値に使用されます。値がコードまたはコマンドを参照する場合は monospace
も使用されます。
たとえば、以下のコードでは、<bootstrap_address>
および <topic_name>
を独自のアドレスおよびトピック名に置き換えます。
bin/kafka-console-consumer.sh --bootstrap-server <bootstrap_address> --topic <topic_name> --from-beginning
第2章 FIPS サポート
FIPS(Federal Information Processing Standards) は、コンピューターセキュリティーおよび相互運用性の標準です。AMQ Streams で FIPS を使用するには、FIPS 準拠の OpenJDK (Open Java Development Kit) がシステムにインストールされている必要があります。RHEL システムが FIPS 対応である場合、AMQ Streams の実行時に OpenJDK は自動的に FIPS モードに切り替わります。これにより、AMQ Streams は OpenJDK が提供する FIPS 準拠のセキュリティーライブラリーを使用するようになります。
パスワードの最小長
FIPS モードで実行する場合、SCRAM-SHA-512 パスワードは 32 文字以上にする必要があります。32 文字未満のパスワード長を使用するカスタム設定の Kafka クラスターがある場合は、設定を更新する必要があります。32 文字未満のパスワードを持つユーザーがいる場合は、必要な長さのパスワードを再生成する必要があります。
2.1. FIPS モードを有効にして AMQ Streams をインストールする
RHEL に AMQ Streams をインストールする前に、FIPS モードを有効にします。Red Hat は、後で FIPS モードを有効にするのではなく、FIPS モードを有効にして RHEL をインストールすることを推奨します。インストール時に FIPS モードを有効にすると、システムは FIPS で承認されるアルゴリズムと継続的な監視テストですべてのキーを生成するようになります。
RHEL を FIPS モードで実行する場合は、AMQ Streams 設定が FIPS に準拠していることを確認する必要があります。さらに、Java 実装も FIPS に準拠している必要があります。
RHEL 上で AMQ Streams を FIPS モードで実行するには、FIPS 準拠の JDK が必要です。OpenJDK 17.0.6 以降を使用することを推奨します。
手順
RHEL を FIPS モードでインストールします。
詳細については、RHEL ドキュメント のセキュリティー強化に関する情報を参照してください。
- AMQ Streams のインストールに進みます。
FIPS 準拠のアルゴリズムとプロトコルを使用するように AMQ Streams を設定します。
使用する場合は、次の設定が準拠していることを確認してください。
- SSL 暗号スイートと TLS バージョンは、JDK フレームワークでサポートされている必要があります。
- SCRAM-SHA-512 パスワードの長さは少なくとも 32 文字である必要があります。
FIPS 要件の変更に応じて、インストール環境と AMQ Streams 設定が準拠していることを確認してください。
第3章 スタートガイド
AMQ Streams は ZIP ファイルで配布されます。ZIP ファイルには、以下のコンポーネントのインストールアーティファクトが含まれます。
- Apache Kafka
- Apache ZooKeeper
- Apache Kafka Connect
- Apache Kafka MirrorMaker
Kafka Bridge には個別のインストールファイルがあります。Kafka Bridge のインストールおよび使用に関する詳細は、AMQ Streams Kafka Bridge の使用 を参照してください。
3.1. インストール環境
AMQ Streams は、Red Hat Enterprise Linux で実行されます。ホスト (ノード) は、物理マシンまたは仮想マシン (VM) にすることができます。AMQ Streams で提供されるインストールファイルを使用して、Kafka コンポーネントをインストールします。Kafka は、シングルノード環境または複数ノード環境にインストールできます。
- シングルノード環境
- シングルノードの Kafka クラスターは、単一のホストで 1 つ以上の Kafka ブローカーと ZooKeeper インスタンスを実行します。この設定は、実稼働環境には適していません。
- マルチノード環境
- マルチノード Kafka クラスターは、複数のホストで 1 つ以上の Kafka ブローカーと ZooKeeper インスタンスを実行します。
Kafka と他の Kafka コンポーネント (Kafka Connect など) を別のホストで実行することを推奨します。この方法でコンポーネントを実行すると、各コンポーネントの保守とアップグレードが容易になります。
Kafka クライアントは、bootstrap.servers
設定プロパティーを使用して Kafka クラスターへの接続を確立します。たとえば、Kafka Connect を使用している場合、Kafka Connect 設定プロパティーには、Kafka ブローカーが実行されているホストのホスト名とポートを指定する bootstrap.servers
値が含まれている必要があります。Kafka クラスターが複数の Kafka ブローカーを持つ複数のホストで実行されている場合は、ブローカーごとにホスト名とポートを指定します。各 Kafka ブローカーは、broker.id
によって識別されます。
3.1.1. サポートされている環境のバージョン
AMQ Streams は、サポートされているバージョンの Red Hat Enterprise Linux で実行されている必要があります。環境は、サポートされている JVM バージョンも使用している必要があります。詳細は、サポートされる構成 を参照してください。
3.1.2. データストレージに関する留意事項
効率的なデータストレージインフラストラクチャーは、AMQ Streams のパフォーマンスを最適化するために不可欠です。
ブロックストレージが必要です。NFS などのファイルストレージは、Kafka では機能しません。
ブロックストレージには、以下のいずれかのオプションを選択します。
- Amazon Elastic Block Store (EBS) などのクラウドベースのブロックストレージソリューション
- ローカルストレージ
- ファイバーチャネル や iSCSI などのプロトコルがアクセスする SAN (ストレージエリアネットワーク) ボリューム
3.1.3. ファイルシステム
Kafka は、メッセージの保存にファイルシステムを使用します。AMQ Streams は、Kafka で一般的に使用される XFS および ext4 ファイルシステムと互換性があります。ファイルシステムを選択して設定するときは、デプロイメントの基盤となるアーキテクチャーと要件を考慮してください。
詳細については、Kafka ドキュメントの Filesystem Selection を参照してください。
3.1.4. Apache Kafka および ZooKeeper ストレージ
Apache Kafka と ZooKeeper には別々のディスクを使用します。
Kafka は、複数のディスクまたはボリュームのデータストレージ設定である JBOD (Just a Bunch of Disks) ストレージをサポートします。JBOD は、Kafka ブローカーのデータストレージを増やします。また、パフォーマンスを向上することもできます。
ソリッドステートドライブ (SSD) は必須ではありませんが、複数のトピックに対してデータが非同期的に送受信される大規模なクラスターで Kafka のパフォーマンスを向上させることができます。SSD は、高速で低レイテンシーのデータアクセスが必要な ZooKeeper で特に有効です。
Kafka と ZooKeeper の両方にデータレプリケーションが組み込まれているため、レプリケーションされたストレージのプロビジョニングは必要ありません。
関連情報
3.2. AMQ Streams のダウンロード
AMQ Streams の ZIP ファイル配布は、Red Hat Web サイトからダウンロードできます。Red Hat AMQ Streams の最新バージョンは、AMQ Streams ソフトウェアダウンロードページ からダウンロードできます。
-
Kafka およびその他の Kafka コンポーネントの場合は、
amq-streams-<version>-bin.zip
ファイルをダウンロードします。 Kafka Bridge の場合は、
amq-streams-<version>-bridge-bin.zip
ファイルをダウンロードします。インストール手順は、AMQ Streams Kafka Bridge の使用 を参照してください。
3.3. Kafka のインストール
AMQ Streams ZIP ファイルを使用して、Red Hat Enterprise Linux に Kafka をインストールします。Kafka は、シングルノード環境または複数ノード環境にインストールできます。この手順では、単一の Kafka ブローカーと ZooKeeper インスタンスが単一のホスト (ノード) にインストールされます。
AMQ Streams インストールファイルには、Kafka Connect、Kafka MirrorMaker 2、Kafka Bridge などの他の Kafka コンポーネントを実行するためのバイナリーが含まれています。単一ノード環境では、Kafka をインストールした同じホストからこれらのコンポーネントを実行できます。ただし、インストールファイルを追加し、別のホストで他の Kafka コンポーネントを実行することを推奨します。
マルチノード環境を使用している場合は、Kafka ブローカーと ZooKeeper インスタンスを複数のホストにインストールします。ホストごとにインストール手順を繰り返します。各 ZooKeeper インスタンスとブローカーを識別するには、設定に一意の ID を追加します。詳細は、4章マルチノード環境の実行 を参照してください。
前提条件
- インストールファイル をダウンロードしている。
- サポートされる構成 を確認している。
-
管理者 (
root
) ユーザーとして Red Hat Enterprise Linux にログインしている。
手順
ホストに ZooKeeper を使用して Kafka をインストールします。
新しい
kafka
ユーザーとグループを追加します。groupadd kafka useradd -g kafka kafka passwd kafka
amq-streams-<version>-bin.zip
ファイルの内容を抽出して/opt/kafka
ディレクトリーに移動します。unzip amq-streams-<version>-bin.zip -d /opt mv /opt/kafka*redhat* /opt/kafka
この手順には管理者権限が必要です。
/opt/kafka
ディレクトリーの所有権をkafka
ユーザーに変更します。chown -R kafka:kafka /opt/kafka
ZooKeeper データを格納する
/var/lib/zookeeper
ディレクトリーを作成し、その所有権をkafka
ユーザーに設定します。mkdir /var/lib/zookeeper chown -R kafka:kafka /var/lib/zookeeper
Kafka データを格納する
/var/lib/kafka
ディレクトリーを作成し、その所有権をkafka
ユーザーに設定します。mkdir /var/lib/kafka chown -R kafka:kafka /var/lib/kafka
Kafka のデフォルトの設定を単一ノードクラスターとして実行 できるようになりました。
インストールを使用して、Kafka Connect などの他の Kafka コンポーネントを同じホストで実行することもできます。
他のコンポーネントを実行するには、コンポーネント設定の
bootstrap.servers
プロパティーを使用して、Kafka ブローカーに接続するためのホスト名とポートを指定します。同じホスト上の単一の Kafka ブローカーを指すブートストラップサーバー設定の例
bootstrap.servers=localhost:9092
ただし、別のホストに Kafka コンポーネントをインストールして実行することを推奨します。
(オプション) Kafka コンポーネントを個別のホストにインストールします。
-
インストールファイルを各ホストの
/opt/kafka
ディレクトリーに抽出します。 -
/opt/kafka
ディレクトリーの所有権をkafka
ユーザーに変更します。 Kafka ブローカーを実行しているホスト (またはマルチノード環境のホスト) にコンポーネントを接続する
bootstrap.servers
設定を追加します。異なるホスト上の Kafka ブローカーを指すブートストラップサーバー設定の例
bootstrap.servers=kafka0.<host_ip_address>:9092,kafka1.<host_ip_address>:9092,kafka2.<host_ip_address>:9092
この設定は、Kafka Connect、MirrorMaker 2、および Kafka Bridge に使用できます。
-
インストールファイルを各ホストの
3.4. 単一ノードの Kafka クラスターの実行
この手順では、単一の Apache ZooKeeper ノードと単一の Apache Kafka ノード (両方とも同じホストで実行されている) で設定される基本的な AMQ Streams クラスターを実行する方法を説明します。デフォルトの設定ファイルは ZooKeeper および Kafka に使用されます。
単一ノードの AMQ Streams クラスターは、信頼性および高可用性を提供しないため、開発目的にのみ適しています。
前提条件
- AMQ Streams がホストにインストールされている。
クラスターの実行
ZooKeeper 設定ファイル
/opt/kafka/config/zookeeper.properties
を編集します。dataDir
オプションを/var/lib/zookeeper/
に設定します。dataDir=/var/lib/zookeeper/
Kafka 設定ファイル
/opt/kafka/config/server.properties
を編集します。log.dirs
オプションを/var/lib/kafka/
に設定します。log.dirs=/var/lib/kafka/
kafka
ユーザーに切り替えます。su - kafka
ZooKeeper を起動します。
/opt/kafka/bin/zookeeper-server-start.sh -daemon /opt/kafka/config/zookeeper.properties
ZooKeeper が実行されていることを確認します。
jcmd | grep zookeeper
戻り値:
number org.apache.zookeeper.server.quorum.QuorumPeerMain /opt/kafka/config/zookeeper.properties
Kafka を起動します。
/opt/kafka/bin/kafka-server-start.sh -daemon /opt/kafka/config/server.properties
Kafka が稼働していることを確認します。
jcmd | grep kafka
戻り値:
number kafka.Kafka /opt/kafka/config/server.properties
3.5. トピックからのメッセージの送受信
この手順では、Kafka コンソールプロデューサーおよびコンシューマークライアントを起動し、それらを使用して複数のメッセージを送受信する方法を説明します。
新しいトピックは、ステップ 1 で自動的に作成されます。トピックの自動作成 は、auto.create.topics.enable
設定プロパティーを使用して制御されます (デフォルトでは true
に設定されます)。または、クラスターを使用する前にトピックを設定および作成することもできます。詳細は、トピック を参照してください。
手順
Kafka コンソールプロデューサーを起動し、メッセージを新しいトピックに送信するように設定します。
/opt/kafka/bin/kafka-console-producer.sh --broker-list <bootstrap_address> --topic <topic-name>
以下に例を示します。
/opt/kafka/bin/kafka-console-producer.sh --broker-list localhost:9092 --topic my-topic
コンソールに複数のメッセージを入力します。Enter を押して、各メッセージを新しいトピックに送信します。
>message 1 >message 2 >message 3 >message 4
Kafka が新しいトピックを自動的に作成すると、トピックが存在しないという警告が表示される可能性があります。
WARN Error while fetching metadata with correlation id 39 : {4-3-16-topic1=LEADER_NOT_AVAILABLE} (org.apache.kafka.clients.NetworkClient)
この警告は、さらにメッセージを送信すると、再び表示されることはありません。
新しいターミナルウィンドウで、Kafka コンソールコンシューマーを起動し、新しいトピックの最初からメッセージを読み取るように設定します。
/opt/kafka/bin/kafka-console-consumer.sh --bootstrap-server <bootstrap_address> --topic <topic-name> --from-beginning
以下に例を示します。
/opt/kafka/bin/kafka-console-consumer.sh --bootstrap-server localhost:9092 --topic my-topic --from-beginning
受信メッセージがコンシューマーコンソールに表示されます。
- プロデューサーコンソールに切り替え、追加のメッセージを送信します。それらがコンシューマーコンソールに表示されていることを確認します。
- Ctrl+C を押して Kafka コンソールプロデューサーを停止し、コンシューマーを停止します。
3.6. AMQ Streams サービスの停止
スクリプトを実行して、Kafka および ZooKeeper サービスを停止できます。Kafka および ZooKeeper サービスへのすべての接続が終了します。
前提条件
- AMQ Streams がホストにインストールされている。
- ZooKeeper および Kafka が稼働している。
手順
Kafka ブローカーを停止します。
su - kafka /opt/kafka/bin/kafka-server-stop.sh
Kafka ブローカーが停止していることを確認します。
jcmd | grep kafka
ZooKeeper を停止します。
su - kafka /opt/kafka/bin/zookeeper-server-stop.sh
第4章 マルチノード環境の実行
マルチノード環境は、クラスターとして動作する多数のノードで設定されます。レプリケーションされた ZooKeeper ノードのクラスターとブローカーノードのクラスターを作成し、ブローカー全体でトピックをレプリケーションすることができます。
マルチノード環境は、安定性と可用性を提供します。
4.1. マルチノードの ZooKeeper クラスターの実行
ZooKeeper をマルチノードクラスターとして設定し、実行します。
前提条件
- AMQ Streams が、ZooKeeper クラスターノードとして使用されるすべてのホストにインストールされている。
クラスターの実行
/var/lib/zookeeper/
にmyid
ファイルを作成します。最初の ZooKeeper ノードに ID1
を、2 番目の ZooKeeper ノードに2
を、それぞれ入力します。su - kafka echo "<NodeID>" > /var/lib/zookeeper/myid
以下に例を示します。
su - kafka echo "1" > /var/lib/zookeeper/myid
以下に対して、ZooKeeper 設定ファイル
/opt/kafka/config/zookeeper.properties
を編集します。-
dataDir
オプションを/var/lib/zookeeper/
に設定します。 -
initLimit
およびsyncLimit
オプションを設定します。 -
reconfigEnabled
およびstandaloneEnabled
オプションを設定します。 すべての ZooKeeper ノードのリストを追加します。このリストには、現在のノードも含まれている必要があります。
5 つのメンバーを持つ ZooKeeper クラスターのノードの設定例
tickTime=2000 dataDir=/var/lib/zookeeper/ initLimit=5 syncLimit=2 reconfigEnabled=true standaloneEnabled=false listener.security.protocol.map=PLAINTEXT:PLAINTEXT,REPLICATION:PLAINTEXT server.1=172.17.0.1:2888:3888:participant;172.17.0.1:2181 server.2=172.17.0.2:2888:3888:participant;172.17.0.2:2181 server.3=172.17.0.3:2888:3888:participant;172.17.0.3:2181 server.4=172.17.0.4:2888:3888:participant;172.17.0.4:2181 server.5=172.17.0.5:2888:3888:participant;172.17.0.5:2181
-
デフォルトの設定ファイルで ZooKeeper を起動します。
su - kafka /opt/kafka/bin/zookeeper-server-start.sh -daemon /opt/kafka/config/zookeeper.properties
ZooKeeper が稼働していることを確認します。
jcmd | grep zookeeper
戻り値:
number org.apache.zookeeper.server.quorum.QuorumPeerMain /opt/kafka/config/zookeeper.properties
- クラスターのすべてのノードでこの手順を繰り返します。
ncat
ユーティリティーを使用して、stat
コマンドを各ノードに送信し、すべてのノードがクラスターのメンバーであることを確認します。ncat stat を使用してノードのステータスを確認します。
echo stat | ncat localhost 2181
stat
のような 4 文字のコマンドを使用するには、zookeeper.properties
で4lw.commands.whitelist=*
を指定する必要があります。この出力で、ノードが
leader
またはfollower
のいずれかであることがわかります。ncat コマンドの出力例
ZooKeeper version: 3.4.13-2d71af4dbe22557fda74f9a9b4309b15a7487f03, built on 06/29/2018 00:39 GMT Clients: /0:0:0:0:0:0:0:1:59726[0](queued=0,recved=1,sent=0) Latency min/avg/max: 0/0/0 Received: 2 Sent: 1 Connections: 1 Outstanding: 0 Zxid: 0x200000000 Mode: follower Node count: 4
4.2. マルチノードの Kafka クラスターの実行
Kafka をマルチノードクラスターとして設定し、実行します。
前提条件
- Kafka ブローカーとして使用されるすべてのホストに AMQ Streams がインストールされている。
- ZooKeeper クラスターが 設定され、実行されている。
クラスターの実行
AMQ Streams クラスターの各 Kafka ブローカーに対して以下を行います。
以下のように、Kafka 設定ファイル
/opt/kafka/config/server.properties
を編集します。-
最初のブローカーの
broker.id
フィールドを0
に、2 番目のブローカーを1
に、それぞれ設定します。 -
zookeeper.connect
オプションで ZooKeeper への接続の詳細を設定します。 - Kafka リスナーを設定します。
logs.dir
のディレクトリーに、コミットログが保存されるディレクトリーを設定します。以下は、Kafka ブローカーの設定例です。
broker.id=0 zookeeper.connect=zoo1.my-domain.com:2181,zoo2.my-domain.com:2181,zoo3.my-domain.com:2181 listeners=REPLICATION://:9091,PLAINTEXT://:9092 listener.security.protocol.map=PLAINTEXT:PLAINTEXT,REPLICATION:PLAINTEXT inter.broker.listener.name=REPLICATION log.dirs=/var/lib/kafka
各 Kafka ブローカーが同じハードウェアで実行されている通常のインストールでは、
broker.id
設定プロパティーのみがブローカー設定ごとに異なります。
-
最初のブローカーの
デフォルトの設定ファイルで Kafka ブローカーを起動します。
su - kafka /opt/kafka/bin/kafka-server-start.sh -daemon /opt/kafka/config/server.properties
Kafka ブローカーが稼働していることを確認します。
jcmd | grep Kafka
戻り値:
number kafka.Kafka /opt/kafka/config/server.properties
ncat
ユーティリティーを使用してdump
コマンドを ZooKeeper ノードのいずれかに送信し、すべてのノードが Kafka クラスターのメンバーであることを確認します。ncat dump を使用して、ZooKeeper に登録されているすべての Kafka ブローカーを確認します。
echo dump | ncat zoo1.my-domain.com 2181
dump
のような 4 文字のコマンドを使用するには、zookeeper.properties
で4lw.commands.whitelist=*
を指定する必要があります。出力には、設定および起動したすべての Kafka ブローカーが含まれている必要があります。
3 つのノードで設定される Kafka クラスターの ncat コマンドの出力例
SessionTracker dump: org.apache.zookeeper.server.quorum.LearnerSessionTracker@28848ab9 ephemeral nodes dump: Sessions with Ephemerals (3): 0x20000015dd00000: /brokers/ids/1 0x10000015dc70000: /controller /brokers/ids/0 0x10000015dc70001: /brokers/ids/2
4.3. Kafka ブローカーの正常なローリング再起動の実行
この手順では、マルチノードクラスターでブローカーの正常なローリング再起動を実行する方法を説明します。通常、Kafka クラスター設定プロパティーのアップグレードまたは変更後にローリング再起動が必要です。
一部のブローカー設定では、ブローカーの再起動は必要ありません。詳細は、Apache Kafka ドキュメントの Updating Broker Configs を参照してください。
ブローカーの再起動後に、レプリケーションが不十分なトピックパーティションがないかをチェックして、レプリカパーティションの数が十分にあることを確認します。
トピックをレプリケーションし、少なくとも 1 つのレプリカが同期していることを確認する場合は、可用性を失うことなく、正常な再起動のみを実行できます。マルチノードクラスターの場合に、標準的な方法として、トピックレプリケーション係数を 3 以上に、In-Sync レプリカの最小数をレプリケーション係数よりも 1 少なく設定します。データの持続性のためにプロデューサー設定で acks=all
を使用している場合は、再起動したブローカーが、次のブローカーを再起動する前にレプリケーションするすべてのパーティションと同期していることを確認します。
すべてのパーティションが同じブローカーにあるため、単一ノードのクラスターは再起動時に利用できなくなります。
前提条件
- Kafka ブローカーとして使用されるすべてのホストに AMQ Streams がインストールされている。
- ZooKeeper クラスターが 設定され、実行されている。
Kafka クラスターが想定どおりに動作している。
レプリケーションが不十分なパーティションや、ブローカーの動作に影響を与えるその他の問題がないかどうかを確認します。この手順では、レプリケーションが不十分なパーティションをチェックする方法について説明します。
手順
各 Kafka ブローカーで以下の手順を実行します。次のステップに進む前に、最初のブローカーの手順を完了してください。アクティブなコントローラーの最後のブローカーで手順を実行します。それ以外の場合、アクティブなコントローラーは、再起動を複数回行う時に変更する必要があります。
Kafka ブローカーを停止します。
/opt/kafka/bin/kafka-server-stop.sh
完了後に再起動を必要とするブローカー設定に変更を加えます。
詳細は、以下を参照してください。
Kafka ブローカーを再起動します。
/opt/kafka/bin/kafka-server-start.sh -daemon /opt/kafka/config/server.properties
Kafka が稼働していることを確認します。
jcmd | grep kafka
戻り値:
number kafka.Kafka /opt/kafka/config/server.properties
ncat
ユーティリティーを使用してdump
コマンドを ZooKeeper ノードのいずれかに送信し、すべてのノードが Kafka クラスターのメンバーであることを確認します。ncat dump を使用して、ZooKeeper に登録されているすべての Kafka ブローカーを確認します。
echo dump | ncat zoo1.my-domain.com 2181
dump
のような 4 文字のコマンドを使用するには、zookeeper.properties
で4lw.commands.whitelist=*
を指定する必要があります。出力には、起動した Kafka ブローカーが含まれている必要があります。
3 つのノードで設定される Kafka クラスターの ncat コマンドの出力例
SessionTracker dump: org.apache.zookeeper.server.quorum.LearnerSessionTracker@28848ab9 ephemeral nodes dump: Sessions with Ephemerals (3): 0x20000015dd00000: /brokers/ids/1 0x10000015dc70000: /controller /brokers/ids/0 0x10000015dc70001: /brokers/ids/2
ブローカで、レプリケーションが不十分なパーティションがゼロになるまで待ちます。コマンドラインから確認するか、メトリクスを使用できます。
--under-replicated-partitions
パラメーターを指定してkafka-topics.sh
コマンドを使用します。/opt/kafka/bin/kafka-topics.sh --bootstrap-server <bootstrap_address> --describe --under-replicated-partitions
以下に例を示します。
/opt/kafka/bin/kafka-topics.sh --bootstrap-server localhost:9092 --describe --under-replicated-partitions
このコマンドは、クラスターでレプリケーションが不十分なパーティションのトピックのリストを表示します。
レプリケーションが不十分なパーティションのトピック
Topic: topic3 Partition: 4 Leader: 2 Replicas: 2,3 Isr: 2 Topic: topic3 Partition: 5 Leader: 3 Replicas: 1,2 Isr: 1 Topic: topic1 Partition: 1 Leader: 3 Replicas: 1,3 Isr: 3 # …
In-Sync レプリカ (ISR) の数がレプリカの数より少ない場合、レプリケーションが不十分なパーティションが一覧表示されます。リストが返されない場合は、レプリケーションが不十分なパーティションはありません。
UnderReplicatedPartitions
メトリックを使用します。kafka.server:type=ReplicaManager,name=UnderReplicatedPartitions
このメトリックからは、レプリカが不十分なパーティションの数がわかります。数がゼロになるまで待機します。
ヒントトピックにレプリケーションが不十分なパーティションがあると、Kafka Exporter を使用してアラートを作成します。
再起動時のログの確認
ブローカーが起動できない場合は、アプリケーションログで情報を確認します。/opt/kafka/logs/server.log
アプリケーションログでブローカーのシャットダウンと再起動のステータスを確認することもできます。
ブローカーのシャットダウンに成功したログ
# ... [2022-06-08 14:32:29,885] INFO Terminating process due to signal SIGTERM (org.apache.kafka.common.utils.LoggingSignalHandler) [2022-06-08 14:32:29,886] INFO [KafkaServer id=0] shutting down (kafka.server.KafkaServer) [2022-06-08 14:32:29,887] INFO [KafkaServer id=0] Starting controlled shutdown (kafka.server.KafkaServer) [2022-06-08 14:32:29,896] INFO [KafkaServer id=0] Controlled shutdown request returned successfully after 6ms (kafka.server.KafkaServer) # ...
ブローカーの再起動に成功したログ
# ... [2022-06-08 14:39:35,245] INFO [KafkaServer id=0] started (kafka.server.KafkaServer) # ...
第5章 KRaft モードでの Kafka の実行 (開発プレビュー)
AMQ Streams を KRaft (Kafka Raft メタデータ) モードで実行すると、Kafka クラスターは、ZooKeeper ではなく、コントローラーの内部クォーラムによって管理されます。
Apache Kafka は、ZooKeeper を必要性をなくすため、段階的にこの機能を廃止しています。現在は、KRaft モードを試すことができるようになりました。ZooKeeper を使用せずに KRaft モードで Kafka クラスターをデプロイできます。
KRaft モードは実験的なものであり、開発とテストのみ を目的としているため、運用環境では有効にしないでください。
現在、AMQ Streams の KRaft モードには、次の主要な制限があります。
- ZooKeeper を使用する Kafka クラスターから KRaft クラスターへの移動、またはその逆の移動はサポートされていません。
- Apache Kafka バージョンのアップグレードとダウングレードはサポートされていません。
- SCRAM-SHA-512 認証はサポートされていません。
- 複数のディスクを使用する JBOD ストレージはサポートされていません。
- 多くの設定オプションはまだ開発中です。
5.1. KRaft モードの Kafka で AMQ Streams を使用する
Kafka を KRaft モードで使用する場合、クラスターの調整やメタデータの保存に ZooKeeper を使用する必要はありません。Kafka は、コントローラーとして機能するブローカーを使用して、クラスター自体を調整します。Kafka は、ブローカーとパーティションのステータスを追跡するために使用されるメタデータも保存します。
クラスターを識別するには、ID を作成します。ID は、クラスターに追加するブローカーのログを作成するときに使用されます。
各ブローカーノードの設定で、以下を指定します。
- ノード ID
- ブローカーのロール
-
コントローラーとして機能するブローカー (または
voters
) のリスト
ブローカーは、ブローカー、コントローラー、またはその両方のロールを実行します。
- ブローカーのロール
- ノードまたはサーバーと呼ばれることもあるブローカーは、メッセージの保存と受け渡しを調整します。
- コントローラーのロール
- コントローラーはクラスターを調整し、追跡メタデータを管理します。
ブローカーノードとコントローラーノードを組み合わせて使用できますが、これらの機能を分離したい場合があります。組み合わせたロールを実行するブローカーは、より単純なデプロイメントでより効率的になります。
各コントローラーのノード ID と接続の詳細 (ホスト名とポート) を使用して、voters
として設定されたコントローラーのリストを指定します。
5.2. KRaft モードでの Kafka クラスターの実行
KRaft モードで Kafka を設定し、実行します。単一ノードまたは複数ノードの Kafka クラスターを使用している場合は、Kraft モードで Kafka を実行できます。安定性と可用性のために、最低 3 つのブローカーノードとコントローラーノードを実行します。
ブローカーがコントローラーにもなれるように、ブローカーのロールを設定します。設定プロパティーファイルを使用して、ロールの設定を含むブローカー設定を適用します。ブローカーの設定は、ロールによって異なります。KRaft は、3 つのブローカー設定プロパティーファイルの例を提供します。
-
/opt/kafka/config/kraft/broker.properties
には、ブローカーロールの設定例があります。 -
/opt/kafka/config/kraft/controller.properties
には、コントローラーロールの設定例があります。 -
/opt/kafka/config/kraft/server.properties
には、統合されたロールの設定例があります。
ブローカー設定は、これらのプロパティーファイルの例に基づくことができます。この手順では、server.properties
の設定例を使用します。
前提条件
- Kafka ブローカーとして使用されるすべてのホストに AMQ Streams がインストールされている。
手順
kafka-storage
ツールを使用して Kafka クラスターの ID を生成します。/opt/kafka/bin/kafka-storage.sh random-uuid
このコマンドは ID を返します。KRaft モードでクラスター ID が必要です。
クラスターの各ブローカーに設定プロパティーファイルを作成します。
ファイルは、Kafka で提供される例に基づくことができます。
ロールを
broker, `controller
またはbroker, controller
として指定します。たとえば、
process.roles=broker, controller
です。クラスター内の各ノードに
0
から始まる一意のnode.id
を指定します。たとえば、
node.id=1
です。<node_id>@<hostname:port>
の形式でcontroller.quorum.voters
のリストを指定します。たとえば、
controller.quorum.voters=1@localhost:9093
です。
Kafka クラスターの各ノードにログディレクトリーを設定します。
/opt/kafka/bin/kafka-storage.sh format -t <uuid> -c /opt/kafka/config/kraft/server.properties
戻り値:
Formatting /tmp/kraft-combined-logs
<uuid> を生成したクラスター ID に置き換えます。クラスター内の各ノードで、同じ ID を使用します。
ブローカー用に作成したプロパティーファイルを使用してブローカー設定を適用します。
server.properties
設定ファイルに指定されたデフォルトのログディレクトリーの場所は/tmp/kraft-combined-logs
です。複数のログディレクトリーを設定するには、コンマ区切りリストを追加できます。各 Kafka ブローカーを起動します。
/opt/kafka/bin/kafka-server-start.sh /opt/kafka/config/kraft/server.properties
Kafka が稼働していることを確認します。
jcmd | grep kafka
戻り値:
number kafka.Kafka /opt/kafka/config/kraft/server.properties
トピックを作成し、ブローカーからメッセージを送受信できるようになりました。
メッセージを渡すブローカーの場合、クラスター内のブローカー全体でトピックのレプリケーションを使用して、データの耐久性を確保できます。少なくとも 3 のレプリケーション係数と、In-Sync レプリカの最小数がレプリケーション係数より 1 少ない数に設定されるようにトピックを設定します。詳細は、「トピックの作成」 を参照してください。
第6章 RHEL デプロイメントでの AMQ Streams の設定
Kafka および ZooKeeper プロパティーファイルを使用して AMQ Streams を設定します。
- ZooKeeper
-
/kafka/config/zookeeper.properties
- Kafka
-
/kafka/config/server.properties
プロパティーファイルは Java 形式であり、各プロパティーは以下の形式で個別の行にあります。
<option> = <value>
#
または !
で始まる行はコメントとして処理され、AMQ Streams コンポーネントによって無視されます。
# This is a comment
改行/キャリッジリターンの直前で \
を使用して、値を複数の行に分割することができます。
sasl.jaas.config=org.apache.kafka.common.security.plain.PlainLoginModule required \ username="bob" \ password="bobs-password";
変更をプロパティーファイルに保存したら、Kafka ブローカーまたは ZooKeeper を再起動する必要があります。マルチノード環境では、クラスター内の各ノードでプロセスを繰り返す必要があります。
6.1. 標準の Kafka 設定プロパティーの使用
標準の Kafka 設定プロパティーを使用して Kafka コンポーネントを設定します。
プロパティーは、以下の Kafka コンポーネントの設定を制御および調整するオプションを提供します。
- ブローカー
- Topics
- クライアント (プロデューサーとコンシューマー)
- 管理クライアント
- Kafka Connect
- Kafka Streams
ブローカーおよびクライアントパラメーターには、認可、認証、および暗号化を設定するオプションが含まれます。
AMQ Streams on OpenShift では、一部の設定プロパティーは AMQ Streams によって完全に管理されており、変更できません。
Kafka 設定プロパティーの詳細と、プロパティーを使用してデプロイメントを調整する方法は、以下のガイドを参照してください。
6.2. 環境変数から設定値の読み込み
環境変数の設定プロバイダープラグインを使用して、環境変数から設定データを読み込みます。環境変数設定プロバイダーを使用して、環境変数から証明書や JAAS 設定を読み込むことができます。
プロバイダーを使用して、プロデューサーやコンシューマーを含む、すべての Kafka コンポーネントの設定データを読み込むことができます。たとえば、プロバイダーを使用して、Kafka Connect コネクター設定のクレデンシャルを提供します。
前提条件
- AMQ Streams がホストにダウンロードされ、インストールされている。
環境変数設定プロバイダーの JAR ファイルがある。
JAR ファイルは AMQ Streams アーカイブ から入手できます。
手順
-
環境変数設定プロバイダー JAR ファイルを Kafka
libs
ディレクトリーに追加します。 Kafka コンポーネントの設定プロパティーファイルで環境変数設定プロバイダーを初期化します。たとえば、Kafka のプロバイダーを初期化するには、設定を
server.properties
ファイルに追加します。環境変数の設定プロバイダーを有効にする設定
config.providers=env config.providers.env.class=io.strimzi.kafka.EnvVarConfigProvider
プロパティーファイルに設定を追加して、環境変数からデータをロードします。
環境変数からデータをロードするための設定
option=${env:<MY_ENV_VAR_NAME>}
MY_ENV_VAR_NAME
などの大文字または大文字の環境変数の命名規則を使用します。- 変更を保存します。
Kafka コンポーネントを再起動します。
マルチノードクラスターでブローカーを再起動する方法は、「Kafka ブローカーの正常なローリング再起動の実行」 を参照してください。
6.3. ZooKeeper の設定
Kafka は ZooKeeper を使用して設定データを保存し、クラスターの調整を行います。レプリケーションされた ZooKeeper インスタンスのクラスターを実行することが強く推奨されます。
6.3.1. 基本設定
最も重要な ZooKeeper 設定オプションは次のとおりです。
tickTime
- ZooKeeper の基本時間単位 (ミリ秒)。ハートビートとセッションのタイムアウトに使用されます。たとえば、最小セッションタイムアウトは 2 ティックになります。
dataDir
-
ZooKeeper がトランザクションログとインメモリーデータベースのスナップショットを保存するディレクトリー。これは、インストール時に作成された
/var/lib/zookeeper/
ディレクトリーに設定する必要があります。 clientPort
-
クライアントが接続できるポート番号。デフォルトは
2181
です。
config/zookeeper.properties
という名前の ZooKeeper 設定ファイルのサンプルは、AMQ Streams のインストールディレクトリーに置かれます。ZooKeeper でレイテンシーを最小限に抑えるために、別のディスクデバイスに dataDir
ディレクトリーを配置することが推奨されます。
ZooKeeper 設定ファイルは /opt/kafka/config/zookeeper.properties
に置く必要があります。設定ファイルの基本的な例は以下で確認できます。設定ファイルは kafka
ユーザーが読み取りできる必要があります。
tickTime=2000 dataDir=/var/lib/zookeeper/ clientPort=2181
6.3.2. ZooKeeper クラスター設定
多くの実稼働環境では、レプリケーションされた ZooKeeper インスタンスのクラスターをデプロイすることが推奨されます。安定した高可用性 ZooKeeper クラスターの実行は、信頼できる ZooKeeper サービスにとって重要です。ZooKeeper クラスターは ensembles とも呼ばれます。
ZooKeeper クラスターは通常、奇数のノードで設定されます。ZooKeeper では、クラスター内のほとんどのノードが稼働している必要があります。以下に例を示します。
- 3 つのノードで設定されるクラスターでは、少なくとも 2 つのノードが稼働している必要があります。これは、1 つのノードが停止していることを許容できることを意味します。
- 5 つのノードで設定されるクラスターでは、最低でも 3 つのノードが利用可能である必要があります。これは、2 つのノードが停止していることを許容できることを意味します。
- 7 つのノードで設定されるクラスターでは、最低でも 4 つのノードが利用可能である必要があります。これは、3 つのノードが停止していることを許容できることを意味します。
ZooKeeper クラスターにより多くのノードがあると、クラスター全体の回復力と信頼性が向上します。
ZooKeeper は、偶数のノードを持つクラスターで実行できます。ただし、ノードを追加してもクラスターの回復力は向上しません。4 つのノードで設定されるクラスターでは、少なくとも 3 つのノードが利用可能で、1 つのノードがダウンしているノードのみを許容する必要があります。そのため、3 つのノードのみを持つクラスターとまったく同じ回復力があります。
理想的には、異なる ZooKeeper ノードを異なるデータセンターまたはネットワークセグメントに置く必要があります。ZooKeeper ノードの数を増やすと、クラスターの同期に費やされたワークロードが増えます。ほとんどの Kafka のユースケースでは、3、5、または 7 つのノードで設定される ZooKeeper クラスターで十分です。
3 つのノードで設定される ZooKeeper クラスターは、利用できないノードを 1 つだけ許容できます。つまり、クラスターノードがクラッシュし、別のノードでメンテナンスを実施している場合、ZooKeeper クラスターが利用できなくなります。
レプリケーションされた ZooKeeper 設定は、スタンドアロン設定でサポートされるすべての設定オプションをサポートします。クラスタリング設定にさらにオプションが追加されます。
initLimit
-
フォロワーがクラスターリーダーに接続して同期できるようにする時間。時間はティック数として指定されます (詳細は
tickTime
オプション を参照してください)。 syncLimit
-
フォロワーがリーダーの背後にあることのできる時間。時間はティック数として指定されます (詳細は
tickTime
オプション を参照してください)。 reconfigEnabled
- 動的再設定を有効または無効にします。サーバーを ZooKeeper クラスターに追加または削除するには、有効にする必要があります。
standaloneEnabled
- ZooKeeper が 1 つのサーバーでのみ実行されるスタンドアロンモードを有効または無効にします。
上記のオプションの他に、すべての設定ファイルに ZooKeeper クラスターのメンバーである必要があるサーバーのリストが含まれている必要があります。サーバーレコードは server.id=hostname:port1:port2
の形式で指定する必要があります。以下に詳細を説明します。
id
- ZooKeeper クラスターノードの ID。
hostname
- ノードが接続をリッスンするホスト名または IP アドレス。
port1
- クラスター内通信に使用されるポート番号。
port2
- リーダーエレクションに使用されるポート番号。
以下は、3 つのノードで設定される ZooKeeper クラスターの設定ファイルの例になります。
tickTime=2000 dataDir=/var/lib/zookeeper/ initLimit=5 syncLimit=2 reconfigEnabled=true standaloneEnabled=false server.1=172.17.0.1:2888:3888:participant;172.17.0.1:2181 server.2=172.17.0.2:2888:3888:participant;172.17.0.2:2181 server.3=172.17.0.3:2888:3888:participant;172.17.0.3:2181
4 文字のコマンドを使用するには、zookeeper.properties
で 4lw.commands.whitelist=*
を指定します。
myid
ファイル
ZooKeeper クラスターの各ノードには、一意の ID
を割り当てる必要があります。各ノードの ID
は myid
ファイルで設定し、/var/lib/zookeeper/
のように dataDir
フォルダーに保存する必要があります。myid
ファイルには、テキストとして ID
が記述された単一行のみが含まれている必要があります。ID
には、1 から 255 までの任意の整数を指定することができます。このファイルは、各クラスターノードに手動で作成する必要があります。このファイルを使用すると、各 ZooKeeper インスタンスは設定ファイルの対応する server.
行の設定を使用して、そのリスナーを設定します。また、他の server.
行すべてを使用して、他のクラスターメンバーを特定します。
上記の例では、3 つのノードがあるので、各ノードは値がそれぞれ 1
、2
、および 3
の異なる myid
を持ちます。
6.3.3. 認証
デフォルトでは、ZooKeeper はどのような認証も使用せず、匿名の接続を許可します。ただし、Simple Authentication and Security Layer (SASL) を使用した認証の設定に使用できる Java Authentication and Authorization Service (JAAS) をサポートします。ZooKeeper は、ローカルに保存されたクレデンシャルと DIGEST-MD5 SASL メカニズムを使用した認証をサポートします。
6.3.3.1. SASL を使用した認証
JAAS は個別の設定ファイルを使用して設定されます。JAAS 設定ファイルを ZooKeeper 設定と同じディレクトリー (/opt/kafka/config/
) に置くことが推奨されます。推奨されるファイル名は zookeeper-jaas.conf
です。複数のノードで ZooKeeper クラスターを使用する場合は、JAAS 設定ファイルをすべてのクラスターノードで作成する必要があります。
JAAS はコンテキストを使用して設定されます。サーバーとクライアントなどの個別の部分は、常に別の コンテキスト で設定されます。コンテキストは 設定 オプションで、以下の形式となっています。
ContextName { param1 param2; };
SASL 認証は、サーバー間通信 (ZooKeeper インスタンス間の通信) とクライアント間通信 (Kafka と ZooKeeper 間の通信) に対して別々に設定されます。サーバー間の認証は、複数のノードを持つ ZooKeeper クラスターにのみ関連します。
サーバー間の認証
サーバー間の認証では、JAAS 設定ファイルには 2 つの部分が含まれます。
- サーバー設定
- クライアント設定
DIGEST-MD5 SASL メカニズムを使用する場合、認証サーバーの設定に QuorumServer
コンテキストが使用されます。暗号化されていない形式で、接続できるすべてのユーザー名とパスワードが含まれている必要があります。2 つ目のコンテキスト QuorumLearner
は、ZooKeeper に組み込まれるクライアント用に設定する必要があります。また、暗号化されていない形式のパスワードも含まれます。DIGEST-MD5 メカニズムの JAAS 設定ファイルの例は、以下を参照してください。
QuorumServer { org.apache.zookeeper.server.auth.DigestLoginModule required user_zookeeper="123456"; }; QuorumLearner { org.apache.zookeeper.server.auth.DigestLoginModule required username="zookeeper" password="123456"; };
JAAS 設定ファイルの他に、以下のオプションを指定して、通常の ZooKeeper 設定ファイルでサーバー間の認証を有効にする必要があります。
quorum.auth.enableSasl=true quorum.auth.learnerRequireSasl=true quorum.auth.serverRequireSasl=true quorum.auth.learner.loginContext=QuorumLearner quorum.auth.server.loginContext=QuorumServer quorum.cnxn.threads.size=20
KAFKA_OPTS
環境変数を使用して、JAAS 設定ファイルを Java プロパティーとして ZooKeeper サーバーに渡します。
su - kafka export KAFKA_OPTS="-Djava.security.auth.login.config=/opt/kafka/config/zookeeper-jaas.conf"; /opt/kafka/bin/zookeeper-server-start.sh -daemon /opt/kafka/config/zookeeper.properties
サーバー間の認証の詳細は、ZooKeeper Wiki を参照してください。
クライアント/サーバー間の認証
クライアント/サーバー間の認証は、サーバー間の認証と同じ JAAS ファイルで設定されます。ただし、サーバー間の認証とは異なり、サーバー設定のみが含まれます。設定のクライアント部分は、クライアントで実行する必要があります。認証を使用して ZooKeeper に接続するように Kafka ブローカーを設定する方法は、Kafka インストール セクションを参照してください。
JAAS 設定ファイルにサーバーコンテキストを追加して、クライアント/サーバー間の認証を設定します。DIGEST-MD5 メカニズムの場合は、すべてのユーザー名とパスワードを設定します。
Server { org.apache.zookeeper.server.auth.DigestLoginModule required user_super="123456" user_kafka="123456" user_someoneelse="123456"; };
JAAS コンテキストの設定後、以下の行を追加して ZooKeeper 設定ファイルでクライアント/サーバー間の認証を有効にします。
requireClientAuthScheme=sasl authProvider.1=org.apache.zookeeper.server.auth.SASLAuthenticationProvider authProvider.2=org.apache.zookeeper.server.auth.SASLAuthenticationProvider authProvider.3=org.apache.zookeeper.server.auth.SASLAuthenticationProvider
ZooKeeper クラスターの一部であるすべてのサーバーに authProvider.<ID>
プロパティーを追加する必要があります。
KAFKA_OPTS
環境変数を使用して、JAAS 設定ファイルを Java プロパティーとして ZooKeeper サーバーに渡します。
su - kafka export KAFKA_OPTS="-Djava.security.auth.login.config=/opt/kafka/config/zookeeper-jaas.conf"; /opt/kafka/bin/zookeeper-server-start.sh -daemon /opt/kafka/config/zookeeper.properties
Kafka ブローカーでの ZooKeeper 認証の設定に関する詳細は、「ZooKeeper の認証」 を参照してください。
6.3.3.2. DIGEST-MD5 を使用したサーバー間の認証の有効化
この手順では、ZooKeeper クラスターのノード間で SASL DIGEST-MD5 メカニズムを使用した認証を有効にする方法を説明します。
前提条件
- AMQ Streams がホストにインストールされている。
- ZooKeeper クラスターが複数のノードで 設定 されている。
SASL DIGEST-MD5 認証の有効化
すべての ZooKeeper ノードで、
/opt/kafka/config/zookeeper-jaas.conf
JAAS 設定ファイルを作成または編集し、以下のコンテキストを追加します。QuorumServer { org.apache.zookeeper.server.auth.DigestLoginModule required user_<Username>="<Password>"; }; QuorumLearner { org.apache.zookeeper.server.auth.DigestLoginModule required username="<Username>" password="<Password>"; };
ユーザー名とパスワードは両方の JAAS コンテキストで同一である必要があります。以下に例を示します。
QuorumServer { org.apache.zookeeper.server.auth.DigestLoginModule required user_zookeeper="123456"; }; QuorumLearner { org.apache.zookeeper.server.auth.DigestLoginModule required username="zookeeper" password="123456"; };
すべての ZooKeeper ノードで、
/opt/kafka/config/zookeeper.properties
ZooKeeper 設定ファイルを編集し、以下のオプションを設定します。quorum.auth.enableSasl=true quorum.auth.learnerRequireSasl=true quorum.auth.serverRequireSasl=true quorum.auth.learner.loginContext=QuorumLearner quorum.auth.server.loginContext=QuorumServer quorum.cnxn.threads.size=20
すべての ZooKeeper ノードを 1 つずつ再起動します。JAAS 設定を ZooKeeper に渡すには、
KAFKA_OPTS
環境変数を使用します。su - kafka export KAFKA_OPTS="-Djava.security.auth.login.config=/opt/kafka/config/zookeeper-jaas.conf"; /opt/kafka/bin/zookeeper-server-start.sh -daemon /opt/kafka/config/zookeeper.properties
6.3.3.3. DIGEST-MD5 を使用したクライアント/サーバー間の認証の有効化
この手順では、ZooKeeper クライアントと ZooKeeper との間で SASL DIGEST-MD5 メカニズムを使用した認証を有効にする方法を説明します。
前提条件
- AMQ Streams がホストにインストールされている。
- ZooKeeper クラスターが 設定され、実行されている。
SASL DIGEST-MD5 認証の有効化
すべての ZooKeeper ノードで、
/opt/kafka/config/zookeeper-jaas.conf
JAAS 設定ファイルを作成または編集し、以下のコンテキストを追加します。Server { org.apache.zookeeper.server.auth.DigestLoginModule required user_super="<SuperUserPassword>" user<Username1>_="<Password1>" user<USername2>_="<Password2>"; };
super
は自動的に管理者特権を持たせます。このファイルには複数のユーザーを含めることができますが、Kafka ブローカーが必要とする追加ユーザーは 1 つだけです。Kafka ユーザーに推奨される名前はkafka
です。以下の例は、クライアント/サーバー間の認証の
Server
コンテキストを示しています。Server { org.apache.zookeeper.server.auth.DigestLoginModule required user_super="123456" user_kafka="123456"; };
すべての ZooKeeper ノードで、
/opt/kafka/config/zookeeper.properties
ZooKeeper 設定ファイルを編集し、以下のオプションを設定します。requireClientAuthScheme=sasl authProvider.<IdOfBroker1>=org.apache.zookeeper.server.auth.SASLAuthenticationProvider authProvider.<IdOfBroker2>=org.apache.zookeeper.server.auth.SASLAuthenticationProvider authProvider.<IdOfBroker3>=org.apache.zookeeper.server.auth.SASLAuthenticationProvider
authProvider.<ID>
プロパティーは、ZooKeeper クラスターの一部であるすべてのノードに追加する必要があります。3 ノードの ZooKeeper クラスターの設定例は以下のようになります。requireClientAuthScheme=sasl authProvider.1=org.apache.zookeeper.server.auth.SASLAuthenticationProvider authProvider.2=org.apache.zookeeper.server.auth.SASLAuthenticationProvider authProvider.3=org.apache.zookeeper.server.auth.SASLAuthenticationProvider
すべての ZooKeeper ノードを 1 つずつ再起動します。JAAS 設定を ZooKeeper に渡すには、
KAFKA_OPTS
環境変数を使用します。su - kafka export KAFKA_OPTS="-Djava.security.auth.login.config=/opt/kafka/config/zookeeper-jaas.conf"; /opt/kafka/bin/zookeeper-server-start.sh -daemon /opt/kafka/config/zookeeper.properties
6.3.4. 認可
ZooKeeper はアクセス制御リスト (ACL) をサポートし、内部に保存されているデータを保護します。Kafka ブローカーは、他の ZooKeeper ユーザーが変更できないように、作成するすべての ZooKeeper レコードに ACL 権限を自動的に設定できます。
Kafka ブローカーで ZooKeeper ACL を有効にする方法は、「ZooKeeper の認可」 を参照してください。
6.3.5. TLS
ZooKeeper は、暗号化または認証用に TLS をサポートします。
6.3.6. その他の設定オプション
ユースケースに基づいて、以下の追加の ZooKeeper 設定オプションを設定できます。
maxClientCnxns
- ZooKeeper クラスターの単一のメンバーへの同時クライアント接続の最大数。
autopurge.snapRetainCount
-
保持される ZooKeeper のインメモリーデータベースのスナップショットの数。デフォルト値は
3
です。 autopurge.purgeInterval
-
スナップショットをパージするための時間間隔 (時間単位)。デフォルト値は
0
で、このオプションは無効になります。
利用可能なすべての設定オプションは、ZooKeeper のドキュメント を参照してください。
6.4. Kafka の設定
Kafka はプロパティーファイルを使用して静的設定を保存します。推奨される設定ファイルの場所は /opt/kafka/config/server.properties
です。設定ファイルは kafka
ユーザーが読み取りできる必要があります。
AMQ Streams には、製品のさまざまな基本的な機能と高度な機能を強調する設定ファイルのサンプルが含まれています。AMQ Streams インストールディレクトリーの config/server.properties
を参照してください。
本章では、最も重要な設定オプションについて説明します。
6.4.1. ZooKeeper
Kafka ブローカーは、設定の一部を保存し、クラスターを調整するために (たとえば、どのノードがどのパーティションのリーダーであるかを決定するために) ZooKeeper を必要とします。ZooKeeper クラスターの接続の詳細は、設定ファイルに保存されます。zookeeper.connect
フィールドには、zookeeper クラスターのメンバーのホスト名およびポートのコンマ区切りリストが含まれます。
以下に例を示します。
zookeeper.connect=zoo1.my-domain.com:2181,zoo2.my-domain.com:2181,zoo3.my-domain.com:2181
Kafka はこれらのアドレスを使用して ZooKeeper クラスターに接続します。この設定により、すべての Kafka znodes
が ZooKeeper データベースのルートに直接作成されます。そのため、このような ZooKeeper クラスターは単一の Kafka クラスターにのみ使用できます。単一の ZooKeeper クラスターを使用するように複数の Kafka クラスターを設定するには、Kafka 設定ファイルの ZooKeeper 接続文字列の最後にベース (接頭辞) パスを指定します。
zookeeper.connect=zoo1.my-domain.com:2181,zoo2.my-domain.com:2181,zoo3.my-domain.com:2181/my-cluster-1
6.4.2. リスナー
リスナーは、Kafka ブローカーへの接続に使用されます。各 Kafka ブローカーは、複数のリスナーを使用するように設定できます。リスナーごとに異なる設定が必要なため、別のポートまたはネットワークインターフェイスでリッスンできます。
リスナーを設定するには、設定ファイル (/opt/kafka/config/server.properties
) の listeners
プロパティーを編集します。listeners
プロパティーにコンマ区切りのリストとしてリスナーを追加します。各プロパティーを以下のように設定します。
<listenerName>://<hostname>:<port>
<hostname>
が空の場合、Kafka は java.net.InetAddress.getCanonicalHostName()
クラスをホスト名として使用します。
複数のリスナーの設定例
listeners=internal-1://:9092,internal-2://:9093,replication://:9094
Kafka クライアントが Kafka クラスターに接続する場合は、最初にクラスターノードの 1 つである ブートストラップサーバー に接続します。ブートストラップサーバーはクライアントにクラスター内のすべてのブローカーのリストを提供し、クライアントは各ブローカーに個別に接続します。ブローカーのリストは、設定された listeners
に基づいています。
アドバタイズされたリスナー
任意で、advertised.listeners
プロパティーを使用して、listeners
プロパティーに指定されたものとは異なるリスナーアドレスのセットをクライアントに提供できます。これは、プロキシーなどの追加のネットワークインフラストラクチャーがクライアントとブローカー間にある場合や、IP アドレスの代わりに外部 DNS 名が使用されている場合に便利です。
advertised.listeners
プロパティーは listeners
プロパティーと同じ方法でフォーマットされます。
アドバタイズされたリスナーの設定例
listeners=internal-1://:9092,internal-2://:9093 advertised.listeners=internal-1://my-broker-1.my-domain.com:1234,internal-2://my-broker-1.my-domain.com:1235
アドバタイズされたリスナーの名前は、listeners
プロパティーに記載されているものと一致する必要があります。
inter-broker リスナー
inter-broker リスナー は、Kafka Inter-broker の通信に使用されます。inter-broker 通信は以下に必要です。
- 異なるブローカー間のワークロードの調整
- 異なるブローカーに保存されているパーティション間でのメッセージのレプリケーション
- パーティションリーダーシップの変更など、コントローラーからの管理タスクの処理
inter-broker リスナーは、任意のポートに割り当てることができます。複数のリスナーが設定されている場合、inter.broker.listener.name
プロパティーで inter-broker リスナーの名前を定義できます。
ここでは、inter-broker リスナーの名前は REPLICATION
です。
listeners=REPLICATION://0.0.0.0:9091 inter.broker.listener.name=REPLICATION
コントロールプレーンリスナー
デフォルトでは、コントローラーと他のブローカー間の通信は inter-broker リスナー を使用します。コントローラーは、パーティションリーダーシップの変更など、管理タスクを調整します。
コントローラー接続用に専用の コントロールプレーンリスナー を有効にすることができます。コントロールプレーンリスナーは、任意のポートに割り当てることができます。
コントロールプレーンリスナーを有効にするには、リスナー名で control.plane.listener.name
プロパティーを設定します。
listeners=CONTROLLER://0.0.0.0:9090,REPLICATION://0.0.0.0:9091 ... control.plane.listener.name=CONTROLLER
コントロールプレーンリスナーを有効にすると、コントローラーの通信がブローカー間のデータレプリケーションによって遅延しないため、クラスターのパフォーマンスが向上する可能性があります。データレプリケーションは、inter-broker のリスナーを介して続行されます。
control.plane.listener
が設定されていない場合、コントローラー接続には inter-broker のリスナー が使用されます。
6.4.3. ログのコミット
Apache Kafka は、プロデューサーから受信するすべてのレコードをコミットログに保存します。コミットログには、Kafka が配信する必要がある実際のデータ (レコードの形式) が含まれます。これらは、ブローカーの動作を記録するアプリケーションログファイルではありません。
ログディレクトリー
log.dirs
プロパティーファイルを使用してログディレクトリーを設定し、1 つまたは複数のログディレクトリーにコミットログを保存できます。これは、インストール時に作成された /var/lib/kafka
ディレクトリーに設定する必要があります。
log.dirs=/var/lib/kafka
パフォーマンス上の理由から、log.dir を複数のディレクトリーに設定し、それぞれを別の物理デバイスに配置して、ディスク I/O のパフォーマンスを向上できます。以下に例を示します。
log.dirs=/var/lib/kafka1,/var/lib/kafka2,/var/lib/kafka3
6.4.4. ブローカー ID
ブローカー ID は、クラスター内の各ブローカーの一意の ID です。ブローカー ID として 0 以上の整数を割り当てることができます。ブローカー ID は、再起動またはクラッシュ後にブローカーを識別するために使用されます。そのため、ID が安定し、時間の経過とともに変更されないようにすることが重要です。ブローカー ID はブローカーのプロパティーファイルで設定されます。
broker.id=1
6.4.5. ZooKeeper の認証
デフォルトでは、ZooKeeper と Kafka 間の接続は認証されません。ただし、Kafka および ZooKeeper は、SASL (Simple Authentication and Security Layer) を使用して認証をセットアップするために使用できる Java Authentication and Authorization Service (JAAS) をサポートします。ZooKeeper は、ローカルに保存されたクレデンシャルと DIGEST-MD5 SASL メカニズムを使用した認証をサポートします。
6.4.5.1. JAAS 設定
ZooKeeper 接続の SASL 認証は JAAS 設定ファイルで設定する必要があります。デフォルトでは、Kafka は ZooKeeper への接続用に Client
という名前の JAAS コンテキストを使用します。Client
コンテキストは /opt/kafka/config/jass.conf
ファイルで設定する必要があります。以下の例のように、コンテキストでは PLAIN
SASL 認証を有効にする必要があります。
Client { org.apache.kafka.common.security.plain.PlainLoginModule required username="kafka" password="123456"; };
6.4.5.2. ZooKeeper 認証の有効化
この手順では、ZooKeeper に接続する際に SASL DIGEST-MD5 メカニズムを使用した認証を有効にする方法を説明します。
前提条件
- ZooKeeper でクライアント/サーバー間の認証が 有効である。
SASL DIGEST-MD5 認証の有効化
すべての Kafka ブローカーノードで、
/opt/kafka/config/jaas.conf
JAAS 設定ファイルを作成または編集し、以下のコンテキストを追加します。Client { org.apache.kafka.common.security.plain.PlainLoginModule required username="<Username>" password="<Password>"; };
ユーザー名とパスワードは ZooKeeper で設定されているものと同じである必要があります。
Client
コンテキストの例を以下に示します。Client { org.apache.kafka.common.security.plain.PlainLoginModule required username="kafka" password="123456"; };
すべての Kafka ブローカーノードを 1 つずつ再起動します。JAAS 設定を Kafka ブローカーに渡すには、
KAFKA_OPTS
環境変数を使用します。su - kafka export KAFKA_OPTS="-Djava.security.auth.login.config=/opt/kafka/config/jaas.conf"; /opt/kafka/bin/kafka-server-start.sh -daemon /opt/kafka/config/server.properties
マルチノードクラスターでブローカーを再起動する方法は、「Kafka ブローカーの正常なローリング再起動の実行」 を参照してください。
関連情報
6.4.6. 認可
Kafka ブローカーの認可は、authorizer プラグインを使用して実装されます。
本セクションでは、Kafka で提供される AclAuthorizer
プラグインを使用する方法を説明します。
または、独自の認可プラグインを使用できます。たとえば、OAuth 2.0 トークンベースの認証 を使用している場合、OAuth 2.0 認可 を使用できます。
6.4.6.1. シンプルな ACL authorizer
AclAuthorizer
を含む authorizer プラグインは authorizer.class.name
プロパティーを使用して有効にします。
authorizer.class.name=kafka.security.auth.AclAuthorizer
選択した authorizer には完全修飾名が必要です。AclAuthorizer
の場合、完全修飾名は kafka.security.auth.AclAuthorizer
です。
6.4.6.1.1. ACL ルール
AclAuthorizer
は ACL ルールを使用して Kafka ブローカーへのアクセスを管理します。
ACL ルールは以下の形式で定義されます。
プリンシパル P は、ホスト H から Kafka リソース R で操作 O を許可または拒否されます。
たとえば、以下のようにルールを設定できます。
John は、ホスト 127.0.0.1 からトピック コメント を 表示 できます。
ホストは、John が接続しているマシンの IP アドレスです。
ほとんどの場合、ユーザーはプロデューサーまたはコンシューマーアプリケーションです。
Consumer01 は、ホスト 127.0.0.1 からコンシューマーグループ アカウント に 書き込み できます。
ACL ルールが存在しない場合
特定のリソースに ACL ルールが存在しない場合は、すべてのアクションが拒否されます。この動作は、Kafka 設定ファイル /opt/kafka/config/server.properties
で allow.everyone.if.no.acl.found
プロパティーを true
に設定すると変更できます。
6.4.6.1.2. プリンシパル
プリンシパル はユーザーのアイデンティティーを表します。ID の形式は、クライアントが Kafka に接続するために使用される認証メカニズムによって異なります。
-
User:ANONYMOUS
: 認証なしで接続する場合 User:<username>
: PLAIN や SCRAM などの単純な認証メカニズムを使用して接続する場合例:
User:admin
またはUser:user1
User:<DistinguishedName>
: TLS クライアント認証を使用して接続する場合例:
User:CN=user1,O=MyCompany,L=Prague,C=CZ
-
User:<Kerberos username>
: Kerberos を使用して接続する場合
DistinguishedName はクライアント証明書からの識別名です。
Kerberos ユーザー名 は、Kerberos プリンシパルの主要部分で、Kerberos を使用して接続する場合のデフォルトで使用されます。sasl.kerberos.principal.to.local.rules
プロパティーを使用して、Kerberos プリンシパルから Kafka プリンシパルを構築する方法を設定できます。
6.4.6.1.3. ユーザーの認証
認可を使用するには、認証を有効にし、クライアントにより使用される必要があります。そうでないと、すべての接続のプリンシパルは User:ANONYMOUS
になります。
認証方法の詳細は、暗号化と認証 を参照してください。
6.4.6.1.4. スーパーユーザー
スーパーユーザーは、ACL ルールに関係なくすべてのアクションを実行できます。
スーパーユーザーは、super.users
プロパティーを使用して Kafka 設定ファイルで定義されます。
以下に例を示します。
super.users=User:admin,User:operator
6.4.6.1.5. レプリカブローカーの認証
認可を有効にすると、これはすべてのリスナーおよびすべての接続に適用されます。これには、ブローカー間のデータのレプリケーションに使用される inter-broker の接続が含まれます。そのため、認可を有効にする場合は、inter-broker 接続に認証を使用し、ブローカーが使用するユーザーに十分な権限を付与してください。たとえば、ブローカー間の認証で kafka-broker
ユーザーが使用される場合、スーパーユーザー設定にはユーザー名 super.users=User:kafka-broker
が含まれている必要があります。
6.4.6.1.6. サポートされるリソース
Kafka ACL は、以下のタイプのリソースに適用できます。
- Topics
- コンシューマーグループ
- クラスター
- TransactionId
- DelegationToken
6.4.6.1.7. サポートされる操作
AclAuthorizer
はリソースでの操作を承認します。
以下の表で X
の付いたフィールドは、各リソースでサポートされる操作を表します。
Topics | コンシューマーグループ | クラスター | |
---|---|---|---|
Read | X | X | |
Write | X | ||
Create | X | ||
Delete | X | ||
Alter | X | ||
Describe | X | X | X |
ClusterAction | X | ||
すべて | X | X | X |
6.4.6.1.8. ACL 管理オプション
ACL ルールは、Kafka ディストリビューションパッケージの一部として提供される bin/kafka-acls.sh
ユーティリティーを使用して管理されます。
kafka-acls.sh
パラメーターオプションを使用して、ACL ルールを追加、リスト表示、および削除したり、その他の機能を実行したりします。
パラメーターには、--add
など、二重ハイフンの標記が必要です。
オプション | タイプ | 説明 | デフォルト |
---|---|---|---|
| Action | ACL ルールを追加します。 | |
| Action | ACL ルールを削除します。 | |
| Action | ACL ルールをリスト表示します。 | |
| Action | authorizer の完全修飾クラス名。 |
|
| Configuration | 初期化のために authorizer に渡されるキー/値のペア。
| |
| リソース | Kafka クラスターに接続するためのホスト/ポートのペア。 |
このオプションまたは |
| リソース |
管理クライアントに渡す設定プロパティーファイル。これは | |
| リソース | クラスターを ACL リソースとして指定します。 | |
| リソース | トピック名を ACL リソースとして指定します。
ワイルドカードとして使用されるアスタリスク (
1 つのコマンドに複数の | |
| リソース | コンシューマーグループ名を ACL リソースとして指定します。
1 つのコマンドに複数の | |
| リソース | トランザクション ID を ACL リソースとして指定します。 トランザクション配信は、プロデューサーによって複数のパーティションに送信されたすべてのメッセージが正常に配信されるか、いずれも配信されない必要があることを意味します。
ワイルドカードとして使用されるアスタリスク ( | |
| リソース | 委任トークンを ACL リソースとして指定します。
ワイルドカードとして使用されるアスタリスク ( | |
| Configuration |
|
|
| プリンシパル | allow ACL ルールに追加されるプリンシパル。
1 つのコマンドに複数の | |
| プリンシパル | 拒否 ACL ルールに追加されるプリンシパル。
1 つのコマンドに複数の | |
| プリンシパル |
プリンシパルの ACL のリストを返すために
1 つのコマンドに複数の | |
| ホスト |
ホスト名または CIDR 範囲はサポートされていません。 |
|
| ホスト |
ホスト名または CIDR 範囲はサポートされていません。 |
|
| 操作 | 操作を許可または拒否します。
1 つのコマンドに複数の | すべて |
| ショートカット | メッセージプロデューサーが必要とするすべての操作を許可または拒否するためのショートカット (トピックでは WRITE と DESCRIBE、クラスターでは CREATE)。 | |
| ショートカット | メッセージコンシューマーが必要とするすべての操作を許可または拒否するためのショートカット (トピックについては READ と DESCRIBE、コンシューマーグループについては READ)。 | |
| ショートカット |
プロデューサーが特定のトランザクション ID に基づいてメッセージを送信することを許可されている場合、Idepmotence は自動的に有効になります。 | |
| ショートカット | すべてのクエリーを受け入れ、プロンプトは表示されないショートカット。 |
6.4.6.2. 認可の有効化
この手順では、Kafka ブローカーでの認可用に AclAuthorizer
プラグインを有効にする方法を説明します。
前提条件
- ブローカーとして使用されるすべてのホストに AMQ Streams がインストールされている。
手順
AclAuthorizer
を使用するように、Kafka 設定ファイル/opt/kafka/config/server.properties
を編集します。authorizer.class.name=kafka.security.auth.AclAuthorizer
- Kafka ブローカーを (再) 起動します。
6.4.6.3. ACL ルールの追加
AclAuthorizer
プラグインを使用して、アクセス制御リスト (ACL) に基づいて Kafka ブローカーへのアクセスを制御する場合、kafka-acls.sh
ユーティリティーを使用して新しい ACL ルールを追加できます。
前提条件
- ユーザーが作成され、Kafka リソースにアクセスするための適切な権限が付与されています。
- ブローカーとして使用されるすべてのホストに AMQ Streams がインストールされている。
- Kafka ブローカーで 認可が有効 になっています。
手順
--add
オプションを指定してkafka-acls.sh
を実行します。例:
MyConsumerGroup
コンシューマーグループを使用して、user1
およびuser2
のmyTopic
からの読み取りを許可します。opt/kafka/bin/kafka-acls.sh --bootstrap-server localhost:9092 --add --operation Read --topic myTopic --allow-principal User:user1 --allow-principal User:user2 opt/kafka/bin/kafka-acls.sh --bootstrap-server localhost:9092 --add --operation Describe --topic myTopic --allow-principal User:user1 --allow-principal User:user2 opt/kafka/bin/kafka-acls.sh --bootstrap-server localhost:9092 --add --operation Read --operation Describe --group MyConsumerGroup --allow-principal User:user1 --allow-principal User:user2
user1
が IP アドレスホスト127.0.0.1
からmyTopic
を読むためのアクセスを拒否します。opt/kafka/bin/kafka-acls.sh --bootstrap-server localhost:9092 --add --operation Describe --operation Read --topic myTopic --group MyConsumerGroup --deny-principal User:user1 --deny-host 127.0.0.1
MyConsumerGroup
でmyTopic
のコンシューマーとしてuser1
を追加します。opt/kafka/bin/kafka-acls.sh --bootstrap-server localhost:9092 --add --consumer --topic myTopic --group MyConsumerGroup --allow-principal User:user1
関連情報
6.4.6.4. ACL ルールの一覧表示
AclAuthorizer
プラグインを使用して、アクセス制御リスト (ACL) に基づいて Kafka ブローカーへのアクセスを制御する場合、kafka-acls.sh
ユーティリティーを使用して既存の ACL ルールをリスト表示できます。
前提条件
- ACL が追加 されている。
手順
--list
オプションを指定してkafka-acls.sh
を実行します。以下に例を示します。
opt/kafka/bin/kafka-acls.sh --bootstrap-server localhost:9092 --list --topic myTopic Current ACLs for resource `Topic:myTopic`: User:user1 has Allow permission for operations: Read from hosts: * User:user2 has Allow permission for operations: Read from hosts: * User:user2 has Deny permission for operations: Read from hosts: 127.0.0.1 User:user1 has Allow permission for operations: Describe from hosts: * User:user2 has Allow permission for operations: Describe from hosts: * User:user2 has Deny permission for operations: Describe from hosts: 127.0.0.1
関連情報
6.4.6.5. ACL ルールの削除
AclAuthorizer
プラグインを使用して、アクセス制御リスト (ACL) に基づいて Kafka ブローカーへのアクセスを制御する場合、kafka-acls.sh
ユーティリティーを使用して既存の ACL ルールを削除できます。
前提条件
- ACL が追加 されている。
手順
--remove
オプションを指定してkafka-acls.sh
を実行します。例:
MyConsumerGroup
コンシューマーグループを使用して、user1
およびuser2
のmyTopic
からの読み取りを許可する ACL を削除します。opt/kafka/bin/kafka-acls.sh --bootstrap-server localhost:9092 --remove --operation Read --topic myTopic --allow-principal User:user1 --allow-principal User:user2 opt/kafka/bin/kafka-acls.sh --bootstrap-server localhost:9092 --remove --operation Describe --topic myTopic --allow-principal User:user1 --allow-principal User:user2 opt/kafka/bin/kafka-acls.sh --bootstrap-server localhost:9092 --remove --operation Read --operation Describe --group MyConsumerGroup --allow-principal User:user1 --allow-principal User:user2
MyConsumerGroup
でmyTopic
のコンシューマーとしてuser1
を追加する ACL を削除します。opt/kafka/bin/kafka-acls.sh --bootstrap-server localhost:9092 --remove --consumer --topic myTopic --group MyConsumerGroup --allow-principal User:user1
user1
が IP アドレスホスト127.0.0.1
からmyTopic
を読むためのアクセスを拒否する ACL を削除します。opt/kafka/bin/kafka-acls.sh --bootstrap-server localhost:9092 --remove --operation Describe --operation Read --topic myTopic --group MyConsumerGroup --deny-principal User:user1 --deny-host 127.0.0.1
関連情報
6.4.7. ZooKeeper の認可
Kafka と ZooKeeper の間で認証が有効になっている場合、ZooKeeper アクセス制御リスト (ACL) ルールを使用して、ZooKeeper に格納されている Kafka のメタデータへのアクセスを自動的に制御できます。
6.4.7.1. ACL 設定
ZooKeeper ACL ルールの適用は、config/server.properties
Kafka 設定ファイルの zookeeper.set.acl
プロパティーによって制御されます。
プロパティーはデフォルトで無効になっていて、true
に設定することにより有効になります。
zookeeper.set.acl=true
ACL ルールが有効になっている場合、ZooKeeper で znode
が作成されると、作成した Kafka ユーザーのみがこれを変更または削除することができます。その他のすべてのユーザーには読み取り専用アクセスがあります。
Kafka は、新しく作成された ZooKeeper znodes
に対してのみ ACL ルールを設定します。ACL がクラスターの最初の起動後にのみ有効である場合、zookeeper-security-migration.sh
ツールは既存のすべての znodes
に ACL を設定できます。
ZooKeeper のデータの機密性
ZooKeeper に保存されるデータには以下が含まれます。
- トピック名およびその設定
- SASL SCRAM 認証が使用される場合のソルト化およびハッシュ化されたユーザークレデンシャル
しかし、ZooKeeper は Kafka を使用して送受信されたレコードを保存しません。ZooKeeper に保存されるデータは機密ではないと想定されます。
データが機密として考慮される場合 (たとえば、トピック名にカスタマー ID が含まれるなど)、保護に使用できる唯一のオプションは、ネットワークレベルで ZooKeeper を分離し、Kafka ブローカーにのみアクセスを許可することです。
6.4.7.2. 新しい Kafka クラスターでの ZooKeeper ACL の有効化
この手順では、新しい Kafka クラスターの Kafka 設定で ZooKeeper ACL を有効にする方法を説明します。この手順は、Kafka クラスターの最初の起動前にのみ使用してください。すでに実行中のクラスターで ZooKeeper ACL を有効にする場合は、「既存の Kafka クラスターでの ZooKeeper ACL の有効化」 を参照してください。
前提条件
- Kafka ブローカーとして使用されるすべてのホストに AMQ Streams がインストールされている。
- ZooKeeper クラスターが 設定され、実行されている。
- ZooKeeper でクライアント/サーバー間の認証が 有効である。
- Kafka ブローカーで ZooKeeper の認証が 有効である。
- Kafka ブローカーがまだ起動していない。
手順
すべてのクラスターノードの
/opt/kafka/config/server.properties
Kafka 設定ファイルを編集し、zookeeper.set.acl
フィールドをtrue
に設定します。zookeeper.set.acl=true
- Kafka ブローカーを起動します。
6.4.7.3. 既存の Kafka クラスターでの ZooKeeper ACL の有効化
この手順では、稼働している Kafka クラスターの Kafka 設定で ZooKeeper ACL を有効にする方法を説明します。zookeeper-security-migration.sh
ツールを使用して、既存のすべての znodes
に ZooKeeper の ACL を設定します。zookeeper-security-migration.sh
は AMQ Streams の一部として利用でき、bin
ディレクトリーにあります。
前提条件
- Kafka クラスターが 設定され、実行されている。
ZooKeeper ACL の有効化
すべてのクラスターノードの
/opt/kafka/config/server.properties
Kafka 設定ファイルを編集し、zookeeper.set.acl
フィールドをtrue
に設定します。zookeeper.set.acl=true
すべての Kafka ブローカーを 1 つずつ再起動します。
マルチノードクラスターでブローカーを再起動する方法は、「Kafka ブローカーの正常なローリング再起動の実行」 を参照してください。
zookeeper-security-migration.sh
ツールを使用して、既存のすべてのznodes
ノードに ACL を設定します。su - kafka cd /opt/kafka KAFKA_OPTS="-Djava.security.auth.login.config=./config/jaas.conf"; ./bin/zookeeper-security-migration.sh --zookeeper.acl=secure --zookeeper.connect=<ZooKeeperURL> exit
以下に例を示します。
su - kafka cd /opt/kafka KAFKA_OPTS="-Djava.security.auth.login.config=./config/jaas.conf"; ./bin/zookeeper-security-migration.sh --zookeeper.acl=secure --zookeeper.connect=zoo1.my-domain.com:2181 exit
6.4.8. 暗号化と認証
AMQ Streams は、リスナー設定の一部として設定される暗号化および認証をサポートします。
6.4.8.1. リスナーの設定
Kafka ブローカーの暗号化および認証は、リスナーごとに設定されます。Kafka リスナーの設定に関する詳細は、「リスナー」 を参照してください。
Kafka ブローカーの各リスナーは、独自のセキュリティープロトコルで設定されます。設定プロパティー listener.security.protocol.map
は、どのリスナーがどのセキュリティープロトコルを使用するかを定義します。各リスナー名がセキュリティープロトコルにマッピングされます。サポートされるセキュリティープロトコルは次のとおりです。
PLAINTEXT
- 暗号化または認証を使用しないリスナー。
SSL
- TLS 暗号化を使用し、オプションで TLS クライアント証明書を使用した認証を使用するリスナー。
SASL_PLAINTEXT
- 暗号化なし、SASL ベースの認証を使用するリスナー。
SASL_SSL
- TLS ベースの暗号化および SASL ベースの認証を使用するリスナー。
以下の listeners
設定の場合、
listeners=INT1://:9092,INT2://:9093,REPLICATION://:9094
listener.security.protocol.map
は以下のようになります。
listener.security.protocol.map=INT1:SASL_PLAINTEXT,INT2:SASL_SSL,REPLICATION:SSL
これにより、リスナー INT1
は暗号化されていない接続および SASL 認証を使用し、リスナー INT2
は暗号化された接続および SASL 認証を使用し、REPLICATION
インターフェイスは TLS による暗号化 (TLS クライアント認証が使用される可能性があり) を使用するように設定されます。同じセキュリティープロトコルを複数回使用できます。以下は、有効な設定の例です。
listener.security.protocol.map=INT1:SSL,INT2:SSL,REPLICATION:SSL
このような設定は、すべてのインターフェイスに TLS 暗号化および TLS 認証を使用します。以下の章では、TLS および SASL の設定方法について詳しく説明します。
6.4.8.2. TLS 暗号化
Kafka は、Kafka クライアントとの通信を暗号化するために TLS をサポートします。
TLS による暗号化およびサーバー認証を使用するには、秘密鍵と公開鍵が含まれるキーストアを提供する必要があります。これは通常、Java Keystore (JKS) 形式のファイルを使用して行われます。このファイルのパスは、ssl.keystore.location
プロパティーに設定されます。ssl.keystore.password
プロパティーを使用して、キーストアを保護するパスワードを設定する必要があります。以下に例を示します。
ssl.keystore.location=/path/to/keystore/server-1.jks ssl.keystore.password=123456
秘密鍵を保護するために、追加のパスワードが使用されることがあります。このようなパスワードは、ssl.key.password
プロパティーを使用して設定できます。
Kafka は、認証局によって署名された鍵と自己署名の鍵を使用できます。認証局が署名する鍵を使用することが、常に推奨される方法です。クライアントが接続している Kafka ブローカーのアイデンティティーを検証できるようにするには、証明書に Common Name (CN) または Subject Alternative Names (SAN) としてアドバタイズされたホスト名が常に含まれる必要があります。
異なるリスナーに異なる SSL 設定を使用できます。ssl.
で始まるすべてのオプションの前に listener.name.<NameOfTheListener>.
を付けることができます。この場合、リスナーの名前は常に小文字である必要があります。これにより、その特定のリスナーのデフォルトの SSL 設定が上書きされます。以下の例は、異なるリスナーに異なる SSL 設定を使用する方法を示しています。
listeners=INT1://:9092,INT2://:9093,REPLICATION://:9094 listener.security.protocol.map=INT1:SSL,INT2:SSL,REPLICATION:SSL # Default configuration - will be used for listeners INT1 and INT2 ssl.keystore.location=/path/to/keystore/server-1.jks ssl.keystore.password=123456 # Different configuration for listener REPLICATION listener.name.replication.ssl.keystore.location=/path/to/keystore/server-1.jks listener.name.replication.ssl.keystore.password=123456
その他の TLS 設定オプション
上記のメインの TLS 設定オプションの他に、Kafka は TLS 設定を調整するための多くのオプションをサポートします。たとえば、TLS/ SSL プロトコルまたは暗号スイートを有効または無効にするには、次のコマンドを実行します。
ssl.cipher.suites
- 有効な暗号スイートのリスト。各暗号スイートは、TLS 接続に使用される認証、暗号化、MAC、および鍵交換アルゴリズムの組み合わせです。デフォルトでは、利用可能なすべての暗号スイートが有効になっています。
ssl.enabled.protocols
-
有効な TLS / SSL プロトコルのリスト。デフォルトは
TLSv1.2,TLSv1.1,TLSv1
です。
6.4.8.3. TLS 暗号化の有効化
この手順では、Kafka ブローカーで暗号化を有効にする方法を説明します。
前提条件
- Kafka ブローカーとして使用されるすべてのホストに AMQ Streams がインストールされている。
手順
- クラスター内のすべての Kafka ブローカーの TLS 証明書を生成します。証明書には、Common Name または Subject Alternative Name にアドバタイズされたアドレスおよびブートストラップアドレスが必要です。
以下のように、すべてのクラスターノードの
/opt/kafka/config/server.properties
Kafka 設定ファイルを編集します。-
listener.security.protocol.map
フィールドを変更して、TLS 暗号化を使用するリスナーにSSL
プロトコルを指定します。 -
ssl.keystore.location
オプションを、ブローカー証明書を持つ JKS キーストアへのパスに設定します。 ssl.keystore.password
オプションを、キーストアの保護に使用したパスワードに設定します。以下に例を示します。
listeners=UNENCRYPTED://:9092,ENCRYPTED://:9093,REPLICATION://:9094 listener.security.protocol.map=UNENCRYPTED:PLAINTEXT,ENCRYPTED:SSL,REPLICATION:PLAINTEXT ssl.keystore.location=/path/to/keystore/server-1.jks ssl.keystore.password=123456
-
- Kafka ブローカーを (再) 起動します。
6.4.8.4. 認証
認証には、以下を使用できます。
- 暗号化接続の X.509 証明書に基づく TLS クライアント認証
- サポートされる Kafka SASL (Simple Authentication and Security Layer) メカニズム
- OAuth 2.0 のトークンベースの認証
6.4.8.4.1. TLS クライアント認証
TLS クライアント認証は、TLS 暗号化を使用している接続でのみ使用できます。公開鍵のあるトラストストアをブローカーに提供し、TLS クライアント認証を使用することができます。これらのキーは、ブローカーに接続するクライアントを認証するために使用できます。トラストストアは Java Keystore (JKS) 形式で提供され、認証局の公開鍵が含まれている必要があります。トラストストアに含まれる認証局のいずれかによって署名された公開鍵および秘密鍵を持つクライアントはすべて認証されます。トラストストアの場所は、フィールド ssl.truststore.location
を使用して設定されます。トラストストアがパスワードで保護される場合、ssl.truststore.password
プロパティーでパスワードを設定する必要があります。以下に例を示します。
ssl.truststore.location=/path/to/keystore/server-1.jks ssl.truststore.password=123456
トラストストアが設定されたら、ssl.client.auth
プロパティーを使用して TLS クライアント認証を有効にする必要があります。このプロパティーは、3 つの異なる値のいずれかに設定できます。
none
- TLS クライアント認証はオフになっています。(デフォルト値)
requested
- TLS クライアント認証は任意です。クライアントは TLS クライアント証明書を使用した認証を要求されますが、このような認証をしないことを選択することができます。
required
- クライアントは TLS クライアント証明書を使用して認証する必要があります。
クライアントが TLS クライアント認証を使用して認証する場合、認証されたプリンシパル名は認証済みクライアント証明書からの識別名になります。たとえば、CN=someuser
という識別名の証明書を持つユーザーは、プリンシパル CN=someuser,OU=Unknown,O=Unknown,L=Unknown,ST=Unknown,C=Unknown
で認証されます。TLS クライアント認証が使用されておらず、SASL が無効な場合、プリンシパル名は ANONYMOUS
になります。
6.4.8.4.2. SASL 認証
SASL 認証は、Java Authentication and Authorization Service (JAAS) を使用して設定されます。JAAS は、Kafka と ZooKeeper 間の接続の認証にも使用されます。JAAS は独自の設定ファイルを使用します。このファイルに推奨される場所は /opt/kafka/config/jaas.conf
です。ファイルは kafka
ユーザーが読み取りできる必要があります。Kafka を実行中の場合、このファイルの場所は Java システムプロパティー java.security.auth.login.config
を使用して指定されます。このプロパティーは、ブローカーノードの起動時に Kafka に渡す必要があります。
KAFKA_OPTS="-Djava.security.auth.login.config=/path/to/my/jaas.config"; bin/kafka-server-start.sh
SASL 認証は、暗号化されていないプレーンの接続と TLS 接続の両方を介してサポートされます。SASL はリスナーごとに個別に有効にできます。これを有効にするには、listener.security.protocol.map
のセキュリティープロトコルを SASL_PLAINTEXT
または SASL_SSL
のいずれかにする必要があります。
Kafka の SASL 認証は、いくつかの異なるメカニズムをサポートします。
PLAIN
- ユーザー名とパスワードに基づいて認証を実装します。ユーザー名とパスワードは Kafka 設定にローカルに保存されます。
SCRAM-SHA-256
およびSCRAM-SHA-512
- Salted Challenge Response Authentication Mechanism (SCRAM) を使用して認証を実装します。SCRAM クレデンシャルは、ZooKeeper に一元的に保存されます。SCRAM は、ZooKeeper クラスターノードがプライベートネットワークで分離された状態で実行されている場合に使用できます。
GSSAPI
- Kerberos サーバーに対して認証を実装します。
PLAIN
メカニズムは、ネットワークを通じてユーザー名とパスワードを暗号化されていない形式で送信します。そのため、TLS による暗号化と組み合わせる場合にのみ使用してください。
SASL メカニズムは JAAS 設定ファイルを使用して設定されます。Kafka は KafkaServer
という名前の JAAS コンテキストを使用します。JAAS で設定された後、Kafka 設定で SASL メカニズムを有効にする必要があります。これは、sasl.enabled.mechanisms
プロパティーを使用して実行されます。このプロパティーには、有効なメカニズムのコンマ区切りリストが含まれます。
sasl.enabled.mechanisms=PLAIN,SCRAM-SHA-256,SCRAM-SHA-512
inter-broker 通信に使用されるリスナーが SASL を使用している場合、sasl.mechanism.inter.broker.protocol
プロパティーを使用して、使用する SASL メカニズムを指定する必要があります。以下に例を示します。
sasl.mechanism.inter.broker.protocol=PLAIN
inter-broker 通信に使用されるユーザー名およびパスワードは、フィールド username
および password
を使用して KafkaServer
JAAS コンテキストで指定する必要があります。
SASL プレーン
PLAIN メカニズムを使用する場合、接続が許可されるユーザー名およびパスワードは JAAS コンテキストに直接指定されます。以下の例は、SASL PLAIN 認証に設定されたコンテキストを示しています。この例では、3 つの異なるユーザーを設定します。
-
admin
-
user1
-
user2
KafkaServer { org.apache.kafka.common.security.plain.PlainLoginModule required user_admin="123456" user_user1="123456" user_user2="123456"; };
ユーザーデータベースを持つ JAAS 設定ファイルは、すべての Kafka ブローカーで同期して維持する必要があります。
SASL PLAIN が inter-broker の認証にも使用される場合、username
および password
プロパティーを JAAS コンテキストに含める必要があります。
KafkaServer { org.apache.kafka.common.security.plain.PlainLoginModule required username="admin" password="123456" user_admin="123456" user_user1="123456" user_user2="123456"; };
SASL SCRAM
Kafka の SCRAM 認証は、SCRAM-SHA-256
および SCRAM-SHA-512
の 2 つのメカニズムで設定されます。これらのメカニズムは、使用されるハッシュアルゴリズム (SHA-256 とより強力な SHA-512) のみが異なります。SCRAM 認証を有効にするには、JAAS 設定ファイルに以下の設定を含める必要があります。
KafkaServer { org.apache.kafka.common.security.scram.ScramLoginModule required; };
Kafka 設定ファイルで SASL 認証を有効にすると、両方の SCRAM メカニズムがリスト表示されます。ただし、それらの 1 つのみを inter-broker 通信に選択できます。以下に例を示します。
sasl.enabled.mechanisms=SCRAM-SHA-256,SCRAM-SHA-512 sasl.mechanism.inter.broker.protocol=SCRAM-SHA-512
SCRAM メカニズムのユーザークレデンシャルは ZooKeeper に保存されます。kafka-configs.sh
ツールを使用してそれらを管理できます。たとえば、以下のコマンドを実行して、パスワード 123456 で user1 を追加します。
bin/kafka-configs.sh --bootstrap-server localhost:9092 --alter --add-config 'SCRAM-SHA-256=[password=123456],SCRAM-SHA-512=[password=123456]' --entity-type users --entity-name user1
ユーザークレデンシャルを削除するには、以下を使用します。
bin/kafka-configs.sh --bootstrap-server localhost:9092 --alter --delete-config 'SCRAM-SHA-512' --entity-type users --entity-name user1
SASL GSSAPI
Kerberos を使用した認証に使用される SASL メカニズムは GSSAPI
と呼ばれます。Kerberos SASL 認証を設定するには、以下の設定を JAAS 設定ファイルに追加する必要があります。
KafkaServer { com.sun.security.auth.module.Krb5LoginModule required useKeyTab=true storeKey=true keyTab="/etc/security/keytabs/kafka_server.keytab" principal="kafka/kafka1.hostname.com@EXAMPLE.COM"; };
Kerberos プリンシパルのドメイン名は常に大文字にする必要があります。
JAAS 設定の他に、Kerberos サービス名を Kafka 設定の sasl.kerberos.service.name
プロパティーで指定する必要があります。
sasl.enabled.mechanisms=GSSAPI sasl.mechanism.inter.broker.protocol=GSSAPI sasl.kerberos.service.name=kafka
複数の SASL メカニズム
Kafka は複数の SASL メカニズムを同時に使用できます。異なる JAAS 設定はすべて同じコンテキストに追加できます。
KafkaServer { org.apache.kafka.common.security.plain.PlainLoginModule required user_admin="123456" user_user1="123456" user_user2="123456"; com.sun.security.auth.module.Krb5LoginModule required useKeyTab=true storeKey=true keyTab="/etc/security/keytabs/kafka_server.keytab" principal="kafka/kafka1.hostname.com@EXAMPLE.COM"; org.apache.kafka.common.security.scram.ScramLoginModule required; };
複数のメカニズムを有効にすると、クライアントは使用するメカニズムを選択できます。
6.4.8.5. TLS クライアント認証の有効化
この手順では、Kafka ブローカーで TLS クライアント認証を有効にする方法を説明します。
前提条件
- Kafka ブローカーとして使用されるすべてのホストに AMQ Streams がインストールされている。
- TLS 暗号化が 有効になっている。
手順
- ユーザー証明書に署名するために使用される認証局の公開鍵が含まれる JKS トラストストアを準備します。
以下のように、すべてのクラスターノードの
/opt/kafka/config/server.properties
Kafka 設定ファイルを編集します。-
ssl.truststore.location
オプションを、ユーザー証明書の認証局が含まれる JKS トラストストアへのパスに設定します。 -
ssl.truststore.password
オプションを、トラストストアの保護に使用したパスワードに設定します。 ssl.client.auth
オプションをrequired
に設定します。以下に例を示します。
ssl.truststore.location=/path/to/truststore.jks ssl.truststore.password=123456 ssl.client.auth=required
-
- Kafka ブローカーを (再) 起動します。
6.4.8.6. SASL PLAIN 認証の有効化
この手順では、Kafka ブローカーで SASL PLAIN 認証を有効にする方法を説明します。
前提条件
- Kafka ブローカーとして使用されるすべてのホストに AMQ Streams がインストールされている。
手順
/opt/kafka/config/jaas.conf
JAAS 設定ファイルを編集するか、作成します。このファイルには、すべてのユーザーとそのパスワードが含まれている必要があります。このファイルがすべての Kafka ブローカーで同じであることを確認します。以下に例を示します。
KafkaServer { org.apache.kafka.common.security.plain.PlainLoginModule required user_admin="123456" user_user1="123456" user_user2="123456"; };
以下のように、すべてのクラスターノードの
/opt/kafka/config/server.properties
Kafka 設定ファイルを編集します。-
listener.security.protocol.map
フィールドを変更して、SASL PLAIN 認証を使用するリスナーのSASL_PLAINTEXT
またはSASL_SSL
プロトコルを指定します。 sasl.enabled.mechanisms
オプションをPLAIN
に設定します。以下に例を示します。
listeners=INSECURE://:9092,AUTHENTICATED://:9093,REPLICATION://:9094 listener.security.protocol.map=INSECURE:PLAINTEXT,AUTHENTICATED:SASL_PLAINTEXT,REPLICATION:PLAINTEXT sasl.enabled.mechanisms=PLAIN
-
KAFKA_OPTS 環境変数を使用して Kafka ブローカーを (再) 起動し、JAAS 設定を Kafka ブローカーに渡します。
su - kafka export KAFKA_OPTS="-Djava.security.auth.login.config=/opt/kafka/config/jaas.conf"; /opt/kafka/bin/kafka-server-start.sh -daemon /opt/kafka/config/server.properties
6.4.8.7. SASL SCRAM 認証の有効化
この手順では、Kafka ブローカーで SASL SCRAM 認証を有効にする方法を説明します。
前提条件
- Kafka ブローカーとして使用されるすべてのホストに AMQ Streams がインストールされている。
手順
/opt/kafka/config/jaas.conf
JAAS 設定ファイルを編集するか、作成します。KafkaServer
コンテキストのScramLoginModule
を有効にします。このファイルがすべての Kafka ブローカーで同じであることを確認します。以下に例を示します。
KafkaServer { org.apache.kafka.common.security.scram.ScramLoginModule required; };
以下のように、すべてのクラスターノードの
/opt/kafka/config/server.properties
Kafka 設定ファイルを編集します。-
listener.security.protocol.map
フィールドを変更して、SASL SCRAM 認証を使用するリスナーのSASL_PLAINTEXT
またはSASL_SSL
プロトコルを指定します。 sasl.enabled.mechanisms
オプションをSCRAM-SHA-256
またはSCRAM-SHA-512
に設定します。以下に例を示します。
listeners=INSECURE://:9092,AUTHENTICATED://:9093,REPLICATION://:9094 listener.security.protocol.map=INSECURE:PLAINTEXT,AUTHENTICATED:SASL_PLAINTEXT,REPLICATION:PLAINTEXT sasl.enabled.mechanisms=SCRAM-SHA-512
-
KAFKA_OPTS 環境変数を使用して Kafka ブローカーを (再) 起動し、JAAS 設定を Kafka ブローカーに渡します。
su - kafka export KAFKA_OPTS="-Djava.security.auth.login.config=/opt/kafka/config/jaas.conf"; /opt/kafka/bin/kafka-server-start.sh -daemon /opt/kafka/config/server.properties
6.4.8.8. SASL SCRAM ユーザーの追加
この手順では、SASL SCRAM を使用した認証に新しいユーザーを追加する方法を説明します。
前提条件
- Kafka ブローカーとして使用されるすべてのホストに AMQ Streams がインストールされている。
- SASL SCRAM 認証が 有効になっている。
手順
kafka-configs.sh
ツールを使用して、新しい SASL SCRAM ユーザーを追加します。bin/kafka-configs.sh --bootstrap-server <broker_address> --alter --add-config 'SCRAM-SHA-512=[password=<Password>]' --entity-type users --entity-name <Username>
以下に例を示します。
bin/kafka-configs.sh --bootstrap-server localhost:9092 --alter --add-config 'SCRAM-SHA-512=[password=123456]' --entity-type users --entity-name user1
6.4.8.9. SASL SCRAM ユーザーの削除
この手順では、SASL SCRAM 認証を使用する場合にユーザーを削除する方法を説明します。
前提条件
- Kafka ブローカーとして使用されるすべてのホストに AMQ Streams がインストールされている。
- SASL SCRAM 認証が 有効になっている。
手順
kafka-configs.sh
ツールを使用して SASL SCRAM ユーザーを削除します。/opt/kafka/bin/kafka-configs.sh --bootstrap-server <broker_address> --alter --delete-config 'SCRAM-SHA-512' --entity-type users --entity-name <Username>
以下に例を示します。
/opt/kafka/bin/kafka-configs.sh --bootstrap-server localhost:9092 --alter --delete-config 'SCRAM-SHA-512' --entity-type users --entity-name user1
6.4.9. OAuth 2.0 トークンベース認証の使用
AMQ Streams は、OAUTHBEARER および PLAIN メカニズムを使用して、OAuth 2.0 認証 の使用をサポートします。
OAuth 2.0 は、アプリケーション間で標準的なトークンベースの認証および認可を有効にし、中央の認可サーバーを使用してリソースに制限されたアクセス権限を付与するトークンを発行します。
OAuth 2.0 認証を設定した後に OAuth 2.0 認可 を設定できます。
Kafka ブローカーおよびクライアントの両方が OAuth 2.0 を使用するように設定する必要があります。OAuth 2.0 認証は、simple
または OPA ベースの Kafka 認可と併用することもできます。
OAuth 2.0 認証を使用すると、アプリケーションクライアントはアカウントのクレデンシャルを公開せずにアプリケーションサーバー (リソースサーバー と呼ばれる) のリソースにアクセスできます。
アプリケーションクライアントは、アクセストークンを認証の手段として渡します。アプリケーションサーバーはこれを使用して、付与するアクセス権限のレベルを決定することもできます。認可サーバーは、アクセスの付与とアクセスに関する問い合わせを処理します。
AMQ Streams のコンテキストでは以下が行われます。
- Kafka ブローカーは OAuth 2.0 リソースサーバーとして動作します。
- Kafka クライアントは OAuth 2.0 アプリケーションクライアントとして動作します。
Kafka クライアントは Kafka ブローカーに対して認証を行います。ブローカーおよびクライアントは、必要に応じて OAuth 2.0 認可サーバーと通信し、アクセストークンを取得または検証します。
AMQ Streams のデプロイメントでは、OAuth 2.0 インテグレーションは以下を提供します。
- Kafka ブローカーのサーバー側 OAuth 2.0 サポート
- Kafka MirrorMaker、Kafka Connect、および Kafka Bridge のクライアント側 OAuth 2.0 サポート
RHEL での AMQ Streams には OAuth 2.0 ライブラリーが 2 つ含まれています。
kafka-oauth-client
-
io.strimzi.kafka.oauth.client.JaasClientOauthLoginCallbackHandler
という名前のカスタムログインコールバックハンドラークラスを提供します。OAUTHBEARER
認証メカニズムを処理するには、Apache Kafka が提供するOAuthBearerLoginModule
でログインコールバックハンドラーを使用します。 kafka-oauth-common
-
kafka-oauth-client
ライブラリーに必要な機能の一部を提供するヘルパーライブラリーです。
提供されるクライアントライブラリーは、keycloak-core
、jackson-databind
、および slf4j-api
などの追加のサードパーティーライブラリーにも依存します。
Maven プロジェクトを使用してクライアントをパッケージ化し、すべての依存関係ライブラリーが含まれるようにすることが推奨されます。依存関係ライブラリーは今後のバージョンで変更される可能性があります。
関連情報
6.4.9.1. OAuth 2.0 認証メカニズム
AMQ Streams は、OAuth 2.0 認証で OAUTHBEARER および PLAIN メカニズムをサポートします。どちらのメカニズムも、Kafka クライアントが Kafka ブローカーで認証されたセッションを確立できるようにします。クライアント、認可サーバー、および Kafka ブローカー間の認証フローは、メカニズムごとに異なります。
可能な限り、OAUTHBEARER を使用するようにクライアントを設定することが推奨されます。OAUTHBEARER では、クライアントクレデンシャルは Kafka ブローカーと 共有されることがない ため、PLAIN よりも高レベルのセキュリティーが提供されます。OAUTHBEARER をサポートしない Kafka クライアントの場合のみ、PLAIN の使用を検討してください。
クライアントの接続に OAuth 2.0 認証を使用するように Kafka ブローカーリスナーを設定します。必要な場合は、同じ oauth
リスナーで OAUTHBEARER および PLAIN メカニズムを使用できます。各メカニズムをサポートするプロパティーは、oauth
リスナー設定で明示的に指定する必要があります。
OAUTHBEARER の概要
OAUTHBEARER を使用するには、Kafka ブローカーの OAuth 認証リスナー設定で sasl.enabled.mechanisms
を OAUTHBEARER
に設定します。詳細な設定は、「OAuth 2.0 Kafka ブローカーの設定」 を参照してください。
listener.name.client.sasl.enabled.mechanisms=OAUTHBEARER
また、多くの Kafka クライアントツールでは、プロトコルレベルで OAUTHBEARER の基本サポートを提供するライブラリーを使用します。AMQ Streams では、アプリケーションの開発をサポートするために、アップストリームの Kafka Client Java ライブラリーに OAuth コールバックハンドラー が提供されます (ただし、他のライブラリーは対象外)。そのため、独自のコールバックハンドラーを作成する必要はありません。アプリケーションクライアントはコールバックハンドラーを使用してアクセストークンを提供できます。Go などの他言語で書かれたクライアントは、カスタムコードを使用して認可サーバーに接続し、アクセストークンを取得する必要があります。
OAUTHBEARER を使用する場合、クライアントはクレデンシャルを交換するために Kafka ブローカーでセッションを開始します。ここで、クレデンシャルはコールバックハンドラーによって提供されるベアラートークンの形式を取ります。コールバックを使用して、以下の 3 つの方法のいずれかでトークンの提供を設定できます。
- クライアント ID および Secret (OAuth 2.0 クライアントクレデンシャルメカニズム を使用)
- 設定時に手動で取得された有効期限の長いアクセストークン
- 設定時に手動で取得された有効期限の長い更新トークン
OAUTHBEARER 認証は、プロトコルレベルで OAUTHBEARER メカニズムをサポートする Kafka クライアントでのみ使用できます。
PLAIN の概要
PLAIN を使用するには、PLAIN
を sasl.enabled.mechanisms
の値に追加します。
listener.name.client.sasl.enabled.mechanisms=OAUTHBEARER,PLAIN
PLAIN は、すべての Kafka クライアントツールによって使用される簡単な認証メカニズムです。PLAIN を OAuth 2.0 認証で使用できるようにするために、AMQ Streams では OAuth 2.0 over PLAIN サーバー側のコールバックが提供されます。
PLAIN の AMQ Streams 実装では、クライアントのクレデンシャルは ZooKeeper に保存されません。代わりに、OAUTHBEARER 認証が使用される場合と同様に、クライアントのクレデンシャルは準拠した認可サーバーの背後で一元的に処理されます。
OAuth 2.0 over PLAIN コールバックを併用する場合、以下のいずれかの方法を使用して Kafka クライアントは Kafka ブローカーで認証されます。
- クライアント ID および Secret (OAuth 2.0 クライアントクレデンシャル メカニズムを使用)
- 設定時に手動で取得された有効期限の長いアクセストークン
どちらの方法でも、クライアントは Kafka ブローカーにクレデンシャルを渡すために、PLAIN username
および password
プロパティーを提供する必要があります。クライアントはこれらのプロパティーを使用してクライアント ID およびシークレット、または、ユーザー名およびアクセストークンを渡します。
クライアント ID およびシークレットは、アクセストークンの取得に使用されます。
アクセストークンは、password
プロパティーの値として渡されます。$accessToken:
接頭辞の有無に関わらずアクセストークンを渡します。
-
リスナー設定でトークンエンドポイント (
oauth.token.endpoint.uri
) を設定する場合は、接頭辞が必要です。 -
リスナー設定でトークンエンドポイント (
oauth.token.endpoint.uri
) を設定しない場合は、接頭辞は必要ありません。Kafka ブローカーは、パスワードを raw アクセストークンとして解釈します。
アクセストークンとして password
が設定されている場合、username
は Kafka ブローカーがアクセストークンから取得するプリンシパル名と同じものを設定する必要があります。oauth.username.claim
、oauth.fallback.username.claim
、oauth.fallback.username.prefix
、および oauth.userinfo.endpoint.uri
プロパティーを使用すると、リスナーにユーザー名の抽出オプションを指定できます。ユーザー名の抽出プロセスも、認可サーバーによって異なります。特に、クライアント ID をアカウント名にマッピングする方法により異なります。
OAuth over PLAIN は、(非推奨の) OAuth 2.0 パスワード付与メカニズムを使用したユーザー名とパスワードの受け渡し (パスワード付与) をサポートしていません。
6.4.9.1.1. プロパティーまたは変数を使用した OAuth 2.0 の設定
OAuth 2.0 設定は、Java Authentication and Authorization Service (JAAS) プロパティーまたは環境変数を使用して設定できます。
-
JAAS のプロパティーは、
server.properties
設定ファイルで設定され、listener.name.LISTENER-NAME.oauthbearer.sasl.jaas.config
プロパティーのキーと値のペアとして渡されます。 環境変数を使用する場合は、
server.properties
ファイルでlistener.name.LISTENER-NAME.oauthbearer.sasl.jaas.config
プロパティーを指定する必要がありますが、他の JAAS プロパティーを省略できます。大文字 (アッパーケース) の環境変数の命名規則を使用できます。
AMQ Streams OAuth 2.0 ライブラリーは、以下で始まるプロパティーを使用します。
-
oauth.
: 認証の設定 -
strimzi.
: OAuth 2.0 認可の設定
6.4.9.2. OAuth 2.0 Kafka ブローカーの設定
OAuth 2.0 認証の Kafka ブローカー設定には、以下が関係します。
- 認可サーバーでの OAuth 2.0 クライアントの作成
- Kafka クラスターでの OAuth 2.0 認証の設定
認可サーバーに関連する Kafka ブローカーおよび Kafka クライアントはどちらも OAuth 2.0 クライアントと見なされます。
6.4.9.2.1. 認可サーバーの OAuth 2.0 クライアント設定
セッションの開始中に受信されたトークンを検証するように Kafka ブローカーを設定するには、認可サーバーで OAuth 2.0 の クライアント 定義を作成し、以下のクライアントクレデンシャルが有効な状態で 機密情報 として設定することが推奨されます。
-
kafka-broker
のクライアント ID (例) - 認証メカニズムとしてのクライアント ID およびシークレット
認可サーバーのパブリックでないイントロスペクションエンドポイントを使用する場合のみ、クライアント ID およびシークレットを使用する必要があります。高速のローカル JWT トークンの検証と同様に、パブリック認可サーバーのエンドポイントを使用する場合は通常、クレデンシャルは必要ありません。
6.4.9.2.2. Kafka クラスターでの OAuth 2.0 認証設定
Kafka クラスターで OAuth 2.0 認証を使用するには、Kafka server.properties
ファイルで Kafka クラスターの OAuth 認証リスナー設定を有効にします。最小限の設定が必要です。また、TLS が inter-broker 通信に使用される TLS リスナーを設定することもできます。
以下の方法のいずれかを使用して、認可サーバーによるトークン検証用にブローカーを設定できます。
- 高速のローカルトークン検証: 署名付き JWT 形式のアクセストークンと組み合わせた JWKS エンドポイント
- イントロスペクション エンドポイント
OAUTHBEARER または PLAIN 認証、またはその両方を設定できます。
以下の例は、グローバル リスナー設定を適用する最小の設定を示しています。これは、inter-broker 通信がアプリケーションクライアントと同じリスナーを通過することを意味します。
この例では、sasl.enabled.mechanisms
ではなく、listener.name.LISTENER-NAME.sasl.enabled.mechanisms
を指定する特定のリスナーの OAuth 2.0 設定も示しています。LISTENER-NAME は、リスナーの大文字と小文字を区別しない名前です。ここでは、リスナー CLIENT
という名前が付けられ、プロパティー名は listener.name.client.sasl.enabled.mechanisms
になります。
この例では OAUTHBEARER 認証を使用します。
例: JWKS エンドポイントを使用した OAuth 2.0 認証の最小リスナー設定
sasl.enabled.mechanisms=OAUTHBEARER 1 listeners=CLIENT://0.0.0.0:9092 2 listener.security.protocol.map=CLIENT:SASL_PLAINTEXT 3 listener.name.client.sasl.enabled.mechanisms=OAUTHBEARER 4 sasl.mechanism.inter.broker.protocol=OAUTHBEARER 5 inter.broker.listener.name=CLIENT 6 listener.name.client.oauthbearer.sasl.server.callback.handler.class=io.strimzi.kafka.oauth.server.JaasServerOauthValidatorCallbackHandler 7 listener.name.client.oauthbearer.sasl.jaas.config=org.apache.kafka.common.security.oauthbearer.OAuthBearerLoginModule required \ 8 oauth.valid.issuer.uri="https://AUTH-SERVER-ADDRESS" \ 9 oauth.jwks.endpoint.uri="https://AUTH-SERVER-ADDRESS/jwks" \ 10 oauth.username.claim="preferred_username" \ 11 oauth.client.id="kafka-broker" \ 12 oauth.client.secret="kafka-secret" \ 13 oauth.token.endpoint.uri="https://AUTH-SERVER-ADDRESS/token" ; 14 listener.name.client.oauthbearer.sasl.login.callback.handler.class=io.strimzi.kafka.oauth.client.JaasClientOauthLoginCallbackHandler 15 listener.name.client.oauthbearer.connections.max.reauth.ms=3600000 16
- 1
- SASL でのクレデンシャル交換に OAUTHBEARER メカニズムを有効にします。
- 2
- 接続するクライアントアプリケーションのリスナーを設定します。システム
hostname
はアドバタイズされたホスト名として使用されます。このホスト名は、再接続するためにクライアントが解決する必要があります。この例では、リスナーの名前はCLIENT
です。 - 3
- リスナーのチャネルプロトコルを指定します。
SASL_SSL
は TLS 用です。暗号化されていない接続 (TLS なし) にはSASL_PLAINTEXT
が使用されますが、TCP 接続層での盗聴のリスクがあります。 - 4
- CLIENT リスナーの OAUTHBEARER メカニズムを指定します。クライアント名 (
CLIENT
) は通常、listeners
プロパティーでは大文字、listener.name
プロパティー (listener.name.client
) では小文字、そしてlistener.name.client.*
プロパティーの一部である場合は小文字で指定されます。 - 5
- inter-broker 通信の OAUTHBEARER メカニズムを指定します。
- 6
- inter-broker 通信のリスナーを指定します。仕様は、有効な設定のために必要です。
- 7
- クライアントリスナーで OAuth 2.0 認証を設定します。
- 8
- クライアントおよび inter-broker 通信の認証設定を行います。
oauth.client.id
、oauth.client.secret
、およびauth.token.endpoint.uri
プロパティーは inter-broker 設定に関連するものです。 - 9
- 有効な発行者 URI。この発行者が発行するアクセストークンのみが受け入れられます。例: https://AUTH-SERVER-ADDRESS/auth/realms/REALM-NAME
- 10
- JWKS エンドポイント URL。例: https://AUTH-SERVER-ADDRESS/auth/realms/REALM-NAME/protocol/openid-connect/certs
- 11
- トークンの実際のユーザー名が含まれるトークン要求 (またはキー)。ユーザー名は、ユーザーの識別に使用される principal です。値は、使用される認証フローと承認サーバーによって異なります。
- 12
- すべてのブローカーで同じ Kafka ブローカーのクライアント ID。これは、
kafka-broker
として認可サーバーに登録されたクライアントです。 - 13
- Kafka ブローカーのシークレット (すべてのブローカーで同じ)。
- 14
- 認可サーバーへの OAuth 2.0 トークンエンドポイント URL。実稼働環境の場合は、常に
https://
urls を使用してください。例: https://AUTH-SERVER-ADDRESS/auth/realms/REALM-NAME/protocol/openid-connect/token - 15
- inter-broker 通信の OAuth2.0 認証を有効にします (inter-broker 通信の OAuth2.0 認証にのみ必要)。
- 16
- (オプション): トークンの期限が切れるとセッションが強制的に期限切れとなり、また、Kafka の再認証メカニズム が有効になります。指定された値がアクセストークンの有効期限が切れるまでの残り時間よりも短い場合、クライアントは実際にトークンの有効期限が切れる前に再認証する必要があります。デフォルトでは、アクセストークンの期限が切れてもセッションは期限切れにならず、クライアントは再認証を試行しません。
以下の例は、TLS が inter-broker の通信に使用される TLS リスナーの最小設定を示しています。
例: OAuth 2.0 認証の TLS リスナー設定
listeners=REPLICATION://kafka:9091,CLIENT://kafka:9092 1 listener.security.protocol.map=REPLICATION:SSL,CLIENT:SASL_PLAINTEXT 2 listener.name.client.sasl.enabled.mechanisms=OAUTHBEARER inter.broker.listener.name=REPLICATION listener.name.replication.ssl.keystore.password=KEYSTORE-PASSWORD 3 listener.name.replication.ssl.truststore.password=TRUSTSTORE-PASSWORD listener.name.replication.ssl.keystore.type=JKS listener.name.replication.ssl.truststore.type=JKS listener.name.replication.ssl.secure.random.implementation=SHA1PRNG 4 listener.name.replication.ssl.endpoint.identification.algorithm=HTTPS 5 listener.name.replication.ssl.keystore.location=PATH-TO-KEYSTORE 6 listener.name.replication.ssl.truststore.location=PATH-TO-TRUSTSTORE 7 listener.name.replication.ssl.client.auth=required 8 listener.name.client.oauthbearer.sasl.server.callback.handler.class=io.strimzi.kafka.oauth.server.JaasServerOauthValidatorCallbackHandler listener.name.client.oauthbearer.sasl.jaas.config=org.apache.kafka.common.security.oauthbearer.OAuthBearerLoginModule required \ oauth.valid.issuer.uri="https://AUTH-SERVER-ADDRESS" \ oauth.jwks.endpoint.uri="https://AUTH-SERVER-ADDRESS/jwks" \ oauth.username.claim="preferred_username" ; 9
- 1
- inter-broker 通信とクライアントアプリケーションには、個別の設定が必要です。
- 2
- REPLICATION リスナーが TLS を使用し、CLIENT リスナーが暗号化されていないチャネルで SASL を使用するように設定します。実稼働環境では、クライアントは暗号化されたチャンネル (
SASL_SSL
) を使用できます。 - 3
ssl.
プロパティーは TLS 設定を定義します。- 4
- 乱数ジェネレーターの実装。設定されていない場合は、Java プラットフォーム SDK デフォルトが使用されます。
- 5
- ホスト名の検証。空の文字列に設定すると、ホスト名の検証はオフになります。設定されていない場合、デフォルト値は
HTTPS
で、サーバー証明書のホスト名の検証を強制します。 - 6
- リスナーのキーストアへのパス。
- 7
- リスナーのトラストストアへのパス。
- 8
- (inter-broker 接続に使用される) TLS 接続の確立時に REPLICATION リスナーのクライアントがクライアント証明書で認証する必要があることを指定します。
- 9
- OAuth 2.0 の CLIENT リスナーを設定します。認可サーバーとの接続はセキュアな HTTPS 接続を使用する必要があります。
以下の例は、SASL でのクレデンシャル交換に PLAIN 認証メカニズムを使用した OAuth 2.0 認証の最小設定を示しています。高速なローカルトークン検証が使用されます。
例: PLAIN 認証の最小リスナー設定
listeners=CLIENT://0.0.0.0:9092 1 listener.security.protocol.map=CLIENT:SASL_PLAINTEXT 2 listener.name.client.sasl.enabled.mechanisms=OAUTHBEARER,PLAIN 3 sasl.mechanism.inter.broker.protocol=OAUTHBEARER 4 inter.broker.listener.name=CLIENT 5 listener.name.client.oauthbearer.sasl.server.callback.handler.class=io.strimzi.kafka.oauth.server.JaasServerOauthValidatorCallbackHandler 6 listener.name.client.oauthbearer.sasl.jaas.config=org.apache.kafka.common.security.oauthbearer.OAuthBearerLoginModule required \ 7 oauth.valid.issuer.uri="http://AUTH_SERVER/auth/realms/REALM" \ 8 oauth.jwks.endpoint.uri="https://AUTH_SERVER/auth/realms/REALM/protocol/openid-connect/certs" \ 9 oauth.username.claim="preferred_username" \ 10 oauth.client.id="kafka-broker" \ 11 oauth.client.secret="kafka-secret" \ 12 oauth.token.endpoint.uri="https://AUTH-SERVER-ADDRESS/token" ; 13 listener.name.client.oauthbearer.sasl.login.callback.handler.class=io.strimzi.kafka.oauth.client.JaasClientOauthLoginCallbackHandler 14 listener.name.client.plain.sasl.server.callback.handler.class=io.strimzi.kafka.oauth.server.plain.JaasServerOauthOverPlainValidatorCallbackHandler 15 listener.name.client.plain.sasl.jaas.config=org.apache.kafka.common.security.plain.PlainLoginModule required \ 16 oauth.valid.issuer.uri="https://AUTH-SERVER-ADDRESS" \ 17 oauth.jwks.endpoint.uri="https://AUTH-SERVER-ADDRESS/jwks" \ 18 oauth.username.claim="preferred_username" \ 19 oauth.token.endpoint.uri="http://AUTH_SERVER/auth/realms/REALM/protocol/openid-connect/token" ; 20 connections.max.reauth.ms=3600000 21
- 1
- 接続するクライアントアプリケーション用のリスナー (この例では
CLIENT
) を設定します。システムhostname
はアドバタイズされたホスト名として使用されます。このホスト名は、再接続するためにクライアントが解決する必要があります。これは唯一の設定済みリスナーであるため、inter-broker 通信にも使用されます。 - 2
- 暗号化されていないチャネルで SASL を使用するように例の
CLIENT
リスナーを設定します。実稼働環境では、TCP 接続層での盗聴を避けるために、クライアントは暗号化チャンネル (SASL_SSL
) を使用する必要があります。 - 3
- SASL でのクレデンシャル交換の PLAIN 認証メカニズムおよび OAUTHBEARER を有効にします。inter-broker 通信に必要なため、OAUTHBEARER も指定されます。Kafka クライアントは、接続に使用するメカニズムを選択できます。
- 4
- inter-broker 通信の OAUTHBEARER 認証メカニズムを指定します。
- 5
- inter-broker 通信のリスナー (この例では
CLIENT
) を指定します。有効な設定のために必要です。 - 6
- OAUTHBEARER メカニズムのサーバーコールバックハンドラーを設定します。
- 7
- OAUTHBEARER メカニズムを使用して、クライアントおよび inter-broker 通信の認証設定を設定します。
oauth.client.id
、oauth.client.secret
、およびoauth.token.endpoint.uri
プロパティーは inter-broker 設定に関連するものです。 - 8
- 有効な発行者 URI。この発行者からのアクセストークンのみが受け入れられます。例: https://AUTH-SERVER-ADDRESS/auth/realms/REALM-NAME
- 9
- JWKS エンドポイント URL。例: https://AUTH-SERVER-ADDRESS/auth/realms/REALM-NAME/protocol/openid-connect/certs
- 10
- トークンの実際のユーザー名が含まれるトークン要求 (またはキー)。ユーザー名は、ユーザーを識別する プリンシパル です。値は、使用される認証フローと承認サーバーによって異なります。
- 11
- すべてのブローカーで同じ Kafka ブローカーのクライアント ID。これは、
kafka-broker
として認可サーバーに登録されたクライアントです。 - 12
- Kafka ブローカーの秘密 (すべてのブローカーで同じ)。
- 13
- 認可サーバーへの OAuth 2.0 トークンエンドポイント URL。実稼働環境の場合は、常に
https://
urls を使用してください。例: https://AUTH-SERVER-ADDRESS/auth/realms/REALM-NAME/protocol/openid-connect/token - 14
- inter-broker 通信に OAuth 2.0 認証を有効にします。
- 15
- PLAIN 認証のサーバーコールバックハンドラーを設定します。
- 16
- PLAIN 認証を使用して、クライアント通信の認証設定を設定します。
oauth.token.endpoint.uri
は、OAuth 2.0 クライアントクレデンシャルメカニズム を使用して OAuth 2.0 over PLAIN を有効にする任意のプロパティーです。 - 17
- 有効な発行者 URI。この発行者からのアクセストークンのみが受け入れられます。例: https://AUTH-SERVER-ADDRESS/auth/realms/REALM-NAME
- 18
- JWKS エンドポイント URL。例: https://AUTH-SERVER-ADDRESS/auth/realms/REALM-NAME/protocol/openid-connect/certs
- 19
- トークンの実際のユーザー名が含まれるトークン要求 (またはキー)。ユーザー名は、ユーザーを識別する プリンシパル です。値は、使用される認証フローと承認サーバーによって異なります。
- 20
- 承認サーバーへの OAuth 2.0 トークンエンドポイント URL。PLAIN メカニズムの追加設定。これが指定されている場合、クライアントは
$accessToken:
接頭辞を使用してアクセストークンをpassword
として渡すことで、PLAIN 経由で認証できます。実稼働環境の場合は、常に
https://
urls を使用してください。例: https://AUTH-SERVER-ADDRESS/auth/realms/REALM-NAME/protocol/openid-connect/token - 21
- (オプション): トークンの期限が切れるとセッションが強制的に期限切れとなり、また、Kafka の再認証メカニズム が有効になります。指定された値がアクセストークンの有効期限が切れるまでの残り時間よりも短い場合、クライアントは実際にトークンの有効期限が切れる前に再認証する必要があります。デフォルトでは、アクセストークンの期限が切れてもセッションは期限切れにならず、クライアントは再認証を試行しません。
6.4.9.2.3. 高速なローカル JWT トークン検証の設定
高速なローカル JWT トークンの検証では、JWT トークンの署名がローカルでチェックされます。
ローカルチェックでは、トークンに対して以下が確認されます。
-
アクセストークンに
Bearer
の (typ) 要求値が含まれ、トークンがタイプに準拠することを確認します。 - 有効 (期限切れでない) かどうかを確認します。
-
トークンに
validIssuerURI
と一致する発行元があることを確認します。
認可サーバーによって発行されなかったすべてのトークンが拒否されるよう、リスナーの設定時に 有効な発行者 URI を指定します。
高速のローカル JWT トークン検証の実行中に、認可サーバーの通信は必要はありません。OAuth 2.0 認可サーバーによって公開される JWK エンドポイント URI を指定して、高速のローカル JWT トークン検証をアクティベートします。エンドポイントには、署名済み JWT トークンの検証に使用される公開鍵が含まれます。これらは、Kafka クライアントによってクレデンシャルとして送信されます。
認可サーバーとの通信はすべて HTTPS を使用して実行する必要があります。
TLS リスナーでは、証明書 トラストストア を設定し、トラストストアファイルをポイントできます。
高速なローカル JWT トークン検証のプロパティーの例
listener.name.client.oauthbearer.sasl.jaas.config=org.apache.kafka.common.security.oauthbearer.OAuthBearerLoginModule required \ oauth.valid.issuer.uri="https://AUTH-SERVER-ADDRESS" \ 1 oauth.jwks.endpoint.uri="https://AUTH-SERVER-ADDRESS/jwks" \ 2 oauth.jwks.refresh.seconds="300" \ 3 oauth.jwks.refresh.min.pause.seconds="1" \ 4 oauth.jwks.expiry.seconds="360" \ 5 oauth.username.claim="preferred_username" \ 6 oauth.ssl.truststore.location="PATH-TO-TRUSTSTORE-P12-FILE" \ 7 oauth.ssl.truststore.password="TRUSTSTORE-PASSWORD" \ 8 oauth.ssl.truststore.type="PKCS12" ; 9
- 1
- 有効な発行者 URI。この発行者が発行するアクセストークンのみが受け入れられます。例: https://AUTH-SERVER-ADDRESS/auth/realms/REALM-NAME
- 2
- JWKS エンドポイント URL。例: https://AUTH-SERVER-ADDRESS/auth/realms/REALM-NAME/protocol/openid-connect/certs
- 3
- エンドポイントの更新間隔 (デフォルトは 300)。
- 4
- JWKS 公開鍵の更新が連続して試行される間隔の最小一時停止時間 (秒単位)。不明な署名キーが検出されると、JWKS キーの更新は、最後に更新を試みてから少なくとも指定された期間は一時停止し、通常の定期スケジュール以外でスケジュールされます。キーの更新は指数バックオフのルールに従い、
oauth.jwks.refresh.seconds
に到達するまで、一時停止を増やして失敗した更新を再試行します。デフォルト値は 1 です。 - 5
- JWK 証明書が期限切れになる前に有効とみなされる期間。デフォルトは
360
秒です。デフォルトよりも長い時間を指定する場合は、無効になった証明書へのアクセスが許可されるリスクを考慮してください。 - 6
- トークンの実際のユーザー名が含まれるトークン要求 (またはキー)。ユーザー名は、ユーザーの識別に使用される principal です。値は、使用される認証フローと承認サーバーによって異なります。
- 7
- TLS 設定で使用されるトラストストアの場所。
- 8
- トラストストアにアクセスするためのパスワード。
- 9
- PKCS #12 形式のトラストストアタイプ。
6.4.9.2.4. OAuth 2.0 イントロスペクションエンドポイントの設定
OAuth 2.0 のイントロスペクションエンドポイントを使用したトークンの検証では、受信したアクセストークンは不透明として対処されます。Kafka ブローカーは、アクセストークンをイントロスペクションエンドポイントに送信します。このエンドポイントは、検証に必要なトークン情報を応答として返します。ここで重要なのは、特定のアクセストークンが有効である場合は最新情報を返すことで、トークンの有効期限に関する情報も返します。
OAuth 2.0 イントロスペクションベースの検証を設定するには、高速ローカル JWT トークン検証用に指定された JWK エンドポイント URI ではなく、イントロスペクションエンドポイント URI を指定します。通常、イントロスペクションエンドポイントは保護されているため、認可サーバーに応じて client ID および client secret を指定する必要があります。
イントロスペクションエンドポイントのプロパティー例
listener.name.client.oauthbearer.sasl.jaas.config=org.apache.kafka.common.security.oauthbearer.OAuthBearerLoginModule required \ oauth.introspection.endpoint.uri="https://AUTH-SERVER-ADDRESS/introspection" \ 1 oauth.client.id="kafka-broker" \ 2 oauth.client.secret="kafka-broker-secret" \ 3 oauth.ssl.truststore.location="PATH-TO-TRUSTSTORE-P12-FILE" \ 4 oauth.ssl.truststore.password="TRUSTSTORE-PASSWORD" \ 5 oauth.ssl.truststore.type="PKCS12" \ 6 oauth.username.claim="preferred_username" ; 7
- 1
- OAuth 2.0 イントロスペクションエンドポイント URI。例: https://AUTH-SERVER-ADDRESS/auth/realms/REALM-NAME/protocol/openid-connect/token/introspect
- 2
- Kafka ブローカーのクライアント ID。
- 3
- Kafka ブローカーのシークレット。
- 4
- TLS 設定で使用されるトラストストアの場所。
- 5
- トラストストアにアクセスするためのパスワード。
- 6
- PKCS #12 形式のトラストストアタイプ。
- 7
- トークンの実際のユーザー名が含まれるトークン要求 (またはキー)。ユーザー名は、ユーザーの識別に使用される principal です。
oauth.username.claim
の値は、使用される承認サーバーによって異なります。
6.4.9.3. Kafka ブローカーの再認証の設定
Kafka クライアントと Kafka ブローカー間の OAuth 2.0 セッションに Kafka session re-authentication を使用するように、OAuth リスナーを設定できます。このメカニズムは、定義された期間後に、クライアントとブローカー間の認証されたセッションを期限切れにします。セッションの有効期限が切れると、クライアントは既存の接続を破棄せずに再使用して、新しいセッションを即座に開始します。
セッションの再認証はデフォルトで無効になっています。これは、server.properties
ファイルで有効にできます。SASL メカニズムとして OAUTHBEARER または PLAIN を有効にした TLS リスナーに connections.max.reauth.ms
プロパティーを設定します。
リスナーごとにセッションの再認証を指定できます。以下に例を示します。
listener.name.client.oauthbearer.connections.max.reauth.ms=3600000
セッションの再認証は、クライアントによって使用される Kafka クライアントライブラリーによってサポートされる必要があります。
セッションの再認証は、高速ローカル JWT または イントロスペクションエンドポイント のトークン検証と共に使用できます。
クライアントの再認証
ブローカーの認証されたセッションが期限切れになると、クライアントは接続を切断せずに新しい有効なアクセストークンをブローカーに送信し、既存のセッションを再認証する必要があります。
トークンの検証に成功すると、既存の接続を使用して新しいクライアントセッションが開始されます。クライアントが再認証に失敗した場合、さらにメッセージを送受信しようとすると、ブローカーは接続を閉じます。ブローカーで再認証メカニズムが有効になっていると、Kafka クライアントライブラリー 2.2 以降を使用する Java クライアントが自動的に再認証されます。
更新トークンが使用される場合、セッションの再認証は更新トークンにも適用されます。セッションが期限切れになると、クライアントは更新トークンを使用してアクセストークンを更新します。その後、クライアントは新しいアクセストークンを使用して既存の接続に再認証されます。
OAUTHBEARER および PLAIN のセッションの有効期限
セッションの再認証が設定されている場合、OAUTHBEARER と PLAIN 認証ではセッションの有効期限は異なります。
クライアント ID とシークレット による方法を使用する OAUTHBEARER および PLAIN の場合:
-
ブローカーの認証されたセッションは、設定された
connections.max.reauth.ms
で期限切れになります。 - アクセストークンが設定期間前に期限切れになると、セッションは設定期間前に期限切れになります。
有効期間の長いアクセストークン 方法を使用する PLAIN の場合:
-
ブローカーの認証されたセッションは、設定された
connections.max.reauth.ms
で期限切れになります。 - アクセストークンが設定期間前に期限切れになると、再認証に失敗します。セッションの再認証は試行されますが、PLAIN にはトークンを更新するメカニズムがありません。
connections.max.reauth.ms
が 設定されていない 場合は、再認証しなくても、OAUTHBEARER および PLAIN クライアントはブローカーへの接続を無期限に維持します。認証されたセッションは、アクセストークンの期限が切れても終了しません。ただし、keycloak
認可を使用したり、カスタム authorizer をインストールして、認可を設定する場合に考慮できます。
6.4.9.4. OAuth 2.0 Kafka クライアントの設定
Kafka クライアントは以下のいずれかで設定されます。
- 認可サーバーから有効なアクセストークンを取得するために必要なクレデンシャル (クライアント ID およびシークレット)。
- 認可サーバーから提供されたツールを使用して取得された、有効期限の長い有効なアクセストークンまたは更新トークン。
アクセストークンは、Kafka ブローカーに送信される唯一の情報です。アクセストークンを取得するために認可サーバーでの認証に使用されるクレデンシャルは、ブローカーに送信されません。
クライアントによるアクセストークンの取得後、認可サーバーと通信する必要はありません。
クライアント ID とシークレットを使用した認証が最も簡単です。有効期間の長いアクセストークンまたは更新トークンを使用すると、認可サーバーツールに追加の依存関係があるため、より複雑になります。
有効期間が長いアクセストークンを使用している場合は、認可サーバーでクライアントを設定し、トークンの最大有効期間を長くする必要があります。
Kafka クライアントが直接アクセストークンで設定されていない場合、クライアントは認可サーバーと通信して Kafka セッションの開始中にアクセストークンのクレデンシャルを交換します。Kafka クライアントは以下のいずれかを交換します。
- クライアント ID およびシークレット
- クライアント ID、更新トークン、および (任意の) シークレット
- ユーザー名とパスワード、およびクライアント ID と (オプションで) シークレット
6.4.9.5. OAuth 2.0 クライアント認証フロー
OAuth 2.0 認証フローは、基礎となる Kafka クライアントおよび Kafka ブローカー設定によって異なります。フローは、使用する認可サーバーによってもサポートされる必要があります。
Kafka ブローカーリスナー設定は、クライアントがアクセストークンを使用して認証する方法を決定します。クライアントはクライアント ID およびシークレットを渡してアクセストークンをリクエストできます。
リスナーが PLAIN 認証を使用するように設定されている場合、クライアントはクライアント ID およびシークレット、または、ユーザー名およびアクセストークンで認証できます。これらの値は PLAIN メカニズムの username
および password
プロパティーとして渡されます。
リスナー設定は、以下のトークン検証オプションをサポートします。
- 認可サーバーと通信しない、JWT の署名確認およびローカルトークンのイントロスペクションをベースとした高速なローカルトークン検証を使用できます。認可サーバーは、トークンで署名を検証するために使用される公開証明書のある JWKS エンドポイントを提供します。
- 認可サーバーが提供するトークンイントロスペクションエンドポイントへの呼び出しを使用することができます。新しい Kafka ブローカー接続が確立されるたびに、ブローカーはクライアントから受け取ったアクセストークンを認可サーバーに渡します。Kafka ブローカーは応答を確認して、トークンが有効かどうかを確認します。
認可サーバーは不透明なアクセストークンの使用のみを許可する可能性があり、この場合はローカルトークンの検証は不可能です。
Kafka クライアントクレデンシャルは、以下のタイプの認証に対して設定することもできます。
- 以前に生成された有効期間の長いアクセストークンを使用した直接ローカルアクセス
- 新しいアクセストークンを発行するには、認可サーバーに連絡します (クライアント ID とシークレット、または更新トークン、またはユーザー名とパスワードを使用)。
6.4.9.5.1. SASL OAUTHBEARER メカニズムを使用したクライアント認証フローの例
SASL OAUTHBEARER メカニズムを使用して、Kafka 認証に以下の通信フローを使用できます。
クライアントがクライアント ID とシークレットを使用し、ブローカーが検証を認可サーバーに委任する場合
- Kafka クライアントは、クライアント ID およびシークレットを使用して認可サーバーからアクセストークンを要求し、必要に応じて更新トークンを要求します。または、クライアントはユーザー名とパスワードを使用して認証することもできます。
- 認可サーバーは新しいアクセストークンを生成します。
- Kafka クライアントは、SASL OAUTHBEARER メカニズムを使用してアクセストークンを渡すことで Kafka ブローカーで認証されます。
- Kafka ブローカーは、独自のクライアント ID およびシークレットを使用し、認可サーバーでトークンイントロスペクションエンドポイントを呼び出すことで、アクセストークンを検証します。
- トークンが有効な場合、Kafka クライアントセッションが確立されます。
クライアントがクライアント ID およびシークレットを使用し、ブローカーが高速のローカルトークン検証を実行する場合
- Kafka クライアントは、クライアント ID およびシークレットを使用し、オプションで更新トークンを使用して、トークンエンドポイントから認可サーバーで認証します。または、クライアントはユーザー名とパスワードを使用して認証することもできます。
- 認可サーバーは新しいアクセストークンを生成します。
- Kafka クライアントは、SASL OAUTHBEARER メカニズムを使用してアクセストークンを渡すことで Kafka ブローカーで認証されます。
- Kafka ブローカーは、JWT トークン署名チェックおよびローカルトークンイントロスペクションを使用して、ローカルでアクセストークンを検証します。
クライアントが有効期限の長いアクセストークンを使用し、ブローカーが検証を認可サーバーに委任する場合
- Kafka クライアントは、SASL OAUTHBEARER メカニズムを使用して、有効期限の長いアクセストークンを渡すために Kafka ブローカーで認証します。
- Kafka ブローカーは、独自のクライアント ID およびシークレットを使用して、認可サーバーでトークンイントロスペクションエンドポイントを呼び出し、アクセストークンを検証します。
- トークンが有効な場合、Kafka クライアントセッションが確立されます。
クライアントが有効期限の長いアクセストークンを使用し、ブローカーが高速のローカル検証を実行する場合
- Kafka クライアントは、SASL OAUTHBEARER メカニズムを使用して、有効期限の長いアクセストークンを渡すために Kafka ブローカーで認証します。
- Kafka ブローカーは、JWT トークン署名チェックおよびローカルトークンイントロスペクションを使用して、ローカルでアクセストークンを検証します。
トークンが取り消された場合に認可サーバーとのチェックが行われないため、高速のローカル JWT トークン署名の検証は有効期限の短いトークンにのみ適しています。トークンの有効期限はトークンに書き込まれますが、失効はいつでも発生する可能性があるため、認可サーバーと通信せずに対応することはできません。発行されたトークンはすべて期限切れになるまで有効とみなされます。
6.4.9.5.2. SASL PLAIN メカニズムを使用したクライアント認証フローの例
OAuth PLAIN メカニズムを使用して、Kafka 認証に以下の通信フローを使用できます。
クライアントがクライアント ID およびシークレットを使用し、ブローカーがクライアントのアクセストークンを取得する場合
-
Kafka クライアントは、
clientId
をユーザー名として、secret
をパスワードとして渡します。 -
Kafka ブローカーは、トークンエンドポイントを使用して
clientId
およびsecret
を認可サーバーに渡します。 - 認可サーバーは、新しいアクセストークンまたはエラー (クライアントクレデンシャルが有効でない場合) を返します。
Kafka ブローカーは、以下のいずれかの方法でトークンを検証します。
- トークンイントロスペクションエンドポイントが指定されている場合、Kafka ブローカーは認可サーバーでエンドポイントを呼び出すことで、アクセストークンを検証します。トークンの検証に成功した場合には、セッションが確立されます。
- ローカルトークンのイントロスペクションが使用される場合、要求は認可サーバーに対して行われません。Kafka ブローカーは、JWT トークン署名チェックを使用して、アクセストークンをローカルで検証します。
クライアントが、クライアント ID およびシークレットなしで有効期限の長いアクセストークンを使用する場合
- Kafka クライアントはユーザー名とパスワードを渡します。パスワードは、クライアントを実行する前に手動で取得および設定されたアクセストークンの値を提供します。
Kafka ブローカーリスナーが認証のトークンエンドポイントで設定されているかどうかに応じて、
$accessToken:
文字列の接頭辞の有無にかかわらず、パスワードは渡されます。-
トークンエンドポイントが設定されている場合、パスワードの前に
$accessToken:
を付け、password パラメーターにクライアントシークレットではなくアクセストークンが含まれていることをブローカーに知らせる必要があります。Kafka ブローカーは、ユーザー名をアカウントのユーザー名として解釈します。 -
トークンエンドポイントが Kafka ブローカーリスナーで設定されていない場合 (
no-client-credentials mode
を強制)、パスワードは接頭辞なしでアクセストークンを提供する必要があります。Kafka ブローカーは、ユーザー名をアカウントのユーザー名として解釈します。このモードでは、クライアントはクライアント ID およびシークレットを使用せず、password
パラメーターは常に raw アクセストークンとして解釈されます。
-
トークンエンドポイントが設定されている場合、パスワードの前に
Kafka ブローカーは、以下のいずれかの方法でトークンを検証します。
- トークンイントロスペクションエンドポイントが指定されている場合、Kafka ブローカーは認可サーバーでエンドポイントを呼び出すことで、アクセストークンを検証します。トークンの検証に成功した場合には、セッションが確立されます。
- ローカルトークンイントロスペクションが使用されている場合には、認可サーバーへの要求はありません。Kafka ブローカーは、JWT トークン署名チェックを使用して、アクセストークンをローカルで検証します。
6.4.9.6. OAuth 2.0 認証の設定
OAuth 2.0 は、Kafka クライアントと AMQ Streams コンポーネントとの対話に使用されます。
AMQ Streams に OAuth 2.0 を使用するには、以下を行う必要があります。
6.4.9.6.1. OAuth 2.0 認可サーバーとしての Red Hat Single Sign-On の設定
この手順では、Red Hat Single Sign-On を認可サーバーとしてデプロイし、AMQ Streams と統合するための設定方法を説明します。
認可サーバーは、一元的な認証および認可の他、ユーザー、クライアント、およびパーミッションの一元管理を実現します。Red Hat Single Sign-On にはレルムの概念があります。レルム はユーザー、クライアント、パーミッション、およびその他の設定の個別のセットを表します。デフォルトの マスターレルム を使用できますが、新しいレルムを作成することもできます。各レルムは独自の OAuth 2.0 エンドポイントを公開します。そのため、アプリケーションクライアントとアプリケーションサーバーはすべて同じレルムを使用する必要があります。
AMQ Streams で OAuth 2.0 を使用するには、Red Hat Single Sign-On のデプロイメントを使用して認証レルムを作成および管理します。
Red Hat Single Sign-On がすでにデプロイされている場合は、デプロイメントの手順を省略して、現在のデプロイメントを使用できます。
作業を開始する前に
Red Hat Single Sign-On を使用するための知識が必要です。
インストールおよび管理の手順は、以下を参照してください。
前提条件
- AMQ Streams および Kafka が稼働している。
Red Hat Single Sign-On デプロイメントの場合:
- Red Hat Single Sign-On でサポートされる設定 を確認している。
手順
Red Hat Single Sign-On をインストールします。
ZIP ファイルから、または RPM を使用してインストールできます。
Red Hat Single Sign-On の Admin Console にログインし、AMQ Streams の OAuth 2.0 ポリシーを作成します。
ログインの詳細は、Red Hat Single Sign-On のデプロイ時に提供されます。
レルムを作成し、有効にします。
既存のマスターレルムを使用できます。
- 必要に応じて、レルムのセッションおよびトークンのタイムアウトを調整します。
-
kafka-broker
というクライアントを作成します。 Settings タブで以下を設定します。
-
Access Type を
Confidential
に設定します。 -
Standard Flow Enabled を
OFF
に設定し、このクライアントからの Web ログインを無効にします。 -
Service Accounts Enabled を
ON
に設定し、このクライアントが独自の名前で認証できるようにします。
-
Access Type を
- 続行する前に Save クリックします。
- タブにある、AMQ Streams の Kafka クラスター設定で使用するシークレットを書き留めておきます。
Kafka ブローカーに接続するすべてのアプリケーションクライアントに対して、このクライアント作成手順を繰り返し行います。
新しいクライアントごとに定義を作成します。
設定では、名前をクライアント ID として使用します。
次のステップ
認可サーバーのデプロイおよび設定後に、Kafka ブローカーが OAuth 2.0 を使用するように設定 します。
6.4.9.6.2. Kafka ブローカーの OAuth 2.0 サポートの設定
この手順では、ブローカーリスナーが認可サーバーを使用して OAuth 2.0 認証を使用するように、Kafka ブローカーを設定する方法について説明します。
TLS リスナーを設定して、暗号化されたインターフェイスで OAuth 2.0 を使用することが推奨されます。プレーンリスナーは推奨されません。
選択した認可サーバーをサポートするプロパティーと、実装している認可のタイプを使用して、Kafka ブローカーを設定します。
作業を開始する前の注意事項
Kafka ブローカーリスナーの設定および認証に関する詳細は、以下を参照してください。
リスナー設定で使用されるプロパティーの説明は、以下を参照してください。
前提条件
- AMQ Streams および Kafka が稼働している。
- OAuth 2.0 の認可サーバーがデプロイされている。
手順
server.properties
ファイルで Kafka ブローカーリスナー設定を設定します。たとえば、OAUTHBEARER メカニズムを使用する場合:
sasl.enabled.mechanisms=OAUTHBEARER listeners=CLIENT://0.0.0.0:9092 listener.security.protocol.map=CLIENT:SASL_PLAINTEXT listener.name.client.sasl.enabled.mechanisms=OAUTHBEARER sasl.mechanism.inter.broker.protocol=OAUTHBEARER inter.broker.listener.name=CLIENT listener.name.client.oauthbearer.sasl.server.callback.handler.class=io.strimzi.kafka.oauth.server.JaasServerOauthValidatorCallbackHandler listener.name.client.oauthbearer.sasl.jaas.config=org.apache.kafka.common.security.oauthbearer.OAuthBearerLoginModule required ; listener.name.client.oauthbearer.sasl.login.callback.handler.class=io.strimzi.kafka.oauth.client.JaasClientOauthLoginCallbackHandler
listener.name.client.oauthbearer.sasl.jaas.config
の一部としてブローカーの接続設定を行います。この例では、接続設定オプションを示しています。
例 1: JWKS エンドポイント設定を使用したローカルトークンの検証
listener.name.client.oauthbearer.sasl.jaas.config=org.apache.kafka.common.security.oauthbearer.OAuthBearerLoginModule required \ oauth.valid.issuer.uri="https://AUTH-SERVER-ADDRESS/auth/realms/REALM-NAME" \ oauth.jwks.endpoint.uri="https://AUTH-SERVER-ADDRESS/auth/realms/REALM-NAME/protocol/openid-connect/certs" \ oauth.jwks.refresh.seconds="300" \ oauth.jwks.refresh.min.pause.seconds="1" \ oauth.jwks.expiry.seconds="360" \ oauth.username.claim="preferred_username" \ oauth.ssl.truststore.location="PATH-TO-TRUSTSTORE-P12-FILE" \ oauth.ssl.truststore.password="TRUSTSTORE-PASSWORD" \ oauth.ssl.truststore.type="PKCS12" ; listener.name.client.oauthbearer.connections.max.reauth.ms=3600000
例 2: OAuth 2.0 イントロスペクションエンドポイントを使用した認可サーバーへのトークン検証の委任
listener.name.client.oauthbearer.sasl.jaas.config=org.apache.kafka.common.security.oauthbearer.OAuthBearerLoginModule required \ oauth.introspection.endpoint.uri="https://AUTH-SERVER-ADDRESS/auth/realms/REALM-NAME/protocol/openid-connect/introspection" \ # ...
必要な場合は、認可サーバーへのアクセスを設定します。
この手順は通常、サービスメッシュ などの技術がコンテナーの外部でセキュアなチャネルを設定するために使用される場合を除き、実稼働環境で必要になります。
セキュアな認可サーバーに接続するためのカスタムトラストストアを指定します。認可サーバーへのアクセスには SSL が常に必要になります。
プロパティーを設定して、トラストストアを設定します。
以下に例を示します。
listener.name.client.oauthbearer.sasl.jaas.config=org.apache.kafka.common.security.oauthbearer.OAuthBearerLoginModule required \ # ... oauth.client.id="kafka-broker" \ oauth.client.secret="kafka-broker-secret" \ oauth.ssl.truststore.location="PATH-TO-TRUSTSTORE-P12-FILE" \ oauth.ssl.truststore.password="TRUSTSTORE-PASSWORD" \ oauth.ssl.truststore.type="PKCS12" ;
証明書のホスト名がアクセス URL ホスト名と一致しない場合は、証明書のホスト名の検証をオフにできます。
oauth.ssl.endpoint.identification.algorithm=""
このチェックは、認可サーバーへのクライアント接続が認証されるようにします。実稼働以外の環境で検証をオフにすることもできます。
選択した認証フローに従って追加のプロパティーを設定します。
listener.name.client.oauthbearer.sasl.jaas.config=org.apache.kafka.common.security.oauthbearer.OAuthBearerLoginModule required \ # ... oauth.token.endpoint.uri="https://AUTH-SERVER-ADDRESS/auth/realms/REALM-NAME/protocol/openid-connect/token" \ 1 oauth.custom.claim.check="@.custom == 'custom-value'" \ 2 oauth.scope="SCOPE" \ 3 oauth.check.audience="true" \ 4 oauth.audience="AUDIENCE" \ 5 oauth.valid.issuer.uri="https://https://AUTH-SERVER-ADDRESS/auth/REALM-NAME" \ 6 oauth.client.id="kafka-broker" \ 7 oauth.client.secret="kafka-broker-secret" \ 8 oauth.connect.timeout.seconds=60 \ 9 oauth.read.timeout.seconds=60 \ 10 oauth.http.retries=2 \ 11 oauth.http.retry.pause.millis=300 \ 12 oauth.groups.claim="$.groups" \ 13 oauth.groups.claim.delimiter="," ; 14
- 1
- 認可サーバーへの OAuth 2.0 トークンエンドポイント URL。実稼働環境の場合は、常に
https://
urls を使用してください。KeycloakRBACAuthorizer
を使用する場合、または inter-broker 通信に OAuth 2.0 が有効なリスナーが使用されている場合に必要です。 - 2
- (オプション) カスタムクレームチェック。検証時に追加のカスタムルールを JWT アクセストークンに適用する JsonPath フィルタークエリー。アクセストークンに必要なデータが含まれていないと拒否されます。イントロスペクション エンドポイントメソッドを使用する場合は、カスタムチェックがイントロスペクションエンドポイントの応答 JSON に適用されます。
- 3
- (オプション)
scope
パラメーターがトークンエンドポイントに渡されます。スコープ は、inter-broker 認証用にアクセストークンを取得する場合に使用されます。また、clientId
とsecret
を使用した PLAIN クライアント認証の上にある OAuth 2.0 のクライアント名にも使われています。これは、認可サーバーに応じて、トークンの取得機能とトークンの内容のみに影響します。リスナーによるトークン検証ルールには影響しません。 - 4
- (オプション) オーディエンスチェック。認可サーバーが
aud
(オーディエンス) クレームを提供していて、オーディエンスチェックを実施する場合は、ouath.check.audience
をtrue
に設定します。オーディエンスチェックによって、トークンの目的の受信者が特定されます。これにより、Kafka ブローカーはaud
要求にclientId
を持たないトークンを拒否します。デフォルトはfalse
です。 - 5
- (オプション) トークンエンドポイントに渡される
audience
パラメーター。オーディエンス は、inter-broker 認証用にアクセストークンを取得する場合に使用されます。また、clientId
とsecret
を使用した PLAIN クライアント認証の上にある OAuth 2.0 のクライアント名にも使われています。これは、認可サーバーに応じて、トークンの取得機能とトークンの内容のみに影響します。リスナーによるトークン検証ルールには影響しません。 - 6
- 有効な発行者 URI。この発行者が発行するアクセストークンのみが受け入れられます。(常に必要です)
- 7
- すべてのブローカーで同一の、Kafka ブローカーの設定されたクライアント ID。これは、
kafka-broker
として承認サーバーに登録されたクライアントです。イントロスペクションエンドポイントがトークンの検証に使用される場合、またはKeycloakRBACAuthorizer
が使用される場合に必要です。 - 8
- すべてのブローカーで同じ Kafka ブローカーに設定されたシークレット。ブローカーが認証サーバーに対して認証する必要がある場合は、クライアントシークレット、アクセストークン、または更新トークンのいずれかを指定する必要があります。
- 9
- (オプション) 認可サーバーへの接続時のタイムアウト (秒単位)。デフォルト値は 60 です。
- 10
- (オプション): 認可サーバーへの接続時の読み取りタイムアウト (秒単位)。デフォルト値は 60 です。
- 11
- 認可サーバーへの失敗した HTTP リクエストを再試行する最大回数。デフォルト値は 0 で、再試行は実行されないことを意味します。このオプションを効果的に使用するには、
oauth.connect.timeout.seconds
オプションとoauth.read.timeout.seconds
オプションのタイムアウト時間を短縮することを検討してください。ただし、再試行により現在のワーカースレッドが他のリクエストで利用できなくなる可能性があり、リクエストが多すぎると停止する場合、Kafka ブローカーが応答しなくなる可能性があることに注意してください。 - 12
- 認可サーバーへの失敗した HTTP リクエストの再試行を行うまでの待機時間。デフォルトでは、この時間はゼロに設定されており、一時停止は適用されません。これは、リクエストの失敗の原因となる問題の多くは、リクエストごとのネットワークの不具合やプロキシーの問題であり、すぐに解決できるためです。ただし、認可サーバーに負荷がかかっている場合、または高トラフィックが発生している場合は、このオプションを 100 ミリ秒以上の値に設定して、サーバーの負荷を軽減し、再試行が成功する可能性を高めることができます。
- 13
- JWT トークンまたはイントロスペクションエンドポイントの応答からグループ情報を抽出するために使用される JsonPath クエリー。デフォルトでは設定されません。これは、カスタム承認者がユーザーグループに基づいて認可を決定するために使用できます。
- 14
- 1 つのコンマ区切りの文字列として返されるときにグループ情報を解析するために使用される区切り文字。デフォルト値は ,(コンマ) です。
OAuth 2.0 認証の適用方法、および使用されている認証サーバーのタイプに応じて、設定を追加します。
listener.name.client.oauthbearer.sasl.jaas.config=org.apache.kafka.common.security.oauthbearer.OAuthBearerLoginModule required \ # ... oauth.check.issuer=false \ 1 oauth.fallback.username.claim="CLIENT-ID" \ 2 oauth.fallback.username.prefix="CLIENT-ACCOUNT" \ 3 oauth.valid.token.type="bearer" \ 4 oauth.userinfo.endpoint.uri="https://AUTH-SERVER-ADDRESS/auth/realms/REALM-NAME/protocol/openid-connect/userinfo" ; 5
- 1
- 認可サーバーが
iss
クレームを提供しない場合は、発行者チェックを行うことができません。このような場合、oauth.check.issuer
をfalse
に設定し、oauth.valid.issuer.uri
を指定しないようにします。デフォルトはtrue
です。 - 2
- 認可サーバーは、通常ユーザーとクライアントの両方を識別する単一の属性を提供しない場合があります。クライアントが独自の名前で認証される場合、サーバーによって クライアント ID が提供されることがあります。更新トークンまたはアクセストークンを取得するために、ユーザー名およびパスワードを使用してユーザーが認証される場合、サーバーによってクライアント ID の他に ユーザー名 が提供されることがあります。プライマリーユーザー ID 属性が使用できない場合は、このフォールバックオプションで、使用するユーザー名クレーム (属性) を指定します。
- 3
oauth.fallback.username.claim
が適用される場合、ユーザー名クレームの値とフォールバックユーザー名クレームの値が競合しないようにする必要もあることがあります。producer
というクライアントが存在し、producer
という通常ユーザーも存在する場合について考えてみましょう。この 2 つを区別するには、このプロパティーを使用してクライアントのユーザー ID に接頭辞を追加します。- 4
- (
oauth.introspection.endpoint.uri
を使用する場合のみ該当): 使用している認証サーバーによっては、イントロスペクションエンドポイントによって トークンタイプ 属性が返されるかどうかはわからず、異なる値が含まれることがあります。イントロスペクションエンドポイントからの応答に含まれなければならない有効なトークンタイプ値を指定できます。 - 5
- (
oauth.introspection.endpoint.uri
を使用する場合のみ該当): イントロスペクションエンドポイントの応答に識別可能な情報が含まれないように、認可サーバーが設定または実装されることがあります。ユーザー ID を取得するには、userinfo
エンドポイントの URI をフォールバックとして設定します。oauth.fallback.username.claim
、oauth.fallback.username.claim
、およびoauth.fallback.username.prefix
設定がuserinfo
エンドポイントの応答に適用されます。
6.4.9.6.3. OAuth 2.0 を使用するための Kafka Java クライアントの設定
Kafka ブローカーとの対話に OAuth 2.0 を使用するように Kafka プロデューサー API とコンシューマー API を設定します。コールバックプラグインをクライアントの pom.xml
ファイルに追加してから、OAuth 2.0 用にクライアントを設定します。
クライアント設定で次を指定します。
SASL (Simple Authentication and Security Layer) セキュリティープロトコル:
-
TLS 暗号化接続を介した認証用の
SASL_SSL
暗号化されていない接続を介した認証用の
SASL_PLAINTEXT
プロダクションには
SASL_SSL
を使用し、ローカル開発にはSASL_PLAINTEXT
のみを使用してください。SASL_SSL
を使用する場合は、追加のssl.truststore
設定が必要です。OAuth 2.0 認可サーバーへのセキュアな接続 (https://
) には、トラストストア設定が必要です。OAuth 2.0 認可サーバーを確認するには、認可サーバーの CA 証明書をクライアント設定のトラストストアに追加します。トラストストアは、PEM または PKCS #12 形式で設定できます。
-
TLS 暗号化接続を介した認証用の
Kafka SASL メカニズム:
-
ベアラートークンを使用したクレデンシャル交換用の
OAUTHBEARER
-
クライアントクレデンシャル (clientId + secret) またはアクセストークンを渡す
PLAIN
-
ベアラートークンを使用したクレデンシャル交換用の
SASL メカニズムを実装する JAAS (Java Authentication and Authorization Service) モジュール:
-
org.apache.kafka.common.security.oauthbearer.OAuthBearerLoginModule
は OAUTHBEARER メカニズムを実装します。 -
org.apache.kafka.common.security.plain.PlainLoginModule
は PLAIN メカニズムを実装します。
-
以下の認証方法をサポートする SASL 認証プロパティー:
- OAuth 2.0 クライアントクレデンシャル
- OAuth 2.0 パスワード付与 (非推奨)
- アクセストークン
- トークンの更新
SASL 認証プロパティーを JAAS 設定 (sasl.jaas.config
) として追加します。認証プロパティーを設定する方法は、OAuth 2.0 認可サーバーへのアクセスに使用している認証方法によって異なります。この手順では、プロパティーはプロパティーファイルで指定されてから、クライアント設定にロードされます。
認証プロパティーを環境変数または Java システムプロパティーとして指定することもできます。Java システムプロパティーの場合は、setProperty
を使用して設定し、-D
オプションを使用してコマンドラインで渡すことができます。
前提条件
- AMQ Streams および Kafka が稼働している。
- OAuth 2.0 認可サーバーがデプロイされ、Kafka ブローカーへの OAuth のアクセスが設定されている。
- Kafka ブローカーが OAuth 2.0 に対して設定されている。
手順
OAuth 2.0 サポートのあるクライアントライブラリーを Kafka クライアントの
pom.xml
ファイルに追加します。<dependency> <groupId>io.strimzi</groupId> <artifactId>kafka-oauth-client</artifactId> <version>0.12.0.redhat-00006</version> </dependency>
プロパティーファイルで以下の設定を指定して、クライアントプロパティーを設定します。
- セキュリティープロトコル
- SASL メカニズム
使用されているメソッドに応じた JAAS モジュールと認証プロパティー
たとえば、以下を
client.properties
ファイルに追加できます。クライアントクレデンシャルメカニズムのプロパティー
security.protocol=SASL_SSL 1 sasl.mechanism=OAUTHBEARER 2 ssl.truststore.location=/tmp/truststore.p12 3 ssl.truststore.password=$STOREPASS ssl.truststore.type=PKCS12 sasl.jaas.config=org.apache.kafka.common.security.oauthbearer.OAuthBearerLoginModule required \ oauth.token.endpoint.uri="<token_endpoint_url>" \ 4 oauth.client.id="<client_id>" \ 5 oauth.client.secret="<client_secret>" \ 6 oauth.ssl.truststore.location="/tmp/oauth-truststore.p12" \ 7 oauth.ssl.truststore.password="$STOREPASS" \ 8 oauth.ssl.truststore.type="PKCS12" \ 9 oauth.scope="<scope>" \ 10 oauth.audience="<audience>" ; 11
- 1
- TLS 暗号化接続用の
SASL_SSL
セキュリティープロトコル。ローカル開発のみでは、暗号化されていない接続でSASL_PLAINTEXT
を使用します。 - 2
OAUTHBEARER
またはPLAIN
として指定された SASL メカニズム。- 3
- Kafka クラスターへのセキュアなアクセスのためのトラストストア設定。
- 4
- 認可サーバーのトークンエンドポイントの URI です。
- 5
- クライアント ID。認可サーバーで クライアント を作成するときに使用される名前です。
- 6
- 認可サーバーで クライアント を作成するときに作成されるクライアントシークレット。
- 7
- この場所には、認可サーバーの公開鍵証明書 (
truststore.p12
) が含まれています。 - 8
- トラストストアにアクセスするためのパスワード。
- 9
- トラストストアのタイプ。
- 10
- (オプション): トークンエンドポイントからトークンを要求するための
scope
。認可サーバーでは、クライアントによるスコープの指定が必要になることがあります。 - 11
- (オプション) トークンエンドポイントからトークンを要求するための
audience
。認可サーバーでは、クライアントによるオーディエンスの指定が必要になることがあります。
パスワード付与メカニズムのプロパティー
security.protocol=SASL_SSL sasl.mechanism=OAUTHBEARER ssl.truststore.location=/tmp/truststore.p12 ssl.truststore.password=$STOREPASS ssl.truststore.type=PKCS12 sasl.jaas.config=org.apache.kafka.common.security.oauthbearer.OAuthBearerLoginModule required \ oauth.token.endpoint.uri="<token_endpoint_url>" \ oauth.client.id="<client_id>" \ 1 oauth.client.secret="<client_secret>" \ 2 oauth.password.grant.username="<username>" \ 3 oauth.password.grant.password="<password>" \ 4 oauth.ssl.truststore.location="/tmp/oauth-truststore.p12" \ oauth.ssl.truststore.password="$STOREPASS" \ oauth.ssl.truststore.type="PKCS12" \ oauth.scope="<scope>" \ oauth.audience="<audience>" ;
- 1
- クライアント ID。認可サーバーで クライアント を作成するときに使用される名前です。
- 2
- (オプション) 認可サーバーで クライアント を作成するときに作成されるクライアントシークレット。
- 3
- パスワード付与認証のユーザー名。OAuth パスワード付与設定 (ユーザー名とパスワード) は、OAuth 2.0 パスワード付与メソッドを使用します。パスワード付与を使用するには、権限が制限された認可サーバーにクライアント用のユーザーアカウントを作成します。アカウントは、サービスアカウントのように機能する必要があります。認証にユーザーアカウントが必要な環境で使用しますが、最初に更新トークンの使用を検討してください。
- 4
- パスワード付与認証のパスワード。注記
SASL PLAIN は、OAuth 2.0 パスワード付与メソッドを使用したユーザー名とパスワードの受け渡し (パスワード付与) をサポートしていません。
アクセストークンのプロパティー
security.protocol=SASL_SSL sasl.mechanism=OAUTHBEARER ssl.truststore.location=/tmp/truststore.p12 ssl.truststore.password=$STOREPASS ssl.truststore.type=PKCS12 sasl.jaas.config=org.apache.kafka.common.security.oauthbearer.OAuthBearerLoginModule required \ oauth.token.endpoint.uri="<token_endpoint_url>" \ oauth.access.token="<access_token>" ; 1 oauth.ssl.truststore.location="/tmp/oauth-truststore.p12" \ oauth.ssl.truststore.password="$STOREPASS" \ oauth.ssl.truststore.type="PKCS12" \
- 1
- Kafka クライアントの有効期間が長いアクセストークン。
トークンのプロパティーを更新する
security.protocol=SASL_SSL sasl.mechanism=OAUTHBEARER ssl.truststore.location=/tmp/truststore.p12 ssl.truststore.password=$STOREPASS ssl.truststore.type=PKCS12 sasl.jaas.config=org.apache.kafka.common.security.oauthbearer.OAuthBearerLoginModule required \ oauth.token.endpoint.uri="<token_endpoint_url>" \ oauth.client.id="<client_id>" \ 1 oauth.client.secret="<client_secret>" \ 2 oauth.refresh.token="<refresh_token>" ; 3 oauth.ssl.truststore.location="/tmp/oauth-truststore.p12" \ oauth.ssl.truststore.password="$STOREPASS" \ oauth.ssl.truststore.type="PKCS12" \
OAUTH 2.0 認証のクライアントプロパティーを Java クライアントコードに入力します。
クライアントプロパティーの入力を示す例
Properties props = new Properties(); try (FileReader reader = new FileReader("client.properties", StandardCharsets.UTF_8)) { props.load(reader); }
- Kafka クライアントが Kafka ブローカーにアクセスできることを確認します。
6.4.10. OAuth 2.0 トークンベース承認の使用
AMQ Streams は、Red Hat Single Sign-On の 認可サービス による OAuth 2.0 トークンベースの認可をサポートします。これにより、セキュリティーポリシーとパーミッションの一元的な管理が可能になります。
Red Hat Single Sign-On で定義されたセキュリティーポリシーおよびパーミッションは、Kafka ブローカーのリソースへのアクセスを付与するために使用されます。ユーザーとクライアントは、Kafka ブローカーで特定のアクションを実行するためのアクセスを許可するポリシーに対して照合されます。
Kafka では、デフォルトですべてのユーザーがブローカーに完全アクセスできます。また、アクセス制御リスト (ACL) を基にして承認を設定するために AclAuthorizer
プラグインが提供されます。
ZooKeeper には、ユーザー名 を基にしてリソースへのアクセスを付与または拒否する ACL ルールが保存されます。ただし、Red Hat Single Sign-On を使用した OAuth 2.0 トークンベースの承認では、より柔軟にアクセス制御を Kafka ブローカーに実装できます。さらに、Kafka ブローカーで OAuth 2.0 の認可および ACL が使用されるように設定することができます。
6.4.10.1. OAuth 2.0 の認可メカニズム
AMQ Streams の OAuth 2.0 での認可では、Red Hat Single Sign-On サーバーの Authorization Services REST エンドポイントを使用して、Red Hat Single Sign-On を使用するトークンベースの認証が拡張されます。これは、定義されたセキュリティーポリシーを特定のユーザーに適用し、そのユーザーの異なるリソースに付与されたパーミッションのリストを提供します。ポリシーはロールとグループを使用して、パーミッションをユーザーと照合します。OAuth 2.0 の認可では、Red Hat Single Sign-On の Authorization Services から受信した、ユーザーに付与された権限のリストを基にして、権限がローカルで強制されます。
6.4.10.1.1. Kafka ブローカーのカスタム authorizer
AMQ Streams では、Red Hat Single Sign-On の authorizer (KeycloakRBACAuthorizer
) が提供されます。Red Hat Single Sign-On によって提供される Authorization Services で Red Hat Single Sign-On REST エンドポイントを使用できるようにするには、Kafka ブローカーでカスタム authorizer を設定します。
authorizer は必要に応じて付与された権限のリストを認可サーバーから取得し、ローカルで Kafka ブローカーに認可を強制するため、クライアントの要求ごとに迅速な認可決定が行われます。
6.4.10.2. OAuth 2.0 認可サポートの設定
この手順では、Red Hat Single Sign-On の Authorization Services を使用して、OAuth 2.0 認可を使用するように Kafka ブローカーを設定する方法を説明します。
作業を開始する前に
特定のユーザーに必要なアクセス、または制限するアクセスについて検討してください。Red Hat Single Sign-On では、Red Hat Single Sign-On の グループ、ロール、クライアント、および ユーザー の組み合わせを使用して、アクセスを設定できます。
通常、グループは組織の部門または地理的な場所を基にしてユーザーを照合するために使用されます。また、ロールは職務を基にしてユーザーを照合するために使用されます。
Red Hat Single Sign-On を使用すると、ユーザーおよびグループを LDAP で保存できますが、クライアントおよびロールは LDAP で保存できません。ユーザーデータへのアクセスとストレージを考慮して、認可ポリシーの設定方法を選択する必要がある場合があります。
スーパーユーザー は、Kafka ブローカーに実装された承認にかかわらず、常に制限なく Kafka ブローカーにアクセスできます。
前提条件
- AMQ Streams は、トークンベースの認証 に Red Hat Single Sign-On と OAuth 2.0 を使用するように設定されている必要がある。承認を設定するときに、同じ Red Hat Single Sign-On サーバーエンドポイントを使用する必要があります。
- Red Hat Single Sign-On のドキュメント の説明にあるように、Red Hat Single Sign-On の Authorization Services のポリシーおよびパーミッションを管理する方法を理解している必要がある。
手順
- Red Hat Single Sign-On の Admin Console にアクセスするか、Red Hat Single Sign-On の Admin CLI を使用して、OAuth 2.0 認証の設定時に作成した Kafka ブローカークライアントの Authorization Services を有効にします。
- 認可サービスを使用して、クライアントのリソース、認可スコープ、ポリシー、およびパーミッションを定義します。
- ロールとグループをユーザーとクライアントに割り当てて、パーミッションをユーザーとクライアントにバインドします。
Red Hat Single Sign-On 承認を使用するように Kafka ブローカーを設定します。
以下を Kafka
server.properties
設定ファイルに追加し、Kafka に authorizer をインストールします。authorizer.class.name=io.strimzi.kafka.oauth.server.authorizer.KeycloakRBACAuthorizer principal.builder.class=io.strimzi.kafka.oauth.server.OAuthKafkaPrincipalBuilder
Kafka ブローカーの設定を追加して、認可サーバーおよび Authorization Services にアクセスします。
ここでは、
server.properties
への追加プロパティーとして追加される設定例を示しますが、大文字で始める、または大文字の命名規則を使用して、環境変数として定義することもできます。strimzi.authorization.token.endpoint.uri="https://AUTH-SERVER-ADDRESS/auth/realms/REALM-NAME/protocol/openid-connect/token" 1 strimzi.authorization.client.id="kafka" 2
(オプション) 特定の Kafka クラスターの設定を追加します。
以下に例を示します。
strimzi.authorization.kafka.cluster.name="kafka-cluster" 1
- 1
- 特定の Kafka クラスターの名前。名前はパーミッションをターゲットにするために使用され、同じ Red Hat シングルサインオンレルム内で複数のクラスターを管理できるようにします。デフォルト値は
kafka-cluster
です。
(オプション) シンプルな承認に委任します。
以下に例を示します。
strimzi.authorization.delegate.to.kafka.acl="false" 1
- 1
- Red Hat Single Sign-On Authorization Services ポリシーでアクセスが拒否された場合、Kafka
AclAuthorizer
に権限を委任します。デフォルトはfalse
です。
(オプション) TLS 接続の設定を認可サーバーに追加します。
以下に例を示します。
strimzi.authorization.ssl.truststore.location=<path-to-truststore> 1 strimzi.authorization.ssl.truststore.password=<my-truststore-password> 2 strimzi.authorization.ssl.truststore.type=JKS 3 strimzi.authorization.ssl.secure.random.implementation=SHA1PRNG 4 strimzi.authorization.ssl.endpoint.identification.algorithm=HTTPS 5
(オプション) 認可サーバーからの付与の更新を設定します。付与更新ジョブは、アクティブなトークンを列挙し、それぞれに最新の付与を要求することで機能します。
以下に例を示します。
strimzi.authorization.grants.refresh.period.seconds="120" 1 strimzi.authorization.grants.refresh.pool.size="10" 2
(オプション) 承認サーバーとの通信時のネットワークタイムアウトを設定します。
以下に例を示します。
strimzi.authorization.connect.timeout.seconds="60" 1 strimzi.authorization.read.timeout.seconds="60" 2 strimzi.authorization.http.retries="2" 3
- 1
- Red Hat Single Sign-On トークンエンドポイントに接続するときの接続タイムアウト (秒単位)。デフォルト値は
60
です。 - 2
- Red Hat Single Sign-On トークンエンドポイントに接続するときの読み取りタイムアウト (秒単位)。デフォルト値は
60
です。 - 3
- 認可サーバーへの失敗した HTTP リクエストを (一時停止せずに) 再試行する最大回数。デフォルト値は
0
で、再試行は実行されないことを意味します。このオプションを効果的に使用するには、strimzi.authorization.connect.timeout.seconds
オプションとstrimzi.authorization.read.timeout.seconds
オプションのタイムアウト時間を短縮することを検討してください。ただし、再試行により現在のワーカースレッドが他のリクエストで利用できなくなる可能性があり、リクエストが多すぎると停止する場合、Kafka ブローカーが応答しなくなる可能性があることに注意してください。
- クライアントまたは特定のロールを持つユーザーとして Kafka ブローカーにアクセスして、設定したパーミッションを検証し、必要なアクセス権限があり、付与されるべきでないアクセス権限がないことを確認します。
6.4.11. OPA ポリシーベースの承認の使用
Open Policy Agent (OPA) は、オープンソースのポリシーエンジンです。OPA と AMQ Streams を統合して、Kafka ブローカーでのクライアント操作を許可するポリシーベースの承認メカニズムとして機能します。
クライアントからリクエストが実行されると、OPA は Kafka アクセスに定義されたポリシーに対してリクエストを評価し、リクエストを許可または拒否します。
Red Hat は OPA サーバーをサポートしません。
6.4.11.1. OPA ポリシーの定義
OPA と AMQ Streams を統合する前に、粒度の細かいアクセス制御を提供するポリシーの定義方法を検討してください。
Kafka クラスター、コンシューマーグループ、およびトピックのアクセス制御を定義できます。たとえば、プロデューサークライアントから特定のブローカートピックへの書き込みアクセスを許可する認可ポリシーを定義できます。
このポリシーでは、以下の項目を指定することができます。
- プロデューサークライアントに関連付けられた ユーザープリンシパル および ホストアドレス
- クライアントに許可される 操作
-
ポリシーが適用される リソースタイプ (
topic
) および リソース名
許可と拒否の決定がポリシーに書き込まれ、提供された要求とクライアント識別データに基づいて応答が提供されます。
この例では、プロデューサークライアントはトピックへの書き込みが許可されるポリシーを満たす必要があります。
6.4.11.2. OPA への接続
Kafka が OPA ポリシーエンジンにアクセスしてアクセス制御ポリシーをクエリーできるようにするには、Kafka server.properties
ファイルでカスタム OPA authorizer プラグイン (kafka-authorizer-opa-VERSION.jar
) を設定します。
クライアントがリクエストを行うと、OPA ポリシーエンジンは、指定された URL アドレスと REST エンドポイントを使用してプラグインによってクエリーされます。これは、定義されたポリシーの名前でなければなりません。
プラグインは、ポリシーに対してチェックされる JSON 形式で、クライアント要求の詳細 (ユーザープリンシパル、操作、およびリソース) を提供します。詳細には、クライアントの一意のアイデンティティーが含まれます。たとえば、TLS 認証が使用される場合にクライアント証明書からの識別名を取ります。
OPA はデータを使用して、リクエストを許可または拒否するためにプラグインに true または false のいずれかの応答を提供します。
6.4.11.3. OPA 承認サポートの設定
この手順では、OPA 承認を使用するように Kafka ブローカーを設定する方法を説明します。
作業を開始する前に
特定のユーザーに必要なアクセス、または制限するアクセスについて検討してください。ユーザー リソースと Kafka リソース の組み合わせを使用して、OPA ポリシーを定義できます。
OPA を設定して、LDAP データソースからユーザー情報を読み込むことができます。
スーパーユーザー は、Kafka ブローカーに実装された承認にかかわらず、常に制限なく Kafka ブローカーにアクセスできます。
前提条件
- 接続には OPA サーバーを利用できる必要がある。
- Kafka の OPA authorizer プラグインがある。
手順
Kafka ブローカーで操作を実行するため、クライアントリクエストの承認に必要な OPA ポリシーを記述します。
OPA ポリシーの定義 を参照してください。
これで、Kafka ブローカーが OPA を使用するように設定します。
Kafka の OPA authorizer プラグイン をインストールします。
OPA への接続 を参照してください。
プラグインファイルが Kafka クラスパスに含まれていることを確認してください。
以下を Kafka
server.properties
設定ファイルに追加し、OPA プラグインを有効にします。authorizer.class.name: com.bisnode.kafka.authorization.OpaAuthorizer
Kafka ブローカーの
server.properties
に設定をさらに追加して、OPA ポリシーエンジンおよびポリシーにアクセスします。以下に例を示します。
opa.authorizer.url=https://OPA-ADDRESS/allow 1 opa.authorizer.allow.on.error=false 2 opa.authorizer.cache.initial.capacity=50000 3 opa.authorizer.cache.maximum.size=50000 4 opa.authorizer.cache.expire.after.seconds=600000 5 super.users=User:alice;User:bob 6
- 1
- (必須) authorizer プラグインがクエリーするポリシーの OAuth 2.0 トークンエンドポイント URL。この例では、ポリシーは
allow
という名前です。 - 2
- authorizer プラグインが OPA ポリシーエンジンとの接続に失敗した場合に、クライアントがデフォルトで許可または拒否されるかどうかを指定するフラグ。
- 3
- ローカルキャッシュの初期容量 (バイト単位)。すべてのリクエストについてプラグインに OPA ポリシーエンジンをクエリーする必要がないように、キャッシュが使用されます。
- 4
- ローカルキャッシュの最大容量 (バイト単位)。
- 5
- OPA ポリシーエンジンからのリロードによってローカルキャッシュが更新される時間 (ミリ秒単位)。
- 6
- スーパーユーザーとして扱われるユーザープリンシパルのリスト。これにより、Open Policy Agent ポリシーをクエリーしなくても常に許可されます。
認証および認可オプションの詳細は、Open Policy Agent の Web サイト を参照してください。
- 正しい承認を持つクライアントと持たないクライアントを使用して、Kafka ブローカーにアクセスして、設定したパーミッションを検証します。
第7章 トピックの作成および管理
Kafka のメッセージは、常にトピックとの間で送受信されます。この章では、Kafka トピックを作成および管理する方法について説明します。
7.1. パーティションおよびレプリカ
Kafka のメッセージは、常にトピックとの間で送受信されます。トピックは、常に 1 つ以上のパーティションに分割されます。パーティションはシャードとして機能します。つまり、プロデューサーによって送信されたすべてのメッセージは常に単一のパーティションにのみ書き込まれます。メッセージの異なるパーティションへのシャーディングにより、トピックを簡単に水平的にスケーリングできます。
各パーティションには 1 つ以上のレプリカを含めることができ、レプリカはクラスター内の異なるブローカーに保存されます。トピックの作成時に、レプリケーション係数 を使用してレプリカ数を設定できます。レプリケーション係数 は、クラスター内で保持するコピーの数を定義します。指定したパーティションのレプリカの 1 つがリーダーとして選択されます。リーダーレプリカは、プロデューサーが新しいメッセージを送信し、コンシューマーがメッセージを消費するために使用されます。他のレプリカはフォロワーレプリカです。フォロワーはリーダーをレプリケーションします。
リーダーが失敗すると、フォロワーの 1 つが自動的に新しいリーダーになります。各サーバーは、一部のパーティションのリーダーおよび他のパーティションのフォロワーとして機能し、クラスター内で負荷が均等に分散されます。
レプリケーション係数は、リーダーとフォロワーを含むレプリカ数を決定します。たとえば、レプリケーション係数を 3
に設定すると、1 つのリーダーと 2 つのフォロワーレプリカが設定されます。
7.2. メッセージの保持
メッセージの保持ポリシーは、Kafka ブローカーにメッセージを保存する期間を定義します。これは、時間、パーティションサイズ、またはその両方に基づいて定義できます。
たとえば、メッセージの保存に関して以下のように定義できます。
- 7 日間。
- 解析に 1 GB のメッセージが含まれるまで。制限に達すると、最も古いメッセージが削除されます。
- 7 日間、または 1 GB の制限に達するまで。最初に制限が使用されます。
Kafka ブローカーはメッセージをログセグメントに保存します。保持ポリシーを超えたメッセージは、新規ログセグメントが作成された場合にのみ削除されます。新しいログセグメントは、以前のログセグメントが設定されたログセグメントサイズを超えると作成されます。さらに、ユーザーは定期的に新しいセグメントの作成を要求できます。
さらに、Kafka ブローカーはコンパクト化ポリシーをサポートします。
コンパクト化ポリシーのあるトピックでは、ブローカーは常に各キーの最後のメッセージのみを保持します。同じキーを持つ古いメッセージは、パーティションから削除されます。コンパクト化は定期的に実行されるため、同じキーを持つ新しいメッセージがパーティションに送信されてもすぐには実行されません。代わりに、古いメッセージが削除されるまで時間がかかる場合があります。
メッセージの保持設定オプションの詳細は、「トピックの設定」 を参照してください。
7.3. トピックの自動作成
プロデューサーまたはコンシューマーが存在しないトピックとの間でメッセージを送受信しようとすると、Kafka はデフォルトでそのトピックを自動的に作成します。この動作は、デフォルトで true
に設定された auto.create.topics.enable
設定プロパティーによって制御されます。
これを無効にするには、Kafka ブローカー設定ファイルで auto.create.topics.enable
を false
に設定します。
auto.create.topics.enable=false
7.4. トピックの削除
Kafka では、トピックの削除を無効にすることができます。これは、デフォルトで true
(つまり、トピックの削除が可能) に設定されている delete.topic.enable
プロパティーで設定されます。このプロパティーを false
に設定すると、トピックの削除はできず、トピックの削除試行はすべて成功を返しますが、トピックは削除されません。
delete.topic.enable=false
7.5. トピックの設定
自動作成されたトピックは、ブローカーのプロパティーファイルで指定できるデフォルトのトピック設定を使用します。ただし、トピックを手動で作成する場合は、作成時に設定を指定できます。トピックの作成後に、トピックの設定を変更することもできます。手動で作成したトピックの主なトピック設定オプションは次のとおりです。
cleanup.policy
-
delete
またはcompact
に保持ポリシーを設定します。delete
ポリシーは古いレコードを削除します。compact
ポリシーはログコンパクションを有効にします。デフォルト値はdelete
です。ログコンパクションの詳細は、Kafka の Web サイト を参照してください。 compression.type
-
保存されたメッセージに使用される圧縮を指定します。有効な値は、
gzip
、snappy
、lz4
、uncompressed
(圧縮なし)、およびproducer
(プロデューサーによって使用される圧縮コーデックを保持) です。デフォルト値はproducer
です。 max.message.bytes
-
Kafka ブローカーによって許可されるメッセージのバッチの最大サイズ (バイト単位)。デフォルト値は
1000012
です。 min.insync.replicas
-
書き込みが成功したとみなされるために同期する必要があるレプリカの最小数。デフォルト値は
1
です。 retention.ms
-
ログセグメントが保持される最大ミリ秒数。この値より古いログセグメントは削除されます。デフォルト値は
604800000
(7 日) です。 retention.bytes
-
パーティションが保持する最大バイト数。パーティションサイズがこの制限を超えると、一番古いログセグメントが削除されます。
-1
の値は無制限を意味します。デフォルト値は-1
です。 segment.bytes
-
単一のコミットログセグメントファイルの最大ファイルサイズ (バイト単位)。セグメントがそのサイズに達すると、新しいセグメントが起動します。デフォルト値は
1073741824
バイト (1 ギガバイト) です。
自動作成されたトピックのデフォルトは、同様のオプションを使用して Kafka ブローカー設定に指定できます。
log.cleanup.policy
-
上記の
cleanup.policy
を参照してください。 compression.type
-
上記の
compression.type
を参照してください。 message.max.bytes
-
上記の
message.max.bytes
を参照してください。 min.insync.replicas
-
上記の
min.insync.replicas
を参照してください。 log.retention.ms
-
上記の
retention.ms
を参照してください。 log.retention.bytes
-
上記の
retention.bytes
を参照してください。 log.segment.bytes
-
上記の
segment.bytes
を参照してください。 default.replication.factor
-
自動作成されるトピックのデフォルトレプリケーション係数。デフォルト値は
1
です。 num.partitions
-
自動作成されるトピックのデフォルトパーティション数。デフォルト値は
1
です。
7.6. 内部トピック
内部トピックは、Kafka ブローカーおよびクライアントによって内部で作成され、使用されます。Kafka には複数の内部トピックがあります。これらはコンシューマーオフセット (__consumer_offsets
) またはトランザクションの状態 (__transaction_state
) を格納するために使用されます。このトピックは、接頭辞 offsets.topic.
および transaction.state.log.
で始まる専用の Kafka ブローカー設定オプションを使用して設定できます。最も重要な設定オプションは以下のとおりです。
offsets.topic.replication.factor
-
__consumer_offsets
トピックのレプリカの数です。デフォルト値は3
です。 offsets.topic.num.partitions
-
__consumer_offsets
トピックのパーティションの数です。デフォルト値は50
です。 transaction.state.log.replication.factor
-
__transaction_state
トピックのレプリカ数です。デフォルト値は3
です。 transaction.state.log.num.partitions
-
__transaction_state
トピックのパーティション数です。デフォルト値は50
です。 transaction.state.log.min.isr
-
__transaction_state
トピックへの書き込みが正常であると見なされるために、確認する必要があるレプリカの最小数です。この最小値が満たされない場合、プロデューサーは例外で失敗します。デフォルト値は2
です。
7.7. トピックの作成
kafka-topics.sh
ツールを使用してトピックを管理します。kafka-topics.sh
は AMQ Streams ディストリビューションの一部で、bin
ディレクトリーにあります。
前提条件
- AMQ Streams クラスターがインストールされ、実行されている。
トピックの作成
kafka-topics.sh
ユーティリティーを使用し以下の項目を指定して、トピックを作成します。-
--bootstrap-server
における Kafka ブローカーのホストおよびポート。 -
--create
オプション: 作成される新しいトピック。 -
--topic
オプション: トピック名。 -
--partitions
オプション: パーティション数。 --replication-factor
オプション: トピックレプリケーション係数。また、
--config
オプションを使用して、デフォルトのトピック設定オプションの一部を上書きすることもできます。このオプションは複数回使用して、異なるオプションを上書きできます。/opt/kafka/bin/kafka-topics.sh --bootstrap-server <broker_address> --create --topic <TopicName> --partitions <NumberOfPartitions> --replication-factor <ReplicationFactor> --config <Option1>=<Value1> --config <Option2>=<Value2>
mytopic
というトピックを作成するコマンドの例/opt/kafka/bin/kafka-topics.sh --bootstrap-server localhost:9092 --create --topic mytopic --partitions 50 --replication-factor 3 --config cleanup.policy=compact --config min.insync.replicas=2
-
kafka-topics.sh
を使用して、トピックが存在することを確認します。/opt/kafka/bin/kafka-topics.sh --bootstrap-server <broker_address> --describe --topic <TopicName>
mytopic
というトピックを記述するコマンドの例/opt/kafka/bin/kafka-topics.sh --bootstrap-server localhost:9092 --describe --topic mytopic
関連情報
7.8. トピックの一覧表示および説明
kafka-topics.sh
ツールは、トピックのリスト表示および説明に使用できます。kafka-topics.sh
は AMQ Streams ディストリビューションの一部で、bin
ディレクトリーにあります。
前提条件
- AMQ Streams クラスターがインストールされ、実行されている。
-
トピック
mytopic
が存在する。
トピックの記述
kafka-topics.sh
ユーティリティーを使用し以下の項目を指定して、トピックを説明します。-
--bootstrap-server
における Kafka ブローカーのホストおよびポート。 -
--describe
オプション: トピックを記述することを指定するために使用します。 -
--topic
オプション: このオプションでトピック名を指定する必要があります。 --topic
オプションを省略すると、利用可能なすべてのトピックを記述します。/opt/kafka/bin/kafka-topics.sh --bootstrap-server <broker_address> --describe --topic <TopicName>
mytopic
というトピックを記述するコマンドの例/opt/kafka/bin/kafka-topics.sh --bootstrap-server localhost:9092 --describe --topic mytopic
このコマンドは、このトピックに属するすべてのパーティションおよびレプリカをリスト表示します。また、すべてのトピック設定オプションも表示されます。
-
7.9. トピック設定の変更
kafka-configs.sh
ツールを使用して、トピック設定を変更することができます。kafka-configs.sh
は AMQ Streams ディストリビューションの一部で、bin
ディレクトリーにあります。
前提条件
- AMQ Streams クラスターがインストールされ、実行されている。
-
トピック
mytopic
が存在する。
トピック設定の変更
kafka-configs.sh
ツールを使用して、現在の設定を取得します。-
--bootstrap-server
オプションで Kafka ブローカーのホストおよびポートを指定します。 -
--entity-type
をtopic
として、--entity-name
をトピックの名前に設定します。 --describe
オプション: 現在の設定を取得するために使用します。/opt/kafka/bin/kafka-configs.sh --bootstrap-server <broker_address> --entity-type topics --entity-name <TopicName> --describe
mytopic
という名前のトピックの設定を取得するコマンドの例/opt/kafka/bin/kafka-configs.sh --bootstrap-server localhost:9092 --entity-type topics --entity-name mytopic --describe
-
kafka-configs.sh
ツールを使用して、現在の設定を変更します。-
--bootstrap-server
オプションで Kafka ブローカーのホストおよびポートを指定します。 -
--entity-type
をtopic
として、--entity-name
をトピックの名前に設定します。 -
--alter
オプション: 現在の設定を変更するために使用します。 --add-config
オプション: 追加または変更するオプションを指定します。/opt/kafka/bin/kafka-configs.sh --bootstrap-server <broker_address> --entity-type topics --entity-name <TopicName> --alter --add-config <Option>=<Value>
mytopic
という名前のトピックの設定を変更するコマンドの例/opt/kafka/bin/kafka-configs.sh --bootstrap-server localhost:9092 --entity-type topics --entity-name mytopic --alter --add-config min.insync.replicas=1
-
kafka-configs.sh
ツールを使用して、既存の設定オプションを削除します。-
--bootstrap-server
オプションで Kafka ブローカーのホストおよびポートを指定します。 -
--entity-type
をtopic
として、--entity-name
をトピックの名前に設定します。 -
--delete-config
オプション: 既存の設定オプションを削除するために使用します。 --remove-config
オプション: 削除するオプションを指定します。/opt/kafka/bin/kafka-configs.sh --bootstrap-server <broker_address> --entity-type topics --entity-name <TopicName> --alter --delete-config <Option>
mytopic
という名前のトピックの設定を変更するコマンドの例/opt/kafka/bin/kafka-configs.sh --bootstrap-server localhost:9092 --entity-type topics --entity-name mytopic --alter --delete-config min.insync.replicas
-
7.10. トピックの削除
kafka-topics.sh
ツールを使用してトピックを管理できます。kafka-topics.sh
は AMQ Streams ディストリビューションの一部で、bin
ディレクトリーにあります。
前提条件
- AMQ Streams クラスターがインストールされ、実行されている。
-
トピック
mytopic
が存在する。
トピックの削除
kafka-topics.sh
ユーティリティーを使用してトピックを削除します。-
--bootstrap-server
における Kafka ブローカーのホストおよびポート。 -
--delete
オプション: 既存のトピックを削除することを指定するために使用します。 --topic
オプション: このオプションでトピック名を指定する必要があります。/opt/kafka/bin/kafka-topics.sh --bootstrap-server <broker_address> --delete --topic <TopicName>
mytopic
というトピックを作成するコマンドの例/opt/kafka/bin/kafka-topics.sh --bootstrap-server localhost:9092 --delete --topic mytopic
-
kafka-topics.sh
を使用して、トピックが削除されたことを確認します。/opt/kafka/bin/kafka-topics.sh --bootstrap-server <broker_address> --list
すべてのトピックをリスト表示するコマンドの例
/opt/kafka/bin/kafka-topics.sh --bootstrap-server localhost:9092 --list
関連情報
第8章 Kafka Connect での AMQ Streams の使用
Kafka Connect を使用して、Kafka と外部システムの間でデータをストリーミングします。Kafka Connect は、スケーラビリティーと信頼性を維持しながら大量のデータを移動するためのフレームワークを提供します。Kafka Connect は通常、Kafka を Kafka クラスター外のデータベース、ストレージシステム、およびメッセージングシステムと統合するために使用されます。
Kafka Connect はスタンドアロンモードまたは分散モードで実行されます。
- スタンドアロンモード
- スタンドアロンモードでは、Kafka Connect は単一ノード上で実行されます。スタンドアロンモードは、開発とテストを目的としています。
- 分散モード
- 分散モードでは、Kafka Connect は 1 つまたは複数のワーカーノードで実行され、ワークロードはワーカーノード間で分散されます。分散モードは実稼働向けです。
Kafka Connect は、さまざまな種類の外部システムへの接続を実装するコネクタープラグインを使用します。コネクタープラグインには、シンクとソースの 2 種類があります。シンクコネクターは、Kafka から外部システムにデータをストリーミングします。ソースコネクターは、外部システムから Kafka にデータをストリーミングします。
Kafka Connect REST API を使用して、コネクターインスタンスを作成、管理、監視することもできます。
コネクター設定では、ソースコネクターまたはシンクコネクター、読み取りまたは書き込み先の Kafka トピックなどの詳細を指定します。設定を管理する方法は、Kafka Connect をスタンドアロンモードで実行しているか分散モードで実行しているかによって異なります。
- スタンドアロンモードでは、Kafka Connect REST API を通じてコネクター設定を JSON として提供することも、プロパティーファイルを使用して設定を定義することもできます。
- 分散モードでは、Kafka Connect REST API を介してコネクター設定を JSON としてのみ提供できます。
大量のメッセージ処理
設定を調整して、大量のメッセージを処理できます。詳細は、11章大量のメッセージ処理 を参照してください。
8.1. スタンドアロンモードでの Kafka Connect の使用
Kafka Connect スタンドアロンモードでは、コネクターは Kafka Connect ワーカープロセスと同じノード上で実行され、単一の JVM 内の単一プロセスとして実行されます。これは、ワーカープロセスとコネクターが CPU、メモリー、ディスクなどの同じリソースを共有することを意味します。
8.1.1. スタンドアロンモードでの Kafka Connect の設定
Kafka Connect をスタンドアロンモードで設定するには、config/connect-standalone.properties
設定ファイルを編集します。以下のオプションが最も重要です。
bootstrap.servers
-
Kafka へのブートストラップ接続として使用される Kafka ブローカーアドレスのリスト。たとえば、
kafka0.my-domain.com:9092,kafka1.my-domain.com:9092,kafka2.my-domain.com:9092
です。 key.converter
-
メッセージキーを Kafka 形式との間で変換するために使用されるクラス。たとえば、
org.apache.kafka.connect.json.JsonConverter
です。 value.converter
-
メッセージペイロードを Kafka 形式との間で変換するために使用されるクラス。たとえば、
org.apache.kafka.connect.json.JsonConverter
です。 offset.storage.file.filename
- オフセットデータが保存されるファイルを指定します。
コネクタープラグインは、ブートストラップアドレスを使用して Kafka ブローカーへのクライアント接続を開きます。これらの接続を設定するには、標準的な Kafka のプロデューサーとコンシューマーの設定オプションを使用し、producer.
または consumer.
接頭辞を付けます。
8.1.2. スタンドアロンモードでの Kafka Connect の実行
Kafka Connect をスタンドアロンモードで設定して実行します。
前提条件
- AMQ Streams がインストールされ、Kafka クラスターが実行されている。
プロパティーファイルでコネクター設定を指定している。
Kafka Connect REST API を使用して コネクターを管理 することもできます。
手順
/opt/kafka/config/connect-standalone.properties
Kafka Connect 設定ファイルを編集し、bootstrap.server
が Kafka ブローカーを指すように設定します。以下に例を示します。bootstrap.servers=kafka0.my-domain.com:9092,kafka1.my-domain.com:9092,kafka2.my-domain.com:9092
設定ファイルで Kafka Connect を起動し、1 つ以上のコネクター設定を指定します。
su - kafka /opt/kafka/bin/connect-standalone.sh /opt/kafka/config/connect-standalone.properties connector1.properties [connector2.properties ...]
Kafka Connect が実行されていることを確認します。
jcmd | grep ConnectStandalone
8.2. 分散モードでの Kafka Connect の使用
分散モードでは、Kafka Connect はワーカープロセスのクラスターとして実行され、各ワーカーは個別のノードで実行されます。コネクターはクラスター内の任意のワーカー上で実行できるため、スケーラビリティとフォールトトレランスが向上します。コネクターはワーカーによって管理され、ワーカーは相互に調整して作業を分散し、各コネクターがいつでも単一のノード上で実行されるようにします。
8.2.1. 分散モードでの Kafka Connect の設定
Kafka Connect をスタンドアロンモードで設定するには、config/connect-distributed.properties
設定ファイルを編集します。以下のオプションが最も重要です。
bootstrap.servers
-
Kafka へのブートストラップ接続として使用される Kafka ブローカーアドレスのリスト。たとえば、
kafka0.my-domain.com:9092,kafka1.my-domain.com:9092,kafka2.my-domain.com:9092
です。 key.converter
-
メッセージキーを Kafka 形式との間で変換するために使用されるクラス。たとえば、
org.apache.kafka.connect.json.JsonConverter
です。 value.converter
-
メッセージペイロードを Kafka 形式との間で変換するために使用されるクラス。たとえば、
org.apache.kafka.connect.json.JsonConverter
です。 group.id
-
分散された Kafka Connect クラスターの名前。これは一意でなければならず、他のコンシューマーグループ ID と競合することはできません。デフォルト値は
connect-cluster
です。 config.storage.topic
-
コネクター設定の保存に使用される Kafka トピック。デフォルト値は
connect-configs
です。 offset.storage.topic
-
オフセットを保存するために使用される Kafka トピック。デフォルト値は
connect-offset
です。 status.storage.topic
-
ワーカーノードのステータスに使用される Kafka トピック。デフォルト値は
connect-status
です。
AMQ Streams には、分散モードの Kafka Connect の設定ファイル例が含まれています。AMQ Streams のインストールディレクトリーにある config/connect-distributed.properties
を参照してください。
コネクタープラグインは、ブートストラップアドレスを使用して Kafka ブローカーへのクライアント接続を開きます。これらの接続を設定するには、標準的な Kafka のプロデューサーとコンシューマーの設定オプションを使用し、producer.
または consumer.
接頭辞を付けます。
8.2.2. 分散モードでの Kafka Connect の起動
Kafka Connect を分散モードで設定して実行します。
前提条件
- AMQ Streams がインストールされ、Kafka クラスターが実行されている。
クラスターの実行
すべての Kafka Connect ワーカーノードで
/opt/kafka/config/connect-distributed.properties
Kafka Connect 設定ファイルを編集します。-
bootstrap.server
オプションを設定して、Kafka ブローカーを示すようにします。 -
group.id
オプションを設定します。 -
config.storage.topic
オプションを設定します。 -
offset.storage.topic
オプションを設定します。 status.storage.topic
オプションを設定します。以下に例を示します。
bootstrap.servers=kafka0.my-domain.com:9092,kafka1.my-domain.com:9092,kafka2.my-domain.com:9092 group.id=my-group-id config.storage.topic=my-group-id-configs offset.storage.topic=my-group-id-offsets status.storage.topic=my-group-id-status
-
すべての Kafka Connect ワーカーノードで
/opt/kafka/config/connect-distributed.properties
Kafka Connect ワーカーを起動します。su - kafka /opt/kafka/bin/connect-distributed.sh /opt/kafka/config/connect-distributed.properties
Kafka Connect が実行されていることを確認します。
jcmd | grep ConnectDistributed
- Kafka Connect REST API を使用して コネクターを管理 します。
8.3. コネクターの管理
Kafka Connect REST API は、コネクターを直接作成、更新、削除するためのエンドポイントを提供します。API を使用して、コネクターのステータスを確認したり、ログレベルを変更したりすることもできます。API を通じてコネクターを作成する場合は、API 呼び出しの一部としてコネクターの設定の詳細を指定します。
コネクターをプラグインとして追加および管理することもできます。プラグインは、Kafka Connect API を通じてコネクターを実装するためのクラスを含む JAR ファイルとしてパッケージ化されます。クラスパスでプラグインを指定するか、Kafka Connect のプラグインパスに追加するだけで、起動時にコネクタープラグインが実行されます。
Kafka Connect REST API またはプラグインを使用してコネクターを管理するだけでなく、Kafka Connect をスタンドアロンモードで実行するときにプロパティーファイルを使用してコネクター設定を追加することもできます。これを行うには、Kafka Connect ワーカープロセスの開始時にプロパティーファイルの場所を指定するだけです。プロパティーファイルには、コネクタークラス、ソースおよび宛先トピック、必要な認証またはシリアル化設定など、コネクターの設定の詳細が含まれている必要があります。
8.3.1. Kafka Connect API へのアクセスの制限
Kafka Connect REST API には、アクセスが認証され、ホスト名/IP アドレスおよびポート番号を含むエンドポイント URL を知っている人なら誰でもアクセスできます。Kafka Connect API へのアクセスを信頼できるユーザーのみに制限して、不正なアクションや潜在的なセキュリティーの問題を防ぐことが重要です。
セキュリティーを強化するために、Kafka Connect API の次のプロパティーを設定することを推奨します。
-
(Kafka 3.4 以降)
org.apache.kafka.disallowed.login.modules
により、セキュアではないログインモジュールを明確に除外する -
connector.client.config.override.policy
をNONE
に設定して、コネクター設定が Kafka Connect 設定と、それが使用するコンシューマーおよびプロデューサーをオーバーライドしないようにします。
8.3.2. コネクターの設定
Kafka Connect REST API またはプロパティーファイルを使用して、コネクターインスタンスを作成、管理、監視します。Kafka Connect をスタンドアロンモードまたは分散モードで使用する場合は、REST API を使用できます。Kafka Connect をスタンドアロンモードで使用する場合は、プロパティーファイルを使用できます。
8.3.2.1. Kafka Connect REST API を使用したコネクターの管理
Kafka Connect REST API を使用する場合、PUT
または POST
HTTP リクエストを Kafka Connect REST API に送信し、リクエスト本文でコネクター設定の詳細を指定することで、コネクターを動的に作成できます。
PUT
コマンドを使用する場合、これはコネクターの起動と更新に使用するコマンドと同じです。
REST インターフェイスはデフォルトでポート 8083 をリッスンし、次のエンドポイントをサポートします。
GET /connectors
- 既存のコネクターのリストを返します。
POST /connectors
- コネクターを作成します。リクエストボディーは、コネクター設定が含まれる JSON オブジェクトである必要があります。
GET /connectors/<connector_name>
- 特定のコネクターの情報を取得します。
GET /connectors/<connector_name>/config
- 特定のコネクターの設定を取得します。
PUT /connectors/<connector_name>/config
- 特定のコネクターの設定を更新します。
GET /connectors/<connector_name>/status
- 特定のコネクターのステータスを取得します。
GET /connectors/<connector_name>/tasks
- 特定のコネクターのタスクのリストを取得する
GET /connectors/<connector_name>/tasks/<task_id>/status
- 特定のコネクターのタスクのステータスを取得する
PUT /connectors/<connector_name>/pause
- コネクターとそのすべてのタスクを一時停止します。コネクターはメッセージの処理を停止します。
PUT /connectors/<connector_name>/resume
- 一時停止されたコネクターを再開します。
POST /connectors/<connector_name>/restart
- コネクターに障害が発生した場合に、コネクターを再起動します。
POST /connectors/<connector_name>/tasks/<task_id>/restart
- 特定のタスクを再起動します。
DELETE /connectors/<connector_name>
- コネクターを削除します。
GET /connectors/<connector_name>/topics
- 特定のコネクターのトピックを取得します。
PUT /connectors/<connector_name>/topics/reset
- 特定のコネクターのアクティブなトピックのセットを空にします。
GET /connector-plugins
- サポートされるすべてのコネクタープラグインのリストを取得します。
PUT /connector-plugins/<connector_type>/config/validate
- コネクター設定を検証します。
8.3.2.2. コネクター設定プロパティーの指定
Kafka Connect コネクターを設定するには、ソースコネクターまたはシンクコネクターの設定の詳細を指定する必要があります。これを行うには 2 つの方法があります。Kafka Connect REST API を使用する方法、JSON を使用して設定を提供する方法、またはプロパティーファイルを使用して設定プロパティーを定義する方法です。コネクターの種類ごとに利用できる特定の設定オプションは異なる場合がありますが、どちらの方法でも必要な設定を指定する柔軟な方法が提供されます。
以下のオプションはすべてのコネクターに適用されます。
name
- 現在の Kafka Connect インスタンス内で一意である必要があるコネクターの名前。
connector.class
-
コネクタープラグインのクラス。たとえば、
org.apache.kafka.connect.file.FileStreamSinkConnector
です。 tasks.max
- 指定のコネクターが使用できるタスクの最大数。タスクにより、コネクターは並行して作業を実行できます。コネクターは、指定された数よりも少ないタスクを作成する可能性があります。
key.converter
-
メッセージキーを Kafka 形式との間で変換するために使用されるクラス。これにより、Kafka Connect 設定によって設定されたデフォルト値がオーバーライドされます。たとえば、
org.apache.kafka.connect.json.JsonConverter
です。 value.converter
-
メッセージペイロードを Kafka 形式との間で変換するために使用されるクラス。これにより、Kafka Connect 設定によって設定されたデフォルト値がオーバーライドされます。たとえば、
org.apache.kafka.connect.json.JsonConverter
です。
シンクコネクターに対して次のオプションの少なくとも 1 つを設定する必要があります。
topics
- 入力として使用されるトピックのコンマ区切りリスト。
topics.regex
- 入力として使用されるトピックの Java 正規表現。
他のすべてのオプションについては、Apache Kafka ドキュメント のコネクタープロパティーを参照してください。
AMQ Streams には、サンプルのコネクター設定ファイル config/connect-file-sink.properties
および config/connect-file-source.properties
が AMQ Streams インストールディレクトリーに含まれています。
8.3.3. Kafka Connect API を使用したコネクターの作成
Kafka Connect REST API を使用して、Kafka Connect で使用するコネクターを作成します。
前提条件
- Kafka Connect のインストール。
手順
コネクター設定で JSON ペイロードを準備します。以下に例を示します。
{ "name": "my-connector", "config": { "connector.class": "org.apache.kafka.connect.file.FileStreamSinkConnector", "tasks.max": "1", "topics": "my-topic-1,my-topic-2", "file": "/tmp/output-file.txt" } }
POST リクエストを
<KafkaConnectAddress>:8083/connectors
に送信してコネクターを作成します。以下の例では、curl
を使用します。curl -X POST -H "Content-Type: application/json" --data @sink-connector.json http://connect0.my-domain.com:8083/connectors
<KafkaConnectAddress>:8083/connectors
に GET リクエストを送信して、コネクターがデプロイされたことを確認します。以下の例では、curl
を使用します。curl http://connect0.my-domain.com:8083/connectors
8.3.4. Kafka Connect API を使用したコネクターの削除
Kafka Connect REST API を使用して、Kafka Connect からコネクターを削除します。
前提条件
- Kafka Connect のインストール。
コネクターの削除
<KafkaConnectAddress>:8083/connectors/<ConnectorName>
にGET
リクエストを送信して、コネクターが存在することを確認します。以下の例では、curl
を使用します。curl http://connect0.my-domain.com:8083/connectors
コネクターを削除するには、
DELETE
リクエストを<KafkaConnectAddress>:8083/connectors
に送信します。以下の例では、curl
を使用します。curl -X DELETE http://connect0.my-domain.com:8083/connectors/my-connector
<KafkaConnectAddress>:8083/connectors
に GET リクエストを送信して、コネクターが削除されたことを確認します。以下の例では、curl
を使用します。curl http://connect0.my-domain.com:8083/connectors
8.3.5. コネクタープラグインの追加
Kafka は、コネクター開発の開始点として使用できるサンプルコネクターを提供します。次のサンプルコネクターが AMQ Streams に含まれています。
- FileStreamSink
- Kafka トピックからデータを読み取り、データをファイルに書き込みます。
- FileStreamSource
- ファイルからデータを読み取り、そのデータを Kafka トピックに送信します。
どちらのコネクターも libs/connect-file-<kafka_version>.redhat-<build>.jar
プラグインに含まれています。
Kafka Connect でコネクタープラグインを使用するには、コネクタープラグインをクラスパスに追加するか、Kafka Connect プロパティーファイルでプラグインパスを指定してその場所にプラグインをコピーします。
クラスパスでのサンプルコネクターの指定
CLASSPATH=/opt/kafka/libs/connect-file-<kafka_version>.redhat-<build>.jar opt/kafka/bin/connect-distributed.sh
プラグインパスの設定
plugin.path=/opt/kafka/connector-plugins,/opt/connectors
plugin.path
設定オプションには、コンマ区切りのパスのリストを含めることができます。
必要に応じて、さらにコネクタープラグインを追加できます。Kafka Connect は起動時にコネクタープラグインを検索して実行します。
Kafka Connect を分散モードで実行する場合は、すべてのワーカーノードでプラグインを利用できるようにする必要があります。
第9章 MirrorMaker 2 での AMQ Streams の使用
MirrorMaker 2 を使用して、データセンター内またはデータセンター間で 2 つ以上のアクティブな Kafka クラスター間でデータをレプリケーションします。
MirrorMaker 2 を設定するには、config/connect-mirror-maker.properties
設定ファイルを編集します。必要に応じて、MirrorMaker 2 の分散トレースを有効 にすることができます。
大量のメッセージ処理
設定を調整して、大量のメッセージを処理できます。詳細は、11章大量のメッセージ処理 を参照してください。
MirrorMaker 2 には、MirrorMaker の以前のバージョンではサポートされていない機能があります。ただし、MirrorMaker 2 をレガシーモードで使用するように設定 できます。
9.1. MirrorMaker 2 データレプリケーション
クラスター全体のデータレプリケーションでは、以下を必要とする状況がサポートされます。
- システム障害時のデータの復旧
- 分析用のデータの集計
- 特定のクラスターへのデータアクセスの制限
- レイテンシーを改善するための特定場所でのデータのプロビジョニング
9.1.1. MirrorMaker 2 の設定
MirrorMaker 2 は、ソース Kafka クラスターからのメッセージを消費し、ターゲット Kafka クラスターに書き込みます。
MirrorMaker 2 は以下を使用します。
- ソースクラスターからデータを消費するソースクラスターの設定
- データをターゲットクラスターに出力するターゲットクラスターの設定
MirrorMaker 2 は、クラスター間のデータ転送を管理する コネクター である Kafka Connect フレームワークに基づいています。
MirrorMaker 2 を設定して、ソースクラスターとターゲットクラスターの接続の詳細を含む Kafka Connect デプロイメントを定義し、一連の MirrorMaker 2 コネクターを実行して接続を確立します。
MirrorMaker 2 は次のコネクターで設定されます。
MirrorSourceConnector
-
ソースコネクターは、トピックをソースクラスターからターゲットクラスターにレプリケーションします。また、ACL をレプリケーションし、
MirrorCheckpointConnector
を実行する必要があります。 MirrorCheckpointConnector
- チェックポイントコネクターは定期的にオフセットを追跡します。有効にすると、ソースクラスターとターゲットクラスター間のコンシューマーグループオフセットも同期されます。
MirrorHeartbeatConnector
- ハートビートコネクターは、ソースクラスターとターゲットクラスター間の接続を定期的にチェックします。
User Operator を使用して ACL を管理する場合、コネクターを介した ACL レプリケーションはできません。
ソースクラスターからターゲットクラスターへのデータの ミラーリング プロセスは非同期です。各 MirrorMaker 2 インスタンスは、1 つのソースクラスターから 1 つのターゲットクラスターにデータをミラーリングします。複数の MirrorMaker 2 インスタンスを使用して、任意の数のクラスター間でデータをミラーリングできます。
図9.1 2 つのクラスターにおけるレプリケーション

デフォルトでは、ソースクラスターの新規トピックのチェックは 10 分ごとに行われます。頻度は、refresh.topics.interval.seconds
をソースコネクター設定に追加することで変更できます。
9.1.1.1. クラスター設定
MirrorMaker 2 は、アクティブ/パッシブ または アクティブ/アクティブ クラスター設定で使用できます。
- アクティブ/アクティブのクラスター設定
- アクティブ/アクティブ設定には、双方向でデータをレプリケーションするアクティブなクラスターが 2 つあります。アプリケーションはいずれかのクラスターを使用できます。各クラスターは同じデータを提供できます。これにより、地理的に異なる場所で同じデータを利用できるようにします。コンシューマーグループは両方のクラスターでアクティブであるため、レプリケーションされたトピックのコンシューマーオフセットはソースクラスターに同期されません。
- active/passive クラスター設定
- active/passive 設定には、passive クラスターにデータをレプリケーションする active クラスターがあります。passive クラスターはスタンバイのままになります。システムに障害が発生した場合に、データ復旧に passive クラスターを使用できます。
プロデューサーとコンシューマーがアクティブなクラスターのみに接続することを前提とします。MirrorMaker 2 クラスターはターゲットごとに必要です。
9.1.1.2. 双方向レプリケーション (active/active)
MirrorMaker 2 アーキテクチャーは、アクティブ/アクティブ クラスター設定での双方向レプリケーションをサポートします。
各クラスターは、source および remote トピックの概念を使用して、別のクラスターのデータをレプリケーションします。同じトピックが各クラスターに保存されるため、リモートトピックの名前は MirrorMaker 2 によってソースクラスターを表すように自動的に変更されます。元のクラスターの名前の先頭には、トピックの名前が追加されます。
図9.2 トピック名の変更

ソースクラスターにフラグを付けると、トピックはそのクラスターにレプリケーションされません。
remote トピックを介したレプリケーションの概念は、データの集約が必要なアーキテクチャーの設定に役立ちます。コンシューマーは、同じクラスター内でソースおよびリモートトピックにサブスクライブできます。これに個別の集約クラスターは必要ありません。
9.1.1.3. 一方向レプリケーション (active/passive)
MirrorMaker 2 アーキテクチャーは、active/passive クラスター設定での一方向レプリケーションをサポートします。
active/passive のクラスター設定を使用してバックアップを作成したり、データを別のクラスターに移行したりできます。この場合、リモートトピックの名前の自動変更は推奨しません。
IdentityReplicationPolicy
をソースコネクター設定に追加することで、名前の自動変更をオーバーライドできます。この設定が適用されると、トピックには元の名前が保持されます。
9.1.2. トピック設定の同期
MirrorMaker 2 は、ソースクラスターとターゲットクラスター間のトピック設定の同期をサポートします。MirrorMaker 2 設定でソーストピックを指定します。MirrorMaker 2 はソーストピックを監視します。MirrorMaker 2 は、ソーストピックへの変更を検出し、リモートトピックに伝達します。変更には、欠けているトピックおよびパーティションの自動作成が含まれる場合があります。
ほとんどの場合、ローカルトピックに書き込み、リモートトピックから読み取ります。リモートトピックでは書き込み操作ができないわけではありませんが、使用しないようにしてください。
9.1.3. オフセットの追跡
MirrorMaker 2 は、内部トピックを使用してコンシューマーグループのオフセットを追跡します。
offset-syncs
トピック-
offset-syncs
トピックは、レプリケーションされたトピックパーティションのソースおよびターゲットオフセットをレコードメタデータからマッピングします。 checkpoints
トピック-
checkpoints
トピックは、各コンシューマーグループでレプリケーションされたトピックパーティションのソースおよびターゲットクラスターで、最後にコミットされたオフセットをマッピングします。
これらは MirrorMaker 2 によって内部的に使用されるため、これらのトピックと直接対話することはありません。
MirrorCheckpointConnector
は、オフセット追跡用の チェックポイント を発行します。checkpoints
トピックのオフセットは、設定によって事前に決定された間隔で追跡されます。両方のトピックは、フェイルオーバー時に正しいオフセットの位置からレプリケーションの完全復元を可能にします。
offset-syncs
トピックの場所は、デフォルトで source
クラスターです。offset-syncs.topic.location
コネクター設定を使用して、これを target
クラスターに変更することができます。トピックが含まれるクラスターへの読み取り/書き込みアクセスが必要です。ターゲットクラスターを offset-syncs
トピックの場所として使用すると、ソースクラスターへの読み取りアクセス権しかない場合でも、MirrorMaker 2 を使用できるようになります。
9.1.4. コンシューマーグループオフセットの同期
__consumer_offsets
トピックには、各コンシューマーグループのコミットされたオフセットに関する情報が保存されます。オフセットの同期は、ソースクラスターのコンシューマーグループのコンシューマーオフセットをターゲットクラスターのコンシューマーオフセットに定期的に転送します。
オフセットの同期は、特に active/passive 設定で便利です。アクティブなクラスターがダウンした場合、コンシューマーアプリケーションを passive (スタンバイ) クラスターに切り替え、最後に転送されたオフセットの位置からピックアップできます。
トピックオフセットの同期を使用するには、sync.group.offsets.enabled
を checkpoint コネクター設定に追加し、プロパティーを true
に設定して、同期を有効にします。同期はデフォルトで無効になっています。
ソースコネクターで IdentityReplicationPolicy
を使用する場合は、チェックポイントコネクター設定でも設定する必要があります。これにより、ミラーリングされたコンシューマーオフセットが正しいトピックに適用されます。
コンシューマーオフセットは、ターゲットクラスターでアクティブではないコンシューマーグループに対してのみ同期されます。コンシューマーグループがターゲットクラスターにある場合、Synchronization を実行できず、UNKNOWN_MEMBER_ID
エラーが返されます。
同期を有効にすると、ソースクラスターからオフセットの同期が定期的に行われます。この頻度は、sync.group.offsets.interval.seconds
および emit.checkpoints.interval.seconds
をチェックポイントコネクター設定に追加することで変更できます。これらのプロパティーは、コンシューマーグループのオフセットが同期される頻度 (秒単位) と、オフセットを追跡するためにチェックポイントが生成される頻度を指定します。両方のプロパティーのデフォルトは 60 秒です。refresh.groups.interval.seconds
プロパティーを使用して、新規コンシューマーグループのチェック頻度を変更することもできます。デフォルトでは 10 分ごとに実行されます。
同期は時間ベースであるため、コンシューマーによって passive クラスターへ切り替えられると、一部のメッセージが重複する可能性があります。
Java で作成されたアプリケーションがある場合は、RemoteClusterUtils.java
ユーティリティーを使用して、アプリケーションを通じてオフセットを同期できます。ユーティリティーは、checkpoints
トピックからコンシューマーグループのリモートオフセットを取得します。
9.1.5. 接続性チェック
MirrorHeartbeatConnector
は heartbeat を発行して、クラスター間の接続を確認します。
内部 heartbeat
トピックは、ソースクラスターからレプリケーションされます。ターゲットクラスターは、heartbeat
トピックを使用して次のことを確認します。
- クラスター間の接続を管理するコネクターが稼働しているかどうか
- ソースクラスターが利用可能かどうか
9.2. コネクター設定
Kafka クラスター間のデータの同期を調整する内部コネクターには、Mirrormaker 2 コネクター設定を使用します。
以下の表は、コネクタープロパティーと、これらを使用するために設定するコネクターについて説明しています。
プロパティー | sourceConnector | checkpointConnector | heartbeatConnector |
---|---|---|---|
| ✓ | ✓ | ✓ |
| ✓ | ✓ | ✓ |
| ✓ | ✓ | ✓ |
| ✓ | ✓ | |
| ✓ | ✓ | |
| ✓ | ✓ | |
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| ✓ | ||
| ✓ | ||
| ✓ | ||
| ✓ |
9.3. コネクタープロデューサーおよびコンシューマーの設定
MirrorMaker 2 コネクターは、内部プロデューサーとコンシューマーを使用します。必要に応じて、これらのプロデューサーおよびコンシューマーを設定して、デフォルト設定を上書きできます。
プロデューサおよびコンシューマーの設定オプションは MirrorMaker 2 の実装に依存しており、変更される可能性があります。
プロデューサーとコンシューマーの設定は、すべての コネクターに適用されます。config/connect-mirror-maker.properties
ファイルで設定を指定します。
プロパティーファイルを使用して、プロデューサーとコンシューマーのデフォルト設定を次の形式でオーバーライドします。
-
<source_cluster_name>.consumer.<property>
-
<source_cluster_name>.producer.<property>
-
<target_cluster_name>.consumer.<property>
-
<target_cluster_name>.producer.<property>
次の例は、プロデューサーとコンシューマーを設定する方法を示しています。プロパティーはすべてのコネクターに対して設定されますが、一部の設定プロパティーは特定のコネクターにのみ関連します。
コネクターのプロデューサーとコンシューマーの設定例
clusters=cluster-1,cluster-2 # ... cluster-1.consumer.fetch.max.bytes=52428800 cluster-2.producer.batch.size=327680 cluster-2.producer.linger.ms=100 cluster-2.producer.request.timeout.ms=30000
9.4. タスクの最大数を指定
コネクターは、Kafka にデータを出し入れするタスクを作成します。各コネクターは、タスクを実行するワーカー Pod のグループ全体に分散される 1 つ以上のタスクで設定されます。タスクの数を増やすと、多数のパーティションをレプリケーションするとき、または多数のコンシューマーグループのオフセットを同期するときのパフォーマンスの問題に役立ちます。
タスクは並行して実行されます。ワーカーには 1 つ以上のタスクが割り当てられます。1 つのタスクが 1 つのワーカー Pod によって処理されるため、タスクよりも多くのワーカー Pod は必要ありません。ワーカーよりも多くのタスクがある場合、ワーカーは複数のタスクを処理します。
tasksMax
プロパティーを使用して、MirrorMaker 設定でコネクタータスクの最大数を指定できます。タスクの最大数を指定しない場合、デフォルト設定のタスク数は 1 つです。
ハートビートコネクターは常に単一のタスクを使用します。
ソースおよびチェックポイントコネクターに対して開始されるタスクの数は、可能なタスクの最大数と tasks.max
の値の間の低い方の値です。ソースコネクターの場合、可能なタスクの最大数は、ソースクラスターからレプリケーションされるパーティションごとに 1 つです。チェックポイントコネクターの場合、可能なタスクの最大数は、ソースクラスターからレプリケーションされるコンシューマーグループごとに 1 つです。タスクの最大数を設定するときは、プロセスをサポートするパーティションの数とハードウェアリソースを考慮してください。
インフラストラクチャーが処理のオーバーヘッドをサポートしている場合、タスクの数を増やすと、スループットと待機時間が向上する可能性があります。たとえば、タスクを追加すると、多数のパーティションまたはコンシューマーグループがある場合に、ソースクラスターのポーリングにかかる時間が短縮されます。
MirrorMaker コネクターの tasks.max 設定
clusters=cluster-1,cluster-2 # ... tasks.max = 10
デフォルトでは、MirrorMaker 2 は 10 分ごとに新しいコンシューマーグループをチェックします。refresh.groups.interval.seconds
設定を調整して、頻度を変更できます。低く調整するときは注意してください。より頻繁なチェックは、パフォーマンスに悪影響を及ぼす可能性があります。
9.5. ACL ルールの同期
AclAuthorizer
が使用されている場合、ブローカーへのアクセスを管理する ACL ルールはリモートトピックにも適用されます。ソーストピックを読み取りできるユーザーは、そのリモートトピックを読み取りできます。
OAuth 2.0 での承認は、このようなリモートトピックへのアクセスをサポートしません。
9.6. MirrorMaker 2 を専用モードで実行する
MirrorMaker 2 を使用して、設定を通じて Kafka クラスター間でデータを同期します。この手順では、専用の単一ノード MirrorMaker 2 クラスターを設定して実行する方法を示します。専用クラスターは、Kafka Connect ワーカーノードを使用して、Kafka クラスター間でデータをミラーリングします。現在、専用モードの MirrorMaker 2 は単一のワーカーノードでのみ動作します。
MirrorMaker 2 を分散モードで実行することも可能です。分散モードでは、MirrorMaker 2 は Kafka Connect クラスター内のコネクターとして実行されます。Kafka はデータレプリケーションに MirrorMaker ソースコネクターを提供します。専用の MirrorMaker クラスターを実行する代わりにコネクターを使用する場合は、Kafka Connect クラスターでコネクターを設定する必要があります。詳細は、Apache Kafka のドキュメント を参照してください。
MirrorMaker の以前のバージョンは、MirrorMaker 2 をレガシーモードで実行 することで引き続きサポートされます。
設定では以下を指定する必要があります。
- 各 Kafka クラスター
- TLS 認証を含む各クラスターの接続情報
レプリケーションのフローおよび方向
- クラスターからクラスターへ
- トピックからトピックへ
- レプリケーションルール
- コミットされたオフセット追跡間隔
この手順では、プロパティーファイルに設定を作成し、MirrorMaker スクリプトファイルを使用して接続を設定するときにプロパティーを渡すことによって MirrorMaker 2 を実装する方法について説明します。
ソースクラスターからレプリケーションするトピックおよびコンシューマーグループを指定できます。ソースおよびターゲットクラスターの名前を指定し、レプリケーションするトピックとコンシューマーグループを指定します。
以下の例では、クラスター 1 から 2 のレプリケーションに、トピックとコンシューマーグループが指定されます。
特定のトピックおよびコンシューマーグループをレプリケーションする設定例
clusters=cluster-1,cluster-2 cluster-1->cluster-2.topics = topic-1, topic-2 cluster-1->cluster-2.groups = group-1, group-2
名前のリストを指定したり、正規表現を使用したりできます。デフォルトでは、これらのプロパティーを設定しないと、すべてのトピックおよびコンシューマーグループがレプリケーションされます。.*
を正規表現として使用し、すべてのトピックおよびコンシューマーグループをレプリケーションすることもできます。ただし、クラスターに不要な負荷が余分にかかるのを避けるため、必要なトピックとコンシューマーグループのみを指定するようにしてください。
作業を開始する前に
設定プロパティーファイルの例は ./config/connect-mirror-maker.properties
にあります。
前提条件
- レプリケーションしている各 Kafka クラスターノードのホストに AMQ Streams がインストールされている必要がある。
手順
テキストエディターでサンプルプロパティーファイルを開くか、新しいプロパティーファイルを作成し、ファイルを編集して接続情報と各 Kafka クラスターのレプリケーションフローを追加します。
以下の例は、cluster-1 および cluster-2 の 2 つのクラスターを双方向に接続する設定を示しています。クラスター名は、
clusters
プロパティーで設定できます。MirrorMaker 2 の設定例
clusters=cluster-1,cluster-2 1 cluster-1.bootstrap.servers=<cluster_name>-kafka-bootstrap-<project_name_one>:443 2 cluster-1.security.protocol=SSL 3 cluster-1.ssl.truststore.password=<truststore_name> cluster-1.ssl.truststore.location=<path_to_truststore>/truststore.cluster-1.jks_ cluster-1.ssl.keystore.password=<keystore_name> cluster-1.ssl.keystore.location=<path_to_keystore>/user.cluster-1.p12 cluster-2.bootstrap.servers=<cluster_name>-kafka-bootstrap-<project_name_two>:443 4 cluster-2.security.protocol=SSL 5 cluster-2.ssl.truststore.password=<truststore_name> cluster-2.ssl.truststore.location=<path_to_truststore>/truststore.cluster-2.jks_ cluster-2.ssl.keystore.password=<keystore_name> cluster-2.ssl.keystore.location=<path_to_keystore>/user.cluster-2.p12 cluster-1->cluster-2.enabled=true 6 cluster-2->cluster-1.enabled=true 7 cluster-1->cluster-2.topics=.* 8 cluster-2->cluster-1.topics=topic-1, topic-2 9 cluster-1->cluster-2.groups=.* 10 cluster-2->cluster-1.groups=group-1, group-2 11 replication.policy.separator=- 12 sync.topic.acls.enabled=false 13 refresh.topics.interval.seconds=60 14 refresh.groups.interval.seconds=60 15
- 1
- 各 Kafka クラスターは、そのエイリアスで識別されます。
- 2
- ブートストラップアドレス およびポート 443 を使用した、cluster-1 の接続情報。両方のクラスターはポート 443 を使用し、OpenShift Routes を使用して Kafka に接続します。
- 3
ssl.
プロパティーは、cluster-1 の TLS 設定を定義します。- 4
- cluster-2 の接続情報です。
- 5
ssl.
プロパティーは、cluster-2 の TLS 設定を定義します。- 6
- cluster-1 から cluster-2 へのレプリケーションフローが有効になっています。
- 7
- cluster-2 から cluster-1. へのレプリケーションフローが有効になっています。
- 8
- cluster-1 から cluster-2 へのすべてのトピックのレプリケーションです。ソースコネクターは指定のトピックをレプリケーションします。チェックポイントコネクターは、指定されたトピックのオフセットを追跡します。
- 9
- cluster-2 から cluster-1 への特定のトピックのレプリケーション。
- 10
- cluster-1 から cluster-2 へのすべてのコンシューマーグループのレプリケーション。チェックポイントコネクターは、指定されたコンシューマーグループをレプリケーションします。
- 11
- cluster-2 から cluster-1 への特定のコンシューマーグループのレプリケーション。
- 12
- リモートトピック名の変更に使用する区切り文字を定義します。
- 13
- 有効にすると、同期されたトピックに ACL が適用されます。デフォルトは
false
です。 - 14
- 新しいトピックの同期をチェックする間隔です。
- 15
- 新しいコンシューマーグループの同期をチェックする間隔です。
オプション: 必要に応じて、リモートトピックの名前の自動変更をオーバーライドするポリシーを追加します。その名前の前にソースクラスターの名前を追加する代わりに、トピックが元の名前を保持します。
このオプションの設定は、active/passive バックアップおよびデータ移行に使用されます。
replication.policy.class=org.apache.kafka.connect.mirror.IdentityReplicationPolicy
オプション: コンシューマーグループのオフセットを同期する場合は、設定を追加して同期を有効にし、管理します。
refresh.groups.interval.seconds=60 sync.group.offsets.enabled=true 1 sync.group.offsets.interval.seconds=60 2 emit.checkpoints.interval.seconds=60 3
ターゲットクラスターで ZooKeeper および Kafka を起動します。
su - kafka /opt/kafka/bin/zookeeper-server-start.sh -daemon \ /opt/kafka/config/zookeeper.properties
/opt/kafka/bin/kafka-server-start.sh -daemon \ /opt/kafka/config/server.properties
プロパティーファイルで定義したクラスター接続設定およびレプリケーションポリシーで MirrorMaker を起動します。
/opt/kafka/bin/connect-mirror-maker.sh \ /opt/kafka/config/connect-mirror-maker.properties
MirrorMaker はクラスター間の接続を設定します。
ターゲットクラスターごとに、トピックがレプリケーションされていることを確認します。
/opt/kafka/bin/kafka-topics.sh --bootstrap-server <broker_address> --list
9.7. MirrorMaker 2 をレガシーモードで使用する
この手順では、MirrorMaker 2 をレガシーモードで使用するように設定する方法について説明します。レガシーモードは、以前のバージョンの MirrorMaker をサポートします。
MirrorMaker スクリプト /opt/kafka/bin/kafka-mirror-maker.sh
は、レガシーモードで MirrorMaker 2 を実行できます。
Kafka MirrorMaker 1 (ドキュメントでは単に MirrorMaker と呼ばれる) は Apache Kafka 3.0.0 で非推奨となり、Apache Kafka 4.0.0 で削除されます。その結果、Kafka MirrorMaker 1 は AMQ Streams でも非推奨になりました。Apache Kafka 4.0.0 を導入すると、Kafka MirrorMaker 1 は AMQ Streams から削除されます。代わりに、IdentityReplicationPolicy
を備えた MirrorMaker 2 を使用してください。
前提条件
現時点でレガシーバージョンの MirrorMaker と使用しているプロパティーファイルが必要である。
-
/opt/kafka/config/consumer.properties
-
/opt/kafka/config/producer.properties
手順
MirrorMaker
consumer.properties
ファイルとproducer.properties
ファイルを編集して、MirrorMaker 2 機能をオフにします。以下に例を示します。
replication.policy.class=org.apache.kafka.mirror.LegacyReplicationPolicy 1 refresh.topics.enabled=false 2 refresh.groups.enabled=false emit.checkpoints.enabled=false emit.heartbeats.enabled=false sync.topic.configs.enabled=false sync.topic.acls.enabled=false
変更を保存し、以前のバージョンの MirrorMaker で使用していたプロパティーファイルで MirrorMaker を再起動します。
su - kafka /opt/kafka/bin/kafka-mirror-maker.sh \ --consumer.config /opt/kafka/config/consumer.properties \ --producer.config /opt/kafka/config/producer.properties \ --num.streams=2
consumer
プロパティーはソースクラスターの設定を提供し、producer
プロパティーはターゲットクラスターの設定を提供します。MirrorMaker はクラスター間の接続を設定します。
ターゲットクラスターで ZooKeeper および Kafka を起動します。
su - kafka /opt/kafka/bin/zookeeper-server-start.sh -daemon /opt/kafka/config/zookeeper.properties
su - kafka /opt/kafka/bin/kafka-server-start.sh -daemon /opt/kafka/config/server.properties
ターゲットクラスターの場合、トピックがレプリケーションされていることを確認します。
/opt/kafka/bin/kafka-topics.sh --bootstrap-server <broker_address> --list
第10章 Kafka コンポーネントのログの設定
Kafka コンポーネントのログレベルを設定プロパティーで直接設定します。Kafka ブローカー、Kafka Connect、および MirrorMaker 2 のブローカーレベルを動的に変更することもできます。
INFO から DEBUG など、ログレベルの詳細を増やすと、Kafka クラスターのトラブルシューティングに役立ちます。ただし、ログが冗長になると、パフォーマンスに悪影響が生じ、問題の診断が難しくなる可能性があります。
10.1. Kafka ログプロパティーの設定
Kafka コンポーネントは、エラーログに Log4j フレームワークを使用します。デフォルトでは、ログ設定は、次のプロパティーファイルを使用してクラスパスまたは config
ディレクトリーから読み取られます。
-
Kafka および ZooKeeper の
log4j.properties
-
Kafka Connect および MirrorMaker 2 の
connect-log4j.properties
これらが明示的に設定されていない場合、ロガーは各ファイルの log4j.rootLogger
ログレベル設定を継承します。これらのファイルのログレベルを変更できます。他のロガーのログレベルを追加および設定することもできます。
コンポーネントの起動スクリプトで使用される KAFKA_LOG4J_OPTS
環境変数を使用して、ログプロパティーファイルの場所と名前を変更できます。
Kafka ブローカーで使用されるログプロパティーファイルの名前と場所を渡す
su - kafka export KAFKA_LOG4J_OPTS="-Dlog4j.configuration=file:/my/path/to/log4j.properties"; \ /opt/kafka/bin/kafka-server-start.sh \ /opt/kafka/config/server.properties
ZooKeeper で使用されるログプロパティーファイルの名前と場所を渡す
su - kafka export KAFKA_LOG4J_OPTS="-Dlog4j.configuration=file:/my/path/to/log4j.properties"; \ /opt/kafka/bin/zookeeper-server-start.sh -daemon \ /opt/kafka/config/zookeeper.properties
Kafka Connect で使用されるログプロパティーファイルの名前と場所を渡す
su - kafka export KAFKA_LOG4J_OPTS="-Dlog4j.configuration=file:/my/path/to/connect-log4j.properties"; \ /opt/kafka/bin/connect-distributed.sh \ /opt/kafka/config/connect-distributed.properties
MirrorMaker 2 で使用されるログプロパティーファイルの名前と場所を渡す
su - kafka export KAFKA_LOG4J_OPTS="-Dlog4j.configuration=file:/my/path/to/connect-log4j.properties"; \ /opt/kafka/bin/connect-mirror-maker.sh \ /opt/kafka/config/connect-mirror-maker.properties
10.2. Kafka ブローカーロガーのログレベルの動的な変更
Kafka ブローカーのログは、各ブローカーのブローカーロガーによって提供されます。ブローカーを再起動することなく、実行時にブローカーロガーのログレベルを動的に変更します。
ブローカーロガーをデフォルトのログレベルに動的にリセットすることもできます。
手順
kafka
ユーザーに切り替えます。su - kafka
kafka-configs.sh
ツールを使用して、ブローカーのブローカーロガーのリストを表示します。/opt/kafka/bin/kafka-configs.sh --bootstrap-server <broker_address> --describe --entity-type broker-loggers --entity-name BROKER-ID
たとえば、ブローカー
0
の場合:/opt/kafka/bin/kafka-configs.sh --bootstrap-server localhost:9092 --describe --entity-type broker-loggers --entity-name 0
これにより、
TRACE
、DEBUG
、INFO
、WARN
、ERROR
、またはFATAL
の各ロガーのログレベルが返されます。以下に例を示します。
#... kafka.controller.ControllerChannelManager=INFO sensitive=false synonyms={} kafka.log.TimeIndex=INFO sensitive=false synonyms={}
1 つ以上のブローカーロガーのログレベルを変更します。
--alter
および--add-config
オプションを使用して、各ロガーとそのレベルを二重引用符のコンマ区切りリストとして指定します。/opt/kafka/bin/kafka-configs.sh --bootstrap-server <broker_address> --alter --add-config "LOGGER-ONE=NEW-LEVEL,LOGGER-TWO=NEW-LEVEL" --entity-type broker-loggers --entity-name BROKER-ID
たとえば、ブローカー
0
の場合:/opt/kafka/bin/kafka-configs.sh --bootstrap-server localhost:9092 --alter --add-config "kafka.controller.ControllerChannelManager=WARN,kafka.log.TimeIndex=WARN" --entity-type broker-loggers --entity-name 0
成功すると、以下が返されます。
Completed updating config for broker: 0.
ブローカーロガーのリセット
kafka-configs.sh
ツールを使用して、1 つ以上のブローカーロガーをデフォルトのログレベルにリセットできます。--alter
および --delete-config
オプションを使用して、各ブローカーロガーを二重引用符のコンマ区切りリストとして指定します。
/opt/kafka/bin/kafka-configs.sh --bootstrap-server localhost:9092 --alter --delete-config "LOGGER-ONE,LOGGER-TWO" --entity-type broker-loggers --entity-name BROKER-ID
関連情報
- Apache Kafka ドキュメントの Updating Broker Configs
10.3. Kafka Connect と MirrorMaker 2 のログレベルを動的に変更する
再起動することなく、実行時に Kafka Connect ワーカーまたは MirrorMaker 2 コネクターのログレベルを動的に変更します。
Kafka Connect API を使用して、ワーカーまたはコネクターロガーのログレベルを一時的に変更します。Kafka Connect API は、ログレベルを取得または変更するための admin/loggers
エンドポイントを提供します。API を使用してログレベルを変更しても、connect-log4j.properties
設定ファイル内のロガー設定は変更されません。必要に応じて、設定ファイル内のログレベルを永続的に変更できます。
MirrorMaker 2 のログレベルは、分散モードまたはスタンドアロンモードの実行時にのみ変更できます。専用の MirrorMaker 2 クラスターには Kafka Connect REST API がないため、ログレベルを変更することはできません。
Kafka Connect API のデフォルトのリスナーはポート 8083 上にあり、この手順で使用されます。admin.listeners
設定を使用して、リスナーを変更または追加したり、TLS 認証を有効にしたりできます。
admin
エンドポイントのリスナー設定の例
admin.listeners=https://localhost:8083 admin.listeners.https.ssl.truststore.location=/path/to/truststore.jks admin.listeners.https.ssl.truststore.password=123456 admin.listeners.https.ssl.keystore.location=/path/to/keystore.jks admin.listeners.https.ssl.keystore.password=123456
admin
エンドポイントを使用可能にしない場合は、設定で空の文字列を指定して無効にすることができます。
admin
エンドポイントを無効にするリスナー設定の例
admin.listeners=
前提条件
- AMQ Streams がホストにインストールされている。
- ZooKeeper および Kafka が稼働している。
- Kafka Connect または MirrorMaker 2 が実行されている
手順
kafka
ユーザーに切り替えます。su - kafka
connect-log4j.properties
ファイルで設定されているロガーの現在のログレベルを確認します。$ cat /opt/kafka/config/connect-log4j.properties # ... log4j.rootLogger=INFO, stdout, connectAppender # ... log4j.logger.org.apache.zookeeper=ERROR log4j.logger.org.reflections=ERROR
curl コマンドを使用して、Kafka Connect API の
admin/loggers
エンドポイントからログレベルを確認します。curl -s http://localhost:8083/admin/loggers/ | jq { "org.apache.zookeeper": { "level": "ERROR" }, "org.reflections": { "level": "ERROR" }, "root": { "level": "INFO" } }
jq
は出力を JSON 形式で出力します。このリストには、標準のorg
およびroot
レベルのロガーに加えて、ログレベルが変更された特定のロガーが表示されます。Kafka Connect の
admin.listeners
設定に TLS (トランスポート層セキュリティー) 認証を設定する場合、ロガーエンドポイントのアドレスは、https://localhost:8083
など、https としてプロトコルを使用してadmin.listeners
に指定された値になります。特定のロガーのログレベルを取得することもできます。
curl -s http://localhost:8083/admin/loggers/org.apache.kafka.connect.mirror.MirrorCheckpointConnector | jq { "level": "INFO" }
PUT メソッドを使用して、ロガーのログレベルを変更します。
curl -Ss -X PUT -H 'Content-Type: application/json' -d '{"level": "TRACE"}' http://localhost:8083/admin/loggers/root { # ... "org.reflections": { "level": "TRACE" }, "org.reflections.Reflections": { "level": "TRACE" }, "root": { "level": "TRACE" } }
root
ロガーを変更すると、デフォルトでルートログレベルを使用していたロガーのログレベルも変更されます。
第11章 大量のメッセージ処理
AMQ Streams デプロイメントで大量のメッセージを処理する必要がある場合は、設定オプションを使用してスループットとレイテンシーを最適化できます。
Kafka プロデューサーおよびコンシューマー設定は、Kafka ブローカーへのリクエストのサイズおよび頻度を制御するのに役立ちます。設定オプションの詳細は、以下を参照してください。
また、Kafka Connect ランタイムソースコネクター (MirrorMaker 2 を含む) およびシンクコネクターで使用されるプロデューサーとコンシューマーで同じ設定オプションを使用することもできます。
- ソースコネクター
- Kafka Connect ランタイムのプロデューサーは、メッセージを Kafka クラスターに送信します。
- MirrorMaker 2 の場合、ソースシステムは Kafka であるため、コンシューマーはソース Kafka クラスターからメッセージを取得します。
- シンクコネクター
- Kafka Connect ランタイムのコンシューマーは、Kafka クラスターからメッセージを取得します。
コンシューマー設定 (consumer.*
) の場合、1 回のフェッチ要求でフェッチされるデータの量を増やして、レイテンシーを減らすことができます。fetch.max.bytes
および max.partition.fetch.bytes
プロパティーを使用して、フェッチ要求のサイズを増やします。max.poll.records
プロパティーを使用して、コンシューマーバッファーから返されるメッセージ数の上限を設定することもできます。
プロデューサー設定 (Producer.*
) の場合、1 回のプロデュースリクエストで送信されるメッセージバッチのサイズを大きくすることができます。batch.size
プロパティーを使用してバッチサイズを増やします。バッチサイズを大きくすると、送信する準備ができている未処理のメッセージの数と、メッセージキュー内のバックログのサイズが減少します。同じパーティションに送信されるメッセージはまとめてバッチ処理されます。バッチサイズに達すると、プロデュースリクエストがターゲットクラスターに送信されます。バッチサイズを大きくすると、プロデュースリクエストが遅延し、より多くのメッセージがバッチに追加され、同時にブローカーに送信されます。これにより、多数のメッセージを処理するトピックパーティションが複数ある場合に、スループットが向上します。
プロデューサーが適切なプロデューサーバッチサイズに対して処理するレコードの数とサイズを考慮します。
linger.ms
を使用してミリ秒単位の待機時間を追加し、プロデューサーの負荷が減少したときにプロデュースリクエストを遅らせます。遅延は、最大バッチサイズ未満の場合に、より多くのレコードをバッチに追加できることを意味します。
Kafka Connect ソースコネクターでは、ターゲット Kafka クラスターへのデータストリーミングパイプラインは以下のようになります。
Kafka Connect ソースコネクターのデータストリーミングパイプライン
外部データソース → (Kafka Connect タスク) ソースメッセージキュー → プロデューサーバーッファー → ターゲット Kafka トピック
Kafka Connect シンクコネクターの場合、ターゲット外部データソースへのデータストリーミングパイプラインは次のとおりです。
Kafka Connect シンクコネクターのデータストリーミングパイプライン
ソース Kafka トピック → (Kafka Connect タスク) シンクメッセージキュー → コンシューマーバッファー → 外部データソース
MirrorMaker 2 の場合、ターゲット Kafka クラスターへのデータミラーリングパイプラインは次のとおりです。
MirrorMaker 2 のデータミラーリングパイプライン
ソース Kafka トピック → (Kafka Connect タスク) ソースメッセージキュー → プロデューサーバーッファー → ターゲット Kafka トピック
プロデューサーは、バッファー内のメッセージをターゲット Kafka クラスター内のトピックに送信します。これが発生している間、Kafka Connect タスクは引き続きデータソースをポーリングして、ソースメッセージキューにメッセージを追加します。
ソースコネクターのプロデューサーバーッファーのサイズは、buffer.memory
プロパティーを使用して設定されます。タスクは、バッファーがフラッシュされる前に、指定されたタイムアウト期間 (offset.flush.timeout.ms
) 待機します。これは、送信されたメッセージがブローカーによって確認され、コミットされたデータがオフセットされるのに十分な時間です。ソースタスクは、シャットダウン中を除き、オフセットをコミットする前にプロデューサーがメッセージキューを空にするのを待ちません。
プロデューサーがソースメッセージキュー内のメッセージのスループットについていけない場合、バッファリングは、max.block.ms
で制限された期間内にバッファーに使用可能なスペースができるまでブロックされます。バッファー内に未確認のメッセージがあれば、この期間中に送信されます。これらのメッセージが確認されてフラッシュされるまで、新しいメッセージはバッファーに追加されません。
次の設定変更を試して、未処理メッセージの基になるソースメッセージキューを管理可能なサイズに保つことができます。
-
offset.flush.timeout.ms
のデフォルト値 (ミリ秒) を増やす - 十分な CPU およびメモリーリソースがあることを確認します。
以下を実行して、並行して実行されるタスクの数を増やします。
-
tasks.max
プロパティーを使用して並列実行するタスクの数を増やす - タスクを実行するワーカーのノード数を増やす
-
使用可能な CPU とメモリーリソース、およびワーカーノードの数に応じて、並列実行できるタスクの数を検討してください。必要な効果が得られるまで、設定値を調整し続けることを推奨します。
11.1. 大量メッセージ用の Kafka Connect の設定
Kafka Connect は、ソースの外部データシステムからデータをフェッチし、それを Kafka Connect ランタイムプロデューサーに渡して、ターゲットクラスターにレプリケートします。
次の例は、Kafka Connect ソースコネクターの設定を示しています。
大量のメッセージを処理するためのソースコネクターの設定例
# ... producer.batch.size=327680 producer.linger.ms=100 # ... tasks.max = 2
シンクコネクターのコンシューマー設定が追加されます。
大量のメッセージを処理するためのシンクコネクターの設定例
# ... consumer.fetch.max.bytes=52428800 consumer.max.partition.fetch.bytes=1048576 consumer.max.poll.records=500 # ... tasks.max = 2
11.2. 大量のメッセージ用の MirrorMaker 2 の設定
MirrorMaker 2 はソースクラスターからデータを取得し、それを Kafka Connect ランタイムプロデューサーに渡して、ターゲットクラスターにレプリケーションします。
次の例は、MirrorMaker 2 の設定を示しています。この設定は、ソースからメッセージをフェッチするコンシューマーと、メッセージをターゲット Kafka クラスターに送信するプロデューサーに関連しています。
大量のメッセージを処理するための MirrorMaker 2 設定の例
clusters=cluster-1,cluster-2 # ... cluster-2.producer.batch.size=327680 cluster-2.producer.linger.ms=100 cluster-1.consumer.fetch.max.bytes=52428800 cluster-1.consumer.max.partition.fetch.bytes=1048576 cluster-1.consumer.max.poll.records=500 # ... tasks.max = 2
第12章 Kafka の管理
追加の設定プロパティーを使用して、AMQ Streams のデプロイメントを維持します。AMQ Streams のパフォーマンスに対応するため、設定を追加および調整できます。たとえば、スループットやデータの信頼性を向上させるために追加の設定を導入できます。
12.1. Kafka Static Quota プラグインを使用したブローカーへの制限の設定
Kafka Static Quota プラグインはテクノロジープレビューの機能です。テクノロジープレビュー機能は、Red Hat 製品のサービスレベルアグリーメント (SLA) の対象外であり、機能的に完全ではないことがあります。Red Hat は、本番環境でのテクノロジープレビュー機能の実装は推奨しません。テクノロジープレビューの機能は、最新の技術をいち早く提供して、開発段階で機能のテストやフィードバックの収集を可能にするために提供されます。Red Hat のテクノロジープレビュー機能のサポート範囲に関する詳細は、テクノロジープレビュー機能のサポート範囲 を参照してください。
Kafka Static Quota プラグインを使用して、Kafka クラスターのブローカーにスループットおよびストレージの制限を設定します。Kafka 設定ファイルにプロパティーを追加して、プラグインを有効にし、制限を設定します。バイトレートのしきい値およびストレージクォータを設定して、ブローカーと対話するクライアントに制限を設けることができます。
プロデューサーおよびコンシューマー帯域幅にバイトレートのしきい値を設定できます。制限の合計は、ブローカーにアクセスするすべてのクライアントに分散されます。たとえば、バイトレートのしきい値として 40 MBps ををプロデューサーに設定できます。2 つのプロデューサーが実行されている場合、それぞれのスループットは 20MBps に制限されます。
ストレージクォータは、Kafka ディスクストレージの制限をソフト制限とハード制限間で調整します。この制限は、利用可能なすべてのディスク容量に適用されます。プロデューサーは、ソフト制限とハード制限の間で徐々に遅くなります。制限により、ディスクの使用量が急激に増加しないようにし、容量を超えないようにします。ディスクがいっぱいになると、修正が難しい問題が発生する可能性があります。ハード制限は、ストレージの上限です。
JBOD ストレージの場合、制限はすべてのディスクに適用されます。ブローカーが 2 つの 1 TB ディスクを使用し、クォータが 1.1 TB の場合は、1 つのディスクにいっぱいになり、別のディスクがほぼ空になることがあります。
前提条件
- Kafka ブローカーとして使用されるすべてのホストに AMQ Streams がインストールされている。
- ZooKeeper クラスターが 設定され、実行されている。
手順
Kafka 設定ファイル
/opt/kafka/config/server.properties
を編集します。プラグインプロパティーは、この設定例のとおりです。
Kafka Static Quota プラグインの設定例
# ... client.quota.callback.class=io.strimzi.kafka.quotas.StaticQuotaCallback 1 client.quota.callback.static.produce=1000000 2 client.quota.callback.static.fetch=1000000 3 client.quota.callback.static.storage.soft=400000000000 4 client.quota.callback.static.storage.hard=500000000000 5 client.quota.callback.static.storage.check-interval=5 6 # ...
デフォルトの設定ファイルで Kafka ブローカーを起動します。
su - kafka /opt/kafka/bin/kafka-server-start.sh -daemon /opt/kafka/config/server.properties
Kafka ブローカーが稼働していることを確認します。
jcmd | grep Kafka
12.2. Kafka クラスターのスケーリング
Kafka クラスターからブローカーを追加または削除できます。ZooKeeper クラスターからノードを追加または削除することもできます。
ブローカーを追加または削除する場合は、kafka-reassign-partitions.sh
を使用してパーティションを割り当てることができます。
Cruise Control を使用して、Kafka クラスターのリバランス時にブローカーの数に変更を組み込むこともできます。新しいブローカーをインストールして、リバランスに追加できます。削除する前に除外するブローカーを指定して理バラナスを実行できます。詳細は、14章Cruise Control を使用したクラスターのリバランス を参照してください。
12.2.1. Kafka クラスターへのブローカーの追加および削除
トピックのスループットを向上させる主な方法は、そのトピックのパーティション数を増やすことです。パーティションによってクラスター内のブローカー間でそのトピックの負荷が共有できます。ブローカーが何らかのリソース (通常は I/O) によって制約されている場合、より多くのパーティションを使用してもスループットは向上しません。代わりに、クラスターにブローカーを追加する必要があります。
追加のブローカーをクラスターに追加する場合、AMQ Streams ではパーティションは自動的に割り当てられません。既存のブローカーから新しいブローカーに移動するパーティションを決定する必要があります。すべてのブローカー間でパーティションが再分散されたら、各ブローカーのリソース使用率が低下するはずです。
クラスターからブローカーを削除する前に、そのブローカーにパーティションが割り当てられていないことを確認します。使用を停止するブローカーの各パーティションに対応する残りのブローカーを決定する必要があります。ブローカーに割り当てられたパーティションがない場合は、ブローカーを停止することができます。
12.2.2. パーティションの再割り当て
kafka-reassign-partitions.sh
は、パーティションを別のブローカーに再割り当てする際に使用します。
これには、以下の 3 つのモードがあります。
--generate
- トピックとブローカーのセットを取得し、再割り当て JSON ファイル を生成します。これにより、トピックのパーティションがブローカーに割り当てられます。再割り当て JSON ファイル を生成する簡単な方法です。ただし、トピック全体で機能するため、その使用が常に適切であるとは限りません。
--execute
- 再割り当て JSON ファイル を取得し、クラスターのパーティションおよびブローカーに適用します。パーティションを取得するブローカーは、パーティションリーダーのフォロワーになります。特定のパーティションでは、新規ブローカーが ISR に参加できたら、古いブローカーはフォロワーではなくなり、そのレプリカが削除されます。
--verify
-
--verify
は、-- execute
ステップと同じ 再割り当て JSON ファイル を使用して、ファイル内のすべてのパーティションが目的のブローカーに移動されたかどうかを確認します。再割り当てが完了すると、有効な スロットル も削除されます。スロットルを削除しないと、再割り当てが完了した後もクラスターは影響を受け続けます。
クラスターでは、1 度に 1 つの再割当てのみを実行でき、実行中の再割り当てをキャンセルすることはできません。再割り当てをキャンセルする必要がある場合は、割り当てが完了するのを待ってから別の再割り当てを実行し、最初の再割り当ての結果を元に戻します。kafka-reassign-partitions.sh
によって、元に戻すための再割り当て JSON が出力の一部として生成されます。大規模な再割り当ては、進行中の再割り当てを停止する必要がある場合に備えて、複数の小さな再割り当てに分割するようにしてください。
12.2.2.1. 再割り当て JSON ファイル
再割り当て JSON ファイル には特定の構造があります。
{
"version": 1,
"partitions": [
<PartitionObjects>
]
}
ここで <PartitionObjects> は、以下のようなコンマ区切りのオブジェクトリストになります。
{ "topic": <TopicName>, "partition": <Partition>, "replicas": [ <AssignedBrokerIds> ], "log_dirs": [<LogDirs>] }
"log_dirs"
プロパティーはオプションで、パーティションを特定のログディレクトリーに移動するために使用されます。
以下は、トピック topic-a
およびパーティション 4
をブローカー 2
、4
および 7
に割り当て、トピック topic-b
およびパーティション 2
をブローカー 1
、5
、および 7
に割り当てる、再割り当て JSON ファイルの例になります。
{ "version": 1, "partitions": [ { "topic": "topic-a", "partition": 4, "replicas": [2,4,7] }, { "topic": "topic-b", "partition": 2, "replicas": [1,5,7] } ] }
JSON に含まれていないパーティションは変更されません。
12.2.2.2. 再割り当て JSON ファイルの生成
指定のトピックのセットのすべてのパーティションを、指定のブローカーのセットに割り当てる最も簡単な方法は、kafka-reassign-partitions.sh --generate
コマンドを使用して再割り当て JSON ファイルを生成することです。
/opt/kafka/bin/kafka-reassign-partitions.sh --bootstrap-server <bootstrap_address> --topics-to-move-json-file <topics_file> --broker-list <broker_list> --generate
<topics_file>
は、移動するトピックをリストする JSON ファイルです。これには、以下の構造があります。
{
"version": 1,
"topics": [
<topic_objects>
]
}
ここで <topic_objects> は、以下のようなコンマ区切りのオブジェクトリストになります。
{
"topic": <TopicName>
}
たとえば、topic-a
および topic-b
のすべてのパーティションをブローカー 4
および 7
に移動する場合は、以下を実行します。
/opt/kafka/bin/kafka-reassign-partitions.sh --bootstrap-server localhost:9092 --topics-to-move-json-file topics-to-be-moved.json --broker-list 4,7 --generate
topics-to-be-moved.json
のコンテンツがあります。
{ "version": 1, "topics": [ { "topic": "topic-a"}, { "topic": "topic-b"} ] }
12.2.2.3. 手動による再割り当て JSON ファイルの作成
特定のパーティションを移動したい場合は、再割り当て JSON ファイルを手動で作成できます。
12.2.3. 再割り当てスロットル
パーティションの再割り当てには、多くのデータをブローカー間で移動させる必要があるため、処理が遅くなる可能性があります。クライアントへの悪影響を防ぐため、再割り当てに スロットル を使用できます。スロットルを使用すると、再割り当てに時間がかかる可能性があります。スロットルが低すぎると、新たに割り当てられたブローカーは公開されるレコードに遅れずに対応することはできず、再割り当ては永久に完了しません。スロットルが高すぎると、クライアントに影響します。たとえば、プロデューサーの場合は、承認待ちが通常のレイテンシーよりも大きくなる可能性があります。コンシューマーの場合は、ポーリング間のレイテンシーが大きいことが原因でスループットが低下する可能性があります。
12.2.4. Kafka クラスターのスケールアップ
この手順では、Kafka クラスターでブローカーの数を増やす方法を説明します。
前提条件
- 既存の Kafka クラスター。
- AMQ ブローカーが インストールされている 新しいマシン。
- 拡大されたクラスターで、パーティションをブローカーに再割り当てする方法を示す 再割り当て JSON ファイル。
手順
-
クラスター内の他のブローカーと同じ設定を使用して新しいブローカーの設定ファイルを作成します。ただし、
broker.id
には他のブローカで使用されていない番号を指定してください。 前のステップで作成した設定ファイルを
kafka-server-start.sh
スクリプトの引数に渡して、新しい Kafka ブローカーを起動します。su - kafka /opt/kafka/bin/kafka-server-start.sh -daemon /opt/kafka/config/server.properties
Kafka ブローカーが稼働していることを確認します。
jcmd | grep Kafka
- 新しいブローカーごとに上記の手順を繰り返します。
kafka-reassign-partitions.sh
コマンドラインツールを使用して、パーティションの再割り当てを実行します。/opt/kafka/bin/kafka-reassign-partitions.sh --bootstrap-server <bootstrap_address> --reassignment-json-file <reassignment_json_file> --execute
レプリケーションをスロットルで調整する場合、
--throttle
と inter-broker のスロットル率 (バイト/秒単位) を渡すこともできます。以下に例を示します。/opt/kafka/bin/kafka-reassign-partitions.sh --bootstrap-server localhost:9092 --reassignment-json-file reassignment.json --throttle 5000000 --execute
このコマンドは、2 つの再割り当て JSON オブジェクトを出力します。最初の JSON オブジェクトには、移動されたパーティションの現在の割り当てが記録されます。後で再割り当てを元に戻す必要がある場合に備えて、これをファイルに保存する必要があります。2 つ目の JSON オブジェクトは、再割り当て JSON ファイルに渡したターゲットの再割り当てです。
再割り当ての最中にスロットルを変更する必要がある場合は、同じコマンドラインに別のスロットル率を指定して実行します。以下に例を示します。
/opt/kafka/bin/kafka-reassign-partitions.sh --bootstrap-server localhost:9092 --reassignment-json-file reassignment.json --throttle 10000000 --execute
kafka-reassign-partitions.sh
コマンドラインツールを使用して、再割り当てが完了したかどうかを定期的に確認します。これは先ほどの手順と同じコマンドですが、--execute
オプションの代わりに--verify
オプションを使用します。/opt/kafka/bin/kafka-reassign-partitions.sh --bootstrap-server <bootstrap_address> --reassignment-json-file <reassignment_json_file> --verify
以下に例を示します。
/opt/kafka/bin/kafka-reassign-partitions.sh --bootstrap-server localhost:9092 --reassignment-json-file reassignment.json --verify
-
--verify
コマンドによって、移動した各パーティションが正常に完了したことが報告されると、再割り当ては終了します。この最終的な--verify
によって、結果的に再割り当てスロットルも削除されます。割り当てを元のブローカーに戻すために JSON ファイルを保存した場合は、ここでそのファイルを削除できます。
12.2.5. Kafka クラスターのスケールダウン
この手順では、Kafka クラスターでブローカーの数を減らす方法を説明します。
前提条件
- 既存の Kafka クラスター。
- ブローカーが削除された後にクラスターのブローカーにパーティションを再割り当てする方法が記述されている 再割り当て JSON ファイル。
手順
kafka-reassign-partitions.sh
コマンドラインツールを使用して、パーティションの再割り当てを実行します。/opt/kafka/bin/kafka-reassign-partitions.sh --bootstrap-server <bootstrap_address> --reassignment-json-file <reassignment_json_file> --execute
レプリケーションをスロットルで調整する場合、
--throttle
と inter-broker のスロットル率 (バイト/秒単位) を渡すこともできます。以下に例を示します。/opt/kafka/bin/kafka-reassign-partitions.sh --bootstrap-server localhost:9092 --reassignment-json-file reassignment.json --throttle 5000000 --execute
このコマンドは、2 つの再割り当て JSON オブジェクトを出力します。最初の JSON オブジェクトには、移動されたパーティションの現在の割り当てが記録されます。後で再割り当てを元に戻す必要がある場合に備えて、これをファイルに保存する必要があります。2 つ目の JSON オブジェクトは、再割り当て JSON ファイルに渡したターゲットの再割り当てです。
再割り当ての最中にスロットルを変更する必要がある場合は、同じコマンドラインに別のスロットル率を指定して実行します。以下に例を示します。
/opt/kafka/bin/kafka-reassign-partitions.sh --bootstrap-server localhost:9092 --reassignment-json-file reassignment.json --throttle 10000000 --execute
kafka-reassign-partitions.sh
コマンドラインツールを使用して、再割り当てが完了したかどうかを定期的に確認します。これは先ほどの手順と同じコマンドですが、--execute
オプションの代わりに--verify
オプションを使用します。/opt/kafka/bin/kafka-reassign-partitions.sh --bootstrap-server <bootstrap_address> --reassignment-json-file <reassignment_json_file> --verify
以下に例を示します。
/opt/kafka/bin/kafka-reassign-partitions.sh --bootstrap-server localhost:9092 --reassignment-json-file reassignment.json --verify
-
--verify
コマンドによって、移動した各パーティションが正常に完了したことが報告されると、再割り当ては終了します。この最終的な--verify
によって、結果的に再割り当てスロットルも削除されます。割り当てを元のブローカーに戻すために JSON ファイルを保存した場合は、ここでそのファイルを削除できます。 削除する各ブローカーに、ログ (
log.dirs
) にライブパーティションがないことを確認します。ls -l <LogDir> | grep -E '^d' | grep -vE '[a-zA-Z0-9.-]+\.[a-z0-9]+-delete$'
ログディレクトリーが正規表現 (
\.[a-z0-9]-delete$
) と一致しない場合は、アクティブなパーティションが存在します。アクティブなパーティションがある場合は、再割り当てが完了したどうか、あるいは、再割り当て JSON ファイルの設定を確認します。再割り当てはもう一度実行できます。次のステップに進む前に、アクティブなパーティションが存在しないことを確認します。ブローカーを停止します。
su - kafka /opt/kafka/bin/kafka-server-stop.sh
Kafka ブローカーが停止していることを確認します。
jcmd | grep kafka
12.2.6. ZooKeeper クラスターのスケールアップ
この手順では、ZooKeeper クラスターにサーバー (ノード) を追加する方法について説明します。ZooKeeper の 動的再設定 機能は、スケールアッププロセス中に安定した ZooKeeper クラスターを維持します。
前提条件
-
動的再設定が ZooKeeper 設定ファイル (
reconfigEnabled=true
) で有効になっている。 - ZooKeeper の認証が有効化され、認証メカニズムを使用して新しいサーバーにアクセスできる。
手順
各 ZooKeeper サーバーに対して、1 つずつ以下の手順を実行します。
- 「マルチノードの ZooKeeper クラスターの実行」 の説明に従ってサーバーを ZooKeeper クラスターに追加し、ZooKeeper を起動します。
- 新しいサーバーの IP アドレスと設定されたアクセスポートをメモします。
サーバーの
zookeeper-shell
セッションを開始します。クラスターにアクセスできるマシンから次のコマンドを実行します (アクセスできる場合は、ZooKeeper ノードまたはローカルマシンの 1 つである可能性があります)。su - kafka /opt/kafka/bin/zookeeper-shell.sh <ip-address>:<zk-port>
シェルセッションで、ZooKeeper ノードが実行されている状態で、次の行を入力して、新しいサーバーを投票メンバーとしてクォーラムに追加します。
reconfig -add server.<positive-id> = <address1>:<port1>:<port2>[:role];[<client-port-address>:]<client-port>
以下に例を示します。
reconfig -add server.4=172.17.0.4:2888:3888:participant;172.17.0.4:2181
<positive-id>
は、新しいサーバー ID4
です。2 つのポートの
<port1>
2888 は ZooKeeper サーバー間の通信用で、<port2>
3888 はリーダーエレクション用です。新しい設定は ZooKeeper クラスターの他のサーバーに伝播されます。新しいサーバーはクォーラムの完全メンバーになります。
- 追加する他のサーバーについて、手順 1 から 4 を繰り返します。
12.2.7. ZooKeeper クラスターのスケールダウン
この手順では、ZooKeeper クラスターからサーバー (ノード) を削除する方法を説明します。ZooKeeper の 動的再設定 機能は、スケールダウンプロセス中に安定した ZooKeeper クラスターを維持します。
前提条件
-
動的再設定が ZooKeeper 設定ファイル (
reconfigEnabled=true
) で有効になっている。 - ZooKeeper の認証が有効化され、認証メカニズムを使用して新しいサーバーにアクセスできる。
手順
各 ZooKeeper サーバーに対して、1 つずつ以下の手順を実行します。
スケールダウンの後も 維持される サーバーのいずれかで、
zookeeper-shell
にログインします (例: サーバー 1)。注記ZooKeeper クラスターに設定された認証メカニズムを使用してサーバーにアクセスします。
サーバー (サーバー 5 など) を削除します。
reconfig -remove 5
- 削除したサーバーを無効にします。
- ステップ 1 から 3 を繰り返し、クラスターサイズを縮小します。
関連情報
- ZooKeeper のドキュメントの サーバーの削除
第13章 Kerberos (GSSAPI) 認証の使用
AMQ Streams は、Kafka クラスターへのセキュアなシングルサインオンアクセスのために、Kerberos (GSSAPI) 認証プロトコルの使用をサポートします。GSSAPI は、Kerberos 機能の API ラッパーで、基盤の実装の変更からアプリケーションを保護します。
Kerberos は、対称暗号化と信頼できるサードパーティーの Kerberos Key Distribution Centre (KDC) を使用して、クライアントとサーバーが相互に認証できるようにするネットワーク認証システムです。
13.1. AMQ Streams を設定して Kerberos (GSSAPI) 認証を使用
この手順では、Kafka クライアントが Kerberos (GSSAPI) 認証を使用して Kafka および ZooKeeper にアクセスできるように AMQ Streams を設定する方法を説明します。
この手順では、Kerberos krb5 リソースサーバーが Red Hat Enterprise Linux ホストに設定されていることを前提としています。
この手順では、例を用いて以下の設定方法を説明します。
- サービスプリンシパル
- Kafka ブローカー (Kerberos ログインを使用するため)
- ZooKeeper (Kerberos ログインを使用するため)
- プロデューサーおよびコンシューマークライアント (Kerberos 認証を使用して Kafka にアクセスするため)
この手順では、単一のホストでの単一の ZooKeeper および Kafka インストールの Kerberos 設定方法を、プロデューサーおよびコンシューマークライアントの追加設定方法を説明します。
前提条件
Kafka および ZooKeeper が Kerberos クレデンシャルを認証および承認するように設定できるようにするには、以下が必要です。
- Kerberos サーバーへのアクセス
- 各 Kafka ブローカーホストの Kerberos クライアント
Kerberos サーバー、およびブローカーホストのクライアントを設定する手順の詳細は、AMQ Streams on RHEL - Example Kerberos set up configuration を参照してください。
認証用のサービスプリンシパルの追加
Kerberos サーバーから、ZooKeeper、Kafka ブローカー、Kafka プロデューサーおよびコンシューマークライアントのサービスプリンシパル (ユーザー) を作成します。
サービスプリンシパルの形式は SERVICE-NAME/FULLY-QUALIFIED-HOST-NAME@DOMAIN-REALM にする必要があります。
Kerberos KDC を使用してサービスプリンシパルと、プリンシパルキーを保存するキータブを作成します。
以下に例を示します。
-
zookeeper/node1.example.redhat.com@EXAMPLE.REDHAT.COM
-
kafka/node1.example.redhat.com@EXAMPLE.REDHAT.COM
-
producer1/node1.example.redhat.com@EXAMPLE.REDHAT.COM
consumer1/node1.example.redhat.com@EXAMPLE.REDHAT.COM
ZooKeeper サービスプリンシパルは、Kafka
config/server.properties
ファイルのzookeeper.connect
設定と同じホスト名にする必要があります。zookeeper.connect=node1.example.redhat.com:2181
ホスト名が異なる場合は localhost が使用されるため、認証に失敗します。
-
ホストにディレクトリーを作成し、キータブファイルを追加します。
以下に例を示します。
/opt/kafka/krb5/zookeeper-node1.keytab /opt/kafka/krb5/kafka-node1.keytab /opt/kafka/krb5/kafka-producer1.keytab /opt/kafka/krb5/kafka-consumer1.keytab
kafka
ユーザーがディレクトリーにアクセスできることを確認します。chown kafka:kafka -R /opt/kafka/krb5
ZooKeeper を設定して Kerberos ログインを使用
認証に Kerberos Key Distribution Center (KDC) を使用するように zookeeper
に作成したユーザープリンシパルとキータブを使用して ZooKeeper を設定します。
opt/kafka/config/jaas.conf
ファイルを作成または変更して、ZooKeeper クライアントおよびサーバー操作をサポートします。Client { com.sun.security.auth.module.Krb5LoginModule required debug=true useKeyTab=true 1 storeKey=true 2 useTicketCache=false 3 keyTab="/opt/kafka/krb5/zookeeper-node1.keytab" 4 principal="zookeeper/node1.example.redhat.com@EXAMPLE.REDHAT.COM"; 5 }; Server { com.sun.security.auth.module.Krb5LoginModule required debug=true useKeyTab=true storeKey=true useTicketCache=false keyTab="/opt/kafka/krb5/zookeeper-node1.keytab" principal="zookeeper/node1.example.redhat.com@EXAMPLE.REDHAT.COM"; }; QuorumServer { com.sun.security.auth.module.Krb5LoginModule required debug=true useKeyTab=true storeKey=true keyTab="/opt/kafka/krb5/zookeeper-node1.keytab" principal="zookeeper/node1.example.redhat.com@EXAMPLE.REDHAT.COM"; }; QuorumLearner { com.sun.security.auth.module.Krb5LoginModule required debug=true useKeyTab=true storeKey=true keyTab="/opt/kafka/krb5/zookeeper-node1.keytab" principal="zookeeper/node1.example.redhat.com@EXAMPLE.REDHAT.COM"; };
- 1
true
に設定し、キータブからプリンシパルキーを取得します。- 2
true
に設定し、プリンシパルキーを保存します。- 3
true
に設定し、チケットキャッシュから Ticket Granting Ticket (TGT) を取得します。- 4
keyTab
プロパティーは、Kerberos KDC からコピーされた keytab ファイルの場所を示します。その場所とファイルは、kafka
ユーザーが読み取り可能になものにする必要があります。- 5
principal
プロパティーは、KDC ホストで作成された完全修飾プリンシパル名と一致するように設定され、その形式はSERVICE-NAME/FULLY-QUALIFIED-HOST-NAME@DOMAIN-NAME
に従います。
opt/kafka/config/zookeeper.properties
を編集して、更新された JAAS 設定を使用します。# ... requireClientAuthScheme=sasl jaasLoginRenew=3600000 1 kerberos.removeHostFromPrincipal=false 2 kerberos.removeRealmFromPrincipal=false 3 quorum.auth.enableSasl=true 4 quorum.auth.learnerRequireSasl=true 5 quorum.auth.serverRequireSasl=true quorum.auth.learner.loginContext=QuorumLearner 6 quorum.auth.server.loginContext=QuorumServer quorum.auth.kerberos.servicePrincipal=zookeeper/_HOST 7 quorum.cnxn.threads.size=20
- 1
- ログイン更新の頻度をミリ秒単位で制御します。これは、チケットの更新間隔に合わせて調整できます。デフォルトは 1 時間です。
- 2
- ホスト名がログインプリンシパル名の一部として使用されるかどうかを指定します。クラスターのすべてのノードで単一の keytab を使用する場合、これは
true
に設定されます。ただし、トラブルシューティングのために、各ブローカーホストに個別のキータブと完全修飾プリンシパルを生成することが推奨されます。 - 3
- Kerberos ネゴシエーションのプリンシパル名からレルム名を削除するかどうかを制御します。この設定は、
false
にすることを推奨します。 - 4
- ZooKeeper サーバーおよびクライアントの SASL 認証メカニズムを有効にします。
- 5
RequireSasl
プロパティーは、マスター選出などのクォーラムイベントに SASL 認証を必要とするかどうかを制御します。- 6
loginContext
プロパティーは、指定されたコンポーネントの認証設定に使用される JAAS 設定のログインコンテキストの名前を識別します。loginContext 名は、opt/kafka/config/jaas.conf
ファイルの関連セクションの名前に対応します。- 7
- 識別に使用されるプリンシパル名を形成するために使用される命名規則を制御します。プレースホルダー
_HOST
は、実行時にserver.1
プロパティーによって定義されたホスト名に自動的に解決されます。
JVM パラメーターで ZooKeeper を起動し、Kerberos ログイン設定を指定します。
su - kafka export EXTRA_ARGS="-Djava.security.krb5.conf=/etc/krb5.conf -Djava.security.auth.login.config=/opt/kafka/config/jaas.conf"; /opt/kafka/bin/zookeeper-server-start.sh -daemon /opt/kafka/config/zookeeper.properties
デフォルトのサービス名 (
zookeeper
) を使用していない場合は、-Dzookeeper.sasl.client.username=NAME
パラメーターを使用して名前を追加します。注記/etc/krb5.conf
を場所として使用している場合は、ZooKeeper、Kafka、Kafka プロデューサーおよびコンシューマーの起動時に-Djava.security.krb5.conf=/etc/krb5.conf
を指定する必要はありません。
Kafka ブローカーサーバー設定して Kerberos ログインを使用
認証に Kerberos Key Distribution Center (KDC) を使用するように kafka
に作成したユーザープリンシパルとキータブを使用して Kafka を設定します。
opt/kafka/config/jaas.conf
ファイルを以下の要素で修正します。KafkaServer { com.sun.security.auth.module.Krb5LoginModule required useKeyTab=true storeKey=true keyTab="/opt/kafka/krb5/kafka-node1.keytab" principal="kafka/node1.example.redhat.com@EXAMPLE.REDHAT.COM"; }; KafkaClient { com.sun.security.auth.module.Krb5LoginModule required debug=true useKeyTab=true storeKey=true useTicketCache=false keyTab="/opt/kafka/krb5/kafka-node1.keytab" principal="kafka/node1.example.redhat.com@EXAMPLE.REDHAT.COM"; };
Kafka クラスターの各ブローカーを設定するには、
config/server.properties
ファイルのリスナー設定を変更して、リスナーが SASL/GSSAPI ログインを使用するようにします。リスナーのセキュリティープロトコルのマップに SASL プロトコルを追加し、不要なプロトコルを削除します。
以下に例を示します。
# ... broker.id=0 # ... listeners=SECURE://:9092,REPLICATION://:9094 1 inter.broker.listener.name=REPLICATION # ... listener.security.protocol.map=SECURE:SASL_PLAINTEXT,REPLICATION:SASL_PLAINTEXT 2 # .. sasl.enabled.mechanisms=GSSAPI 3 sasl.mechanism.inter.broker.protocol=GSSAPI 4 sasl.kerberos.service.name=kafka 5 ...
- 1
- クライアントとの汎用通信用のセキュアなリスナー (通信用 TLS をサポート)、およびブローカー間通信用のレプリケーションリスナーの 2 つが設定されています。
- 2
- TLS に対応しているリスナーのプロトコル名は SASL_PLAINTEXT になります。コネクターが TLS に対応していない場合、プロトコル名は SASL_PLAINTEXT になります。SSL が必要ない場合は、
ssl.*
プロパティーを削除できます。 - 3
- Kerberos 認証における SASL メカニズムは
GSSAPI
になります。 - 4
- inter-broker 通信の Kerberos 認証。
- 5
- 認証要求に使用するサービスの名前は、同じ Kerberos 設定を使用している他のサービスと区別するために指定されます。
Kafka ブローカーを起動し、JVM パラメーターを使用して Kerberos ログイン設定を指定します。
su - kafka export KAFKA_OPTS="-Djava.security.krb5.conf=/etc/krb5.conf -Djava.security.auth.login.config=/opt/kafka/config/jaas.conf"; /opt/kafka/bin/kafka-server-start.sh -daemon /opt/kafka/config/server.properties
ブローカーおよび ZooKeeper クラスターが設定されていて、Kerberos ベース以外の認証システムで動作している場合は、ZooKeeper およびブローカークラスターを起動し、ログで設定エラーを確認できます。
ブローカーおよび Zookeeper インスタンスを起動すると、Kerberos 認証用にクラスターが設定されました。
Kafka プロデューサーおよびコンシューマークライアントの設定して Kerberos 認証を使用
認証に Kerberos Key Distribution Center (KDC) を使用するように、producer1
および consumer1
に作成したユーザープリンシパルとキータブを使用して Kafka プロデューサーおよびコンシューマークライアントを設定します。
プロデューサーまたはコンシューマー設定ファイルに Kerberos 設定を追加します。
以下に例を示します。
/opt/kafka/config/producer.properties
# ... sasl.mechanism=GSSAPI 1 security.protocol=SASL_PLAINTEXT 2 sasl.kerberos.service.name=kafka 3 sasl.jaas.config=com.sun.security.auth.module.Krb5LoginModule required \ 4 useKeyTab=true \ useTicketCache=false \ storeKey=true \ keyTab="/opt/kafka/krb5/producer1.keytab" \ principal="producer1/node1.example.redhat.com@EXAMPLE.REDHAT.COM"; # ...
/opt/kafka/config/consumer.properties
# ... sasl.mechanism=GSSAPI security.protocol=SASL_PLAINTEXT sasl.kerberos.service.name=kafka sasl.jaas.config=com.sun.security.auth.module.Krb5LoginModule required \ useKeyTab=true \ useTicketCache=false \ storeKey=true \ keyTab="/opt/kafka/krb5/consumer1.keytab" \ principal="consumer1/node1.example.redhat.com@EXAMPLE.REDHAT.COM"; # ...
クライアントを実行して、Kafka ブローカーからメッセージを送受信できることを確認します。
プロデューサークライアント:
export KAFKA_HEAP_OPTS="-Djava.security.krb5.conf=/etc/krb5.conf -Dsun.security.krb5.debug=true"; /opt/kafka/bin/kafka-console-producer.sh --producer.config /opt/kafka/config/producer.properties --topic topic1 --bootstrap-server node1.example.redhat.com:9094
コンシューマークライアント:
export KAFKA_HEAP_OPTS="-Djava.security.krb5.conf=/etc/krb5.conf -Dsun.security.krb5.debug=true"; /opt/kafka/bin/kafka-console-consumer.sh --consumer.config /opt/kafka/config/consumer.properties --topic topic1 --bootstrap-server node1.example.redhat.com:9094
関連情報
- Kerberos の man ページ: krb5.conf(5)、kinit(1)、klist(1)、および kdestroy(1)
- AMQ Streams on RHEL - Example Kerberos set up configuration
- AMQ Streams on RHEL - Example Kafka client with Kerberos authentication
第14章 Cruise Control を使用したクラスターのリバランス
Cruise Control は、クラスターワークロードの監視、事前定義の制約を基にしたクラスターの再分散、異常の検出および修正などの Kafka の操作を自動化するオープンソースのシステムです。Cruise Control は Load Monitor、Analyzer、Anomaly Detector、および Executor の主な 4 つのコンポーネントと、クライアントの対話に使用される REST API で設定されます。
Cruise Control を使用して Kafka クラスターを リバランス できます。Red Hat Enterprise Linux 上の AMQ Streams の Cruise Control は、個別の zip 形式のディストリビューションとして提供されます。
AMQ Streams は REST API を使用して、以下の Cruise Control 機能をサポートします。
- 最適化ゴールから最適化プロポーザルを生成します。
最適化プロポーザルを基にして Kafka クラスターのリバランスを行います。
- 最適化ゴール
最適化ゴールは、リバランスから達成する特定のゴールを表します。たとえば、トピックのレプリカをブローカー間でより均等に分散することがゴールになる場合があります。設定から追加するゴールを変更できます。ゴールは、ハードゴールまたはソフトゴールとして定義されます。Cruise Control 展開設定を使用してハード目標を追加できます。また、これらの各カテゴリーに適合するメイン、デフォルト、およびユーザー提供の目標もあります。
- ハードゴール は事前設定されており、最適化プロポーザルが正常に実行されるには満たされる必要があります。
- 最適化プロポーザルが正常に実行されるには、ソフトゴール を満たす必要はありません。これは、すべてのハードゴールが一致することを意味します。
- メインゴール は Cruise Control から継承されます。ハードゴールとして事前設定されているものもあります。メインゴールは、デフォルトで最適化プロポーザルで使用されます。
- デフォルトのゴール は、デフォルトでメインゴールと同じです。デフォルトゴールのセットを指定できます。
- ユーザー提供 のゴールは、特定の最適化プロポーザルを生成するために設定されるデフォルトゴールのサブセットです。
- 最適化プロポーザル
最適化プロポーザルは、リバランスから達成するゴールで構成されます。最適化プロポーザルを生成して、提案された変更の概要と、リバランス可能な結果を作成します。ゴールは特定の優先順位で評価されます。その後、プロポーザルの承認または拒否を選択できます。プロポーザルを拒否し、調整したゴールセットを使用して再度実行できます。
次の API エンドポイントのいずれかにリクエストを送信することで、最適化の提案を生成して承認できます。
- /rebalance エンドポイントで完全なリバランスを実行します。
- /add_broker エンドポイントは、Kafka クラスターをスケールアップするときにブローカーを追加した後に再調整します。
- /remove_broker エンドポイントを再調整してから、Kafka クラスターをスケールダウンするときにブローカーを削除します。
最適化ゴールは、設定プロパティーファイルで設定します。AMQ Streams には、Cruise Control のプロパティーファイルのサンプルが含まれています。
自己修復、通知、独自ゴールの作成、トピックレプリケーション係数の変更など、その他の Cruise Control の機能は現在サポートされていません。
14.1. Cruise Control のコンポーネントと機能
Cruise Control は、Load Monitor、Analyzer、Anomaly Detector、Executor の 4 つの主要コンポーネントと、クライアントとの対話用の REST API で設定されています。AMQ Streams は REST API を使用して、以下の Cruise Control 機能をサポートします。
- 最適化ゴールから最適化プロポーザルを生成します。
- 最適化プロポーザルを基にして Kafka クラスターのリバランスを行います。
- 最適化ゴール
最適化ゴールは、リバランスから達成する特定のゴールを表します。たとえば、トピックのレプリカをブローカー間でより均等に分散することがゴールになる場合があります。設定から追加するゴールを変更できます。ゴールは、ハードゴールまたはソフトゴールとして定義されます。Cruise Control 展開設定を使用してハード目標を追加できます。また、これらの各カテゴリーに適合するメイン、デフォルト、およびユーザー提供の目標もあります。
- ハードゴール は事前設定されており、最適化プロポーザルが正常に実行されるには満たされる必要があります。
- 最適化プロポーザルが正常に実行されるには、ソフトゴール を満たす必要はありません。これは、すべてのハードゴールが一致することを意味します。
- メインゴール は Cruise Control から継承されます。ハードゴールとして事前設定されているものもあります。メインゴールは、デフォルトで最適化プロポーザルで使用されます。
- デフォルトのゴール は、デフォルトでメインゴールと同じです。デフォルトゴールのセットを指定できます。
- ユーザー提供のゴール は、特定の最適化プロポーザルを生成するために設定されるデフォルトゴールのサブセットです。
- 最適化プロポーザル
最適化プロポーザルは、リバランスから達成するゴールで構成されます。最適化プロポーザルを生成して、提案された変更の概要と、リバランス可能な結果を作成します。ゴールは特定の優先順位で評価されます。その後、プロポーザルの承認または拒否を選択できます。プロポーザルを拒否し、調整したゴールセットを使用して再度実行できます。
3 つのモードのいずれかで最適化プロポーザルを生成できます。
-
full
はデフォルトのモードで、完全なリバランスを実行します。 -
add-brokers
は、Kafka クラスターをスケールアップするときにブローカーを追加した後に使用するモードです。 -
remove-brokers
は、Kafka クラスターを縮小するときにブローカーを削除する前に使用するモードです。
-
自己修復、通知、独自ゴールの作成、トピックレプリケーション係数の変更など、その他の Cruise Control の機能は現在サポートされていません。
関連情報
- {CruiseControlConfigDocs}
14.2. Cruise Control のダウンロード
Cruise Control の ZIP ファイル配布は、Red Hat Web サイトからダウンロードできます。Red Hat AMQ Streams の最新バージョンは、AMQ Streams ソフトウェアダウンロードページ からダウンロードできます。
手順
- Red Hat カスタマーポータル から、最新バージョンの Red Hat AMQ Streams Cruise Control アーカイブをダウンロードします。
/opt/cruise-control
ディレクトリーを作成します。sudo mkdir /opt/cruise-control
Cruise Control ZIP ファイルの中身を新しいディレクトリーに展開します。
unzip amq-streams-<version>-cruise-control-bin.zip -d /opt/cruise-control
/opt/cruise-control
ディレクトリーの所有権をkafka
ユーザーに変更します。sudo chown -R kafka:kafka /opt/cruise-control
14.3. Cruise Control Metrics Reporter のデプロイ
Cruise Control を起動する前に、提供される Cruise Control Metrics Reporter を使用するように Kafka ブローカーを設定する必要があります。Metrics Reporter のファイルは AMQ Streams インストールアーティファクトで提供されます。
実行時に読み込まれると、Metrics Reporter は 自動作成された 3 つのトピックの 1 つである __CruiseControlMetrics
トピックにメトリクスを送信します。Cruise Control はこのメトリクスを使用して、ワークロードモデルを作成および更新し、最適化プロポーザルを計算します。
前提条件
-
Red Hat Enterprise Linux に
kafka
ユーザーとしてログインしている。 - Kafka と ZooKeeper が実行されている。
手順
Kafka クラスターの各ブローカーに対して、以下を 1 つずつ実行します。
Kafka ブローカーを停止します。
/opt/kafka/bin/kafka-server-stop.sh
Kafka 設定ファイル (
/opt/kafka/config/server.properties
) で、Cruise Control Metrics Reporter を設定します。CruiseControlMetricsReporter
クラスをmetric.reporters
設定オプションに追加します。既存の Metrics Reporters を削除しないでください。metric.reporters=com.linkedin.kafka.cruisecontrol.metricsreporter.CruiseControlMetricsReporter
以下の設定オプションおよび値を追加します。
cruise.control.metrics.topic.auto.create=true cruise.control.metrics.topic.num.partitions=1 cruise.control.metrics.topic.replication.factor=1
これらのオプションにより、Cruise Control Metrics Reporter は、
__CruiseControlMetrics
トピックをログクリーンアップポリシーDELETE
で作成します。詳細は、自動作成されたトピック および Cruise Control Metrics トピックのログクリーンアップポリシー を参照してください。
必要に応じて SSL を設定します。
Kafka 設定ファイル (
/opt/kafka/config/server.properties
) では、関連するクライアント設定プロパティーを設定して、Cruise Control Metrics Reporter と Kafka ブローカー間の SSL を設定します。Metrics Reporter は、
cruise.control.metrics.reporter
という接頭辞を持つ、すべての標準のプロデューサー固有の設定プロパティーを受け入れます。たとえば、cruise.control.metrics.reporter.ssl.truststore.password
です。Cruise Control 設定ファイル (
/opt/cruise-control/config/cruisecontrol.properties
) では、関連するクライアント設定プロパティーを設定して、Kafka ブローカーと Cruise Control サーバーとの間の SSL を設定します。Cruise Control は、Kafka から SSL クライアントプロパティーオプションを継承し、すべての Cruise Control サーバークライアントにこのプロパティーを使用します。
Kafka ブローカーを再起動します。
/opt/kafka/bin/kafka-server-start.sh -daemon /opt/kafka/config/server.properties
マルチノードクラスターでブローカーを再起動する方法は、「Kafka ブローカーの正常なローリング再起動の実行」 を参照してください。
- 残りのブローカーで手順 1-5 を繰り返します。
14.4. Cruise Control の設定および起動
Cruise Control が使用するプロパティーを設定し、kafka-cruise-control-start.sh
スクリプトを使用して Cruise Control サーバーを起動します。サーバーは、Kafka クラスター全体の単一のマシンでホストされます。
Cruise Control の起動時に 3 つのトピックが自動作成されます。詳細は、自動作成されたトピック を参照してください。
前提条件
-
Red Hat Enterprise Linux に
kafka
ユーザーとしてログインしている。 - 「Cruise Control のダウンロード」
- 「Cruise Control Metrics Reporter のデプロイ」
手順
-
Cruise Control プロパティーファイル (
/opt/cruise-control/config/cruisecontrol.properties
) を編集します。 以下の設定例のように、プロパティーを設定します。
# The Kafka cluster to control. bootstrap.servers=localhost:9092 1 # The replication factor of Kafka metric sample store topic sample.store.topic.replication.factor=2 2 # The configuration for the BrokerCapacityConfigFileResolver (supports JBOD, non-JBOD, and heterogeneous CPU core capacities) #capacity.config.file=config/capacity.json #capacity.config.file=config/capacityCores.json capacity.config.file=config/capacityJBOD.json 3 # The list of goals to optimize the Kafka cluster for with pre-computed proposals default.goals={List of default optimization goals} 4 # The list of supported goals goals={list of main optimization goals} 5 # The list of supported hard goals hard.goals={List of hard goals} 6 # How often should the cached proposal be expired and recalculated if necessary proposal.expiration.ms=60000 7 # The zookeeper connect of the Kafka cluster zookeeper.connect=localhost:2181 8
- 1
- Kafka ブローカーのホストおよびポート番号 (常にポート 9092)。
- 2
- Kafka メトリックサンプルストアトピックのレプリケーション係数。単一ノードの Kafka および ZooKeeper クラスターで Cruise Control を評価する場合は、このプロパティーを 1 に設定します。実稼働環境で使用する場合は、このプロパティーを 2 以上に設定します。
- 3
- ブローカーリソースの最大容量制限を設定する設定ファイル。Kafka デプロイメント設定に適用されるファイルを使用します。詳細は、容量の設定 を参照してください。
- 4
- 完全修飾ドメイン名 (FQDN) を使用したデフォルトの最適化ゴールのコンマ区切りリスト。多くの主要な最適化ゴール (5 を参照) は、デフォルトの最適化ゴールとしてすでに設定されています。必要に応じて、目標を追加または削除できます。詳細は、「最適化ゴールの概要」 を参照してください。
- 5
- FQDN を使用した、主な最適化ゴールのコンマ区切りリスト。最適化プロポーザルの生成にゴールが使用されないように完全に除外するには、それらをリストから削除します。詳細は、「最適化ゴールの概要」 を参照してください。
- 6
- FQDN を使用したハードゴールのコンマ区切りリスト。主な最適化ゴールのうち 7 つは、すでに厳しい目標として設定されています。必要に応じて、目標を追加または削除できます。詳細は、「最適化ゴールの概要」 を参照してください。
- 7
- デフォルトの最適化ゴールから生成される、キャッシュされた最適化プロポーザルを更新する間隔 (ミリ秒単位)。詳細は、「最適化プロポーザルの概要」 を参照してください。
- 8
- ZooKeeper 接続のホストおよびポート番号 (常にポート 2181)。
Cruise Control サーバーを起動します。デフォルトでは、サーバーはポート 9092 で起動します。オプションで別のポートを指定します。
cd /opt/cruise-control/ ./kafka-cruise-control-start.sh config/cruisecontrol.properties <port_number>
Cruise Control が実行していることを確認するには、Cruise Control サーバーの
/state
エンドポイントに GET リクエストを送信します。curl 'http://HOST:PORT/kafkacruisecontrol/state'
自動作成されたトピック
以下の表は、Cruise Control の起動時に自動的に作成される 3 つのトピックを表しています。このトピックは、Cruise Control が適切に動作するために必要であるため、削除または変更しないでください。
自動作成されたトピック | 作成元 | 機能 |
---|---|---|
| Cruise Control Metrics Reporter | Metrics Reporter からの raw メトリクスを各 Kafka ブローカーに格納します。 |
| Cruise Control | 各パーティションの派生されたメトリックを格納します。これは Metric Sample Aggregator によって作成されます。 |
| Cruise Control | クラスターワークロードモデル の作成に使用されるメトリクスサンプルを格納します。 |
自動作成されたトピックでログコンパクションが 無効 になっていることを確認するには、「Cruise Control Metrics Reporter のデプロイ」 の説明に従って Cruise Control Metrics Reporter を設定するようにしてください。ログコンパクションは、Cruise Control が必要とするレコードを削除し、適切に動作しないようにすることができます。
14.5. 最適化ゴールの概要
最適化ゴールは、Kafka クラスター全体のワークロード再分散およびリソース使用の制約です。Cruise Control は Kafka クラスターの再分散を行うために、最適化ゴールを使用して 最適化プロポーザル を生成します。
14.5.1. 優先度によるゴールの順序
Red Hat Enterprise Linux 上の AMQ Streams は、Cruise Control プロジェクトで開発された最適化の目標をすべてサポートします。以下に、サポートされるゴールをデフォルトの優先度順に示します。
- ラックアウェアネス (Rack Awareness)
- 一連のトピックに対するブローカーごとのリーダーレプリカの最小数
- レプリカの容量
- 容量: ディスク容量、ネットワークインバウンド容量、ネットワークアウトバウンド容量
- CPU 容量
- レプリカの分散
- 潜在的なネットワーク出力
- リソース分布: ディスク使用率の分布、ネットワークインバウンド使用率の分布、ネットワークアウトバウンド使用率の分布。
- リーダーへの単位時間あたりバイト流入量の分布
- トピックレプリカの分散
- CPU 使用率の分散
- リーダーレプリカの分散
- 優先リーダーエレクション
- Kafka Assigner のディスク使用率の分散
- ブローカー内のディスク容量
- ブローカー内のディスク使用率
各最適化ゴールの詳細は、Cruise Control Wiki の Goals を参照してください。
14.5.2. Cruise Control プロパティーファイルのゴール設定
最適化ゴールの設定は、cruise-control/config/
ディレクトリー内の cruisecontrol.properties
ファイルで行います。Cruise Control には、満たなければならない厳しい最適化ゴールのほか、メイン、デフォルト、およびユーザーが指定した最適化ゴールの設定があります。
次の設定では、次のタイプの最適化ゴールを指定できます。
-
メインゴール —
cruisecontrol.properties
ファイル -
ハードゴール —
cruisecontrol.properties
ファイル -
デフォルトゴール —
cruisecontrol.properties
ファイル - ユーザー提供のゴール — 実行時パラメーター
オプションで、ユーザー提供 の最適化ゴールは、実行時に /rebalance
エンドポイントへのリクエストのパラメーターとして設定されます。
最適化ゴールは、ブローカーリソースのあらゆる 容量制限 の対象となります。
14.5.3. ハードおよびソフト最適化ゴール
ハードゴールは最適化プロポーザルで 必ず 満たさなければならないゴールです。ハードゴールとして設定されていないゴールは ソフトゴール と呼ばれます。ソフトゴールは ベストエフォート ゴールと解釈できます。これらは、最適化プロポーザルで満たす必要はありませんが、最適化の計算に含まれます。
Cruise Control は、すべてのハードゴールを満たし、優先度順にできるだけ多くのソフトゴールを満たす最適化プロポーザルを算出します。すべてのハードゴールを 満たさない 最適化プロポーザルは Analyzer によって拒否され、ユーザーには送信されません。
たとえば、クラスター全体でトピックのレプリカを均等に分散するソフトゴールがあるとします (トピックレプリカ分散のゴール)。このソフトゴールを無視すると、設定されたハードゴールがすべて有効になる場合、Cruise Control はこのソフトゴールを無視します。
Cruise Control では、以下の メイン最適化ゴール がハードゴールとして事前設定されています。
RackAwareGoal; MinTopicLeadersPerBrokerGoal; ReplicaCapacityGoal; DiskCapacityGoal; NetworkInboundCapacityGoal; NetworkOutboundCapacityGoal; CpuCapacityGoal
ハードゴールを変更するには、cruisecontrol.properties
ファイルの hard.goals
プロパティーを編集し、完全修飾ドメイン名を使用してゴールを指定します。
ハードゴールの数を増やすと、Cruise Control が有効な最適化プロポーザルを計算して生成する可能性が低くなります。
14.5.4. メイン最適化ゴール
メイン最適化ゴールはすべてのユーザーが使用できます。メイン最適化ゴールにリストされていないゴールは、Cruise Control 操作で使用できません。
次に示す主な最適化 goal
は、cruisecontrol.properties
ファイルの goal プロパティーに優先順位の降順で事前設定されています。
RackAwareGoal; MinTopicLeadersPerBrokerGoal; ReplicaCapacityGoal; DiskCapacityGoal; NetworkInboundCapacityGoal; NetworkOutboundCapacityGoal; ReplicaDistributionGoal; PotentialNwOutGoal; DiskUsageDistributionGoal; NetworkInboundUsageDistributionGoal; NetworkOutboundUsageDistributionGoal; CpuUsageDistributionGoal; TopicReplicaDistributionGoal; LeaderReplicaDistributionGoal; LeaderBytesInDistributionGoal; PreferredLeaderElectionGoal
複雑さを軽減するために、最適化の提案を生成するために使用される 1 つ以上のゴールを完全に除外する必要がない限り、事前設定されたメインの最適化ゴールを変更しないことを推奨します。必要な場合、メイン最適化ゴールの優先順位は、デフォルトの最適化ゴールの設定で変更できます。
事前設定された主な最適化ゴールを変更するには、目標のリストを ゴール
プロパティーに優先度の高い順に指定します。cruisecontrol.properties
ファイルに記載されているように、完全修飾ドメイン名を使用します。
主なゴールを少なくとも 1 つ指定する必要があります。そうしないと、Cruise Control がクラッシュします。
事前設定されたメインの最適化ゴールを変更する場合は、設定された hard.goals
が、設定したメインの最適化ゴールのサブセットであることを確認する必要があります。そうしないと、最適化プロポーザルの生成時にエラーが発生します。
14.5.5. デフォルトの最適化ゴール
Cruise Control は デフォルトの最適化ゴール リストを使用して、キャッシュされた最適化プロポーザル を生成します。詳細は、「最適化プロポーザルの概要」 を参照してください。
ユーザー提供の最適化ゴール を設定すると、デフォルトの最適化ゴールを実行時に上書きできます。
次のデフォルトの最適化ゴールは、cruisecontrol.properties
ファイルの default.goals
プロパティーに優先順位の降順で事前設定されています。
RackAwareGoal; MinTopicLeadersPerBrokerGoal; ReplicaCapacityGoal; DiskCapacityGoal; NetworkInboundCapacityGoal; NetworkOutboundCapacityGoal; CpuCapacityGoal; ReplicaDistributionGoal; PotentialNwOutGoal; DiskUsageDistributionGoal; NetworkInboundUsageDistributionGoal; NetworkOutboundUsageDistributionGoal; CpuUsageDistributionGoal; TopicReplicaDistributionGoal; LeaderReplicaDistributionGoal; LeaderBytesInDistributionGoal
デフォルトのゴールを 1 つ以上指定する必要があります。そうしないと、Cruise Control がクラッシュします。
デフォルトの最適化ゴールを変更するには、default.goals
プロパティーで目標のリストを優先度の高い順に指定します。デフォルトのゴールは、主要な最適化ゴールのサブセットである必要があります。完全修飾ドメイン名を使用します。
14.5.6. ユーザー提供の最適化ゴール
ユーザー提供の最適化ゴール は、特定の最適化プロポーザルの設定済みのデフォルトゴールを絞り込みます。必要に応じて、/rebalance
エンドポイントへの HTTP リクエストのパラメーターとして設定することができます。詳細は、「最適化プロポーザルの生成」 を参照してください。
ユーザー提供の最適化ゴールは、さまざまな状況の最適化プロポーザルを生成できます。たとえば、ディスクの容量やディスクの使用率を考慮せずに、Kafka クラスター全体でリーダーレプリカの分布を最適化したい場合があります。そのため、/rebalance
エンドポイントに、リーダーレプリカディストリビューションの単一のゴールが含まれるリクエストを送信します。
ユーザー提供の最適化ゴールには以下が必要になります。
最適化プロポーザルの設定済みのハードゴールを無視するには、skip_hard_goals_check=true
パラメーターをリクエストに追加します。
関連情報
- Cruise Control の設定
- Cruise Control Wiki の Configurations
14.6. 最適化プロポーザルの概要
最適化プロポーザル は、パーティションのワークロードをブローカー間でより均等に分散することで、Kafka クラスターの負荷をより均等にするために提案された変更の概要です
各最適化プロポーザルは、それを生成するために使用された 最適化ゴール のセットに基づいており、ブローカーリソースに設定された 容量制限 が適用されます。
すべての最適化プロポーザルは、提案されたリバランスの影響の 見積もり です。提案は、承認または却下できます。最初に最適化プロポーザルを生成しなければに、クラスターのリバランスは承認できません。
以下のエンドポイントのいずれかを使用して最適化プロポーザルを実行できます。
-
/rebalance
-
/add_broker
-
/remove_broker
14.6.1. エンドポイントのリバランス
最適化プロポーザルを生成するために POST 要求を送信するときに、リバランスエンドポイントを指定します。
/rebalance
-
/rebalance
エンドポイントは、クラスター内のすべてのブローカーにレプリカを移動して完全なリバランスを実行します。 /add_broker
-
add_broker
エンドポイントは、1 つ以上のブローカーを追加することで、Kafka クラスターのスケールアップ後に使用されます。通常、Kafka クラスターをスケールアップした後、新しいブローカーは、新しく作成されたトピックのパーティションのみをホストするために使用されます。新しいトピックが作成されないと、新たに追加されたブローカーは使用されず、既存のブローカーは同じ負荷のままになります。ブローカーをクラスターに追加してすぐにadd_broker
エンドポイントを使用すると、リバランス操作はレプリカを既存のブローカーから新たに追加されたブローカーに移動します。POST 要求で、新しいブローカーをbrokerid
リストとして指定します。 /remove_broker
-
/remove_broker
エンドポイントは、1 つ以上のブローカーを削除して Kafka クラスターをスケールダウンする前に使用されます。Kafka クラスターをスケールダウンすると、レプリカをホストする場合でもブローカーはシャットダウンされます。これにより、レプリケートが不十分なパーティションとなる可能性があり、一部のパーティションが最小 In-Sync レプリカ (ISR) を下回る可能性があります。この問題を回避するため、/remove_broker
エンドポイントは、削除予定のブローカーからレプリカを移動します。これらのブローカーがレプリカをホストしなくなった場合は、スケールダウン操作を安全に実行できます。POST 要求で、削除するブローカーをbrokerid
リストとして指定します。
通常、/rebalance
エンドポイントを使用して、ブローカー間で負荷を分散し、Kafka クラスターをリバランスします。/add-broker
エンドポイントと /remove_broker
エンドポイントは、クラスターをスケールアップまたはスケールダウンし、それに応じてレプリカを再調整する場合にのみ使用してください。
結局のところ、リバランスを実行する手順は、3 つの異なるエンドポイント間で同じとなります。唯一の違いは、要求に追加されたブローカーや、要求から削除されるブローカーのリスト表示のみです。
14.6.2. 最適化プロポーザルの承認または拒否
最適化プロポーザルのサマリーは、提案された変更の範囲を示しています。サマリーは、Cruise Control API を介した HTTP リクエストへの応答で返されます。
/rebalance
エンドポイントに POST リクエストを行うと、最適化プロポーザルのサマリーがレスポンスで返されます。
最適化プロポーザルの要約を返す方法
curl -v -X POST 'cruise-control-server:9090/kafkacruisecontrol/rebalance'
サマリーを使用して、最適化プロポーザルを承認するか拒否するかを決定します。
- 最適化プロポーザルの承認
-
/rebalance
エンドポイントに POST リクエストを送信し、dryrun
パラメーターをfalse
(デフォルトはtrue
) に設定して、最適化のプロポーザルを承認します。Cruise Control は、プロポーザルを Kafka クラスターに適用し、クラスターのリバランス操作を開始します。 - 最適化プロポーザルの拒否
-
最適化プロポーザルを承認しないことを選択した場合は、最適化ゴールの変更 または 任意のリバランスパフォーマンスチューニングオプションの更新 を行い、その後で別のプロポーザルを生成できます。
dryrun
パラメーターなしでリクエストを再送信して、新しい最適化プロポーザルを生成できます。
最適化プロポーザルを使用して、リバランスに必要な動作を評価します。たとえば、要約ではブローカー間およびブローカー内の動きについて記述します。ブローカー間のリバランスは、別々のブローカー間でデータを移動します。JBOD ストレージ設定を使用していると、ブローカー内のリバランスでは同じブローカー上のディスク間でデータが移動します。このような情報は、プロポーザルを承認しない場合でも有用な場合があります。
リバランスの際には Kafka クラスターに追加の負荷がかかるため、最適化プロポーザルを却下したり、承認を遅らせたりする場合があります。
次の例では、プロポーザルは別々のブローカー間のデータのリバランスを提案しています。リバランスには、ブローカー間での 55 個のパーティションレプリカ (合計 12 MB のデータ) の移動が含まれます。パーティションレプリカのブローカー間の移動は、パフォーマンスに大きな影響を与えますが、データ総量はそれほど多くありません。合計データが膨大な場合は、プロポーザルを却下するか、リバランスを承認するタイミングを考慮して Kafka クラスターのパフォーマンスへの影響を制限できます。
リバランスパフォーマンスチューニングオプションは、データ移動の影響を減らすのに有用です。リバランス期間を延長できる場合は、リバランスをより小さなバッチに分割できます。一回のデータ移動が少なくなると、クラスターの負荷も軽減できます。
最適化プロポーザルサマリーの例
Optimization has 55 inter-broker replica (12 MB) moves, 0 intra-broker replica (0 MB) moves and 24 leadership moves with a cluster model of 5 recent windows and 100.000% of the partitions covered. Excluded Topics: []. Excluded Brokers For Leadership: []. Excluded Brokers For Replica Move: []. Counts: 3 brokers 343 replicas 7 topics. On-demand Balancedness Score Before (78.012) After (82.912). Provision Status: RIGHT_SIZED.
このプロポーザルでは、24 のパーティションリーダーも別のブローカーに移動します。これには、パフォーマンスへの影響が少ない ZooKeeper の設定を変更する必要があります。
バランススコアは、最適化プロポーザルが承認される前後の Kafka クラスターの全体的なバランスの測定値です。バランススコアは、最適化ゴールに基づいています。すべてのゴールが満たされていると、スコアは 100 になります。達成されないゴールごとにスコアが減少します。バランススコアを比較して、Kafka クラスターのバランスがリバランス後よりも悪いかどうかを確認します。
provision ステータスは、現在のクラスター設定が最適化ゴールをサポートするかどうかを示します。プロビジョニングステータスを確認し、ブローカーを追加または削除する必要があるかどうかを確認します。
Status | 説明 |
---|---|
RIGHT_SIZED | クラスターには、最適化ゴールを満たす適切な数のブローカーがあります。 |
UNDER_PROVISIONED | クラスターはプロビジョニングされておらず、最適化ゴールに対応するために追加のブローカーが必要になります。 |
OVER_PROVISIONED | クラスターはオーバープロビジョニングされており、最適化ゴールを満たすためにブローカーの数を減らします。 |
UNDECIDED | ステータスは関連性がなく、まだ決定されていません。 |
14.6.3. 最適化プロポーザルサマリーのプロパティー
以下の表は、最適化プロポーザルに含まれるプロパティーを表しています。
プロパティー | 説明 |
---|---|
|
リバランス操作中のパフォーマンスへの影響度: 比較的高い。
リバランス操作中のパフォーマンスへの影響度: 場合による。MB の数が大きいほど、クラスターのリバランスの完了にかかる時間が長くなります。 |
|
リバランス操作中のパフォーマンスへの影響度: 比較的高いが、
リバランス操作中のパフォーマンスへの影響度: 場合による。値が大きいほど、クラスターのリバランスの完了にかかる時間が長くなります。大量のデータを移動する場合は、同じブローカーのディスク間で移動する方が個別のブローカー間で移動するよりも影響度が低くなります ( |
| 最適化プロポーザルのパーティションレプリカ/リーダーの移動の計算から除外されたトピックの数。 以下のいずれかの方法で、トピックを除外することができます。
正規表現と一致するトピックが応答にリスト表示され、クラスターのリバランスから除外されます。 |
|
リバランス操作中のパフォーマンスへの影響度: 比較的低い。 |
|
|
|
|
| Kafka クラスターの全体的なバランスの測定。
Cruise Control は、複数の要因を基にして
|
14.6.4. キャッシュされた最適化プロポーザル
Cruise Control は、設定済みの デフォルトの最適化ゴール を基にした キャッシュされた最適化プロポーザル を維持します。キャッシュされた最適化プロポーザルはワークロードモデルから生成され、Kafka クラスターの現在の状況を反映するために 15 分ごとに更新されます。
以下のゴール設定が使用される場合に、キャッシュされた最新の最適化プロポーザルが返されます。
- デフォルトの最適化ゴール
- 現在キャッシュされているプロポーザルで達成できるユーザー提供の最適化ゴール
キャッシュされた最適化プロポーザルの更新間隔を変更するには、Cruise Control デプロイメント設定の cruisecontrol.properties
ファイルの proposal.expiration.ms
設定を編集します。更新間隔を短くすると、Cruise Control サーバーの負荷が増えますが、変更が頻繁に行われるクラスターでは、更新間隔を短くするよう考慮してください。
14.7. リバランスパフォーマンスチューニングの概要
クラスターリバランスのパフォーマンスチューニングオプションを調整できます。このオプションは、リバランスのパーティションレプリカおよびリーダーシップの移動が行われる方法を制御し、また、リバランス操作に割り当てられた帯域幅も制御します。
パーティション再割り当てコマンド
最適化プロポーザル は、個別のパーティション再割り当てコマンドで設定されています。プロポーザルを開始すると、Cruise Control サーバーはこのコマンドを Kafka クラスターに適用します。
パーティション再割り当てコマンドは、以下のいずれかの操作で設定されます。
パーティションの移動: パーティションレプリカとそのデータを新しい場所に転送します。パーティションの移動は、以下の 2 つの形式のいずれかになります。
- ブローカー間の移動: パーティションレプリカを、別のブローカーのログディレクトリーに移動します。
- ブローカー内の移動: パーティションレプリカを、同じブローカーの異なるログディレクトリーに移動します。
- リーダーシップの移動: パーティションのレプリカのリーダーを切り替えます。
Cruise Control によって、パーティション再割り当てコマンドがバッチで Kafka クラスターに発行されます。リバランス中のクラスターのパフォーマンスは、各バッチに含まれる各タイプの移動数に影響されます。
パーティション再割り当てコマンドを設定するには、リバランスチューニングオプション を参照してください。
レプリカの移動ストラテジー
クラスターリバランスのパフォーマンスは、パーティション再割り当てコマンドのバッチに適用される レプリカ移動ストラテジー の影響も受けます。デフォルトでは、Cruise Control は BaseReplicaMovementStrategy
を使用します。これは、生成された順序でコマンドを適用します。ただし、プロポーザルの初期に非常に大きなパーティションの再割り当てを行うと、このストラテジーではその他の再割り当ての適用が遅くなる可能性があります。
Cruise Control は、最適化プロポーザルに適用できる 3 つの代替レプリカ移動ストラテジーを提供します。
-
PrioritizeSmallReplicaMovementStrategy
: サイズの昇順で再割り当てを並べ替えます。 -
PrioritizeLargeReplicaMovementStrategy
: サイズの降順で再割り当ての順序です。 -
PostponeUrpReplicaMovementStrategy
: 非同期レプリカがないパーティションのレプリカの再割り当てを優先します。
これらのストラテジーをシーケンスとして設定できます。最初のストラテジーは、内部ロジックを使用して 2 つのパーティション再割り当ての比較を試みます。再割り当てが同等である場合は、順番を決定するために再割り当てをシーケンスの次のストラテジーに渡します。
レプリカの移動ストラテジーを設定するには、リバランスチューニングオプション を参照してください。
リバランスチューニングオプション
Cruise Control には、リバランスパラメーターを調整する設定オプションが複数あります。これらのオプションは、以下の方法で設定されます。
-
プロパティーとして、Cruise Control のデフォルト設定および
cruisecontrol.properties
ファイルに設定 -
パラメーターとして、
/rebalance
エンドポイントへの POST リクエストに設定
両方の方法に関連する設定を以下の表にまとめています。
Cruise Control プロパティー | KafkaRebalance パラメーター | デフォルト | 説明 |
---|---|---|---|
|
| 5 | 各パーティション再割り当てバッチにおける inter-broker パーティション移動の最大数。 |
|
| 2 | 各パーティション再割り当てバッチにおけるブローカー内パーティション移動の最大数。 |
|
| 1000 | 各パーティション再割り当てバッチにおけるパーティションリーダー変更の最大数。 |
|
| Null (制限なし) | パーティションの再割り当てに割り当てる帯域幅 (バイト/秒単位)。 |
|
|
|
パーティション再割り当てコマンドが、生成されたプロポーザルに対して実行される順番を決定するために使用されるストラテジー (優先順位順) の一覧。3 つのストラテジー |
デフォルト設定を変更すると、リバランスの完了までにかかる時間と、リバランス中の Kafka クラスターの負荷に影響します。値を小さくすると負荷は減りますが、かかる時間は長くなります。その逆も同様です。
関連情報
- Cruise Control Wiki の Configurations
- Cruise Control Wiki の REST API
14.8. Cruise Control の設定
config/cruisecontrol.properties
ファイルには Cruise Control の設定が含まれます。このファイルは、以下のいずれかのタイプのプロパティーで設定されます。
- 文字列
- 数値
- Boolean
Cruise Control Wiki の Configurations セクションに記載されているすべてのプロパティーを指定および設定できます。
容量の設定
Cruise Control は 容量制限 を使用して、特定のリソースベースの最適化ゴールが破損しているかどうかを判断します。1 つ以上のリソースベースのゴールがハードゴールとして設定され、破損すると、最適化の試みは失敗します。これにより、最適化を使用して最適化プロポーザルを生成できなくなります。
Kafka ブローカーリソースの容量制限は、cruise-control/config
の以下の 3 つの .json
ファイルのいずれかに指定します。
-
capacityJBOD.json
: JBOD Kafka デプロイメントでの使用 (デフォルトのファイル)。 -
capacity.json
: 各ブローカーに同じ数の CPU コアがある、JBOD 以外の Kafka デプロイメントでの使用。 -
capacityCores.json
: 各ブローカーによって CPU コアの数が異なる、JBOD 以外の Kafka デプロイメントでの使用。
cruisecontrol.properties
の capacity.config.file
プロパティーにファイルを設定します。選択したファイルは、ブローカーの容量解決に使用されます。以下に例を示します。
capacity.config.file=config/capacityJBOD.json
容量制限は、記述された単位で以下のブローカーリソースに設定できます。
-
DISK
: ディスクストレージ (MB 単位) -
CPU
: パーセント (0-100) またはコアの数としての CPU 使用率 -
NW_IN
: KB 毎秒単位のインバウンドネットワークスループット -
NW_OUT
: KB 毎秒単位のアウトバウンドネットワークスループット
Cruise Control によって監視される各ブローカーに同じ容量制限を適用するには、ブローカー ID -1
の容量制限を設定します。個々のブローカーに異なる容量制限を設定するには、各ブローカー ID とその容量設定を指定します。
容量制限の設定例
{ "brokerCapacities":[ { "brokerId": "-1", "capacity": { "DISK": "100000", "CPU": "100", "NW_IN": "10000", "NW_OUT": "10000" }, "doc": "This is the default capacity. Capacity unit used for disk is in MB, cpu is in percentage, network throughput is in KB." }, { "brokerId": "0", "capacity": { "DISK": "500000", "CPU": "100", "NW_IN": "50000", "NW_OUT": "50000" }, "doc": "This overrides the capacity for broker 0." } ] }
詳細は、Cruise Control Wiki の Populating the Capacity Configuration File を参照してください。
Cruise Control Metrics トピックのログクリーンアップポリシー
自動作成された __CruiseControlMetrics
トピック (自動作成されたトピック を参照) には、COMPACT
ではなく DELETE
のログクリーンアップポリシーを設定することが重要です。設定されていない場合は、Cruise Control が必要とするレコードが削除される可能性があります。
「Cruise Control Metrics Reporter のデプロイ」 で説明されているように、Kafka 設定ファイルに以下のオプションを設定すると、COMPACT
ログクリーンアップポリシーが正しく設定されます。
-
cruise.control.metrics.topic.auto.create=true
-
cruise.control.metrics.topic.num.partitions=1
-
cruise.control.metrics.topic.replication.factor=1
Cruise Control Metrics Reporter (cruise.control.metrics.topic.auto.create=false
) でトピックの自動作成が 無効 で、Kafka クラスターで 有効 になっていると、__CruiseControlMetrics
トピックはブローカーによって自動的に作成されます。この場合は、kafka-configs.sh
ツールを使用して、__CruiseControlMetrics
トピックのログクリーンアップポリシーを DELETE
に変更する必要があります。
__CruiseControlMetrics
トピックの現在の設定を取得します。opt/kafka/bin/kafka-configs.sh --bootstrap-server <broker_address> --entity-type topics --entity-name __CruiseControlMetrics --describe
トピック設定でログクリーンアップポリシーを変更します。
/opt/kafka/bin/kafka-configs.sh --bootstrap-server <broker_address> --entity-type topics --entity-name __CruiseControlMetrics --alter --add-config cleanup.policy=delete
Cruise Control Metrics Reporter および Kafka クラスターの両方でトピックの自動作成が 無効 になっている場合は、__CruiseControlMetrics
トピックを手動で作成してから、kafka-configs.sh
ツールを使用して DELETE
ログクリーンアップポリシーを使用するように設定する必要があります。
詳細は、「トピック設定の変更」 を参照してください。
ロギングの設定
Cruise Control はすべてのサーバーログに log4j1
を使用します。デフォルト設定を変更するには、/opt/cruise-control/config/log4j.properties
の log4j.properties
ファイルを編集します。
変更を反映するには、Cruise Control サーバーを再起動する必要があります。
14.9. 最適化プロポーザルの生成
/rebalance
エンドポイントに POST リクエストを行うと、Cruise Control は提供された最適化ゴールを基にして、Kafka クラスターをリバランスするために最適化プロポーザルを生成します。最適化プロポーザルの結果を使用して Kafka クラスターをリバランスできます。
以下のエンドポイントのいずれかを使用して最適化プロポーザルを実行できます。
-
/rebalance
-
/add_broker
-
/remove_broker
使用するエンドポイントは、Kafka クラスターで実行しているすべてのブローカーでリバランスを行うか、Kafka クラスターをスケールダウンした後にリバランスを行うかによって異なります。詳細は、Rebalancing endpoints with broker scaling を参照してください。
dryrun
パラメーターが指定され、false
に設定されない限り、最適化プロポーザルは ドライラン として生成されます。「ドライランモード」では、Cruise Control は最適化プロポーザルと推定結果を生成しますが、クラスターをリバランスしてプロポーザルを開始することはありません。
最適化プロポーザルで返される情報を分析し、プロポーザルを承認するかどうかを決定できます。
エンドポイントへの要求を行うには、以下のパラメーターを使用します。
dryrun
型: boolean、デフォルト: true
最適化プロポーザルのみを生成するか (true
)、最適化プロポーザルを生成してクラスターのリバランスを実行するか (false
) を Cruise Control に通知します。
dryrun=true
(デフォルト) の場合は、verbose
パラメーターを渡して Kafka クラスターの状態に関する詳細情報を返すこともできます。これには、最適化プロポーザルの適用前および適用後の各 Kafka ブローカーの負荷のメトリックと、前後の値の違いが含まれます。
excluded_topics
型: regex
最適化プロポーザルの計算から除外するトピックと一致する正規表現。
goals
型: 文字列のリスト。デフォルト: 設定済み default.goals
リスト
最適化プロポーザルを準備するために使用するユーザー提供の最適化ゴールのリスト。goals が指定されていない場合は、cruisecontrol.properties
ファイルに設定されている default.goals
リストが使用されます。
skip_hard_goals_check
型: boolean、デフォルト: false
デフォルトでは、Cruise Control はユーザー提供の最適化ゴール (goals
パラメーター) に設定済みのハードゴール (hard.goals
) がすべて含まれていることを確認します。設定された hard.goals
のサブセットではないゴールを指定すると、リクエストは失敗します。
設定されたすべての hard.goals
を含まない、ユーザー提供の最適化ゴールで最適化プロポーザルを生成する場合は、skip_hard_goals_check
を true
に設定します。
json
型: boolean、デフォルト: false
Cruise Control サーバーによって返される応答のタイプを制御します。指定のない場合、または false
に設定した場合、Cruise Control はコマンドラインでの表示用に書式設定されたテキストを返します。返された情報の要素をプログラムで抽出する場合は、json=true
を設定します。これにより、jq
などのツールにパイプ処理できる JSON 形式のテキストを返したり、スクリプトやプログラムで解析することができます。
verbose
型: boolean、デフォルト: false
Cruise Control サーバーが返す応答の詳細レベルを制御します。dryrun=true
と併用できます。
その他のパラメーターも利用可能です。詳細は、Cruise Control Wiki の REST APIs を参照してください。
前提条件
- Kafka と ZooKeeper を実行している。
- Cruise Control を実行している。
- (スケールアップ用のオプション) リバランスに追加するために、ホストに新しいブローカーをインストール している。
手順
/rebalance
、/add_broker
、または/remove_broker
エンドポイントへの POST 要求を使用して最適化プロポーザルを生成します。デフォルトのゴールを使用した
/rebalance
への要求の例curl -v -X POST 'cruise-control-server:9090/kafkacruisecontrol/rebalance'
キャッシュされた最適化プロポーザルは即座に返されます。
注記NotEnoughValidWindows
が返された場合、Cruise Control は最適化プロポーザルを生成するために十分なメトリクスデータを記録していません。数分待ってからリクエストを再送信します。指定されたゴールを使用した
/rebalance
への要求の例curl -v -X POST 'cruise-control-server:9090/kafkacruisecontrol/rebalance?goals=RackAwareGoal,ReplicaCapacityGoal'
要求が、指定のゴールを満たしていると、キャッシュされた最適化プロポーザルが即座に返されます。それ以外の場合は、提供されたゴールを使用して新しい最適化プロポーザルが生成されます。計算には時間がかかります。この動作を強制するには、リクエストに
ignore_proposal_cache=true
パラメーターを追加します。ハードゴールなしで指定されたゴールを使用した
/rebalance
への要求の例curl -v -X POST 'cruise-control-server:9090/kafkacruisecontrol/rebalance?goals=RackAwareGoal,ReplicaCapacityGoal,ReplicaDistributionGoal&skip_hard_goal_check=true'
指定のブローカーが含まれる
/add_broker
への要求の例curl -v -X POST 'cruise-control-server:9090/kafkacruisecontrol/add_broker?brokerid=3,4'
要求には、新規ブローカーの ID のみが含まれます。たとえば、この要求は ID
3
と4
のブローカーを追加します。レプリカは、リバランス時に既存のブローカーから新しいブローカーに移動します。指定のブローカーを除外する
/remove_broker
への要求の例curl -v -X POST 'cruise-control-server:9090/kafkacruisecontrol/remove_broker?brokerid=3,4'
要求には、除外されるブローカーの ID が含まれます。たとえば、この要求は ID が
3
と4
のブローカーを除外します。レプリカは、リバランス時に他の既存ブローカーから削除されるブローカーから移動されます。注記削除されるブローカーがトピックを除外した場合でも、レプリカは移動されます。
応答に含まれる最適化プロポーザルを確認します。プロパティーは、保留中のクラスターリバランス操作を記述します。
プロポーザルには、提案された最適化の概要、各デフォルトの最適化ゴールの概要、およびプロポーザルの実行後に予想されるクラスター状態が含まれます。
以下の情報に特に注意してください。
-
Cluster load after rebalance
の概要。要件を満たす場合には、概要を使用して、提案された変更の影響を評価する必要があります。 -
n inter-broker replica (y MB) moves
はブローカー間でネットワークを介して移動されるデータ量を示します。値が高いほど、リバランス中の Kafka クラスターへの潜在的なパフォーマンスの影響が大きくなります。 -
n intra-broker replica (y MB) moves
は、ブローカー内部で (ディスク間) でどれだけのデータを移動させるかを示します。値が大きいほど、個々のブローカーに対する潜在的なパフォーマンスの影響は大きくなります (ただしn inter-broker replica (y MB) moves
の影響よりも小さい)。 - リーダーシップ移動の数。これは、リバランス中のクラスターのパフォーマンスにほとんど影響しません。
-
非同期応答
Cruise Control REST API エンドポイントは、デフォルトでは 10 秒後にタイムアウトしますが、プロポーザルの生成はサーバー上で継続されます。最近キャッシュされた最適化プロポーザルが準備状態にない場合や、ユーザー提供の最適化ゴールが ignore_proposal_cache=true
で指定された場合は、タイムアウトが発生することがあります。
後で最適化プロポーザルを取得できるようにするには、/rebalance
エンドポイントからの応答のヘッダーにあるリクエストの一意識別子を書き留めておきます。
curl
を使用して応答を取得するには、詳細 (-v
) オプションを指定します。
curl -v -X POST 'cruise-control-server:9090/kafkacruisecontrol/rebalance'
ヘッダーの例を以下に示します。
* Connected to cruise-control-server (::1) port 9090 (#0)
> POST /kafkacruisecontrol/rebalance HTTP/1.1
> Host: cc-host:9090
> User-Agent: curl/7.70.0
> Accept: /
>
* Mark bundle as not supporting multiuse
< HTTP/1.1 200 OK
< Date: Mon, 01 Jun 2020 15:19:26 GMT
< Set-Cookie: JSESSIONID=node01wk6vjzjj12go13m81o7no5p7h9.node0; Path=/
< Expires: Thu, 01 Jan 1970 00:00:00 GMT
< User-Task-ID: 274b8095-d739-4840-85b9-f4cfaaf5c201
< Content-Type: text/plain;charset=utf-8
< Cruise-Control-Version: 2.0.103.redhat-00002
< Cruise-Control-Commit_Id: 58975c9d5d0a78dd33cd67d4bcb497c9fd42ae7c
< Content-Length: 12368
< Server: Jetty(9.4.26.v20200117-redhat-00001)
タイムアウト時間内に最適化プロポーザルが準備ができなかった場合、POST リクエストを再送信できます。これには、ヘッダーにある元リクエストの User-Task-ID
が含まれます。
curl -v -X POST -H 'User-Task-ID: 274b8095-d739-4840-85b9-f4cfaaf5c201' 'cruise-control-server:9090/kafkacruisecontrol/rebalance'
次のステップ
14.10. 最適化プロポーザルの承認
最近生成された最適化プロポーザルが適切であれば、Cruise Control にクラスターのリバランスを開始し、パーティションの再割り当てを開始できます。
最適化プロポーザルを生成し、クラスターリバランスを開始するまでの時間をできるだけ短くします。元の最適化プロポーザルの生成後に時間が経過していると、クラスターの状態が変更している場合があります。そのため、開始したクラスターのリバランスが、確認したものとは異なる場合があります。不明な場合は、最初に新しい最適化プロポーザルを生成します。
ステータスが "Active" の進行中のクラスターリバランスは、一度に 1 つだけになります。
前提条件
- Cruise Control から 最適化プロポーザルを生成済み である。
手順
dryrun=false
パラメーターを使用して、POST 要求を/rebalance
、/add_broker
、または/remove_broker
エンドポイントに送信します。/add_broker
または/remove_broker
エンドポイントを使用して、ブローカーを含むまたは除外するプロポーザルを生成した場合は、同じエンドポイントを使用して、指定されたブローカーの有無にかかわらずリバランスを実行します。/rebalance
への要求の例curl -X POST 'cruise-control-server:9090/kafkacruisecontrol/rebalance?dryrun=false'
/add_broker
への要求の例curl -v -X POST 'cruise-control-server:9090/kafkacruisecontrol/add_broker?dryrun=false&brokerid=3,4'
/remove_broker
への要求の例curl -v -X POST 'cruise-control-server:9090/kafkacruisecontrol/remove_broker?dryrun=false&brokerid=3,4'
Cruise Control はクラスターリバランスを開始し、最適化プロポーザルを返します。
- 最適化プロポーザルで要約された変更を確認します。変更が予想される内容ではない場合は、リバランスを停止 できます。
/user_tasks
エンドポイントを使用して、クラスターリバランスの進捗を確認します。進行中のクラスターリバランスのステータスは "Active" です。Cruise Control サーバーで実行されるすべてのクラスターリバランスタスクを表示するには、以下を実行します。
curl 'cruise-control-server:9090/kafkacruisecontrol/user_tasks' USER TASK ID CLIENT ADDRESS START TIME STATUS REQUEST URL c459316f-9eb5-482f-9d2d-97b5a4cd294d 0:0:0:0:0:0:0:1 2020-06-01_16:10:29 UTC Active POST /kafkacruisecontrol/rebalance?dryrun=false 445e2fc3-6531-4243-b0a6-36ef7c5059b4 0:0:0:0:0:0:0:1 2020-06-01_14:21:26 UTC Completed GET /kafkacruisecontrol/state?json=true 05c37737-16d1-4e33-8e2b-800dee9f1b01 0:0:0:0:0:0:0:1 2020-06-01_14:36:11 UTC Completed GET /kafkacruisecontrol/state?json=true aebae987-985d-4871-8cfb-6134ecd504ab 0:0:0:0:0:0:0:1 2020-06-01_16:10:04 UTC
特定のクラスターリバランスタスクの状態を表示するには、
user-task-ids
パラメーターおよびタスク ID を指定します。curl 'cruise-control-server:9090/kafkacruisecontrol/user_tasks?user_task_ids=c459316f-9eb5-482f-9d2d-97b5a4cd294d'
(オプション) スケールダウン時のブローカーの削除
リバランスが正常に完了したら、Kafka クラスターをスケールダウンするために除外したブローカーを停止できます。
削除する各ブローカーに、ログ (
log.dirs
) にライブパーティションがないことを確認します。ls -l <LogDir> | grep -E '^d' | grep -vE '[a-zA-Z0-9.-]+\.[a-z0-9]+-delete$'
ログディレクトリーが正規表現 (
\.[a-z0-9]-delete$
) と一致しない場合は、アクティブなパーティションが存在します。アクティブなパーティションが存在する場合は、リバランスが完了していること、または最適化プロポーザルの設定を確認します。プロポーザルを再度実行できます。次のステップに進む前に、アクティブなパーティションが存在しないことを確認します。ブローカーを停止します。
su - kafka /opt/kafka/bin/kafka-server-stop.sh
ブローカーが停止したことを確認します。
jcmd | grep kafka
14.11. アクティブなクラスターリバランスの停止
現在進行中のクラスターリバランスを停止できます。
これにより、現在のパーティション再割り当てのバッチ処理を完了し、リバランスを停止するよう Cruise Control が指示されます。リバランスの停止時に、完了したパーティションの再割り当てはすでに適用されています。そのため、Kafka クラスターの状態は、リバランス操作の開始前とは異なります。さらなるリバランスが必要な場合は、新しい最適化プロポーザルを生成してください。
中間 (停止) 状態の Kafka クラスターのパフォーマンスは、初期状態よりも低下している可能性があります。
前提条件
- クラスターリバランスが進行中である (ステータスは "Active")。
手順
POST リクエストを
/stop_proposal_execution
エンドポイントに送信します。curl -X POST 'cruise-control-server:9090/kafkacruisecontrol/stop_proposal_execution'
関連情報
第15章 分散トレースの設定
分散トレースを使用すると、分散システムのアプリケーション間におけるトランザクションの進捗を追跡できます。マイクロサービスのアーキテクチャーでは、トレースがサービス間のトランザクションの進捗を追跡します。トレースデータは、アプリケーションのパフォーマンスを監視し、ターゲットシステムおよびエンドユーザーアプリケーションの問題を調べるのに有用です。
AMQ Streams では、トレースによってメッセージのエンドツーエンドの追跡が容易になります。これは、ソースシステムから Kafka、さらに Kafka からターゲットシステムおよびアプリケーションへのメッセージの追跡です。これは、JMX メトリクス で表示できるメトリクスやコンポーネントロガーを補います。
トレースのサポートは、以下の Kafka コンポーネントに組み込まれています。
- Kafka Connect
- MirrorMaker
- MirrorMaker 2
- AMQ Streams Kafka Bridge
トレースは Kafka ブローカーではサポートされません。
コンポーネントのプロパティーファイルにトレース設定を追加します。
トレースを有効にするには、環境変数を設定し、トレースシステムのライブラリーを Kafka クラスパスに追加します。Jaeger トレースの場合は、次のシステムのトレースアーティファクトを追加できます。
- Jaeger Exporter を使用した OpenTelemetry
- Jaeger による OpenTracing
OpenTracing のサポートは非推奨となりました。Jaeger クライアントは廃止され、OpenTracing プロジェクトはアーカイブされました。そのため、今後の Kafka バージョンのサポートを保証できません。
Kafka プロデューサー、コンシューマー、および Kafka Streams API アプリケーションでトレースを有効にするには、アプリケーションコードを インストルメント化 します。インストルメント化されると、クライアントはメッセージのトレースデータを生成します (メッセージの作成時やログへのオフセットの書き込み時など)。
AMQ Streams 以外のアプリケーションおよびシステムにトレースを設定する方法については、このコンテンツの対象外となります。
15.1. 手順の概要
AMQ Streams のトレースを設定するには、以下の手順を順番に行います。
MirrorMaker、MirrorMaker 2、および Kafka Connect のトレースをセットアップします。
クライアントのトレースを設定します。
トレーサーでクライアントをインストルメント化します。
Kafka Bridge のトレースを有効にする方法は、AMQ Streams Kafka Bridge の使用 を参照してください。
15.2. トレースオプション
Jaeger トレースシステムで OpenTelemetry または OpenTracing (非推奨) を使用します。
OpenTelemetry と OpenTracing は、トレースまたは監視システムから独立した API 仕様を提供します。
API を使用して、トレース用にアプリケーションコードをインストルメント化します。
- インストルメント化されたアプリケーションは、分散システム全体で個別のリクエストの トレース を生成します。
- トレースは、時間軸の中で特定の作業単位を定義する スパン で構成されます。
Jaeger はマイクロサービスベースの分散システムのトレースシステムです。
- Jaeger は トレース API を実装し、インストルメント化用のクライアントライブラリーを提供します。
- Jaeger ユーザーインターフェイスを使用すると、トレースデータをクエリー、フィルター、および分析できます。
簡単なクエリーを表示する Jaeger ユーザーインターフェイス
15.3. トレースの環境変数
Kafka コンポーネントのトレースを有効にするとき、または Kafka クライアントのトレーサーを初期化するときに、環境変数を使用します。
トレース環境変数は変更する可能性があります。最新情報は、OpenTelemetry ドキュメント および OpenTracing ドキュメント を参照してください。
次の表は、トレーサーをセットアップするための主要な環境変数を説明します。
プロパティー | 必要性 | 説明 |
---|---|---|
| 必要 | OpenTelemetry 向け Jaeger トレースサービスの名前。 |
| 必要 | トレースに使用されるエクスポーター。 |
| 必要 |
トレースに使用されるエクスポーター。デフォルトでは |
プロパティー | 必要性 | 説明 |
---|---|---|
| 必要 | Jaeger トレーサーサービスの名前。 |
| 不要 |
UDP (User Datagram Protocol) を介した |
| 不要 |
UDP を介した |
15.4. Kafka Connect のトレースの有効化
設定プロパティーを使用して Kafka Connect の分散トレースを有効にします。Kafka Connect により生成および消費されるメッセージのみがトレースされます。Kafka Connect と外部システム間で送信されるメッセージをトレースするには、これらのシステムのコネクターでトレースを設定する必要があります。
OpenTelemetry または OpenTracing を使用するトレースを有効にできます。
手順
-
トレースアーティファクトを
opt/kafka/libs
ディレクトリーに追加します。 関連する Kafka Connect 設定ファイルでプロデューサーとコンシューマーのトレースを設定します。
-
スタンドアロンモードで Kafka Connect を実行している場合は、
/opt/kafka/config/connect-standalone.properties
ファイルを編集します。 -
分散モードで Kafka Connect を実行している場合は、
/opt/kafka/config/connect-distributed.properties
ファイルを編集します。
次のトレースインターセプタープロパティーを設定ファイルに追加します。
OpenTelemetry のプロパティー
producer.interceptor.classes=io.opentelemetry.instrumentation.kafkaclients.TracingProducerInterceptor consumer.interceptor.classes=io.opentelemetry.instrumentation.kafkaclients.TracingConsumerInterceptor
OpenTracing のプロパティー
producer.interceptor.classes=io.opentracing.contrib.kafka.TracingProducerInterceptor consumer.interceptor.classes=io.opentracing.contrib.kafka.TracingConsumerInterceptor
トレースを有効にすると、Kafka Connect スクリプトの実行時にトレースを初期化します。
-
スタンドアロンモードで Kafka Connect を実行している場合は、
- 設定ファイルを作成します。
- トレースの 環境変数 を設定します。
設定ファイルをパラメーター (およびコネクターのプロパティー) として使用して、スタンドアロンまたは分散モードで Kafka Connect を開始します。
スタンドアロンモードでの Kafka Connect の実行
su - kafka /opt/kafka/bin/connect-standalone.sh \ /opt/kafka/config/connect-standalone.properties \ connector1.properties \ [connector2.properties ...]
分散モードでの Kafka Connect の起動
su - kafka /opt/kafka/bin/connect-distributed.sh /opt/kafka/config/connect-distributed.properties
Kafka Connect の内部コンシューマーとプロデューサーがトレースできるようになりました。
15.5. MirrorMaker 2 のトレースを有効にする
MirrorMaker 2 プロパティーファイルで Interceptor プロパティーを定義することにより、MirrorMaker 2 の分散トレースを有効にします。メッセージは Kafka クラスター間でトレースされます。トレースデータは、MirrorMaker 2 コンポーネントに出入りするメッセージを記録します。
OpenTelemetry または OpenTracing を使用するトレースを有効にできます。
手順
-
トレースアーティファクトを
opt/kafka/libs
ディレクトリーに追加します。 opt/kafka/config/connect-mirror-maker.properties
ファイルでプロデューサーとコンシューマーのトレースを設定します。次のトレースインターセプタープロパティーを設定ファイルに追加します。
OpenTelemetry のプロパティー
header.converter=org.apache.kafka.connect.converters.ByteArrayConverter producer.interceptor.classes=io.opentelemetry.instrumentation.kafkaclients.TracingProducerInterceptor consumer.interceptor.classes=io.opentelemetry.instrumentation.kafkaclients.TracingConsumerInterceptor
OpenTracing のプロパティー
header.converter=org.apache.kafka.connect.converters.ByteArrayConverter producer.interceptor.classes=io.opentracing.contrib.kafka.TracingProducerInterceptor consumer.interceptor.classes=io.opentracing.contrib.kafka.TracingConsumerInterceptor
ByteArrayConverter
は、Kafka Connect が、メッセージヘッダー (トレース ID を含む) を base64 エンコーディングに変換しないようにします。これにより、メッセージがソースクラスターとターゲットクラスターの両方で同じになります。トレースを有効にすると、Kafka MirrorMaker 2 スクリプトを実行するときにトレースを初期化します。
- 設定ファイルを作成します。
- トレースの 環境変数 を設定します。
プロデューサーおよびコンシューマー設定ファイルをパラメーターとして使用して MirrorMaker 2 を起動します。
su - kafka /opt/kafka/bin/connect-mirror-maker.sh \ /opt/kafka/config/connect-mirror-maker.properties
MirrorMaker 2 の内部コンシューマーとプロデューサのトレースが有効になりました。
15.6. MirrorMaker のトレースの有効化
Interceptor プロパティーをコンシューマーおよびプロデューサー設定パラメーターとして渡すことで、MirrorMaker の分散トレースを有効にします。メッセージはソースクラスターからターゲットクラスターにトレースされます。トレースデータは、MirrorMaker コンポーネントに出入りするメッセージを記録します。
OpenTelemetry または OpenTracing を使用するトレースを有効にできます。
手順
-
トレースアーティファクトを
opt/kafka/libs
ディレクトリーに追加します。 /opt/kafka/config/producer.properties
ファイルでプロデューサートレースを設定します。次のトレースインターセプタープロパティーを追加します。
OpenTelemetry のプロデューサープロパティー
producer.interceptor.classes=io.opentelemetry.instrumentation.kafkaclients.TracingProducerInterceptor
OpenTracing のプロデューサープロパティー
producer.interceptor.classes=io.opentracing.contrib.kafka.TracingProducerInterceptor
- 設定ファイルを作成します。
/opt/kafka/config/consumer.properties
ファイルでコンシューマートレースを設定します。次のトレースインターセプタープロパティーを追加します。
OpenTelemetry のコンシューマープロパティー
consumer.interceptor.classes=io.opentelemetry.instrumentation.kafkaclients.TracingConsumerInterceptor
OpenTracing のコンシューマープロパティー
consumer.interceptor.classes=io.opentracing.contrib.kafka.TracingConsumerInterceptor
トレースを有効にすると、Kafka MirrorMaker スクリプトの実行時にトレースを初期化します。
- 設定ファイルを作成します。
- トレースの 環境変数 を設定します。
プロデューサーおよびコンシューマー設定ファイルをパラメーターとして MirrorMaker を起動します。
su - kafka /opt/kafka/bin/kafka-mirror-maker.sh \ --producer.config /opt/kafka/config/producer.properties \ --consumer.config /opt/kafka/config/consumer.properties \ --num.streams=2
MirrorMaker の内部コンシューマーとプロデューサーをトレースできるようになりました。
15.7. Kafka クライアントのトレースの初期化
トレーサーを初期化し、分散トレース用にクライアントアプリケーションをインストルメント化します。Kafka プロデューサークライアントとコンシューマークライアント、および Kafka Streams API アプリケーションをインストルメント化できます。OpenTracing または OpenTelemetry のトレーサーを初期化できます。
一連の トレース環境変数 を使用して、トレーサーを設定および初期化します。
手順
各クライアントアプリケーションで、トレーサーの依存関係を追加します。
クライアントアプリケーションの
pom.xml
ファイルに Maven 依存関係を追加します。OpenTelemetry の依存関係
<dependency> <groupId>io.opentelemetry</groupId> <artifactId>opentelemetry-sdk-extension-autoconfigure</artifactId> <version>1.18.0.redhat-00001</version> </dependency> <dependency> <groupId>io.opentelemetry.instrumentation</groupId> <artifactId>opentelemetry-kafka-clients-{OpenTelemetryKafkaClient}</artifactId> <version>1.18.0.redhat-00001</version> </dependency> <dependency> <groupId>io.opentelemetry</groupId> <artifactId>opentelemetry-exporter-otlp</artifactId> <version>1.18.0.redhat-00001</version> </dependency>
OpenTracing の依存関係
<dependency> <groupId>io.jaegertracing</groupId> <artifactId>jaeger-client</artifactId> <version>1.8.1.redhat-00002</version> </dependency> <dependency> <groupId>io.opentracing.contrib</groupId> <artifactId>opentracing-kafka-client</artifactId> <version>0.1.15.redhat-00006</version> </dependency>
- トレース環境変数 を使用して、トレーサーの設定を定義します。
環境変数で初期化されるトレーサーを作成します。
OpenTelemetry のトレーサーの作成
OpenTelemetry ot = GlobalOpenTelemetry.get();
OpenTracing のトレーサーの作成
Tracer tracer = Configuration.fromEnv().getTracer();
トレーサーをグローバルトレーサーとして登録します。
GlobalTracer.register(tracer);
クライアントをインストルメント化します。
15.8. Kafka プロデューサーおよびコンシューマーをトレース用にインストルメント化
アプリケーションコードを計測して、Kafka プロデューサーとコンシューマーでのトレースを有効にします。デコレーターパターンまたはインターセプターを使用して、Java プロデューサーおよびコンシューマーアプリケーションコードをトレース用にインストルメント化します。続いて、メッセージが生成されたとき、またはトピックから取得されたときにトレースを記録できます。
OpenTelemetry および OpenTracing インストルメント化プロジェクトは、プロデューサーとコンシューマーのインストルメント化をサポートするクラスを提供します。
- デコレーターのインストルメント化
- デコレーターのインストルメント化では、トレース用に変更したプロデューサーまたはコンシューマーインスタンスを作成します。OpenTelemetry と OpenTracing では、デコレーターのインストルメント化が異なります。
- インターセプターのインストルメント化
- インターセプターのインストルメント化の場合、トレース機能をコンシューマーまたはプロデューサーの設定に追加します。インターセプターのインストルメント化は、OpenTelemetry と OpenTracing で同じです。
前提条件
クライアントのトレースを初期化 している。
トレース JAR を依存関係としてプロジェクトに追加して、プロデューサーアプリケーションとコンシューマーアプリケーションでインストルメント化を有効にしている。
手順
各プロデューサーおよびコンシューマーアプリケーションのアプリケーションコードで、これらの手順を実行します。デコレーターパターンまたはインターセプターのいずれかを使用して、クライアントアプリケーションコードをインストルメント化します。
デコレーターパターンを使用するには、変更したプロデューサーまたはコンシューマーインスタンスを作成して、メッセージを送受信します。
元の
KafkaProducer
またはKafkaConsumer
クラスを渡します。OpenTelemetry のデコレーターインストルメント化の例
// Producer instance Producer < String, String > op = new KafkaProducer < > ( configs, new StringSerializer(), new StringSerializer() ); Producer < String, String > producer = tracing.wrap(op); KafkaTracing tracing = KafkaTracing.create(GlobalOpenTelemetry.get()); producer.send(...); //consumer instance Consumer<String, String> oc = new KafkaConsumer<>( configs, new StringDeserializer(), new StringDeserializer() ); Consumer<String, String> consumer = tracing.wrap(oc); consumer.subscribe(Collections.singleton("mytopic")); ConsumerRecords<Integer, String> records = consumer.poll(1000); ConsumerRecord<Integer, String> record = ... SpanContext spanContext = TracingKafkaUtils.extractSpanContext(record.headers(), tracer);
OpenTracing のデコレーターインストルメント化の例
//producer instance KafkaProducer<Integer, String> producer = new KafkaProducer<>(senderProps); TracingKafkaProducer<Integer, String> tracingProducer = new TracingKafkaProducer<>(producer, tracer); TracingKafkaProducer.send(...) //consumer instance KafkaConsumer<Integer, String> consumer = new KafkaConsumer<>(consumerProps); TracingKafkaConsumer<Integer, String> tracingConsumer = new TracingKafkaConsumer<>(consumer, tracer); tracingConsumer.subscribe(Collections.singletonList("mytopic")); ConsumerRecords<Integer, String> records = tracingConsumer.poll(1000); ConsumerRecord<Integer, String> record = ... SpanContext spanContext = TracingKafkaUtils.extractSpanContext(record.headers(), tracer);
インターセプターを使用するには、プロデューサーまたはコンシューマーの設定でインターセプタークラスを設定します。
通常の方法で
KafkaProducer
クラスとKafkaConsumer
クラスを使用します。TracingProducerInterceptor
およびTracingConsumerInterceptor
インターセプタークラスは、トレース機能を処理します。インターセプターを使用したプロデューサー設定の例
senderProps.put(ProducerConfig.INTERCEPTOR_CLASSES_CONFIG, TracingProducerInterceptor.class.getName()); KafkaProducer<Integer, String> producer = new KafkaProducer<>(senderProps); producer.send(...);
インターセプターを使用したコンシューマー設定の例
consumerProps.put(ConsumerConfig.INTERCEPTOR_CLASSES_CONFIG, TracingConsumerInterceptor.class.getName()); KafkaConsumer<Integer, String> consumer = new KafkaConsumer<>(consumerProps); consumer.subscribe(Collections.singletonList("messages")); ConsumerRecords<Integer, String> records = consumer.poll(1000); ConsumerRecord<Integer, String> record = ... SpanContext spanContext = TracingKafkaUtils.extractSpanContext(record.headers(), tracer);
15.9. Kafka Streams アプリケーションのトレース用のインストルメント化
アプリケーションコードを計測して、Kafka Streams API アプリケーションでのトレースを有効にします。デコレーターパターンまたはインターセプターを使用して、トレース用に Kafka Streams API アプリケーションをインストルメント化します。続いて、メッセージが生成されたとき、またはトピックから取得されたときにトレースを記録できます。
- デコレーターのインストルメント化
-
デコレーターのインストルメント化は、トレース用に変更した Kafka Streams インスタンスを作成します。OpenTracing インストルメント化プロジェクトは、Kafka Streams のインストルメント化をサポートする
TracingKafkaClientSupplier
クラスを提供します。TracingKafkaClientSupplier
サプライヤーインターフェイスのインスタンスをラップして作成し、Kafka Streams のトレースインストルメント化を行います。OpenTelemetry の場合、プロセスは同じですが、サポートを提供するためにカスタムTracingKafkaClientSupplier
クラスを作成する必要があります。 - インターセプターのインストルメント化
- インターセプターインストルメント化の場合は、トレース機能を Kafka Streams プロデューサーおよびコンシューマー設定に追加します。
前提条件
クライアントのトレースを初期化 している。
トレース JAR を依存関係としてプロジェクトに追加して、Kafka Streams アプリケーションでインストルメント化を有効にしている。
-
OpenTelemetry で Kafka Streams をインストルメント化するために、カスタムの
TracingKafkaClientSupplier
を記述している。 カスタム
TracingKafkaClientSupplier
が Kafka のDefaultKafkaClientSupplier
を拡張し、プロデューサーとコンシューマーの作成メソッドを上書きして、インスタンスを Telemetry 関連のコードでラップできるようにしている。カスタム
TracingKafkaClientSupplier
の例private class TracingKafkaClientSupplier extends DefaultKafkaClientSupplier { @Override public Producer<byte[], byte[]> getProducer(Map<String, Object> config) { KafkaTelemetry telemetry = KafkaTelemetry.create(GlobalOpenTelemetry.get()); return telemetry.wrap(super.getProducer(config)); } @Override public Consumer<byte[], byte[]> getConsumer(Map<String, Object> config) { KafkaTelemetry telemetry = KafkaTelemetry.create(GlobalOpenTelemetry.get()); return telemetry.wrap(super.getConsumer(config)); } @Override public Consumer<byte[], byte[]> getRestoreConsumer(Map<String, Object> config) { return this.getConsumer(config); } @Override public Consumer<byte[], byte[]> getGlobalConsumer(Map<String, Object> config) { return this.getConsumer(config); } }
手順
Kafka Streams API アプリケーションごとにこの手順を実行します。
デコレーターパターンを使用するには、
TracingKafkaClientSupplier
サプライヤーインターフェイスのインスタンスを作成し、そのサプライヤーインターフェイスをKafkaStreams
に提供します。デコレーターのインストルメント化の例
KafkaClientSupplier supplier = new TracingKafkaClientSupplier(tracer); KafkaStreams streams = new KafkaStreams(builder.build(), new StreamsConfig(config), supplier); streams.start();
インターセプターを使用するには、Kafka Streams プロデューサーおよびコンシューマー設定でインターセプタークラスを設定します。
TracingProducerInterceptor
およびTracingConsumerInterceptor
インターセプタークラスは、トレース機能を処理します。インターセプターを使用したプロデューサーとコンシューマーの設定例
props.put(StreamsConfig.PRODUCER_PREFIX + ProducerConfig.INTERCEPTOR_CLASSES_CONFIG, TracingProducerInterceptor.class.getName()); props.put(StreamsConfig.CONSUMER_PREFIX + ConsumerConfig.INTERCEPTOR_CLASSES_CONFIG, TracingConsumerInterceptor.class.getName());
15.10. OpenTelemetry でのトレースシステムの指定
デフォルトの Jaeger システムの代わりに、OpenTelemetry でサポートされる他のトレースシステムを指定できます。
OpenTelemetry で別のトレースシステムを使用する場合は、以下の手順を実施します。
- トレースシステムのライブラリーを Kafka クラスパスに追加します。
トレースシステムの名前を追加のエクスポーター環境変数として追加します。
Jaeger を使用しない場合の追加の環境変数
OTEL_SERVICE_NAME=my-tracing-service OTEL_TRACES_EXPORTER=zipkin 1 OTEL_EXPORTER_ZIPKIN_ENDPOINT=http://localhost:9411/api/v2/spans 2
15.11. カスタムスパン名
トレース スパン は Jaeger の論理作業単位で、操作名、開始時間、および期間が含まれます。スパンには組み込みの名前がありますが、使用する Kafka クライアントインストルメント化で、カスタムスパン名を指定できます。
カスタムスパン名の指定はオプションであり、プロデューサーおよびコンシューマークライアントインストルメント化 または Kafka Streams インストルメント化 でデコレーターパターンを使用する場合にのみ適用されます。
15.11.1. OpenTelemetry のスパン名の指定
OpenTelemetry でカスタムスパン名を直接指定できません。代わりに、コードをクライアントアプリケーションに追加してスパン名を取得し、追加のタグと属性を抽出します。
属性を抽出するコード例
//Defines attribute extraction for a producer private static class ProducerAttribExtractor implements AttributesExtractor < ProducerRecord < ? , ? > , Void > { @Override public void onStart(AttributesBuilder attributes, ProducerRecord < ? , ? > producerRecord) { set(attributes, AttributeKey.stringKey("prod_start"), "prod1"); } @Override public void onEnd(AttributesBuilder attributes, ProducerRecord < ? , ? > producerRecord, @Nullable Void unused, @Nullable Throwable error) { set(attributes, AttributeKey.stringKey("prod_end"), "prod2"); } } //Defines attribute extraction for a consumer private static class ConsumerAttribExtractor implements AttributesExtractor < ConsumerRecord < ? , ? > , Void > { @Override public void onStart(AttributesBuilder attributes, ConsumerRecord < ? , ? > producerRecord) { set(attributes, AttributeKey.stringKey("con_start"), "con1"); } @Override public void onEnd(AttributesBuilder attributes, ConsumerRecord < ? , ? > producerRecord, @Nullable Void unused, @Nullable Throwable error) { set(attributes, AttributeKey.stringKey("con_end"), "con2"); } } //Extracts the attributes public static void main(String[] args) throws Exception { Map < String, Object > configs = new HashMap < > (Collections.singletonMap(ProducerConfig.BOOTSTRAP_SERVERS_CONFIG, "localhost:9092")); System.setProperty("otel.traces.exporter", "jaeger"); System.setProperty("otel.service.name", "myapp1"); KafkaTracing tracing = KafkaTracing.newBuilder(GlobalOpenTelemetry.get()) .addProducerAttributesExtractors(new ProducerAttribExtractor()) .addConsumerAttributesExtractors(new ConsumerAttribExtractor()) .build();
15.11.2. OpenTracing のスパン名の指定
OpenTracing のカスタムスパン名を指定するには、プロデューサーとコンシューマーをインストルメント化するときに BiFunction
オブジェクトを追加の引数として渡します。
組み込みの名前とカスタムスパン名を指定して、デコレーターパターンでクライアントアプリケーションコードをインストルメント化する方法の詳細は、OpenTracing Apache Kafka client instrumentation を参照してください。
第16章 Kafka Exporter の使用
Kafka Exporter は、Apache Kafka ブローカーおよびクライアントの監視を強化するオープンソースプロジェクトです。
Kafka Exporter は、Kafka クラスターとのデプロイメントを実現するために AMQ Streams で提供され、オフセット、コンシューマーグループ、コンシューマーラグ、およびトピックに関連する Kafka ブローカーから追加のメトリックデータを抽出します。
一例として、メトリックデータを使用すると、低速なコンシューマーの識別に役立ちます。
ラグデータは Prometheus メトリックとして公開され、解析のために Grafana で使用できます。
ビルトイン Kafka メトリクスの監視のために Prometheus および Grafana をすでに使用している場合は、Kafka Exporter Prometheus エンドポイントをスクレープするように Prometheus を設定することもできます。
Kafka は JMX 経由でメトリクスを公開し、続いて Prometheus メトリクスとしてエクスポートできます。詳細は、JMX を使用したクラスターの監視 を参照してください。
16.1. コンシューマーラグ
コンシューマーラグは、メッセージの生成と消費の差を示しています。具体的には、指定のコンシューマーグループのコンシューマーラグは、パーティションの最後のメッセージと、そのコンシューマーが現在ピックアップしているメッセージとの時間差を示しています。ラグには、パーティションログの最後を基準とする、コンシューマーオフセットの相対的な位置が反映されます。
この差は、Kafka ブローカートピックパーティションの読み取りと書き込みの場所である、プロデューサーオフセットとコンシューマーオフセットの間の デルタ とも呼ばれます。
あるトピックで毎秒 100 個のメッセージがストリーミングされる場合を考えてみましょう。プロデューサーオフセット (トピックパーティションの先頭) と、コンシューマーが読み取った最後のオフセットとの間のラグが 1000 個のメッセージであれば、10 秒の遅延があることを意味します。
コンシューマーラグ監視の重要性
可能な限りリアルタイムのデータの処理に依存するアプリケーションでは、コンシューマーラグを監視して、ラグが過度に大きくならないようにチェックする必要があります。ラグが大きくなるほど、プロセスはリアルタイム処理の目的から遠ざかります。
たとえば、コンシューマーラグは、パージされていない古いデータを大量に消費したり、計画外のシャットダウンが原因である可能性があります。
コンシューマーラグの削減
通常、ラグを削減するには以下を行います。
- 新規コンシューマーを追加してコンシューマーグループをスケールアップします。
- メッセージがトピックに留まる保持時間を延長します。
- ディスク容量を追加してメッセージバッファーを増やします。
コンシューマーラグを減らす方法は、基礎となるインフラストラクチャーや、AMQ Streams によりサポートされるユースケースによって異なります。たとえば、ラグが生じているコンシューマーでは、ディスクキャッシュからフェッチリクエストに対応できるブローカーを活用できる可能性は低いでしょう。場合によっては、コンシューマーの状態が改善されるまで、自動的にメッセージをドロップすることが許容されることがあります。
16.2. Kafka Exporter アラートルールの例
Kafka Exporter に固有のサンプルのアラート通知ルールには以下があります。
UnderReplicatedPartition
- トピックのレプリケーションが不十分であり、ブローカーが十分なパーティションをレプリケーションしていないことを警告するアラートです。デフォルトの設定では、トピックにレプリケーションが不十分なパーティションが 1 つ以上ある場合のアラートになります。このアラートは、Kafka インスタンスがダウンしているか Kafka クラスターがオーバーロードの状態であることを示す場合があります。レプリケーションプロセスを再起動するには、Kafka ブローカーの計画的な再起動が必要な場合があります。
TooLargeConsumerGroupLag
- 特定のトピックパーティションでコンシューマーグループのラグが大きすぎることを警告するアラートです。デフォルト設定は 1000 レコードです。ラグが大きい場合は、コンシューマーが遅すぎてプロデューサーの処理に追い付いてないことを示している可能性があります。
NoMessageForTooLong
- トピックが一定期間にわたりメッセージを受信していないことを警告するアラートです。この期間のデフォルト設定は 10 分です。この遅れは、設定の問題により、プロデューサーがトピックにメッセージを公開できないことが原因である可能性があります。
アラートルールは、特定のニーズに合わせて調整できます。
関連情報
アラートルールの設定についての詳細は、Prometheus のドキュメントの Configuration を参照してください。
16.3. Kafka Exporter メトリクス
ラグ情報は、Grafana で示す Prometheus メトリクスとして Kafka Exporter によって公開されます。
Kafka Exporter は、ブローカー、トピック、およびコンシューマーグループのメトリックデータを公開します。
名前 | 詳細 |
---|---|
| Kafka クラスターに含まれるブローカーの数 |
名前 | 詳細 |
---|---|
| トピックのパーティション数 |
| ブローカーの現在のトピックパーティションオフセット |
| ブローカーの最も古いトピックパーティションオフセット |
| トピックパーティションの In-Sync レプリカ数 |
| トピックパーティションのリーダーブローカー ID |
|
トピックパーティションが優先ブローカーを使用している場合は、 |
| このトピックパーティションのレプリカ数 |
|
トピックパーティションのレプリケーションが不十分な場合に |
名前 | 詳細 |
---|---|
| コンシューマーグループの現在のトピックパーティションオフセット |
| トピックパーティションのコンシューマーグループの現在のラグ (概算値) |
16.4. Kafka Exporter の実行
Kafka Exporter を実行して、Grafana ダッシュボードでのプレゼンテーション用に Prometheus メトリクスを公開します。
Kafka Exporter パッケージをダウンロードしてインストールし、AMQ Streams で Kafka Exporter を使用します。パッケージをダウンロードしてインストールするには、AMQ Streams サブスクリプションが必要です。
この手順は、Grafana ユーザーインターフェイスへのアクセス権がすでにあり、Prometheus がデプロイされてデータソースとして追加されていることを前提としています。
手順
Kafka Exporter パッケージをインストールします。
dnf install kafka_exporter
パッケージがインストールされたことを確認します。
dnf info kafka_exporter
適切な設定パラメーター値を使用して Kafka Exporter を実行します。
kafka_exporter --kafka.server=<kafka_bootstrap_address>:9092 --kafka.version=3.4.0 --<my_other_parameters>
パラメーターには、
--kafka.server
など、二重ハイフンの標記が必要です。表16.4 Kafka Exporter 設定パラメーター オプション 説明 デフォルト kafka.server
Kafka サーバーのホスト/ポストアドレス。
kafka:9092
kafka.version
Kafka ブローカーのバージョン。
1.0.0
group.filter
メトリクスに含まれるコンシューマーグループを指定する正規表現。
.*
(すべて)topic.filter
メトリクスに含まれるトピックを指定する正規表現。
.*
(すべて)sasl.<parameter>
ユーザー名とパスワードで SASL/PLAIN 認証を使用して Kafka クラスターを有効にし、接続するパラメーター。
false
tls.<parameter>
任意の証明書およびキーで TLS 認証を使用して Kafka クラスターへの接続を有効にするパラメーター。
false
web.listen-address
メトリックを公開するポートアドレス。
:9308
web.telemetry-path
公開されるメトリックのパス。
/metrics
log.level
指定の重大度 (debug、info、warn、error、fatal) 以上でメッセージをログに記録するためのログ設定。
info
log.enable-sarama
Sarama ログを有効にするブール値 (Kafka Exporter によって使用される Go クライアントライブラリー)。
false
legacy.partitions
非アクティブなトピックパーティションおよびアクティブなパーティションからメトリックを取得できるようにするブール値。Kafka Exporter が非アクティブなパーティションのメトリックを返すようにするには、
true
に設定します。false
プロパティーの詳細は、
kafka_exporter --help
を使用できます。Kafka Exporter メトリックを監視するように Prometheus を設定します。
Prometheus の設定に関する詳細は、Prometheus のドキュメント を参照してください。
Grafana を有効にして、Prometheus によって公開される Kafka Exporter メトリックデータを表示します。
詳細は、Grafana での Kafka Exporter メトリクスの表示 を参照してください。
Kafka Exporter の更新
AMQ Streams インストールで最新バージョンの Kafka Exporter を使用します。
更新を確認するには、次を使用します。
dnf check-update
Kafka Exporter を更新するには、以下を使用します。
dnf update kafka_exporter
16.5. Grafana での Kafka Exporter メトリクスの表示
Kafka Exporter Prometheus メトリックをデータソースとして使用すると、Grafana チャートのダッシュボードを作成できます。
たとえば、メトリックから、以下の Grafana チャートを作成できます。
- 毎秒のメッセージ (トピックから)
- 毎分のメッセージ (トピックから)
- コンシューマーグループ別のラグ
- 毎分のメッセージ消費 (コンシューマーグループ別)
メトリクスデータが収集されると、Kafka Exporter のチャートにデータが反映されます。
Grafana のチャートを使用して、ラグを分析し、ラグ削減の方法が対象のコンシューマーグループに影響しているかどうかを確認します。たとえば、ラグを減らすように Kafka ブローカーを調整すると、ダッシュボードには コンシューマーグループ別のラグ のチャートが下降し 毎分のメッセージ消費 のチャートが上昇する状況が示されます。
第17章 AMQ Streams および Kafka のアップグレード
ダウンタイムなしで Kafka クラスターをアップグレードします。Red Hat Enterprise Linux の AMQ Streams のリリースは、Apache Kafka の 1 つのバージョンをサポートします。最新バージョンの AMQ Streams をインストールするときに、サポートされている最新バージョンの Kafka にアップグレードします。
17.1. アップグレードの前提条件
アップグレードプロセスを開始する前に、AMQ Streams 2.4 on Red Hat Enterprise Linux リリースノート に記載されているアップグレードの変更点をよく理解していることを確認してください。
特定バージョンの AMQ Streams へのアップグレード方法は、そのバージョンをサポートするドキュメントを参照してください。
17.2. Kafka バージョン
Kafka のログメッセージ形式バージョンと inter-broker プロトコルバージョンは、それぞれメッセージに追加されるログ形式バージョンとクラスターで使用される Kafka プロトコルのバージョンを指定します。正しいバージョンが使用されるようにするため、アップグレードプロセスでは、既存の Kafka ブローカーの設定変更と、クライアントアプリケーション (コンシューマーおよびプロデューサー) のコード変更が行われます。
以下の表は、Kafka バージョンの違いを示しています。
AMQ Streams のバージョン | Kafka バージョン | Inter-broker プロトコルバージョン | ログメッセージ形式バージョン | ZooKeeper バージョン |
---|---|---|---|---|
2.4 | 3.4.0 | 3.4 | 3.4 | 3.6.3 |
2.3 | 3.3.1 | 3.3 | 3.3 | 3.6.3 |
AMQ Streams 2.4 は Kafka 3.4.0 を使用しますが、アップグレードの目的で Kafka 3.3.1 もサポートされます。
Inter-broker プロトコルバージョン
Kafka では、Inter-broker の通信に使用されるネットワークプロトコルは Inter-broker プロトコル と呼ばれます。Kafka の各バージョンには、互換性のあるバージョンの Inter-broker プロトコルがあります。上記の表が示すように、プロトコルのマイナーバージョンは、通常 Kafka のマイナーバージョンと一致するように番号が増加されます。
Inter-broker プロトコルのバージョンは、Kafka
リソースでクラスター全体に設定されます。これを変更するには、Kafka.spec.kafka.config
の inter.broker.protocol.version
プロパティーを編集します。
ログメッセージ形式バージョン
プロデューサーが Kafka ブローカーにメッセージを送信すると、特定の形式を使用してメッセージがエンコードされます。この形式は Kafka のリリース間で変更になる可能性があるため、メッセージにはエンコードに使用されたメッセージ形式のバージョンが指定されます。
特定のメッセージ形式のバージョンを設定するために使用されるプロパティーは以下のとおりです。
-
トピック用の
message.format.version
プロパティー -
Kafka ブローカーの
log.message.format.version
プロパティー
Kafka 3.0.0 以降、メッセージ形式のバージョンの値は inter.broker.protocol.version
と一致すると見なされ、設定する必要はありません。値は、使用される Kafka バージョンを反映します。
Kafka 3.0.0 以降にアップグレードする場合は、inter.broker.protocol.version
を更新する際にこの設定を削除できます。それ以外の場合は、アップグレード先の Kafka バージョンに基づいてメッセージ形式のバージョンを設定します。
トピックの message.format.version
のデフォルト値は、Kafka ブローカーに設定される log.message.format.version
によって定義されます。トピックの message.format.version
は、トピック設定を編集すると手動で設定できます。
17.3. クライアントをアップグレードするストラテジー
Kafka クライアントをアップグレードすると、Kafka の新しいバージョンで導入された機能、修正、改善の恩恵を受けることができます。アップグレードされたクライアントは、他のアップグレードされた Kafka コンポーネントとの互換性を維持します。クライアントのパフォーマンスと安定性も向上する可能性があります。
スムーズな移行を確保するために、Kafka クライアントとブローカーをアップグレードするための最適なアプローチを検討してください。選択するアップグレード戦略は、ブローカーを最初にアップグレードするかクライアントを最初にアップグレードするかによって異なります。Kafka 3.0 以降、ブローカーとクライアントを独立して任意の順序でアップグレードできるようになりました。クライアントまたはブローカーをアップグレードするかどうかは、最初に、アップグレードする必要があるアプリケーションの数や許容できるダウンタイムの量など、いくつかの要因によって決まります。
ブローカーより前にクライアントをアップグレードすると、一部の新機能はブローカーによってまだサポートされていないため、機能しない可能性があります。ただし、ブローカーは、異なるバージョンで実行され、異なるログメッセージバージョンをサポートするプロデューサーとコンシューマーを処理できます。
Kafka 3.0 より古いバージョンの Kafka を使用する場合のクライアントのアップグレード
Kafka 3.0 より前では、log.message.format.version
プロパティー (またはトピックレベルの message.format.version
プロパティー) を使用して、ブローカーの特定のメッセージ形式を設定していました。これにより、ブローカーは、古いメッセージ形式を使用していた古い Kafka クライアントをサポートできるようになりました。そうしないと、ブローカーは古いクライアントからのメッセージを変換する必要があり、これには大幅なパフォーマンスコストがかかります。
Apache Kafka Java クライアントは、バージョン 0.11 以降、最新のメッセージ形式バージョンをサポートしています。すべてのクライアントが最新のメッセージバージョンを使用している場合は、ブローカーをアップグレードするときに、log.message.format.version
または message.format.version
のオーバーライドを削除できます。
ただし、古いメッセージ形式バージョンを使用しているクライアントがまだある場合は、まずクライアントをアップグレードすることを推奨します。コンシューマーから始めて、ブローカーのアップグレード時に log.message.format.version
または message.format.version
のオーバーライドを削除する前に、プロデューサーをアップグレードします。これにより、すべてのクライアントが最新のメッセージ形式バージョンをサポートできるようになり、アップグレードプロセスがスムーズに進むようになります。
次のメトリックを使用して、Kafka クライアントの名前とバージョンを追跡できます。
-
kafka.server:type=socket-server-metrics,clientSoftwareName=<name>,clientSoftwareVersion=<version>,listener=<listener>,networkProcessor=<processor>
次の Kafka ブローカーメトリックは、メッセージのダウンコンバージョンのパフォーマンスを監視するのに役立ちます。
-
kafka.network:type=RequestMetrics,name=MessageConversionsTimeMs,request={Produce|Fetch}
はメッセージ変換の実行にかかる時間に関するメトリックを提供します。 -
kafka.server:type=BrokerTopicMetrics,name={Produce|Fetch}MessageConversionsPerSec,topic=(-.\w+)
は一定期間に変換されたメッセージの数に関するメトリックを提供します。
17.4. Kafka ブローカーおよび ZooKeeper のアップグレード
ホストマシン上の Kafka ブローカーと ZooKeeper をアップグレードして、最新バージョンの AMQ Streams を使用します。インストールファイルを更新し、すべての Kafka ブローカーを設定して再起動し、新しいブローカー間プロトコルバージョンを使用します。これらの手順の実行後に、新しい inter-broker プロトコルバージョンを使用して Kafka ブローカー間でデータが送信されます。
Kafka 3.0.0 以降、メッセージ形式のバージョン値は inter.broker.protocol.version
と一致することが想定されており、これを設定する必要はありません。値は、使用される Kafka バージョンを反映します。
前提条件
-
Red Hat Enterprise Linux に
kafka
ユーザーとしてログインしている。 別のホストで使用している Kafka およびその他の Kafka コンポーネントをインストールしている。
詳細は、「インストール環境」 を参照してください。
- インストールファイル をダウンロードしている。
手順
AMQ Streams クラスターの各 Kafka ブローカーに対して、以下を 1 つずつ行います。
AMQStreams ソフトウェアのダウンロードページ から AMQStreams アーカイブをダウンロードします。
注記プロンプトが表示されたら、Red Hat アカウントにログインします。
コマンドラインで一時ディレクトリーを作成し、
amq-streams-<version>-bin.zip
ファイルの内容を展開します。mkdir /tmp/kafka unzip amq-streams-<version>-bin.zip -d /tmp/kafka
実行中の場合は、ホストで実行している ZooKeeper および Kafka ブローカーを停止します。
/opt/kafka/bin/zookeeper-server-stop.sh /opt/kafka/bin/kafka-server-stop.sh jcmd | grep zookeeper jcmd | grep kafka
マルチノードクラスターで Kafka を実行している場合は、「Kafka ブローカーの正常なローリング再起動の実行」 を参照してください。
既存のインストールから
libs
およびbin
ディレクトリーを削除します。rm -rf /opt/kafka/libs /opt/kafka/bin
一時ディレクトリーから
libs
およびbin
ディレクトリーをコピーします。cp -r /tmp/kafka/kafka_<version>/libs /opt/kafka/ cp -r /tmp/kafka/kafka_<version>/bin /opt/kafka/
-
必要に応じて、
config
ディレクトリー内の設定ファイルを更新して、新しいバージョンの変更を反映します。 一時ディレクトリーを削除します。
rm -r /tmp/kafka
/opt/kafka/config/server.properties
プロパティーファイルを編集します。inter.broker.protocol.version
およびlog.message.format.version
プロパティーを 現在の バージョンに設定します。たとえば、Kafka バージョン 3.3.1 から 3.4.0 にアップグレードする場合、現在のバージョンは 3.3 です。
inter.broker.protocol.version=3.3 log.message.format.version=3.3
アップグレード元の Kafka バージョンに応じた正しいバージョン (
3.2
、3.3
など) を使用してください。inter.broker.protocol.version
を現在の設定のままにしておくと、ブローカーはアップグレード中に相互に通信し続けることができます。プロパティーが設定されていない場合は、現在のバージョンでプロパティーを追加します。
Kafka 3.0.0 以降からアップグレードする場合は、
inter.broker.protocol.version
を設定するだけで済みます。更新された ZooKeeper および Kafka ブローカーを再起動します。
/opt/kafka/bin/zookeeper-server-start.sh -daemon /opt/kafka/config/zookeeper.properties /opt/kafka/bin/kafka-server-start.sh -daemon /opt/kafka/config/server.properties
Kafka ブローカーと ZooKeeper は、最新の Kafka バージョンのバイナリーの使用を開始します。
マルチノードクラスターでブローカーを再起動する方法は、「Kafka ブローカーの正常なローリング再起動の実行」 を参照してください。
再起動した Kafka ブローカーが、フォローしているパーティションレプリカに追いついたことを確認します。
kafka-topics.sh
ツールを使用して、ブローカーに含まれるすべてのレプリカが同期していることを確認します。手順は、トピックの一覧表示および説明 を参照してください。次の手順では、新しい inter-broker プロトコルバージョンを使用するように Kafka ブローカーを更新します。
各ブローカーを一度に 1 つずつ更新します。
警告次の手順を完了した後は、AMQ ストリームをダウングレードすることはできません。
- クライアントのアップグレードに選択したストラテジー に応じて、新バージョンのクライアントバイナリーを使用するようにすべてのクライアントアプリケーションをアップグレードします。
/opt/kafka/config/server.properties
ファイルでinter.broker.protocol.version
プロパティーを3.4
に設定します。inter.broker.protocol.version=3.4
コマンドラインで、変更した Kafka ブローカーを停止します。
/opt/kafka/bin/kafka-server-stop.sh
Kafka が実行されていないことを確認します。
jcmd | grep kafka
変更した Kafka ブローカーを再起動します。
/opt/kafka/bin/kafka-server-start.sh -daemon /opt/kafka/config/server.properties
Kafka が稼働していることを確認します。
jcmd | grep kafka
Kafka 3.0.0 より前のバージョンからアップグレードする場合は、
/opt/kafka/config/server.properties
ファイルでlog.message.format.version
プロパティーを3.4
に設定します。log.message.format.version=3.4
コマンドラインで、変更した Kafka ブローカーを停止します。
/opt/kafka/bin/kafka-server-stop.sh
Kafka が実行されていないことを確認します。
jcmd | grep kafka
変更した Kafka ブローカーを再起動します。
/opt/kafka/bin/kafka-server-start.sh -daemon /opt/kafka/config/server.properties
Kafka が稼働していることを確認します。
jcmd | grep kafka
再起動した Kafka ブローカーが、フォローしているパーティションレプリカに追いついたことを確認します。
kafka-topics.sh
ツールを使用して、ブローカーに含まれるすべてのレプリカが同期していることを確認します。手順は、トピックの一覧表示および説明 を参照してください。-
アップグレードで使用された場合は、従来の
log.message.format.version
設定をserver.properties
ファイルから削除します。
17.5. Kafka コンポーネントのアップグレード
ホストマシン上の Kafka コンポーネントをアップグレードして、最新バージョンの AMQ Streams を使用します。AMQ Streams インストールファイルを使用して、次のコンポーネントをアップグレードできます。
- Kafka Connect
- MirrorMaker
- Kafka Bridge (別の ZIP ファイル)
前提条件
-
Red Hat Enterprise Linux に
kafka
ユーザーとしてログインしている。 - インストールファイル をダウンロードしている。
別のホストで使用している Kafka およびその他の Kafka コンポーネントをインストールしている。
詳細は、「インストール環境」 を参照してください。
Kafka と ZooKeeper をアップグレード している。
Kafka コンポーネントが Kafka および ZooKeeper と同じホストで実行されている場合は、アップグレード時に Kafka および ZooKeeper も停止して開始する必要があります。
手順
Kafka コンポーネントのインスタンスを実行している各ホストに、以下を行います。
AMQ Streams ソフトウェアダウンロードページ から AMQ Streams または Kafka Bridge インストールファイルをダウンロードします。
注記プロンプトが表示されたら、Red Hat アカウントにログインします。
コマンドラインで一時ディレクトリーを作成し、
amq-streams-<version>-bin.zip
ファイルの内容を展開します。mkdir /tmp/kafka unzip amq-streams-<version>-bin.zip -d /tmp/kafka
Kafka Bridge の場合は、
amq-streams-<version>-bridge-bin.zip
ファイルを抽出します。- 実行中の場合は、ホストで実行中の Kafka コンポーネントを停止します。
既存のインストールから
libs
およびbin
ディレクトリーを削除します。rm -rf /opt/kafka/libs /opt/kafka/bin
一時ディレクトリーから
libs
およびbin
ディレクトリーをコピーします。cp -r /tmp/kafka/kafka_<version>/libs /opt/kafka/ cp -r /tmp/kafka/kafka_<version>/bin /opt/kafka/
-
必要に応じて、
config
ディレクトリー内の設定ファイルを更新して、新しいバージョンの変更を反映します。 一時ディレクトリーを削除します。
rm -r /tmp/kafka
適切なスクリプトとプロパティーファイルを使用して Kafka コンポーネントを起動します。
スタンドアロンモードでの Kafka Connect の起動
/opt/kafka/bin/connect-standalone.sh \ /opt/kafka/config/connect-standalone.properties <connector1>.properties [<connector2>.properties ...]
分散モードでの Kafka Connect の開始
/opt/kafka/bin/connect-distributed.sh \ /opt/kafka/config/connect-distributed.properties
MirrorMaker 2 を専用モードで起動する
/opt/kafka/bin/connect-mirror-maker.sh \ /opt/kafka/config/connect-mirror-maker.properties
Kafka Bridge の起動
su - kafka ./bin/kafka_bridge_run.sh \ --config-file=<path>/application.properties
Kafka コンポーネントが実行中で、期待どおりにデータを生成または消費していることを確認します。
スタンドアロンモードで Kafka Connect が実行されていることを確認する
jcmd | grep ConnectStandalone
分散モードの Kafka Connect が実行されていることを確認する
jcmd | grep ConnectDistributed
MirrorMaker 2 が専用モードで実行されていることを確認する
jcmd | grep mirrorMaker
ログをチェックして Kafka Bridge が実行されていることを確認する
HTTP-Kafka Bridge started and listening on port 8080 HTTP-Kafka Bridge bootstrap servers localhost:9092
17.6. コンシューマーおよび Kafka Streams アプリケーションの Cooperative Rebalancing へのアップグレード
Kafka のアップグレードに続いて、必要に応じて、Kafka コンシューマーと Kafka Streams アプリケーションをアップグレードして、デフォルトの eager rebalance プロトコルの代わりに、パーティションリバランスに incremental cooperative rebalance プロトコルを使用できます。この新しいプロトコルが Kafka 2.4.0 に追加されました。
コンシューマーは、パーティションの割り当てを Cooperative Rebalance で保持し、クラスターの分散が必要な場合にプロセスの最後でのみ割り当てを取り消します。これにより、コンシューマーグループまたは Kafka Streams アプリケーションが使用不可能になる状態が削減されます。
Incremental Cooperative Rebalance プロトコルへのアップグレードは任意です。Eager Rebalance プロトコルは引き続きサポートされます。
前提条件
- Kafka ブローカーをアップグレード している。
手順
Incremental Cooperative Rebalance プロトコルを使用するように Kafka コンシューマーをアップグレードする方法:
-
Kafka クライアント
.jar
ファイルを新バージョンに置き換えます。 -
コンシューマー設定で、
partition.assignment.strategy
にcooperative-sticky
を追加します。たとえば、range
ストラテジーが設定されている場合は、設定をrange, cooperative-sticky
に変更します。 - グループ内の各コンシューマーを順次再起動し、再起動後に各コンシューマーがグループに再度参加するまで待ちます。
-
コンシューマー設定から前述の
partition.assignment.strategy
を削除して、グループの各コンシューマーを再設定し、cooperative-sticky
ストラテジーのみを残します。 - グループ内の各コンシューマーを順次再起動し、再起動後に各コンシューマーがグループに再度参加するまで待ちます。
Incremental Cooperative Rebalance プロトコルを使用するように Kafka Streams アプリケーションをアップグレードする方法:
-
Kafka Streams の
.jar
ファイルを新バージョンに置き換えます。 -
Kafka Streams の設定で、
upgrade.from
設定パラメーターをアップグレード前の Kafka バージョンに設定します (例: 2.3)。 - 各ストリームプロセッサー (ノード) を順次再起動します。
-
upgrade.from
設定パラメーターを Kafka Streams 設定から削除します。 - グループ内の各コンシューマーを順次再起動します。
第18章 JMX を使用したクラスターの監視
ZooKeeper、Kafka ブローカー、Kafka Connect、および Kafka クライアントはすべて、 Java Management Extensions (JMX) を使用して管理情報を公開します。管理情報の多くは、Kafka クラスターの状態やパフォーマンスを監視するのに役立つメトリックの形式になっています。他の Java アプリケーションと同様に、Kafka はマネージド Bean または MBean を介してこの管理情報を提供します。
JMX は、JVM (Java 仮想マシン) のレベルで動作します。管理情報を取得するために、外部ツールは ZooKeeper、Kafka ブローカーなどを実行している JVM に接続できます。デフォルトでは、同じマシン上で、JVM と同じユーザーとして実行しているツールのみが接続できます。
ZooKeeper の管理情報は、ここには記載されていません。JConsole で ZooKeeper メトリックを表示できます。詳細は、JConsole を使用した監視 を参照してください。
18.1. JMX 設定オプション
JVM システムプロパティーを使用して JMX を設定します。AMQ Streams とともに提供されるスクリプト (bin/kafka-server-start.sh
、bin/connect-distributed.sh
など) では、環境変数 KAFKA_JMX_OPTS
を使用してこのシステムプロパティーを設定しています。Kafka プロデューサー、コンシューマー、およびストリームアプリケーションは、通常、異なる方法で JVM を起動しますが、JMX を設定するシステムプロパティーは同じです。
18.2. JMX エージェントの無効化
AMQ Streams コンポーネントの JMX エージェントを無効にして、ローカルの JMX ツールが (たとえば、コンプライアンスの理由などで) JVM に接続しないようにできます。次の手順では、Kafka ブローカーの JMX エージェントを無効にします。
手順
KAFKA_JMX_OPTS
環境変数を使用してcom.sun.management.jmxremote
をfalse
に設定します。export KAFKA_JMX_OPTS=-Dcom.sun.management.jmxremote=false bin/kafka-server-start.sh
- JVM を起動します。
18.3. 別のマシンからの JVM への接続
JMX エージェントがリッスンするポートを設定すると、別のマシンから JVM に接続できます。これは、JMX ツールがどこからでも認証なしで接続できるため、セキュアではありません。
手順
KAFKA_JMX_OPTS
環境変数を使用して-Dcom.sun.management.jmxremote.port=<port>
を設定します。<port>
には、Kafka ブローカーが JMX 接続をリッスンするポートの名前を入力します。export KAFKA_JMX_OPTS="-Dcom.sun.management.jmxremote=true -Dcom.sun.management.jmxremote.port=<port> -Dcom.sun.management.jmxremote.authenticate=false -Dcom.sun.management.jmxremote.ssl=false" bin/kafka-server-start.sh
- JVM を起動します。
リモート JMX 接続を保護するには、認証と SSL を設定することが推奨されます。これを行うために必要なシステムプロパティーの詳細は、JMX のドキュメント を参照してください。
18.4. JConsole を使用した監視
JConsole ツールは Java Development Kit (JDK) とともに配布されます。JConsole を使用して、ローカルまたはリモート JVM に接続し、Java アプリケーションから管理情報を検出および表示できます。JConsole を使用してローカル JVM に接続する場合、JVM プロセスの名前は AMQ Streams コンポーネントに対応します。
AMQ Streams コンポーネント | JVM プロセス |
---|---|
ZooKeeper |
|
Kafka ブローカー |
|
Kafka Connect スタンドアロン |
|
Kafka Connect distributed |
|
Kafka MirrorMaker 2.0 |
|
Kafka MirrorMaker |
|
Kafka Bridge |
|
Kafka producer、consumer、または Streams application |
アプリケーションの |
JConsole を使用してリモート JVM に接続する場合は、適切なホスト名と JMX ポートを使用します。
その他の多くのツールおよびモニタリング製品を使用して JMX を使用してメトリクスを取得し、そのメトリクスに基づいてモニタリングおよびアラートを提供できます。これらのツールについては、製品ドキュメントを参照してください。
18.5. 重要な Kafka ブローカーメトリック
Kafka では、Kafka クラスターのブローカーのパフォーマンスを監視する MBean が多数用意されています。これは、クラスター全体ではなく、個別のブローカーに適用されます。
以下の表は、サーバー、ネットワーク、ログ、およびコントローラーメトリクスに編成されるこのブローカーレベルの MBean の一部です。
18.5.1. Kafka サーバーメトリック
以下の表は、Kafka サーバーに関する情報を報告するメトリックの一部です。
メトリック | MBean | 説明 | 想定される値 |
---|---|---|---|
1 秒あたりのメッセージ数 |
| 個々のメッセージがブローカーによって消費されるレート。 | クラスターの他のブローカーとほぼ同じです。 |
1 秒あたりのバイト数 |
| プロデューサーから送信されたデータがブローカーによって消費されるレート。 | クラスターの他のブローカーとほぼ同じです。 |
1 秒あたりのレプリケーションバイト数 |
| 他のブローカーから送信されたデータがフォロワーブローカーによって消費されるレート。 | 該当なし |
1 秒あたりのバイト数 |
| コンシューマーによってブローカーからデータを取得および読み取るレート。 | 該当なし |
1 秒あたりのレプリケーションバイト数 |
| ブローカーから他のブローカーにデータを送信するレート。このメトリックは、ブローカーがパーティションのグループのリーダーであるかどうかを監視するのに役立ちます。 | 該当なし |
レプリケーションが不十分なパーティション |
| フォロワーレプリカに完全にレプリケーションされていないパーティションの数。 | ゼロ |
最小 ISR パーティション数 |
| 最小の In-Sync レプリカ (ISR) カウント下のパーティションの数。ISR 数は、リーダーと最新の状態にあるレプリカのセットを示します。 | ゼロ |
パーティションの数 |
| ブローカーのパーティション数。 | 他のブローカーと比較してほぼ同じです。 |
リーダー数 |
| このブローカーがリーダーであるレプリカの数。 | クラスターの他のブローカーとほぼ同じです。 |
ISR は 1 秒あたりに縮小します |
| ブローカー内の ISR の数が減少する割合。 | ゼロ |
1 秒あたりの ISR 拡張 |
| ブローカー内の ISR の数が増大する割合。 | ゼロ |
最大ラグ |
| メッセージがリーダーレプリカとフォロワーレプリカによって受信される時間の間の最大ラグ。 | 生成リクエストの最大バッチサイズに比例します。 |
producer purgatory でのリクエスト |
| producer purgatory の送信リクエストの数。 | 該当なし |
fetch purgatory でのリクエスト |
| fetch purgatory のフェッチリクエストの数。 | 該当なし |
リクエストハンドラーの平均アイドル率 |
| リクエストハンドラー (IO) スレッドが使用されていない時間の割合を示します。 | 値が小さいほど、ブローカーのワークロードが高いことを示します。 |
リクエスト (スロットルを除外されるリクエスト) |
| スロットリングから除外されるリクエストの数。 | 該当なし |
ZooKeeper リクエストのレイテンシー (ミリ秒) |
| ブローカーからの ZooKeeper リクエストのレイテンシー (ミリ秒単位)。 | 該当なし |
ZooKeeper セッションの状態 |
| ブローカーの ZooKeeper への接続状態。 | 接続済み |
18.5.2. Kafka ネットワークメトリック
以下の表は、リクエストに関する情報を報告するメトリックの一部です。
メトリック | MBean | 説明 | 想定される値 |
---|---|---|---|
1 秒あたりのリクエスト数 |
|
1 秒あたりのリクエストタイプに対して行われるリクエストの合計数。 | 該当なし |
リクエストバイト (バイト単位のリクエストサイズ) |
|
MBean 名の | 該当なし |
バイト単位の一時メモリーサイズ |
| メッセージ形式の変換およびメッセージのデプロイメントに使用される一時メモリーの量。 | 該当なし |
メッセージ変換時間 |
| メッセージ形式の変換に費やされた時間 (ミリ秒単位)。 | 該当なし |
ミリ秒単位の合計リクエスト時間 |
| リクエストの処理に費やされた合計時間 (ミリ秒単位)。 | 該当なし |
ミリ秒単位のリクエストキュー時間 |
|
| 該当なし |
ミリ秒単位の現地時間 (リーダーの現地処理時間) |
| リーダーがリクエストを処理するのにかかる時間 (ミリ秒単位)。 | 該当なし |
ミリ秒単位のリモート時間 (リーダーのリモート処理時間) |
|
リクエストがフォロワーを待機する時間の長さ (ミリ秒単位)。すべての利用可能なリクエストタイプの個別の MBean が | 該当なし |
ミリ秒単位の応答キュー時間 |
| リクエストが応答キューで待機する時間の長さ (ミリ秒単位)。 | 該当なし |
ミリ秒単位の応答送信時間 |
| 応答の送信にかかった時間 (ミリ秒単位)。 | 該当なし |
ネットワークプロセッサーの平均アイドル率 |
| ネットワークプロセッサーがアイドル状態である時間の平均パーセンテージ。 | 0 から 1 の間。 |
18.5.3. Kafka ログメトリック
次の表は、ログに関する情報を報告するメトリクスの選択を示しています。
メトリック | MBean | 説明 | 想定される値 |
---|---|---|---|
ログのフラッシュ速度と時間 (ミリ秒) |
| ログデータがディスクに書き込まれる速度 (ミリ秒単位)。 | 該当なし |
オフラインのログディレクトリー数 |
| オフラインログディレクトリーの数 (たとえば、ハードウェア障害後)。 | ゼロ |
18.5.4. Kafka コントローラーメトリック
次の表は、クラスターのコントローラーに関する情報を報告するメトリックの選択を示しています。
メトリック | MBean | 説明 | 想定される値 |
---|---|---|---|
アクティブなコントローラーの数 |
| コントローラーとして指定されるブローカーの数。 | 1 つは、ブローカーがクラスターのコントローラーであることを示します。 |
リーダーエレクション率と時間 (ミリ秒) |
| 新しいリーダーレプリカが選出されるレート。 | ゼロ |
18.5.5. Yammer メトリック
レートまたは時間の単位を表すメトリックは、Yammer メトリックとして提供されます。Yammer メトリックを使用する MBean のクラス名には、com.yammer.metrics
という接頭辞がつきます。
Yammer レートメトリクスには、リクエストを監視する以下の属性があります。
- Count
- EventType (バイト)
- FifteenMinuteRate
- RateUnit (秒)
- MeanRate
- OneMinuteRate
- FiveMinuteRate
Yammer 時間メトリクスには、リクエストを監視するための以下の属性があります。
- Max
- Min
- Mean
- StdDev
- 75/95/98/99/99.9 パーセンタイル
18.6. プロデューサー MBean
MBean は、Kafka Streams アプリケーションやソースコネクターのある Kafka Connect などの Kafka プロデューサーアプリケーションに存在します。
プロデューサーメトリック
属性 | 説明 |
---|---|
batch-size-avg | リクエストごとにパーティションごとに送信されるバイトの平均数。 |
batch-size-max | リクエストごとおよびパーティションごとに送信されるバイトの最大数。 |
batch-split-rate | 1 秒あたりのバッチスプリットの平均数。 |
batch-split-total | バッチスプリットの合計数。 |
buffer-available-bytes | 使用されていない (未割り当てまたは空きリストにある) バッファーメモリーの合計量。 |
buffer-total-bytes | クライアントが使用できるバッファーメモリーの最大量 (現在使用されているかどうかに関係なく)。 |
bufferpool-wait-time | アペンダーがスペースの割り当てを待つ時間の割合。 |
bufferpool-wait-time-ns-total | アペンダーがスペースの割り当てをナノ秒単位で待機する合計時間。 |
bufferpool-wait-time-total | 非推奨: アペンダーがスペースの割り当てをナノ秒で待機する合計時間。代わりに bufferpool-wait-time-ns-total を使用してください。 |
compression-rate-avg | レコードバッチの平均圧縮レート。圧縮バッチサイズを非圧縮サイズでの平均比率として定義されます。 |
connection-close-rate | ウィンドウで 1 秒間に閉じられる接続。 |
connection-close-total | ウィンドウで切断された合計接続数。 |
connection-count | アクティブな接続の現在の数。 |
connection-creation-rate | ウィンドウで 1 秒間に確立される新しい接続。 |
connection-creation-total | ウィンドウで確立された合計新規接続数。 |
failed-authentication-rate | 1 秒あたりに認証に失敗した接続回数。 |
failed-authentication-total | 認証に失敗した接続合計数。 |
failed-reauthentication-rate | 1 秒あたりに再認証に失敗した接続回数。 |
failed-reauthentication-total | 再認証に失敗した接続の合計。 |
flush-time-ns-total | プロデューサーが Producer.flush に費やした合計時間 (ナノ秒)。 |
incoming-byte-rate | すべてのソケットから読み取られたバイト/秒。 |
incoming-byte-total | すべてのソケットから読み取られた合計バイト数。 |
io-ratio | I/O スレッドが I/O の実行に費やした時間の割合。 |
io-time-ns-avg | 選択した呼び出しごとの I/O の平均時間 (ナノ秒単位)。 |
io-time-ns-total | I/O スレッドが I/O の実行に費やした合計時間 (ナノ秒単位)。 |
io-wait-ratio | I/O スレッドが待機に費やした時間の割合。 |
io-wait-time-ns-avg | 読み取りまたは書き込みの準備ができたソケットの待機に費やされた I/O スレッドの平均時間 (ナノ秒単位)。 |
io-wait-time-ns-total | I/O スレッドが待機した合計時間 (ナノ秒単位)。 |
io-waittime-total | 非推奨: I/O スレッドが待機した合計時間 (ナノ秒単位)。代わりに io-wait-time-ns-total を使用してください。 |
iotime-total | 非推奨: I/O スレッドが I/O の実行に費やした合計時間 (ナノ秒単位)。代わりに io-time-ns-total を使用してください。 |
metadata-age | 使用されている現在のプロデューサーメタデータの秒単位の経過時間。 |
network-io-rate | 1 秒あたりのすべての接続でのネットワーク操作 (読み取りまたは書き込み) の平均数。 |
network-io-total | 全接続のネットワーク操作 (読み取りまたは書き込み) の合計数。 |
outgoing-byte-rate | すべてのサーバーに 1 秒間に送信する送信バイトの平均数。 |
outgoing-byte-total | すべてのサーバーに送信されるバイトの合計数。 |
produce-throttle-time-avg | リクエストがブローカーによって抑制された平均時間 (ミリ秒)。 |
produce-throttle-time-max | ブローカーによってリクエストがスロットルされた最大時間 (ミリ秒単位)。 |
reauthentication-latency-avg | 再認証により発生した平均レイテンシー (ミリ秒単位)。 |
reauthentication-latency-max | 再認証により発生した最大レイテンシー (ミリ秒単位)。 |
record-error-rate | エラーとなったレコード送信の 1 秒あたりの平均数。 |
record-error-total | エラーとなったレコード送信の合計数。 |
record-queue-time-avg | 送信バッファーで費やされたレコードバッチの平均時間 (ミリ秒)。 |
record-queue-time-max | 送信バッファーで費やされたレコードバッチの最長時間 (ミリ秒)。 |
record-retry-rate | 再試行されたレコード送信の 1 秒あたりの平均数。 |
record-retry-total | 再試行されたレコード送信の合計数。 |
record-send-rate | 1 秒間に送信するレコードの平均数。 |
record-send-total | 送信されたレコードの総数。 |
record-size-avg | 平均レコードサイズ。 |
record-size-max | 最大レコードサイズ。 |
records-per-request-avg | リクエストごとの平均レコード数。 |
request-latency-avg | ミリ秒単位の平均リクエストレイテンシー。 |
request-latency-max | ミリ秒単位の最大リクエストレイテンシー。 |
request-rate | 1 秒間に送信するリクエストの平均数。 |
request-size-avg | ウィンドウのすべてのリクエストの平均サイズ。 |
request-size-max | ウィンドウの送信リクエストの最大サイズ。 |
request-total | 送信された合計リクエスト数。 |
requests-in-flight | 応答を待機するインフライトリクエストの現在の数。 |
response-rate | 1 秒間に受信した応答。 |
response-total | 受信する応答の合計数。 |
select-rate | I/O レイヤーが実行する新しい I/O をチェックする 1 秒あたりの回数。 |
select-total | I/O レイヤーが実行する新しい I/O をチェックする合計回数。 |
successful-authentication-no-reauth-total | 再認証をサポートしていない、2.2.0 より前の SASL クライアントによって正常に認証された接続の総数。ゼロ以外のみを指定できます。 |
successful-authentication-rate | SASL または SSL を使用して正常に認証された 1 秒あたりの接続。 |
successful-authentication-total | SASL または SSL を使用して正常に認証された合計接続数。 |
successful-reauthentication-rate | SASL を使用して正常に再認証された 1 秒あたりの接続。 |
successful-reauthentication-total | SASL を使用して正常に再認証された接続の合計。 |
txn-abort-time-ns-total | プロデューサーがトランザクションの中止に費やした合計時間 (ナノ秒単位) (EOS の場合)。 |
txn-begin-time-ns-total | プロデューサーが beginTransaction に費やした合計時間 (ナノ秒単位) (EOS の場合)。 |
txn-commit-time-ns-total | プロデューサーがトランザクションのコミットに費やした合計時間 (ナノ秒単位) (EOS の場合)。 |
txn-init-time-ns-total | プロデューサーがトランザクションの初期化に費やした合計時間 (ナノ秒単位) (EOS の場合)。 |
txn-send-offsets-time-ns-total | プロデューサーがトランザクションにオフセットを送信するのに費やした合計時間 (ナノ秒単位) (EOS の場合)。 |
waiting-threads | バッファーメモリーがレコードをキューに入れるのを待機するブロックされたユーザースレッドの数。 |
ブローカー接続に関するプロデューサーメトリック
属性 | 説明 |
---|---|
incoming-byte-rate | ノードが 1 秒間に受信した平均バイト数。 |
incoming-byte-total | ノードに受信するバイトの合計数。 |
outgoing-byte-rate | ノードが 1 秒間に送信する送信バイトの平均数。 |
outgoing-byte-total | ノードに送信される送信バイトの合計数。 |
request-latency-avg | ノードの平均リクエストレイテンシー (ミリ秒単位)。 |
request-latency-max | ノードの最大リクエストレイテンシー (ミリ秒単位)。 |
request-rate | ノードが 1 秒間に送信するリクエストの平均数。 |
request-size-avg | ノードのウィンドウにあるすべてのリクエストの平均サイズ。 |
request-size-max | ノードのウィンドウに送信されるリクエストの最大サイズ。 |
request-total | ノードに送信されるリクエストの合計数。 |
response-rate | 1 秒間に受信されるノードの応答。 |
response-total | ノードで受信する応答の合計数。 |
トピックに送信されたメッセージに関するプロデューサーメトリック
属性 | 説明 |
---|---|
byte-rate | トピックに対して 1 秒間に送信するバイトの平均数。 |
byte-total | トピックに対して送信するバイトの合計数。 |
compression-rate | トピックの記録バッチの平均圧縮レート。圧縮バッチサイズを非圧縮サイズで割った平均比率として定義されます。 |
record-error-rate | トピックに対してエラーとなったレコード送信の 1 秒あたりの平均数。 |
record-error-total | トピックに対してエラーとなったレコード送信の合計数。 |
record-retry-rate | トピックに対して再試行されたレコード送信の 1 秒あたりの平均数。 |
record-retry-total | トピックに対して再試行されたレコード送信の合計数。 |
record-send-rate | トピックに対して 1 秒間に送信するレコードの平均数。 |
record-send-total | トピックに対して送信するレコードの合計数。 |
18.7. コンシューマー MBean
MBean は、Kafka Streams アプリケーションやシンクコネクターのある Kafka Connect などの、Kafka コンシューマーアプリケーションに存在します。
コンシューマーメトリック
属性 | 説明 |
---|---|
connection-close-rate | ウィンドウで 1 秒間に閉じられる接続。 |
connection-close-total | ウィンドウで切断された合計接続数。 |
connection-count | アクティブな接続の現在の数。 |
connection-creation-rate | ウィンドウで 1 秒間に確立される新しい接続。 |
connection-creation-total | ウィンドウで確立された合計新規接続数。 |
failed-authentication-rate | 1 秒あたりに認証に失敗した接続回数。 |
failed-authentication-total | 認証に失敗した接続合計数。 |
failed-reauthentication-rate | 1 秒あたりに再認証に失敗した接続回数。 |
failed-reauthentication-total | 再認証に失敗した接続の合計。 |
incoming-byte-rate | すべてのソケットから読み取られたバイト/秒。 |
incoming-byte-total | すべてのソケットから読み取られた合計バイト数。 |
io-ratio | I/O スレッドが I/O の実行に費やした時間の割合。 |
io-time-ns-avg | 選択した呼び出しごとの I/O の平均時間 (ナノ秒単位)。 |
io-time-ns-total | I/O スレッドが I/O の実行に費やした合計時間 (ナノ秒単位)。 |
io-wait-ratio | I/O スレッドが待機に費やした時間の割合。 |
io-wait-time-ns-avg | 読み取りまたは書き込みの準備ができたソケットの待機に費やされた I/O スレッドの平均時間 (ナノ秒単位)。 |
io-wait-time-ns-total | I/O スレッドが待機した合計時間 (ナノ秒単位)。 |
io-waittime-total | 非推奨: I/O スレッドが待機した合計時間 (ナノ秒単位)。代わりに io-wait-time-ns-total を使用してください。 |
iotime-total | 非推奨: I/O スレッドが I/O の実行に費やした合計時間 (ナノ秒単位)。代わりに io-time-ns-total を使用してください。 |
network-io-rate | 1 秒あたりのすべての接続でのネットワーク操作 (読み取りまたは書き込み) の平均数。 |
network-io-total | 全接続のネットワーク操作 (読み取りまたは書き込み) の合計数。 |
outgoing-byte-rate | すべてのサーバーに 1 秒間に送信する送信バイトの平均数。 |
outgoing-byte-total | すべてのサーバーに送信されるバイトの合計数。 |
reauthentication-latency-avg | 再認証により発生した平均レイテンシー (ミリ秒単位)。 |
reauthentication-latency-max | 再認証により発生した最大レイテンシー (ミリ秒単位)。 |
request-rate | 1 秒間に送信するリクエストの平均数。 |
request-size-avg | ウィンドウのすべてのリクエストの平均サイズ。 |
request-size-max | ウィンドウの送信リクエストの最大サイズ。 |
request-total | 送信された合計リクエスト数。 |
response-rate | 1 秒間に受信した応答。 |
response-total | 受信する応答の合計数。 |
select-rate | I/O レイヤーが実行する新しい I/O をチェックする 1 秒あたりの回数。 |
select-total | I/O レイヤーが実行する新しい I/O をチェックする合計回数。 |
successful-authentication-no-reauth-total | 再認証をサポートしていない、2.2.0 より前の SASL クライアントによって正常に認証された接続の総数。ゼロ以外のみを指定できます。 |
successful-authentication-rate | SASL または SSL を使用して正常に認証された 1 秒あたりの接続。 |
successful-authentication-total | SASL または SSL を使用して正常に認証された合計接続数。 |
successful-reauthentication-rate | SASL を使用して正常に再認証された 1 秒あたりの接続。 |
successful-reauthentication-total | SASL を使用して正常に再認証された接続の合計。 |
ブローカー接続に関するコンシューマーメトリック
属性 | 説明 |
---|---|
incoming-byte-rate | ノードが 1 秒間に受信した平均バイト数。 |
incoming-byte-total | ノードに受信するバイトの合計数。 |
outgoing-byte-rate | ノードが 1 秒間に送信する送信バイトの平均数。 |
outgoing-byte-total | ノードに送信される送信バイトの合計数。 |
request-latency-avg | ノードの平均リクエストレイテンシー (ミリ秒単位)。 |
request-latency-max | ノードの最大リクエストレイテンシー (ミリ秒単位)。 |
request-rate | ノードが 1 秒間に送信するリクエストの平均数。 |
request-size-avg | ノードのウィンドウにあるすべてのリクエストの平均サイズ。 |
request-size-max | ノードのウィンドウに送信されるリクエストの最大サイズ。 |
request-total | ノードに送信されるリクエストの合計数。 |
response-rate | 1 秒間に受信されるノードの応答。 |
response-total | ノードで受信する応答の合計数。 |
コンシューマーグループメトリック
属性 | 説明 |
---|---|
assigned-partitions | このコンシューマーに現在割り当てられているパーティションの数。 |
commit-latency-avg | コミットリクエストにかかる平均時間。 |
commit-latency-max | コミットリクエストにかかる最大時間。 |
commit-rate | 1 秒あたりのコミットコールの数。 |
commit-total | コミットコールの合計数。 |
failed-rebalance-rate-per-hour | 1 時間あたりの失敗したグループリバランスイベントの数。 |
failed-rebalance-total | 失敗したグループリバランスの合計数。 |
heartbeat-rate | 1 秒あたりのハートビートの平均数。 |
heartbeat-response-time-max | ハートビートリクエストへの応答を受信するのにかかる最大時間。 |
heartbeat-total | ハートビートの合計数。 |
join-rate | 1 秒あたりのグループ参加数。 |
join-time-avg | グループの再参加にかかる平均時間。 |
join-time-max | グループの再参加にかかる最大時間。 |
join-total | グループ参加の合計数。 |
last-heartbeat-seconds-ago | 最後のコントローラーハートビートからの秒数。 |
last-rebalance-seconds-ago | 最後のリバランスイベントからの経過時間 (秒単位)。 |
partitions-assigned-latency-avg | on-partitions-assigned リバランスリスナーのコールバックにかかる平均時間。 |
partitions-assigned-latency-max | on-partitions-assigned リバランスリスナーのコールバックにかかる最大時間。 |
partitions-lost-latency-avg | on-partitions-lost リバランスリスナーのコールバックにかかる平均時間。 |
partitions-lost-latency-max | on-partitions-lost リバランスリスナーコールバックにかかる最大時間。 |
partitions-revoked-latency-avg | on-partitions-revoked リバランスリスナーコールバックにかかる平均時間。 |
partitions-revoked-latency-max | on-partitions-revoked リバランスリスナーコールバックにかかる最大時間。 |
rebalance-latency-avg | グループのリバランスにかかる平均時間。 |
rebalance-latency-max | グループのリバランスにかかる最大時間。 |
rebalance-latency-total | これまでのグループのリバランスにかかった合計時間。 |
rebalance-rate-per-hour | 1 時間あたりに参加したグループリバランスの数。 |
rebalance-total | 参加したグループリバランスの合計数。 |
sync-rate | 1 秒あたりのグループ同期数。 |
sync-time-avg | グループ同期にかかる平均時間。 |
sync-time-max | グループ同期にかかる最大時間。 |
sync-total | グループ同期の合計数。 |
コンシューマーフェッチメトリック
属性 | 説明 |
---|---|
bytes-consumed-rate | 1 秒あたり消費される平均のバイト数。 |
bytes-consumed-total | 消費された総バイト数。 |
fetch-latency-avg | フェッチリクエストにかかる平均時間。 |
fetch-latency-max | 任意のフェッチリクエストにかかる最大時間。 |
fetch-rate | 1 秒あたりのフェッチリクエストの数。 |
fetch-size-avg | リクエストごとにフェッチされたバイトの平均数。 |
fetch-size-max | リクエストごとにフェッチされたバイトの最大数。 |
fetch-throttle-time-avg | ミリ秒単位の平均スロットル時間。 |
fetch-throttle-time-max | ミリ秒単位の最大スロットル時間。 |
fetch-total | フェッチリクエストの総数。 |
records-consumed-rate | 1 秒あたり消費される平均のレコード数。 |
records-consumed-total | 消費されるレコードの総数。 |
records-lag-max | このウィンドウの任意のパーティションのレコード数に関する最大ラグ。注: これは現在のオフセットに基づいており、コミットされたオフセットではありません。 |
records-lead-min | このウィンドウの任意のパーティションのレコード数に関する最小のリード。 |
records-per-request-avg | 各リクエストの平均レコード数。 |
トピックレベルでのコンシューマーフェッチメトリック
属性 | 説明 |
---|---|
bytes-consumed-rate | トピックに対して 1 秒あたり消費される平均のバイト数。 |
bytes-consumed-total | トピックで消費された総バイト数。 |
fetch-size-avg | トピックに対してリクエストごとにフェッチされたバイトの平均数。 |
fetch-size-max | トピックに対してリクエストごとにフェッチされたバイトの最大数。 |
records-consumed-rate | トピックに対して 1 秒あたり消費される平均のレコード数。 |
records-consumed-total | トピックで消費されたレコードの合計数。 |
records-per-request-avg | トピックの各リクエストの平均レコード数。 |
パーティションレベルでのコンシューマーフェッチメトリック
属性 | 説明 |
---|---|
preferred-read-replica | パーティションの現在の読み取りレプリカ。リーダーから読み取る場合は -1。 |
records-lag | パーティションの最新のラグ。 |
records-lag-avg | パーティションの平均ラグ。 |
records-lag-max | パーティションの最大ラグ数。 |
records-lead | パーティションの最新のリード。 |
records-lead-avg | パーティションの平均リード。 |
records-lead-min | パーティションの最小リード。 |
18.8. Kafka Connect MBean
Kafka Connect メトリック
属性 | 説明 |
---|---|
connection-close-rate | ウィンドウで 1 秒間に閉じられる接続。 |
connection-close-total | ウィンドウで切断された合計接続数。 |
connection-count | アクティブな接続の現在の数。 |
connection-creation-rate | ウィンドウで 1 秒間に確立される新しい接続。 |
connection-creation-total | ウィンドウで確立された合計新規接続数。 |
failed-authentication-rate | 1 秒あたりに認証に失敗した接続回数。 |
failed-authentication-total | 認証に失敗した接続合計数。 |
failed-reauthentication-rate | 1 秒あたりに再認証に失敗した接続回数。 |
failed-reauthentication-total | 再認証に失敗した接続の合計。 |
incoming-byte-rate | すべてのソケットから読み取られたバイト/秒。 |
incoming-byte-total | すべてのソケットから読み取られた合計バイト数。 |
io-ratio | I/O スレッドが I/O の実行に費やした時間の割合。 |
io-time-ns-avg | 選択した呼び出しごとの I/O の平均時間 (ナノ秒単位)。 |
io-time-ns-total | I/O スレッドが I/O の実行に費やした合計時間 (ナノ秒単位)。 |
io-wait-ratio | I/O スレッドが待機に費やした時間の割合。 |
io-wait-time-ns-avg | 読み取りまたは書き込みの準備ができたソケットの待機に費やされた I/O スレッドの平均時間 (ナノ秒単位)。 |
io-wait-time-ns-total | I/O スレッドが待機した合計時間 (ナノ秒単位)。 |
io-waittime-total | 非推奨: I/O スレッドが待機した合計時間 (ナノ秒単位)。代わりに io-wait-time-ns-total を使用してください。 |
iotime-total | 非推奨: I/O スレッドが I/O の実行に費やした合計時間 (ナノ秒単位)。代わりに io-time-ns-total を使用してください。 |
network-io-rate | 1 秒あたりのすべての接続でのネットワーク操作 (読み取りまたは書き込み) の平均数。 |
network-io-total | 全接続のネットワーク操作 (読み取りまたは書き込み) の合計数。 |
outgoing-byte-rate | すべてのサーバーに 1 秒間に送信する送信バイトの平均数。 |
outgoing-byte-total | すべてのサーバーに送信されるバイトの合計数。 |
reauthentication-latency-avg | 再認証により発生した平均レイテンシー (ミリ秒単位)。 |
reauthentication-latency-max | 再認証により発生した最大レイテンシー (ミリ秒単位)。 |
request-rate | 1 秒間に送信するリクエストの平均数。 |
request-size-avg | ウィンドウのすべてのリクエストの平均サイズ。 |
request-size-max | ウィンドウの送信リクエストの最大サイズ。 |
request-total | 送信された合計リクエスト数。 |
response-rate | 1 秒間に受信した応答。 |
response-total | 受信する応答の合計数。 |
select-rate | I/O レイヤーが実行する新しい I/O をチェックする 1 秒あたりの回数。 |
select-total | I/O レイヤーが実行する新しい I/O をチェックする合計回数。 |
successful-authentication-no-reauth-total | 再認証をサポートしていない、2.2.0 より前の SASL クライアントによって正常に認証された接続の総数。ゼロ以外のみを指定できます。 |
successful-authentication-rate | SASL または SSL を使用して正常に認証された 1 秒あたりの接続。 |
successful-authentication-total | SASL または SSL を使用して正常に認証された合計接続数。 |
successful-reauthentication-rate | SASL を使用して正常に再認証された 1 秒あたりの接続。 |
successful-reauthentication-total | SASL を使用して正常に再認証された接続の合計。 |
ブローカー接続に関する Kafka Connect メトリクス
属性 | 説明 |
---|---|
incoming-byte-rate | ノードが 1 秒間に受信した平均バイト数。 |
incoming-byte-total | ノードに受信するバイトの合計数。 |
outgoing-byte-rate | ノードが 1 秒間に送信する送信バイトの平均数。 |
outgoing-byte-total | ノードに送信される送信バイトの合計数。 |
request-latency-avg | ノードの平均リクエストレイテンシー (ミリ秒単位)。 |
request-latency-max | ノードの最大リクエストレイテンシー (ミリ秒単位)。 |
request-rate | ノードが 1 秒間に送信するリクエストの平均数。 |
request-size-avg | ノードのウィンドウにあるすべてのリクエストの平均サイズ。 |
request-size-max | ノードのウィンドウに送信されるリクエストの最大サイズ。 |
request-total | ノードに送信されるリクエストの合計数。 |
response-rate | 1 秒間に受信されるノードの応答。 |
response-total | ノードで受信する応答の合計数。 |
ワーカーに関する Kafka Connect メトリック
属性 | 説明 |
---|---|
connector-count | このワーカーで実行されるコネクターの数。 |
connector-startup-attempts-total | このワーカーが試みたコネクター起動の合計数。 |
connector-startup-failure-percentage | このワーカーのコネクター起動のうち、失敗したものの平均割合。 |
connector-startup-failure-total | 失敗したコネクター起動の総数。 |
connector-startup-success-percentage | このワーカーのコネクター起動のうち、成功したものの平均割合。 |
connector-startup-success-total | 成功したコネクター起動の総数。 |
task-count | このワーカーで実行されるタスクの数。 |
task-startup-attempts-total | このワーカーが試みたタスク起動の合計数。 |
task-startup-failure-percentage | このワーカーのタスク起動のうち、失敗したものの平均割合。 |
task-startup-failure-total | 失敗したタスク開始の合計数。 |
task-startup-success-percentage | このワーカーのタスク起動のうち、成功したものの平均割合。 |
task-startup-success-total | 成功したタスク開始の合計数。 |
リバランスに関する Kafka Connect メトリック
属性 | 説明 |
---|---|
completed-rebalances-total | このワーカーが完了したリバランスの合計数。 |
connect-protocol | このクラスターによって使用される Connect プロトコル。 |
epoch | このワーカーのエポックまたは生成番号。 |
leader-name | グループリーダーの名前。 |
rebalance-avg-time-ms | このワーカーがリバランスに費やした平均時間 (ミリ秒単位)。 |
rebalance-max-time-ms | このワーカーがリバランスするために費やした最大時間 (ミリ秒単位)。 |
rebalancing | このワーカーが現在リバランス中であるかどうか。 |
time-since-last-rebalance-ms | このワーカーが最新のリバランスを完了してからのミリ秒単位の時間。 |
コネクターに関する Kafka Connect メトリック
属性 | 説明 |
---|---|
connector-class | コネクタークラスの名前。 |
connector-type | コネクターのタイプ。ソースまたはシンクのいずれか。 |
connector-version | コネクターによって報告されるコネクタークラスのバージョン。 |
status | コネクターのステータス。'unassigned'、'running'、'paused'、'failed'、または 'restarting' のいずれか。 |
コネクタータスクに関する Kafka Connect メトリクス
属性 | 説明 |
---|---|
batch-size-avg | コネクターによって処理されるバッチの平均サイズ。 |
batch-size-max | コネクターによって処理されるバッチの最大サイズ。 |
offset-commit-avg-time-ms | このタスクがオフセットをコミットするのに要した平均時間 (ミリ秒単位)。 |
offset-commit-failure-percentage | このタスクのオフセットコミット試行のうち、失敗したものの平均割合。 |
offset-commit-max-time-ms | このタスクがオフセットをコミットするのにかかる最大時間 (ミリ秒単位)。 |
offset-commit-success-percentage | このタスクのオフセットコミット試行のうち、成功したものの平均割合。 |
pause-ratio | このタスクが pause 状態で費やした時間の割合。 |
running-ratio | このタスクが running 状態で費やした時間の割合。 |
status | コネクタータスクのステータス。'unassigned'、'running'、'paused'、'failed'、または 'restarting' のいずれか。 |
シンクコネクターに関する Kafka Connect メトリクス
属性 | 説明 |
---|---|
offset-commit-completion-rate | 正常に完了したオフセットコミット完了の 1 秒あたりの平均数。 |
offset-commit-completion-total | 正常に完了したオフセットコミット完了の合計数。 |
offset-commit-seq-no | オフセットコミットの現在のシーケンス番号。 |
offset-commit-skip-rate | 受信が遅すぎてスキップ/無視されたオフセットコミット完了の 1 秒あたりの平均数。 |
offset-commit-skip-total | 受信が遅すぎてスキップ/無視されたオフセットコミット完了の合計数。 |
partition-count | このワーカーの名前付きシンクコネクターに属するこのタスクに割り当てられたトピックパーティションの数。 |
put-batch-avg-time-ms | このタスクがシンクの記録を一括して行うためにかかった平均時間。 |
put-batch-max-time-ms | このタスクがシンクの記録を一括して行うためにかかった最大時間。 |
sink-record-active-count | Kafka から読み込まれたものの、シンクタスクがまだ完全にコミット、フラッシュ、確認していないレコードの数。 |
sink-record-active-count-avg | Kafka から読み込まれたものの、シンクタスクが完全にコミット、フラッシュ、確認していないレコードの平均数。 |
sink-record-active-count-max | Kafka から読み込まれたものの、シンクタスクが完全にコミット、フラッシュ、確認していないレコードの最大数。 |
sink-record-lag-max | 任意のトピックパーティションで、シンクタスクがコンシューマーの位置の背後であるレコード数に関する最大ラグ。 |
sink-record-read-rate | このワーカーの名前付きシンクコネクターに属するこのタスクで、Kafka から読み取られるレコードの 1 秒あたりの平均数。これは、変換が適用される前に行われます。 |
sink-record-read-total | タスクが最後に再起動されてから、このワーカーの名前付きシンクコネクターに属するこのタスクによって Kafka から読み取られたレコードの合計数。 |
sink-record-send-rate | 変換から出力されたレコードの 1 秒あたりの平均数。このワーカーの名前付きシンクコネクターに属するこのタスクに送信または配置します。これは、変換の適用後で、変換によってフィルタリングされたレコードをすべて除外します。 |
sink-record-send-total | タスクが最後に再起動されてから、このワーカーの名前付きシンクコネクターに属するこのタスクに送信または配置する、変換から出力されたレコードの合計数。 |
ソースコネクターに関する Kafka Connect メトリック
属性 | 説明 |
---|---|
poll-batch-avg-time-ms | このタスクがソースレコードのバッチをポーリングするためにかかった平均時間 (ミリ秒単位)。 |
poll-batch-max-time-ms | このタスクがソースレコードのバッチをポーリングするためにかかった最大時間 (ミリ秒単位)。 |
source-record-active-count | このタスクによって生成され、まだ完全に Kafka に書き込まれていないレコードの数。 |
source-record-active-count-avg | このタスクによって生成され、まだ完全に Kafka に書き込まれていないレコードの平均数。 |
source-record-active-count-max | このタスクによって生成され、まだ完全に Kafka に書き込まれていないレコードの最大数。 |
source-record-poll-rate | このワーカーの名前付きソースコネクターに属するこのタスクによって生成/ポーリングされた (変換前) レコードの 1 秒あたりの平均数。 |
source-record-poll-total | このワーカーの名前付きソースコネクターに属するこのタスクによって生成/ポーリングされた (変換前) レコードの合計数。 |
source-record-write-rate | 変換から出力され、このワーカーの名前付きソースコネクターに属するこのタスクの Kafka に書き込まれたレコードの 1 秒あたりの平均数。これは、変換の適用後で、変換によってフィルタリングされたレコードをすべて除外します。 |
source-record-write-total | タスクが最後に再起動されてから、変換から出力され、このワーカーの名前付きソースコネクターに属するこのタスクの Kafka に書き込まれたレコードの数。 |
transaction-size-avg | タスクがこれまでにコミットしたトランザクション内のレコードの平均数。 |
transaction-size-max | タスクがコミットした最大トランザクション内のレコード数。 |
transaction-size-min | タスクがコミットした最小トランザクション内のレコード数。 |
コネクターエラーに関する Kafka Connect メトリック
属性 | 説明 |
---|---|
deadletterqueue-produce-failures | デッドレターキューへの書き込み失敗数。 |
deadletterqueue-produce-requests | デッドレターキューへの書き込み試行の数。 |
last-error-timestamp | このタスクで最後にエラーが発生したときのエポックタイムスタンプ。 |
total-errors-logged | ログに記録されたエラーの数。 |
total-record-errors | このタスクでのレコード処理エラーの数。 |
total-record-failures | このタスクでのレコード処理の失敗数。 |
total-records-skipped | エラーによりスキップされたレコードの数。 |
total-retries | 再試行された操作の数。 |
18.9. Kafka Streams MBean
クライアントの Kafka Streams メトリック
これらのメトリクスは、metrics.recording.level
設定パラメーターが info
または debug
の場合に収集されます。
属性 | 説明 |
---|---|
blocked-time-ns-total | スレッドが Kafka でブロックされていた合計時間。 |
commit-latency-avg | このスレッドのすべての実行中のタスクにおけるコミットの平均実行時間 (ミリ秒単位)。 |
commit-latency-max | このスレッドのすべての実行中のタスクにおけるコミットの最大実行時間 (ミリ秒単位)。 |
commit-rate | 1 秒あたりの平均コミット数。 |
commit-total | コミットコールの合計数。 |
poll-latency-avg | コンシューマーポーリングの平均実行時間 (ミリ秒単位)。 |
poll-latency-max | コンシューマーポーリングの最大実行時間 (ミリ秒単位)。 |
poll-rate | 1 秒あたりのコンシューマーポーリングコールの平均数。 |
poll-total | コンシューマーポーリングコールの合計数。 |
process-latency-avg | 処理の平均実行時間 (ミリ秒単位)。 |
process-latency-max | 処理の最大実行時間 (ミリ秒単位)。 |
process-rate | 1 秒あたりの処理レコードの平均数。 |
process-total | 処理レコードの総数。 |
punctuate-latency-avg | 中断の平均実行時間 (ミリ秒単位)。 |
punctuate-latency-max | 中断の最大実行時間 (ミリ秒単位)。 |
punctuate-rate | 1 秒あたりの中断コールの平均数。 |
punctuate-total | 中断コールの合計数。 |
task-closed-rate | 1 秒間に閉じられたタスクの平均数。 |
task-closed-total | 閉じられたタスクの合計数。 |
task-created-rate | 1 秒あたり作成されるタスクの平均数。 |
task-created-total | 作成されたタスクの合計数。 |
thread-start-time | スレッドが開始された時刻。 |
タスクの Kafka Streams メトリクス
これらのメトリクスは、metrics.recording.level
設定パラメーターが debug
のときに収集されます。
属性 | 説明 |
---|---|
active-process-ratio | 割り当て済みでアクティブなタスクすべての中で、ストリームスレッドがこのタスクの処理に費やした時間の割合。 |
commit-latency-avg | コミットの平均実行時間 (ナノ秒単位)。 |
commit-latency-max | コミットの最大実行時間 (ナノ秒単位)。 |
commit-rate | 1 秒あたりのコミットコールの平均数。 |
commit-total | コミットコールの合計数。 |
dropped-records-rate | このタスク内でドロップされたレコードの平均数。 |
dropped-records-total | このタスク内でドロップされたレコードの合計数。 |
enforced-processing-rate | 1 秒あたりの平均強制処理数。 |
enforced-processing-total | 強制的に実行された合計処理数。 |
process-latency-avg | 処理の平均実行時間 (ナノ秒単位)。 |
process-latency-max | 処理の最大実行時間 (ナノ秒単位)。 |
process-rate | このタスクのすべてのソースプロセッサーノードにおける 1 秒あたりの処理レコードの平均数。 |
process-total | このタスクのすべてのソースプロセッサーノードにおける処理済みレコードの合計数。 |
record-lateness-avg | レコードで発生した平均遅延 (ストリーム時間 - レコードのタイムスタンプ)。 |
record-lateness-max | レコードで発生した最大遅延 (ストリーム時間 - レコードのタイムスタンプ)。 |
プロセッサーノードの Kafka Streams メトリック
これらのメトリクスは、metrics.recording.level
設定パラメーターが debug
のときに収集されます。
属性 | 説明 |
---|---|
bytes-consumed-total | ソースプロセッサーノードによって消費された合計バイト数。 |
bytes-produced-total | シンクプロセッサーノードによって生成された合計バイト数。 |
process-rate | 1 秒あたりのソースプロセッサーノードで処理されるレコードの平均数。 |
process-total | 1 秒あたりのソースプロセッサーノードで処理されるレコードの合計数。 |
record-e2e-latency-avg | レコードのタイムスタンプをノードによって完全に処理されたときのシステム時刻と比較することによって測定された、レコードの平均エンドツーエンド遅延。 |
record-e2e-latency-max | レコードのタイムスタンプをノードによって完全に処理されたときのシステム時刻と比較することによって測定された、レコードの最大エンドツーエンド遅延。 |
record-e2e-latency-min | レコードのタイムスタンプをノードによって完全に処理されたときのシステム時刻と比較することによって測定された、レコードの最小エンドツーエンド遅延。 |
records-consumed-total | ソースプロセッサーノードによって消費されたレコードの総数。 |
records-produced-total | シンクプロセッサーノードによって生成されたレコードの総数。 |
suppression-emit-rate | 抑制操作ノードからダウンストリームに出力されるレコードの割合。 |
suppression-emit-total | 抑制操作ノードからダウンストリームに出力されるレコードの合計数。 |
ステートストアの Kafka Streams メトリック
これらのメトリクスは、metrics.recording.level
設定パラメーターが debug
のときに収集されます。
属性 | 説明 |
---|---|
all-latency-avg | すべての操作の平均実行時間 (ns)。 |
all-latency-max | すべての操作の最大実行時間 (ns)。 |
all-rate | このストアのすべての操作レートの平均。 |
delete-latency-avg | 平均削除実行時間 (ナノ秒単位)。 |
delete-latency-max | 最大削除実行時間 (ナノ秒単位)。 |
delete-rate | このストアの平均削除レート。 |
flush-latency-avg | フラッシュの平均実行時間 (ナノ秒単位)。 |
flush-latency-max | フラッシュの最大実行時間 (ナノ秒単位)。 |
flush-rate | このストアの平均フラッシュレート。 |
get-latency-avg | get の平均実行時間 (ナノ秒単位)。 |
get-latency-max | get の最大実行時間 (ナノ秒単位)。 |
get-rate | このストアの平均 get レート。 |
put-all-latency-avg | put-all の平均実行時間 (ナノ秒単位)。 |
put-all-latency-max | put-all の最大実行時間 (ナノ秒単位)。 |
put-all-rate | このストアの平均 put-all レート。 |
put-if-absent-latency-avg | put-if-absent の平均実行時間 (ナノ秒単位)。 |
put-if-absent-latency-max | put-if-absent の最大実行時間 (ナノ秒単位)。 |
put-if-absent-rate | このストアの平均 put-if-absent レート。 |
put-latency-avg | put の平均実行時間 (ナノ秒単位)。 |
put-latency-max | put の最大実行時間 (ナノ秒単位)。 |
put-rate | このストアの平均 put レート。 |
range-latency-avg | 平均範囲実行時間 (ナノ秒単位)。 |
range-latency-max | 最大範囲実行時間 (ナノ秒単位)。 |
range-rate | このストアの平均範囲のレート。 |
record-e2e-latency-avg | レコードのタイムスタンプをノードによって完全に処理されたときのシステム時刻と比較することによって測定された、レコードの平均エンドツーエンド遅延。 |
record-e2e-latency-max | レコードのタイムスタンプをノードによって完全に処理されたときのシステム時刻と比較することによって測定された、レコードの最大エンドツーエンド遅延。 |
record-e2e-latency-min | レコードのタイムスタンプをノードによって完全に処理されたときのシステム時刻と比較することによって測定された、レコードの最小エンドツーエンド遅延。 |
restore-latency-avg | 復元の平均実行時間 (ナノ秒単位)。 |
restore-latency-max | 復元の最大実行時間 (ナノ秒単位)。 |
restore-rate | このストアの平均復元レート。 |
suppression-buffer-count-avg | サンプリングウィンドウ上でバッファーされたレコードの平均数。 |
suppression-buffer-count-max | サンプリングウィンドウ上でバッファーされた最大レコード数。 |
suppression-buffer-size-avg | サンプリングウィンドウ上でのバッファーデータの合計サイズ (バイト単位)。 |
suppression-buffer-size-max | サンプリングウィンドウ上でのバッファーデータの最大サイズ (バイト単位)。 |
レコードキャッシュの Kafka Streams メトリック
これらのメトリクスは、metrics.recording.level
設定パラメーターが debug
のときに収集されます。
属性 | 説明 |
---|---|
hit-ratio-avg | キャッシュ読み取りリクエストの合計に対するキャッシュ読み取りヒット率として定義される平均キャッシュヒット率。 |
hit-ratio-max | 最大キャッシュヒット率。 |
hit-ratio-min | 最小キャッシュヒット率。 |
付録A サブスクリプションの使用
AMQ Streams は、ソフトウェアサブスクリプションから提供されます。サブスクリプションを管理するには、Red Hat カスタマーポータルでアカウントにアクセスします。
アカウントへのアクセス
- access.redhat.com に移動します。
- アカウントがない場合は作成します。
- アカウントにログインします。
サブスクリプションのアクティベート
- access.redhat.com に移動します。
- My Subscriptions に移動します。
- Activate a subscription に移動し、16 桁のアクティベーション番号を入力します。
Zip および Tar ファイルのダウンロード
zip または tar ファイルにアクセスするには、カスタマーポータルを使用して、ダウンロードする関連ファイルを検索します。RPM パッケージを使用している場合、この手順は必要ありません。
- ブラウザーを開き、access.redhat.com/downloads で Red Hat カスタマーポータルの Product Downloads ページにログインします。
- INTEGRATION AND AUTOMATION カテゴリーで、AMQ Streams for Apache Kafka エントリーを見つけます。
- 必要な AMQ Streams 製品を選択します。Software Downloads ページが開きます。
- コンポーネントの Download リンクをクリックします。
DNF を使用したパッケージのインストール
パッケージとすべてのパッケージ依存関係をインストールするには、以下を使用します。
dnf install <package_name>
ローカルディレクトリーからダウンロード済みのパッケージをインストールするには、以下を使用します。
dnf install <path_to_download_package>
改訂日時: 2024-03-21