6.4. 認可


Kafka ブローカーの認可は、authorizer プラグインを使用して実装されます。

このセクションでは、Kafka で提供される AclAuthorizer プラグインを使用する方法を説明します。

または、独自の認可プラグインを使用できます。たとえば、OAuth 2.0 トークンベースの認証 を使用している場合、OAuth 2.0 認可 を使用できます。

6.4.1. ACL オーソライザーの有効化

/opt/kafka/config/server.properties ファイルを編集して ACL オーソライザーを追加します。authorizer.class.name プロパティーで完全修飾名を指定して、オーソライザーを有効にします。

オーソライザーの有効化

authorizer.class.name=kafka.security.authorizer.AclAuthorizer

AclAuthorizer の場合、完全修飾名は kafka.security.authorizer.AclAuthorizer です。

6.4.1.1. ACL ルール

ACL オーソライザーは ACL ルールを使用して Kafka ブローカーへのアクセスを管理します。

ACL ルールは次の形式で定義されます。

プリンシパル P は、ホスト H から <kafka_resource> R で <operation> O を許可または拒否されます。

たとえば、ユーザー John がホスト 127.0.0.1 からのトピック コメント表示 できるようにルールを設定できます。ホストは、John が接続しているマシンの IP アドレスです。

ほとんどの場合、ユーザーはプロデューサーまたはコンシューマーアプリケーションです。

Consumer01 は、ホスト 127.0.0.1 からコンシューマーグループ アカウント書き込み できます。

特定のリソースに ACL ルールが存在しない場合は、すべてのアクションが拒否されます。この動作は、Kafka 設定ファイル /opt/kafka/config/server.propertiesallow.everyone.if.no.acl.found プロパティーを true に設定すると変更できます。

6.4.1.2. プリンシパル

プリンシパル はユーザーのアイデンティティーを表します。ID の形式は、クライアントが Kafka に接続するために使用される認証メカニズムによって異なります。

  • User:ANONYMOUS: 認証なしで接続する場合
  • User:<username>: PLAIN や SCRAM などの単純な認証メカニズムを使用して接続する場合

    例: User:admin または User:user1

  • User:<DistinguishedName>: TLS クライアント認証を使用して接続する場合

    例: User:CN=user1,O=MyCompany,L=Prague,C=CZ

  • User:<Kerberos username>: Kerberos を使用して接続する場合

DistinguishedName はクライアント証明書からの識別名です。

Kerberos ユーザー名 は、Kerberos プリンシパルの主要部分で、Kerberos を使用して接続する場合のデフォルトで使用されます。sasl.kerberos.principal.to.local.rules プロパティーを使用して、Kerberos プリンシパルから Kafka プリンシパルを構築する方法を設定できます。

6.4.1.3. ユーザーの認証

認可を使用するには、認証を有効にし、クライアントにより使用される必要があります。そうでないと、すべての接続のプリンシパルは User:ANONYMOUS になります。

認証方法の詳細は、「認証」 を参照してください。

6.4.1.4. スーパーユーザー

スーパーユーザーは、ACL ルールに関係なくすべてのアクションを実行できます。

スーパーユーザーは、super.users プロパティーを使用して Kafka 設定ファイルで定義されます。

以下に例を示します。

super.users=User:admin,User:operator

6.4.1.5. レプリカブローカーの認証

認可を有効にすると、これはすべてのリスナーおよびすべての接続に適用されます。これには、ブローカー間のデータのレプリケーションに使用されるブローカー間の接続が含まれます。そのため、認可を有効にする場合は、ブローカー間接続に認証を使用し、ブローカーが使用するユーザーに十分な権限を付与してください。たとえば、ブローカー間の認証で kafka-broker ユーザーが使用される場合、スーパーユーザー設定にはユーザー名 super.users=User:kafka-broker が含まれている必要があります。

注記

ACL で制御できる Kafka リソースの操作の詳細は、Apache Kafka のドキュメント を参照してください。

6.4.2. ACL ルールの追加

ACL オーソライザーを使用して、アクセス制御リスト (ACL) に基づいて Kafka へのアクセスを制御する場合、kafka-acls.sh ユーティリティーを使用して新しい ACL ルールを追加できます。

kafka-acls.sh パラメーターオプションを使用して、ACL ルールを追加、リスト表示、および削除したり、その他の機能を実行したりします。パラメーターには、--add など、二重ハイフンの標記が必要です。

前提条件

手順

  • --add オプションを指定して kafka-acls.sh を実行します。

    例:

  • MyConsumerGroup コンシューマーグループを使用して、user1 および user2myTopic からの読み取りを許可します。

    opt/kafka/bin/kafka-acls.sh --bootstrap-server localhost:9092 --add --operation Read --topic myTopic --allow-principal User:user1 --allow-principal User:user2
    
    opt/kafka/bin/kafka-acls.sh --bootstrap-server localhost:9092 --add --operation Describe --topic myTopic --allow-principal User:user1 --allow-principal User:user2
    
    opt/kafka/bin/kafka-acls.sh --bootstrap-server localhost:9092 --add --operation Read --operation Describe --group MyConsumerGroup --allow-principal User:user1 --allow-principal User:user2
  • user1 が IP アドレスホスト 127.0.0.1 から myTopic を読むためのアクセスを拒否します。

    opt/kafka/bin/kafka-acls.sh --bootstrap-server localhost:9092 --add --operation Describe --operation Read --topic myTopic --group MyConsumerGroup --deny-principal User:user1 --deny-host 127.0.0.1
  • MyConsumerGroupmyTopic のコンシューマーとして user1 を追加します。

    opt/kafka/bin/kafka-acls.sh --bootstrap-server localhost:9092 --add --consumer --topic myTopic --group MyConsumerGroup --allow-principal User:user1

6.4.3. ACL ルールの一覧表示

ACL オーソライザーを使用して、アクセス制御リスト (ACL) に基づいて Kafka へのアクセスを制御する場合、kafka-acls.sh ユーティリティーを使用して既存の ACL ルールをリスト表示できます。

前提条件

手順

  • --list オプションを指定して kafka-acls.sh を実行します。

    以下に例を示します。

    opt/kafka/bin/kafka-acls.sh --bootstrap-server localhost:9092 --list --topic myTopic
    
    Current ACLs for resource `Topic:myTopic`:
    
    User:user1 has Allow permission for operations: Read from hosts: *
    User:user2 has Allow permission for operations: Read from hosts: *
    User:user2 has Deny permission for operations: Read from hosts: 127.0.0.1
    User:user1 has Allow permission for operations: Describe from hosts: *
    User:user2 has Allow permission for operations: Describe from hosts: *
    User:user2 has Deny permission for operations: Describe from hosts: 127.0.0.1

6.4.4. ACL ルールの削除

ACL オーソライザーを使用して、アクセス制御リスト (ACL) に基づいて Kafka へのアクセスを制御する場合、kafka-acls.sh ユーティリティーを使用して既存の ACL ルールを削除できます。

前提条件

手順

  • --remove オプションを指定して kafka-acls.sh を実行します。

    例:

  • MyConsumerGroup コンシューマーグループを使用して、user1 および user2myTopic からの読み取りを許可する ACL を削除します。

    opt/kafka/bin/kafka-acls.sh --bootstrap-server localhost:9092 --remove --operation Read --topic myTopic --allow-principal User:user1 --allow-principal User:user2
    
    opt/kafka/bin/kafka-acls.sh --bootstrap-server localhost:9092 --remove --operation Describe --topic myTopic --allow-principal User:user1 --allow-principal User:user2
    
    opt/kafka/bin/kafka-acls.sh --bootstrap-server localhost:9092 --remove --operation Read --operation Describe --group MyConsumerGroup --allow-principal User:user1 --allow-principal User:user2
  • MyConsumerGroupmyTopic のコンシューマーとして user1 を追加する ACL を削除します。

    opt/kafka/bin/kafka-acls.sh --bootstrap-server localhost:9092 --remove --consumer --topic myTopic --group MyConsumerGroup --allow-principal User:user1
  • user1 が IP アドレスホスト 127.0.0.1 から myTopic を読むためのアクセスを拒否する ACL を削除します。

    opt/kafka/bin/kafka-acls.sh --bootstrap-server localhost:9092 --remove --operation Describe --operation Read --topic myTopic --group MyConsumerGroup --deny-principal User:user1 --deny-host 127.0.0.1
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