14.2.8. 外部ネットワークプロバイダーとしてのオープン仮想ネットワーク (OVN) の追加
Open Virtual Network (OVN) を使用すると、VLAN を追加したりインフラストラクチャーを変更したりせずにネットワークを作成できます。OVN は Open vSwitch(OVS) の拡張機能で、仮想 L2 および L3 オーバーレイのネイティブ OVS サポートを追加することで仮想ネットワークをサポートします。
新しい OVN ネットワークプロバイダーをインストール することも、既存の OVN ネットワークプロバイダーを追加 することもできます。
OVN ネットワークをネイティブの Red Hat Virtualization ネットワークに接続することもできます。詳細は、「OVN ネットワークを物理ネットワークに接続」 を参照してください。この機能は、テクノロジープレビューとしてのみ利用できます。
Neutron と同様の REST API は ovirt-provider-ovn
によって公開され、ネットワーク、サブネット、ポート、およびルーターを作成できます (詳細は、OpenStack Networking API v2.0 を参照してください)。これらのオーバーレイネットワークは、仮想マシン間の通信を可能にします。
OVN は、OpenStack (Neutron) API を使用して CloudForms によって外部プロバイダーとしてサポートされます。詳細は、Red Hat CloudForms: Managing Providers の Network Managers を参照してください。
OVS および OVN の詳細は、OVS ドキュメントの http://docs.openvswitch.org/en/latest/ および http://openvswitch.org/support/dist-docs/ を参照してください。
14.2.8.1. 新しい OVN ネットワークプロバイダーのインストール
openvswitch
パッケージがすでにインストールされていて、バージョンが 1:2.6.1 (バージョン 2.6.1 エポック 1) の場合、最新の openvswitch
パッケージをインストールしようとすると、OVN のインストールは失敗します。詳細と回避策は、BZ#1505398 の Doc Text を参照してください。
engine-setup
を使用して OVN をインストールする場合、以下の手順は自動化されます。
- Manager マシンに OVN 中央サーバーをセットアップします。
- 外部ネットワークプロバイダーとして OVN を Red Hat Virtualization に追加します。
-
Default クラスターのデフォルトネットワークプロバイダーを
ovirt-provider-ovn
に設定します。 - クラスターへの追加時に OVN と通信するようにホストを設定します。
engine-setup
で事前設定された応答ファイルを使用する場合は、次のエントリーを追加して OVN をインストールできます。
OVESETUP_OVN/ovirtProviderOvn=bool:True
新しい OVN ネットワークプロバイダーのインストール
engine-setup を使用して Manager に OVN をインストールします。インストール時に、
engine-setup
は以下の質問をします。#
Install ovirt-provider-ovn(Yes, No) [Yes]?
:-
Yes
の場合には、engine-setup はovirt-provider-ovn
をインストールします。engine-setup
がシステムを更新する場合に、このプロンプトはovirt-provider-ovn
が以前にインストールされていない場合にのみ表示されます。 No
の場合は、engine-setup
を次回実行しても再度尋ねられることはありません。このオプションを表示するには、engine-setup --reconfigure-optional-components
を実行します。#
Use default credentials (admin@internal) for ovirt-provider-ovn(Yes, No) [Yes]?
:Yes
の場合、engine-setup
は、セットアッププロセスの前半で指定されたデフォルトのエンジンユーザーとパスワードを使用します。このオプションは、新規インストール時にのみ使用できます。#
oVirt OVN provider user[admin]
: #oVirt OVN provider password[empty]
:デフォルト値を使用するか、oVirt OVN プロバイダーのユーザーとパスワードを指定できます。
注記後で認証方法を変更するには、
/etc/ovirt-provider-ovn/conf.d/10_engine_setup.conf
ファイルを編集するか、新しい/etc/ovirt-provider-ovn/conf.d/20_engine_setup.conf
ファイルを作成します。変更を有効にするには、ovirt-provider-ovn
サービスを再起動します。OVN 認証に関する詳細は、https://github.com/oVirt/ovirt-provider-ovn/blob/master/README.adoc を参照してください。
-
Default クラスターにホストを追加します。このクラスターに追加されたホストは、OVN と通信するように自動的に設定されます。新規のホストを追加するには、「Red Hat Virtualization Manager への通常のホストの追加」 を参照してください。
ホストが既存のデフォルト以外のネットワークを使用するように設定するには、「OVN トンネルネットワークのホストの設定」 を参照してください。
-
ネットワークを Default クラスターに追加します。「データセンターまたはクラスターでの新しい論理ネットワークの作成」 を参照して、Create on external provider チェックボックスを選択します。デフォルトでは、
ovirt-provider-ovn
が選択されています。 - OVN ネットワークをネイティブの Red Hat Virtualization ネットワークに接続するには、物理ネットワークに接続する チェックボックスをオンにして、使用する Red Hat Virtualization ネットワークを指定します。詳細および前提条件については、「OVN ネットワークを物理ネットワークに接続」 を参照してください。
- ネットワークが Security Groups のドロップダウンからのセキュリティーグループを使用するかどうかを定義します。利用可能なオプションの詳細は、「論理ネットワーク一般設定の説明」 を参照してください。これで、OVN ネットワークを使用する仮想マシンを作成できます。