B.2. 別のマシンへの Data Warehouse の移行
本セクションでは、Data Warehouse データベースおよびサービスを Red Hat Virtualization Manager から別のマシンに移行する方法を説明します。Data Warehouse サービスを別のマシンでホストすることで、各個別マシンの負荷が削減され、CPU やメモリーリソースを他のプロセスと共有することで競合が生じる可能性を回避できます。
Data Warehouse サービスを移行して既存の Data Warehouse データベース (ovirt_engine_history
) に接続するか、Data Warehouse サービスを移行する前に Data Warehouse データベースを別のマシンに移行することができます。Data Warehouse データベースが Manager 上でホストされている場合、Data Warehouse サービスに加えてデータベースを移行することで、Manager マシンのリソースの競合がさらに減少します。データベースは、Data Warehouse サービスを移行するのと同じマシンに移行することも、Manager マシンと新しい Data Warehouse サービスマシンの両方とは別のマシンに移行することもできます。
B.2.1. 別のマシンへの Data Warehouse データベースの移行
Data Warehouse サービスを移行する前に、Data Warehouse データベース (ovirt_engine_history
) を移行します。engine-backup
を使用してデータベースのバックアップを作成し、それを新規データベースマシンで復元します。engine-backup
の詳細は、engine-backup --help
を実行してください。
Data Warehouse サービスのみを移行するには、「別のマシンへの Data Warehouse サービスの移行」 を参照してください。
新規データベースサーバーに Red Hat Enterprise Linux 7 がインストールされている必要があります。新規データベースサーバーで必要なリポジトリーを有効にします。
Red Hat Virtualization Manager リポジトリーの有効化
システムを Red Hat Subscription Manager に登録し、Red Hat Virtualization Manager
のサブスクリプションをアタッチして Manager のリポジトリーを有効にします。
手順
コンテンツ配信ネットワークにシステムを登録します。プロンプトが表示されたら、カスタマーポータルのユーザー名とパスワードを入力します。
# subscription-manager register
注記IPv6 ネットワークを使用している場合は、IPv6 移行メカニズムを使用して、コンテンツ配信ネットワークおよびサブスクリプションマネージャーにアクセスします。
Red Hat Virtualization Manager
のサブスクリプションプールを見つけ、プール ID を記録します。# subscription-manager list --available
上記のプール ID を使用して、サブスクリプションをシステムにアタッチします。
# subscription-manager attach --pool=pool_id
注記現在アタッチされているサブスクリプションを表示するには、以下のコマンドを実行します。
# subscription-manager list --consumed
有効なリポジトリーをすべて一覧表示するには、以下のコマンドを実行します。
# yum repolist
リポジトリーを設定します。
# subscription-manager repos \ --disable='*' \ --enable=rhel-7-server-rpms \ --enable=rhel-7-server-supplementary-rpms \ --enable=rhel-7-server-rhv-4.3-manager-rpms \ --enable=rhel-7-server-rhv-4-manager-tools-rpms \ --enable=rhel-7-server-ansible-2.9-rpms \ --enable=jb-eap-7.2-for-rhel-7-server-rpms
別のマシンへの Data Warehouse データベースの移行
Manager で Data Warehouse データベースおよび設定ファイルのバックアップを作成します。
# engine-backup --mode=backup --scope=dwhdb --scope=files --file=file_name --log=log_file_name
そのバックアップファイルを Manager マシンから新たなマシンにコピーします。
# scp /tmp/file_name root@new.dwh.server.com:/tmp
engine-backup
を新しいマシンにインストールします。# yum install ovirt-engine-tools-backup
PostgreSQL サーバーパッケージをインストールします。
# yum install rh-postgresql10 rh-postgresql10-postgresql-contrib
PostgreSQL データベースを初期化し、
postgresql
サービスを開始して、このサービスが起動時に開始されることを確認します。# scl enable rh-postgresql10 -- postgresql-setup --initdb # systemctl enable rh-postgresql10-postgresql # systemctl start rh-postgresql10-postgresql
新しいマシンで Data Warehouse データベースを復元します。file_name は、Manager からコピーされたバックアップファイルです。
# engine-backup --mode=restore --scope=files --scope=dwhdb --file=file_name --log=log_file_name --provision-dwh-db --no-restore-permissions
これで、Manager がホストされるマシンとは別のマシンで、Data Warehouse データベースがホストされるようになりました。Data Warehouse データベースを正常に復元したら、engine-setup
コマンドの実行を指示するプロンプトが表示されます。このコマンドを実行する前に、Data Warehouse サービスを移行します。