はじめに
セルフホストエンジンのインストールは、Ansible により自動化されています。最初のデプロイメントホスト上で Cockpit Web インターフェイスのインストールウィザードを実行し、デプロイメントホスト上に作成される仮想マシンに Red Hat Virtualization Manager (または engine) をインストールおよび設定します。Manager および Data Warehouse データベースは Manager 用仮想マシンにインストールされますが、必要であればインストール後に別のサーバーに移行することができます。
Red Hat Virtualization Host では Cockpit がデフォルトで利用可能ですが、Red Hat Enterprise Linux ホストに Cockpit をインストールすることもできます。
Manager 用仮想マシンを実行することのできるホストは、セルフホストエンジンノードと呼ばれます。高可用性機能に対応するためには、少なくとも 2 台のセルフホストエンジンノードが必要です。
Manager 用仮想マシン専用のストレージドメインは、セルフホストエンジン用ストレージドメインと呼ばれます。このストレージドメインはインストールのスクリプトにより作成されるので、インストールの開始前にベースとなるストレージを準備する必要があります。
環境オプションおよび推奨される設定に関する情報は、Planning and Prerequisites Guide を参照してください。セルフホストエンジン環境に特化した設定については、Self-Hosted Engine Recommendations を参照してください。
コンポーネント名 | 説明 |
---|---|
Red Hat Virtualization Manager | 環境内のリソースを管理するグラフィカルユーザーインターフェイスと REST API を提供するサービス。Manager は、Red Hat Enterprise Linux を実行する物理マシンまたは仮想マシンにインストールされます。 |
ホスト | サポートされているホストには、Red Hat Enterprise Linux ホスト (RHEL ホスト) と Red Hat Virtualization Host (イメージベースのハイパーバイザー) の 2 つのタイプがあります。ホストは、Kernel-based Virtual Machine (KVM) テクノロジーを使用して、仮想マシンを実行するためのリソースを提供します。 |
共有ストレージ | 仮想マシンに関連付けられたデータの保管に使用するストレージサービス。 |
Data Warehouse | Manager から設定情報および統計データを収集するサービス。 |
セルフホストエンジンのアーキテクチャー
Red Hat Virtualization Manager は、管理している環境と同じ環境内のセルフホストエンジンノード (特化したホスト) で仮想マシンとして実行されます。セルフホストエンジン環境に必要な物理サーバーは 1 台少なくなりますが、デプロイと管理を行うための管理オーバーヘッドがより高くなります。Manager は、外部の HA 管理を使用せずに高可用性になります。
セルフホストエンジン環境の最小限のセットアップには、以下が含まれます。
- セルフホストエンジンノードでホストされている Red Hat Virtualization Manager 用仮想マシン 1 台。Red Hat Enterprise Linux 7 仮想マシンのインストールおよびその仮想マシンへの Manager のインストールを自動化するために、RHV-M Appliance が使用されます。
- 仮想マシンの高可用性には、最小でセルフホストエンジンノード 2 台。Red Hat Enterprise Linux ホストまたは Red Hat Virtualization Host (RHVH) を使用することができます。VDSM (ホストエージェント) は全ホストで実行され、Red Hat Virtualization Manager との通信を円滑に行います。HA サービスは、すべてのセルフホストエンジンノードで実行され、Manager 用仮想マシンの高可用性を管理します。
- ストレージサービスを 1 つ。使用するストレージタイプに応じて、ローカルまたはリモートサーバーでホストすることができます。ストレージサービスは全ホストからアクセス可能である必要があります。
図1 セルフホストエンジンの Red Hat Virtualization アーキテクチャー