製品ガイド
Red Hat Virtualization 4.4 の紹介
概要
第1章 Red Hat Virtualization について
Red Hat Virtualization は、Red Hat Enterprise Linux 上に構築するエンタープライズレベルの仮想化プラットフォームです。仮想化により、ユーザーは新しい仮想サーバーとワークステーションを容易にプロビジョニングして、物理サーバーのリソースをより効率的に使用することができます。Red Hat Virtualization では、一元化されたグラフィカルユーザーインターフェイスまたは REST API から、ホスト、仮想マシン、ネットワーク、ストレージ、ユーザーを含む仮想インフラストラクチャー全体を管理することが可能です。
1.1. Red Hat Virtualization の主要コンポーネント
コンポーネント名 | 説明 |
---|---|
Red Hat Virtualization Manager | 環境内のリソースを管理するグラフィカルユーザーインターフェイスと REST API を提供するサービス。Manager は、Red Hat Enterprise Linux を実行する物理マシンまたは仮想マシンにインストールされます。 |
ホスト | サポートされているホストには、Red Hat Enterprise Linux ホスト (RHEL ホスト) と Red Hat Virtualization Host (イメージベースのハイパーバイザー) の 2 つのタイプがあります。ホストは、Kernel-based Virtual Machine (KVM) テクノロジーを使用して、仮想マシンを実行するためのリソースを提供します。 |
共有ストレージ | 仮想マシンに関連付けられたデータの保管に使用するストレージサービス。 |
Data Warehouse | Manager から設定情報および統計データを収集するサービス。 |
Red Hat Virtualization の詳しい技術情報は、テクニカルリファレンス を参照してください。
1.2. Red Hat Virtualization のアーキテクチャー
Red Hat Virtualization はセルフホストエンジンとして、あるいはスタンドアロンの Manager としてデプロイすることができます。セルフホストエンジンが推奨されるデプロイメントのオプションです。
1.2.1. セルフホストエンジンのアーキテクチャー
Red Hat Virtualization Manager は、管理している環境と同じ環境内のセルフホストエンジンノード (特化したホスト) で仮想マシンとして実行されます。セルフホストエンジン環境に必要な物理サーバーは 1 台少なくなりますが、デプロイと管理を行うための管理オーバーヘッドがより高くなります。Manager は、外部の HA 管理を使用せずに高可用性になります。
セルフホストエンジン環境の最小限のセットアップには、以下が含まれます。
- セルフホストエンジンノードでホストされている Red Hat Virtualization Manager 用仮想マシン 1 台。Red Hat Enterprise Linux 8 仮想マシンのインストールおよびその仮想マシンへの Manager のインストールを自動化するために、RHV-M Appliance が使用されます。
- 仮想マシンの高可用性には、最小でセルフホストエンジンノード 2 台。Red Hat Enterprise Linux ホストまたは Red Hat Virtualization Host (RHVH) を使用することができます。VDSM (ホストエージェント) は全ホストで実行され、Red Hat Virtualization Manager との通信を円滑に行います。HA サービスは、すべてのセルフホストエンジンノードで実行され、Manager 用仮想マシンの高可用性を管理します。
- ストレージサービスを 1 つ。使用するストレージタイプに応じて、ローカルまたはリモートサーバーでホストすることができます。ストレージサービスは全ホストからアクセスできるようにする必要があります。
図1.1 セルフホストエンジンの Red Hat Virtualization アーキテクチャー
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1.2.2. スタンドアロンの Manager のアーキテクチャー
Red Hat Virtualization Manager は物理サーバーか、別の仮想環境でホストされている仮想マシン上で実行されます。スタンドアロンの Manager は、デプロイと管理が簡単ですが、追加の物理サーバーが 1 台必要となります。Manager は、Red Hat の High Availability Add-On などの別製品を使用して外部から管理した場合にのみ高可用性になります。
スタンドアロンの Manager 環境の最小セットアップには、以下が含まれます。
- Red Hat Virtualization Manager マシン 1 台。Manager は通常物理サーバーにデプロイされます。仮想マシン上にデプロイすることも可能ですが、その仮想マシンは別の環境でホストされていなければなりません。Manager は Red Hat Enterprise Linux 8 上で実行する必要があります。
- 仮想マシンの高可用性には、最小でホストが 2 台。Red Hat Enterprise Linux ホストまたは Red Hat Virtualization Host (RHVH) を使用することができます。VDSM (ホストエージェント) は全ホストで実行され、Red Hat Virtualization Manager との通信を円滑に行います。
- ストレージサービスを 1 つ。使用するストレージタイプに応じて、ローカルまたはリモートサーバーでホストすることができます。ストレージサービスは全ホストからアクセスできるようにする必要があります。
図1.2 スタンドアロンの Manager の Red Hat Virtualization アーキテクチャー

1.3. Red Hat Virtualization に関する用語
- クラスター: クラスターとは、仮想マシンのリソースプールとして扱われる一連の物理ホストです。クラスター内のホストは、同じネットワークインフラストラクチャーとストレージを共有します。これらは、移行ドメインを形成し、そのドメイン内のホスト間で仮想マシンを移行することができます。
- データセンター: データセンターとは、マネージドの仮想化環境内にあるすべての物理/論理リソースの最上位コンテナーです。これは、クラスター、仮想マシン、ストレージドメイン、ネットワークの集合体です。
- イベント: アクティビティーに関するアラート、警告、およびその他の通知は、管理者がパフォーマンスやリソースのステータスをモニタリングする上で役立ちます。
-
HA サービス - HA サービスには、
ovirt-ha-agent
サービスおよびovirt-ha-broker
サービスが含まれます。HA サービスは、セルフホストエンジンノードで実行され、Manager 用仮想マシンの高可用性を管理します。 - 高可用性: 高可用性とは、プロセスが中断された場合に、仮想マシンが元のホストまたは同じクラスター内の別のホストで自動的に再起動されることを意味します。高可用性環境は、短時間のダウンタイムを伴いますが、各リソースのコピーを 2 つ維持して、エラーが発生した際に即座にもう一方と置き換えることのできるフォールトトレランスよりもはるかに低コストです。
- ホスト: ホスト (またはハイパーバイザー) とは、1 台以上の仮想マシンを実行する物理サーバーです。ホストは、クラスターにグループ化されます。仮想マシンは、同じクラスター内のホスト間で移行することができます。
- Host Storage Manager (HSM): ストレージドメイン間でのディスクの移動などのデータ操作に使用することができる、データセンター内の SPM 以外のホスト。これは、SPM ホストがボトルネックとなるのを防ぎます。SPM ホストは、短か目のメタデータ操作に使用するようにしてください。
- 論理ネットワーク: 論理ネットワークとは、物理ネットワークの論理表現です。論理ネットワークは、Manager、ホスト、ストレージ、仮想マシン間のネットワークトラフィックと通信をグループ化します。
- リモートビューアー: ネットワーク接続経由で仮想マシンに接続するためのグラフィカルインターフェイスです。
- セルフホストエンジンノード: セルフホストエンジンノードとは、Manager 用仮想マシンをホストするために、セルフホストエンジンのパッケージがインストールされたホストです。通常のホストをセルフホストエンジン環境にアタッチすることもできますが、Manager 用仮想マシンをホストすることはできません。
- スナップショット: スナップショットとは、ある時点における仮想マシンのオペレーティングシステムと全アプリケーションのビューです。アップグレードの前や新規アプリケーションインストールの前などに仮想マシンの設定を保存するために使用することができます。問題が発生した場合には、スナップショットを使用して、仮想マシンを元の状態に復元することができます。
- ストレージドメイン: ストレージドメインとは、スタンドアロンのイメージリポジトリーが含まれる論理エンティティーです。各ストレージドメインは、仮想ディスクまたは ISO イメージの保管と、仮想マシンイメージのインポート/エクスポートに使用されます。
- Storage Pool Manager (SPM): Storage Pool Manager (SPM) とは、データセンター内で 1 台のホストに割り当てられるロールです。SPM ホストには、仮想ディスクの作成/削除など、データセンター内のすべてのメタデータを変更する単独の権限があります。
- テンプレート: テンプレートとは、設定が事前に定義された仮想マシンのひな形です。特定のテンプレートをベースとする仮想マシンは、そのテンプレートの設定を採用します。多数の仮想マシンを一度に作成する最も迅速な方法は、テンプレートを使用することです。
- VDSM: ホスト上で実行されるホストエージェントサービスで、Red Hat Virtualization Manager と通信します。このサービスは、TCP ポート 54321 をリッスンします。
- 仮想マシン: 仮想マシンとは、オペレーティングシステムとアプリケーションセットが搭載された仮想ワークステーションもしくは仮想サーバーです。プール には、全く同じ仮想マシンを複数作成することができます。パワーユーザーは、仮想マシンの作成、管理、削除を行うことができますが、権限のないユーザーは仮想マシンにアクセスすることしかできません。
- 仮想マシンプール: 仮想マシンプールとは、全く同じ仮想マシンをまとめたグループです。グループの各メンバーは、オンデマンドでプール内の仮想マシンを使用することができます。仮想マシンプールは、目的別に設定できます。たとえば、マーケティング部門用のプールや研究開発部門用のプールというように設定できます。
第2章 Red Hat Virtualization のコンポーネント
2.1. Red Hat Virtualization Manager
Red Hat Virtualization Manager は、Red Hat Virtualization 環境のリソースを管理するためのグラフィカルユーザーインターフェイスと RESTful API を提供します。スタンドアロンの Manager 環境では、Manager は Red Hat Enterprise Linux 8 の物理マシンまたは別の環境でホストされている仮想マシンにインストールされます。セルフホストエンジン環境では、Manager は、管理している環境と同じ環境内のセルフホストエンジンノード上でホストされる仮想マシンとしてインストールされます。
ネイティブな Manager の高可用性は、セルフホストエンジン環境でのみ利用可能です。高可用性には、少なくとも 2 台のセルフホストエンジンノードが必要です。
管理ガイド を参照してください。
2.2. ホスト
ホスト (ハイパーバイザーとも呼ばれる) は、仮想マシンが動作する物理サーバーです。Kernel-based Virtual Machine (KVM) と呼ばれるローダーブル Linux カーネルモジュールを使用することで、完全な仮想化が提供されます。KVM は、Windows または Linux いずれかのオペレーティングシステムを実行する複数の仮想マシンを、同時にホストすることができます。仮想マシンはホストマシン上で実行され、Red Hat Virtualization Manager によりリモートで管理されます。
Red Hat Virtualization は、Red Hat Virtualization Host と Red Hat Enterprise Linux の 2 タイプのホストをサポートしています。必要に応じて、これらのいずれか一方または両方のホストを Red Hat Virtualization 環境で使用することができます。
最小で 2 台のホストをインストールして Red Hat Virtualization 環境にアタッチする必要があります。ホストを 1 台しかアタッチしていない場合には、移行や高可用性などの機能は利用できません。
- Red Hat Virtualization Host (RHVH)
- Red Hat Virtualization Host は、Red Hat Enterprise Linux をベースとする最小限のオペレーティングシステムです。管理とメンテナンスが容易で、簡単にデプロイメントできるように構築されています。カスタマーポータルから ISO ファイルとして配布され、マシンがホストとして機能するためのパッケージのみが含まれています。
- Red Hat Enterprise Linux
- 適切なサブスクリプションがアタッチされた Red Hat Enterprise Linux サーバーをホストとして使用することができます。これらのホストは、RHVH と比べてより多くのカスタマイズが可能です。
管理ガイド の ホスト を参照してください。
2.3. ストレージ
エンドユーザー用の仮想マシンの作成を開始する前に、ストレージを設定して Red Hat Virtualization 環境にアタッチすることが前提条件となります。Red Hat Virtualization には 3 タイプのストレージドメインがあります。ただし、完全にサポートされるのは、データドメインだけになりました。
- データドメインには、仮想マシンに関連付けられる全データが格納されています。データドメインは、Red Hat Virtualization での使用がサポートされる全ストレージタイプをサポートします。プランニングおよび前提条件に関するガイド の ストレージタイプ を参照してください。データドメインへのアップロードに関する詳細は、管理ガイド の データストレージドメインへのイメージのアップロード を参照してください。
- ISO ドメインは、仮想マシンのオペレーティングシステムまたは Windows のゲストエージェントやドライバーなどの追加のアプリケーションをインストールする ISO ファイルを格納するために使用されていたストレージドメインタイプですが、非推奨となりました。代わりに、仮想マシンイメージをデータドメインにアップロードできるようになりました。ISO ドメインへのアップロードの詳細は、管理ガイド の ISO ドメインへのイメージのアップロード を参照してください。
- エクスポートドメインは、データセンター間や Red Hat Virtualization 環境間でイメージを移動するための一時ストレージリポジトリーとして使用されていたストレージドメインタイプですが、非推奨となりました。この操作は、データストレージドメインをインポートすることで実行されるようになりました。
ISO およびエクスポートドメインは、ファイルベースのストレージタイプ (NFS、POSIX、または GlusterFS) のみをサポートしています。ISO ドメインは、ローカルストレージ用のデータセンター内で使用される場合にローカルストレージをサポートします。
GlusterFS Storage は非推奨になり、将来のリリースではサポートされなくなります。
管理ガイド の ストレージ を参照してください。
2.4. Data Warehouse
Red Hat Virtualization Manager には、ホスト、仮想マシン、およびストレージに関するモニタリングデータを収集する Data Warehouse が含まれています。データベースとサービスを含む Data Warehouse は、Manager の設定と合わせて、同一のマシンまたは別のサーバーにインストールおよび設定する必要があります。
Red Hat Virtualization 環境では、以下の 2 つのデータベースが作成されます。
-
Manager データベース (
engine
) は、Red Hat Virtualization Manager が使用するメインのデータストアです。仮想化環境に関する情報 (状態、設定、およびパフォーマンスなど) が、このデータベースに保管されます。 -
Data Warehouse データベース (
ovirt_engine_history
) には、経時的に照合された Manager データベースからの設定情報および統計データが保管されます。Manager データベースの設定データを 1 分ごとに照合し、変更があれば複製して Data Warehouse データベースに保管します。データベースへの変更を追跡することで、データベース内のオブジェクトに関する情報が提供されます。これにより、Red Hat Virtualization 環境のパフォーマンスを分析して向上させ、問題を解決することができます。
ovirt_engine_history
データベースが使用する容量およびリソースの推定値を算出するには、RHV Manager History Database Size Calculator ツールを使用します。この推定値は、エンティティー数と、履歴の記録を保持するように選択した期間に基づいて算出されます。
Data Warehouse ガイド を参照してください。
2.5. Red Hat Virtualization のネットワーク
ストレージ、ホスト管理、ユーザー接続、仮想マシンの接続などの操作はすべて、十分に計画、設定されたネットワークに依存して最適なパフォーマンスを実現します。ネットワークの設定は、Red Hat Virtualization 環境の重要な前提条件です。ネットワークを使用することでネットワーク要件を特定してから過去に遡ってネットワーク設定を修正するよりは、推定されるネットワーク要件に対応した計画を立て、その計画に応じてネットワークを実装する方がはるかに容易です。
Red Hat Virtualization は論理ネットワークを定義することでネットワークトラフィックを分離します。論理ネットワークは、選択したネットワークトラフィックのタイプがネットワークを経由する際に利用するパスを定義します。論理ネットワークは、機能別にネットワークトラフィックを分離したり、物理トポロジーを仮想化するために作成されます。
ovirtmgmt 論理ネットワークはデフォルトで作成され、管理 ネットワークとしてラベル付けされます。ovirtmgmt 論理ネットワークは、Red Hat Virtualization Manager とホスト間のトラフィックの管理を目的としています。追加の論理ネットワークを定義して、ネットワークを分離できます。
- 仮想マシンの汎用トラフィック
- ストレージ関連のトラフィック (NFS または iSCSI など)
- 仮想マシンの移行用のトラフィック
- 仮想マシンのディスプレイ用のトラフィック
- Gluster ストレージのトラフィック
管理ガイド の 論理ネットワーク を参照してください。
第3章 Red Hat Virtualization のインストール
3.1. Red Hat Virtualization のインストール概要
下図は、スタンドアロンの Manager のデプロイメントと、セルフホストエンジンのデプロイメントの設定手順を示しています。
図3.1 Red Hat Virtualization の設定の概要

3.2. Red Hat Virtualization のインストールオプション
3.2.1. セルフホストエンジン (推奨)
コマンドラインを使用して、Red Hat Virtualization をセルフホストエンジンとしてインストールできます。
Manager のインストールは自動化されているので、Manager データベース (engine
)、Data Warehouse サービス、およびデータベース (ovirt-engine-history
) をインストールできるのは、ローカルのみになります。データベースまたはサービスをリモートマシンでホストする場合は、インストールの完了後に移行する必要があります。そのための手順は、以下の両方のガイドに記載されています。
コマンドラインを使用してセルフホストエンジンをインストールするには、コマンドラインを使用したセルフホストエンジンの Red Hat Virtualization のインストール を参照してください。
3.2.2. スタンドアロンの Manager (手動)
スタンドアロンの Manager をインストールできるのは、コマンドラインを使用した場合のみです。
インストール中に、Manager データベース (engine
) ならびに Data Warehouse サービスおよびデータベース (ovirt-engine-history
) をローカルまたはリモートのどちらにインストールするかを指定できます。両方に同じオプションを選択する必要はありません。1 つのデータベースをリモートマシン上でホストし、他方を Manager マシン上でホストできます。
ローカルのデータベースは、手動で設定するか、インストールスクリプトにより自動的に設定することができます。リモートの Manager データベースは手動で設定する必要があります。リモートの Data Warehouse データベースは、Data Warehouse サービスと同じマシンにインストールする場合に限り、自動的に設定できます (そうでない場合には、データベースは手動で設定する必要があります)。
- ローカルのデータベースと共にスタンドアロンの Manager をインストールするには、ローカルデータベースが設定されたスタンドアロン Manager の Red Hat Virtualization のインストール を参照してください。このガイドは、すべてのデータベースおよびサービスを、Manager と同じマシンにインストールすることを前提としています。
- リモートのデータベースと共にスタンドアロンの Manager をインストールするには、リモートデータベースが設定されたスタンドアロン Manager の Red Hat Virtualization のインストール を参照してください。このガイドは、すべてのデータベースおよびサービスを、Manager とは別の 1 台のマシンにインストールすることを前提としています。
ローカルおよびリモートのデータベースの組み合わせ
1 つのデータベースを Manager マシンにインストールし、残りのデータベースをリモートにインストールする際には、さまざまな組み合わせが考えられますが、組み合わせの詳細は記載していません。以下に例を示します。
- Manager および Manager データベースを Manager マシン にインストールし、Data Warehouse サービスおよびデータベースを サーバー 1 にインストールする。この場合は、Manager をローカルに設定してから、別途 Data Warehouse をインストールします。
- Manager および Data Warehouse サービスを Manager マシン にインストールし、Manager データベースおよび Data Warehouse データベースを サーバー 1 にインストールする。この場合は、Manager データベースおよび Data Warehouse データベースを手動で設定してから、Manager および Data Warehouse サービスを設定します。
- Manager、Manager データベース、および Data Warehouse データベースを Manager マシン にインストールし、Data Warehouse サービスを サーバー 1 にインストールする。この場合は、Data Warehouse データベースを手動で設定してから Manager を設定し、続いて Data Warehouse サービスをインストールします。
- Manager および Data Warehouse サービスを Manager マシン にインストールし、Manager データベースを サーバー 1 にインストールし、Data Warehouse データベースを サーバー 2 にインストールする。この場合は、Manager データベースおよび Data Warehouse データベースを手動で設定してから、Manager および Data Warehouse サービスを設定します。
- Manager を Manager マシン にインストールし、Manager データベースを サーバー 1 にインストールし、Data Warehouse サービスおよびデータベースを サーバー 2 にインストールする。この場合は、Manager データベースを手動で設定してから Manager を設定し、続いて Data Warehouse をインストールします。
第4章 Red Hat Virtualization へのアクセス
Red Hat Virtualization では、仮想化環境コンポーネントとの対話に使用する複数のインターフェイスを公開しています。これらのインターフェイスの多くは完全にサポートされています。ただし、サポート対象が読み取りアクセスのみ、または Red Hat サポートが明示的に要求した使用のみの場合もあります。
4.1. 読み取りおよび書き込みアクセスでサポートされるインターフェイス
以下に挙げるインターフェイスを使用した直接の対話はサポートされており、読み取りと書き込みの両アクセスで推奨されます。
- 管理ポータル
管理ポータルは、Red Hat Virtualization Manager の提供するグラフィカルユーザーインターフェイスです。このインターフェイスは、環境内のすべての管理対象リソースを管理するために使用でき、サポートされている任意の Web ブラウザーでアクセスできます。
管理ガイド を参照してください。
- VM ポータル
VM ポータルは、Red Hat Virtualization Manager の提供するグラフィカルユーザーインターフェイスです。このポータルでは、仮想マシンリソースを管理するためのパーミッションが限定されており、エンドユーザーを対象としています。
Introduction to the VM Portal を参照してください。
- Cockpit
- Red Hat Virtualization では、Cockpit Web インターフェイスを使用してホスト上で管理タスクを実行できます。このインターフェイスは、Red Hat Virtualization Host ではデフォルトで利用可能で、Red Hat Enterprise Linux ホストにインストールできます。
- REST API
Red Hat Virtualization REST API は、Red Hat Virtualization 環境におけるクエリーおよび変更を行うためのソフトウェアインターフェイスを提供します。REST API は、HTTP アクションをサポートする任意のプログラミング言語で使用することができます。
REST API ガイド を参照してください。
- Software Development Kit (SDK)
Python および Java は、Red Hat Virtualization Manager と対話するための完全にサポートされているインターフェイスです。
参照:
- Ansible
Ansible は、Red Hat Virtualization でインストール後のタスクを自動化するためのモジュールを提供します。
管理ガイド の Ansible を使用した設定タスクの自動化 を参照してください。
- セルフホストエンジンのコマンドラインユーティリティー
hosted-engine
コマンドは、セルフホストエンジン環境内の Manager 用仮想マシン上で管理タスクを実行するために使用します。管理ガイド の Manager 仮想マシンの管理 を参照してください。
- VDSM フック
VDSM フックは、管理ポータルで指定されているカスタムプロパティーに基づいて、仮想マシンに対する変更をトリガーします。
管理ガイド の VDSM およびフック を参照してください。
4.2. サポートされている読み取りアクセス用インターフェイス
以下に挙げるインターフェイスを使用した直接の対話はサポートされており、読み取りアクセスのみの使用が推奨されます。また、Red Hat サポートから明示的に要求されない限り、書き込みアクセスにこれらのインターフェイスを使用することはサポートされていません。
- Red Hat Virtualization Manager 履歴データベース
-
Data Warehouse ガイド で指定されているデータベースビューを使用した Red Hat Virtualization Manager 履歴 (
ovirt_engine_history
) データベースへの読み取りアクセスは、サポートされています。書き込みアクセスは サポートされていません。 - ホスト上の Libvirt
-
virsh -r
コマンドを使用した libvirt への読み取りアクセスは、仮想化ホストとの対話でサポートされている方法です。書き込みアクセスは サポートされていません。
4.3. サポートされていないインターフェイス
Red Hat サポートから明示的に要求されない限り、以下に挙げるインターフェイスを使用した直接の対話は サポートされていません。
vdsm-client
コマンド-
Red Hat サポートから明示的に要求されない限り、
vdsm-client
コマンドを使用した仮想化ホストとの対話は サポートされていません。 - Red Hat Virtualization Manager データベース
-
Red Hat サポートから明示的に要求されない限り、Red Hat Virtualization Manager (
engine
) データベースへの直接アクセスおよびその操作は サポートされていません。
ユーザーが作成したスクリプトではなく、使用しているインターフェイスに問題があることを実証できる場合を除き、Red Hat サポートはユーザーが作成したスクリプトまたはフックをデバッグしません。Red Hat のサポートポリシーに関する一般的な情報は、製品サポートの対象範囲 を参照してください。
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