Red Hat Discovery のトラブルシューティング


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Red Hat Discovery のトラブルシューティング

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概要


第1章 Red Hat Discovery について

Red Hat Discovery は、特定の Red Hat ソフトウェアの使用状況に関するデータをユーザーが収集できるように設計されています。Discovery を使用すると、Red Hat 製品の使用状況を計算して報告する際に必要な時間と作業量を減らすことができます。

詳細情報

Discovery の目的、利点、および特長の詳細は、以下の情報を参照してください。

Discovery が検出および検査可能な製品および製品バージョンの詳細は、以下の情報を参照してください。

Discovery が適切なソリューションであるかどうかを評価するには、以下の情報を参照してください。

1.1. Red Hat Discovery とは

Red Hat Discovery は、検査およびレポートツールです。これは、ネットワーク上の物理システムと仮想システムの数、そのシステムのオペレーティングシステム、その他の設定データなどの環境データまたはファクトを検出、識別、および報告するように設計されています。さらに、ネットワーク内の IT リソースの主要な Red Hat パッケージおよび製品の一部のバージョンについて、より詳細なファクトを見つけ、特定し、報告するように設計されています。

ネットワーク上で実行されているソフトウェアとシステムを検査できるため、サブスクリプションの使用状況を理解し、報告する能力が向上します。最終的には、このような検査と報告のプロセスは、インベントリー管理という、より大きなシステム管理タスクの一部です。

Red Hat Discovery では、IT リソースにアクセスし、検査プロセスを実行するために、2 つの基本的な構造の設定が必要です。認証情報 には、特定のソースまたはそのソースの一部のアセットで検査プロセスを実行するのに十分な権限を持つユーザーのユーザー名、パスワードまたは SSH キーなどのユーザーアクセスデータが含まれています。ソース には、検証される単一または複数のアセットに関するデータが含まれています。これらのアセットは、ホスト名、IP アドレス、IP 範囲、またはサブネットとして識別される物理マシン、仮想マシン、またはコンテナーです。また、これらのアセットは、vCenter Server や Red Hat Satellite Server などのシステム管理ソリューションや、Red Hat OpenShift Container Platform にデプロイされたクラスターである場合もあります。

注記

現在、仮想化インフラストラクチャー専用のソースを使用して Discovery でスキャンできる唯一の仮想化されたデプロイメントは、VMware vCenter です。Red Hat がサポートする他の仮想化インフラストラクチャーは、専用のスキャンでは検出できません。ネットワークの一般的なスキャンでは、専用のスキャンで正確なメタデータが返されない場合も、これらのアセットが検出される場合があります。

複数の認証情報およびソースを保存しておき、検査プロセスまたは スキャン の実行時にさまざまに組み合わせて Discovery で使用できます。スキャンが完了したら、フォーマットされたデータのコレクションや レポート の形式で出力に含まれるこれらのファクトにアクセスして、結果を確認できます。

デフォルトでは、Red Hat Discovery の使用中に作成された認証情報およびソースはデータベースで暗号化されます。値は AES-256 暗号化で暗号化されます。これらの認証情報およびソースは、Red Hat Discovery サーバーが Vault パスワードを使用してスキャンを実行し、データベースに保存されている暗号化された値にアクセスする際に復号化されます。

Red Hat Discovery はエージェントレスの検査ツールであるため、検査対象のすべてのソースにツールをインストールする必要はありません。ただし、Discovery がインストールされているシステムは、検出および検証されるシステムにアクセスできる必要があります。

1.2. Red Hat Discovery が検出する製品

Red Hat Discovery は次の Red Hat 製品を検出します。各バージョンまたはリリースについて、最も古いバージョンを記載し、それ以降のリリースを検出対象として示しています。

製品の現在の名前をより理解しやすくするために、製品の名前が最近変更になっている場合は、その名前を追加情報として提供しています。新しい製品名が記載されていても、その製品の特定のバージョンが併せて記載されていない限り、それ以降のバージョンは対象外です。

Red Hat Enterprise Linux

  • Red Hat Enterprise Linux バージョン 5 以降
  • Red Hat Enterprise Linux バージョン 6 以降
  • Red Hat Enterprise Linux バージョン 7 以降
  • Red Hat Enterprise Linux バージョン 8 以降
  • Red Hat Enterprise Linux バージョン 9 以降

Red Hat Application Services 製品 (旧称 Red Hat Middleware)

  • JBoss Enterprise Web Server バージョン 1 以降、Red Hat JBoss Web Server 3.0.1 以降
  • Red Hat JBoss Enterprise Application Platform バージョン 4.2 以降、バージョン 4.3 以降、バージョン 5 以降、バージョン 6 以降、バージョン 7 以降
  • Red Hat Fuse バージョン 6.0 以降

Red Hat Ansible Automation Platform

  • Ansible Automation Platform バージョン 2 以降

Red Hat OpenShift Container Platform

  • Red Hat OpenShift Container Platform バージョン 4 以降

Kubernetes 用 Red Hat Advanced Cluster Security

  • Red Hat Advanced Cluster Security for Kubernetes バージョン 4 以降

Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes

  • Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes バージョン 2 以降

1.3. Red Hat Discovery が適切かどうか

Red Hat Discovery は、複雑なネットワーク全体での不明な製品の使用状況など、Red Hat 製品インベントリーを検索して理解できるようにすることを目的としています。Discovery によって生成されたレポートは、Red Hat ソリューションアーキテクト (SA) またはテクニカルアカウントマネージャー (TAM) とのパートナーシップや、Subscription Education and Awareness Program (SEAP) が提供する分析と支援を活用することで、理解が容易になります。

個別に Discovery をインストールして使用し、レポートデータを生成して表示できますが、Discovery ドキュメントではレポート結果の解釈に役立つ情報は提供していません。さらに、Red Hat サポートは Discovery のインストールおよび使用方法に関する基本的なサポートは提供しますが、レポートを理解するためのサポートは提供しません。

Discovery ツールは、Red Hat と直接データを自動的に共有しません。代わりに、Red Hat のツールとサービスに取り込むために、レポートデータを準備して Red Hat に送信するかどうかを選択できます。Discovery ツールをローカルで使用してネットワークをスキャンして、Discovery が現在サポートしている Red Hat 製品を検出して、生成されたレポートを内部目的で使用できます。

第2章 Red Hat Discovery のトラブルシューティング

2.1. Red Hat Discovery サーバーのバージョンの確認

前提条件

  • Discovery サーバー管理者として、コマンドラインインターフェイスにログインしている。

手順

Discovery サーバーのバージョンを確認するには、以下の手順に従います。

  • dsc server status コマンドを入力します。予想される出力に、使用しているサーバーのバージョンが提示されます。

    "server_address": "127.0.0.1:9443", "server_id":
    "45a8ea20-2ec4-4113-b459-234fed505b0d", "server_version": "1.0.0.3e15fa8786a974c9eafe6376ff31ae0211972c36"

    server status コマンドを実行できない場合、またはサーバーにログインできない場合は、次の podman images コマンドを使用します。

    podman images --filter 'reference=registry.redhat.io/discovery/discovery-server-rhel9' --format '{{.Labels.url}}'

2.2. Discovery のアンインストール

前提条件

  • Red Hat Discovery を実行しているシステムにログインする。
  • dnf で特定の機能を実行するための sudo アクセスがある。

手順

Red Hat Discovery サーバーをアンインストールするには、以下の手順に従います。

  1. uninstall コマンドを実行します。

    discovery-installer uninstall
  2. インストーラーパッケージをアンインストールします。

    sudo dnf remove discovery-installer
  3. コマンドラインインターフェイスがインストールされている場合は、アンインストールします。

    sudo dnf remove discovery-cli

2.3. コマンドラインインターフェイスでのヘルプの取得

前提条件

  • Discovery サーバー管理者として、コマンドラインインターフェイスにログインしている。

手順

  • 一般的なトピックに関するヘルプは、man ページの情報を参照してください。
  • 特定のサブコマンドのヘルプを表示するには、-h オプションを使用します。以下に例を示します。

    dsc cred -h
    dsc source -h
    dsc scan -h

2.4. SSH 認証情報の設定

not a valid file on the filesystem のようなテキストを含むエラーメッセージが表示された場合、そのメッセージは、SSH キーファイルにアクセスできるようにするファイルシステムのマウントポイントに問題があることを示している可能性があります。

2.5. ログファイルの場所

前提条件

  • Red Hat Discovery を実行しているシステムにログインする。
  • dnf で特定の機能を実行するための sudo アクセスがある。

手順

ローカルファイルシステムにある Discovery サーバーのログファイルは、"{HOME}"/.local/share/discovery/log にあります。

ログデータは stdout にコピーされ、Podman ログからアクセスできます。ログ出力を追跡するには、以下のコマンドに示すように -f オプションを追加します。

podman logs -f discovery-server
podman logs -f discovery-celery-worker

2.6. サーバー暗号鍵のバックアップまたは復元

パスワードはプレインテキストとして保存されません。これらは、secret.txt ファイルの内容を秘密鍵として使用し、暗号化および復号化されます。secret.txt ファイルをバックアップして復元する必要がある場合は、以下の手順に従います。

前提条件

  • Red Hat Discovery を実行しているシステムにログインする。
  • dnf で特定の機能を実行するための sudo アクセスがある。

手順

  • 暗号化された SSH 認証情報をバックアップするには、"${HOME}"/.local/share/discovery/data ディレクトリーに移動し、secret.txt ファイルをコピーします。
  • secret.txt ファイルを復元するには、以下のコマンドを入力します。path_to_backup は、secret.txt ファイルがバックアップされるパスです。

    cp -p __path_to_backup__/secret.txt "${HOME}"/.local/share/discovery/data/

2.7. 再起動後の Discovery サーバーの再起動

前提条件

  • Red Hat Discovery を実行しているシステムにログインする。
  • dnf で特定の機能を実行するための sudo アクセスがある。
注記

標準プロセスを使用して Discovery をインストールした場合、再起動後にシステムが自動的に起動します。自動的に再起動しない場合は、次の手順に従います。

手順

  • 再起動後に Discovery アプリケーションを再起動するには、次のコマンドを使用します。
systemctl --user restart discovery-app

Red Hat ドキュメントへのフィードバック (英語のみ)

Red Hat ドキュメントに関するご意見やご感想をお寄せください。フィードバックを送信するには、懸念事項を説明する Jira 課題を作成してください。ご要望に迅速に対応できるよう、できるだけ詳細にご記入ください。

前提条件

  • Red Hat カスタマーポータルのアカウントがある。このアカウントを使用すると、Red Hat Jira Software インスタンスにログインできます。アカウントをお持ちでない場合は、アカウントを作成するように求められます。

手順

フィードバックを送信するには、以下の手順を実施します。

  1. Create Issue にアクセスします。
  2. Summary テキストボックスに、問題の簡単な説明を入力します。
  3. Description テキストボックスに、問題の詳細を入力します。問題が見つかった場所の URL を含めてください。
  4. その他の必須フィールドに情報を入力します。デフォルトの情報を含むフィールドはすべてデフォルトのままにします。
  5. Create をクリックすると、ドキュメントチーム用の Jira 課題が作成されます。

ドキュメントの問題に関するチケットが作成され、適切なドキュメントチームに転送されます。フィードバックをご提供いただきありがとうございました。

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