8.5. 自動登録について


Red Hat は、一部のクラウドプロバイダーで、自動登録と呼ばれるアカウント全体の登録方法をサポートしています。自動登録が有効な場合、管理者は各システムでコマンドを実行して Red Hat に登録する代わりに、クラウドプロバイダーアカウントでインスタンス化する各種 Red Hat Enterprise Linux が自動的に Red Hat に接続されるように、クラウドプロバイダーアカウントを設定できます。

自動登録を使用すると、信頼できるクラウドプロバイダーアカウント内の Red Hat Enterprise Linux システムを、システム管理者が手動で追加設定することなく、Red Hat に登録し、Red Hat Insights による分析、使用状況レポート、コンテンツ更新のためのシステムに接続できます。

以下に例を示します。

  • 自動登録の導入前は、更新や分析のためにシステムを Red Hat に登録する場合、管理者が各システムで subscription-manager コマンドまたは rhc コマンドを実行して接続していました。
  • 自動登録により、この手順は不要になりました。信頼できるクラウドアカウントのシステムは、Red Hat の更新と Red Hat Insights に自動的に接続します。

自動登録には、次の 3 つのコアコンポーネントが必要です。

  • 対象クラウドプロバイダーの自動登録プロセスを実行できる (明示的に実行するように設定されている) subscription-manager パッケージのバージョン。
  • Red Hat がホストするサービス。このサービスは Red Hat アカウントとクラウドプロバイダーアカウントのマッピングを管理します。
  • ユーザーが Red Hat アカウントをクラウドプロバイダーのアカウントに関連付けることを許可するインターフェイス。

図8.1 クラウドベースの自動登録ワークフロー

Red Hat Enterprise Linux のクラウドベースの自動登録
注記

Red Hat Enterprise Linux 9.6 以降のバージョン、および Red Hat Enterprise Linux 10 以降のバージョンでは、新しいバージョンの自動登録機能が、subscription-manager パッケージの一部として RHEL で利用できます。このドキュメントでは、明確化のために、また以前のバージョンの自動登録機能との動作を区別するために、新しいバージョンの自動登録機能をバージョン 2 と呼びます。

現在、バージョン 2 の自動登録機能は、一部の RHEL サードパーティーマーケットプレイスイメージ (Red Hat が販売するイメージ) に含まれています。これらのイメージは、現在 Amazon Web Services および Microsoft Azure クラウドプロバイダーのマーケットプレイスで入手できます。

自動登録バージョン 2 の違いの詳細は、自動登録バージョン 2 を使用したシステムの登録 を参照してください。

8.5.1. 自動登録をサポートしているクラウドプロバイダー

Amazon Web Services (AWS)、Microsoft Azure、Google Cloud は自動登録をサポートしています。政府または非接続リージョン (AWS GovCloud や Microsoft Azure Government など) では、自動登録はサポートされていません。

8.5.2. お使いのシステムが自動登録サポートをサポートしているかどうかを確認する方法

Red Hat Enterprise Linux バージョン 7.9.z、8.3.1、9.0 以降はすべて自動登録をサポートしています。

システムが自動登録を使用しているかどうかを確認するには、subscription-manager config コマンドを実行して、/etc/rhsm/rhsm.conf ファイルの内容を表示します。

[server]

hostname = [subscription.rhsm.redhat.com]
insecure = [0]
no_proxy = []
port = [443]
prefix = [/subscription]
proxy_hostname = []
proxy_password = []
proxy_port = []
proxy_scheme = [http]
proxy_user = []
server_timeout = [180]
ssl_verify_depth = [3]

[rhsm]

auto_enable_yum_plugins = [1]
baseurl = [https://cdn.redhat.com]
ca_cert_dir = [/etc/rhsm/ca/]
consumercertdir = [/etc/pki/consumer]
entitlementcertdir = [/etc/pki/entitlement]
full_refresh_on_yum = [0]
inotify = [1]
manage_repos = 0
package_profile_on_trans = [0]
pluginconfdir = [/etc/rhsm/pluginconf.d]
plugindir = [/usr/share/rhsm-plugins]
productcertdir = [/etc/pki/product]
repo_ca_cert = /etc/rhsm/ca/redhat-uep.pem
repomd_gpg_url = []
report_package_profile = [1]

[rhsmcertd]

auto_registration = 1
auto_registration_interval = [60]
autoattachinterval = [1440]
certcheckinterval = [240]
disable = [0]
splay = [1]

[logging]
default_log_level = [INFO]

[] - Default value in use

自動登録には 4 つの主要な設定があります。

auto_registration = 1
この設定は、subscription-manager が自動登録によって登録を試みるかどうかを決定するものです。この設定のデフォルト値は 0 です。この場合、自動登録は試行されません。値が 1 の場合、自動登録が試行されます。この設定の値は、自動登録をサポートしているクラウドマーケットプレイスのクラウドイメージの作成時に 1 に変更されます。
auto_registration_interval = 60

この設定は、自動登録を試行する間隔を定義します。自動登録は、rhsmcertd サービスが呼び出されるたびに、この間隔で 3 回試行されます。たとえば、この値を 60 に設定すると、システムは 60 分間隔で 3 回自動登録を試みます。自動登録が 3 回試行されても失敗した場合、rhsmcertd サービスは、サービスが再起動されるまで、それ以上登録を試行しません。

注記

クラウドイメージでは、rhsmcertd サービスが起動時に実行されるように設定されています。そのため、そのインスタンスを再起動すると、rhsmcertd サービスも再起動され、自動登録が試行されます。

manage_repos = 0
この設定は、subscription-manager により、Red Hat コンテンツ配信ネットワークによって提供される /etc/yum.repos.d/redhat.repo ファイル内のコードコンテンツをどのように管理するかを決定するものです。デフォルト値は 1 です。この値を指定すると、Red Hat Enterprise Linux システムが、CDN または Red Hat Satellite Server からのコンテンツを使用できます。ただし、パブリッククラウド内のコンテンツは、通常 Red Hat Update Infrastructure (RHUI) を通じて配信されるため、自動登録の場合、この値は 0 に設定されます。更新に RHUI と CDN の両方を使用するハイブリッドアプローチは、一般的ではありませんが、この値をデフォルト値の 1 に戻すことで利用できます。
splay = 1
この設定は、登録時にランダムオフセットを適用して、システムのチェックインをランダム化します。このランダムオフセットにより、ほぼ同時に起動した多数のシステムが同時にチェックインしないように、ワークロードが分散されます。

8.5.4. Red Hat Insights を使用するためのシステムの設定

システムを登録したら、Insights サービスを使用するようにシステムを設定できます。これを行う方法は 2 つあります。insights-client -register コマンドを実行する方法と、rhc connect コマンドを実行する方法です。Red Hat Enterprise Linux のバージョンとクラウドイメージの設定によっては、redhat-cloud-client-configuration パッケージがイメージとともにインストールされる場合があります。その場合、Insights サービスを使用するようにシステムを設定するコマンドを実行する必要はありません。その場合、この設定は自動的に行われます。

8.5.5. 自動登録バージョン 2 を使用したシステムの登録

Red Hat Enterprise Linux 9.6 以降のバージョンおよび Red Hat Enterprise Linux 10 以降のバージョンの RHEL の subscription-manager パッケージでは、新しいバージョンの自動登録機能を利用できます。このバージョン 2 の自動登録機能は、一部のクラウドプロバイダーの RHEL サードパーティーマーケットプレイスイメージ (Red Hat が販売するイメージ) に含まれています。これらのイメージは、現在 Amazon Web Services および Microsoft Azure クラウドプロバイダーのマーケットプレイスで入手できます。

以前のバージョンの自動登録が備えている利点 (信頼できるクラウドプロバイダーアカウント内の Red Hat Enterprise Linux システムが Red Hat に自動的に登録され、Red Hat Insights による分析、使用状況レポート、コンテンツ更新のためのサービスに接続できる点) に加えて、バージョン 2 の自動登録には次の機能拡張が含まれています。

  • 購入時に Red Hat アカウントが存在するかどうかに関係なく、クラウドプロバイダーアカウント固有の匿名の Red Hat 組織にシステムを登録することで、システムを登録できる新しい機能
  • クラウドプロバイダーアカウントと Red Hat アカウントの間に信頼された接続を作成することにより、匿名の組織から非匿名の Red Hat 組織にコンテンツを要求する新しい方法
  • Red Hat Hybrid Cloud Console 統合サービスによる既存のメカニズムに加えて、この信頼できる接続を確立するための新しいシンプルなメカニズム

次の最適化されたワークフローは、新しい自動登録機能を使用する手順を示しています。対象となるサブスクリプションのクラウド購入から、購入後の手順の完了、クラウドプロバイダーと Red Hat アカウントのリンクまで、自動登録バージョン 2 の自動化を活用するためのプロセスをまとめています。

注記

この手順では、まず Red Hat アカウントを作成することを推奨しています (お持ちでない場合)。前払いの年間クラウドプロバイダーマーケットプレイスサブスクリプションをご利用の場合は、購入時に Red Hat アカウントを作成する必要はありません。ただし、最初に Red Hat アカウントを作成すると、次のような利点があります。

  • アカウントの接続とその後の登録プロセスが効率化されます。
  • Red Hat Insights サービスによるシステム管理と分析や、サブスクリプションサービスによるシステム使用状況レポートとサブスクリプションインベントリー情報など、さらなる利点が得られます。
  • 限定公開の Red Hat ナレッジベースの記事やソリューションを含む Red Hat ナレッジベースにアクセスできます。詳細は、記事 Red Hat customers from a public cloud marketplace accessing knowledgebase を参照してください。
  • Red Hat サポートの利用が容易になります。アカウントがない場合は、電話で直接 Red Hat サポートに問い合わせる必要があります。アカウントがあれば、Contact Red Hat の Red Hat Support Web クライアントを使用してサポートケースを開くこともできます。

購入前に Red Hat アカウントを作成しないことにした場合、購入したサブスクリプションは、クラウドプロバイダーアカウント固有の匿名の Red Hat 組織に割り当てられます。後で、クラウドプロバイダーアカウントと Red Hat アカウント間の接続を作成することにより、匿名の組織とその中のサブスクリプションを要求することができます。次の手順は、この要求プロセスでも使用されます。

  1. RHEL 用のクラウドプロバイダーマーケットプレイスサブスクリプションを購入する前に、Red Hat アカウントがない場合は作成します。Red Hat アカウントの詳細は、Red Hat アカウント を参照してください。
  2. RHEL 9.6 以降および RHEL 10 以降のサードパーティーマーケットプレイスサブスクリプション (Red Hat が販売するイメージ) を購入します。これらのバージョンは、新しいバージョン 2 の自動登録プロセスをサポートしています。
  3. 購入が完了したら、リンクに従ってクラウドプロバイダーアカウントと Red Hat アカウントを接続します。この手順を完了する方法は 2 つあります。

    • 方法 1: 購入後にクラウドプロバイダーから送信される、クラウドアカウントに関連付けられたメールアドレス宛のメールを確認します。このメールは購入が完了するとすぐに送信されます。そのメールには、アカウント間の接続を設定するのに役立つリンクが含まれています。そのリンクをクリックして、クラウドプロバイダーの指示に従います。
    • 方法 2: クラウドプロバイダーの管理ツールで、このアカウントに関連する購入を確認します。新しい RHEL の購入を見つけてセットアップオプションをクリックし、クラウドプロバイダーの指示に従います。
  4. 上記の方法のどちらかを選択すると、まだログインしていない場合は、Red Hat Hybrid Cloud Console にログインするためのページが開きます。Red Hat アカウントの認証情報を入力して続行します。Hybrid Cloud Console の Complete your account connection ページが開きます。

    注記

    Red Hat アカウントをお持ちでない場合は、Red Hat Hybrid Cloud Console にログインするページから、指示に従って Red Hat アカウントを作成することもできます。

  5. クラウドプロバイダーアカウントと Red Hat アカウントの接続に関する利用規約を確認し、Terms and conditions チェックボックスをオンにして同意します。Connect accounts をクリックし、アカウント間の接続を完了します。

この手順を完了すると、以下の条件が満たされます。下記の 対象となる サブスクリプションは、現在、自動登録バージョン 2 をサポートしているサブスクリプション (RHEL 9.6 以降および RHEL 10 以降) に関連しています。

  • この手順で使用したクラウドプロバイダーアカウントと Red Hat アカウントが接続される。
  • この手順で使用したサブスクリプションが、この Red Hat アカウントと組織に関連付けられる。
  • サブスクリプション内のイメージからインスタンス化された新しいシステムが、Red Hat Subscription Management に自動的に登録される。
  • 現在このクラウドプロバイダーアカウント内にある、その他の対象となるサブスクリプションも、この Red Hat アカウントおよび組織に関連付けられる。
  • これらのサブスクリプションからインスタンス化された新しいシステムが、Red Hat Subscription Management に自動的に登録される。
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