3.6. Tickless Kernel

Linux カーネルは、以前はプラットフォームに応じて所定の周波数 — 100 Hz、250 Hz、 あるいは 1000 Hz で、システムの各 CPU の割り込みが定期的に行われていました。カーネルは CPU が実行しているプロセスについてクエリを出し、その結果をプロセスアカウンティングとロードバランシングに使用していました。CPU の電力状態に関係なく、カーネルは タイマーティック (timer tick) として知られるこの割り込みを実行していました。そのため、アイドル状態の CPU でも最大で毎秒 1000 ものこうしたリクエストに応答していたのです。アイドル状態の CPU に省電力機能を実装しているシステムでは、こうした節電による利点を得られるようにタイマーティックは CPU が長い間アイドル状態にならないようにしていました。
Red Hat Enterprise Linux 6 のカーネルは、ティックレス (tickless) を実行します。つまり、旧式の定期タイマーの割り込みが、オンデマンド型の割り込みに取って代わられます。そのため、アイドル状態の CPU は、新しいタスクがプロセスにキューされるまではアイドル状態を維持します。そして電力消費が低い状態にある CPU はその状態をより長く維持できます。
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