スタートガイド
Red Hat JBoss Data Virtualization の基本インストールを行う方法を学び、初歩的なタスクを実行してみましょう。 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
概要
1. 本書の目的 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
企業では、複数の異なるデータソースにあるデータにアクセスする必要性が高まっています。そのため、企業が情報を簡単に利用できる方法を考える必要があります。
Red Hat JBoss Data Virtualization はリレーショナルデータベース、テキストファイル、ERP/CRM メインフレームシステムなどのソースや、Apache Hadoop (Hive)、MongoDB などの「ビッグデータ」データソースからデータを統合するために使用されるデータ統合ソリューションです。
Red Hat JBoss Data Virtualization は、複数の異なるソースから組み合わされた情報の統一仮想ビューを提供します。場所、構造、API、アクセス言語、ストレージ技術などの物理データソースの詳細は、エンドユーザーに表示されません。これにより、物理的なデータの分離に関する技術的な問題に時間をかけず、データの分析や操作に労力を費やすことができます。仮想データベース (VDB) は、物理データソースを統合されたビューへマップするために使用されます。実行時、これらのビューに対して実行されたクエリーは、VDB によって定義されたクエリー基準やマッピングに従って、依存する物理データソースの間で調整されます。
本書では、製品をダウンロードし、テスト向けに非本番稼働環境にインストールする方法を説明します (本番稼働システムへのインストールついては、Red Hat JBoss Data Virtualization Installation Guide を参照してください)。
2. 主要なコンポーネント リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
完全な JBoss Data Virtualization ソリューションは以下のものから構成されます。
- サーバー
- サーバーは、ビジネスアプリケーションと 1 つまたは複数のデータソース間に存在し、実行時にビジネスアプリケーションがアクセスできるようこれらのデータソースの統合を調整します。
- 設計ツール
- ユーザーが特定のデータ統合ソリューションのために JBoss Data Virtualization をセットアップすることを支援するさまざまな設計ツールが利用可能です。
- 管理ツール
- 管理者が JBoss Data Virtualization を設定および監視するためのさまざまな管理ツールが利用可能です。
3. ハードウェアの最低要件 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
- Java 仮想マシンには 16 GB のメモリー容量が必要です。
- 最新のマルチコアプロセッサーまたはマルチコアプロセッサーを持つマルチソケットシステム。
JBoss のサーバー製品と DV コンポーネントには 20 GB 以上のディスク領域が必要です。この要件の内訳は次のとおりです。
- インストールされた製品のファイルには 1 GB のディスクが必要です。
- ログファイルとデプロイされたアーティファクトには 5 GB 以上が必要です。
- BufferManager の maxBufferSpace には 15 GB (デフォルト) が必要です。
- Modeshape が使用される場合、5 GB 以上のファイル領域が追加で必要になります。
上記は環境およびテストシステムでの最低要件となります。今後実稼働システムで Red Hat JBoss Data Virtualization をインストールする場合のシステム要件については、『インストールガイド』を参照してください。
4. 製品のダウンロードおよびインストール リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
4.1. 前提条件 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
- Red Hat カスタマーポータルのアカウント
- 適切な最低システムリソース
- 選択されたインストールディレクトリーの管理セキュリティー権限
- 環境プロパティーで JAVA_HOME と PATH が設定されていること (Microsoft Windows サーバーで使用するショートカット向け)
- Java Developer Kit 6、7、または 8
- Java 仮想マシン。使用している JDK または OpenJDK などの代替手段とともにインストールされた JVM を使用できます。
4.2. JBoss Data Virtualization インストーラーのダウンロード リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
- https://access.redhat.com/ にアクセスします。
- Log in ログインをクリックし、Red Hat Login と Password を入力して Customer Portal にアクセスします。アカウントをお持ちでない場合はアカウントを登録する必要があります。
- Downloads ⇒ Red Hat JBoss Data Virtualization とクリックします。
- Red Hat JBoss Data Virtualization [バージョン] Installer の横にある Download オプションをクリックします。
- ファイルを保存します。
4.3. JBoss Data Virtualization のインストール リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
Red Hat JBoss Data Virtualization は、グラフィカルウィザードを使用してインストールされます。以下は、このグラフィカルインストーラーでステップごとに行う手順を示しています。この例では、デフォルトのオプションを使用してスタンドアロンバージョンをインストールします。本ガイドは、開発またはテスト環境で製品をインストールする方法を説明することを目的としています。
- コマンドラインウインドウを開き、GUI インストーラーがダウンロードされたディレクトリーに移動します。
以下のコマンドを実行して GUI インストーラーを起動します。
java -jar jboss-dv-VERSION-installer.jar
java -jar jboss-dv-VERSION-installer.jar
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow - ダイアログボックスが表示された後に、使用許諾契約書が表示されます。契約の内容に同意する場合は I accept the terms of this license agreement をクリックし、Next クリックします。
- Red Hat JBoss EAP がサーバーにインストールされている場所を Red Hat JBoss Data Virtualization に通知するか、製品にバンドルされているためインストールされていない場合は、新しい場所を指定します (Red Hat JBoss EAP がすでにインストールされている場合は、6.4.x の最新バージョンのパッチが適用されていることを確認します)。Next をクリックします。
- Teiid Installation と Modeshape Installation が選択されていることを確認します。Next をクリックします。
新しい EAP 管理者、Dashboard 管理者、Teiid データアクセスユーザー、および ModeShape ユーザーを作成するよう要求され、OData のアクセスとロギングロールを有効にするかどうか尋ねられます。これらの管理者とユーザーは、作成されると AdminRealm へ追加され、管理コンソールと ManagementRealm を使用してセキュアになった他のアプリケーションにアクセスするために使用することができます。新しいユーザー名とパスワードを適切なフィールドに入力し、Next をクリックします。
重要これらのパスワードはすべて記憶するようにしてください。これらのパスワードを使用すると、システムの異なる部分にアクセスできます。EAP アカウントおよびパスワードを使用すると、EAP サーバーを管理できます。Dashboard のパスワードは Web インターフェースに関連する管理機能向けであり、Teiid データアクセスユーザーおよび ModeShape ユーザーは標準的なユーザーアクセス向けです。
注記ユーザー名と同じパスワードは使用できません。また、パスワードは 8 文字以上である必要があり、英字、数字、および英数字以外の文字がそれぞれ 1 文字以上含まれる必要があります。
- Perform default configuration を選択します。データベースロギング設定はデフォルトで選択できる唯一のオプションです。Next をクリックします。
Configure password vault の画面が表示されます。6 文字以上のパスワードを入力します。Next をクリックします。
注記H2 データベース (ボールトのデフォルトとして使用されます) は本番稼働環境のデータベースには適していません。テストおよび評価環境でのみ使用してください。
インストールの概要が表示されます。Next をクリックしてインストールを開始します。インストールには時間がかかることがあります。すべてのコンポーネントがインストールされたら、再び Next をクリックします。
- 自動インストール用のスクリプトを生成したい場合は Generate an automatic installation script をクリックします。このスクリプトを使用すると、毎回ウィザードを使用せずに、初回のインストールで指定した設定を用いて、製品を迅速に再インストールしたり、大量にデプロイしたりすることができます。
- 管理コンソールと Data Virtualization Dashboard の URL をメモし、Done をクリックしてインストーラーを終了します。
Red Hat JBoss Data Virtualization をインストール後に別の場所へ移動すると、FileNotFound 例外が発生することがあります。これは、一部のファイルパスが JBoss EAP サーバーでハードコーディングされていることが原因です。
データが格納される JDK とは別の JDK で作成されたキーストアを用いて vault の使用を試みると、サーバーの起動に失敗します。vault にアクセスするには同じ JDK を一貫して使用する必要があります。
5. Red Hat JBoss Data Virtualization の起動および停止 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
5.1. Red Hat JBoss Data Virtualization の起動 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
Red Hat JBoss Data Virtualization を起動するには、最初に JBoss EAP サーバーを起動する必要があります。JBoss EAP サーバーを起動するには、ご使用のオペレーティングシステムに応じて以下の手順に従います。
Red Hat Enterprise Linux の場合は、コマンドラインウィンドウを開き、EAP_HOME ディレクトリーで次のコマンドを入力します。
./bin/standalone.sh
./bin/standalone.sh
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow Microsoft Windows の場合は、コマンドラインウインドウを開き、次のコマンドを入力します。
chdir EAP_HOME/bin standalone.bat
chdir EAP_HOME/bin standalone.bat
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
- サーバーが正しく起動し、エラーがないことを確認するには、EAP_HOME/MODE/log/server.log にあるサーバーログをチェックします。
また、Web ブラウザーで管理コンソールを開いて、登録されている JBoss EAP 管理ユーザーのユーザー名とパスワードを使用してログインし、エラーがない状態で実行されたことを確認することもできます。コンソールのアドレスは http://localhost:9990/console/ です。管理コンソールの使用に関する詳細は『Red Hat JBoss Enterprise Application Platform 管理および設定ガイド』を参照してください。
詳細な起動オプションについては『Red Hat JBoss Enterprise Application Platform 管理および設定ガイド』を参照してください。
5.2. Red Hat JBoss Data Virtualization の停止 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
Red Hat JBoss Data Virtualization を停止するには JBoss EAP サーバーを停止します。これを行うには、EAP が実行されているターミナルで Ctrl+C を押します。
6. その他のステップ リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
本書をお読みになったら、次に、本製品を使用するときに役に立つ情報を提供するクイックスタートガイドをお読みいただくことが推奨されます。クイックスタートは単純なプロジェクトです。クイックスタートを検証すると、機能について学ぶことができます。また、独自のビジネスソリューションをモデル化するときにテンプレートとして使用することもできます。