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第12章 更新全般

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samba パッケージの更新

Red Hat Enterprise Linux 6.4 にはリベースされた samba パッケージが同梱され、 複数のバグ修正と機能強化が行なわれています。 もっとも重要な更新として、 SMB2 プロトコルに対応するようになります。 SMB2 サポートは /etc/samba/smb.conf ファイルの [global] セクションにある以下のパラメータを使って有効にします。
max protocol = SMB2
また、 Samba では AES ケルベロス暗号化にも対応するようになります。 AES サポートは Windows Vista および Windows Server 2008 以降の Microsoft Windows オペレーティングシステムで利用可能になっています。 Windows 7からは、 AES タイプがケルベロス暗号化の新しいデフォルトになることが報告されています。 Samba ではキーを管理するキータブに AES ケルベロスキーが追加されます。 つまり、 samba キータブを使用し同じマシンで実行するケルベロス化された他のサービスでも AES 暗号化の利点が役に立つということです。 AES セッションキーを使用するには (AES 暗号化されたチケット交付チケットを使用するだけでなく)、 Active Directory の LDAP サーバーの samba マシンのアカウントを手作業で修正する必要があります。 詳細については Microsoft Open Specifications Support Team Blog を参照してください。

警告

更新された samba パッケージでは ID マッピングの設定方法も変更になります。 ユーザーの方は既存の samba 設定ファイルの修正をお勧めします。
簡易データベース (TBD) のファイルがいくつか更新され、 また印刷のサポートが実際のレジストリ実装を使用するよう書き直されているので注意してください。 smbd の新しいバージョンを起動すると TDB のファイルが直ちにアップグレードされることになります。 TDB ファイルのバックアップを取っていない限り、 Samba 3.x 旧バージョンへのダウングレードは行なえません。
これらの変更については Release Notes for Samba 3.6.0 を参照してください。

新しい SciPy Package

Red Hat Enterprise Linux 6.4 には新しい scipy パッケージが同梱されます。 この SciPy パッケージでは数学、 科学、 工学に関するソフトウェアが提供されます。 任意の記録の大規模な多次元配列の操作を目的として設計されている NumPy パッケージが SciPy の中核となるライブラリです。 SciPy ライブラリは NumPy 配列と連携するよう構築されているため、 数値積分法や数値最適化のルーティンなど各種の効率的な数値ルーティンを提供しています。

NSS で TLS v1.1 に対応

nssnss-util のパッケージがアップストリームバージョン 3.14 に更新されました。 各種の機能の中でも特筆すべきは TLS バージョン 1.1 への対応です。 また、 nspr パッケージにもリベースが行なわれバージョン 4.9.2 に更新されています。 詳細については NSS 3.14 Release Notes を参照してください。

組み込みの Valgrind gdbserver

valgrind パッケージがアップストリームバージョンの 3.8.1 に更新されました。 この更新バージョンには機能拡張やバグ修正の他、 組み込みの gdbserver が含まれます。 詳細については、 「『Red Hat Developer Toolset 1.1 User Guide (Red Hat 開発者向けツールセット 1.1 ユーザーガイド)』」の「『Valgrind』 の章」および付録となる「『Changes in Valgrind 3.8.1 (Valgrind 3.8.1 での変更点)』」を参照してください。

新しい libjpeg-turbo パッケージ

Red Hat Enterprise Linux 6.4 には新しいパッケージセットが同梱されます。 従来からの libjpeg パッケージはこの新しいパッケージセットの libjpeg-turbo に置き換えられます。 同じ機能、 同じ API を提供しますがパフォーマンスが向上しています。

新しい redhat-lsb-core パッケージ

redhat-lsb パッケージをインストールすると、 LSB 標準の要件を満たすためかなりの数の依存パッケージがシステムに導入されます。 Red Hat Enterprise Linux 6.4 では新しいサブパッケージの redhat-lsb-core を提供し、 このパッケージをインストールすることで redhat-lsb パッケージに最小限必要な依存パッケージのみを簡単に取り込むことができるようにしています。

createrepo ユーティリティの更新

createrepo ユーティリティが最新のアップストリームバージョンに更新されています。 これによりメモリー使用が大幅に低減され、 また --workers オプションを使うことによりマルチタスクにも対応するようになります。
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