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第2章 電力管理の監査と分析

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2.1. 監査と分析の概要

たった一台のシステムに対して監査や分析、チューニングを細かく手作業で行うことは、通常、例外的です。こうしたシステムのチューニングの作業にかかる時間やコストが、一般的にはその作業から得られる恩恵を上回ってしまうためです。しかし、この作業を一度だけ行い、同じ設定をほぼ同一構成となる大量のマシンに再利用できる場合には、非常に便利です。たとえば、数千に及ぶデスクトップシステムの導入、あるいはほぼ同一構成の複数マシンから成る HPC クラスタの導入などを考えてみてください。監査や分析を行うもうひとつの理由は、将来的にシステムの動作に起こる後退や変化を特定できるよう比較対象となる基準を設けるということです。ハードウェアや BIOS、ソフトウェアなどの定期更新によって予想以上の電力消費が発生するのを避けたい場合などに、この分析結果が非常に役立ちます。一般的には、徹底的な監査や分析を行うことで、特定のシステムで発生している現状を把握できるようになります。
電力消費に関する監査と分析は、最新システムを使用しても比較的難しいものです。ほとんどのシステムには、ソフトウェアを介する電力使用量を測定するために必要な手段が搭載されていません。ただし、例外はあります。Hewlett Packard サーバーシステムの ILO 管理コンソールには、ウェブ経由でアクセスできる電力管理モジュールが備わっています。IBM では、BladeCenter 電力管理モジュールで同様のソリューションを提供しています。Dell システムの一部でも、IT Assistant 機能により電力監視機能が提供されています。他のベンダーでもサーバープラットフォーム向けには似たような機能を提供している可能性はありますが、すべてのベンダーで対応しているソリューションは存在しません。システムに電力消費量を測定するメカニズムが組み込まれていない場合は、選択肢がいくつかあります。そのひとつは、USB ポート経由で電力消費情報を提供する特殊な電力供給装置をインストールすることです。さらに、USB で接続するタイプの Watts up? PRO など、外付けのワットメーターなどがあります。
電力消費量を測定する直接的な方法としては多くの場合、できるだけ節電に最大限の努力をすることしかありません。変更が反映されているか、システムがどのように動作しているか査定する他の方法もあります。この章では、そのために必要なツールについて説明します。
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