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4.3.2. 呼び出し先の追跡

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このセクションでは、着信および発信関数呼び出しを追跡する方法を説明します。
para-callgraph.stp

#! /usr/bin/env stap

function trace(entry_p, extra) {
  %( $# > 1 %? if (tid() in trace) %)
  printf("%s%s%s %s\n",
         thread_indent (entry_p),
         (entry_p>0?"->":"<-"),
         probefunc (),
         extra)
}


%( $# > 1 %?
global trace
probe $2.call {
  trace[tid()] = 1
}
probe $2.return {
  delete trace[tid()]
}
%)

probe $1.call   { trace(1, $$parms) }
probe $1.return { trace(-1, $$return) }

para-callgraph.stp は、以下の 2 つのコマンドライン引数を取っています。
  • その開始または終了が追跡対象となっている関数 ($1)。
  • 2 つ目のオプションとなる trigger function ($2)。これは、スレッドごとの追跡を有効、無効にします。trigger function が終了していなければ、各スレッドにおける追跡は継続されます。
para-callgraph.stp では thread_indent() を使用しているので、その出力には、$1 (追跡しているプローブ関数) のタイムスタンプ、プロセス名、およびスレッド ID が含まれます。thread_indent() の詳細は、SystemTap 関数 のエントリーを参照してください。
以下は、stap para-callgraph.stp 'kernel.function("*@fs/*.c")' 'kernel.function("sys_read")' の出力抜粋例になります。

例4.12 para-callgraph.stp のサンプル出力

[...]
   267 gnome-terminal(2921): <-do_sync_read return=0xfffffffffffffff5
   269 gnome-terminal(2921):<-vfs_read return=0xfffffffffffffff5
     0 gnome-terminal(2921):->fput file=0xffff880111eebbc0
     2 gnome-terminal(2921):<-fput 
     0 gnome-terminal(2921):->fget_light fd=0x3 fput_needed=0xffff88010544df54
     3 gnome-terminal(2921):<-fget_light return=0xffff8801116ce980
     0 gnome-terminal(2921):->vfs_read file=0xffff8801116ce980 buf=0xc86504 count=0x1000 pos=0xffff88010544df48
     4 gnome-terminal(2921): ->rw_verify_area read_write=0x0 file=0xffff8801116ce980 ppos=0xffff88010544df48 count=0x1000
     7 gnome-terminal(2921): <-rw_verify_area return=0x1000
    12 gnome-terminal(2921): ->do_sync_read filp=0xffff8801116ce980 buf=0xc86504 len=0x1000 ppos=0xffff88010544df48
    15 gnome-terminal(2921): <-do_sync_read return=0xfffffffffffffff5
    18 gnome-terminal(2921):<-vfs_read return=0xfffffffffffffff5
     0 gnome-terminal(2921):->fput file=0xffff8801116ce980
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