19.2. autofs 設定ファイル


このセクションでは、autofs サービスで使用される設定ファイルの使用方法と構文を説明します。

マスターマップファイル

autofs サービスは、デフォルトの主要設定ファイルとして、/etc/auto.master (マスターマップ) を使用します。これは、/etc/autofs.conf 設定ファイルの autofs 設定を Name Service Switch (NSS) メカニズムとともに使用することで、対応している別のネットワークソースと名前を使用するように変更できます。

すべてのオンデマンドマウントポイントはマスターマップで設定する必要があります。マウントポイント、ホスト名、エクスポートされたディレクトリー、オプションはすべて、ホストごとに手動で設定するのではなく、一連のファイル (またはサポートされているその他のネットワークソース) で指定できます。

マスターマップファイルには、autofs により制御されるマウントポイントと、それに対応する設定ファイルまたは自動マウントマップと呼ばれるネットワークソースがリスト表示されます。マスターマップの形式は次のとおりです。

mount-point  map-name  options

この形式で使用されている変数を以下に示します。

mount-point
autofs マウントポイント (例: /mnt/data/) です。
map-file
マウントポイントのリストと、マウントポイントがマウントされるファイルシステムの場所が記載されているマップソースファイルです。
options
指定した場合に、エントリーにオプションが指定されていなければ、指定されたマップ内のすべてのエントリーに適用されます。

例19.1 /etc/auto.master ファイル

以下は /etc/auto.master ファイルのサンプル行です。

/mnt/data  /etc/auto.data

マップファイル

マップファイルは、個々のオンデマンドマウントポイントのプロパティーを設定します。

ディレクトリーが存在しない場合、自動マウント機能はディレクトリーを作成します。ディレクトリーが存在している状況で自動マウント機能が起動した場合は、自動マウント機能の終了時にディレクトリーが削除されることはありません。タイムアウトを指定した場合は、タイムアウト期間中ディレクトリーにアクセスしないと、ディレクトリーが自動的にアンマウントされます。

マップの一般的な形式は、マスターマップに似ています。ただし、マスターマップでは、オプションフィールドはエントリーの末尾ではなく、マウントポイントと場所の間に表示されます。

mount-point  options  location

この形式で使用されている変数を以下に示します。

mount-point
これは、autofs のマウントポイントを参照しています。これは 1 つのインダイレクトマウント用の 1 つのディレクトリー名にすることも、複数のダイレクトマウント用のマウントポイントの完全パスにすることもできます。ダイレクトマップとインダイレクトマップの各エントリーキー (mount-point) の後に空白で区切られたオフセットディレクトリー (/ で始まるサブディレクトリー名) が記載されます。これがマルチマウントエントリーと呼ばれるものです。
options
このオプションを指定すると、マスターマップエントリーのオプション (存在する場合) に追加されます。設定エントリーの append_optionsno に設定されている場合は、マスターマップのオプションの代わりにこのオプションが使用されます。
location
ローカルファイルシステムのパス (Sun マップ形式のエスケープ文字 : が先頭に付き、マップ名が / で始まります)、NFS ファイルシステム、他の有効なファイルシステムの場所などのファイルシステムの場所を参照します。

例19.2 マップファイル

以下は、マップファイルのサンプルです (例: /etc/auto.misc)。

payroll  -fstype=nfs4  personnel:/exports/payroll
sales    -fstype=xfs   :/dev/hda4

マップファイルの最初の列は、autofs マウントポイント (personnel サーバーからの salespayroll) を示しています。2 列目は、autofs マウントのオプションを示しています。3 列目はマウントのソースを示しています。

任意の設定に基づき、autofs マウントポイントは、/home/payroll/home/sales になります。-fstype= オプションは多くの場合省略されており、ファイルシステムが NFS の場合は必要ありません。これには、システムのデフォルトが NFS マウント用の NFSv4 である場合の NFSv4 のマウントも含まれます。

与えられた設定を使用して、プロセスが /home/payroll/2006/July.sxc などのアンマウントされたディレクトリー autofs へのアクセスを要求すると、autofs サービスは自動的にディレクトリーをマウントします。

amd マップ形式

autofs サービスは、amd 形式のマップ設定も認識します。これは Red Hat Enterprise Linux から削除された、am-utils サービス用に書き込まれた既存の自動マウント機能の設定を再利用する場合に便利です。

ただし、Red Hat は、前述のセクションで説明した簡単な autofs 形式の使用を推奨しています。

関連情報

  • システム上の autofs(5)autofs.conf(5)、および auto.master(5) man ページ
  • /usr/share/doc/autofs/README.amd-maps ファイル
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