第1章 Migration Toolkit for Applications の概要
Migration Toolkit for Applications (MTA) は、Red Hat OpenShift 上のハイブリッドクラウド環境全体を対象とした大規模なアプリケーションモダナイゼーションの取り組みを加速するために使用できるツールのセットです。MTA は、アプリケーションの移行時に共通のリソースと既知の問題点を検出します。アプリケーションで使用されるテクノロジーの概要を示します。MTA は、移行またはモダナイゼーションパスを評価する詳細レポートも生成します。このレポートを利用することで、大規模なプロジェクトに必要な作業を見積もり、関係する作業を削減できます。
MTA を使用すると、次のタスクを実行できます。
- MTA の広範にわたるデフォルトの質問集を使用してアプリケーションを評価するか、独自のカスタム質問集を作成して、アプリケーションのコンテナー化の準備に必要な難易度、時間、その他のリソースを見積もることができます。評価の結果を使用して関係者間で議論し、どのアプリケーションがコンテナー化に適しているかを判断できます。
- 各アプリケーションに 1 つ以上のルールセットを適用して、アプリケーションを分析できます。これらのルールを使用して、アプリケーションをモダナイズする前に、アプリケーションの特定の行を変更する必要があるかを確認できます。
- プロジェクトのソースディレクトリーやアプリケーションアーカイブなど、アプリケーションアーティファクトを調べ、変更が必要な部分を明らかする HTML レポートを作成できます。
1.1. MTA の機能 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
Migration Toolkit for Applications (MTA) は、多くの移行パスのアップグレードを簡素化する次の機能を備えています。
- 新しいアプリケーションインベントリーおよび評価モジュール。組織のアプリケーションの管理、分類、タグ付けを支援すると同時に、移行ストラテジーの潜在的なリスクにフラグを立てるなど、コンテナーへのデプロイに対するアプリケーションの適合性を評価します。
- ソースコードおよびバイナリーリポジトリーとの完全な統合。分析用のアプリケーションの取得を自動化し、ユーザーインターフェイスで管理される HTTP および HTTPS プロキシー設定などのプロキシー統合を行います。
- 強化された分析機能。リポジトリーを解析して依存関係を収集し、その依存関係を分析の全体的な対象範囲に追加するソースおよび依存関係モードなど、新しい分析モードを搭載しています。簡素化されたユーザーエクスペリエンスを使用して、オープンソースライブラリーなどの分析範囲を設定することもできます。
- Red Hat Single Sign-On を利用した 強化されたロールベースのアクセス制御 (RBAC)。各ユーザーのニーズに合わせて、複数の認証情報タイプの認証情報管理を含む、異なる権限を持つ新しいペルソナ (管理者、アーキテクト、移行者) を細かく定義できます。
- 管理パースペクティブ。管理者向けのツール全体の設定管理を提供します。
- Red Hat OpenShift on AWS (ROSA) のサポート が MTA 7.0.0 で導入されました。
- Azure Red Hat OpenShift (ARO) のサポート が MTA 7.0.0 で導入されました。
- 7.1.0 で 多言語サポート が導入されました。Migration Toolkit for Applications (MTA) 7.1.0 では、MTA を使用して Java 以外の言語で記述されたアプリケーションを分析できます。(開発者プレビュー)