3.3. ネットワークをカスタマイズして Azure Stack Hub にクラスターをインストールする
OpenShift Container Platform バージョン 4.19 では、インストールプログラムが Azure Stack Hub 上にプロビジョニングするインフラストラクチャーに、カスタマイズしたネットワーク設定でクラスターをインストールできます。ネットワーク設定をカスタマイズすることにより、クラスターは環境内の既存の IP アドレスの割り当てと共存でき、既存の MTU および VXLAN 設定と統合できます。
インストールプログラムを使用して、installer-provisioned infrastructure を使用してクラスターをデプロイするときに、azure
を選択できますが、このオプションは Azure Public Cloud でのみサポートされます。
3.3.1. 前提条件 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
- OpenShift Container Platform のインストールおよび更新 プロセスの詳細を確認している。
- クラスターインストール方法の選択およびそのユーザー向けの準備 を確認している。
- Azure Stack Hub バージョン 2008 以降がインストールされている。
- クラスターをホストするように Azure Stack Hub アカウントを設定 している。
- ファイアウォールを使用する場合は、クラスターがアクセスを必要とする サイトを許可するようにファイアウォールを設定 する必要がある。
- 約 16GB のローカルディスク容量があることを確認している。クラスターをインストールするには、RHCOS 仮想ハードドライブ (VHD) クラスターイメージをダウンロードし、これを Azure Stack Hub 環境にアップロードして、デプロイメント中にアクセスできるようにする必要があります。VHD ファイルを解凍するには、これくらいのローカルディスク領域が必要です。
3.3.2. RHCOS クラスターイメージのアップロード リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
RHCOS 仮想ハードディスク (VHD) クラスターイメージをダウンロードし、これを Azure Stack Hub 環境にアップロードして、デプロイメント中にアクセスできるようにする必要があります。
前提条件
- クラスターの Ignition 設定ファイルを生成します。
手順
RHCOS VHD クラスターイメージを取得します。
RHCOS VHD の URL を環境変数にエクスポートします。
export COMPRESSED_VHD_URL=$(openshift-install coreos print-stream-json | jq -r '.architectures.x86_64.artifacts.azurestack.formats."vhd.gz".disk.location')
$ export COMPRESSED_VHD_URL=$(openshift-install coreos print-stream-json | jq -r '.architectures.x86_64.artifacts.azurestack.formats."vhd.gz".disk.location')
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 圧縮された RHCOS VHD ファイルをローカルにダウンロードします。
curl -O -L ${COMPRESSED_VHD_URL}
$ curl -O -L ${COMPRESSED_VHD_URL}
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
VHD ファイルを展開します。
注記展開した VHD ファイルは約 16 GB であるため、ホストシステムに 16 GB の空き領域があることを確認してください。VHD ファイルは、アップロードした後に削除できます。
-
ローカル VHD を Azure Stack Hub 環境にアップロードし、blob が公開されていることを確認します。たとえば、
az
cli または Web ポータルを使用して VHD を blob にアップロードできます。
3.3.3. インストール設定ファイルの手動作成 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
クラスターをインストールするには、インストール設定ファイルを手動で作成する必要があります。
前提条件
- インストールプログラムで使用するための SSH 公開鍵がローカルマシン上に存在する。この鍵は、デバッグや障害復旧のために、クラスターノードへの SSH 認証に使用できます。
- OpenShift Container Platform インストールプログラムとクラスターのプルシークレットを取得している。
手順
必要なインストールアセットを保存するためのインストールディレクトリーを作成します。
mkdir <installation_directory>
$ mkdir <installation_directory>
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 重要このディレクトリーは必ず作成してください。ブートストラップ X.509 証明書などの一部のインストールアセットは、有効期限が短いため、インストールディレクトリーを再利用しないでください。別のクラスターインストールの個別のファイルを再利用する必要がある場合は、それらをディレクトリーにコピーすることができます。ただし、インストールアセットのファイル名はリリース間で変更される可能性があります。インストールファイルを以前のバージョンの OpenShift Container Platform からコピーする場合は注意してください。
提供されているサンプルの
install-config.yaml
ファイルテンプレートをカスタマイズし、ファイルを<installation_directory>
に保存します。注記この設定ファイルの名前を
install-config.yaml
と付ける必要があります。次の変更を行います。
- 必要なインストールパラメーターを指定します。
-
platform.azure
セクションを更新して、Azure Stack Hub に固有のパラメーターを指定します。 オプション: 1 つ以上のデフォルト設定パラメーターを更新して、インストールをカスタマイズします。
パラメーターの詳細は、「インストール設定パラメーター」を参照してください。
多くのクラスターのインストールに使用できるように、
install-config.yaml
ファイルをバックアップします。重要インストールプロセスの次のステップで
install-config.yaml
ファイルを使用するため、今すぐこのファイルをバックアップしてください。
3.3.3.1. Azure Stack Hub 用にカスタマイズされた install-config.yaml ファイルのサンプル リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
install-config.yaml
ファイルをカスタマイズして、OpenShift Container Platform クラスターのプラットフォームに関する詳細を指定するか、必要なパラメーターの値を変更することができます。
このサンプルの YAML ファイルは参照用にのみ提供されます。これを使用して、手動で作成したインストール設定ファイルにパラメーター値を入力します。
- 1 7 10 12 14 17 18 20
- 必須。
- 2 5
- これらのパラメーターおよび値を指定しない場合、インストールプログラムはデフォルトの値を指定します。
- 3
controlPlane
セクションは単一マッピングですが、compute
セクションはマッピングのシーケンスになります。複数の異なるデータ構造の要件を満たすには、compute
セクションの最初の行はハイフン-
で始め、controlPlane
セクションの最初の行はハイフンで始めることができません。どちらのセクションも、現時点では単一のマシンプールを定義しますが、OpenShift Container Platform の今後のバージョンでは、インストール時の複数のコンピュートプールの定義をサポートする可能性があります。1 つのコントロールプレーンプールのみが使用されます。- 4 6
- 使用するディスクのサイズは、GB 単位で指定できます。コントロールプレーンノードの最小推奨値は 1024 GB です。
- 8
- クラスターの名前。
- 9
- インストールするクラスターネットワークプラグイン。サポートされる値はデフォルト値の
OVNKubernetes
のみです。 - 11
- Azure Stack Hub オペレーターが提供する Azure Resource Manager エンドポイント。
- 13
- ベースドメインの DNS ゾーンが含まれるリソースグループの名前。
- 15
- Azure Stack Hub ローカルリージョンの名前。
- 16
- クラスターをインストールする既存のリソースグループの名前。定義されていない場合は、クラスターに新しいリソースグループが作成されます。
- 19
- RHCOS VHD を含む Azure Stack 環境のストレージ blob の URL。
- 21
- クラスターを認証するために必要なプルシークレット。
- 22
- FIPS モードを有効または無効にするかどうか。デフォルトでは、FIPS モードは有効にされません。FIPS モードが有効にされている場合、OpenShift Container Platform が実行される Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) マシンがデフォルトの Kubernetes 暗号スイートをバイパスし、代わりに RHCOS で提供される暗号モジュールを使用します。重要
FIPS モードでブートされた Red Hat Enterprise Linux (RHEL) または Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) を実行する場合、OpenShift Container Platform コアコンポーネントは、x86_64、ppc64le、および s390x アーキテクチャーのみで、FIPS 140-2/140-3 検証のために NIST に提出された RHEL 暗号化ライブラリーを使用します。
- 23
- クラスター内のマシンにアクセスするために使用する
sshKey
値をオプションで指定できます。注記インストールのデバッグまたは障害復旧を実行する必要のある実稼働用の OpenShift Container Platform クラスターでは、
ssh-agent
プロセスが使用する SSH キーを指定します。 - 24
- Azure Stack Hub 環境で内部認証局 (CA) を使用している場合は、CA 証明書を追加する必要があります。
3.3.4. クラウドクレデンシャルの手動管理 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
Cloud Credential Operator (CCO) は、手動モードのクラウドプロバイダーのみをサポートします。そのため、クラウドプロバイダーの ID およびアクセス管理 (IAM) シークレットを指定する必要があります。
手順
インストールマニフェストファイルをまだ作成していない場合は、次のコマンドを実行して作成します。
openshift-install create manifests --dir <installation_directory>
$ openshift-install create manifests --dir <installation_directory>
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow ここで、
<installation_directory>
は、インストールプログラムがファイルを作成するディレクトリーに置き換えます。次のコマンドを実行して、インストールファイルのリリースイメージを
$RELEASE_IMAGE
変数に設定します。RELEASE_IMAGE=$(./openshift-install version | awk '/release image/ {print $3}')
$ RELEASE_IMAGE=$(./openshift-install version | awk '/release image/ {print $3}')
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 以下のコマンドを実行して、OpenShift Container Platform リリースイメージから
CredentialsRequest
カスタムリソース (CR) のリストを抽出します。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow このコマンドにより、それぞれの
CredentialsRequest
オブジェクトに YAML ファイルが作成されます。サンプル
CredentialsRequest
オブジェクトCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 以前に生成した
openshift-install
マニフェストディレクトリーにシークレットの YAML ファイルを作成します。シークレットは、それぞれのCredentialsRequest
オブジェクトについてspec.secretRef
に定義される namespace およびシークレット名を使用して保存する必要があります。シークレットを含む
CredentialsRequest
オブジェクトのサンプルCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow サンプル
Secret
オブジェクトCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
手動でメンテナンスされる認証情報を使用するクラスターをアップグレードする前に、CCO がアップグレード可能な状態であることを確認します。
3.3.5. 内部 CA を使用するようにクラスターを設定する リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
Azure Stack Hub 環境で内部認証局 (CA) を使用している場合は、cluster-proxy-01-config.yaml file
を更新して、内部 CA を使用するようにクラスターを設定します。
前提条件
-
install-config.yaml
ファイルを作成し、証明書の信頼バンドルを.pem
形式で指定します。 - クラスターマニフェストを作成します。
手順
-
インストールプログラムがファイルを作成するディレクトリーから、
manifests
ディレクトリーに移動します。 user-ca-bundle
をspec.trustedCA.name
フィールドに追加します。cluster-proxy-01-config.yaml
ファイルの例Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow -
オプション:
manifests/ cluster-proxy-01-config.yaml
ファイルをバックアップします。クラスターをデプロイすると、インストールプログラムはmanifests/
ディレクトリーを消費します。
3.3.6. ネットワーク設定フェーズ リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
OpenShift Container Platform をインストールする前に、ネットワーク設定をカスタマイズできる 2 つのフェーズがあります。
- フェーズ 1
マニフェストファイルを作成する前に、
install-config.yaml
ファイルで以下のネットワーク関連のフィールドをカスタマイズできます。-
networking.networkType
-
networking.clusterNetwork
-
networking.serviceNetwork
-
networking.machineNetwork
nodeNetworking
詳細は、「インストール設定パラメーター」を参照してください。
注記優先されるサブネットが配置されている Classless Inter-Domain Routing (CIDR) と一致するように
networking.machineNetwork
を設定します。重要CIDR 範囲
172.17.0.0/16
はlibVirt
によって予約されています。クラスター内のネットワークに172.17.0.0/16
CIDR 範囲と重複する他の CIDR 範囲を使用することはできません。
-
- フェーズ 2
-
openshift-install create manifests
を実行してマニフェストファイルを作成した後に、変更するフィールドのみでカスタマイズされた Cluster Network Operator マニフェストを定義できます。マニフェストを使用して、高度なネットワーク設定を指定できます。
フェーズ 2 では、install-config.yaml
ファイルのフェーズ 1 で指定した値をオーバーライドすることはできません。ただし、フェーズ 2 でネットワークプラグインをカスタマイズできます。
3.3.7. 高度なネットワーク設定の指定 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
ネットワークプラグインに高度なネットワーク設定を使用し、クラスターを既存のネットワーク環境に統合することができます。
高度なネットワーク設定は、クラスターのインストール前にのみ指定することができます。
インストールプロブラムで作成される OpenShift Container Platform マニフェストファイルを変更してネットワーク設定をカスタマイズすることは、サポートされていません。以下の手順のように、作成するマニフェストファイルを適用することがサポートされています。
前提条件
-
install-config.yaml
ファイルを作成し、これに対する変更を完了している。
手順
インストールプログラムが含まれるディレクトリーに切り替え、マニフェストを作成します。
./openshift-install create manifests --dir <installation_directory>
$ ./openshift-install create manifests --dir <installation_directory>
1 Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow - 1
<installation_directory>
は、クラスターのinstall-config.yaml
ファイルが含まれるディレクトリーの名前を指定します。
cluster-network-03-config.yml
という名前の、高度なネットワーク設定用のスタブマニフェストファイルを<installation_directory>/manifests/
ディレクトリーに作成します。apiVersion: operator.openshift.io/v1 kind: Network metadata: name: cluster spec:
apiVersion: operator.openshift.io/v1 kind: Network metadata: name: cluster spec:
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 次の例のように、
cluster-network-03-config.yml
ファイルでクラスターの高度なネットワーク設定を指定します。OVN-Kubernetes ネットワークプロバイダーの IPsec を有効にする
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow -
オプション:
manifests/cluster-network-03-config.yml
ファイルをバックアップします。インストールプログラムは、Ignition 設定ファイルの作成時にmanifests/
ディレクトリーを使用します。 コントロールプレーンマシンおよびコンピュート
MachineSets
を定義する Kubernetes マニフェストファイルを削除します。rm -f openshift/99_openshift-cluster-api_master-machines-*.yaml openshift/99_openshift-cluster-api_worker-machineset-*.yaml
$ rm -f openshift/99_openshift-cluster-api_master-machines-*.yaml openshift/99_openshift-cluster-api_worker-machineset-*.yaml
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow これらのリソースを独自に作成および管理するため、それらを初期化する必要はありません。
-
MachineSet
ファイルを保存して、マシン API を使用してコンピュートマシンを作成することができますが、環境に合わせてそれらへの参照を更新する必要があります。
-
3.3.8. Cluster Network Operator の設定 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
クラスターネットワークの設定は、Cluster Network Operator (CNO) 設定の一部として指定され、cluster
という名前のカスタムリソース (CR) オブジェクトに保存されます。CR は operator.openshift.io
API グループの Network
API のフィールドを指定します。
CNO 設定は、Network.config.openshift.io
API グループの Network
API からクラスターのインストール時に以下のフィールドを継承します。
clusterNetwork
- Pod IP アドレスの割り当てに使用する IP アドレスプール。
serviceNetwork
- サービスの IP アドレスプール。
defaultNetwork.type
-
クラスターネットワークプラグイン。
OVNKubernetes
は、インストール時にサポートされる唯一のプラグインです。
defaultNetwork
オブジェクトのフィールドを cluster
という名前の CNO オブジェクトに設定することにより、クラスターのクラスターネットワークプラグイン設定を指定できます。
3.3.8.1. Cluster Network Operator 設定オブジェクト リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
Cluster Network Operator (CNO) のフィールドは以下の表で説明されています。
フィールド | 型 | 説明 |
---|---|---|
|
|
CNO オブジェクトの名前。この名前は常に |
|
| Pod IP アドレスの割り当て、サブネット接頭辞の長さのクラスター内の個別ノードへの割り当てに使用される IP アドレスのブロックを指定するリストです。以下に例を示します。 |
|
| サービスの IP アドレスのブロック。OVN-Kubernetes ネットワークプラグインは、サービスネットワークに対して単一の IP アドレスブロックのみをサポートします。以下に例を示します。 spec: serviceNetwork: - 172.30.0.0/14
マニフェストを作成する前に、このフィールドを |
|
| クラスターネットワークのネットワークプラグインを設定します。 |
|
|
この設定により、動的ルーティングプロバイダーが有効になります。ルートアドバタイズ機能には、FRR ルーティング機能プロバイダーが必要です。サポートされている値は
spec: additionalRoutingCapabilities: providers: - FRR
|
|
| このオブジェクトのフィールドは、kube-proxy 設定を指定します。OVN-Kubernetes クラスターネットワークプラグインを使用している場合、kube-proxy 設定は機能しません。 |
複数のネットワークにオブジェクトをデプロイする必要があるクラスターの場合は、install-config.yaml
ファイルで定義されている各ネットワークタイプの clusterNetwork.hostPrefix
パラメーターに、必ず同じ値を指定してください。clusterNetwork.hostPrefix
パラメーターにそれぞれ異なる値を設定すると、OVN-Kubernetes ネットワークプラグインに影響が及び、異なるノード間のオブジェクトトラフィックをプラグインが効果的にルーティングできなくなる可能性があります。
3.3.8.1.1. defaultNetwork オブジェクト設定 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
defaultNetwork
オブジェクトの値は、以下の表で定義されます。
フィールド | 型 | 説明 |
---|---|---|
|
|
注記 OpenShift Container Platform は、デフォルトで OVN-Kubernetes ネットワークプラグインを使用します。 |
|
| このオブジェクトは、OVN-Kubernetes ネットワークプラグインに対してのみ有効です。 |
3.3.8.1.1.1. OVN-Kubernetes ネットワークプラグインの設定 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
次の表では、OVN-Kubernetes ネットワークプラグインの設定フィールドを説明します。
フィールド | 型 | 説明 |
---|---|---|
|
| Geneve (Generic Network Virtualization Encapsulation) オーバーレイネットワークの MTU (maximum transmission unit)。これは、プライマリーネットワークインターフェイスの MTU に基づいて自動的に検出されます。通常、検出された MTU を上書きする必要はありません。 自動検出した値が予想される値ではない場合は、ノード上のプライマリーネットワークインターフェイスの MTU が正しいことを確認します。このオプションを使用して、ノード上のプライマリーネットワークインターフェイスの MTU 値を変更することはできません。
クラスターで異なるノードに異なる MTU 値が必要な場合、この値をクラスター内の最小の MTU 値よりも |
|
|
すべての Geneve パケットに使用するポート。デフォルト値は |
|
| IPsec 設定をカスタマイズするための設定オブジェクトを指定します。 |
|
| IPv4 設定の設定オブジェクトを指定します。 |
|
| IPv6 設定の設定オブジェクトを指定します。 |
|
| ネットワークポリシー監査ロギングをカスタマイズする設定オブジェクトを指定します。指定されていない場合は、デフォルトの監査ログ設定が使用されます。 |
|
|
クラスターネットワークルートをアドバタイズするかどうかを指定します。デフォルト値は、
|
|
|
オプション: Egress トラフィックのノードゲートウェイへの送信方法をカスタマイズするための設定オブジェクトを指定します。有効な値は 注記 Egress トラフィックの移行中は、Cluster Network Operator (CNO) が変更を正常にロールアウトするまで、ワークロードとサービストラフィックに多少の中断が発生することが予想されます。 |
フィールド | 型 | 説明 |
---|---|---|
| string |
既存のネットワークインフラストラクチャーが
デフォルト値は |
| string |
既存のネットワークインフラストラクチャーが
デフォルト値は |
フィールド | 型 | 説明 |
---|---|---|
| string |
既存のネットワークインフラストラクチャーが
デフォルト値は |
| string |
既存のネットワークインフラストラクチャーが
デフォルト値は |
フィールド | 型 | 説明 |
---|---|---|
| integer |
ノードごとに毎秒生成されるメッセージの最大数。デフォルト値は、1 秒あたり |
| integer |
監査ログの最大サイズ (バイト単位)。デフォルト値は |
| integer | 保持されるログファイルの最大数。 |
| string | 以下の追加の監査ログターゲットのいずれかになります。
|
| string |
RFC5424 で定義される |
フィールド | 型 | 説明 |
---|---|---|
|
|
Pod からホストネットワークスタックへの Egress トラフィックを送信するには、このフィールドを
このフィールドで、Open vSwitch ハードウェアオフロード機能との対話が可能になりました。このフィールドを |
|
|
注記
デフォルト値の |
|
| オプション: IPv4 アドレスのホストからサービスへのトラフィック用の内部 OVN-Kubernetes マスカレードアドレスを設定するオブジェクトを指定します。 |
|
| オプション: IPv6 アドレスのホストからサービスへのトラフィックの内部 OVN-Kubernetes マスカレードアドレスを設定するオブジェクトを指定します。 |
フィールド | 型 | 説明 |
---|---|---|
|
|
ホストからサービスへのトラフィックを有効にするために内部的に使用されるマスカレード IPv4 アドレス。ホストは、これらの IP アドレスと共有ゲートウェイブリッジインターフェイスを使用して設定されます。デフォルト値は 重要
OpenShift Container Platform 4.17 以降のバージョンでは、クラスターはデフォルトのマスカレードサブネットとして |
フィールド | 型 | 説明 |
---|---|---|
|
|
ホストからサービスへのトラフィックを有効にするために内部的に使用されるマスカレード IPv6 アドレス。ホストは、これらの IP アドレスと共有ゲートウェイブリッジインターフェイスを使用して設定されます。デフォルト値は 重要
OpenShift Container Platform 4.17 以降のバージョンでは、クラスターはデフォルトのマスカレードサブネットとして |
フィールド | 型 | 説明 |
---|---|---|
|
| IPsec 実装の動作を指定します。次の値のいずれかである必要があります。
|
IPSec が有効な OVN-Kubernetes 設定の例
3.3.9. OVN-Kubernetes を使用したハイブリッドネットワークの設定 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
OVN-Kubernetes ネットワークプラグインを使用してハイブリッドネットワークを使用するようにクラスターを設定できます。これにより、異なるノードのネットワーク設定をサポートするハイブリッドクラスターが可能になります。
この設定は、同じクラスター内で Linux ノードと Windows ノードの両方を実行するために必要です。
前提条件
-
install-config.yaml
ファイルでnetworking.networkType
パラメーターのOVNKubernetes
を定義していること。詳細は、選択したクラウドプロバイダーでの OpenShift Container Platform ネットワークのカスタマイズの設定に関するインストールドキュメントを参照してください。
手順
インストールプログラムが含まれるディレクトリーに切り替え、マニフェストを作成します。
./openshift-install create manifests --dir <installation_directory>
$ ./openshift-install create manifests --dir <installation_directory>
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow ここでは、以下のようになります。
<installation_directory>
-
クラスターの
install-config.yaml
ファイルが含まれるディレクトリーの名前を指定します。
cluster-network-03-config.yml
という名前の、高度なネットワーク設定用のスタブマニフェストファイルを<installation_directory>/manifests/
ディレクトリーに作成します。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow ここでは、以下のようになります。
<installation_directory>
-
クラスターの
manifests/
ディレクトリーが含まれるディレクトリー名を指定します。
cluster-network-03-config.yml
ファイルをエディターで開き、次の例のようにハイブリッドネットワークを使用して OVN-Kubernetes を設定します。ハイブリッドネットワーク設定の指定
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow - 1
- 追加のオーバーレイネットワーク上のノードに使用される CIDR 設定を指定します。
hybridClusterNetwork
CIDR はclusterNetwork
CIDR と重複できません。 - 2
- 追加のオーバーレイネットワークのカスタム VXLAN ポートを指定します。これは、vSphere にインストールされたクラスターで Windows ノードを実行するために必要であり、その他のクラウドプロバイダー用に設定することはできません。カスタムポートには、デフォルトの
4789
ポートを除くいずれかのオープンポートを使用できます。この要件の詳細は、Microsoft ドキュメントの Pod-to-pod connectivity between hosts is broken を参照してください。注記Windows Server Long-Term Servicing Channel (LTSC): Windows Server 2019 は、カスタムの VXLAN ポートの選択をサポートしないため、カスタムの
hybridOverlayVXLANPort
値を持つクラスターではサポートされません。
-
cluster-network-03-config.yml
ファイルを保存し、テキストエディターを終了します。 -
オプション:
manifests/cluster-network-03-config.yml
ファイルをバックアップします。インストールプログラムは、クラスターの作成時にmanifests/
ディレクトリーを削除します。
同じクラスターで Linux ノードと Windows ノードを使用する方法の詳細は、Windows コンテナーワークロードについて を参照してください。
3.3.10. クラスターのデプロイ リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
互換性のあるクラウドプラットフォームに OpenShift Container Platform をインストールできます。
インストールプログラムの create cluster
コマンドは、初期インストール時に 1 回だけ実行できます。
前提条件
- クラスターをホストするクラウドプラットフォームでアカウントを設定しました。
- OpenShift Container Platform インストールプログラムおよびクラスターのプルシークレットがある。
- ホスト上のクラウドプロバイダーアカウントに、クラスターをデプロイするための適切な権限があることを確認している。アカウントの権限が正しくないと、インストールプロセスが失敗し、不足している権限を示すエラーメッセージが表示されます。
手順
インストールプログラムが格納されているディレクトリーで、次のコマンドを実行して、クラスターのデプロイメントを初期化します。
./openshift-install create cluster --dir <installation_directory> \ --log-level=info
$ ./openshift-install create cluster --dir <installation_directory> \
1 --log-level=info
2 Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
検証
クラスターのデプロイが正常に完了すると、次のようになります。
-
ターミナルには、Web コンソールへのリンクや
kubeadmin
ユーザーの認証情報など、クラスターにアクセスするための指示が表示されます。 -
認証情報は
<installation_directory>/.openshift_install.log
にも出力されます。
インストールプログラム、またはインストールプログラムが作成するファイルを削除することはできません。これらはいずれもクラスターを削除するために必要になります。
出力例
-
インストールプログラムが生成する Ignition 設定ファイルには、24 時間が経過すると期限切れになり、その後に更新される証明書が含まれます。証明書を更新する前にクラスターが停止し、24 時間経過した後にクラスターを再起動すると、クラスターは期限切れの証明書を自動的に復元します。例外として、kubelet 証明書を回復するために保留状態の
node-bootstrapper
証明書署名要求 (CSR) を手動で承認する必要があります。詳細は、コントロールプレーン証明書の期限切れの状態からのリカバリー に関するドキュメントを参照してください。 - 24 時間証明書はクラスターのインストール後 16 時間から 22 時間にローテーションするため、Ignition 設定ファイルは、生成後 12 時間以内に使用することを推奨します。12 時間以内に Ignition 設定ファイルを使用することにより、インストール中に証明書の更新が実行された場合のインストールの失敗を回避できます。
3.3.11. CLI の使用によるクラスターへのログイン リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
クラスター kubeconfig
ファイルをエクスポートし、デフォルトシステムユーザーとしてクラスターにログインできます。kubeconfig
ファイルには、クライアントを正しいクラスターおよび API サーバーに接続するために CLI で使用されるクラスターに関する情報が含まれます。このファイルはクラスターに固有のファイルであり、OpenShift Container Platform のインストール時に作成されます。
前提条件
- OpenShift Container Platform クラスターをデプロイしていること。
-
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。
手順
次のコマンドを実行して、
kubeadmin
認証情報をエクスポートします。export KUBECONFIG=<installation_directory>/auth/kubeconfig
$ export KUBECONFIG=<installation_directory>/auth/kubeconfig
1 Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow - 1
<installation_directory>
には、インストールファイルを保存したディレクトリーへのパスを指定します。
次のコマンドを実行し、エクスポートされた設定を使用して
oc
コマンドを正常に実行できることを確認します。oc whoami
$ oc whoami
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 出力例
system:admin
system:admin
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
3.3.12. Web コンソールを使用したクラスターへのログイン リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
kubeadmin
ユーザーは、OpenShift Container Platform のインストール後はデフォルトで存在します。OpenShift Container Platform Web コンソールを使用し、kubeadmin
ユーザーとしてクラスターにログインできます。
前提条件
- インストールホストにアクセスできる。
- クラスターのインストールを完了しており、すべてのクラスター Operator が利用可能である。
手順
インストールホストで
kubeadmin-password
ファイルからkubeadmin
ユーザーのパスワードを取得します。cat <installation_directory>/auth/kubeadmin-password
$ cat <installation_directory>/auth/kubeadmin-password
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 注記または、インストールホストで
<installation_directory>/.openshift_install.log
ログファイルからkubeadmin
パスワードを取得できます。OpenShift Container Platform Web コンソールルートをリスト表示します。
oc get routes -n openshift-console | grep 'console-openshift'
$ oc get routes -n openshift-console | grep 'console-openshift'
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 注記または、インストールホストで
<installation_directory>/.openshift_install.log
ログファイルからで OpenShift Container Platform ルートを取得できます。出力例
console console-openshift-console.apps.<cluster_name>.<base_domain> console https reencrypt/Redirect None
console console-openshift-console.apps.<cluster_name>.<base_domain> console https reencrypt/Redirect None
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow -
Web ブラウザーで前述のコマンドの出力で詳細に説明されたルートに移動し、
kubeadmin
ユーザーとしてログインします。