1.2. ネットワーク接続時のオンラインインストール
Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes は、Red Hat Advanced Cluster Management ハブクラスター周りのコンポーネントのインストール、アップグレード、削除を管理する Operator Lifecycle Manager を通じてインストールします。Red Hat Advanced Cluster Management は multicluster engine Operator に依存し、これを使用するため、インストール中に MultiClusterHub
リソースを作成すると、Red Hat Advanced Cluster Management Operator は multicluster engine Operator を自動的にインストールし、MultiClusterEngine
リソースを作成します。
Red Hat Advanced Cluster Management をインストールするには、サポートされているバージョンの OpenShift Container Platform が必要です。
必要なアクセス権限: クラスターの管理者
OpenShift Container Platform Dedicated 環境に必要なアクセス: cluster-admin
パーミッションが必要です。デフォルトで、dedicated-admin
ロールには OpenShift Container Platform Dedicated 環境で namespace を作成するために必要な権限がありません。
注記:
- デフォルトでは、ハブクラスターコンポーネントは追加設定なしで OpenShift Container Platform クラスターのワーカーノードにインストールされます。OpenShift Container Platform OperatorHub Web コンソールインターフェイスを使用するか、OpenShift Container Platform CLI を使用してハブクラスターをワーカーノードにインストールできます。
- OpenShift Container Platform クラスターをインフラストラクチャーノードで設定している場合は、追加のリソースパラメーターを使用して、OpenShift Container Platform CLI を使用してハブクラスターをそれらのインフラストラクチャーノードにインストールできます。詳細は、インフラストラクチャーノードへの Red Hat Advanced Cluster Management ハブクラスターのインストール セクションを参照してください。
- OpenShift Container Platform または Red Hat Advanced Cluster Management クラスターではない Kubernetes クラスターをインポートする予定がある場合は、イメージプルシークレットを設定する必要があります。
- クラスターに Red Hat Advanced Cluster Management をインストールし、その後アンインストールしたことがある場合は、クリーンアップ手順に従ってアーティファクトを削除する必要があります。再インストールする前にアーティファクトをクリーンアップする を参照して、手順に従ってください。
詳細設定の設定方法は、このドキュメントの MultiClusterHub の詳細設定セクション のオプションを参照してください。
1.2.1. 前提条件
Red Hat Advanced Cluster Management をインストールする前に、以下の要件を満たす必要があります。
- Red Hat OpenShift Container Platform クラスターは、OpenShift Container Platform コンソールから OperatorHub カタログの Red Hat Advanced Cluster Management Operator にアクセスできる。
- catalog.redhat.com へのアクセスがある。
- サポートされている OpenShift Container Platform と OpenShift Container Platform CLI が必要です。OpenShift Container Platform のインストール を参照してください。
-
OpenShift Container Platform のコマンドラインインターフェイス (CLI) は、
oc
コマンドを実行できるように設定している。OpenShift Container Platform CLI のインストールおよび設定の詳細は、CLI の使用方法 を参照してください。 - namespace の作成が可能な OpenShift Container Platform のパーミッションを設定している。namespace がない場合、インストールは失敗します。
- operator の依存関係にアクセスするには、インターネット接続が必要。
OpenShift Container Platform Dedicated 環境にインストールするには、以下の要件を参照してください。
- OpenShift Container Platform Dedicated 環境が設定され、実行している。
-
ハブクラスターのインストール先の OpenShift Container Platform Dedicated 環境での
cluster-admin
がある。 -
インポートするには、2.12 用の klusterlet Operator の
stable-2.0
チャネルを使用する必要があります。
1.2.2. OpenShift Container Platform インストールの確認
Red Hat Advanced Cluster Management ハブクラスターが OpenShift Container Platform クラスターにインストールされていないことを確認します。ハブクラスターを複数持つことはできません。
各 OpenShift Container Platform クラスターには、Red Hat Advanced Cluster Management ハブクラスターを 1 つだけインストールできます。Red Hat Advanced Cluster Management ハブクラスターがインストールされていない場合は、以下の手順に進みます。
OpenShift Container Platform クラスターが正しく設定されていることを確認するには、以下のコマンドを使用して OpenShift Container Platform Web コンソールにアクセスします。
oc -n openshift-console get route
以下の出力例を参照してください。
openshift-console console console-openshift-console.apps.new-coral.purple-chesterfield.com console https reencrypt/Redirect None
-
ブラウザーで URL を開き、結果を確認します。コンソール URL の表示が
console-openshift-console.router.default.svc.cluster.local
の場合は、OpenShift Container Platform のインストール時にopenshift_master_default_subdomain
を設定します。https://console-openshift-console.apps.new-coral.purple-chesterfield.com
の例を参照してください。
コンソールまたは CLI から、Red Hat Advanced Cluster Management のインストールに進みます。
注記: インフラストラクチャーノードに Red Hat Advanced Cluster Management ハブクラスターをインストールする場合は、この手順の インフラストラクチャーノードに Red Hat Advanced Cluster Management ハブクラスターをインストールする セクションを参照してください。
1.2.3. OperatorHub Web コンソールインターフェイスからのインストール
ベストプラクティス: コンソールの Administrator ビューから、OpenShift Container Platform に付属する OperatorHub Web コンソールインターフェイスをインストールします。
- Operators > OperatorHub を選択して利用可能な Operator のリストにアクセスし、Advanced Cluster Management for Kubernetes Operator を選択します。
Operator サブスクリプション ページで、インストールのオプションを選択します。
- チャネル
- インストールするリリースに対応するチャネルを選択します。チャネルを選択すると、指定のリリースがインストールされ、そのリリース内の今後のエラータ更新が取得されます。
- namespace 情報
Red Hat Advanced Cluster Management ハブクラスターは、独自の namespace またはプロジェクトにインストールする必要があります。
-
デフォルトでは、OperatorHub コンソールのインストールプロセスで
open-cluster-management
という名前の namespace が作成されます。ベストプラクティス: 利用可能な場合はopen-cluster-management
namespace を使用してください。 -
open-cluster-management
という名前の namespace がすでにある場合は、別の namespace を選択します。
-
デフォルトでは、OperatorHub コンソールのインストールプロセスで
- 更新の承認ストラテジー
承認ストラテジーは、サブスクライブ先のチャネルまたはリリースに更新を適用するために必要な人的介入を指定します。
- Automatic を選択して、そのリリース内の更新が自動的に適用されるようにします。
Manual を選択して、更新が利用可能になると通知を受け取ります。更新がいつ適用されるかについて懸念がある場合は、これがベストプラクティスになる可能性があります。
重要: 次のマイナーリリースにアップグレードするには、OperatorHub ページに戻り、より新しいリリースの新規チャネルを選択する必要があります。
- Install を選択して変更を適用し、Operator を作成します。
MultiClusterHub のカスタムリソースを作成します。
- OpenShift Container Platform コンソールのナビゲーションで Installed Operators > Advanced Cluster Management for Kubernetes を選択します。
- MultiClusterHub タブを選択します。
- Create MultiClusterHub を選択します。
- YAML ファイルのデフォルト値を更新します。このドキュメントの MultiClusterHub の詳細設定 のオプションを参照してください。
MultiClusterHub タブをクリックすると、Operator がリストされているリソースのリストが表示されます。
次の例は、YAML ビューからのデフォルトテンプレートを示しています。
namespace
がお使いのプロジェクトの namespace であることを確認します。サンプルを参照してください。apiVersion: operator.open-cluster-management.io/v1 kind: MultiClusterHub metadata: name: multiclusterhub namespace: <namespace>
Create を選択して、カスタムリソースを初期化します。Red Hat Advanced Cluster Management ハブクラスターがコンポーネントをビルドしてデプロイするまでに、最長で 10 分程度かかる場合があります。
Red Hat Advanced Cluster Management ハブクラスターが作成されると、Red Hat Advanced Cluster Management Operator の詳細の MultiClusterHub タブから
MultiClusterHub
リソースのステータスが Running と表示されます。
コンソールにアクセスするには、関連情報 の コンソールへのアクセス トピックを参照してください。
1.2.4. OpenShift Container Platform CLI からのインストール
Operator とオブジェクトをインストールします。以下の手順を実行します。
Operator 要件を満たした Red Hat Advanced Cluster Management ハブクラスター namespace を作成します。以下のコマンドを実行して、
namespace
はお使いの Red Hat Advanced Cluster Management ハブクラスターの namespace 名になります。namespace
の値は、OpenShift Container Platform 環境では プロジェクト と呼ばれる場合があります。oc create namespace <namespace>
プロジェクトの namespace を、作成した namespace に切り替えます。
namespace
は、手順 1 で作成した Red Hat Advanced Cluster Management ハブクラスター namespace 名に置き換えます。oc project <namespace>
OperatorGroup
リソースを設定するために YAML ファイルを作成します。namespace ごとに割り当てることができる Operator グループは 1 つだけです。apiVersion: operators.coreos.com/v1 kind: OperatorGroup metadata: name: <default> 1 namespace: <namespace> 2 spec: targetNamespaces: - <namespace>
以下のコマンドを実行して
OperatorGroup
リソースを作成します。operator-group
は、作成した operator グループの YAML ファイル名に置き換えます。oc apply -f <path-to-file>/<operator-group>.yaml
インストールするバージョンを選択するために、OpenShift Container Platform サブスクリプションを設定する YAML ファイルを作成します。ファイルは次の例のようになります。この場合の
release-<2.x>
は、選択したリリースに置き換えます。apiVersion: operators.coreos.com/v1alpha1 kind: Subscription metadata: name: acm-operator-subscription spec: sourceNamespace: openshift-marketplace source: redhat-operators channel: release-<2.x> installPlanApproval: Automatic name: advanced-cluster-management
次のコマンドを実行してファイルを適用し、OpenShift Container Platform サブスクリプションを作成します。
subscription
は、作成したサブスクリプションファイル名に置き換えます。oc apply -f <path-to-file>/<subscription>.yaml
YAML ファイルを作成して
MultiClusterHub
カスタムリソースを設定します。デフォルトのテンプレートは、以下の例のようになります。namespace
は、プロジェクトの namespace に置き換えます。apiVersion: operator.open-cluster-management.io/v1 kind: MultiClusterHub metadata: name: multiclusterhub namespace: <namespace> spec: {}
次のコマンドを実行してファイルを適用し、
MultiClusterHub
カスタムリソースを作成します。custom-resource
は、カスタムリソースファイル名に置き換えます。oc apply -f <path-to-file>/<custom-resource>.yaml
次のエラーが表示された場合、リソースプロセスはまだ実行されています。リソースが作成されたら、数分後に
oc apply
コマンドを再度実行します。error: unable to recognize "./mch.yaml": no matches for kind "MultiClusterHub" in version "operator.open-cluster-management.io/v1"
以下のコマンドを実行してカスタムリソースを編集します。
MultiClusterHub
カスタムリソースのステータスがRunning
と表示されるまで、最大 10 分かかる場合があります。oc get mch -o yaml
注記:
-
ClusterRoleBinding
が指定されたServiceAccount
には、Red Hat Advanced Cluster Management がインストールされている namespace にアクセス権があるユーザー認証情報、および Red Hat Advanced Cluster Management に対して、クラスター管理者権限が割り当てられます。 -
local-cluster
と呼ばれる namespace は、セルフマネージドの Red Hat Advanced Cluster Management ハブクラスター用に予約されています。これ以外のlocal-cluster
namespace は製品内に存在しません。 -
重要: セキュリティー上の理由から、
cluster-administrator
以外のユーザーにlocal-cluster
namaespace へのアクセス権を許可しないでください。
承認された管理コンポーネントを実行するインフラストラクチャーノードを含むように OpenShift Container Platform クラスターを設定できるようになりました。インフラストラクチャーノードでコンポーネントを実行すると、それらの管理コンポーネントを実行しているノードの OpenShift Container Platform サブスクリプションクォータの割り当てる必要がなくなります。その手順は、Red Hat Advanced Cluster Management のインフラストラクチャーノードの設定 を参照してください。
サイズ設定、スケーリング、高度な設定について確認してください。