第2章 Red Hat Ansible Automation Platform 2.6 へのアップグレード
Red Hat Ansible Automation Platform をアップグレードするには、アップグレードを正常に実行するために、最初に アップグレードの計画 を確認してください。次に、必要なバージョンの Ansible Automation Platform インストーラーをダウンロードし、環境を反映するようにインストールバンドル内のインベントリーファイルを設定してから、インストーラーを実行できます。
Ansible Automation Platform 2.6 では、Automation Controller の API は下位互換性を確保するために残されていますが、新しいインストールでは、組織、チーム、およびユーザーの管理にプラットフォームゲートウェイ API を使用する必要があります。レガシー API を使用すると、Event-Driven Ansible controller を含むすべてのコンポーネントに変更が同期されるまでに最大 15 分の遅延が発生します。
2.1. アップグレードの前提条件 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
アップグレードプロセスを開始する前に、以下の考慮事項を確認して、Ansible Automation Platform デプロイメントを計画し、準備してください。
2.1.1. Ansible Automation Platform の要件 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
- 以前のバージョンの Ansible Automation Platform からアップグレードする前に、有効なサブスクリプションがあることを確認してください。既存のサブスクリプションは、アップグレードプロセス中に引き継がれます。
アップグレードの計画 を確認して、アップグレードの要件とシナリオおよび、RPM トポロジーとインフラストラクチャーの テスト済みのデプロイメントモデル を学習します。
- Ansible Automation Platform 2.4 から 2.6 にアップグレードする前に、自動化コントローラー環境内の既存のすべての SAML オーセンティケーターを検査します。SAML 設定の暗号化された秘密鍵は、Ansible Automation Platform 2.6 ではサポートされていません。詳細は、アップグレードの計画 ガイドの 認証タイプ: SAML セクションを参照してください。
- 2.6 にアップグレードする前に、Ansible Automation Platform 2.4 または 2.5 を使用していることを確認してください。Ansible Automation Platform 2.4 または 2.5 から 2.6 にのみアップグレードできます。
Red Hat Ansible Automation Platform 2.6 にアップグレードする前に、Ansible Automation Platform 2.4 または 2.5 の最新バージョンにアップグレードしてください。
重要- Ansible Automation Platform 2.4 から 2.6 にアップグレードした場合は、Automation Controller、Automation Hub、および Event-Driven Ansible Controller の API エンドポイントをすべて使用できます。これらの API は非推奨になり、今後のリリースで無効になる予定です。現在の猶予期間は、プラットフォームゲートウェイとともに導入された新しい API への移行を可能にするためのものです。
- Ansible Automation Platform 2.4 から 2.5 にアップグレードした場合は、従来のオーセンティケーター機能が削除されているため、2.6 にアップグレードする前に認証方法とユーザーを移行する必要があります。ユーザーの移行は、RPM 2.5 のアップグレードおよび移行ガイド の シングルサインオン (SSO) ユーザーの移行 を参照してください。
- 問題が発生した場合に備えて、アップグレードする前に Ansible Automation Platform 環境をバックアップしてください。環境の特定のトポロジーについては、Ansible Automation Platform インスタンスのバックアップ および オペレーター環境のバックアップとリカバリー を参照してください。
- アップグレードする前に、インベントリーまたはインスタンスグループの詳細をキャプチャーします。
プラットフォームゲートウェイの要件を確認します。
- Ansible Automation Platform 2.4 から 2.6 へのアップグレードには プラットフォームゲートウェイ が含まれます。2.6 の ネットワークポートとプロトコル でアーキテクチャーの変更点を必ず確認してください。
- プラットフォームゲートウェイには、関連付けられたインベントリーファイル変数が多数あり、その一部は必須です。2.6 の新規および変更された変数の詳細は、付録 A. インベントリーファイル変数 を参照してください。
Ansible Automation Platform 2.4 から 2.6 にアップグレードする場合、ロードバランサーの後で Automation Controller を使用していると、プラットフォームゲートウェイ UI でプラットフォームゲートウェイ URL への接続が失敗する可能性があります。エラーメッセージ
Error connecting to Controller APIが表示されます。この問題を解決するには、各 Automation Controller ホストの settings.py ファイルで、
CSRF_TRUSTED_ORIGIN設定にプラットフォームゲートウェイ URL を信頼済みソースとして追加します。その後、URL の変更が実装されるように、各 Automation Controller ホストを再起動する必要があります。詳細は、Ansible Automation Platform のトラブルシューティング の アップグレード を参照してください。
Ansible Automation Platform によって提供される、スタンドアロントポロジーとクラスタートポロジーの 集中型の Redis インスタンスを確認してください。
- Ansible Automation Platform 2.6 は、スタンドアロン トポロジーと クラスター トポロジーの両方で、集中型の Redis インスタンスを提供します。Redis の設定方法は、「RPM インストール」ガイドの Redis の設定 を参照してください。
- Redis の高可用性 (HA) 互換デプロイメントには、6 台の仮想マシンが必要です。Redis は、Automation Controller、実行ノード、または PostgreSQL データベースを除く各 Ansible Automation Platform コンポーネントの仮想マシンと同じ場所に配置できます。
- 外部 Redis は、Ansible Automation Platform の RPM ベースのデプロイメントではサポートされていません。
制限:
- Event-Driven Ansible 2.5 から 2.6 へのアップグレードはサポートされていますが、Event-Driven Ansible 2.4 から 2.6 へのアップグレードはサポートされていません。Event-Driven Ansible 2.4 と Event-Driven Ansible 2.6 間のデータベース移行には互換性がありません。Ansible Automation Platform 2.4 から 2.6 にアップグレードしていて、Event-Driven Ansible をデプロイしている場合は、まず Event-Driven Ansible 2.4 データベースを削除してから、プラットフォームを 2.6 にアップグレードする必要があります。手順の詳細は、Event-Driven Ansible 2.4 データベースの削除 を参照してください。
2.1.2. システム要件 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
| タイプ | 説明 | 注記 |
|---|---|---|
| サブスクリプション | 有効な Red Hat Ansible Automation Platform サブスクリプション | |
| オペレーティングシステム | Red Hat Enterprise Linux 9.4 またはそれ以降の Red Hat Enterprise Linux 9 のマイナーバージョン | Red Hat Ansible Automation Platform は OpenShift でもサポートされています。詳細は、OpenShift Container Platform へのインストール を参照してください。 |
| CPU アーキテクチャー | x86_64、AArch64、s390x (IBM Z)、ppc64le (IBM Power) | |
| Ansible-core | Ansible-core バージョン 2.16 以降 | Ansible Automation Platform は、プラットフォームのインストールには、システム全体の ansible-core パッケージを使用しますが、コントロールプレーンと組み込み実行環境には、ansible-core 2.16 を使用します。 |
| ブラウザー | 現在サポートされている Mozilla Firefox または Google Chrome のバージョン。 | |
| データベース |
|
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2.1.3. データベース要件 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
Ansible Automation Platform は、次の 2 種類のデータベースに対応しています。
- Ansible Automation Platform でインストールされたデータベース - このデータベースは、Red Hat が提供する PostgreSQL パッケージを使用して Ansible Automation Platform インストール中に行われた PostgreSQL インストールで構成されます。
- お客様が用意または設定したデータベース - これは、ベアメタル、仮想マシン、コンテナー、またはクラウドホストサービス上の、お客様が用意する外部データベースです。Ansible Automation Platform では、お客様が用意する (外部) データベースが ICU をサポートしている必要があります。
- PostgreSQL ユーザーパスワードは、データベースに保存する前に SCRAM-SHA-256 のセキュアハッシュアルゴリズムでハッシュ化されます。
- 問題が発生した場合に備えて、アップグレードする前に Ansible Automation Platform 環境を必ずバックアップしてください。環境の特定のトポロジーは、バックアップおよび復元 および Operator 環境のバックアップとリカバリー を参照してください。
2.1.4. ユーザー特権 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
Red Hat Enterprise Linux ホストに専用の非 root ユーザーが設定されていることを確認します。
- このユーザーには、インストール中に管理タスクを実行するために、sudo または Ansible でサポートされているその他の特権昇格 (sudo を推奨) がある。
- このユーザーが RPM Ansible Automation Platform のインストールを行う。
- sudo コマンドまたは権限昇格により、root アクセスを取得できる。root から、AWX、PostgreSQL、Event-Driven Ansible、Pulp などのユーザーへ権限を降格できる。
- 各ノードに NTP クライアントが設定されている。