第1章 Cryostat の概要
Cryostat は、JDK Flight Recorder (JFR) をベースとするコンテナーネイティブ Java アプリケーションで、Red Hat OpenShift クラスターで実行されるコンテナー化されたワークロードの Java 仮想マシン (JVM) パフォーマンスを監視できます。
コンテナー化された Java アプリケーションをホストする Red Hat OpenShift プロジェクトのコンテナーに Cryostat をデプロイできます。また、コンテナー化されたワークロードの実行に使用する JVM インスタンスに対応する JVM ターゲットを作成できます。さらに、Cryostat を JVM ターゲットに接続して、各 JVM ターゲットのヒープおよびヒープ以外のメモリー使用量、スレッド数、ガベージコレクション、およびその他のパフォーマンスメトリクスに関するデータを記録および分析できます。
Cryostat に含まれる機能を使用すると、JVM パフォーマンスのリアルタイムでの監視、JDK Flight Recorder (JFR) のレコーディングとスナップショットのキャプチャー、Automated Analysis レポートの生成、Grafana ダッシュボードを使用したレコーディング済みパフォーマンスデータの可視化、ヒープダンプ、スレッドダンプ、ガベージコレクションなどの JVM 独自のプロファイリングおよびメモリー管理ツールを使用したターゲット JVM での診断操作の実行が可能となります。
Cryostat Web コンソールおよび HTTP API は、外部モニタリングアプリケーションを使用せずにコンテナー内の JVM パフォーマンスデータを分析する方法を提供します。ただし、クラスター環境外にあるデータのより深い分析を行う必要がある場合は、Cryostat からのレコーディングを JDK Mission Control (JMC) の外部インスタンスにエクスポートすることもできます。
Cryostat は、OpenShift Container Platform の標準機能としてロールベースのアクセス制御 (RBAC) をサポートします。
Operator Lifecycle Manager (OLM) を使用して、Red Hat OpenShift プロジェクト内に Cryostat をインストールできます。
Red Hat Ecosystem Catalog から最新の Cryostat コンポーネントイメージをダウンロードすることもできます。Red Hat Ecosystem Catalog には、Cryostat 用の次のコンテナーイメージが存在します。
- Cryostat
- Red Hat build of Cryostat Operator
- Red Hat build of Cryostat Operator Bundle
- Cryostat Agent Init
- Cryostat Console Plugin
- Cryostat Database
- Cryostat Grafana Dashboard
- Cryostat OpenShift OAuth Proxy
- Cryostat Reports
- Cryostat Storage
- JFR data source