第3章 新機能
本セクションでは、Red Hat Ceph Storage の本リリースで導入された主要な更新、機能拡張、新機能の一覧を紹介します。
本リリースで追加された主な機能は以下のとおりです。
3.1. ceph-ansible
ユーティリティー
ceph-disk
で作成された Ceph OSD は、アップグレード時に ceph-volume
に移行されます。
Red Hat Ceph Storage 4 にアップグレードする場合には、本リリースで ceph-disk
が非推奨となっているため、ceph-disk
ユーティリティーにより以前に作成したすべての Ceph OSD が ceph-volume
ユーティリティーに移行されます。
Red Hat Ceph Storage のベアメタルおよびコンテナーデプロイメントの場合、ceph-volume
ユーティリティーは単純なスキャンを行い、ceph-disk
ユーティリティーによってデプロイされた既存の Ceph OSD を引き継ぎます。また、後続のデプロイメントに、これらの移行されたデバイスを設定で使用しないでください。アップグレードプロセス中に新規の Ceph OSD を作成できない点に注意してください。
アップグレード後に、ceph-disk
が作成した Ceph OSD はすべて、ceph-volume
により作成される Ceph OSD と同様に起動し、動作します。
すべての Ceph サービスのスケーリング用の Ansible Playbook
以前のリリースでは、ceph-ansible
Playbook は Monitor や OSD などのコア Ceph 製品に対してのみスケールアップ/スケールダウン機能が限定されていました。今回の更新により、追加の Ansible Playbook により、全 Ceph サービスのスケーリングが可能になりました。
単一パッケージにマージされた Ceph iSCSI パッケージ
ceph-iscsi-cli
パッケージおよび ceph-iscsi-config
パッケージは、ceph-iscsi
という名前の 1 つのパッケージにマージされました。
nfs-ganesha
サービスがスタンドアロンデプロイメントとしてサポートされる
Red Hat Openstack Directory(OSPd)では、ceph-ansible
ユーティリティーで nfs-ganesha
サービスをデプロイし、外部の非管理対象の Ceph クラスターを参照するように設定する必要があります。Red Hat Ceph Storage 4 の時点で、ceph-ansible
では、内部 nfs-ganesha
サービスを外部の Ceph クラスターと共にデプロイできます。
Ceph コンテナーはログをそれぞれのデーモンファイルに書き込めるようになりました。
コンテナー化された Ceph 環境の以前のロギングでは、sosreport
コレクションを使用してログデータを確認する際に journalctl
出力を制限することができませんでした。今回のリリースで、以下のコマンドを使用して、特定の Ceph デーモンのロギングを有効または無効にできるようになりました。
ceph config set daemon.id log_to_file true
daemon は デーモン のタイプで、id は ID です。たとえば、ID が mon0
の Monitor デーモンのロギングを有効にするには、以下を実行します。
ceph config set mon.mon0 log_to_file true
この新機能により、デバッグが容易になります。
TLS 暗号化を使用するように Ceph Object Gateway を設定する機能
Red Hat Ceph Storage の本リリースでは、radosgw_frontend_ssl_certificate
変数を使用して Transmission Control Protocol(TCP)トラフィックを保護することで、TLS 暗号化の SSL 証明書で Ceph Object Gateway リスナーを設定することができます。
OSD を FileStore から BlueStore に移行する Ansible Playbook
OSD を FileStore から BlueStore に移行するための新しい Ansible Playbook が追加されました。オブジェクトストアの移行は、Red Hat Ceph Storage 4 へのアップグレードプロセスの一部として実行されません。アップグレードの完了後に移行を行います。詳細は、『 Red Hat Ceph Storage 管理ガイド』 の「オブジェクトストアを FileStore から BlueStore に移行する方法 」セクションを参照してください。