2.2. パフォーマンスユースケースの特定
Ceph の導入を成功させるための最も重要なステップの 1 つは、クラスターのユースケースとワークロードに適した価格対性能プロファイルを特定することです。ユースケースに適したハードウェアを選択することが重要です。たとえば、コールドストレージアプリケーション用に IOPS が最適化されたハードウェアを選択すると、ハードウェアのコストが必要以上に増加します。一方で、IOPS を多用するワークロードにおいて、より魅力的な価格帯のために容量を最適化したハードウェアを選択すると、パフォーマンスの低下に不満を持つユーザーが出てくる可能性が高くなります。
Ceph の主なユースケースは以下のとおりです。
- 最適化された IOPS: IOPS が最適化されたデプロイメントは、MYSQL や MariaDB インスタンスを OpenStack 上の仮想マシンとして実行するなど、クラウドコンピューティングの操作に適しています。IOPS を最適化するデプロイメントでは、頻度の高い書き込み操作を処理するために、15k RPM SAS ドライブや個別のフラッシュベースの BlueStore メタデータデバイスなどのより高いパフォーマンスストレージが必要です。一部の IOPS のシナリオでは、すべてのフラッシュストレージを使用して IOPS と総スループットが向上します。
- 最適化されたスループット: スループットが最適化されたデプロイメントは、グラフィック、音声、ビデオコンテンツなどの大量のデータを提供するのに適しています。スループット最適化されたデプロイメントには、トータルスループット特性が許容されるネットワーキングハードウェア、コントローラー、ハードディスクドライブが必要です。書き込みパフォーマンスが要件の場合、フラッシュベースの BlueStore メタデータデバイスで書き込みパフォーマンスが大幅に改善します。
- 最適化された容量: 容量が最適化されたデプロイメントは、大量のデータを可能な限り安価に保存するのに適しています。容量が最適化されたデプロイメントは通常、パフォーマンスがより魅力的な価格と引き換えになります。たとえば、容量が最適化されるデプロイメントは、多くの場合、低速かつ高価な SATA ドライブを使用します。
本書は、これらのユースケースに適した Red Hat テスト済みハードウェアの例を提供します。