第3章 イメージのライブマイグレーション


ストレージ管理者は、RBD イメージのライブマイグレーションを、異なるプール間で行うことも、同じストレージクラスター内の同じプールで行うことも可能です。異なるイメージ形式やレイアウトの間や、外部データソースからも移行することができます。ライブマイグレーションが開始されると、ソースイメージは宛先イメージにディープコピーされ、可能な限りデータのスパース割り当てを維持しつつ、すべてのスナップショット履歴をプルします。

重要

現時点では、krbd カーネルモジュールはライブ移行に対応していません。

前提条件

  • 稼働中の Red Hat Ceph Storage クラスターがある。

3.1. ライブマイグレーションプロセス

デフォルトでは、同じストレージクラスターから RBD イメージのライブマイグレーション中には、ソースイメージに読み取り専用のマークが付けられます。すべてのクライアントは、Input/Output (I/O) を新規ターゲットイメージにリダイレクトします。また、このモードは、ソースイメージの親へのリンクを保存してスパース性を保持するか、移行中にイメージをフラット化してソースイメージの親の依存関係を削除することもできます。import-only モードでライブマイグレーションプロセスを使用できます。このモードでは、ソースイメージは変更されません。ターゲットイメージをバックアップファイル、HTTP (s) ファイル、または S3 オブジェクトなどの外部データソースにリンクできます。ライブマイグレーションのコピープロセスは、新規ターゲットイメージの使用中に、バックグラウンドで安全に実行できます。

ライブマイグレーションプロセスは、以下の 3 つのステップで構成されます。

移行の準備: 最初のステップでは、新規ターゲットイメージを作成し、ターゲットイメージをソースイメージにリンクします。import-only モードが設定されていない場合には、ソースイメージはターゲットイメージにもリンクされ、読み取り専用とマークされます。ターゲットイメージ内に初期化されていないデータエクステントの読み取りを試みると、そのソースイメージへの読み込みを内部的にリダイレクトし、ターゲットイメージ内で初期化されていないエクステントへの書き込みが行われ、重複するソースイメージエクステントをターゲットイメージに書き込みます。

Execute Migration: これはバックグラウンドで実行される操作で、ソースイメージからターゲットへの初期化されたすべてのブロックをディープコピーします。クライアントが新規ターゲットイメージをアクティブに使用している場合に、このステップを実行できます。

Finish Migration: バックグラウンドの移行プロセスが完了したら、移行をコミットまたは中止できます。移行をコミットすると、ソースとターゲットイメージ間の相互リンクが削除され、import-only モードで設定されていない場合にはソースイメージが削除されます。移行を中断すると、クロスリンクが削除され、その結果、ターゲットイメージが削除されます。

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