1.3. 非接続環境での Red Hat Ceph Storage クラスターのアップグレード


--image タグを使用すると、非接続環境でストレージクラスターをアップグレードできます。

Red Hat Ceph Storage クラスターをアップグレードするには、ceph orch upgrade コマンドを使用できます。

前提条件

  • 実行中の Red Hat Ceph Storage クラスターの最新バージョン。
  • すべてのノードへの root レベルのアクセス。
  • ストレージクラスター内のすべてのノードへの sudo アクセスおよびパスワードなしの ssh アクセスのある Ansible ユーザー。
  • ストレージクラスターの 2 つ以上の Ceph Manager ノード (アクティブなノード 1 つとスタンバイ 1 つ)。
  • ノードを CDN に登録して、サブスクリプションを割り当てている。
  • 非接続環境でカスタマーコンテナーイメージを確認し、必要に応じて設定を変更している。詳細は、Red Hat Ceph Storage インストールガイド非接続インストールのカスタムコンテナーイメージの設定変更 セクションを参照してください。

デフォルトでは、モニタリングスタックコンポーネントは、プライマリー Ceph イメージに基づいてデプロイされます。ストレージクラスターの切断された環境では、最新の利用可能な監視スタックコンポーネントイメージを使用する必要があります。

表1.1 スタックを監視するためのカスタムイメージの詳細
モニタリングスタックコンポーネントRed Hat Ceph Storage 7.0 のイメージの詳細Red Hat Ceph Storage 7.1 のイメージの詳細

Prometheus

registry.redhat.io/openshift4/ose-prometheus:v4.12

registry.redhat.io/openshift4/ose-prometheus:v4.15

Grafana

registry.redhat.io/rhceph/grafana-rhel9:latest

registry.redhat.io/rhceph/grafana-rhel9:latest

Node-exporter

registry.redhat.io/openshift4/ose-prometheus-node-exporter:v4.12

registry.redhat.io/openshift4/ose-prometheus-node-exporter:v4.15

AlertManager

registry.redhat.io/openshift4/ose-prometheus-alertmanager:v4.12

registry.redhat.io/openshift4/ose-prometheus-alertmanager:v4.15

HAProxy

registry.redhat.io/rhceph/rhceph-haproxy-rhel9:latest

registry.redhat.io/rhceph/rhceph-haproxy-rhel9:latest

keepalived

registry.redhat.io/rhceph/keepalived-rhel9:latest

registry.redhat.io/rhceph/keepalived-rhel9:latest

SNMP ゲートウェイ

registry.redhat.io/rhceph/snmp-notifier-rhel9:latest

registry.redhat.io/rhceph/snmp-notifier-rhel9:latest

Loki

registry.redhat.io/openshift-logging/logging-loki-rhel8:v2.6.1

registry.redhat.io/openshift-logging/logging-loki-rhel8:v2.6.1

Promtail

registry.redhat.io/rhceph/rhceph-promtail-rhel9:v2.4.0

registry.redhat.io/rhceph/rhceph-promtail-rhel9:v2.4.0

サポートされている最新のコンテナーイメージについては Red Hat Ecosystem Catalog を参照してください。

手順

  1. Ansible 管理ノードで Ceph Ansible リポジトリーを有効にします。

    Red Hat Enterprise Linux 9

    subscription-manager repos --enable=rhceph-7-tools-for-rhel-9-x86_64-rpms

  2. cephadm および cephadm-ansible パッケージを更新します。

    [root@admin ~]# dnf update cephadm
    [root@admin ~]# dnf update cephadm-ansible

  3. /usr/share/cephadm-ansible/ ディレクトリーに移動します。

    [root@admin ~]# cd /usr/share/cephadm-ansible

  4. ストレージクラスター内のブートストラップされたホストで、upgrade_ceph_packages パラメーターを true に設定し、ceph_origin パラメーターを custom に設定してプリフライト Playbook を実行します。

    構文

    ansible-playbook -i INVENTORY_FILE cephadm-preflight.yml --extra-vars "ceph_origin=custom upgrade_ceph_packages=true"

    [ceph-admin@admin ~]$ ansible-playbook -i /etc/ansible/hosts cephadm-preflight.yml --extra-vars "ceph_origin=custom upgrade_ceph_packages=true"

    このパッケージは、すべてのノードで cephadm をアップグレードします。

  5. cephadm シェルにログインします。

    [root@node0 ~]# cephadm shell

  6. すべてのホストがオンラインになり、ストレージクラスターが健全であることを確認します。

    [ceph: root@node0 /]# ceph -s

  7. OSD の nooutnoscrub、および nodeep-scrub フラグを設定して、アップグレード中に OSD がマークアウトされないようにし、クラスターへの不要な負荷を回避します。

    [ceph: root@host01 /]# ceph osd set noout
    [ceph: root@host01 /]# ceph osd set noscrub
    [ceph: root@host01 /]# ceph osd set nodeep-scrub

  8. サービスのバージョンと利用可能なターゲットコンテナーを確認します。

    構文

    ceph orch upgrade check IMAGE_NAME

    [ceph: root@node0 /]# ceph orch upgrade check LOCAL_NODE_FQDN:5000/rhceph/rhceph-7-rhel9

  9. ストレージクラスターをアップグレードします。

    構文

    ceph orch upgrade start IMAGE_NAME

    [ceph: root@node0 /]# ceph orch upgrade start LOCAL_NODE_FQDN:5000/rhceph/rhceph-7-rhel9

    アップグレード中は、進捗バーが ceph status 出力に表示されます。

    [ceph: root@node0 /]# ceph status
    [...]
    progress:
        Upgrade to 18.2.0-128.el9cp (1s)
          [............................]

  10. Ceph クラスターの新しい IMAGE_ID および VERSION を確認します。

    [ceph: root@node0 /]# ceph version
    [ceph: root@node0 /]# ceph versions
    [ceph: root@node0 /]# ceph orch ps

  11. アップグレードが完了したら、nooutnoscrub、および nodeep-scrub フラグの設定を解除します。

    [ceph: root@host01 /]# ceph osd unset noout
    [ceph: root@host01 /]# ceph osd unset noscrub
    [ceph: root@host01 /]# ceph osd unset nodeep-scrub

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