5.5. 他の便利ツール
以下のツールは、ゲスト仮想マシンのディスクにホスト経由でアクセスするために使用されます。ゲストのディスクには通常、ホスト上にある
disk-image ファイル経由でアクセスします。しかし、 libvirt ドメイン経由でアクセスすることも時には可能です。後に続くコマンドは libvirt ドメインの一部で、ゲストのディスクイメージにアクセスするために使用されます。
guestmount- ホストマシン上に仮想マシンファイルシステムおよびディスクイメージをマウントするために使用するコマンドラインツールです。
警告
ゲストが使用中のディスクに--r/w(読み取り/書き込み) モードのguestmountを使用してアクセスすると、ディスクが破損する恐れがあります。ライブの仮想マシン上で--r/w(読み取り/書き込み) モードのguestmountを使用しないでください。ディスクイメージを使用している場合は、--ro(読み取り専用) オプションでguestmountコマンドを使用してください。 virt-cat- 指定された仮想マシンのディスクまたはディスクイメージ内にある 1 つ以上のファイルのコンテンツを迅速に表示させる際に使用するコマンドラインツール。このツールは、libguestfs-tools パッケージの一部としてインストールされます。
virt-df- 仮想マシンの実際の物理ディスク使用量を表示させるために使用するコマンドラインツールで、
dfコマンドラインツールと同様のもの。このツールは、リモート接続では機能しないことに注意してください。このツールは、libguestfs-tools パッケージの一部としてインストールされます。 virt-edit- 指定された仮想マシン上にあるファイルを編集するために使用されるコマンドラインツール。このツールは、libguestfs-tools パッケージの一部としてインストールされます。
警告
実行中の仮想マシン上でvirt-editを使用すると、仮想マシン内のディスクが破損する恐れがあります。virt-editコマンドは、ユーザーが実行中の仮想マシン上のファイルを編集することを阻止しようとしますが、全インスタンスの捕捉は保証されません。実行中の仮想マシン上ではvirt-editを使用しないでください。 virt-filesystems- ディスクシステムもしくは仮想マシン内のファイルシステム、パーティション、論理ボリュームおよびそれらのサイズを検出するために使用されるコマンドラインツール。シェルスクリプト内での一般的な使用方法の一つは、ディスクイメージ内の全ファイルシステムを反復することです。このツールは、libguestfs-tools パッケージの一部としてインストールされます。このツールは
virt-list-filesystemsおよびvirt-list-partitionsを置き換えます。 virt-inspector- 仮想マシンまたはディスクイメージを検証して当該オペレーティングシステムおよび他の情報を測定することができるコマンドラインツール。XML 出力の生成も可能で、これは他のプログラムにパイプすることができます。
virt-inspectorは一度に 1 ドメインしか検査できないことに注意してください。このツールは、libguestfs-tools パッケージの一部としてインストールされます。 virt-inspector2- C 言語で書かれた
virt-inspectorの代替ツール。このツールは、libguestfs-tools パッケージの一部としてインストールされます。 virt-ls- 仮想マシン内のファイルおよびディレクトリーをリスト化するコマンドラインツール。このツールは、libguestfs-tools パッケージの一部としてインストールされます。
virt-make-fs- ディレクトリー内の tar アーカイブもしくはファイルに基づいてファイルシステムを作成するコマンドラインツール。
mkisofsやmksquashfsに類似したツールですが、ext2、ext3、NTFSといった一般的なファイルシステムの作成が可能で、作成されるファイルシステムのサイズは元となるファイルサイズと同等もしくはそれよりも大きいものになります。このツールは、libguestfs-tools パッケージの一部として提供されます。 virt-p2v- 物理マシンを仮想マシンに変換するためのグラフィカルツールです。このツールは、Red Hat Enterprise Linux 6.2 以降の virt-v2v パッケージの一部としてインストールされます。
virt-rescue- ブート不可能な仮想マシンおよびディスクイメージ用のレスキューシェルとシンプルなリカバリーツールを提供するコマンドラインツール。libvirt が認識する仮想マシン上であれば実行可能です。また、ディスクイメージ上で直接実行することもできます。このツールは、libguestfs-tools パッケージの一部としてインストールされます。
警告
実行中の仮想マシン上でvirt-rescueを使用すると仮想マシン内のディスクが破損する恐れがあります。virt-rescueは、実行中の仮想マシン上での使用を阻止しようとしますが、すべてのケースをカバーできる訳ではありません。--ro(読み取り専用) オプションでこのコマンドを使用してもディスクは破損しませんが、見たことのない、または一貫性を欠く結果となる場合があります。実行中の仮想マシンでのvirt-rescueの使用は避けてください。 virt-resize- 仮想マシンディスクのサイズ変更、また仮想マシンディスク上のすべてのパーティションのサイズ変更もしくは削除に使用するコマンドラインツール。ゲストイメージをコピーして、オリジナルのディスクイメージをそのまま残すことで機能します。このツールは、libguestfs-tools パッケージの一部としてインストールされます。
重要
実行中の仮想マシンでvirt-resizeを使用すると、一貫性のない結果をもたらす可能性があります。サイズ変更前に仮想マシンをシャットダウンすることが最良の方法です。 virt-sysprep- クローン作成用テンプレートを準備するために仮想マシンのリセット、カスタマイズまたは設定解除を行うためのコマンドラインツールです。このツールは libguestfs-tools パッケージの一部としてインストールされます。
重要
仮想マシンはvirt-sysprepを実行する前にシャットダウンしている必要があります。仮想マシンの既存のコンテンツを保持するには、virt-sysprepを実行する前にディスクのスナップショットを取得するか、またはディスクのコピーまたはクローン作成を行ってください。 virt-tar- 仮想マシンのファイルシステムの一部をダウンロード、アップロードするコマンドラインアーカイブツール。このツールは一般的にバックアップの作成、データのアップロード、ゲストアクティビティーのレビュー、ゲストの修正もしくはカスタマイズに使用されます。このツールは、libguestfs-tools パッケージの一部としてインストールされます。
警告
実行中の仮想マシン上で-u(アップロード) オプションを使用してvirt-tarを使うと、仮想マシン内のディスクが破損する恐れがあります。virt-tarは、実行中の仮想マシン上での使用を回避しようとしますが、すべてのケースをカバーする訳ではありません。実行中の仮想マシン上で、-x(抽出) オプションを使ってvirt-tarを使用してもディスクは破損しませんが、見たことのない、または一貫性を欠く結果となる場合があります。ファイル抽出前に仮想マシンをシャットダウンすることが最良の方法です。 virt-top- 仮想化ドメインに関連する統計を表示する
topに類似したコマンドラインユーティリティー。このツールは、virt-top というパッケージ名称で出荷されます。 virt-v2v- 仮想マシンを Xen から VMware ハイパーバイザーに変換して KVM 上で稼働させるグラフィカルツール。このツールは、virt-v2v というパッケージ名称で出荷されます。
virt-viewer- 仮想マシンのグラフィカルコンソールを VNC および SPICE プロトコル経由で表示させる最小限のツール。このツールは、virt-viewer というパッケージ名称で出荷されます。
virt-what- プログラムが仮想マシンで実行中かどうかを検出するシェルスクリプト。このツールは、virt-what というパッケージ名称で出荷されます。
virt-who- virt-who パッケージは、ゲスト UUID を libvirt に問い合わせる Red Hat Enterprise Linux ホストエージェントです。次に、そのデータを証明書発行目的でローカルエンタイトルメントサーバーに渡します。このツールは、virt-who というパッケージ名称で出荷されます。
virt-win-reg- Windows 仮想マシンから Windows Registry エントリーをエクスポートし、マージするコマンドラインツール。また、シンプルな Registry 操作を実行します。このツールは、libguestfs-tools パッケージの一部としてインストールされます。
警告
実行中の仮想マシン上でvirt-win-regを使うと、仮想マシン内のディスクに復元不可能な破損をもたらします。virt-win-regは、実行中の仮想マシン上での使用を回避しようとしますが、すべてのケースをカバーする訳ではありません。警告
Windows Registry の修正は、フォーマットが意図的に不明瞭でドキュメントに未記載であることから、本質的にリスクのある操作です。レジストリーの変更でシステムがブート不可能になる可能性があることから、--mergeオプション使用前に信頼できるバックアップがあることを確認してください。 virt-xml-validate- libvirt XML ファイルの発行済スキーマとのコンプライアンスを検証するコマンドラインツール。このツールは、libvirt-client パッケージの一部としてインストールされます。