第6章 設定および管理ツール


クラスター設定ファイル /etc/cluster/cluster.conf は、High Availability Add-On 設定を指定します。設定ファイルは、以下のクラスター特性を記述する XML ファイルです。
  • Cluster name — ノードがクラスターに加わるかまたはクラスターからフェンシングされる際に使用されるクラスター名、クラスター設定ファイルのリビジョンレベル、および基本的なフェンスタイミングのプロパティーを指定します。
  • Cluster — クラスターの各ノードを指定し、ノードのノード名、ノード ID、定足数 投票数、およびフェンシングメソッドを指定します。
  • Fence Device — クラスター内のフェンスデバイスを指定します。パラメーターはフェンスデバイスの種類によって変わります。例えば、フェンスデバイスとして使用されるパワーコントローラーの場合、クラスター設定ではパワーコントローラーの名前、その IP アドレス、ログインおよびパスワードを定義します。
  • Managed Resources — クラスターサービスを作成するのに必要なリソースを指定します。管理対象リソースには、フェイルオーバードメイン、リソース (IP アドレスなど)、およびサービスの定義が含まれます。さらに管理対象リソースは、クラスターサービスおよびクラスターサービスのフェイルオーバー動作を定義します。
クラスターの設定は、スタートアップ時と設定が再ロードされた時に /usr/share/cluster/cluster.rng にあるクラスタースキーマに準じて自動的に妥当性が検証されます。また、ccs_config_validate コマンドを使用すると、いつでもクラスター設定の妥当性を検証できます。
注釈付きのスキーマは /usr/share/doc/cman-X.Y.ZZ/cluster_conf.html (例えば /usr/share/doc/cman-3.0.12/cluster_conf.html) を参照してください。
設定の妥当性検証は、以下の基本的なエラーをチェックします。
  • XML 妥当性 — 設定ファイルが有効な XML ファイルであることをチェックします。
  • 設定のオプション — オプション (XML の要素と属性) が有効であることをチェックします。
  • オプションの値 — オプションに有効なデータが含まれていることをチェックします (限定的)。

6.1. クラスター管理ツール

Red Hat High Availability Add-On ソフトウェアの管理では、クラスターコンポーネント間の関係を指定するために設定ツールが使用されます。以下のクラスター設定ツールは、Red Hat High Availability Add-On で利用できます。
  • Conga — Red Hat High Availability Add-On のインストール、設定および管理で使用される包括的なユーザーインターフェースです。Conga を使用して High Availability Add-On の設定および管理方法についての詳細は、『High Availability Add-On の設定と管理』を参照してください。
    • Luci — Conga のユーザーインターフェースを提供するアプリケーションサーバーです。これにより、ユーザーはクラスターサービスを管理でき、必要に応じてヘルプやオンラインドキュメントにアクセスできます。
    • Ricci — クラスター設定の分散を管理するサービスデーモンです。ユーザーパス設定の詳細情報に Luci インターフェースの使用方法が含まれ、この設定はクラスターノードへの分散用に corosync にロードされます。
  • Red Hat Enterprise Linux 6.1 リリース以降の Red Hat High Availability Add-On は、ccs クラスター設定コマンドのサポートを提供しています。これにより、管理者は cluster.conf クラスター設定ファイルを作成し、修正し、表示することができます。ccs コマンドを使用して High Availability Add-On を設定し、管理する方法についての詳細は、『クラスターの管理』マニュアルを参照してください。

注記

system-config-cluster は RHEL 6 では利用できません。
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