仮想化の設定および管理
ホストの設定、仮想マシンの作成および管理、ならびに Red Hat Enterprise Linux 8 の仮想化機能の理解
概要
- 仮想化の機能およびユースケース
- コマンドラインユーティリティーと Web コンソールを使用して、ホストと仮想マシンを管理する方法
- Intel 64、AMD64、IBM POWER、IBM Z など、さまざまなシステムアーキテクチャーにおける仮想化のサポート制限
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第1章 RHEL における仮想化について リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
本章では、仮想化の概念や、Linux における仮想化の実装について参考になるように、RHEL 8 における仮想化の概要、基本な内容、利点、コンポーネントなど、Red Hat が提供する仮想化ソリューションを説明します。
1.1. 仮想化とは リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
RHEL 8 では 仮想化機能 が提供され、RHEL 8 を実行するマシンが、複数の仮想マシン (VM) (ゲスト とも呼ばれます) を ホスト できるようにします。仮想マシンは、ホストの物理ハードウェアとコンピューティングリソースを使用して、独立した仮想化オペレーティングシステム (ゲスト OS) を、ホストのオペレーティングシステムのユーザー空間プロセスとして実行します
つまり、仮想化により、オペレーティングシステム内にオペレーティングシステムを追加できます。
仮想マシンを使用すると、ソフトウェアの設定や機能を安全にテストしたり、レガシーソフトウェアを実行したり、ハードウェアのワークロードの効率を最適化したりできます。利点の詳細は、仮想化の利点 を参照してください。
仮想化の詳細は、仮想化のトピックページ を参照してください。
次のステップ
- Red Hat Enterprise Linux 8 で仮想化を試す場合は、Getting started with virtualization を参照してください。
- Red Hat は、Red Hat Enterprise Linux 8 の仮想化以外にも、専門化した仮想化ソリューションを多数提供しています。各ソリューションには、さまざまなユーザーフォーカスおよび機能があります。詳細は、Red Hat virtualization solutions を参照してください。
1.2. 仮想化の利点 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
仮想マシンの使用には、物理マシンを使用する場合と比較して、以下の利点があります。
リソースの柔軟性と詳細な割り当て
仮想マシンは、通常、物理マシンであるホストマシンで稼働し、使用するゲスト OS に物理ハードウェアを割り当てることもできます。ただし、仮想マシンへの物理リソースの割り当てはソフトウェアレベルで行うため、柔軟性が非常に高くなります。仮想マシンは、ホストメモリー、CPU、またはストレージ領域で設定可能な割合を指定して、非常に詳細なリソース要求を指定できます。
たとえば、ゲスト OS がディスクとして見るものは、ホストファイルシステムではファイルとして表示され、そのディスクのサイズは、物理ディスクで利用可能なサイズよりも少なくなります。
ソフトウェアで制御される設定
仮想マシン全体の設定は、ホスト上のデータとして保存され、ソフトウェア制御下にあります。したがって、仮想マシンの作成、削除、クローン作成、移行、リモートからの操作、リモートストレージへの接続などを簡単に行うことができます。
ホストからの分離
ゲスト OS は、ホストの OS とは別の仮想化カーネルで実行します。つまり、任意の OS を仮想マシンにインストールでき、ゲスト OS が不安定になっても、または不正アクセスされても、ホストには影響を及ぼしません。
領域とコスト効率
1 台の物理マシンで仮想マシンを多数ホストできます。したがって、複数の物理マシンが同じタスクを実行する必要がないため、物理ハードウェアに対する領域、電力、およびメンテナンスの要件が低くなります。
ソフトウェアの互換性
仮想マシンは、ホストとは異なる OS を使用できるため、仮想化により、本来はホスト OS 用にリリースされていないアプリケーションを実行できるようになります。たとえば、RHEL 7 のゲスト OS を使用すると、RHEL 7 用にリリースされたアプリケーションを RHEL 8 ホストシステムで実行できます。
注記RHEL 8 ホストでは、すべてのオペレーティングシステムがゲスト OS としてサポートされているわけではありません。詳細は、Recommended features in RHEL 8 virtualization を参照してください。
1.3. 仮想マシンコンポーネントおよびその相互作用 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
RHEL 8 の仮想化は、以下の主要ソフトウェアコンポーネントで設定されています。
ハイパーバイザー
RHEL 8 で仮想マシンを作成する基礎となる部分は、ハードウェアを制御し、ホストマシンで複数のオペレーティングシステムを実行できるようにするソフトウェア層で、ハイパーバイザー と呼ばれます。
ハイパーバイザーには、KVM (Kernel-based Virtual Machine) モジュールと仮想化カーネルドライバーが含まれます。このコンポーネントでは、ホストマシンの Linux カーネルにより、ユーザー空間のソフトウェアに仮想化のリソースが提供されます。
ユーザー空間レベルでは、QEMU エミュレーターが、ゲスト OS を実行できる完全に仮想化されたハードウェアプラットフォームをシミュレートし、リソースがホストでどのように割り当てられ、ゲストに示されるかを管理します。
さらに、libvirt ソフトウェアスイートが管理層および通信層として機能し、QEMU とのやり取りを容易にし、セキュリティールールを適用し、仮想マシンを設定して実行するための追加ツールを多数提供します。
XML 設定
ホストベースの XML 設定ファイル (ドメイン XML ファイルとも呼ばれます) では、個別の仮想マシンの設定およびデバイスをすべて決定します。設定には以下が含まれます。
- メタデータ (仮想マシンの名前、タイムゾーン、その他の仮想マシンの情報など)
- 仮想マシンのデバイスの説明 (仮想 CPU (vCPU)、ストレージデバイス、入出力デバイス、ネットワークインターフェイスカード、その他の物理ハードウェアおよび仮想ハードウェアなど)
- 仮想マシンの設定 (使用可能な最大メモリー量、再起動設定、仮想マシンの動作に関するその他の設定など)
XML 設定の内容の詳細は、仮想マシンの XML 設定例 を参照してください。
コンポーネントのインタラクション
仮想マシンが起動すると、ハイパーバイザーは XML 設定を使用して、ホストのユーザー空間プロセスとして仮想マシンのインスタンスを作成します。ハイパーバイザーは、仮想マシンプロセスが、ホストベースのインターフェイス (virsh ユーティリティー、virt-install ユーティリティー、guestfish ユーティリティー、Web コンソールの GUI など) にアクセスできるようにします。
このような仮想化ツールを使用すると、libvirt が、入力を QEMU の命令に変換します。QEMU が命令を KVM に伝え、カーネルが命令を実行するのに必要なリソースを適切に割り当てるようになります。これにより、QEMU が、仮想マシンの作成や修正、仮想マシンのオペレーティングシステムでのアクションの実行など、対応するユーザー空間を変更します。
QEMU はアーキテクチャーの必須コンポーネントですが、セキュリティーに関する懸念があるため、RHEL 8 システムで直接使用することは意図されていません。したがって、Red Hat は、qemu-* コマンドをサポート対象外としており、libvirt を使用して QEMU と相互作用することを強く推奨します。
ホストベースのインターフェイスの詳細は、仮想管理に使用するツールおよびインターフェイス を参照してください。
図1.1 RHEL 8 の仮想アーキテクチャー
1.4. 仮想管理に使用するツールおよびインターフェイス リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
RHEL 9 の仮想化は、コマンドライン (CLI) または複数のグラフィカルユーザーインターフェイス (GUI) を使用して管理できます。
コマンドラインインターフェイス
CLI は、RHEL 8 で仮想化を管理する最も強力な方法です。仮想マシン (VM) 管理用の CLI コマンドでは、以下のものがよく知られています。
virsh - 指定した引数に応じて、多種多様な目的を持つ多目的仮想コマンドラインユーティリティーおよびシェル。以下に例を示します。
-
仮想マシンの起動およびシャットダウン -
virsh startおよびvirsh shutdown -
利用可能な仮想マシンのリスト表示 -
virsh list -
設定ファイルからの仮想マシンの作成 -
virsh create -
仮想化シェルの入力 -
virsh
詳細は、システム上の
virsh(1)man ページを参照してください。-
仮想マシンの起動およびシャットダウン -
-
virt-install- 新しい仮想マシンを作成する CLI ユーティリティー。詳細は、システム上のvirt-install(1)man ページを参照してください。 -
virt-xml- 仮想マシンの設定を編集するユーティリティー。 -
guestfish- 仮想マシンのディスクイメージを調べ、修正するユーティリティー。詳細は、システム上のguestfish(1)man ページを参照してください。
グラフィカルユーザーインターフェイス
以下の GUI を使用して、RHEL 8 で仮想化を管理できます。
RHEL 8 の Web コンソール (Cockpit とも呼ばれています) は、仮想マシンおよび仮想化ホストの管理用に、リモートからアクセスでき、簡単に使用できるグラフィカルユーザーインターフェイスを提供します。
Web コンソールを使用した基本的な仮想化管理の手順については、Managing virtual machines in the web console を参照してください。
仮想マシンマネージャー (virt-manager) アプリケーションは、仮想マシンおよび仮想化ホストの管理に使用する GUI を提供します。
重要virt-manager は、RHEL 8 でも引き続き対応していますが、非推奨になっています。後続のリリースでは、Web コンソールがその代替となる予定です。したがって、GUI で仮想化を管理する場合は、Web コンソールを使用することが推奨されます。
ただし、RHEL 8 では、virt-manager またはコマンドラインのいずれか一方からしかアクセスできない機能もあります。詳細は、Differences between virtualization features in Virtual Machine Manager and the web console を参照してください。
Gnome Boxes アプリケーションは、仮想マシンおよびリモートシステムを表示したりアクセスしたりするための、軽量のグラフィカルインタフェースです。GNOME Boxes は、主にデスクトップシステムで使用するように設計されています。
重要Gnome Boxes は、GNOME デスクトップ環境に含まれ、RHEL 8 で対応しています、Red Hat は、Web コンソールを使用して、GUI で仮想化を管理することを推奨します。
1.5. Red Hat の仮想化ソリューション リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
以下の Red Hat 製品は、RHEL 8 仮想化機能に構築されており、RHEL 8 で利用可能な KVM 仮想化機能を拡張します。また、RHEL 8 仮想化の制限 の多くが、このような製品には適用されません。
- OpenShift Virtualization
KubeVirt テクノロジーに基づいて、OpenShift Virtualization は Red Hat OpenShift Container Platform の一部であり、仮想マシンをコンテナーで実行することができます。
OpenShift Virtualization の詳細は、Red Hat ハイブリッドクラウド のページを参照してください。
- Red Hat OpenStack Platform (RHOSP)
Red Hat OpenStack Platform は、安全で信頼性の高いパブリックまたはプライベートの OpenStack クラウドを作成、デプロイ、および拡張するための統合基盤を提供します。
Red Hat OpenStack Platform の詳細は、Red Hat カスタマーポータル または Red Hat OpenStack Platform ドキュメントスイート を参照してください。
RHEL ではサポートされておらず、他の Red Hat 仮想化ソリューションでサポートされている仮想化機能の詳細は、RHEL 8 仮想化でサポートされていない機能 を参照してください。
第2章 仮想化の使用 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
RHEL 8 の仮想化 を使用をする場合は、以下の手順に従ってください。これに対するデフォルトの方法はコマンドラインインターフェイス (CLI) ですが、便宜上、手順の一部は Web コンソールの GUI で完了できます。
- 仮想化モジュールを有効にし、仮想化パッケージをインストールします。Enabling virtualization を参照してください。
仮想マシンを作成します。
- CLI については、コマンドラインを使用した仮想マシンの作成を 参照してください。
- GUI の場合は、Creating virtual machines and installing guest operating systems using the web console を参照してください。
仮想マシンを起動します。
- CLI については、コマンドラインを使用して仮想マシンを起動するを 参照してください。
- GUI の場合は、Starting virtual machines using the web console を参照してください。
仮想マシンに接続します。
- CLI の場合は、Connecting to a virtual machine using SSH または Opening a virtual machine graphical console using Virt Viewer を参照してください。
- GUI の場合は、Interacting with virtual machines using the web console を参照してください。
現在、Web コンソールでは、仮想マシン管理機能のサブセットしか提供されないため、RHEL 8 での仮想化の高度な使用には、コマンドラインを使用することが推奨されます。
2.1. 仮想化の有効化 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
RHEL 8 で仮想化を使用するには、仮想化モジュールを有効にし、仮想化パッケージをインストールして、システムが仮想マシン (VM) をホストするように設定されていることを確認する必要があります。
前提条件
- ホストマシンに RHEL 8 がインストールされ、登録されている。
システムが仮想ホストとして機能するように、以下のハードウェア要件を満たしている。
最低でも、以下のシステムリソースが利用できる。
- ホスト用に 6 GB と、各仮想マシン用に 6 GB の空きディスク容量。
- ホスト用に 2 GB と、各仮想マシン用に 2 GB の RAM。
- ホスト上の 4 つの CPU通常、仮想マシンは、割り当てられた 1 つの vCPU で実行できますが、Red Hat は、高負荷時に仮想マシンが応答しなくならないように、仮想マシンごとに 2 つ以上の vCPU を割り当てることを推奨します。
ホストマシンのアーキテクチャーが KVM 仮想化 に対応している。
- 特に、RHEL 8 は、64 ビット ARM アーキテクチャー (ARM 64) では仮想化に対応していません。
以下の手順は、AMD64 および Intel 64 のアーキテクチャー (x86_64) に適用されます。対応しているアーキテクチャーが異なるホストで仮想化を有効にする場合は、以下のいずれかのセクションを参照してください。
手順
RHEL 8 仮想化モジュールにパッケージをインストールします。
yum module install virt
# yum module install virtCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow virt-installパッケージおよびvirt-viewerパッケージをインストールします。yum install virt-install virt-viewer
# yum install virt-install virt-viewerCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow libvirtdサービスを開始します。systemctl start libvirtd
# systemctl start libvirtdCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
検証
システムが仮想ホストとして準備されていることを確認します。
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow virt-host-validateチェックの戻り値を確認し、適切なアクションを実行します。-
virt-host-validateのすべての項目でPASS値が返された場合は、システムに 仮想マシンを作成する 準備ができています。 -
いずれかの項目で
FAILが返された場合は、表示される指示に従って問題を解決してください。 -
いずれかの項目で
WARNが返された場合は、表示される指示に従って仮想化機能を向上させることを検討してください。
-
トラブルシューティング
KVM 仮想化がホスト CPU でサポートされていない場合は、
virt-host-validateは以下の出力を生成します。QEMU: Checking for hardware virtualization: FAIL (Only emulated CPUs are available, performance will be significantly limited)
QEMU: Checking for hardware virtualization: FAIL (Only emulated CPUs are available, performance will be significantly limited)Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow ただし、このようなホストシステムにある仮想マシンは、パフォーマンス上の問題が発生するのではなく、起動に失敗します。
これを回避するには、仮想マシンの XML 設定の
<domain type>値をqemuに変更します。ただし、Red Hat はqemuドメインタイプを使用する仮想マシンに対応していないため、実稼働環境ではこれを設定しないことを強く推奨している点に注意してください。
2.2. 仮想マシンの作成 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
RHEL 9 で仮想マシンを作成する場合は、コマンドライン または RHEL 9 Web コンソール を使用します。
2.2.1. コマンドラインを使用した仮想マシンの作成 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
コマンドラインを使用して RHEL 9 で仮想マシン (VM) を作成するには、virt-install ユーティリティーを使用します。
前提条件
- ホストシステムで仮想化が 有効 になっている。
- ディスク領域、RAM、CPU など、仮想マシンに割り当てるのに十分なシステムリソースがある。推奨される値は、仮想マシンで行うタスクやワークロードにより大きく異なる可能性があります。
オペレーティングシステム (OS) のインストールソースがローカルまたはネットワークで利用できる。これには、次のいずれかを使用できます。
- インストールメディアの ISO イメージ
既存の仮想マシンインストールのディスクイメージ
警告RHEL 8 では、ホストの CD-ROM デバイスまたは DVD-ROM デバイスからインストールすることができません。RHEL 8 で利用可能な仮想マシンのインストール方法を使用する際に、インストールソースに CD-ROM または DVD-ROM を選択するとインストールに失敗します。詳細は、Red Hat ナレッジベースソリューション RHEL 7 or higher can’t install guest OS from CD/DVD-ROM を参照してください。
また、Red Hat がサポートするのは、限られたゲストオペレーティングシステムのセット のみです。
- 任意: インストールをより速く、簡単に設定するために、キックスタートファイルを利用できます。
手順
仮想マシンを作成して OS のインストールを開始するには、以下の必須引数を指定して、virt-install コマンドを使用します。
-
--name: 新しいマシンの名前 -
--memory: 割り当てるメモリーの量 -
--vcpus: 割り当てる仮想 CPU の数 -
--disk: 割り当てるストレージのタイプとサイズ -
--cdromまたは--location: OS インストールソースのタイプと場所
選択したインストール方法に応じて、必要なオプションと値が異なります。例は、以下のコマンドを参照してください。
リストされているコマンドは、デフォルトの SPICE プロトコルの代わりに VNC リモート表示プロトコルを使用します。現在、VNC には SPICE が備えている機能の一部がありませんが、RHEL 9 では完全にサポートされています。その結果、ホストを RHEL 9 に移行しても、VNC を使用する VM の動作が停止することはありません。詳細は、RHEL 9 の採用における考慮事項 を参照してください。
次のコマンドでは、demo-guest1 という名前の仮想マシンを作成し、ローカルの /home/username/Downloads/Win10install.iso ファイルに保存されている ISO イメージから、Windows 10 OS をインストールします。この仮想マシンには、2048 MiB の RAM と 2 つの vCPU が割り当てられ、80 GiB の qcow2 仮想ディスクも自動的に割り当てられます。
virt-install \ --graphics vnc \ --name demo-guest1 --memory 2048 \ --vcpus 2 --disk size=80 --os-variant win10 \ --cdrom /home/username/Downloads/Win10install.iso# virt-install \ --graphics vnc \ --name demo-guest1 --memory 2048 \ --vcpus 2 --disk size=80 --os-variant win10 \ --cdrom /home/username/Downloads/Win10install.isoCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 次のコマンドは、demo-guest2 という名前の仮想マシンを作成し、/home/username/Downloads/rhel9.iso イメージを使用して、ライブ CD から RHEL 9 OS を実行します。この仮想マシンにはディスク領域が割り当てられないため、セッション中に行った変更は保持されません。また、仮想マシンには、4096 MiB の RAM と、4 つの vCPU が割り当てられます。
virt-install \ --graphics vnc \ --name demo-guest2 --memory 4096 --vcpus 4 \ --disk none --livecd --os-variant rhel8.0 \ --cdrom /home/username/Downloads/rhel8.iso# virt-install \ --graphics vnc \ --name demo-guest2 --memory 4096 --vcpus 4 \ --disk none --livecd --os-variant rhel8.0 \ --cdrom /home/username/Downloads/rhel8.isoCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 次のコマンドは、demo-guest3 という名前の RHEL 9 仮想マシンを作成し、既存のディスクイメージ /home/username/backup/disk.qcow2 に接続します。これは、マシン間でハードドライブを物理的に移動するのと似ています。したがって、demo-guest3 で使用できる OS およびデータは、イメージが処理された方法により決定します。また、仮想マシンには、2048 MiB の RAM および 2 つの vCPU が割り当てられます。
virt-install \ --graphics vnc \ --name demo-guest3 --memory 2048 --vcpus 2 \ --os-variant rhel8.0 --import \ --disk /home/username/backup/disk.qcow2# virt-install \ --graphics vnc \ --name demo-guest3 --memory 2048 --vcpus 2 \ --os-variant rhel8.0 --import \ --disk /home/username/backup/disk.qcow2Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow ディスクイメージをインポートする場合は、
--os-variantオプションを使用することが強く推奨されます。このオプションを指定しないと、作成された仮想マシンのパフォーマンスに影響を及ぼします。次のコマンドは、demo-guest4 という名前の仮想マシンを作成し、URL
http://example.com/OS-installからインストールします。インストールを開始するには、作業中の OS インストールツリーを URL に指定する必要があります。さらに、OS は、キックスタートファイル /home/username/ks.cfg で自動的に設定されます。この仮想マシンには、2048 MiB の RAM、2 つの vCPU、および 160 GiB の qcow2 仮想ディスクも割り当てられます。virt-install \ --graphics vnc \ --name demo-guest4 --memory 2048 --vcpus 2 --disk size=160 \ --os-variant rhel8.0 --location http://example.com/OS-install \ --initrd-inject /home/username/ks.cfg --extra-args="inst.ks=file:/ks.cfg console=tty0 console=ttyS0,115200n8"# virt-install \ --graphics vnc \ --name demo-guest4 --memory 2048 --vcpus 2 --disk size=160 \ --os-variant rhel8.0 --location http://example.com/OS-install \ --initrd-inject /home/username/ks.cfg --extra-args="inst.ks=file:/ks.cfg console=tty0 console=ttyS0,115200n8"Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 次のコマンドは、demo-guest5 という名前の仮想マシンを作成し、グラフィックスがない、テキストのみのモードである
RHEL9.isoイメージファイルからインストールします。ゲストコンソールをシリアルコンソールに接続します。仮想マシンには、16384 MiB のメモリー、16 個の vCPU、および 280 GiB のディスクが割り当てられます。このようなインストールは、低速なネットワークリンクを介してホストに接続する際に便利です。virt-install \ --name demo-guest5 --memory 16384 --vcpus 16 --disk size=280 \ --os-variant rhel8.0 --location RHEL8.iso \ --graphics none --extra-args='console=ttyS0'# virt-install \ --name demo-guest5 --memory 16384 --vcpus 16 --disk size=280 \ --os-variant rhel8.0 --location RHEL8.iso \ --graphics none --extra-args='console=ttyS0'Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 次のコマンドは、demo-guest6 という名前の仮想マシンを作成します。この仮想マシンの設定は demo-guest5 と同じですが、リモートホスト 192.0.2.1 に置かれます。
virt-install \ --connect qemu+ssh://root@192.0.2.1/system --name demo-guest6 --memory 16384 \ --vcpus 16 --disk size=280 --os-variant rhel8.0 --location RHEL8.iso \ --graphics none --extra-args='console=ttyS0'# virt-install \ --connect qemu+ssh://root@192.0.2.1/system --name demo-guest6 --memory 16384 \ --vcpus 16 --disk size=280 --os-variant rhel8.0 --location RHEL8.iso \ --graphics none --extra-args='console=ttyS0'Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
検証
- 仮想マシンが問題なく作成されると、仮想マシンのグラフィカルコンソールで virt-viewer 画面が開き、ゲスト OS のインストールが開始します。
トラブルシューティング
virt-installがcannot find default networkエラーを出力する場合は、以下のようにします。libvirt-daemon-config-networkパッケージがインストールされていることを確認します。{PackageManagerCommand} info libvirt-daemon-config-network Installed Packages Name : libvirt-daemon-config-network [...]# {PackageManagerCommand} info libvirt-daemon-config-network Installed Packages Name : libvirt-daemon-config-network [...]Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow libvirtのデフォルトネットワークがアクティブで、自動的に起動するように設定されていることを確認します。virsh net-list --all Name State Autostart Persistent -------------------------------------------- default active yes yes
# virsh net-list --all Name State Autostart Persistent -------------------------------------------- default active yes yesCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow そうでない場合は、デフォルトのネットワークをアクティブにし、自動起動に設定します。
virsh net-autostart default Network default marked as autostarted virsh net-start default Network default started
# virsh net-autostart default Network default marked as autostarted # virsh net-start default Network default startedCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow デフォルトのネットワークをアクティベートしても以下のエラーが出て失敗する場合は、
libvirt-daemon-config-networkパッケージが正常にインストールされていません。error: failed to get network 'default' error: Network not found: no network with matching name 'default'
error: failed to get network 'default' error: Network not found: no network with matching name 'default'Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow この問題を修正するには、以下のコマンドで
libvirt-daemon-config-networkを再インストールします。{PackageManagerCommand} reinstall libvirt-daemon-config-network# {PackageManagerCommand} reinstall libvirt-daemon-config-networkCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 以下のようなエラーでデフォルトのネットワークをアクティベートできない場合には、デフォルトネットワークのサブネットとホストの既存インターフェイスで競合が発生しています。
error: Failed to start network default error: internal error: Network is already in use by interface ens2
error: Failed to start network default error: internal error: Network is already in use by interface ens2Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow これを修正するには、
virsh net-edit defaultコマンドを使用して、設定の192.0.2.*の値を、ホストで使用していないサブネットに変更します。
2.2.2. Web コンソールを使用した仮想マシンの作成、およびゲストのオペレーティングシステムのインストール リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
RHEL 8 ホストの GUI で仮想マシンを管理するには、Web コンソールを使用します。次のセクションでは、RHEL 8 Web コンソールを使用して仮想マシンを作成し、仮想マシンにゲストオペレーティングシステムをインストールする方法を説明します。
現在、Web コンソールを使用して作成された VM は、デフォルトで SPICE リモートデスクトッププロトコルを使用します。ただし、SPICE は RHEL 9 ではサポートされていないため、ホストを RHEL 9 にアップグレードすると、VM は動作しなくなります。詳細は、RHEL 9 の採用における考慮事項 を参照してください。
RHEL 9 で正しく動作する VNC プロトコルを使用する仮想マシンを作成するには、コマンドライン を使用します。
2.2.2.1. Web コンソールを使用した仮想マシンの作成 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
RHEL 8 Web コンソールが接続しているホストマシン上に仮想マシンを作成するには、以下の手順を使用します。
前提条件
- RHEL 8 Web コンソールがインストールされている。
- cockpit サービスが有効になっている。
ユーザーアカウントが Web コンソールにログインできる。
手順は、Web コンソールのインストールおよび有効化 を参照してください。
- ホストシステムで仮想化が有効になっている。
- Web コンソールの仮想マシンプラグインがホストシステムにインストールされている。
- ディスク領域、RAM、CPU など、仮想マシンに割り当てるのに十分なシステムリソースがある。推奨される値は、仮想マシンで行うタスクやワークロードにより大きく異なる可能性がある。
手順
Web コンソールの Virtual Machines インターフェイスで、 をクリックします。
Create new virtual machine ダイアログが表示されます。
作成する仮想マシンの基本設定を入力します。
- 名前 - 仮想マシンの名前
- 接続 - セッションに付与される権限のレベル。詳細は、Web コンソールで関連するダイアログボックスをデプロイメントしてください。
- インストールタイプ - インストールでは、ローカルのインストールメディア、URL、PXE ネットワークブート、クラウドベースイメージを使用したり、または限定されたオペレーティングシステムのセットからオペレーティングシステムをダウンロードしたりできます。
Operating system - 仮想マシン上で実行されているゲストオペレーティングシステム。Red Hat がサポートするのは、限られたゲストオペレーティングシステムのセット のみです。
注記Web コンソールから Red Hat Enterprise Linux を直接ダウンロードしてインストールする場合は、Offline token フィールドにオフライントークンを追加する必要があります。
- Storage - ストレージのタイプ。
- Storage Limit - ストレージ領域の容量。
- Memory - メモリーの容量。
仮想マシンを作成します。
- 仮想マシンでオペレーティングシステムを自動的にインストールする場合は、 をクリックします。
- オペレーティングシステムをインストールする前に仮想マシンを編集する場合は、 をクリックします。
2.2.2.2. Web コンソールでディスクイメージをインポートして仮想マシンを作成する手順 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
RHEL 8 Web コンソールで既存の仮想マシンインストールのディスクイメージをインポートすることで、仮想マシンを作成できます。
前提条件
- RHEL 8 Web コンソールがインストールされている。
- cockpit サービスが有効になっている。
ユーザーアカウントが Web コンソールにログインできる。
手順は、Web コンソールのインストールおよび有効化 を参照してください。
- Web コンソールの仮想マシンプラグインがシステムにインストールされている。
- ディスク領域、RAM、CPU など、仮想マシンに割り当てるのに十分なシステムリソースがある。推奨値は、仮想マシンで行うタスクやワークロードにより大きく異なる可能性があります。
- 既存の仮想マシンインストールのディスクイメージがダウンロードされている。
手順
Web コンソールの Virtual Machines インターフェイスで、 をクリックします。
Import a virtual machine ダイアログが表示されます。
作成する仮想マシンの基本設定を入力します。
- 名前 - 仮想マシンの名前
- ディスクイメージ - ホストシステム上の仮想マシンに存在するディスクイメージのパスです。
- Operating system - 仮想マシンディスク上で実行されているオペレーティングシステム。Red Hat がサポートするのは、限られたゲストオペレーティングシステムのセット のみです。
- Memory - 仮想マシンによる使用のために割り当てるメモリーの容量。
仮想マシンをインポートします。
- 仮想マシン設定をさらに編集せずに仮想マシンにオペレーティングシステムをインストールするには、 をクリックします。
- オペレーティングシステムのインストール前に仮想マシン設定を編集するには、 をクリックします。
2.2.2.3. Web コンソールを使用したゲストのオペレーティングシステムのインストール リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
仮想マシンを初めて起動するときは、仮想マシンにオペレーティングシステムをインストールする必要があります。
新しい仮想マシンを作成するときに または をクリックすると、仮想マシン作成時にオペレーティングシステムのインストールルーチンが自動的に開始されます。
前提条件
- RHEL 8 Web コンソールがインストールされている。
- cockpit サービスが有効になっている。
ユーザーアカウントが Web コンソールにログインできる。
手順は、Web コンソールのインストールおよび有効化 を参照してください。
- Web コンソールの仮想マシンプラグインがホストシステムにインストールされている。
手順
RHEL 8 Web コンソールにログインします。
詳細は、Web コンソールへのログイン を参照してください。
Virtual Machines インターフェイスで、ゲスト OS をインストールする仮想マシンをクリックします。
選択した仮想マシンの基本情報を含む新しいページが開き、仮想マシンのさまざまな側面を管理するための制御を行います。
オプション: ファームウェアを変更します。
注記新しい仮想マシンの作成時に または を選択し、かつ仮想マシンに OS がまだインストールされていない場合にのみ、ファームウェアを変更できます。
- ファームウェアをクリックします。
- Change Firmware ウィンドウで、必要なファームウェアを選択します。
- をクリックします。
をクリックします。
仮想マシンコンソールで、オペレーティングシステムのインストールルーチンが実行します。
トラブルシューティング
- インストールルーチンが失敗した場合は、インストールを再度開始する前に、仮想マシンを削除して再作成します。
2.2.3. Web コンソールを使用したクラウドイメージ認証による仮想マシンの作成 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
デフォルトでは、ディストリビューションクラウドイメージにはログインアカウントがありません。ただし、RHEL Web コンソールを使用して、仮想マシンを作成し、root アカウントとユーザーアカウントのログイン認証情報を指定して、cloud-init に渡すことができるようになりました。
前提条件
- RHEL 8 Web コンソールがインストールされている。
- cockpit サービスが有効になっている。
ユーザーアカウントが Web コンソールにログインできる。
手順は、Web コンソールのインストールおよび有効化 を参照してください。
- Web コンソールの仮想マシンプラグインが システムにインストールされている。
- ホストシステムで仮想化が 有効 になっている。
- ディスク領域、RAM、CPU など、仮想マシンに割り当てるのに十分なシステムリソースがある。推奨される値は、仮想マシンで行うタスクやワークロードにより大きく異なる可能性があります。
手順
RHEL 8 Web コンソールにログインします。
詳細は、Web コンソールへのログイン を参照してください。
Web コンソールの インターフェイスで、 をクリックします。
仮想マシンの新規作成ダイアログが表示されます。
- 名前 フィールドに、仮想マシンの名前を入力します。
Details タブの Installation type フィールドで、Cloud base image を選択します。
- インストールソース フィールドで、ホストシステム上のイメージファイルへのパスを設定します。
作成する仮想マシンの設定を入力します。
- オペレーティングシステム - 仮想マシンのオペレーティングシステム。Red Hat がサポートするのは、限られたゲストオペレーティングシステムのセット のみです。
- ストレージ - 仮想マシンを設定するストレージの種類
- ストレージのサイズ - 仮想マシンを設定するストレージ容量
- メモリー - 仮想マシンを設定するメモリーのサイズ
Automation タブをクリックします。
クラウド認証の認証情報を設定します。
- root パスワード - 仮想マシンの root パスワードを入力します。root パスワードを設定しない場合は、フィールドを空白のままにします。
- ユーザーログイン - cloud-init ユーザーログインを入力します。ユーザーアカウントを作成しない場合は、このフィールドを空白のままにします。
ユーザーパスワード - パスワードを入力します。ユーザーアカウントを作成しない場合は、このフィールドを空白のままにします。
をクリックします。
仮想マシンが作成されます。
2.3. 仮想マシンの起動 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
RHEL 9 で仮想マシン (VM) を起動する場合は、コマンドライン または Web コンソール GUI を使用できます。
前提条件
- 仮想マシンを起動する前に仮想マシンを作成しておく。理想としては、OS をインストールしておく。手順は、Creating virtual machines を参照してください。
2.3.1. コマンドラインを使用した仮想マシンの起動 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
コマンドライン (CLI) を使用して、シャットダウンした仮想マシン (VM) を起動したり、保存した仮想マシンを復元したりできます。CLI を使用すると、ローカル仮想マシンとリモート仮想マシンの両方を起動できます。
前提条件
- すでに定義されている非アクティブな仮想マシン
- 仮想マシンの名前
リモート仮想マシンの場合は、以下も設定されている。
- 仮想マシンが置かれているホストの IP アドレス
- ホストへの root アクセス権限
手順
ローカルの仮想マシンには、
virsh startユーティリティーを使用します。たとえば、次のコマンドは仮想マシン demo-guest1 を起動します。
virsh start demo-guest1 Domain 'demo-guest1' started
# virsh start demo-guest1 Domain 'demo-guest1' startedCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow リモートホストにある仮想マシンでは、ホストへの QEMU+SSH 接続と共に
virsh startユーティリティーを使用します。たとえば、次のコマンドは、ホスト 192.0.2.1 にある仮想マシン demo-guest1 を起動します。
virsh -c qemu+ssh://root@192.0.2.1/system start demo-guest1 root@192.0.2.1's password: Domain 'demo-guest1' started
# virsh -c qemu+ssh://root@192.0.2.1/system start demo-guest1 root@192.0.2.1's password: Domain 'demo-guest1' startedCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
2.3.2. Web コンソールを使用した仮想マシンの起動 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
仮想マシンが 停止 状態にある場合は、RHEL 9 Web コンソールを使用して起動できます。ホストの起動時に、仮想マシンが自動的に起動するように設定することもできます。
前提条件
- RHEL 8 Web コンソールがインストールされている。
- cockpit サービスが有効になっている。
ユーザーアカウントが Web コンソールにログインできる。
手順は、Web コンソールのインストールおよび有効化 を参照してください。
- Web コンソールの仮想マシンプラグインが システムにインストールされている。
- すでに定義されている非アクティブな仮想マシン
- 仮想マシンの名前
手順
インターフェイスで、起動する仮想マシンをクリックします。
選択した仮想マシンの詳細情報を含む新しいページが開き、仮想マシンのシャットダウンおよび削除を制御できます。
をクリックします。
仮想マシンが起動し、そのコンソールまたはグラフィカル出力に接続 できます。
オプション: ホスト起動時に仮想マシンが自動的に起動するように設定するには、Overview セクションの
Autostartチェックボックスを切り替えます。libvirt が管理していないネットワークインターフェイスを使用する場合は、systemd 設定も変更する必要があります。そうしないと、影響を受ける仮想マシンが起動できなくなる可能性があります。starting virtual machines automatically when the host starts を参照してください。
2.3.3. ホストの起動時に仮想マシンを自動的に起動する リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
実行中の仮想マシン (VM) のホストが再起動すると、仮想マシンはシャットダウンされるため、デフォルトで手動で再起動する必要があります。ホストの実行中に仮想マシンがアクティブであることを確認するには、仮想マシンが自動的に起動するように設定できます。
前提条件
手順
virsh autostartユーティリティーを使用して、ホストの起動時に仮想マシンが自動的に起動するように設定します。たとえば、次のコマンドは、demo-guest1 仮想マシンを自動的に起動するように設定します。
virsh autostart demo-guest1 Domain 'demo-guest1' marked as autostarted
# virsh autostart demo-guest1 Domain 'demo-guest1' marked as autostartedCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow libvirtが管理していないネットワークインターフェイスを使用する場合は、systemd 設定にも追加の変更を行う必要があります。これを行わないと、影響を受ける仮想マシンの起動に失敗する可能性があります。注記このようなインターフェイスには、以下の例が含まれます。
-
NetworkManagerが作成したブリッジデバイス -
<forward mode='bridge'/>を使用するように設定されたネットワーク
systemd 設定ディレクトリーツリーに、
libvirtd.service.dディレクトリーが存在しない場合は作成します。mkdir -p /etc/systemd/system/libvirtd.service.d/
# mkdir -p /etc/systemd/system/libvirtd.service.d/Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 以前に作成したディレクトリーに、
10-network-online.confsystemd ユニットオーバーライドファイルを作成します。このファイルの内容は、libvirtd サービスのデフォルトの systemd 設定を上書きします。touch /etc/systemd/system/libvirtd.service.d/10-network-online.conf
# touch /etc/systemd/system/libvirtd.service.d/10-network-online.confCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 10-network-online.confファイルに以下の行を追加します。この設定変更により、ホストのネットワークの準備ができてから、systemd がlibvirtdサービスを開始できるようになります。[Unit] After=network-online.target
[Unit] After=network-online.targetCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
-
検証
仮想マシンの設定を表示し、自動開始 オプションが有効になっていることを確認します。
たとえば、次のコマンドは、自動開始 オプションなど、demo-guest1 仮想マシンの基本情報を表示します。
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow libvirt が管理していないネットワークインターフェイスを使用する場合は、
10-network-online.confファイルの内容が次の出力と一致するかどうかを確認してください。cat /etc/systemd/system/libvirtd.service.d/10-network-online.conf [Unit] After=network-online.target
$ cat /etc/systemd/system/libvirtd.service.d/10-network-online.conf [Unit] After=network-online.targetCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
2.4. 仮想マシンへの接続 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
RHEL 8 で仮想マシンと相互作用するには、以下のいずれかの方法で接続する必要があります。
- Web コンソールインターフェイスを使用する場合は、Web コンソールインターフェイスの仮想マシンペインを使用します。詳細は、Web コンソールを使用した仮想マシンとの相互作用 を参照してください。
- Web コンソールを使用せずに、仮想マシンのグラフィカル表示と相互作用する必要がある場合は、Virt Viewer アプリケーションを使用します。詳細は、Virt Viewer で仮想マシンのグラフィカルコンソールを開く方法 を参照してください。
- グラフィック表示ができない、または必要ない場合は、SSH の端末接続 を使用します。
- ネットワークを使用してシステムから仮想マシンに到達できない場合は、virsh コンソール を使用します。
接続先の仮想マシンがローカルホストではなくリモートホストにある場合は、リモートホストにより便利にアクセスできるように、システムを設定することもできます。
2.4.1. Web コンソールを使用した仮想マシンとの相互作用 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
RHEL 8 Web コンソールで仮想マシンと相互作用するには、仮想マシンのコンソールに接続する必要があります。グラフィカルコンソールおよびシリアルコンソールの両方が含まれます。
- Web コンソールで仮想マシンのグラフィカルインターフェイスを操作するには、グラフィカルコンソール を使用します。
- リモートビューアーで仮想マシンのグラフィカルインターフェイスを操作する場合は、リモートビューアーでグラフィカルコンソールの表示 を参照してください。
- Web コンソールで仮想マシンの CLI を操作するには、シリアルコンソール を使用します。
2.4.1.1. Web コンソールで仮想マシンのグラフィカルコンソールの表示 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
仮想マシンのコンソールインターフェイスを使用すると、RHEL 9 Web コンソールに、選択した仮想マシンのグラフィカル出力を表示できます。
前提条件
- RHEL 8 Web コンソールがインストールされている。
- cockpit サービスが有効になっている。
ユーザーアカウントが Web コンソールにログインできる。
手順は、Web コンソールのインストールおよび有効化 を参照してください。
- Web コンソールの仮想マシンプラグインが システムにインストールされている。
- ホストおよび仮想マシンの両方が、グラフィカルインターフェイスに対応している。
手順
RHEL 8 Web コンソールにログインします。
詳細は、Web コンソールへのログイン を参照してください。
インターフェイスで、グラフィカルコンソールを表示する仮想マシンをクリックします。
仮想マシンの概要とコンソールセクションがある新しいページが開きます。
コンソールドロップダウンメニューで を選択します。
Web インターフェイスのメニューの下に VNC コンソールが表示されます。
グラフィカルコンソールが Web インターフェイスに表示されます。
をクリックします。
実際のマシンの場合と同じように、マウスとキーボードを使用して仮想マシンのコンソールと相互作用できるようになりました。仮想マシンコンソールには、仮想マシンで実行しているアクティビティーが表示されます。
Web コンソールを実行しているホストで、特定の鍵の組み合わせ (Ctrl+Alt+Del など) を傍受して、仮想マシンに送信しないようにできます。
このようなキーの組み合わせを送信する場合は、 メニューをクリックして、送信するキーシーケンスを選択します。
たとえば、仮想マシンに Ctrl+Alt+Del の組み合わせを送信するには、 メニューをクリックして、 メニューエントリーを選択します。
トラブルシューティング
- グラフィカルコンソールをクリックしても効果がない場合は、コンソールを全画面表示にします。これは、マウスカーソルオフセットの既知の問題です。
2.4.1.2. Web コンソールを使用して、リモートビューアーでグラフィカルコンソールを表示する方法 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
Web コンソールインターフェイスを使用して、選択した仮想マシンのグラフィカルコンソールを Virt Viewer などのリモートビューアーに表示することができます。
Web コンソールから Virt Viewer を起動できます。その他の VNC および SPICE のリモートビューアーは手動で起動できます。
前提条件
- RHEL 8 Web コンソールがインストールされている。
- cockpit サービスが有効になっている。
ユーザーアカウントが Web コンソールにログインできる。
手順は、Web コンソールのインストールおよび有効化 を参照してください。
- Web コンソールの仮想マシンプラグインが システムにインストールされている。
- ホストおよび仮想マシンの両方が、グラフィカルインターフェイスに対応している。
Virt Viewer でグラフィカルコンソールを表示する前に、Web コンソールが接続しているマシンに Virt Viewer をインストールする必要があります。
をクリックします。
virt ビューアー (
.vv) ファイルをダウンロードします。- ファイルを開き、Virt Viewer を起動します。
リモートビューアーは、ほとんどのオペレーティングシステムで使用できます。ブラウザーの拡張機能やプラグインによっては、Web コンソールで Virt Viewer を開けないことがあります。
手順
RHEL 8 Web コンソールにログインします。
詳細は、Web コンソールへのログイン を参照してください。
インターフェイスで、グラフィカルコンソールを表示する仮想マシンをクリックします。
仮想マシンの概要とコンソールセクションがある新しいページが開きます。
コンソールドロップダウンメニューで を選択します。
をクリックします。
Virt Viewer でグラフィカルコンソールが開きます。
実際のマシンの場合と同じように、マウスとキーボードを使用して仮想マシンのコンソールと相互作用できます。仮想マシンコンソールには、仮想マシンで実行しているアクティビティーが表示されます。
Web コンソールを実行しているサーバーで、特定の鍵の組み合わせ (Ctrl+Alt+Del など) を傍受して、仮想マシンに送信しないようにできます。
このようなキーの組み合わせを送信する場合は、 メニューをクリックして、送信するキーシーケンスを選択します。
たとえば、仮想マシンに Ctrl+Alt+F1 の組み合わせを送信するには、 メニューをクリックして、 メニューエントリーを選択します。
トラブルシューティング
- グラフィカルコンソールをクリックしても効果がない場合は、コンソールを全画面表示にします。これは、マウスカーソルオフセットの既知の問題です。
Web コンソールでリモートビューアーを起動することができない場合、または最適ではない場合は、以下のプロトコルを使用して、任意のビューアーアプリケーションに手動で接続できます。
-
アドレス - デフォルトのアドレスーは
127.0.0.1です。/etc/libvirt/qemu.confのvnc_listenパラメーターまたはspice_listenパラメーターを変更して、ホストの IP アドレスに変更できます。 - SPICE ポート - 5900
- VNC ポート - 5901
-
アドレス - デフォルトのアドレスーは
2.4.1.3. Web コンソールで仮想マシンのシリアルコンソールの表示 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
RHEL 8 Web コンソールで、選択した仮想マシンのシリアルコンソールを表示できます。これは、グラフィカルインターフェイスでホストマシンまたは仮想マシンを設定していない場合に便利です。
シリアルコンソールの詳細は、Opening a virtual machine serial console を参照してください。
前提条件
- RHEL 8 Web コンソールがインストールされている。
- cockpit サービスが有効になっている。
ユーザーアカウントが Web コンソールにログインできる。
手順は、Web コンソールのインストールおよび有効化 を参照してください。
- Web コンソールの仮想マシンプラグインが システムにインストールされている。
手順
RHEL 8 Web コンソールにログインします。
詳細は、Web コンソールへのログイン を参照してください。
ペインで、シリアルコンソールを表示する仮想マシンをクリックします。
仮想マシンの概要とコンソールセクションがある新しいページが開きます。
コンソールドロップダウンメニューで を選択します。
グラフィカルコンソールが Web インターフェイスに表示されます。
仮想マシンからシリアルコンソールへの接続を切断して、再接続できます。
- 仮想マシンからシリアルコンソールへの接続を切断するには、 をクリックします。
- シリアルコンソールを仮想マシンに再接続するには、 をクリックします。
2.4.1.4. Web コンソールで SPICE リモートディスプレイプロトコルを VNC に置き換える リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
SPICE リモート表示プロトコルは RHEL 8 では非推奨となり、RHEL 9 では削除されます。SPICE プロトコルを使用するように設定された仮想マシン (VM) がある場合は、Web コンソールを使用して SPICE プロトコルを VNC プロトコルに置き換えることができます。ただし、オーディオや USB パススルーなどの一部の SPICE デバイスは、VNC プロトコルに適切な代替機能が存在しないため、仮想マシンから削除されます。
デフォルトでは、RHEL 8 仮想マシンは SPICE プロトコルを使用するように設定されています。SPICE から VNC に切り替えない場合、これらの仮想マシンは RHEL 9 に移行できません。
前提条件
- Web コンソールの仮想マシンプラグインが システムにインストールされている。
- SPICE リモートディスプレイプロトコルを使用するように設定され、すでにシャットダウンされている既存の仮想マシンがある。
手順
Web コンソールの仮想マシンインターフェイスで、SPICE プロトコルを使用するように設定されている仮想マシンのメニューボタン をクリックします。
さまざまな仮想マシン操作を制御するためのドロップダウンメニューが開きます。
をクリックします。
Replace SPICE devices ダイアログが開きます。
注記SPICE プロトコルを使用する既存の仮想マシンが複数ある場合は、このダイアログにそれらがリストされます。このダイアログで、1 つのステップで SPICE から VNC の使用に切り替える仮想マシンを複数選択できます。
をクリックします。
操作が成功したことを確認するメッセージが表示されます。
検証
- ボタンをクリックして仮想マシンを起動します。
仮想マシン概要インターフェイスを開きます。
インターフェイスの コンソール ペインに
VNC コンソールオプションが表示されれば、変換は成功しています。
2.4.2. Virt Viewer で仮想マシンのグラフィカルコンソールを開く方法 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
KVM 仮想マシンのグラフィカルコンソールに接続して、Virt Viewer デスクトップアプリケーションで開く場合は、以下の手順を行います。
前提条件
- システム、および接続している仮想マシンが、グラフィカルディスプレイに対応している。
- ターゲットの仮想マシンがリモートホストにある場合は、そのホストへの接続およびルートアクセス権限が確保されている。
- オプション: ターゲット仮想マシンがリモートホストにある場合は、リモートホストにアクセスしやすくなる ように libvirt と SSH を設定した。
手順
ローカルの仮想マシンに接続するには、次のコマンドを使用して、guest-name を、接続する仮想マシンの名前に置き換えます。
virt-viewer guest-name
# virt-viewer guest-nameCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow リモートの仮想マシンに接続するには、SSH プロトコルで
virt-viewerコマンドを実行します。たとえば、次のコマンドは、root 権限で、リモートシステム 192.0.2.1 にある guest-name という名前の仮想マシンに接続します。接続には、192.0.2.1 用の root 認証も必要になります。virt-viewer --direct --connect qemu+ssh://root@192.0.2.1/system guest-name root@192.0.2.1's password:
# virt-viewer --direct --connect qemu+ssh://root@192.0.2.1/system guest-name root@192.0.2.1's password:Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
検証
接続が正しく機能している場合は、Virt Viewer 画面に仮想マシンのディスプレイが表示されます。
実際のマシンの場合と同じように、マウスとキーボードを使用して仮想マシンのコンソールと相互作用できます。仮想マシンコンソールには、仮想マシンで実行しているアクティビティーが表示されます。
トラブルシューティング
- グラフィカルコンソールをクリックしても効果がない場合は、コンソールを全画面表示にします。これは、マウスカーソルオフセットの既知の問題です。
2.4.3. SSH を使用した仮想マシンへの接続 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
SSH 接続プロトコルを使用して仮想マシンの端末と相互作用するには、以下の手順に従います。
前提条件
- ターゲットの仮想マシンへのネットワーク接続および root アクセス権がある。
- ターゲットの仮想マシンがリモートホストにある場合は、そのホストへの接続およびルートのアクセス権限もある。
仮想マシンネットワークは、
libvirtが生成したdnsmasqにより IP アドレスを割り当てます。これは、たとえば、libvirtNAT ネットワーク などに該当します。特に、仮想マシンが次のネットワーク設定のいずれかを使用している場合、SSH を使用して仮想マシンに接続することはできません。
-
hostdevインターフェイス - ダイレクトインターフェイス
- ブリッジインターフェイス
-
libvirt-nssコンポーネントを仮想マシンのホストにインストールして有効にしている。そうでない場合は、以下を行います。libvirt-nssパッケージをインストールします。yum install libvirt-nss
# yum install libvirt-nssCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow /etc/nsswitch.confファイルを編集し、libvirt_guestをhosts行に追加します。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
手順
リモート仮想マシンに接続する場合は、最初に SSH でその物理ホストに接続します。以下の例は、root 認証情報を使用してホストマシン
192.0.2.1に接続する方法を示しています。ssh root@192.0.2.1 root@192.0.2.1's password: Last login: Mon Sep 24 12:05:36 2021 root~#
# ssh root@192.0.2.1 root@192.0.2.1's password: Last login: Mon Sep 24 12:05:36 2021 root~#Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 仮想マシンの名前とユーザーアクセスの認証情報を使用して、仮想マシンに接続します。たとえば、以下は、root 認証情報を使用して、仮想マシン
testguest1に接続します。ssh root@testguest1 root@testguest1's password: Last login: Wed Sep 12 12:05:36 2018 root~]#
# ssh root@testguest1 root@testguest1's password: Last login: Wed Sep 12 12:05:36 2018 root~]#Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
トラブルシューティング
仮想マシンの名前が分からない場合は、
virsh list --allコマンドを使用すると、ホストで利用可能な仮想マシンのリストを表示できます。virsh list --all Id Name State ---------------------------------------------------- 2 testguest1 running - testguest2 shut off
# virsh list --all Id Name State ---------------------------------------------------- 2 testguest1 running - testguest2 shut offCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
2.4.4. 仮想マシンのシリアルコンソールを開く リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
virsh console コマンドを使用すると、仮想マシンのシリアルコンソールに接続できます。
これは、仮想マシンが次のような場合に役に立ちます。
- VNC プロトコルまたは SPICE プロトコルは提供されないため、GUI ツールのビデオ表示が提供されない
- ネットワークに接続されていないため、SSH を使用して 相互作用できない
前提条件
ホスト上の GRUB ブートローダーは、シリアルコンソールを使用するように設定する必要があります。確認するには、ホスト上の
/etc/default/grubファイルにGRUB_TERMINAL=serialパラメーターが含まれていることを確認します。sudo grep GRUB_TERMINAL /etc/default/grub GRUB_TERMINAL=serial
$ sudo grep GRUB_TERMINAL /etc/default/grub GRUB_TERMINAL=serialCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 仮想マシンには、
console type='pty'などのシリアルコンソールデバイスが設定されている必要がある。確認するには、以下の手順を実施します。virsh dumpxml vm-name | grep console <console type='pty' tty='/dev/pts/2'> </console>
# virsh dumpxml vm-name | grep console <console type='pty' tty='/dev/pts/2'> </console>Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 仮想マシンに、カーネルコマンドラインでシリアルコンソールが設定されている。これを確認するには、仮想マシン上の
cat /proc/cmdlineコマンド出力に console=<console-name> が含まれている必要があります。<console-name> はアーキテクチャー固有です。AMD64 および Intel 64 の場合:
ttyS0注記この手順の次のコマンドは
ttyS0を使用します。cat /proc/cmdline BOOT_IMAGE=/vmlinuz-3.10.0-948.el7.x86_64 root=/dev/mapper/rhel-root ro console=tty0 console=ttyS0,9600n8 rd.lvm.lv=rhel/root rd.lvm.lv=rhel/swap rhgb
# cat /proc/cmdline BOOT_IMAGE=/vmlinuz-3.10.0-948.el7.x86_64 root=/dev/mapper/rhel-root ro console=tty0 console=ttyS0,9600n8 rd.lvm.lv=rhel/root rd.lvm.lv=rhel/swap rhgbCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow シリアルコンソールが仮想マシンに正しく設定されていない場合は、virsh コンソール を仮想マシンに接続すると、応答のないゲストコンソールに接続できます。ただし、Ctrl+] ショートカットを使用して、応答しないコンソールを終了することができます。
仮想マシンでシリアルコンソールを設定するには、以下を行います。
仮想マシンで、
console=ttyS0カーネルオプションを有効にします。grubby --update-kernel=ALL --args="console=ttyS0"
# grubby --update-kernel=ALL --args="console=ttyS0"Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 変更を反映させない可能性があるカーネルオプションをクリアします。
grub2-editenv - unset kernelopts
# grub2-editenv - unset kerneloptsCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow - 仮想マシンを再起動します。
serial-getty@<console-name>サービスを有効にする必要があります。たとえば、AMD64 および Intel 64 の場合:systemctl status serial-getty@ttyS0.service ○ serial-getty@ttyS0.service - Serial Getty on ttyS0 Loaded: loaded (/usr/lib/systemd/system/serial-getty@.service; enabled; preset: enabled)# systemctl status serial-getty@ttyS0.service ○ serial-getty@ttyS0.service - Serial Getty on ttyS0 Loaded: loaded (/usr/lib/systemd/system/serial-getty@.service; enabled; preset: enabled)Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
手順
ホストシステムで、
virsh consoleコマンドを使用します。次の例では、libvirt ドライバーが安全なコンソール処理に対応していると、仮想マシン guest1 に接続します。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow - virsh コンソールは、標準のコマンドラインインターフェイスと同じ方法で相互作用できます。
2.4.5. リモートの仮想化ホストへの簡単なアクセスの設定 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
libvirt ユーティリティーを使用してリモートホストシステムの仮想マシンを管理する場合は、-c qemu+ssh://root@hostname/system 構文を使用することが推奨されます。たとえば、ホスト 192.0.2.1 で、root で virsh list コマンドを実行します。
ただし、SSH および libvirt の設定を変更すれば、接続の詳細を完全に指定する必要がなくなります。以下に例を示します。
この改善機能を有効にするには、以下の手順を行います。
手順
~/.ssh/configファイルを以下のように編集します。ここで、host-alias は特定のリモートホストに関連付けられた短縮名および root@192.0.2.1 のエイリアス、hosturl は host の URL アドレスです。vi ~/.ssh/config Host example-host-alias User root Hostname 192.0.2.1
# vi ~/.ssh/config Host example-host-alias User root Hostname 192.0.2.1Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow /etc/libvirt/libvirt.confファイルを以下のように編集します。example-qemu-host-alias は、QEMU および libvirt ユーティリティーがqemu+ssh://192.0.2.1/systemに目的のホスト example-host-alias を関連付けるホストエイリアスです。vi /etc/libvirt/libvirt.conf uri_aliases = [ "example-qemu-host-alias=qemu+ssh://example-host-alias/system", ]
# vi /etc/libvirt/libvirt.conf uri_aliases = [ "example-qemu-host-alias=qemu+ssh://example-host-alias/system", ]Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
検証
ローカルシステムで libvirt ベースのユーティリティーを使用し、
-c qemu-host-aliasパラメーターを追加することで、リモートの仮想マシンを管理できることを確認します。これにより、リモートホストの SSH でコマンドが自動的に実行されます。たとえば、以下のコマンドにより、前の手順で example-qemu-host-alias としてセットアップした接続である、192.0.2.1 リモートホスト上の仮想マシンがリスト表示されることを確認します。
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 注記virshの他に、-c(または--connect) オプションと、上記のリモートホストアクセス設定は、以下のユーティリティーで使用できます。
次のステップ
libvirt ユーティリティーを、1 台のリモートホストで排他的に使用する場合は、libvirt ベースのユーティリティーのデフォルトターゲットとして特定の接続を設定することもできます。ただし、ローカルホストまたは別のリモートホストでも仮想マシンを管理する場合、この方法は推奨されません。
/etc/libvirt/libvirt.confファイルを編集して、uri_defaultパラメーターの値を、デフォルトの libvirt ターゲットとして example-qemu-host-alias に設定できます。# These can be used in cases when no URI is supplied by the application # (@uri_default also prevents probing of the hypervisor driver). # uri_default = "example-qemu-host-alias"
# These can be used in cases when no URI is supplied by the application # (@uri_default also prevents probing of the hypervisor driver). # uri_default = "example-qemu-host-alias"Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow これにより、指定したリモートホストで、libvirt ベースのコマンドがすべて自動的に実行されます。
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow リモートホストに接続する場合、リモートシステムへの root パスワードの入力を回避できます。そのためには、以下の方法を 1 つ以上行います。
- リモートホストへのキーベースの SSH アクセスを設定する
- SSH 接続の多重化を使用して、リモートシステムに接続する。
- Identity Management における Kerberos 認証
-
-c(または--connect) オプションを使用して、virt-install、
リモートホスト上の virt-viewer、virsh、および virt-manager コマンド。
2.4.6. コマンドラインを使用して SPICE リモートディスプレイプロトコルを VNC に置き換える リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
SPICE リモート表示プロトコルは RHEL 8 では非推奨となり、RHEL 9 では削除されます。SPICE プロトコルを使用するように設定された仮想マシン (VM) がある場合は、コマンドラインを使用して SPICE プロトコルを VNC プロトコルに置き換えることができます。ただし、オーディオや USB パススルーなどの一部の SPICE デバイスは、VNC プロトコルに適切な代替機能が存在しないため、仮想マシンから削除されます。
デフォルトでは、RHEL 8 仮想マシンは SPICE プロトコルを使用するように設定されています。SPICE から VNC に切り替えないと、これらの仮想マシンは RHEL 9 に移行できません。
前提条件
- SPICE リモートディスプレイプロトコルを使用するように設定され、すでにシャットダウンされている既存の仮想マシンがある。
手順
ホスト上で次のコマンドを実行し、`<vm-name>` を VNC に変換する仮想マシンの名前に置き換えます。
virt-xml <vm-name> --edit --convert-to-vnc Domain 'vm-name' defined successfully
# virt-xml <vm-name> --edit --convert-to-vnc Domain 'vm-name' defined successfullyCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
検証
変換した仮想マシンの設定を検査し、グラフィックタイプが
vncとしてリストされていることを確認します。virsh dumpxml -xml <vm-name> | grep "graphics" <graphics type='vnc' port='5900' autoport='yes' listen='127.0.0.1'>
# virsh dumpxml -xml <vm-name> | grep "graphics" <graphics type='vnc' port='5900' autoport='yes' listen='127.0.0.1'>Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
2.4.7. VNC パスワードの設定 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
仮想マシン (VM) のグラフィカル出力へのアクセスを管理するには、仮想マシンの VNC コンソールのパスワードを設定できます。
仮想マシンに VNC パスワードが設定されている場合、仮想マシンのユーザーは、たとえば virt-viewer ユーティリティーを使用して仮想マシンの VNC グラフィカルコンソールを表示したり操作したりするときに、パスワードを入力する必要があります。
VNC パスワードは、仮想マシン環境のセキュリティーを確保するのに十分な手段ではありません。詳細は、VNC セキュリティーに関する QEMU のドキュメント を参照してください。
また、VNC パスワードは、仮想マシンの設定にプレーンテキストで保存されます。そのため、パスワードを有効にする場合は、ユーザーが仮想マシン設定を表示できないようにする必要があります。
前提条件
VNC パスワードで保護する仮想マシンに VNC グラフィックスが設定されている。
これが当てはまるかどうかを確認するには、次のように
virsh dumpxmlコマンドを使用します。virsh dumpxml <vm-name> | grep graphics <graphics type='vnc' ports='-1' autoport=yes listen=127.0.0.1> </graphics>
# virsh dumpxml <vm-name> | grep graphics <graphics type='vnc' ports='-1' autoport=yes listen=127.0.0.1> </graphics>Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
手順
VNC パスワードを割り当てる仮想マシンの設定を開きます。
virsh edit <vm-name>
# virsh edit <vm-name>Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 設定の
<graphics>行に、passwd属性とパスワード文字列を追加します。パスワードは 8 文字以下にする必要があります。<graphics type='vnc' ports='-1' autoport=yes listen=127.0.0.1 passwd='<password>'>
<graphics type='vnc' ports='-1' autoport=yes listen=127.0.0.1 passwd='<password>'>Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow オプション: さらに、パスワードの有効期限が切れる日時を定義します。
<graphics type='vnc' ports='-1' autoport=yes listen=127.0.0.1 passwd='<password>' passwdValidTo='2025-02-01T15:30:00'>
<graphics type='vnc' ports='-1' autoport=yes listen=127.0.0.1 passwd='<password>' passwdValidTo='2025-02-01T15:30:00'>Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow この例では、パスワードは 2025 年 2 月 1 日 15:30 UTC に期限切れになります。
- 設定を保存します。
検証
変更した仮想マシンを起動します。
virsh start <vm-name>
# virsh start <vm-name>Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow たとえば、
virt-viewerユーティリティーを使用して、仮想マシンのグラフィカルコンソールを開きます。virt-viewer <vm-name>
# virt-viewer <vm-name>Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow VNC パスワードが正しく設定されている場合は、パスワードの入力を要求するダイアログウィンドウが表示されます。
2.5. 仮想マシンのシャットダウン リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
RHEL 9 でホストされている実行中の仮想マシンをシャットダウンするには、コマンドライン または Web コンソール GUI を使用します。
2.5.1. コマンドラインを使用した仮想マシンのシャットダウン リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
仮想マシン (VM) をシャットダウンするには、仮想マシンが応答するかどうかに応じて異なる手順が必要です。
応答可能な仮想マシンのシャットダウン
ゲストに接続している 場合は、ゲストオペレーティングシステムに適したシャットダウンコマンドまたは GUI 要素を使用します。
注記GNOME デスクトップを使用する Linux ゲストなどの一部の環境では、ゲストをサスペンドまたはハイバネート状態にするために GUI 電源ボタンを使用すると、代わりに仮想マシンがシャットダウンされることがあります。
または、ホストで
virsh shut downコマンドを使用します。仮想マシンがローカルホストにある場合は、以下のコマンドを実行します。
virsh shutdown demo-guest1 Domain 'demo-guest1' is being shutdown
# virsh shutdown demo-guest1 Domain 'demo-guest1' is being shutdownCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 仮想マシンがリモートホスト (この例では 192.0.2.1) にある場合は、以下のコマンドを実行します。
virsh -c qemu+ssh://root@192.0.2.1/system shutdown demo-guest1 root@192.0.2.1's password: Domain 'demo-guest1' is being shutdown
# virsh -c qemu+ssh://root@192.0.2.1/system shutdown demo-guest1 root@192.0.2.1's password: Domain 'demo-guest1' is being shutdownCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
応答しない仮想マシンのシャットダウン
応答しない場合など、仮想マシンを強制的にシャットダウンする場合は、そのホストで virsh destroy コマンドを実行します。
virsh destroy demo-guest1 Domain 'demo-guest1' destroyed
# virsh destroy demo-guest1
Domain 'demo-guest1' destroyed
virsh destroy コマンドは、仮想マシンの設定またはディスクイメージを削除するわけではありません。物理マシンから電源コードを抜くのと同様に、仮想マシンの実行中のインスタンスを終了するだけです。
virsh destroy によって、仮想マシンのファイルシステムが破損することがまれにあります。そのため、他のすべてのシャットダウン方法が失敗した場合にのみ、このコマンドを使用することを推奨します。
検証
ホスト上で、仮想マシンのリストを表示してステータスを確認します。
virsh list --all Id Name State ------------------------------------------ 1 demo-guest1 shut off
# virsh list --all Id Name State ------------------------------------------ 1 demo-guest1 shut offCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
2.5.2. Web コンソールを使用した仮想マシンのシャットダウンおよび再起動 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
RHEL 8 Web コンソールを使用して、実行中の仮想マシンを シャットダウン または 再起動 できます。仮想マシンが応答しない場合は、マスク不可割り込みを送信できます。
2.5.2.1. Web コンソールで仮想マシンのシャットダウン リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
仮想マシンが 稼働 状態であれば、RHEL 9 Web コンソールを使用してシャットダウンできます。
前提条件
- RHEL 8 Web コンソールがインストールされている。
- cockpit サービスが有効になっている。
ユーザーアカウントが Web コンソールにログインできる。
手順は、Web コンソールのインストールおよび有効化 を参照してください。
- Web コンソールの仮想マシンプラグインが システムにインストールされている。
手順
- インターフェイスで、シャットダウンする仮想マシンがある行を見つけます。
行の右側で、 をクリックします。
仮想マシンがシャットダウンします。
トラブルシューティング
- 仮想マシンがシャットダウンしない場合には、 ボタンの横にある をクリックして、 を選択します。
- 応答しない仮想マシンをシャットダウンするには、マスク不可割り込みを送信 することもできます。
2.5.2.2. Web コンソールを使用した仮想マシンの再起動 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
仮想マシンが 稼働 状態であれば、RHEL 9 Web コンソールを使用して再起動できます。
前提条件
- RHEL 8 Web コンソールがインストールされている。
- cockpit サービスが有効になっている。
ユーザーアカウントが Web コンソールにログインできる。
手順は、Web コンソールのインストールおよび有効化 を参照してください。
- Web コンソールの仮想マシンプラグインが システムにインストールされている。
手順
- インターフェイスで、再起動する仮想マシンの行を見つけます。
行の右側にあるメニューボタン をクリックします。
アクションのドロップダウンメニューが表示されます。
ドロップダウンメニューで、 をクリックします。
仮想マシンがシャットダウンして再起動します。
トラブルシューティング
- 仮想マシンが再起動しない場合には ボタンのとなりにある をクリックして を選択します。
- 応答しない仮想マシンをシャットダウンするには、マスク不可割り込みを送信 することもできます。
2.5.2.3. Web コンソールでマスク不可割り込みを仮想マシンに送信する手順 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
NMI (マスク不可割り込み) を送信すると、応答しない稼働中の仮想マシンが応答またはシャットダウンする可能性があります。たとえば、Ctrl+Alt+Del の NMI を、標準入力に応答しない仮想マシンに送信できます。
前提条件
- RHEL 8 Web コンソールがインストールされている。
- cockpit サービスが有効になっている。
ユーザーアカウントが Web コンソールにログインできる。
手順は、Web コンソールのインストールおよび有効化 を参照してください。
- Web コンソールの仮想マシンプラグインが システムにインストールされている。
手順
RHEL 8 Web コンソールにログインします。
詳細は、Web コンソールへのログイン を参照してください。
- インターフェイスで、NMI を送信する仮想マシンの行を見つけます。
行の右側にあるメニューボタン をクリックします。
アクションのドロップダウンメニューが表示されます。
ドロップダウンメニューで、 をクリックします。
NMI が仮想マシンに送信されます。
2.6. 仮想マシンの削除 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
RHEL 9 で仮想マシンを削除するには、コマンドライン または Web コンソール GUI を使用します。
2.6.1. コマンドラインを使用した仮想マシンの削除 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
仮想マシンを削除するには、コマンドラインでその XML 設定および関連するストレージファイルをホストから削除します。以下の手順を実施します。
前提条件
- 仮想マシンからの重要なデータのバックアップを作成している。
- 仮想マシンをシャットダウンしている。
- その他の仮想マシンが、同じ関連ストレージを使用しないようにしている。
手順
virsh undefineユーティリティーを使用します。たとえば、次のコマンドは、guest1 仮想マシン、関連のあるストレージボリューム、および不揮発性 RAM が存在する場合はそれを削除します。
virsh undefine guest1 --remove-all-storage --nvram Domain 'guest1' has been undefined Volume 'vda'(/home/images/guest1.qcow2) removed.
# virsh undefine guest1 --remove-all-storage --nvram Domain 'guest1' has been undefined Volume 'vda'(/home/images/guest1.qcow2) removed.Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
2.6.2. Web コンソールを使用した仮想マシンの削除 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
RHEL 8 Web コンソールが接続しているホストから、仮想マシンおよび関連ストレージファイルを削除する場合は、以下の手順を行います。
前提条件
- RHEL 8 Web コンソールがインストールされている。
- cockpit サービスが有効になっている。
ユーザーアカウントが Web コンソールにログインできる。
手順は、Web コンソールのインストールおよび有効化 を参照してください。
- RHEL 8 Web コンソールがインストールされている。
- cockpit サービスが有効になっている。
ユーザーアカウントが Web コンソールにログインできる。
手順は、Web コンソールのインストールおよび有効化 を参照してください。
- Web コンソールの仮想マシンプラグインが システムにインストールされている。
- 仮想マシンからの重要なデータのバックアップを作成している。
- 他の仮想マシンが同じ関連ストレージを使用していないことを確認します。
- オプション: 仮想マシンをシャットダウンします。
手順
RHEL 8 Web コンソールにログインします。
詳細は、Web コンソールへのログイン を参照してください。
インターフェイスで、削除する仮想マシンのメニューボタン をクリックします。
仮想マシン操作を制御するためのドロップダウンメニューが表示されます。
をクリックします。
確認ダイアログが表示されます。
- オプション: 仮想マシンに関連付けられているストレージファイルのすべてまたは一部を削除するには、削除するストレージファイルの横にあるチェックボックスをオンにします。
をクリックします。
仮想マシンと、選択したストレージファイルが削除されます。
第3章 IBM POWER での仮想化の使用 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
IBM POWER8 または POWER9 のハードウェアで RHEL 8 を使用する場合は、KVM 仮想化を使用できます。ただし、システムで KVM ハイパーバイザーを有効にする 場合は、AMD64 および Intel64 のアーキテクチャーの仮想化に、追加の手順が必要になります。特定の RHEL 8 の仮想化機能には、IBM POWER の 機能が異なったり、制限されている ものもあります。
以下のセクションの情報とは別に、IBM POWER で仮想化を使用すると、AMD64 および Intel 64 と同じように機能します。したがって、IBM POWER で仮想化を使用する方法は、その他の RHEL 8 仮想化ドキュメントを参照してください。
3.1. IBM POWER での仮想化の有効化 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
KVM ハイパーバイザーを設定し、RHEL 8 を実行している IBM POWER8 または IBM POWER9 のシステムで仮想マシンを作成するには、以下の手順に従います。
前提条件
- ホストマシンに RHEL 8 がインストールされ、登録されている。
最低でも、以下のシステムリソースが利用できる。
- ホスト用に 6 GB と、各仮想マシン用に 6 GB の空きディスク容量。
- ホスト用に 2 GB と、各仮想マシン用に 2 GB の RAM。
- ホスト上の 4 つの CPU通常、仮想マシンは、割り当てられた 1 つの vCPU で実行できますが、Red Hat は、高負荷時に仮想マシンが応答しなくならないように、仮想マシンごとに 2 つ以上の vCPU を割り当てることを推奨します。
CPU マシンタイプは、IBM POWER 仮想化に対応している必要があります。
これを確認するには、
/proc/cpuinfoファイルでプラットフォーム情報を探してください。grep ^platform /proc/cpuinfo/ platform : PowerNV
# grep ^platform /proc/cpuinfo/ platform : PowerNVCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow このコマンドの出力に
PowerNVエントリーが含まれる場合は、マシンタイプ PowerNV を実行しており、IBM POWER で仮想化を使用できます。
手順
KVM-HV カーネルモジュールを読み込みます。
modprobe kvm_hv
# modprobe kvm_hvCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow KVM カーネルモジュールが読み込まれていることを確認します。
lsmod | grep kvm
# lsmod | grep kvmCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow KVM が正常に読み込まれると、このコマンドの出力には
kvm_hvが含まれます。仮想化モジュールにパッケージをインストールします。
yum module install virt
# yum module install virtCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow virt-installパッケージをインストールします。yum install virt-install
# yum install virt-installCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow libvirtdサービスを開始します。systemctl start libvirtd
# systemctl start libvirtdCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
検証
システムが仮想ホストとして準備されていることを確認します。
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow virt-host-validate のすべての項目で
PASS値が返された場合は、システムに 仮想マシンを作成する 準備ができています。いずれかの項目で
FAILが返された場合は、表示される指示に従って問題を解決してください。いずれかの項目で
WARNが返された場合は、表示される指示に従って仮想化機能を向上させることを検討してください。
トラブルシューティング
KVM 仮想化がホスト CPU でサポートされていない場合は、virt-host-validate は以下の出力を生成します。
QEMU: Checking for hardware virtualization: FAIL (Only emulated CPUs are available, performance will be significantly limited)
QEMU: Checking for hardware virtualization: FAIL (Only emulated CPUs are available, performance will be significantly limited)Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow ただし、このようなホストシステムにある仮想マシンは、パフォーマンス上の問題が発生するのではなく、起動に失敗します。
これを回避するには、仮想マシンの XML 設定の
<domain type>値をqemuに変更します。ただし、Red Hat はqemuドメインタイプを使用する仮想マシンに対応していないため、実稼働環境ではこれを設定しないことを強く推奨している点に注意してください。
3.2. IBM POWER の仮想化と AMD64 および Intel 64 の相違点 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
IBM POWER システムにおける RHEL 8 の KVM 仮想化は、AMD64 および Intel 64 の KVM とは異なります。特に以下のの点が異なります。
- メモリー要件
- IBM POWER 上の仮想マシンは、より多くのメモリーを消費します。したがって、IBM POWER ホストの仮想マシンに推奨される最小メモリー割り当ては 2GB RAM です。
- ディスプレイプロトコル
IBM POWER システムでは、SPICE プロトコルに対応していません。仮想マシンのグラフィック出力を表示するには、
VNCプロトコルを使用します。さらに、次の仮想グラフィックスカードデバイスにのみ対応しています。-
vga--vga stdモードでのみ対応され、-vga cirrusモードでは対応されません。 -
virtio-vga -
virtio-gpu
-
- SMBIOS
- SMBIOS 設定は利用できません。
- メモリー割り当てエラー
Power8 の仮想マシン (互換モードの仮想マシンを含む) は、以下のようなエラーで失敗する場合があります。
qemu-kvm: Failed to allocate KVM HPT of order 33 (try smaller maxmem?): Cannot allocate memory
qemu-kvm: Failed to allocate KVM HPT of order 33 (try smaller maxmem?): Cannot allocate memoryCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow これは、RHEL 7.3 以前をゲスト OS として使用する仮想マシンで発生する可能性が非常に高くなります。
この問題を解決するには、ホストのカーネルコマンドラインに
kvm_cma_resv_ratio=memoryを追加して、ゲストのハッシュページテーブル (HPT) に使用できる CMA メモリープールを増やします。memory は、CMA プールに予約する必要があるホストメモリーの割合 (デフォルトは 5) です。- Huge page
THP (Transparent Huge page) は、IBM POWER8 の仮想マシンのパフォーマンスには大きな利点をもたらすことはありません。ただし、IBM POWER9 仮想マシンでは、THP から期待どおりの利点を得ることができます。
また、IBM POWER8 システムの静的 Huge Page のサイズは、16 MiB および 16 GiB です。これは、AMD64、Intel 64、および IBM POWER9 の 2 MiB および 1 GiB とは対照的です。したがって、静的 Huge Page を設定した仮想マシンを、IBM POWER8 ホストから IBM POWER9 ホストに移行するには、最初に仮想マシンに 1GiB の Huge Page を設定する必要があります。
- kvm-clock
-
kvm-clockサービスは、IBM POWER9 の仮想マシンで時間管理用に設定する必要はありません。 - pvpanic
IBM POWER9 システムは、
pvpanicデバイスに対応していません。ただし、このアーキテクチャーでは、同等の機能がデフォルトで利用でき、アクティベートされます。仮想マシンで有効にするには、preserve値で XML 設定要素<on_crash>を使用します。また、
<devices>セクションから<panic>要素を必ず削除してください。その要素があると、仮想マシンが IBM POWER システムで起動できなくなる可能性があるためです。- シングルスレッドホスト
- IBM POWER8 システムでは、仮想マシンに対応するために、ホストマシンを シングルスレッドモード で稼働する必要があります。これは、qemu-kvm パッケージがインストールされていると、自動的に設定されます。ただし、シングルスレッドホストで実行している仮想マシンは、複数のスレッドを使用できます。
- 周辺機器
AMD64 および Intel 64 のシステムで対応している周辺デバイスの多くが、IBM POWER システムでは対応されていないか、別のデバイスが代替として対応されています。
-
ioh3420およびxio3130-downstreamを含む PCI-E 階層に使用されるデバイスには対応していません。この機能は、spapr-pci-host-bridgeデバイスが提供する複数の独立した PCI root ブリッジに置き換えられます。 - UHCI コントローラーおよび EHCI PCI コントローラーには対応していません。代わりに OHCI コントローラーおよび xHCI コントローラーを使用してください。
-
仮想 IDE CD-ROM (
ide-cd) を含む IDE デバイスと、仮想 IDE ディスク (ide-hd) には対応していません。代わりにvirtio-scsiデバイスおよびvirtio-blkデバイスを使用してください。 -
エミュレートされた PCI NIC (
rtl8139) には対応していません。代わりにvirtio-netデバイスを使用してください。 -
intel-hda、hda-output、およびAC97を含むサウンドデバイスは対応していません。 -
usb-redir、usb-tabletなどの USB リダイレクトデバイスには対応していません。
-
- v2v および p2v
-
virt-v2vユーティリティーおよびvirt-p2vユーティリティーは、AMD64 および Intel 64 のアーキテクチャーでのみ対応しており、IBM POWER では提供されません。
関連情報
- Red Hat がサポートする各システムアーキテクチャーで、一部のサポート対象およびサポート対象外の仮想化機能を比較する場合は、RHEL 8 における仮想化機能のサポートの概要 を参照してください。
第4章 IBM Z での仮想化の使用 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
IBM Z ハードウェアで RHEL 8 を使用する場合は、KVM 仮想化を使用できます。ただし、システムで KVM ハイパーバイザーを有効にする 場合は、AMD64 および Intel 64 のアーキテクチャーの仮想化に、追加の手順が必要です。RHEL 8 の仮想化機能には、IBM Z の 機能が異なったり、制限されている ものもあります。
以下のセクションの情報とは別に、IBM Z で仮想化を使用すると、AMD64 および Intel 64 と同じように機能します。したがって、IBM Z で仮想化を使用する方法は、その他の RHEL 8 仮想化ドキュメントを参照してください。
z/VM OS における KVM の実行はサポートされていません。
4.1. IBM Z での仮想化の有効化 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
KVM ハイパーバイザーを設定し、RHEL 8 を実行している IBM Z システムで仮想マシンを作成するには、以下の手順に従います。
前提条件
ホストマシンに RHEL 8.6 以降がインストールされ、登録されている。
重要すでに RHEL 8.5 以前を使用して IBM Z マシンで仮想化を有効化している場合は、代わりに仮想化モジュールを再設定し、システムを更新する必要があります。手順は、How virtualization on IBM Z differs from AMD64 and Intel 64 を参照してください。
最低でも、以下のシステムリソースが利用できる。
- ホスト用に 6 GB と、各仮想マシン用に 6 GB の空きディスク容量。
- ホスト用に 2 GB と、各仮想マシン用に 2 GB の RAM。
- ホスト上の 4 つの CPU通常、仮想マシンは、割り当てられた 1 つの vCPU で実行できますが、Red Hat は、高負荷時に仮想マシンが応答しなくならないように、仮想マシンごとに 2 つ以上の vCPU を割り当てることを推奨します。
- IBM Z ホストシステムでは IBM z14 CPU 以降が使用されています。
RHEL 8 が論理パーティション (LPAR) にインストールされている。また、LPAR が start-interpretive execution (SIE) 仮想機能に対応している。
これを確認するには、
/proc/cpuinfoファイルでsieを検索します。grep sie /proc/cpuinfo features : esan3 zarch stfle msa ldisp eimm dfp edat etf3eh highgprs te sie
# grep sie /proc/cpuinfo features : esan3 zarch stfle msa ldisp eimm dfp edat etf3eh highgprs te sieCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
手順
KVM カーネルモジュールを読み込みます。
modprobe kvm
# modprobe kvmCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow KVM カーネルモジュールが読み込まれていることを確認します。
lsmod | grep kvm
# lsmod | grep kvmCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow KVM が正常に読み込まれると、このコマンドの出力には
kvmが含まれます。virt:rhel/commonモジュールにパッケージをインストールします。yum module install virt:rhel/common
# yum module install virt:rhel/commonCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 仮想化サービスを起動します。
for drv in qemu network nodedev nwfilter secret storage interface; do systemctl start virt${drv}d{,-ro,-admin}.socket; done# for drv in qemu network nodedev nwfilter secret storage interface; do systemctl start virt${drv}d{,-ro,-admin}.socket; doneCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
検証
システムが仮想ホストとして準備されていることを確認します。
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow virt-host-validate のすべての項目で
PASS値が返された場合は、システムに 仮想マシンを作成する 準備ができています。いずれかの項目で
FAILが返された場合は、表示される指示に従って問題を解決してください。いずれかの項目で
WARNが返された場合は、表示される指示に従って仮想化機能を向上させることを検討してください。
トラブルシューティング
KVM 仮想化がホスト CPU でサポートされていない場合は、virt-host-validate は以下の出力を生成します。
QEMU: Checking for hardware virtualization: FAIL (Only emulated CPUs are available, performance will be significantly limited)
QEMU: Checking for hardware virtualization: FAIL (Only emulated CPUs are available, performance will be significantly limited)Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow ただし、このようなホストシステムにある仮想マシンは、パフォーマンス上の問題が発生するのではなく、起動に失敗します。
これを回避するには、仮想マシンの XML 設定の
<domain type>値をqemuに変更します。ただし、Red Hat はqemuドメインタイプを使用する仮想マシンに対応していないため、実稼働環境ではこれを設定しないことを強く推奨している点に注意してください。
4.2. IBM Z の仮想化の RHEL 8.5 から RHEL 8.6 以降への更新 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
RHEL 8.6 より前の IBM Z ハードウェアに RHEL 8 をインストールしている場合は、RHEL 8 のベース RPM ストリームとは別に、AV ストリームから仮想化 RPM を取得する必要があります。RHEL 8.6 以降、以前は AV ストリームからのみ利用可能だった仮想化 RPM がベース RHEL ストリームで利用可能になりました。さらに、AV ストリームは、RHEL 8 の将来のマイナーリリースで廃止される予定です。そのため、AV ストリームの使用は推奨されなくなりました。
以下の手順に従うと、AV ストリームを無効にし、RHEL 8.6 以降のバージョンで利用可能な仮想化 RPM へのアクセスが有効になります。
前提条件
virt:avモジュールがインストールされている IBM Z で RHEL 8.5 を使用している。これを確認するには、以下を実行します。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
手順
virt:avモジュールを無効にします。yum disable virt:av
# yum disable virt:avCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow システムにすでに含まれている既存の仮想化パッケージおよびモジュールを削除します。
yum module reset virt -y
# yum module reset virt -yCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow パッケージを最新の RHEL バージョンにアップグレードします。
yum update
# yum updateCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow これにより、システムで
virt:rhelモジュールも自動的に有効になります。
検証
システムの
virtモジュールがrhelストリームによって提供されていることを確認します。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
4.3. IBM Z の仮想化と、AMD64 および Intel 64 の仮想化の相違点 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
IBM Z システムの RHEL 8 の KVM 仮想化は、以下の点で AMD64 システムおよび Intel 64 システムの KVM とは異なります。
- PCI デバイスおよび USB デバイス
IBM Z は、仮想 PCI デバイスおよび USB デバイスに対応していません。したがって、
virtio-*-pciデバイスに対応していないため、代わりにvirtio-*-ccwデバイスを使用してください。たとえば、virtio-net-pciの代わりにvirtio-net-ccwを使用します。PCI パススルーとも呼ばれる PCI デバイスの直接アタッチに対応しています。
- サポートされているゲスト OS
- Red Hat が IBM Z でホストする仮想マシンをサポートするのは、仮想マシンがゲストオペレーティングシステムとして RHEL 7、8、または 9 を使用している場合のみです。
- デバイスの起動順序
IBM Z は、XML 設定要素
<boot dev='device'>に対応していません。デバイスの起動順序を定義するには、XML の<devices>セクションで、<boot order='number'>要素を使用します。注記すべてのホストアーキテクチャーで、起動順序の管理に
<boot order='number'>を使用することを推奨します。さらに、
<boot>要素でアーキテクチャー固有のloadparm属性を使用して、必要なブートエントリーを選択できます。たとえば、次の例では、ブートシーケンスでディスクを最初に使用する必要があり、そのディスクで Linux ディストリビューションが利用可能な場合は、2 番目のブートエントリーが選択されます。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow - メモリーのホットプラグ
- IBM Z では、実行中の仮想マシンにメモリーを追加することはできません。実行中の仮想マシン (メモリーの ホットアンプラグ) からメモリーを削除することは、IBM Z や、AMD64 および Intel 64 でもできないことに注意してください。
- NUMA トポロジー
-
CPU の Non-Uniform Memory Access (NUMA) トポロジーは、IBM Z 上の
libvirtでは対応していません。したがって、このシステムでは、NUMA を使用して vCPU パフォーマンスをチューニングすることはできません。 - GPU デバイス
- IBM Z システムでは GPU デバイスの割り当て はサポートされていません。
- vfio-ap
- IBM Z ホストの仮想マシンは、vfio-ap 暗号デバイスパススルーを使用しますが、その他のアーキテクチャーでは対応していません。
- vfio-ccw
- IBM Z ホスト上の仮想マシンは、他のアーキテクチャーではサポートされていない vfio-ccw ディスクデバイスパススルーを使用できます。
- SMBIOS
- IBM Z では、SMBIOS 設定は利用できません。
- Watchdog デバイス
IBM Z ホストの仮想マシンでウォッチドッグデバイスを使用する場合は、
diag288モデルを使用します。以下に例を示します。<devices> <watchdog model='diag288' action='poweroff'/> </devices>
<devices> <watchdog model='diag288' action='poweroff'/> </devices>Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow - kvm-clock
-
kvm-clockサービスは、AMD64 システムおよび Intel 64 システムに固有のものであり、IBM Z の仮想マシンの時間管理用に設定する必要はありません。 - v2v および p2v
-
virt-v2vユーティリティーおよびvirt-p2vユーティリティーは、AMD64 および Intel 64 のアーキテクチャーでのみ対応しており、IBM Z では提供されません。 - ネストされた仮想化
- ネストされた仮想マシンを作成するには、AMD64 および Intel 64 とは別の設定を IBM Z で作成する必要があります。詳細は、Creating nested virtual machines を参照してください。
- 以前のリリースでグラフィカル出力なし
-
ホストで RHEL 8.3 以前のマイナーバージョンを使用している場合は、VNC プロトコルを使用して仮想マシンに接続すると、仮想マシンのグラフィカル出力を表示できません。これは、
gnome-desktopユーティリティーが、IBM Z の以前のバージョンの RHEL ではサポートされていなかったためです。また、IBM Z では、SPICE ディスプレイプロトコルは機能しません。 - 移行
後のホストモデル (たとえば IBM z14 から z15) に正常に移行したり、ハイパーバイザーを更新したりするには、
host-modelの CPU モードを使用します。host-passthroughおよびmaximumCPU モードは、一般的に移行に対して安全ではないため、推奨しません。customCPU モードで明示的な CPU モデルを指定する場合は、次のガイドラインに従ってください。-
-baseで終わる CPU モデルは使用しない。 -
qemu、max、またはhostCPU モデルは使用しない。
古いホストモデルへの移行 (z15 から z14 など)、または以前のバージョンの QEMU、KVM、RHEL カーネルへの移行の場合、最後に
-baseが付いていない使用可能な最も古いホストモデルの CPU タイプを使用します。-
ソースホストと宛先ホストの両方を実行している場合は、代わりに宛先ホストで
virsh hypervisor-cpu-baselineコマンドを使用して、適切な CPU モデルを取得できます。詳細は、仮想マシン移行のホスト CPU の互換性の確認 を参照してください。 - RHEL 8 でサポートされているマシンタイプの詳細については、RHEL 8 仮想化で推奨される機能 を参照してください。
-
- PXE インストールおよび起動
PXE を使用して IBM Z で 仮想マシンを実行する場合は、
pxelinux.cfg/defaultファイルに特定の設定が必要です。以下に例を示します。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow - 安全な実行
-
仮想マシンの XML 設定で
<launchSecurity type="s390-pv"/>を定義することにより、準備されたセキュアなゲストイメージで仮想マシンを起動できます。これにより、仮想マシンのメモリーが暗号化され、ハイパーバイザーによる不要なアクセスから保護されます。
仮想マシンを安全な実行モードで実行している場合、次の機能はサポートされないことに注意してください。
-
vfioを使用したデバイスパススルー -
virsh domstatsおよびvirsh memstatを使用したメモリー情報の取得 -
memballoonおよびvirtio-rng仮想デバイス - huge page を使用したメモリーバッキング
- ライブマイグレーションおよび非ライブマイグレーション
- 仮想マシンの保存および復元
-
メモリースナップショットを含む仮想マシンスナップショット (
--memspecオプションを使用) -
完全なメモリーダンプ。代わりに、
virsh dumpコマンドに--memory-onlyオプションを指定してください。 - 248 以上の vCPU。セキュアゲストの vCPU 制限は 247 です。
- ネストされた仮想化
4.4. 次のステップ リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
IBM Z システム上に仮想マシンを設定する場合は、Spectre 脆弱性からゲスト OS を保護することを推奨します。そうするには、
virsh editコマンドを使用して、次のいずれかの方法で、仮想マシンの XML 設定を変更し、その CPU を設定します。ホストの CPU モデルを使用します。
<cpu mode='host-model' check='partial'> <model fallback='allow'/> </cpu>
<cpu mode='host-model' check='partial'> <model fallback='allow'/> </cpu>Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow これにより、ホストが
ppa15機能およびbpb機能に対応している場合は、ゲストでも利用できます。特定のホストモデルを使用している場合は、
ppa15機能およびpbp機能を追加します。次の例では、zEC12 CPU モデルを使用します。<cpu mode='custom' match='exact' check='partial'> <model fallback='allow'>zEC12</model> <feature policy='force' name='ppa15'/> <feature policy='force' name='bpb'/> </cpu><cpu mode='custom' match='exact' check='partial'> <model fallback='allow'>zEC12</model> <feature policy='force' name='ppa15'/> <feature policy='force' name='bpb'/> </cpu>Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow z12 CPU を使用するホストマシンの CPU モデル
z114およびz196でppa15を使用している場合は、最新のマイクロコードレベル (バンドル 95 以降) を使用する必要があります。
第5章 仮想マシンでの QEMU ゲストエージェント機能の有効化 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
RHEL 9 システムでホストされている仮想マシンの特定の機能を使用するには、まず QEMU ゲストエージェント (GA) を使用するように仮想マシンを設定する必要があります。
これらの機能の完全なリストは、QEMU ゲストエージェントを必要とする仮想化機能 を参照してください。
仮想マシン上で QEMU GA を設定するために必要な具体的な手順は、仮想マシンが使用するゲストオペレーティングシステムによって異なります。
- Linux 仮想マシンの場合は、Linux ゲストでの QEMU ゲストエージェントの有効化 参照してください。
- Windows 仮想マシンの場合は、Windows ゲストでの QEMU ゲストエージェントの有効化 を参照してください。
5.1. Linux ゲストでの QEMU ゲストエージェントの有効化 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
RHEL ホストが Linux 仮想マシン上で 特定の操作のサブセット を実行できるようにするには、QEMU ゲストエージェント (GA) を有効にする必要があります。
実行中の仮想マシンとシャットダウンした仮想マシンの両方で、QEMU GA を有効にできます。
手順
QEMU GA の XML 設定ファイル (例:
qemuga.xml) を作成します。touch qemuga.xml
# touch qemuga.xmlCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow ファイルに以下の行を追加します。
<channel type='unix'> <source mode='bind' path='/var/lib/libvirt/qemu/f16x86_64.agent'/> <target type='virtio' name='org.qemu.guest_agent.0'/> </channel>
<channel type='unix'> <source mode='bind' path='/var/lib/libvirt/qemu/f16x86_64.agent'/> <target type='virtio' name='org.qemu.guest_agent.0'/> </channel>Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow XML ファイルを使用して、仮想マシンの設定に QEMU GA を追加します。
仮想マシンが実行中の場合は、次のコマンドを使用します。
virsh attach-device <vm-name> qemuga.xml --live --config
# virsh attach-device <vm-name> qemuga.xml --live --configCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 仮想マシンがシャットダウンされている場合は、次のコマンドを使用します。
virsh attach-device <vm-name> qemuga.xml --config
# virsh attach-device <vm-name> qemuga.xml --configCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
Linux ゲストオペレーティングシステムで、QEMU GA をインストールします。
yum install qemu-guest-agent
# yum install qemu-guest-agentCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow ゲストで QEMU GA サービスを起動します。
systemctl start qemu-guest-agent
# systemctl start qemu-guest-agentCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
検証
QEMU GA が Linux 仮想マシンで有効化および実行されていることを確認するには、次のいずれかを実行します。
-
ゲストオペレーティングシステムで、
systemctl status qemu-guest-agent | grep Loadedコマンドを使用します。出力にenabledが含まれる場合、仮想マシン上で QEMU GA がアクティブになっています。 -
ホストで
virsh domfsinfo <vm-name>コマンドを使用します。何らかの出力が表示された場合、指定した仮想マシン上で QEMU GA がアクティブになっています。
5.2. Windows ゲストでの QEMU ゲストエージェントの有効化 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
RHEL ホストが Windows 仮想マシン上で 特定の操作のサブセット を実行できるようにするには、QEMU ゲストエージェント (GA) を有効にする必要があります。これを行うには、QEMU ゲストエージェントインストーラーを含むストレージデバイスを、既存の仮想マシンに追加するか、新しい仮想マシンを作成するときに追加し、Windows ゲストオペレーティングシステムにドライバーをインストールします。
グラフィカルインターフェイスを使用してゲストエージェント (GA) をインストールするには、以下の手順を参照してください。コマンドラインで GA をインストールするには、Microsoft Windows Installer (MSI) を使用してください。
前提条件
- ゲストエージェントを含むインストールメディアが仮想マシンに接続されている。メディアの準備手順は、Preparing virtio driver installation media on a host machine を参照してください。
手順
-
Windows ゲストオペレーティングシステムで、
File Explorerアプリケーションを開きます。 -
この PCをクリックします。 -
デバイスおよびドライブペインで、virtio-winメディアを開きます。 -
guest-agentフォルダーを開きます。 仮想マシンにインストールされているオペレーティングシステムに基づいて、次のいずれかのインストーラーを実行します。
-
32 ビットオペレーティングシステムを使用している場合は、
qemu-ga-i386.msiインストーラーを実行します。 -
64 ビットオペレーティングシステムを使用している場合は、
qemu-ga-x86_64.msiインストーラーを実行します。
-
32 ビットオペレーティングシステムを使用している場合は、
-
オプション: ホストと Windows ゲスト間の通信インターフェイスとして準仮想化シリアルドライバー (
virtio-serial) を使用する場合は、virtio-serialドライバーが Windows ゲストにインストールされていることを確認します。virtioドライバーのインストールの詳細は、Windows ゲストへの virtio ドライバーのインストール を参照してください。
検証
Windows 仮想マシンで、Services ウィンドウに移動します。
Computer Management > Services
-
QEMU Guest AgentのステータスがRunningであることを確認します。
5.3. QEMU ゲストエージェントを必要とする仮想化機能 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
仮想マシン (VM) で QEMU ゲストエージェント (GA) を有効にすると、ホスト上で次のコマンドを使用して仮想マシンを管理できます。
virsh shutdown --mode=agent-
このシャットダウン方法は、
virsh shutdown --mode=acpiよりも信頼性が高くなります。これは、QEMU GA で使用するvirsh shutdownは、確実にクリーンな状態で協調ゲストをシャットダウンするためです。
virsh domfsfreezeおよびvirsh domfsthaw- ゲストファイルシステムを分離してフリーズします。
virsh domfstrimゲストにファイルシステムをトリミングするように指示します。これにより、移行中に転送する必要のあるデータを削減できます。
重要このコマンドを使用して Linux 仮想マシンを管理する場合は、ゲストオペレーティングシステムで次の SELinux ブール値も設定する必要があります。
setsebool virt_qemu_ga_read_nonsecurity_files on
# setsebool virt_qemu_ga_read_nonsecurity_files onCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow virsh domtime- ゲストの時計をクエリーまたは設定します。
virsh setvcpus --guest- ゲストに CPU をオフラインにするように指示します。これは、CPU をホットアンプラグできない場合に便利です。
virsh domifaddr --source agent- QEMU GA を使用してゲストオペレーティングシステムの IP アドレスをクエリーします。たとえば、ゲストインターフェイスがホストインターフェイスに直接接続されている場合に便利です。
virsh domfsinfo- 実行中のゲストにマウントされているファイルシステムのリストを表示します。
virsh set-user-password- ゲストの特定のユーザーアカウントのパスワードを設定します。
virsh set-user-sshkeysゲストの特定のユーザーの認可された SSH 鍵ファイルを編集します。
重要このコマンドを使用して Linux 仮想マシンを管理する場合は、ゲストオペレーティングシステムで次の SELinux ブール値も設定する必要があります。
setsebool virt_qemu_ga_manage_ssh on
# setsebool virt_qemu_ga_manage_ssh onCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
第6章 Web コンソールでの仮想マシンの管理 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
RHEL 8 ホストのグラフィカルインターフェイスで仮想マシンを管理する場合は、RHEL 8 Web コンソールの Virtual Machines ペインを使用できます。
6.1. Web コンソールを使用した仮想マシンの管理の概要 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
RHEL 8 Web コンソールは、Web ベースのシステム管理インターフェイスです。Web コンソールは、その機能の 1 つとして、ホストシステムで仮想マシンをグラフィカルに表示してその仮想マシンの作成、アクセス、および設定を可能にします。
Web コンソールを使用して RHEL 8 で仮想マシンを管理するには、最初に、仮想化用の Web コンソールプラグイン をインストールする必要があります。
次のステップ
- Web コンソールで仮想マシンの管理を有効にする手順は、Web コンソールの設定による仮想マシンの管理 を参照してください。
- Web コンソールで使用できる仮想マシン管理アクションの包括的なリストは、Virtual machine management features available in the web console を参照してください。
- Web コンソールでは使用できず、virt-manager アプリケーションで使用できる機能のリストは、Differences between virtualization features in Virtual Machine Manager and the web console を参照してください。
6.2. 仮想マシンを管理するために Web コンソールを設定 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
Web コンソールの仮想マシン (VM) プラグインをインストールして、RHEL 8 Web コンソールを使用してホストで仮想マシンを管理できるようにしてある。
前提条件
- RHEL 8 Web コンソールがインストールされている。
- cockpit サービスが有効になっている。
ユーザーアカウントが Web コンソールにログインできる。
手順は、Web コンソールのインストールおよび有効化 を参照してください。
手順
cockpit-machinesプラグインをインストールします。yum install cockpit-machines
# yum install cockpit-machinesCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
検証
RHEL 8 Web コンソールにログインします。
詳細は、Web コンソールへのログイン を参照してください。
インストールに成功すると、 が Web コンソールのサイドメニューに表示されます。
6.3. Web コンソールを使用した仮想マシンの名前の変更 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
名前の競合を避けるために、またはユースケースに基づいて新しい一意の名前を割り当てるために、既存の仮想マシンの名前を変更することが必要な場合があります。RHEL Web コンソールを使用して仮想マシンの名前を変更できます。
前提条件
- RHEL 8 Web コンソールがインストールされている。
- cockpit サービスが有効になっている。
ユーザーアカウントが Web コンソールにログインできる。
手順は、Web コンソールのインストールおよび有効化 を参照してください。
- Web コンソールの仮想マシンプラグインが システムにインストールされている。
- 仮想マシンがシャットダウンされている。
手順
インターフェイスで、名前を変更する仮想マシンのメニューボタン をクリックします。
仮想マシン操作を制御するためのドロップダウンメニューが表示されます。
をクリックします。
Rename a VM ダイアログが表示されます。
- New name フィールドに、仮想マシンの名前を入力します。
- をクリックします。
検証
- 新しい仮想マシン名が インターフェイスに表示されていることを確認します。
6.4. Web コンソールで利用可能な仮想マシンの管理機能 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
RHEL 9 Web コンソールを使用すると、システム上の仮想マシンを管理する以下のアクションを実行できます。
| タスク | 詳細は以下参照 |
|---|---|
| 仮想マシンの作成およびゲストオペレーティングシステムでのインストール | |
| 仮想マシンの削除 | |
| 仮想マシンび起動、シャットダウンし、再起動 | |
| さまざまなコンソールを使用した仮想マシンへの接続および操作 | |
| 仮想マシンに関するさまざまな情報の表示 | |
| 仮想マシンに割り当てられたホストメモリーの調整 | |
| 仮想マシンのネットワーク接続管理 | |
| ホストでの利用可能な仮想マシンストレージ管理および仮想ディスクを仮想マシンへの割り当て | |
| 仮想マシンの仮想 CPU 設定 | |
| 仮想マシンのライブマイグレーション | |
| ホストデバイスの管理 | |
| 仮想光学ドライブを管理する | |
| ウォッチドッグデバイスを接続する |
6.5. 仮想マシンマネージャーと Web コンソールでの仮想化機能の相違点 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
仮想マシンマネージャー (virt-manager) は、RHEL 8 で対応していますが、非推奨になっています。後続の主要なリリースでは、Web コンソールがその代替となる予定です。したがって、GUI で仮想化を管理する場合は、Web コンソールを使用することが推奨されます。
ただし、RHEL 8 では、virt-manager またはコマンドラインでのみ実行可能な仮想マシン管理タスクがあります。次の表は、virt-manager で使用でき、RHEL 8.0 Web コンソールでは使用できない機能を示しています。
この機能は、RHEL 8 の後続のマイナーバージョンで利用可能な場合は、Web コンソールのサポートの列に、最小バージョンの RHEL 8 が表示されます。
| タスク | Web コンソールでのサポートが導入されました。 | CLI を使用した代替方法 |
|---|---|---|
| ホストの起動時に起動する仮想マシンを設定 | RHEL 8.1 |
|
| 仮想マシンの一時停止 | RHEL 8.1 |
|
| 中断している仮想マシンの再開 | RHEL 8.1 |
|
| ファイルシステムディレクトリーストレージプールの作成 | RHEL 8.1 |
|
| NFS ストレージプールの作成 | RHEL 8.1 |
|
| 物理ディスクデバイスのストレージプールの作成 | RHEL 8.1 |
|
| LVM ボリュームグループストレージプールの作成 | RHEL 8.1 |
|
| パーティションベースのストレージプールの作成 | 現在利用不可 |
|
| GlusterFS ベースのストレージプールの作成 | 現在利用不可 |
|
| SCSI デバイスを使用した vHBA ベースのストレージプールの作成 | 現在利用不可 |
|
| マルチパスベースのストレージプールの作成 | 現在利用不可 |
|
| RBD ベースのストレージプールの作成 | 現在利用不可 |
|
| ストレージボリュームの新規作成 | RHEL 8.1 |
|
| 新しい仮想ネットワークの追加 | RHEL 8.1 |
|
| 仮想ネットワークの削除 | RHEL 8.1 |
|
| ホストマシンのインターフェイスから仮想マシンへのブリッジを作成 | 現在利用不可 |
|
| スナップショットの作成 | 現在利用不可 |
|
| スナップショットへの復帰 | 現在利用不可 |
|
| スナップショットの削除 | 現在利用不可 |
|
| 仮想マシンのクローン作成 | RHEL 8.4 |
|
| 仮想マシンの別のホストマシンへの移行 | RHEL 8.5 |
|
| ホストデバイスの仮想マシンへの割り当て | RHEL 8.5 |
|
| 仮想マシンからのホストデバイスの削除 | RHEL 8.5 |
|
第7章 仮想マシンに関する情報の表示 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
RHEL 9 での仮想化デプロイメントのあらゆる側面を調整またはトラブルシューティングする必要がある場合、通常、最初に実行する必要がある手順は、仮想マシン (VM) の現在の状態と設定に関する情報を表示することです。これは、コマンドライン または Web コンソール を使用して実行できます。仮想マシンの XML 設定 で情報を表示することもできます。
7.1. コマンドラインを使用した仮想マシン情報の表示 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
ホストおよびその設定で仮想マシンに関する情報を取得するには、以下のコマンドのいずれかまたは複数コマンドを使用します。
手順
ホストで仮想マシンのリストを取得するには、次のコマンドを実行します。
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 特定の仮想マシンに関する基本的な情報を取得するには、次のコマンドを実行します。
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 特定の仮想マシンの XML 設定をすべて取得するには、次のコマンドを実行します。
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 仮想マシンの XML 設定の例と注釈は、仮想マシンの XML 設定例 を参照してください。
仮想マシンのディスクおよびその他のブロックデバイスに関する情報は、次のコマンドを実行します。
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 仮想マシンのストレージを管理する手順は、Managing storage for virtual machines を参照してください。
仮想マシンのファイルシステムとそのマウントポイントに関する情報を取得するには、次のコマンドを実行します。
virsh domfsinfo testguest3 Mountpoint Name Type Target ------------------------------------ / dm-0 xfs /boot vda1 xfs
# virsh domfsinfo testguest3 Mountpoint Name Type Target ------------------------------------ / dm-0 xfs /boot vda1 xfsCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
特定の仮想マシンの vCPU に関する詳細を取得するには、次のコマンドを実行します。
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 仮想マシンで vCPU を設定し、最適化するには、仮想マシンの CPU パフォーマンスの最適化 を参照してください。
ホスト上の仮想ネットワークインターフェイスのリストを表示するには、次のコマンドを実行します。
virsh net-list --all Name State Autostart Persistent --------------------------------------------- default active yes yes labnet active yes yes
# virsh net-list --all Name State Autostart Persistent --------------------------------------------- default active yes yes labnet active yes yesCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 特定のインターフェイスに関する情報は、次のコマンドを実行します。
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow ネットワークインターフェイス、仮想マシンネットワーク、およびこれらの設定手順の詳細は、仮想マシンのネットワーク接続の設定 を参照してください。
- ホスト上のストレージプールとストレージボリュームに関する情報を表示する手順は、CLI を使用した仮想マシンのストレージ情報の表示 を参照してください。
7.2. Web コンソールを使用した仮想マシン情報の表示 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
RHEL 9 Web コンソールを使用して、Web コンソールセッションがアクセスできるすべての 仮想マシン および ストレージプール に関する情報を表示することができます。
Web コンソールセッションの接続先である 選択した仮想マシンに関する情報 を表示できます。これには、ディスク、仮想ネットワークインターフェイス、および リソースの使用量 に関する情報が含まれます。
7.2.1. Web コンソールで仮想化の概要を表示 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
Web コンソールを使用して、仮想マシン、ストレージプール、およびネットワークに関する概要情報を含む仮想化の概要にアクセスできます。
前提条件
- Web コンソールの仮想マシンプラグインが システムにインストールされている。
手順
Web コンソールのサイドメニューで、 をクリックします。
利用可能なストレージプール、利用可能なネットワーク、および Web コンソールが接続する仮想マシンに関する情報を含むダイアログボックスが表示されます。
この情報には以下が含まれます。
- ストレージプール - Web コンソールからアクセス可能なストレージプールの数とその状態です (アクティブまたは非アクティブ)。
- ネットワーク - Web コンソールからアクセス可能なネットワークの数とその状態です (アクティブまたは非アクティブ)。
- 名前 - 仮想マシンの名前
- 接続 - libvirt 接続、システム、またはセッションの種類。
- 状態 - 仮想マシンの状態
7.2.2. Web コンソールを使用したストレージプール情報の表示 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
Web コンソールを使用して、システムで利用可能なストレージプールの詳細情報を表示できます。ストレージプールを使用すると、仮想マシンのディスクイメージを作成できます。
前提条件
- RHEL 8 Web コンソールがインストールされている。
- cockpit サービスが有効になっている。
ユーザーアカウントが Web コンソールにログインできる。
手順は、Web コンソールのインストールおよび有効化 を参照してください。
- Web コンソールの仮想マシンプラグインが システムにインストールされている。
手順
RHEL 8 Web コンソールにログインします。
詳細は、Web コンソールへのログイン を参照してください。
インターフェイスで をクリックします。
Storage pools 画面が表示され、設定されているストレージプールの一覧が示されます。
この情報には以下が含まれます。
- 名前 - ストレージプールの名前
- サイズ - 現在の割り当てとストレージプールの合計容量。
- 接続 - ストレージプールのアクセスに使用される接続
- 状態 - ストレージプールのステータス
情報を表示するストレージプールの横にある矢印をクリックします。
行がデプロイメントされ、選択したストレージプールに関する詳細情報を含む概要ペインが表示されます。
この情報には以下が含まれます。
- ターゲットパス - ストレージプールの場所です。
- 永続的 - ストレージプールの設定が永続的であるかどうかを示します。
- 自動起動 - システムの起動時にストレージプールが自動的に起動するかどうかを示します。
- 種類 - ストレージプールの種類。
ストレージプールに関連付けられているストレージボリュームのリストを表示する場合は、 をクリックします。
ストレージボリュームペインが表示され、設定したストレージボリュームのリストが表示されます。
この情報には以下が含まれます。
- 名前 - ストレージボリュームの名前。
- 使用者 - 現在ストレージボリュームを使用している仮想マシン。
- サイズ - ボリュームのサイズ。
7.2.3. Web コンソールで仮想マシン基本情報の表示 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
Web コンソールを使用して、選択した仮想マシンに関する基本情報 (割り当てられたリソース、ハイパーバイザーの詳細など) を表示できます。
前提条件
- Web コンソールの仮想マシンプラグインが システムにインストールされている。
手順
RHEL 8 Web コンソールにログインします。
詳細は、Web コンソールへのログイン を参照してください。
- Web コンソールのサイドメニューで、 をクリックします。
情報を表示する仮想マシンをクリックします。
新しいページが開き、選択した仮想マシンに関する基本情報を含む Overview セクションと、仮想マシンのグラフィカルインターフェイスにアクセスするための Console セクションが表示されます。
概要セクションには、次の一般的な仮想マシンの詳細が記載されています。
- 状態 - 仮想マシンの状態 (実行中またはシャットオフ)。
- メモリー - 仮想マシンに割り当てるメモリー容量
- CPU - 仮想マシンに設定されている仮想 CPU の数とタイプ。
- ブート順序 - 仮想マシンに設定されたブート順序
- 自動起動 - 仮想マシンで自動起動が有効になっているかどうか
この情報には、以下のハイパーバイザーの詳細も含まれます。
- エミュレートされたマシン - 仮想マシンによりエミュレートされたマシンタイプ
- ファームウェア - 仮想マシンのファームウェア。
7.2.4. Web コンソールで仮想マシンのリソース使用状況の表示 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
Web コンソールを使用して、選択した仮想マシンのメモリーと仮想 CPU 使用率を表示できます。
前提条件
- RHEL 8 Web コンソールがインストールされている。
- cockpit サービスが有効になっている。
ユーザーアカウントが Web コンソールにログインできる。
手順は、Web コンソールのインストールおよび有効化 を参照してください。
- Web コンソールの仮想マシンプラグインが システムにインストールされている。
手順
RHEL 8 Web コンソールにログインします。
詳細は、Web コンソールへのログイン を参照してください。
インターフェイスで、情報を表示する仮想マシンを選択します。
新しいページが開き、選択した仮想マシンに関する基本情報を含む Overview セクションと、仮想マシンのグラフィカルインターフェイスにアクセスするための Console セクションが表示されます。
までスクロールします。
使用率セクションには、仮想マシンのメモリーおよび仮想 CPU 使用率に関する情報が表示されます。
7.2.5. Web コンソールで仮想マシンのディスク情報の表示 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
Web コンソールを使用して、選択した仮想マシンに割り当てられたディスクの詳細情報を表示できます。
前提条件
- RHEL 8 Web コンソールがインストールされている。
- cockpit サービスが有効になっている。
ユーザーアカウントが Web コンソールにログインできる。
手順は、Web コンソールのインストールおよび有効化 を参照してください。
- Web コンソールの仮想マシンプラグインが システムにインストールされている。
手順
RHEL 8 Web コンソールにログインします。
詳細は、Web コンソールへのログイン を参照してください。
情報を表示する仮想マシンをクリックします。
新しいページが開き、選択した仮想マシンに関する基本情報を含む Overview セクションと、仮想マシンのグラフィカルインターフェイスにアクセスするための Console セクションが表示されます。
までスクロールします。
ディスクセクションには、仮想マシンに割り当てられたディスクに関する情報と、ディスクの Add、または Edit のオプションが表示されます。
この情報には以下が含まれます。
- デバイス - ディスクのデバイスの種類。
- 使用済み - 現在割り当てられているディスク容量。
- 容量 - ストレージボリュームの最大サイズ。
- バス - エミュレートされるディスクデバイスの種類。
-
アクセス - ディスクが書き込み可能 かどうか、読み取り専用 であるか。
rawディスクの場合は、書き込み可能および共有 へのアクセスを設定することもできます。 - ソース - ディスクデバイスまたはファイル
7.2.6. Web コンソールで仮想ネットワークインターフェイス情報の表示および編集 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
RHEL 9 Web コンソールを使用して、選択した仮想マシンで仮想ネットワークインターフェイスを表示および変更することができます。
前提条件
- RHEL 8 Web コンソールがインストールされている。
- cockpit サービスが有効になっている。
ユーザーアカウントが Web コンソールにログインできる。
手順は、Web コンソールのインストールおよび有効化 を参照してください。
- Web コンソールの仮想マシンプラグインが システムにインストールされている。
手順
RHEL 8 Web コンソールにログインします。
詳細は、Web コンソールへのログイン を参照してください。
インターフェイスで、情報を表示する仮想マシンを選択します。
新しいページが開き、選択した仮想マシンに関する基本情報を含む Overview セクションと、仮想マシンのグラフィカルインターフェイスにアクセスするための Console セクションが表示されます。
までスクロールします。
ネットワークインターフェイスセクションには、仮想マシンに設定された仮想ネットワークインターフェイスに関する情報と、ネットワークインターフェイスの追加、削除、編集、またはアンプラグ のオプションが表示されます。
この情報には以下が含まれます。
種類 - 仮想マシンのネットワークインターフェイスの種類。タイプには、仮想ネットワーク、LAN へのブリッジ、および直接割り当てが含まれます。
注記RHEL 8 以降では、汎用イーサネット接続はサポートされていません。
- モデルタイプ - 仮想ネットワークインターフェイスのモデル。
- MAC アドレス - 仮想ネットワークインターフェイスの MAC アドレス。
- IP アドレス - 仮想ネットワークインターフェイスの IP アドレス。
- ソース - ネットワークインターフェイスのソース。これはネットワークの種類によって異なります。
- 状態 - 仮想ネットワークインターフェイスの状態。
仮想ネットワークインターフェイスの設定を編集するには、 をクリックします。仮想ネットワークインターフェイスの設定ダイアログが開きます。
- インターフェイスの種類、ソース、モデル、または MAC アドレスを変更します。
をクリックします。ネットワークインターフェイスが変更しました。
注記仮想ネットワークインターフェイス設定の変更は、仮想マシンを再起動しないと有効になりません。
また、MAC アドレスは、仮想マシンがシャットダウンしている場合にのみ変更できます。
7.3. 仮想マシンの XML 設定例 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
仮想マシンの XML 設定 (ドメイン XML とも呼ばれる) は、仮想マシンの設定およびコンポーネントを決定します。以下の表は、仮想マシンの XML 設定例の各セクションと、コンテンツを説明しています。
仮想マシンの XML 設定を取得するには、virsh dumpxml コマンドの後に仮想マシンの名前を指定します。
virsh dumpxml testguest1
# virsh dumpxml testguest1
| ドメイン XML セクション | 説明 |
|---|---|
<domain type='kvm'> <name>Testguest1</name> <uuid>ec6fbaa1-3eb4-49da-bf61-bb02fbec4967</uuid> <memory unit='KiB'>1048576</memory> <currentMemory unit='KiB'>1048576</currentMemory>
| これは、1024 MiB のメモリーが割り当てられている KVM 仮想マシン Testguest1 です。 |
<vcpu placement='static'>1</vcpu>
| 仮想マシンには、仮想 CPU (vCPU) が 1 つ割り当てられます。 vCPU の設定に関する詳細は、仮想マシンの CPU パフォーマンスの最適化 を参照してください。 |
<os> <type arch='x86_64' machine='pc-q35-4.1'>hvm</type> <boot dev='hd'/> </os>
| マシンアーキテクチャーは AMD64 および Intel 64 のアーキテクチャーに設定され、Intel Q35 マシン種別を使用して機能の互換性を決定します。OS は、ハードディスクドライブから起動するように設定されています。 OS がインストールされた仮想マシンの作成は、Web コンソールを使用した仮想マシンの作成、およびゲストのオペレーティングシステムのインストール を参照してください。 |
<features> <acpi/> <apic/> </features>
| acpi および apic ハイパーバイザー機能が無効になっています。 |
<cpu mode='host-model' check='partial'/>
|
機能 XML ( |
<clock offset='utc'> <timer name='rtc' tickpolicy='catchup'/> <timer name='pit' tickpolicy='delay'/> <timer name='hpet' present='no'/> </clock>
| 仮想マシンの仮想ハードウェアクロックは UTC タイムゾーンを使用します。また、QEMU ハイパーバイザーと同期するために、異なるタイマーが 3 つ設定されます。 |
<on_poweroff>destroy</on_poweroff> <on_reboot>restart</on_reboot> <on_crash>destroy</on_crash>
|
仮想マシンの電源が切れた場合や、仮想マシンの OS が突然終了すると、 |
<pm> <suspend-to-mem enabled='no'/> <suspend-to-disk enabled='no'/> </pm>
| この仮想マシンでは、S3 および S4 ACPI のスリープ状態が無効になっています。 |
|
|
仮想マシンは、エミュレーションに
最初のディスクは、ホストに格納されている
2 番目のディスクは仮想化 CD-ROM で、その論理デバイス名は |
|
|
仮想マシンは、USB デバイスの割り当てにコントローラーを 1 つ、PCI-Express (PCIe) デバイスにルートコントローラーを使用します。さらに、 仮想デバイスの詳細は、仮想デバイスの種類 を参照してください。 |
<interface type='network'> <mac address='52:54:00:65:29:21'/> <source network='default'/> <model type='rtl8139'/> </interface>
|
ネットワークインターフェイスは、 ネットワークインターフェイスの設定に関する詳細は、仮想マシンのネットワークパフォーマンスの最適化 を参照してください。 |
|
|
仮想マシンと相互作用する方法の詳細は、Web コンソールを使用した仮想マシンとの相互作用 を参照してください。 |
<input type='tablet' bus='usb'> <address type='usb' bus='0' port='1'/> </input> <input type='mouse' bus='ps2'/> <input type='keyboard' bus='ps2'/>
| 仮想マシンは、タブレット入力を受信するように設定された仮想 usb ポートと、マウスとキーボード入力を受け取るように設定された仮想 ps2 ポートを使用します。この設定は自動で設定されており、設定の変更は推奨されません。 |
|
|
仮想マシンは、グラフィカル出力のレンダリングに |
|
|
|
|
| 仮想マシンには、USB デバイスをリモート接続するためのディレクトリーが 2 つあり、メモリーバルーンがオンになります。この設定は自動で設定されており、設定の変更は推奨されません。 |
第8章 仮想マシンの保存および復元 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
システムリソースを解放するには、そのシステムで実行中の仮想マシンをシャットダウンできます。ただし、仮想マシンが再び必要になった場合は、ゲストオペレーティングシステム (OS) を起動し、アプリケーションを再起動する必要があります。これにはかなりの時間がかかる場合があります。このダウンタイムを短縮し、仮想マシンワークロードをより早く実行できるようにする場合は、保存機能および復元機能を使用して、OS のシャットダウンと起動シーケンスを完全に回避できます。
このセクションでは、仮想マシンの保存、および仮想マシンの完全な起動を行わずに仮想マシンを同じ状態に復元する方法を説明します。
8.1. 仮想マシンの保存および復元の仕組み リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
仮想マシンを保存すると、そのメモリーとデバイス状態がホストのディスクに保存され、仮想マシンプロセスがすぐに停止します。実行中または一時停止状態の仮想マシンを保存できます。復元すると、仮想マシンがその状態に戻ります。
このプロセスにより、ディスク容量と引き換えにホストシステムの RAM および CPU のリソースが解放され、ホストシステムのパフォーマンスが向上する場合があります。仮想マシンが復元する場合にゲスト OS を起動する必要がないため、時間がかかる起動時間も回避できます。
仮想マシンを保存するには、コマンドライン (CLI) を使用します。手順は、コマンドラインを使用した仮想マシンの保存 を参照してください。
仮想マシンを復元するには、CLI または Web コンソールの GUI を使用します。
8.2. コマンドラインを使用した仮想マシンの保存 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
仮想マシン (VM) と現在の状態をホストのディスクに保存できます。これは、たとえば、その他の目的でホストのリソースを使用する必要がある場合に便利です。保存した仮想マシンは、すぐに以前の稼働状態に復元できます。
コマンドラインを使用して仮想マシンを保存するには、以下の手順を行います。
前提条件
- 仮想マシンと設定を保存するのに十分なディスク領域がある。仮想マシンが占有する領域は、その仮想マシンに割り当てられている RAM のサイズによって異なることに注意してください。
- 仮想マシンが永続的である。
- オプション: 必要に応じて、仮想マシンから重要なデータをバックアップする。
手順
virsh managedsaveユーティリティーを使用します。たとえば、次のコマンドは、仮想マシン demo-guest1 を停止し、その設定を保存します。
virsh managedsave demo-guest1 Domain 'demo-guest1' saved by libvirt
# virsh managedsave demo-guest1 Domain 'demo-guest1' saved by libvirtCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 保存された仮想マシンファイルは、デフォルトで /var/lib/libvirt/qemu/save ディレクトリーに demo-guest1.save として置かれます。
次に仮想マシンを 起動 すると、上記のファイルから、保存された状態が自動的に復元します。
検証
管理保存が有効になっている仮想マシンを一覧表示します。以下の例では、saved として一覧表示されている仮想マシンで、管理保存が有効になっています。
virsh list --managed-save --all Id Name State ---------------------------------------------------- - demo-guest1 saved - demo-guest2 shut off
# virsh list --managed-save --all Id Name State ---------------------------------------------------- - demo-guest1 saved - demo-guest2 shut offCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 管理保存のイメージがある仮想マシンのリストを表示するには、次のコマンドを使用します。
virsh list --with-managed-save --all Id Name State ---------------------------------------------------- - demo-guest1 shut off
# virsh list --with-managed-save --all Id Name State ---------------------------------------------------- - demo-guest1 shut offCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 停止状態にある保存された仮想マシンのリストを表示するには、コマンドで
--allオプションまたは--inactiveオプションを使用する必要があります。
トラブルシューティング
- 保存した仮想マシンファイルが破損したり、読み込めない場合は、仮想マシンを復元すると、代わりに標準の仮想マシン起動が起動します。
8.3. コマンドラインを使用した仮想マシンの起動 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
コマンドライン (CLI) を使用して、シャットダウンした仮想マシン (VM) を起動したり、保存した仮想マシンを復元したりできます。CLI を使用すると、ローカル仮想マシンとリモート仮想マシンの両方を起動できます。
前提条件
- すでに定義されている非アクティブな仮想マシン
- 仮想マシンの名前
リモート仮想マシンの場合は、以下も設定されている。
- 仮想マシンが置かれているホストの IP アドレス
- ホストへの root アクセス権限
手順
ローカルの仮想マシンには、
virsh startユーティリティーを使用します。たとえば、次のコマンドは仮想マシン demo-guest1 を起動します。
virsh start demo-guest1 Domain 'demo-guest1' started
# virsh start demo-guest1 Domain 'demo-guest1' startedCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow リモートホストにある仮想マシンでは、ホストへの QEMU+SSH 接続と共に
virsh startユーティリティーを使用します。たとえば、次のコマンドは、ホスト 192.0.2.1 にある仮想マシン demo-guest1 を起動します。
virsh -c qemu+ssh://root@192.0.2.1/system start demo-guest1 root@192.0.2.1's password: Domain 'demo-guest1' started
# virsh -c qemu+ssh://root@192.0.2.1/system start demo-guest1 root@192.0.2.1's password: Domain 'demo-guest1' startedCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
8.4. Web コンソールを使用した仮想マシンの起動 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
仮想マシンが 停止 状態にある場合は、RHEL 9 Web コンソールを使用して起動できます。ホストの起動時に、仮想マシンが自動的に起動するように設定することもできます。
前提条件
- RHEL 8 Web コンソールがインストールされている。
- cockpit サービスが有効になっている。
ユーザーアカウントが Web コンソールにログインできる。
手順は、Web コンソールのインストールおよび有効化 を参照してください。
- Web コンソールの仮想マシンプラグインが システムにインストールされている。
- すでに定義されている非アクティブな仮想マシン
- 仮想マシンの名前
手順
インターフェイスで、起動する仮想マシンをクリックします。
選択した仮想マシンの詳細情報を含む新しいページが開き、仮想マシンのシャットダウンおよび削除を制御できます。
をクリックします。
仮想マシンが起動し、そのコンソールまたはグラフィカル出力に接続 できます。
オプション: ホスト起動時に仮想マシンが自動的に起動するように設定するには、Overview セクションの
Autostartチェックボックスを切り替えます。libvirt が管理していないネットワークインターフェイスを使用する場合は、systemd 設定も変更する必要があります。そうしないと、影響を受ける仮想マシンが起動できなくなる可能性があります。starting virtual machines automatically when the host starts を参照してください。
第9章 仮想マシンのクローン作成 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
特定のプロパティーセットで仮想マシンの新規作成を行うには、既存の仮想マシンの クローン を作成します。
クローンを作成すると、ストレージ用に独自のディスクイメージを使用する新しい仮想マシンが作成されますが、クローン設定と保存データのほとんどはソース仮想マシンと同じです。これにより、各仮想マシンを個別に最適化せずに、特定のタスクに最適化された複数の仮想マシンを準備できます。
9.1. 仮想マシンのクローン作成の仕組み リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
仮想マシンのクローンを作成すると、ソース仮想マシンとそのディスクイメージの XML 設定がコピーされるため、新しい仮想マシンの一意性を確保するように設定を調整します。これには、仮想マシンの名前を変更して、ディスクイメージのクローンを使用するようにすることが含まれます。ただし、クローンの仮想ディスクに保存されているデータは、ソース仮想マシンと同じです。
このプロセスは、新しい仮想マシンを作成してゲストオペレーティングシステムと一緒にインストールするよりも高速であり、特定の設定およびコンテンツを持つ仮想マシンを迅速に生成するために使用できます。
仮想マシンの複数のクローンを作成することを計画している場合は、最初に、以下を含まない仮想マシン テンプレート を作成します。
- 永続的なネットワーク MAC 設定などの一意の設定。これにより、クローンが適切に機能しなくなる可能性があります。
- SSH キーやパスワードファイルなどの機密データ。
手順は、Creating virtual machines templates を参照してください。
9.2. 仮想マシンテンプレートの作成 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
正常に機能する複数のクローン仮想マシンを作成するには、SSH 鍵や永続的なネットワーク MAC 設定などの、ソース仮想マシンに固有の情報および設定を削除します。これにより、仮想マシンのクローンを簡単かつ安全に作成するのに使用できる仮想マシンテンプレートが作成されます。
仮想マシンのテンプレートは、virt-sysprep ユーティリティーを使用して作成 することも、要件に基づいて 手動で作成 することもできます。
9.2.1. virt-sysprep を使用した仮想マシンテンプレートの作成 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
既存の仮想マシン (VM) から複製テンプレートを作成するには、virt-sysprep ユーティリティーを使用できます。これにより、特定のネットワーク設定やシステム登録メタデータなど、クローンが正しく機能しない可能性がある特定の設定が削除されます。その結果、virt-sysprep は仮想マシンのクローンをより効率的に作成し、クローンがより確実に動作するようにします。
前提条件
virt-sysprepユーティリティーを含むlibguestfs-tools-cパッケージがホストにインストールされている。yum install libguestfs-tools-c
# yum install libguestfs-tools-cCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow - テンプレートとして使用するソース仮想マシンがシャットダウンしている。
ソース仮想マシンのディスクイメージの場所を把握しており、その仮想マシンのディスクイメージファイルの所有者である。
libvirt の システムコネクション で作成した仮想マシンのディスクイメージが、デフォルトで
/var/lib/libvirt/imagesディレクトリーにあり、root ユーザーが所有している。ls -la /var/lib/libvirt/images -rw-------. 1 root root 9665380352 Jul 23 14:50 a-really-important-vm.qcow2 -rw-------. 1 root root 8591507456 Jul 26 2017 an-actual-vm-that-i-use.qcow2 -rw-------. 1 root root 8591507456 Jul 26 2017 totally-not-a-fake-vm.qcow2 -rw-------. 1 root root 10739318784 Sep 20 17:57 another-vm-example.qcow2
# ls -la /var/lib/libvirt/images -rw-------. 1 root root 9665380352 Jul 23 14:50 a-really-important-vm.qcow2 -rw-------. 1 root root 8591507456 Jul 26 2017 an-actual-vm-that-i-use.qcow2 -rw-------. 1 root root 8591507456 Jul 26 2017 totally-not-a-fake-vm.qcow2 -rw-------. 1 root root 10739318784 Sep 20 17:57 another-vm-example.qcow2Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow - オプション: ソース仮想マシンのディスク上の重要なデータがすべてバックアップされている。ソース仮想マシンをそのまま保持する場合は、クローン を作成してから、そのクローンをテンプレートに変換します。
手順
仮想マシンのディスクイメージの所有者としてログインしていることを確認します。
whoami root
# whoami rootCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow オプション: 仮想マシンのディスクイメージをコピーします。
cp /var/lib/libvirt/images/a-really-important-vm.qcow2 /var/lib/libvirt/images/a-really-important-vm-original.qcow2
# cp /var/lib/libvirt/images/a-really-important-vm.qcow2 /var/lib/libvirt/images/a-really-important-vm-original.qcow2Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow これは後で、仮想マシンが正常にテンプレートに変換されたことを確認するために使用されます。
次のコマンドを使用し、/var/lib/libvirt/images/a-really-important-vm.qcow2 を、ソース仮想マシンのディスクイメージへのパスに置き換えます。
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
検証
プロセスが成功したことを確認するには、変更したディスクイメージを元のイメージと比較します。次の例は、テンプレートの作成例を示しています。
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
9.2.2. 仮想マシンテンプレートの手動による作成 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
既存の仮想マシンからテンプレートを作成する場合は、ゲスト仮想マシンを手動でリセットまたは設定解除して、クローン作成の準備をします。
前提条件
ソースの仮想マシンのディスクイメージの場所を把握しており、仮想マシンのディスクイメージファイルの所有者であることを確認します。
libvirt の システムコネクション で作成した仮想マシンのディスクイメージが、デフォルトで
/var/lib/libvirt/imagesディレクトリーにあり、root ユーザーが所有している。ls -la /var/lib/libvirt/images -rw-------. 1 root root 9665380352 Jul 23 14:50 a-really-important-vm.qcow2 -rw-------. 1 root root 8591507456 Jul 26 2017 an-actual-vm-that-i-use.qcow2 -rw-------. 1 root root 8591507456 Jul 26 2017 totally-not-a-fake-vm.qcow2 -rw-------. 1 root root 10739318784 Sep 20 17:57 another-vm-example.qcow2
# ls -la /var/lib/libvirt/images -rw-------. 1 root root 9665380352 Jul 23 14:50 a-really-important-vm.qcow2 -rw-------. 1 root root 8591507456 Jul 26 2017 an-actual-vm-that-i-use.qcow2 -rw-------. 1 root root 8591507456 Jul 26 2017 totally-not-a-fake-vm.qcow2 -rw-------. 1 root root 10739318784 Sep 20 17:57 another-vm-example.qcow2Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow - 仮想マシンがシャットダウンしていることを確認します。
- オプション: 仮想マシンのディスク上の重要なデータがすべてバックアップされている。ソースの仮想マシンをそのまま保持する場合は、クローン を作成してから、そのクローンを編集してテンプレートを作成します。
手順
クローンを作成するように仮想マシンを設定します。
- クローンに必要なソフトウェアをインストールします。
- オペレーティングシステムに一意でない設定を設定します。
- 固有でないアプリケーション設定を設定します。
ネットワーク設定を削除します。
以下のコマンドを使用して、永続的な udev ルールを削除します。
rm -f /etc/udev/rules.d/70-persistent-net.rules
# rm -f /etc/udev/rules.d/70-persistent-net.rulesCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 注記udev ルールを削除しないと、最初の NIC の名前が
eth0ではなくeth1になる場合があります。以下のように
/etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-eth[x]を編集し、ifcfg スクリプトから一意のネットワークの詳細を削除します。HWADDR 行および Static 行を削除します。
注記HWADDR が新しいゲストの MAC アドレスと一致しない場合、
ifcfgは無視されます。DEVICE=eth[x] BOOTPROTO=none ONBOOT=yes #NETWORK=192.0.2.0 <- REMOVE #NETMASK=255.255.255.0 <- REMOVE #IPADDR=192.0.2.1 <- REMOVE #HWADDR=xx:xx:xx:xx:xx <- REMOVE #USERCTL=no <- REMOVE # Remove any other *unique or non-desired settings, such as UUID.*
DEVICE=eth[x] BOOTPROTO=none ONBOOT=yes #NETWORK=192.0.2.0 <- REMOVE #NETMASK=255.255.255.0 <- REMOVE #IPADDR=192.0.2.1 <- REMOVE #HWADDR=xx:xx:xx:xx:xx <- REMOVE #USERCTL=no <- REMOVE # Remove any other *unique or non-desired settings, such as UUID.*Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow DHCP を設定しますが、HWADDR やその他の一意の情報は含まれません。
DEVICE=eth[x] BOOTPROTO=dhcp ONBOOT=yes
DEVICE=eth[x] BOOTPROTO=dhcp ONBOOT=yesCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
システムに同じコンテンツが存在する場合は、次のファイルにもそのコンテンツが含まれていることを確認します。
-
/etc/sysconfig/networking/devices/ifcfg-eth[x] /etc/sysconfig/networking/profiles/default/ifcfg-eth[x]注記仮想マシンで
NetworkManagerまたは特殊な設定を使用している場合は、追加の固有情報がifcfgスクリプトから削除されていることを確認します。
-
登録の詳細を削除します。
Red Hat ネットワーク (RHN) に登録されている仮想マシンの場合:
rm /etc/sysconfig/rhn/systemid
# rm /etc/sysconfig/rhn/systemidCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow Red Hat Subscription Manager (RHSM) に登録されている仮想マシンの場合:
元の仮想マシンを使用しない場合は、次のコマンドを実行します。
subscription-manager unsubscribe --all # subscription-manager unregister # subscription-manager clean
# subscription-manager unsubscribe --all # subscription-manager unregister # subscription-manager cleanCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 元の仮想マシンを使用する場合は、以下を行います。
subscription-manager clean
# subscription-manager cleanCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 注記元の RHSM プロファイルは、ID コードとともにポータルに残ります。クローンの作成後、次のコマンドを使用して仮想マシンで RHSM 登録を再アクティブ化します。
subscription-manager register --consumerid=71rd64fx-6216-4409-bf3a-e4b7c7bd8ac9
# subscription-manager register --consumerid=71rd64fx-6216-4409-bf3a-e4b7c7bd8ac9Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
その他の固有の詳細を削除します。
SSH 公開鍵と秘密鍵のペアを削除します。
rm -rf /etc/ssh/ssh_host_example
# rm -rf /etc/ssh/ssh_host_exampleCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow LVM デバイスの設定を削除します。
rm /etc/lvm/devices/system.devices
# rm /etc/lvm/devices/system.devicesCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow - 複数のマシンで実行している場合に、競合する可能性があるその他のアプリケーション固有の識別子や設定を削除します。
gnome-initial-setup-doneファイルを削除し、次回のシステムの起動時に設定ウィザードを実行するように仮想マシンを設定します。rm ~/.config/gnome-initial-setup-done
# rm ~/.config/gnome-initial-setup-doneCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 注記次回の起動時に実行するウィザードは、仮想マシンから削除された設定によって異なります。また、クローンの初回起動時には、ホスト名を変更することが推奨されます。
9.3. コマンドラインを使用した仮想マシンのクローン作成 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
テストのために、特定のプロパティーセットで新しい仮想マシンを作成するには、CLI を使用して既存の仮想マシンのクローンを作成します。
前提条件
- 移行元の仮想マシンがシャットダウンしている。
- クローンとして作成したディスクイメージを保存するのに十分なディスク領域があることを確認します。
- オプション: 仮想マシンのクローンを複数作成する場合は、クローンとして作成した仮想マシンが適切に動作するように、ソース仮想マシンから固有のデータと設定を削除します。手順は、仮想マシンテンプレートの作成 を参照してください。
手順
環境とユースケースに適したオプションを指定して
virt-cloneユーティリティーを使用します。サンプルのユースケース
次のコマンドは、
example-VM-1という名前のローカル仮想マシンのクローンを作成し、example-VM-1-clone仮想マシンを作成します。また、元の仮想マシンのディスクイメージと同じ場所に、同じデータでexample-VM-1-clone.qcow2ディスクイメージを作成して割り当てます。virt-clone --original example-VM-1 --auto-clone Allocating 'example-VM-1-clone.qcow2' | 50.0 GB 00:05:37 Clone 'example-VM-1-clone' created successfully.
# virt-clone --original example-VM-1 --auto-clone Allocating 'example-VM-1-clone.qcow2' | 50.0 GB 00:05:37 Clone 'example-VM-1-clone' created successfully.Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 次のコマンドは、
example-VM-2という名前で仮想マシンのクローンを作成し、example-VM-3という名前でローカル仮想マシンを作成します。この仮想マシンは、example-VM-2の複数ディスクのうち 2 つだけを使用します。virt-clone --original example-VM-2 --name example-VM-3 --file /var/lib/libvirt/images/disk-1-example-VM-2.qcow2 --file /var/lib/libvirt/images/disk-2-example-VM-2.qcow2 Allocating 'disk-1-example-VM-2-clone.qcow2' | 78.0 GB 00:05:37 Allocating 'disk-2-example-VM-2-clone.qcow2' | 80.0 GB 00:05:37 Clone 'example-VM-3' created successfully.
# virt-clone --original example-VM-2 --name example-VM-3 --file /var/lib/libvirt/images/disk-1-example-VM-2.qcow2 --file /var/lib/libvirt/images/disk-2-example-VM-2.qcow2 Allocating 'disk-1-example-VM-2-clone.qcow2' | 78.0 GB 00:05:37 Allocating 'disk-2-example-VM-2-clone.qcow2' | 80.0 GB 00:05:37 Clone 'example-VM-3' created successfully.Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 仮想マシンを別のホストにクローンするには、ローカルホストで定義を解除せずに仮想マシンを移行します。たとえば、次のコマンドは、以前に作成した仮想マシン
example-VM-3を192.0.2.1リモートシステムにローカルディスクを含めてクローンします。192.0.2.1に対して次のコマンドを実行するには root 権限が必要であることに注意してください。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
検証
仮想マシンのクローンが正常に作成され、正しく機能していることを確認するには、以下を行います。
クローンが、ホストの仮想マシンのリストに追加されていることを確認します。
virsh list --all Id Name State --------------------------------------- - example-VM-1 shut off - example-VM-1-clone shut off
# virsh list --all Id Name State --------------------------------------- - example-VM-1 shut off - example-VM-1-clone shut offCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow クローンを起動し、起動しているかどうかを確認します。
virsh start example-VM-1-clone Domain 'example-VM-1-clone' started
# virsh start example-VM-1-clone Domain 'example-VM-1-clone' startedCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
9.4. Web コンソールを使用して仮想マシンを複製する リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
特定のプロパティーセットで新しい仮想マシンを作成するには、Web コンソールを使用して事前に設定した仮想マシンのクローンを作成します。
仮想マシンのクローンを作成すると、その仮想マシンに関連付けられたディスクのクローンも作成されます。
前提条件
- RHEL 8 Web コンソールがインストールされている。
- cockpit サービスが有効になっている。
ユーザーアカウントが Web コンソールにログインできる。
手順は、Web コンソールのインストールおよび有効化 を参照してください。
- Web コンソールの仮想マシンプラグインが システムにインストールされている。
- クローンを作成する仮想マシンがシャットダウンしていることを確認します。
手順
RHEL 8 Web コンソールにログインします。
詳細は、Web コンソールへのログイン を参照してください。
Web コンソールの仮想マシンインターフェイスで、クローンを作成する仮想マシンのメニューボタン をクリックします。
仮想マシン操作を制御するためのドロップダウンメニューが表示されます。
をクリックします。
仮想マシンのクローンの作成ダイアログが表示されます。
- オプション: 仮想マシンクローンの新しい名前を入力します。
をクリックします。
ソースの仮想マシンに基づいて、新しい仮想マシンが作成されます。
検証
- クローンとして作成された仮想マシンが、ホストで利用可能な仮想マシンのリストに表示されるかどうかを確認します。
第10章 仮想マシンの移行 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
仮想マシンの現在のホストが不安定な場合や使用できない場合や、ホストワークロードを再分散する場合は、仮想マシンを別の KVM ホストに移行できます。
10.1. 仮想マシンの移行の仕組み リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
ライブ マイグレーションを使用すると、ワークロードを中断することなく、わずかなダウンタイムのみで実行中の仮想マシン (VM) を移行できます。デフォルトでは移行された仮想マシンは、宛先ホスト上では一時的なもので、ソースホストでもそのまま定義されたままとなります。ライブ マイグレーションの重要な部分は、仮想マシンのメモリーと接続されている仮想化デバイスの状態を宛先ホストに転送することです。宛先ホストで仮想マシンが機能し続けるには、仮想マシンのディスクイメージが利用可能なままである必要があります。
シャットオフされた仮想マシンを移行するには、仮想マシンの設定を宛先ホストにコピーする オフライン マイグレーションを使用する必要があります。詳細は、以下の表を参照してください。
| 移行タイプ | 説明 | ユースケース | ストレージ要件 |
|---|---|---|---|
| ライブマイグレーション | 仮想マシンはソースホストマシンでそのまま実行を続け、KVM が仮想マシンのメモリーページを宛先ホストに転送します。移行がほぼ完了すると、KVM はごく短い間仮想マシンを中断し、宛先ホストで再開します。 | 常に稼働する必要がある仮想マシンに役に立ちます。ただし、I/O 負荷が高い仮想マシンなど、KVM がメモリーページを転送するよりも速くメモリーページを変更する仮想マシンの場合、ライブマイグレーションは失敗する可能性があります。(1) | 移行中、仮想マシンのディスクイメージに、ソースホストと宛先ホストの両方からアクセスできる必要があります。(2) |
| オフラインマイグレーション | 仮想マシンの設定を宛先ホストに移動します。 | シャットダウンした仮想マシンや、仮想マシンをシャットダウンしてもワークロードを中断しない場合に推奨されます。 | 仮想マシンのディスクイメージは、移行中にソースホストまたは宛先ホストからアクセスできる必要はなく、代わりに宛先ホストに手動でコピーまたは移動できます。 |
(1) 可能な解決策については、ライブマイグレーションのための追加の virsh migrate オプション を参照してください。
(2) これを実現するには、次のいずれかを使用します。
- 共有ネットワーク上 にあるストレージ
-
virsh migrateコマンドの--copy-storage-allパラメーターで、ネットワーク経由でソースから宛先にディスクイメージの内容をコピーします。 - ストレージエリアネットワーク (SAN) の論理ユニット (LUN)。
- Ceph Storage クラスター
大規模な移行をより簡単に管理するには、次のような他の Red Hat 製品を検討してください。
10.2. 仮想マシンの移行の利点 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
仮想マシンの移行は、以下の場合に役に立ちます。
- ロードバランシング
- ホストがオーバーロードするか、別のホストの使用率が低くなっている場合に、仮想マシンを使用率の低いホストマシンに移動できます。
- ハードウェアの非依存性
- ホストマシンでハードウェアデバイスのアップグレード、追加、削除などを行う必要がある場合は、仮想マシンをその他のホストに安全に移動できます。つまり、仮想マシンは、ハードウェアを改善する際にダウンタイムが生じることはありません。
- エネルギー節約
- 仮想マシンはその他のホストに再配布できるため、電力使用量の少ない時間帯に、アンロードしたホストシステムの電源を切ることで、節電やコスト削減が可能になります
- 地理的な移行
- 待ち時間の短縮や他の理由により、別の物理的な場所に仮想マシンを移動できます。
10.3. 仮想マシンの移行の制限事項 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
RHEL 8 で仮想マシンを移行する前に、移行の制限に注意してください。
- ストレージの移行は、RHEL 8 ではライブで実行できませんが、仮想マシンの電源が切れている時にストレージを移行できます。ライブストレージの移行は Red Hat Virtualization で利用できます。
特定の機能と設定を使用する仮想マシンは、移行すると正しく機能しなくなるか、移行が失敗します。このような機能は次のとおりです。
- デバイスパススルー
- SR-IOV デバイスの割り当て
- vGPU などの仲介デバイス
- NUMA (Non-Uniform Memory Access) ピニングを使用するホスト間の移行は、ホストのトポロジーが類似している場合にのみ機能します。ただし、実行中のワークロードのパフォーマンスは、移行の影響を受ける可能性があります。
- ソースホストと宛先ホストの両方が、仮想マシン移行でサポートされる特定の RHEL バージョンを使用しています。仮想マシン移行でサポートされているホスト を参照してください。
ソース仮想マシンとターゲット仮想マシンの両方の物理 CPU は、同一である必要があります。そうでない場合、移行は失敗する可能性があります。以下の CPU 関連領域の仮想マシン間で相違があると、移行の問題が発生する可能性があります。
CPU モデル
- Intel 64 ホストと AMD64 ホスト間の移行は、x86-64 命令セットを共有している場合でもサポートされていません。
- 別の CPU モデルを持つホストに移行した後に仮想マシンが正しく機能することを確認する手順は、仮想マシン移行のためのホスト CPU の互換性の確認 を参照してください。
- 物理マシンのファームウェアバージョンと設定
10.4. コマンドラインを使用した仮想マシンの移行 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
仮想マシンの現在のホストが不安定な場合や使用できない場合や、ホストワークロードを再分散する場合は、仮想マシンを別の KVM ホストに移行できます。ライブマイグレーション または オフラインマイグレーション を実行できます。2 つのシナリオの違いについては、仮想マシンの移行の仕組み を参照してください。
前提条件
- ハイパーバイザー: ソースホストと宛先ホストの両方が KVM ハイパーバイザーを使用します。
-
ネットワーク接続: ソースホストと宛先ホストはネットワーク経由で相互にアクセスできます。
pingユーティリティーを使用してこれを確認します。 開いているポート: 宛先ホストで次のポートが開いていることを確認します。
- ポート 22 は、SSH を使用して宛先ホストに接続するために必要です。
- ポート 16514 は、TLS を使用して宛先ホストに接続するために必要です。
- ポート 16509 は、TCP を使用して宛先ホストに接続するために必要です。
- ポート 49152 - 49215 は、QEMU がメモリーおよびディスク移行データを転送するために必要です。
- ホスト: Red Hat が移行に対応できるようにするには、ソースホストと宛先ホストが特定のオペレーティングシステムとマシンタイプを使用している必要があります。これを確認するには、Supported hosts for virtual machine migration を参照してください。
- CPU: 仮想マシンは、宛先ホストの CPU 機能と互換性がある必要があります。これを確認するには、仮想マシン移行のホスト CPU の互換性の確認 を参照してください。
ストレージ: 移行される仮想マシンのディスクイメージは、ソースホストと宛先ホストの両方からアクセスできます。オフラインマイグレーションの場合は任意ですが、実行中の仮想マシンの移行に必要になります。両方のホストのストレージアクセスを確保するには、次のいずれかに該当している必要があります。
- ストレージエリアネットワーク (SAN) 論理ユニット (LUN) を使用している。
- Ceph Storage クラスター を使用している。
-
ソース仮想マシンディスクと同じ形式とサイズの ディスクイメージを作成済み で、仮想マシンを移行するときに
--copy-storage-allパラメーターを使用する。 - ディスクイメージが別のネットワーク上の場所にある。このような仮想マシンの共有ストレージを設定する手順は、Sharing virtual machine disk images with other hosts を参照してください。
ネットワーク帯域幅: 実行中の仮想マシンを移行する場合、ネットワーク帯域幅は仮想マシンがダーティーメモリーページを生成する速度を超える必要があります。
ライブマイグレーションを開始する前に仮想マシンのダーティーページ速度を取得するには、次の手順を実行します。
短期間、仮想マシンのダーティーページ生成速度を監視します。
virsh domdirtyrate-calc <example_VM> 30
# virsh domdirtyrate-calc <example_VM> 30Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 監視が終了したら、結果を取得します。
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow この例では、仮想マシンが 1 秒あたり 2MB のダーティーメモリーページを生成しています。帯域幅が 2MB/s 以下のネットワーク上でこのような仮想マシンをライブマイグレーションしようとすると、仮想マシンを一時停止したり、ワークロードを低くしたりしないと、ライブマイグレーションが進行しません。
ライブマイグレーションが正常に終了するように、Red Hat では、ネットワークの帯域幅が仮想マシンのダーティーページの生成速度を大幅に上回ることを推奨しています。
注記calc_periodオプションの値は、ワークロードとダーティーページ速度により異なる場合があります。いくつかのcalc_period値を試して、環境のダーティーページ速度に合わせた最適な期間を決定できます。
- ブリッジタップネットワークの詳細: パブリックブリッジタップネットワーク内の既存の仮想マシンを移行する場合、ソースホストと宛先ホストは同じネットワーク上に配置されている必要があります。そうでない場合は、移行後に仮想マシンのネットワークが機能しなくなります。
libvirtd サービスが有効で、実行していることを確認します。
systemctl enable --now libvirtd.service
# systemctl enable --now libvirtd.serviceCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
手順
仮想マシンをあるホストから別のホストに移行するには、virsh migrate コマンドを使用します。
オフラインマイグレーション
次のコマンドは、SSH トンネルを使用して、シャットオフされた
example-VM仮想マシンをローカルホストからexample-destinationホストのシステム接続に移行します。virsh migrate --offline --persistent <example_VM> qemu+ssh://example-destination/system
# virsh migrate --offline --persistent <example_VM> qemu+ssh://example-destination/systemCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
ライブマイグレーション
次のコマンドは、SSH トンネルを使用して、
example-VM仮想マシンをローカルホストからexample-destinationホストのシステム接続に移行します。仮想マシンは移行中も稼働し続けます。virsh migrate --live --persistent <example_VM> qemu+ssh://example-destination/system
# virsh migrate --live --persistent <example_VM> qemu+ssh://example-destination/systemCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 移行が完了するまで待ちます。ネットワーク帯域幅、システム負荷、仮想マシンのサイズによっては、このプロセスに時間がかかる場合があります。
virsh migrateで--verboseオプションが使用されていないと、CLI はエラー以外の進捗インジケーターを表示しません。移行中は、
virsh domjobinfoユーティリティーを使用して移行の統計を表示できます。
マルチ FD ライブマイグレーション
ライブマイグレーション中に、宛先ホストへの複数の並列接続を使用できます。これは、複数のファイル記述子 (マルチ FD) マイグレーションとも呼ばれます。マルチ FD 移行では、移行プロセスに利用可能なネットワーク帯域幅をすべて利用することで、移行を高速化できます。
virsh migrate --live --persistent --parallel --parallel-connections 4 <example_VM> qemu+ssh://<example-destination>/system
# virsh migrate --live --persistent --parallel --parallel-connections 4 <example_VM> qemu+ssh://<example-destination>/systemCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow この例では、4 つのマルチ FD チャネルを使用して <example_VM> 仮想マシンを移行します。利用可能なネットワーク帯域幅 10 Gbps ごとに 1 つのチャネルを使用することを推奨します。デフォルト値は 2 チャネルです。
ダウンタイム制限を延長したライブマイグレーション
ライブマイグレーション中に仮想マシンを一時停止できる最大時間 (ミリ秒単位) を指定する
maxdowntimeパラメーターを設定することで、ライブマイグレーションの信頼性を向上できます。ダウンタイムを長く設定すると、マイグレーションが正常に完了するようになります。virsh migrate-setmaxdowntime <example_VM> <time_interval_in_milliseconds>
# virsh migrate-setmaxdowntime <example_VM> <time_interval_in_milliseconds>Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
Post-copy migration
仮想マシンのメモリーフットプリントが大きい場合は、コピー後 のマイグレーションを実行できます。これにより、まずソース仮想マシンの CPU 状態が転送され、移行された仮想マシンが宛先ホスト上ですぐに起動されます。移行された仮想マシンが宛先ホスト上ですでに実行された後に、ソース仮想マシンのメモリーページが転送されます。このため、コピー後 のマイグレーションでは、移行された仮想マシンのダウンタイムが短くなる可能性があります。
ただし、宛先ホスト上で実行中の仮想マシンが、まだ転送されていないメモリーページにアクセスしようとする可能性があり、これにより、ページフォールト が発生します。移行中の ページフォールト の発生が多すぎると、移行された仮想マシンのパフォーマンスが大幅に低下する可能性があります。
コピー後 のマイグレーションが複雑になる可能性があることを考慮すると、標準のライブマイグレーションを開始し、指定された時間内にライブライブマイグレーションを完了できない場合は コピー後 のライブマイグレーションに切り替える次のコマンドを使用することを推奨します。
virsh migrate --live --persistent --postcopy --timeout <time_interval_in_seconds> --timeout-postcopy <example_VM> qemu+ssh://<example-destination>/system
# virsh migrate --live --persistent --postcopy --timeout <time_interval_in_seconds> --timeout-postcopy <example_VM> qemu+ssh://<example-destination>/systemCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
自動コンバージドライブマイグレーション
仮想マシンのメモリーワークロードが高い場合は、
--auto-convergeオプションを使用できます。このオプションは、仮想マシンの CPU の実行速度を自動的に低下させます。その結果、この CPU スロットリングはメモリー書き込み速度を低下させるのに役立ちます。これにより、メモリーワークロードの高い仮想マシンでもライブマイグレーションが成功する可能性があります。ただし、CPU スロットリングは、メモリー書き込みが CPU 実行速度に直接関係しないワークロードの解決には役立たず、ライブマイグレーション中に仮想マシンのパフォーマンスに悪影響を与える可能性があります。
virsh migrate --live --persistent --auto-converge <example_VM> qemu+ssh://<example-destination>/system
# virsh migrate --live --persistent --auto-converge <example_VM> qemu+ssh://<example-destination>/systemCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
検証
オフライン マイグレーションの場合:
宛先ホストで、利用可能な仮想マシンをリスト表示して、仮想マシンが正常に移行されたことを確認します。
virsh list --all Id Name State ---------------------------------- 10 example-VM-1 shut off
# virsh list --all Id Name State ---------------------------------- 10 example-VM-1 shut offCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
ライブ マイグレーションの場合:
宛先ホストで、利用可能な仮想マシンをリスト表示して、宛先仮想マシンの状態を確認します。
virsh list --all Id Name State ---------------------------------- 10 example-VM-1 running
# virsh list --all Id Name State ---------------------------------- 10 example-VM-1 runningCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 仮想マシンの状態が
runningと表示されている場合、移行が完了したことを意味します。ただし、ライブマイグレーションがまだ進行中の場合、宛先仮想マシンの状態はpausedと表示されます。
コピー後 のマイグレーションの場合:
ソースホストで、利用可能な仮想マシンをリスト表示して、ソース仮想マシンの状態を確認します。
virsh list --all Id Name State ---------------------------------- 10 example-VM-1 shut off
# virsh list --all Id Name State ---------------------------------- 10 example-VM-1 shut offCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 宛先ホストで、利用可能な仮想マシンをリスト表示して、宛先仮想マシンの状態を確認します。
virsh list --all Id Name State ---------------------------------- 10 example-VM-1 running
# virsh list --all Id Name State ---------------------------------- 10 example-VM-1 runningCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow ソース仮想マシンの状態が
shut offと表示され、宛先仮想マシンの状態がrunningと表示されている場合、移行は完了していることを意味します。
10.5. Web コンソールを使用した仮想マシンのライブ移行 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
継続的に実行する必要があるタスクを実行している仮想マシン (VM) を移行する場合は、シャットダウンせずに、その仮想マシンを別の KVM ホストに移行できます。これはライブマイグレーションとも呼ばれます。以下の手順では、Web コンソールを使用した移行方法を説明します。
前提条件
- RHEL 8 Web コンソールがインストールされている。
- cockpit サービスが有効になっている。
ユーザーアカウントが Web コンソールにログインできる。
手順は、Web コンソールのインストールおよび有効化 を参照してください。
- Web コンソールの仮想マシンプラグインが システムにインストールされている。
- ハイパーバイザー: ソースホストと宛先ホストの両方が KVM ハイパーバイザーを使用します。
- ホスト: ソースホストと宛先ホストが実行中です。
開いているポート: 宛先ホストで次のポートが開いていることを確認します。
- ポート 22 は、SSH を使用して宛先ホストに接続するために必要です。
- ポート 16514 は、TLS を使用して宛先ホストに接続するために必要です。
- ポート 16509 は、TCP を使用して宛先ホストに接続するために必要です。
- ポート 49152-49215 は、QEMU がメモリーおよびディスク移行データを転送するために必要です。
- CPU: 仮想マシンは、宛先ホストの CPU 機能と互換性がある必要があります。これを確認するには、仮想マシン移行のホスト CPU の互換性の確認 を参照してください。
ストレージ: 移行される仮想マシンのディスクイメージは、ソースホストと宛先ホストの両方からアクセスできます。オフラインマイグレーションの場合は任意ですが、実行中の仮想マシンの移行に必要になります。両方のホストのストレージアクセスを確保するには、次のいずれかに該当している必要があります。
- ストレージエリアネットワーク (SAN) 論理ユニット (LUN) を使用している。
- Ceph Storage クラスター を使用している。
-
ソース仮想マシンディスクと同じ形式とサイズの ディスクイメージを作成済み で、仮想マシンを移行するときに
--copy-storage-allパラメーターを使用する。 - ディスクイメージが別のネットワーク上の場所にある。このような仮想マシンの共有ストレージを設定する手順は、Sharing virtual machine disk images with other hosts を参照してください。
ネットワーク帯域幅: 実行中の仮想マシンを移行する場合、ネットワーク帯域幅は仮想マシンがダーティーメモリーページを生成する速度を超える必要があります。
ライブマイグレーションを開始する前に仮想マシンのダーティーページ生成速度を取得するには、コマンドラインで次の手順を実行します。
短期間、仮想マシンのダーティーページ生成速度を監視します。
virsh domdirtyrate-calc vm-name 30
# virsh domdirtyrate-calc vm-name 30Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 監視が終了したら、結果を取得します。
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow この例では、仮想マシンが 1 秒あたり 2MB のダーティーメモリーページを生成しています。帯域幅が 2MB/s 以下のネットワーク上でこのような仮想マシンをライブマイグレーションしようとすると、仮想マシンを一時停止したり、ワークロードを低くしたりしないと、ライブマイグレーションが進行しません。
ライブマイグレーションが正常に終了するように、Red Hat では、ネットワークの帯域幅が仮想マシンのダーティーページの生成速度を大幅に上回ることを推奨しています。
注記calc_periodオプションの値は、ワークロードとダーティーページ速度により異なる場合があります。いくつかのcalc_period値を試して、環境のダーティーページ速度に合わせた最適な期間を決定できます。
- ブリッジタップネットワークの詳細: パブリックブリッジタップネットワーク内の既存の仮想マシンを移行する場合、ソースホストと宛先ホストは同じネットワーク上に配置されている必要があります。そうでない場合は、移行後に仮想マシンのネットワークが機能しなくなります。
手順
Web コンソールの仮想マシンインターフェイスで、移行する仮想マシンのメニューボタン をクリックします。
仮想マシン操作を制御するためのドロップダウンメニューが表示されます。
をクリックします。
仮想マシンを別のホストに移行ダイアログボックスが表示されます。
- 宛先ホストの URI を入力します。
移行の期間を設定します。
- Permanent - 仮想マシンを永続的に移行する場合はチェックを外します。永続的な移行では、ソースホストから仮想マシンの設定が完全に削除されます。
- Temporary - 一時的な移行では、仮想マシンのコピーを宛先ホストに移行します。このコピーは、仮想マシンのシャットダウン時に宛先ホストから削除されます。元の仮想マシンは、ソースホストに残ります。
をクリックします。
仮想マシンが宛先ホストに移行されます。
検証
仮想マシンの移行に成功し、正常に機能しているかどうかを確認するには、次のコマンドを実行します。
- 宛先ホストで利用可能な仮想マシンのリストに仮想マシンが表示されているかどうかを確認します。
- 移行した仮想マシンを起動し、起動するかどうかを確認します。
10.6. 他のホストとの仮想マシンディスクイメージの共有 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
サポートされている KVM ホスト 間で仮想マシン (VM) のライブマイグレーションを実行するには、移行プロセス中に仮想マシンがストレージの読み取りと書き込みを行えるように、実行中の仮想マシンのストレージも移行する必要があります。
これを行う方法の 1 つに、共有仮想マシンストレージを使用する方法があります。次の手順では、NFS プロトコルを使用して、ローカルに保存された仮想マシンイメージをソースホストおよび宛先ホストと共有する方法を説明します。
前提条件
- 移行に使用する仮想マシンがシャットダウンしている。
- オプション: ソースホストまたは宛先ホストではないストレージをホストするためのホストシステムを使用でき、ソースホストまたは宛先ホストの両方がネットワーク経由でそのホストにアクセスできる。これは共有ストレージに最適なソリューションで、Red Hat が推奨しています。
- KVM では対応していないため、NFS ファイルのロック機能を使用しない。
- NFS プロトコルが、ソースホストと宛先ホストにインストールされ、有効化されている。NFS サーバーのデプロイ を参照してください。
virt_use_nfsSELinux ブール値がonに設定されている。setsebool virt_use_nfs 1
# setsebool virt_use_nfs 1Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
手順
共有ストレージを提供するホストに接続します。この例では、
example-shared-storageホストです。ssh root@example-shared-storage root@example-shared-storage's password: Last login: Mon Sep 24 12:05:36 2019 root~#
# ssh root@example-shared-storage root@example-shared-storage's password: Last login: Mon Sep 24 12:05:36 2019 root~#Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow example-shared-storageホスト上に、ディスクイメージを保持し、移行ホストと共有されるディレクトリーを作成します。mkdir /var/lib/libvirt/shared-images
# mkdir /var/lib/libvirt/shared-imagesCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow ソースホストから新規作成されたディレクトリーに仮想マシンのディスクイメージをコピーします。次の例では、仮想マシンのディスクイメージ
example-disk-1をexample-shared-storageホストの/var/lib/libvirt/shared-images/ディレクトリーにコピーします。scp /var/lib/libvirt/images/example-disk-1.qcow2 root@example-shared-storage:/var/lib/libvirt/shared-images/example-disk-1.qcow2
# scp /var/lib/libvirt/images/example-disk-1.qcow2 root@example-shared-storage:/var/lib/libvirt/shared-images/example-disk-1.qcow2Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow ストレージを共有するのに使用するホストで、
/etc/exportsファイルに共有ディレクトリーを追加します。次の例では、/var/lib/libvirt/shared-imagesディレクトリーをexample-source-machineホストおよびexample-destination-machineホストと共有します。/var/lib/libvirt/shared-images example-source-machine(rw,no_root_squash) example-destination-machine(rw,no\_root_squash)
# /var/lib/libvirt/shared-images example-source-machine(rw,no_root_squash) example-destination-machine(rw,no\_root_squash)Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow /etc/exportsファイルの変更を有効にするには、exportfs -aコマンドを実行します。exportfs -a
# exportfs -aCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow ソースホストと宛先ホストの両方で、共有ディレクトリーを
/var/lib/libvirt/imagesディレクトリーにマウントします。mount example-shared-storage:/var/lib/libvirt/shared-images /var/lib/libvirt/images
# mount example-shared-storage:/var/lib/libvirt/shared-images /var/lib/libvirt/imagesCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
検証
- ソースホストで仮想マシンを起動し、正常に起動するか確認します。
10.7. 仮想マシンの移行におけるホスト CPU の互換性の確認 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
移行した仮想マシン (VM) が宛先ホストで正しく機能するには、移行元および移行先のホストの CPU の互換性が必要です。これを確認するには、移行を開始する前に、共通の CPU ベースラインを計算します。
このセクションの手順では、以下のホスト CPU で移行シナリオの例を使用します。
- ソースホスト: Intel Core i7-8650U
- 宛先ホスト: Intel Xeon CPU E5-2620 v2
また、この手順は 64 ビット ARM システムには適用されません。
前提条件
- 仮想化がシステムに インストールされ有効になっている。
- ソースホストと宛先ホストへの管理者アクセスがある。
手順
ソースホストで、CPU 機能を取得し、
domCaps-CPUs.xmlなどの新しい XML ファイルに貼り付けます。virsh domcapabilities | xmllint --xpath "//cpu/mode[@name='host-model']" - > domCaps-CPUs.xml
# virsh domcapabilities | xmllint --xpath "//cpu/mode[@name='host-model']" - > domCaps-CPUs.xmlCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow -
XML ファイルで、
<mode> </mode>タグを<cpu> </cpu>に置き換えます。 オプション:
domCaps-CPUs.xmlファイルの内容が次のようになっていることを確認します。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 宛先ホストで以下のコマンドを使用して CPU 機能を取得します。
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow -
宛先ホストからソースホストの
domCaps-CPUs.xmlファイルに取得した CPU 機能を追加します。ここでも、<mode> </mode>タグを<cpu> </cpu>に置き換え、ファイルを保存します。 オプション: XML ファイルに両方のホストの CPU 機能が含まれていることを確認します。
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow XML ファイルを使用して、移行する仮想マシンの CPU 機能ベースラインを計算します。
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 移行する仮想マシンの XML 設定を開き、
<cpu>セクションの内容を直前の手順で取得した設定に置き換えます。virsh edit <vm_name>
# virsh edit <vm_name>Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 仮想マシンが実行中の場合は、仮想マシンをシャットダウンして再起動します。
virsh shutdown <vm_name> virsh start <vm_name>
# virsh shutdown <vm_name> # virsh start <vm_name>Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
10.8. 仮想マシンの移行で対応しているホスト リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
仮想マシンの移行が適切に機能し、Red Hat でサポートされるようにするには、ソースホストと宛先ホストが特定の RHEL バージョンおよびマシンタイプである必要があります。以下の表は、対応している仮想マシンの移行パスを示しています。
| 移行の方法 | リリースタイプ | 例 | サポート状況 |
|---|---|---|---|
| 前方 | メジャーリリース | 7.6+ → 8.1 | 対応している RHEL 7 システム - マシンタイプ i440fx および q35 |
| 後方 | メジャーリリース | 8.1 → 7.6+ | 対応している RHEL 8 システム - マシンタイプ i440fx および q35 |
| 前方 | マイナーリリース | 8.0.1+ → 8.1+ | 対応している RHEL 7 システム - RHEL 7.6.0 以降のマシンタイプ i440fx および q35 対応している RHEL 8 システム - マシンタイプ q35 |
| 後方 | マイナーリリース | 8.1 → 8.0.1 | サポートされている RHEL 7 システムマシンタイプ i440fx および q35 に完全対応 対応している RHEL 8 システム - マシンタイプ q35 |
第11章 仮想デバイスの管理 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
仮想マシンの機能、特徴、およびパフォーマンスを管理する最も効果的な方法の 1 つは、仮想デバイス を調整することです。
以下のセクションでは、仮想デバイスの 一般的な概要 と、CLI または Web コンソール を使用して仮想デバイスを管理する方法を説明します。
11.1. 仮想デバイスの動作 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
物理マシンと同様、仮想マシンでは、処理能力、メモリー、ストレージ、ネットワーク、グラフィックスなどの機能をシステムに提供する特殊なデバイスが必要になります。物理システムでは通常、これらの目的でハードウェアデバイスを使用します。ただし、仮想マシンはソフトウェア実装として機能するため、代わりにそのようなデバイスのソフトウェアの抽象化を使用する必要があります。これは、仮想デバイス と呼ばれています。
基本情報
仮想マシンの作成 時に、仮想マシンに接続されている仮想デバイスを設定でき、既存の仮想マシンでも管理できます。通常、仮想デバイスは、仮想マシンが停止している場合に限り仮想マシンに接続または切断できますが、仮想マシンの実行中に追加または削除できるものもあります。この機能は、デバイスの ホットプラグ および ホットアンプラグ と呼ばれています。
新しい仮想マシンを作成すると、特に指定しない限り、libvirt は、必須の仮想デバイスのデフォルトセットを自動的に作成して設定します。これは、ホストシステムのアーキテクチャーとマシンタイプに基づいており、通常は以下のものが含まれます。
- CPU
- メモリー
- キーボード
- ネットワークインターフェイスコントローラー (NIC)
- さまざまなデバイスコントローラー
- ビデオカード
- サウンドカード
仮想マシンの作成後に仮想デバイスを管理するには、コマンドライン (CLI) を使用します。ただし、仮想ストレージデバイス および NIC を管理する場合は、RHEL 8 Web コンソールを使用することもできます。
パフォーマンスまたは柔軟性
デバイスの種類によっては、RHEL 8 が複数の実装に対応し、しばしばパフォーマンスと柔軟性にトレードオフが伴います。
たとえば、仮想ディスクに使用される物理ストレージは、qcow2、raw などのさまざまな形式のファイルで示され、次のようなさまざまなコントローラーを使用して仮想マシンに提示されます。
- エミュレートされたコントローラー
-
virtio-scsi -
virtio-blk
virtio デバイスは、仮想化を目的として特別に設計されているため、エミュレートされたコントローラーは、virtio コントローラーよりも遅くなります。一方、エミュレートされたコントローラーは、virtio デバイスに対するドライバーがないオペレーティングシステムを実行するのを可能にします。同様に、virtio-scsi は、SCSI コマンドへのより完全な対応を提供しており、仮想マシンにより多くのディスクを割り当てることができるようにします。最後に、virtio-blk は、virtio-scsi とエミュレートされたコントローラーよりも高いパフォーマンスを提供しますが、ユースケースは範囲がより限定されます。たとえば、virtio-blk を使用する場合には、物理ディスクを LUN デバイスとして仮想マシンに割り当てることはできません。
仮想デバイスの種類の詳細は、仮想デバイスの種類 を参照してください。
11.2. 仮想デバイスの種類 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
RHEL 8 の仮想化では、仮想マシン (VM) に接続できるいくつかの異なるタイプの仮想デバイスを提示できます。
- エミュレートされたデバイス
エミュレートされたデバイスは、広く使用されている物理デバイスのソフトウェア実装です。物理デバイス用に設計されたドライバーは、エミュレートされたデバイスとも互換性があります。そのため、エミュレートされたデバイスは柔軟性に非常に優れています。
ただし、特定のタイプのハードウェアを正確にエミュレートする必要があるため、エミュレートされたデバイスは、対応する物理デバイス、またはより最適化された仮想デバイスと比較すると、パフォーマンスが大幅に低下する可能性があります。
以下のタイプのエミュレートされたデバイスに対応します。
- 仮想 CPU (vCPU) があり、利用可能な CPU モデルが多数あります。エミュレーションのパフォーマンスへの影響は、ホストの CPU とエミュレートされた vCPU の差異に大きく左右されます。
- PCI バスコントローラーなどのエミュレートされたシステムコンポーネント。
- SATA、SCSI、IDE などのエミュレートされたストレージコントローラー。
- ICH9、ICH6、AC97 などのエミュレートされたサウンドデバイス。
- VGA カードや QXL カードなどのエミュレートされたグラフィックスカード。
- rtl8139 などのエミュレートされたネットワークデバイス。
- 準仮想化デバイス
準仮想化は、仮想デバイスを仮想マシンに公開する高速かつ効率的な方法を提供します。準仮想化デバイスは、仮想マシンで使用するために特別に設計されたインターフェイスを公開するため、デバイスのパフォーマンスが大幅に向上します。RHEL 9 では、virtio API を、ハイパーバイザーと仮想マシンとの間のレイヤーとして使用して、仮想マシンに準仮想化デバイスを提供します。このアプローチの欠点は、ゲストオペレーティングシステムで特定のデバイスドライバーが必要になることです。
可能な場合、特に I/O 集約型アプリケーションを実行している場合は、仮想マシンにエミュレートされたデバイスの代わりに準仮想化デバイスを使用することが推奨されます。準仮想化デバイスは、I/O レイテンシーを低減し、I/O スループットを増加させます。場合によっては、ベアメタルのパフォーマンスに非常に近づくことがあります。その他の準仮想化デバイスも、他の方法では利用できない機能を仮想マシンに追加します。
以下のタイプの準仮想化デバイスに対応します。
-
準仮想化ネットワークデバイス (
virtio-net) 準仮想化ストレージコントローラー:
-
virtio-blk- ブロックデバイスエミュレーションを提供します。 -
virtio-scsi- より完全な SCSI エミュレーションを提供します。
-
- 準仮想化されたクロック
-
準仮想化されたシリアルデバイス (
virtio-serial) -
仮想マシンとそのホスト間でメモリーを動的に分散するために使用されるバルーンデバイス (
virtio-balloon)。 -
準仮想化された乱数ジェネレーター (
virtio-rng) -
準仮想化グラフィックカード (
QXL)
-
準仮想化ネットワークデバイス (
- 物理的に共有されているデバイス
特定のハードウェアプラットフォームにより、仮想マシンはさまざまなハードウェアデバイスやコンポーネントに直接アクセスできます。このプロセスは、デバイスの割り当て として、または パススルー として知られています。
この方法で接続すると、物理マシンの場合と同様に、物理デバイスの一部の側面が仮想マシンで直接利用できます。これにより、仮想マシンで使用されるデバイスのパフォーマンスが向上します。ただし、仮想マシンに物理的に接続されているデバイスはホストからは利用できず、移行もできません。
それにもかかわらず、いくつかのデバイスは、複数の仮想マシンで 共有 できます。たとえば、場合によっては、1 台の物理デバイスが複数の 仲介デバイス を提供します。これは、異なる仮想マシンに割り当てることができます。
以下の種類のパススルーデバイスに対応します。
- USB、PCI、および SCSI のパススルー - ゲストソフトウェアで特定の機能が利用できるようにするために、一般的な業界標準のバスを仮想マシンに直接公開します。
- シングルルート I/O 仮想化 (SR-IOV) - PCI Express リソースのハードウェアで強制された分離を可能にする仕様です。これにより、1 つの物理 PCI リソースを、複数の仮想 PCI 機能に分割する、安全かつ効率的な作業が可能になります。これは、通常、ネットワークインターフェイスカード (NIC) に使用されます。
- NPIV (N_Port ID virtualization) - 1 つの物理ホストバスアダプター (HBA) を、複数の仮想ポートと共有するファイバーチャネル技術です。
- GPU および vGPU - 特定のタイプのグラフィックスまたは計算ワークロード用のアクセラレーター。GPU によっては仮想マシンに直接接続できるものもありますが、一部のタイプでは、基本となる物理ハードウェアを共有する仮想 GPU (vGPU) を作成する機能も提供されます。
これらのタイプの一部のデバイスはサポート対象外であるか、RHEL と互換性がない可能性があります。仮想デバイスのセットアップについてサポートが必要な場合は、Red Hat サポートにお問い合わせください。
11.3. CLI を使用した仮想マシンに接続されたデバイスの管理 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
仮想マシンの機能を変更するには、コマンドライン (CLI) を使用して、仮想マシンに接続されているデバイスを管理します。
11.3.1. 仮想マシンへのデバイスの割り当て リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
新しい仮想デバイスを割り当てることで、仮想マシンに特定の機能を追加できます。
次の手順では、コマンドライン (CLI) を使用して仮想デバイスを作成し、仮想マシンに接続します。一部のデバイスは、RHEL Web コンソールを使用 して仮想マシンに接続することもできます。
たとえば、仮想マシンに新しい仮想ディスクデバイスを割り当てることで、仮想マシンのストレージ容量を増やすことができます。
前提条件
仮想マシンに接続するデバイスに必要なオプションを取得します。特定のデバイスで利用可能なオプションを確認するには、
virt-xml --device=?コマンドを使用します。以下に例を示します。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
手順
デバイスを仮想マシンに接続するには、デバイスと必要なオプションの定義を含む
virt-xml --add-deviceコマンドを使用します。たとえば、次は、
/var/lib/libvirt/images/ディレクトリーに 20GB の newdisk qcow2 ディスクイメージを作成し、仮想マシンの次回の起動時にそれを仮想マシンとして、実行中の仮想マシン testguest に接続します。virt-xml testguest --add-device --disk /var/lib/libvirt/images/newdisk.qcow2,format=qcow2,size=20 Domain 'testguest' defined successfully. Changes will take effect after the domain is fully powered off.
# virt-xml testguest --add-device --disk /var/lib/libvirt/images/newdisk.qcow2,format=qcow2,size=20 Domain 'testguest' defined successfully. Changes will take effect after the domain is fully powered off.Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 以下は、仮想マシンの稼働時に、ホストでバス 002 のデバイス 004 として、仮想マシン testguest2 に接続した USB フラッシュドライブを接続します。
virt-xml testguest2 --add-device --update --hostdev 002.004 Device hotplug successful. Domain 'testguest2' defined successfully.
# virt-xml testguest2 --add-device --update --hostdev 002.004 Device hotplug successful. Domain 'testguest2' defined successfully.Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow USB を定義するバスとデバイスの組み合わせは、
lsusbコマンドを使用して取得できます。
検証
デバイスが追加されたことを確認するには、次のいずれかを行います。
virsh dumpxmlコマンドを実行し、デバイスの XML 定義が、仮想マシンの XML 設定の<devices>セクションに追加されました。たとえば、以下の出力は、仮想マシン testguest の設定を表示し、002.004 USB フラッシュディスクドライブが追加されていることを確認します。
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow - 仮想マシンを実行し、デバイスが存在し、正しく機能しているかどうかをテストします。
11.3.2. 仮想マシンに接続されているデバイスの変更 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
接続している仮想デバイスの設定を編集することで、仮想マシンの機能を変更できます。たとえば、仮想マシンのパフォーマンスを最適化する場合は、ホストの CPU に合わせて仮想 CPU モデルを変更できます。
次の手順は、コマンドライン (CLI) を使用して仮想デバイスを変更する一般的な手順を示しています。ディスクや NIC など、仮想マシンに接続されている一部のディスクは、RHEL 8 Web コンソール で修正できます。
前提条件
-
仮想マシンに接続するデバイスに必要なオプションを取得します。特定のデバイスで利用可能なオプションを確認するには、
virt-xml --device=?コマンドを使用します。以下に例を示します。
-
オプション:
virsh dumpxml vm-nameを使用して出力をファイルに送信し、仮想マシンの XML 設定をバックアップします。たとえば、以下は、testguest1 仮想マシンの設定のバックアップファイルtestguest1.xmlを作成します。
手順
デバイスの定義および必要なオプションを追加して、
virt-xml --editコマンドを使用します。たとえば、次のようにすると、停止する仮想マシン testguest の <cpu> 設定を削除し、host-model に設定します。
virt-xml testguest --edit --cpu host-model,clearxml=yes Domain 'testguest' defined successfully.
# virt-xml testguest --edit --cpu host-model,clearxml=yes Domain 'testguest' defined successfully.Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
検証
デバイスが変更されたことを確認するには、次のいずれかを行います。
- デバイスが存在し、変更を反映する場合は、仮想マシンを実行してテストします。
virsh dumpxmlコマンドを使用して、デバイスの XML 定義が、仮想マシンの XML 設定で変更されているかどうかを確認します。たとえば、次の出力は、仮想マシン testguest の設定を表示し、CPU モードが host-model として設定されていることを確認します。
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トラブルシューティング
デバイスを変更すると仮想マシンが起動できなくなる場合は、
virsh defineユーティリティーを使用して、バックアップとして作成しておいた XML 設定ファイルを再読み込みして XML 設定を復元します。virsh define testguest.xml
# virsh define testguest.xmlCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
仮想マシンの XML 設定を変更する場合は、virsh edit コマンド (virsh edit testguest など) も使用できます。ただし、より詳細な変更にはこの方法を使用しないでください。設定を壊し、仮想マシンの起動を妨げる可能性が高くなります。
11.3.3. 仮想マシンからのデバイスの削除 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
仮想デバイスを削除することで、仮想マシンの機能を変更できます。たとえば、仮想マシンから仮想ディスクデバイスが不要になった場合は、削除できます。
次の手順は、コマンドライン (CLI) を使用して、仮想マシンから仮想デバイスを削除する方法を示しています。RHEL 8 Web コンソールを使用して、ディスクや NIC などの一部のデバイスも仮想マシンから削除できます。
前提条件
-
オプション:
virsh dumpxml vm-nameを使用して出力をファイルに送信し、仮想マシンの XML 設定をバックアップします。たとえば、以下は、testguest1 仮想マシンの設定のバックアップファイルtestguest1.xmlを作成します。
手順
デバイスの定義を付けて、
virt-xml --remove-deviceコマンドを使用します。以下に例を示します。以下は、シャットダウン後に、稼働中の仮想マシン testguest から vdb としてマークされているストレージデバイスを削除します。
virt-xml testguest --remove-device --disk target=vdb Domain 'testguest' defined successfully. Changes will take effect after the domain is fully powered off.
# virt-xml testguest --remove-device --disk target=vdb Domain 'testguest' defined successfully. Changes will take effect after the domain is fully powered off.Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 次は、稼働中の稼働マシン testguest2 からすぐに USB フラッシュドライブデバイスを削除します。
virt-xml testguest2 --remove-device --update --hostdev type=usb Device hotunplug successful. Domain 'testguest2' defined successfully.
# virt-xml testguest2 --remove-device --update --hostdev type=usb Device hotunplug successful. Domain 'testguest2' defined successfully.Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
トラブルシューティング
デバイスを取り外すと仮想マシンが起動できなくなる場合は、
virsh defineユーティリティーを使用して、バックアップとして作成しておいた XML 設定ファイルを再読み込みして XML 設定を復元します。virsh define testguest.xml
# virsh define testguest.xmlCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
11.4. Web コンソールを使用したホストデバイスの管理 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
仮想マシン (VM) の機能を変更するには、RHEL 9 Web コンソールを使用して、仮想マシンに接続されているホストデバイスを管理します。
ホストデバイスは、ホストシステムに接続されている物理デバイスです。要件に基づいて、仮想マシンがこれらのハードウェアデバイスおよびコンポーネントに直接アクセスできるようにすることができます。
Web コンソールを使用して以下を行うことができます。
11.4.1. Web コンソールを使用した仮想マシンに接続されているデバイスの表示 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
仮想マシンに接続されているデバイスを追加または変更する前に、仮想マシンに接続されているデバイスを表示できます。以下の手順では、Web コンソールを使用してこのようなデバイスを表示する方法を説明します。
前提条件
- RHEL 8 Web コンソールがインストールされている。
- cockpit サービスが有効になっている。
ユーザーアカウントが Web コンソールにログインできる。
手順は、Web コンソールのインストールおよび有効化 を参照してください。
- Web コンソールの仮想マシンプラグインが システムにインストールされている。
手順
RHEL 8 Web コンソールにログインします。
詳細は、Web コンソールへのログイン を参照してください。
インターフェイスで、情報を表示する仮想マシンを選択します。
仮想マシンの詳細情報を含む新しいページが開きます。
ホストデバイス セクションまでスクロールします。
11.4.2. Web コンソールを使用した仮想マシンへのデバイスの割り当て リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
仮想マシン (VM) に特定の機能を追加するには、Web コンソールを使用してホストデバイスを仮想マシンに接続します。
複数のホストデバイスを同時に接続することはできません。一度に接続できるデバイスは 1 つだけです。
詳細は、RHEL 8 Known Issues を参照してください。
前提条件
- RHEL 8 Web コンソールがインストールされている。
- cockpit サービスが有効になっている。
ユーザーアカウントが Web コンソールにログインできる。
手順は、Web コンソールのインストールおよび有効化 を参照してください。
PCI デバイスを接続している場合は、
hostdev要素のmanaged属性のステータスが、yesに設定されていることを確認してください。注記PCI デバイスを仮想マシンに接続するときは、
hostdev要素のmanaged属性を省略したり、noに設定したりしないでください。設定している場合は、PCI デバイスを仮想マシンに渡すときに、PCI デバイスをホストから自動的に切り離すことができなくなります。また、仮想マシンをオフにしたときに、ホストに自動的に再接続することもできません。その結果、ホストが応答しなくなったり、予期せずシャットダウンしたりする可能性があります。
managed属性のステータスは、仮想マシンの XML 設定で確認できます。次の例では、example-VM-1仮想マシンの XML 設定を開きます。virsh edit example-VM-1
# virsh edit example-VM-1Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow - 仮想マシンからの重要なデータのバックアップを作成している。
オプション: 仮想マシンの XML 設定をバックアップします。たとえば、
example-VM-1仮想マシンをバックアップするには、次のようにします。virsh dumpxml example-VM-1 > example-VM-1.xml
# virsh dumpxml example-VM-1 > example-VM-1.xmlCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow - Web コンソールの仮想マシンプラグインがシステムにインストールされている。
手順
RHEL 8 Web コンソールにログインします。
詳細は、Web コンソールへのログイン を参照してください。
インターフェイスで、ホストデバイスを接続する仮想マシンをクリックします。
新しいページが開き、選択した仮想マシンに関する基本情報を含む Overview セクションと、仮想マシンのグラフィカルインターフェイスにアクセスするための Console セクションが表示されます。
までスクロールします。
Host devices セクションには、仮想マシンに接続されているデバイスに関する情報と、デバイスを 追加 または 削除 するためのオプションが表示されます。
をクリックします。
ホストデバイスの追加 ダイアログが表示されます。
- VM に接続するデバイスを選択します。
をクリックします。
選択したデバイスが仮想マシンに接続されます。
検証
- VM を実行し、デバイスが ホストデバイス セクションに表示されるかどうかを確認します。
11.4.3. Web コンソールを使用した仮想マシンからのデバイスの削除 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
リソースを解放するか、仮想マシンの機能を変更するか、その両方を行うには、Web コンソールを使用して仮想マシンを変更し、不要になったホストデバイスを削除します。
デバイスと USB デバイスのバス番号の相関が正しくないことが原因で、接続された USB ホストデバイスを Web コンソールで削除することができない場合があります。
詳細は、RHEL 8 Known Issues を参照してください。
回避策として、virsh ユーティリティーを使用して、仮想マシンの XML 設定から USB デバイスの <hostdev> 部分を削除します。次の例では、example-VM-1 仮想マシンの XML 設定を開きます。
virsh edit <example-VM-1>
# virsh edit <example-VM-1>
前提条件
- RHEL 8 Web コンソールがインストールされている。
- cockpit サービスが有効になっている。
ユーザーアカウントが Web コンソールにログインできる。
手順は、Web コンソールのインストールおよび有効化 を参照してください。
- Web コンソールの仮想マシンプラグインがシステムにインストールされている。
オプション:
virsh dumpxml example-VM-1を使用して仮想マシンの XML 設定をバックアップし、出力をファイルに送信します。たとえば、以下は、testguest1 仮想マシンの設定のバックアップファイルtestguest1.xmlを作成します。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
手順
インターフェイスで、ホストデバイスを削除する仮想マシンをクリックします。
新しいページが開き、選択した仮想マシンに関する基本情報を含む Overview セクションと、仮想マシンのグラフィカルインターフェイスにアクセスするための Console セクションが表示されます。
までスクロールします。
Host devices セクションには、仮想マシンに接続されているデバイスに関する情報と、デバイスを 追加 または 削除 するためのオプションが表示されます。
VM から削除するデバイスの横にある ボタンをクリックします。
デバイスの削除確認ダイアログが表示されます。
をクリックします。
デバイスが VM から削除されます。
トラブルシューティング
ホストデバイスを取り外すことで、仮想マシンが起動できなくなる場合は、
virsh defineユーティリティーを使用して、以前にバックアップした XML 設定ファイルを再ロードして XML 設定を復元します。virsh define testguest1.xml
# virsh define testguest1.xmlCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
11.5. 仮想 USB デバイスの管理 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
仮想マシンを使用する場合は、ホストシステムに接続されているフラッシュドライブや Web マッピングなどの USB デバイスにアクセスし、制御できます。このような場合、ホストシステムはデバイスの制御を仮想マシンに渡します。これは USB パススルーとしても知られています。
11.5.1. 仮想マシンへの USB デバイスの割り当て リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
USB デバイスを仮想マシンに割り当てるには、仮想マシンの XML 設定ファイルに USB デバイス情報を追加してください。
前提条件
- 仮想マシンにパススルーするデバイスがホストに接続されていることを確認します。
手順
仮想マシンに接続する USB のバスおよびデバイス値を見つけます。
たとえば、次のコマンドは、ホストに接続されている USB デバイスのリストを表示します。この例で使用するデバイスは、デバイス 005 としてバス 001 にアタッチされています。
lsusb [...] Bus 001 Device 003: ID 2567:0a2b Intel Corp. Bus 001 Device 005: ID 0407:6252 Kingston River 2.0 [...]
# lsusb [...] Bus 001 Device 003: ID 2567:0a2b Intel Corp. Bus 001 Device 005: ID 0407:6252 Kingston River 2.0 [...]Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow --add-device引数を指定してvirt-xmlユーティリティーを使用します。たとえば、次のコマンドは、USB フラッシュドライブを
example-VM-1仮想マシンに接続します。virt-xml example-VM-1 --add-device --hostdev 001.005 Domain 'example-VM-1' defined successfully.
# virt-xml example-VM-1 --add-device --hostdev 001.005 Domain 'example-VM-1' defined successfully.Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
実行中の仮想マシンに USB デバイスを接続するには、--update 引数を直前のコマンドに追加します。
検証
- 仮想マシンを実行し、デバイスが存在し、予想通りに機能しているかどうかをテストします。
virsh dumpxmlコマンドを実行し、デバイスの XML 定義が、仮想マシンの XML 設定ファイルの <devices> セクションに追加されたかどうかを確認します。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
11.5.2. 仮想マシンからの USB デバイスの削除 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
仮想マシンから USB デバイスを削除するには、仮想マシンの XML 設定から USB デバイス情報を削除してください。
手順
仮想マシンから削除する USB のバスおよびデバイス値を見つけます。
たとえば、次のコマンドは、ホストに接続されている USB デバイスのリストを表示します。この例で使用するデバイスは、デバイス 005 としてバス 001 にアタッチされています。
lsusb [...] Bus 001 Device 003: ID 2567:0a2b Intel Corp. Bus 001 Device 005: ID 0407:6252 Kingston River 2.0 [...]
# lsusb [...] Bus 001 Device 003: ID 2567:0a2b Intel Corp. Bus 001 Device 005: ID 0407:6252 Kingston River 2.0 [...]Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow --remove-device引数を指定してvirt-xmlユーティリティーを使用します。たとえば、次のコマンドは、
example-VM-1仮想マシンから、バス 001 でデバイス 005 としてホストに接続されている USB フラッシュドライブを削除します。virt-xml example-VM-1 --remove-device --hostdev 001.005 Domain 'example-VM-1' defined successfully.
# virt-xml example-VM-1 --remove-device --hostdev 001.005 Domain 'example-VM-1' defined successfully.Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
実行中の仮想マシンから USB デバイスを削除するには、--update 引数を直前のコマンドに追加します。
検証
- 仮想マシンを実行して、デバイスのリストから、このデバイスが削除されたかどうかを確認します。
11.5.3. スマートカードリーダーの仮想マシンへの割り当て リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
スマートカードリーダーがホストに割り当てられている場合は、そのホストの仮想マシンが利用できるようにすることもできます。libvirt は、ゲスト仮想マシンにスマートカードインターフェイスを提供する専用の仮想デバイスを提供します。spicevmc デバイスタイプのみを使用することを推奨します。これは、SPICE リモートディスプレイプロトコルを使用して、ホストへの認証要求をトンネル化します。
スマートカードリーダーで標準のデバイスパススルーを使用することは可能ですが、この方法ではホストとゲストシステムの両方でデバイスが利用できるようにはなりません。これにより、スマートカードリーダーを仮想マシンに割り当てると、ホストシステムをロックできました。
SPICE リモートディスプレイプロトコルが RHEL 8 で非推奨になりました。仮想マシンにスマートカードリーダーを割り当てる唯一の推奨される方法は SPICE プロトコルによって異なるため、ゲスト仮想マシンでのスマートカードの使用も RHEL 8 で非推奨となりました。
RHEL の将来のメジャーバージョンでは、スマートカードリーダーを仮想マシンに割り当てる機能は、サードパーティーのリモート可視化ソリューションでのみサポートされる予定です。
前提条件
- 仮想マシンに渡すスマートカードリーダーがホストに割り当てられていることを確認する。
- スマートカードリーダーのタイプが、RHEL 8 でサポート対象 である。
手順
仮想スマートカードリーダーデバイスを作成して仮想マシンに割り当てます。たとえば、スマートカードリーダーを
testguest仮想マシンに割り当てるには、以下を実行します。virt-xml testguest --add-device --smartcard mode=passthrough,type=spicevmc Domain 'testguest' defined successfully. Changes will take effect after the domain is fully powered off.
# virt-xml testguest --add-device --smartcard mode=passthrough,type=spicevmc Domain 'testguest' defined successfully. Changes will take effect after the domain is fully powered off.Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 注記仮想スマートカードリーダーデバイスを実行中の仮想マシンに割り当てるには、
--update引数を直前のコマンドに追加します。
検証
仮想マシンの XML 設定を表示します。
virsh dumpxml testguest
# virsh dumpxml testguestCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow XML 設定に、以下のスマートカードデバイス定義が含まれていることを確認します。
<smartcard mode='passthrough' type='spicevmc'/>
<smartcard mode='passthrough' type='spicevmc'/>Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
11.6. 仮想光学ドライブの管理 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
仮想マシンを使用する場合は、ホストの ISO イメージに保存されている情報にアクセスできます。これを行うには、CD ドライブや DVD ドライブなどの仮想光学ドライブとして、ISO イメージを仮想マシンに割り当てます。
11.6.1. 仮想マシンへの光学ドライブの割り当て リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
ISO イメージを仮想光学ドライブとして割り当てるには、仮想マシンの XML 設定ファイルを編集し、新しいドライブを追加します。
前提条件
- ISO イメージのパスをホストマシンに保存してコピーしている。
手順
--add-device引数を指定してvirt-xmlユーティリティーを使用します。たとえば、次のコマンドは、
/home/username/Downloadsディレクトリーに保存されているexample-ISO-nameISO イメージをexample-VM-name仮想マシンに接続します。virt-xml example-VM-name --add-device --disk /home/username/Downloads/example-ISO-name.iso,device=cdrom Domain 'example-VM-name' defined successfully.
# virt-xml example-VM-name --add-device --disk /home/username/Downloads/example-ISO-name.iso,device=cdrom Domain 'example-VM-name' defined successfully.Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
検証
- 仮想マシンを実行し、デバイスが存在し、予想通りに機能しているかどうかをテストします。
11.6.2. Web コンソールを使用して実行中の仮想マシンに CD-ROM を追加する リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
Web コンソールを使用すると、メディアを指定せずに、実行中の仮想マシン (VM) に CD-ROM を挿入できます。
手順
- 仮想マシンをシャットダウンします。
ソースイメージを指定せずに仮想 CD-ROM デバイスを接続します。
virt-xml vmname --add-device --disk target.dev=sda,device=cdrom
# virt-xml vmname --add-device --disk target.dev=sda,device=cdromCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow - 仮想マシンを実行します。
- Web コンソールを開き、 インターフェイスで、CD-ROM を接続する仮想マシンをクリックします。
までスクロールします。
ディスクセクションには、仮想マシンに割り当てられたディスクに関する情報と、ディスクの Add、または Edit のオプションが表示されます。
cdrom デバイスの オプションをクリックします。
添付するファイルの Source を選択します。
- カスタムパス: ファイルはホストマシン上のカスタムディレクトリーにあります。
- 既存のものを使用: ファイルは、作成したストレージプールにあります。
- をクリックします。
検証
- インターフェイスの Disks セクションにファイルが表示されます。
11.6.3. 仮想光学ドライブでの ISO イメージの置き換え リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
仮想マシンに仮想光学ドライブとして割り当てられた ISO イメージを置き換えるには、仮想マシンの XML 設定ファイルを編集し、別のイメージを指定します。
前提条件
- ISO イメージをホストマシンに保存している。
- ISO イメージへのパスを知っている。
手順
CD-ROM が仮想マシンに接続されているターゲットデバイスを見つけます。この情報は、仮想マシンの XML 設定ファイルにあります。
たとえば、次のコマンドは、
example-VM-name仮想マシンの XML 設定ファイルを表示します。ここでは、CD-ROM のターゲットデバイスはsdaです。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow --edit引数を指定してvirt-xmlユーティリティーを使用します。たとえば、次のコマンドは、ターゲットの
sdaのexample-VM-name仮想マシンに接続されているexample-ISO-nameISO イメージを、/dev/cdromディレクトリーに保存されているexample-ISO-name-2ISO イメージに置き換えます。virt-xml example-VM-name --edit target=sda --disk /dev/cdrom/example-ISO-name-2.iso Domain 'example-VM-name' defined successfully.
# virt-xml example-VM-name --edit target=sda --disk /dev/cdrom/example-ISO-name-2.iso Domain 'example-VM-name' defined successfully.Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
検証
- 仮想マシンを実行して、デバイスが置き換えられ、想定どおりに機能しているかどうかを確認します。
11.6.4. 仮想光学ドライブからの ISO イメージの削除 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
仮想マシンに接続されている仮想光学ドライブから ISO イメージを削除するには、仮想マシンの XML 設定ファイルを編集します。
手順
CD-ROM が仮想マシンに接続されているターゲットデバイスを見つけます。この情報は、仮想マシンの XML 設定ファイルにあります。
たとえば、次のコマンドは、
example-VM-name仮想マシンの XML 設定ファイルを表示します。ここでは、CD-ROM のターゲットデバイスはsdaです。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow --edit引数を指定してvirt-xmlユーティリティーを使用します。たとえば、次のコマンドは、
example-VM-name仮想マシンに接続されている CD ドライブからexample-ISO-nameISO イメージを削除します。virt-xml example-VM-name --edit target=sda --disk path= Domain 'example-VM-name' defined successfully.
# virt-xml example-VM-name --edit target=sda --disk path= Domain 'example-VM-name' defined successfully.Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
検証
- 仮想マシンを実行し、イメージが使用できなくなっていることを確認します。
11.6.5. 仮想マシンからの光学ドライブの削除 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
仮想マシンに接続されている光学ドライブを削除するには、仮想マシンの XML 設定ファイルを編集します。
手順
CD-ROM が仮想マシンに接続されているターゲットデバイスを見つけます。この情報は、仮想マシンの XML 設定ファイルにあります。
たとえば、次のコマンドは、
example-VM-name仮想マシンの XML 設定ファイルを表示します。ここでは、CD-ROM のターゲットデバイスはsdaです。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow --remove-device引数を指定してvirt-xmlユーティリティーを使用します。たとえば、次のコマンドは、ターゲット
sdaとして接続された光学ドライブを、仮想マシンexample-VM-nameから削除します。virt-xml example-VM-name --remove-device --disk target=sda Domain 'example-VM-name' defined successfully.
# virt-xml example-VM-name --remove-device --disk target=sda Domain 'example-VM-name' defined successfully.Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
検証
- デバイスが仮想マシンの XML 設定ファイルにリスト表示されていないことを確認します。
11.6.6. Web コンソールを使用した実行中の仮想マシンからの CD-ROM の削除 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
Web コンソールを使用して、実行中の仮想マシン (VM) から CD-ROM デバイスを取り出すことができます。
手順
- インターフェイスで、CD-ROM を削除する仮想マシンをクリックします。
までスクロールします。
ディスクセクションには、仮想マシンに割り当てられたディスクに関する情報と、ディスクの Add、または Edit のオプションが表示されます。
CDROM デバイスの オプションをクリックします。
Eject media from VM? ダイアログボックスが開きます。
- をクリックします。
検証
- インターフェイスでは、添付ファイルが Disks セクションに表示されなくなりました。
11.7. 仮想マシンでの PCI デバイスの管理 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
仮想マシン (VM) を使用する場合、ホストシステムに割り当てられているストレージコントローラーやネットワークコントローラーなどの PCI デバイスにアクセスして制御できます。このような場合、ホストシステムはデバイスの制御を仮想マシンに渡します。これは、PCI デバイス割り当て、または PCI パススルー とも呼ばれます。
11.7.1. 仮想マシンへの PCI デバイスの割り当て リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
仮想マシン (VM) でホストに割り当てられた PCI ハードウェアデバイスを使用するには、ホストからデバイスの割り当てを解除し、仮想マシンに割り当てます。これは PCI パススルー とも呼ばれます。
前提条件
ホストが IBM Z アーキテクチャーを使用している場合は、
vfioカーネルモジュールをホストにロードする必要があります。確認するには、次のコマンドを使用します。lsmod | grep vfio
# lsmod | grep vfioCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 出力に次のモジュールが含まれている必要があります。
-
vfio_pci -
vfio_pci_core -
vfio_iommu_type1
-
次の手順では、一般的な PCI デバイスの割り当てについて説明します。特定のタイプの PCI デバイスを割り当てる手順については、次の手順を参照してください。
使用するデバイスの PCI アドレス識別子を取得します。たとえば、ホストに割り当てられている NVME ディスクを使用する場合、このディスクは次の出力でデバイス
0000:65:00.0として表示されます。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow PCI デバイスを割り当てる仮想マシンの XML 設定を開きます。
virsh edit vm-name
# virsh edit vm-nameCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 以下の
<hostdev>設定を XML ファイルの<devices>セクションに追加します。address行の値を、デバイスの PCI アドレスに置き換えます。必要に応じて、デバイスが仮想マシン内で使用する PCI アドレスを変更するには、<address type="pci">行に別のアドレスを設定できます。たとえば、ホスト上のデバイスアドレスが
0000:65:00.0で、ゲストでは0000:02:00.0を使用する場合は、次の設定を使用します。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow オプション: IBM Z ホストでは、ゲストオペレーティングシステムが PCI デバイスを検出する方法を変更できます。これを行うには、
<address>要素に<zpci>サブ要素を追加します。<zpci>行では、uid値とfid値を調整できます。これにより、ゲストオペレーティングシステムのデバイスの PCI アドレスと機能 ID が変更されます。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow この例では、以下が適用されます。
-
uid="0x0008"は、仮想マシンのデバイスのドメイン PCI アドレスを0008:00:00.0に設定します。 fid="0x001807"は、デバイスのスロット値を0x001807に設定します。これにより、仮想マシンのファイルシステムのデバイス設定が/sys/bus/pci/slots/00001087/addressに保存されます。これらの値が指定されていない場合は、
libvirtがこれらの値を自動的に設定します。
-
- XML 設定を保存します。
仮想マシンが実行中の場合はシャットダウンします。
virsh shutdown vm-name
# virsh shutdown vm-nameCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
検証
- 仮想マシンを起動し、ゲストオペレーティングシステムにログインします。
ゲストオペレーティングシステムで、PCI デバイスがリストされていることを確認します。
たとえば、ゲストデバイスのアドレスを
0000:02:00.0に設定した場合は、次のコマンドを使用します。lspci -nkD | grep 0000:02:00.0 0000:02:00.0 8086:9a09 (rev 01)
# lspci -nkD | grep 0000:02:00.0 0000:02:00.0 8086:9a09 (rev 01)Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
11.7.2. Web コンソールを使用した仮想マシンへのデバイスの割り当て リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
仮想マシン (VM) に特定の機能を追加するには、Web コンソールを使用してホストデバイスを仮想マシンに接続します。
複数のホストデバイスを同時に接続することはできません。一度に接続できるデバイスは 1 つだけです。
詳細は、RHEL 8 Known Issues を参照してください。
前提条件
- RHEL 8 Web コンソールがインストールされている。
- cockpit サービスが有効になっている。
ユーザーアカウントが Web コンソールにログインできる。
手順は、Web コンソールのインストールおよび有効化 を参照してください。
PCI デバイスを接続している場合は、
hostdev要素のmanaged属性のステータスが、yesに設定されていることを確認してください。注記PCI デバイスを仮想マシンに接続するときは、
hostdev要素のmanaged属性を省略したり、noに設定したりしないでください。設定している場合は、PCI デバイスを仮想マシンに渡すときに、PCI デバイスをホストから自動的に切り離すことができなくなります。また、仮想マシンをオフにしたときに、ホストに自動的に再接続することもできません。その結果、ホストが応答しなくなったり、予期せずシャットダウンしたりする可能性があります。
managed属性のステータスは、仮想マシンの XML 設定で確認できます。次の例では、example-VM-1仮想マシンの XML 設定を開きます。virsh edit example-VM-1
# virsh edit example-VM-1Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow - 仮想マシンからの重要なデータのバックアップを作成している。
オプション: 仮想マシンの XML 設定をバックアップします。たとえば、
example-VM-1仮想マシンをバックアップするには、次のようにします。virsh dumpxml example-VM-1 > example-VM-1.xml
# virsh dumpxml example-VM-1 > example-VM-1.xmlCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow - Web コンソールの仮想マシンプラグインがシステムにインストールされている。
手順
RHEL 8 Web コンソールにログインします。
詳細は、Web コンソールへのログイン を参照してください。
インターフェイスで、ホストデバイスを接続する仮想マシンをクリックします。
新しいページが開き、選択した仮想マシンに関する基本情報を含む Overview セクションと、仮想マシンのグラフィカルインターフェイスにアクセスするための Console セクションが表示されます。
までスクロールします。
Host devices セクションには、仮想マシンに接続されているデバイスに関する情報と、デバイスを 追加 または 削除 するためのオプションが表示されます。
をクリックします。
ホストデバイスの追加 ダイアログが表示されます。
- VM に接続するデバイスを選択します。
をクリックします。
選択したデバイスが仮想マシンに接続されます。
検証
- VM を実行し、デバイスが ホストデバイス セクションに表示されるかどうかを確認します。
11.7.3. コマンドラインを使用した仮想マシンからの PCI デバイスの削除 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
仮想マシン (VM) から PCI デバイスを削除するには、仮想マシンの XML 設定からデバイス情報を削除します。
手順
PCI デバイスが割り当てられている仮想マシンの XML 設定で、デバイスの設定がある
<hostdev>セクションの<address domain>行を見つけます。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow --hostdevオプションとデバイスアドレスを指定したvirsh detach-deviceコマンドを使用します。たとえば、次のコマンドは、前のステップで見つかったデバイスを永続的に削除します。
virt detach-device <VM-name> --hostdev 0000:65:00.0 --config Domain 'VM-name' defined successfully.
# virt detach-device <VM-name> --hostdev 0000:65:00.0 --config Domain 'VM-name' defined successfully.Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 注記実行中の仮想マシンから PCI デバイスを削除するには、前のコマンドに
--live引数を追加します。オプション: PCI デバイスをホストに再割り当てします。たとえば、次のコマンドは、前のステップで仮想マシンから削除したデバイスを再割り当てします。
virsh nodedev-reattach pci_0000_65_00_0 Device pci_0000_65_00_0 re-attached
# virsh nodedev-reattach pci_0000_65_00_0 Device pci_0000_65_00_0 re-attachedCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
検証
仮想マシンの XML 設定を再度表示し、デバイスの
<hostdev>セクションが表示されなくなっていることを確認します。virsh dumpxml <VM-name>
# virsh dumpxml <VM-name>Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
11.7.4. Web コンソールを使用した仮想マシンからのデバイスの削除 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
リソースを解放するか、仮想マシンの機能を変更するか、その両方を行うには、Web コンソールを使用して仮想マシンを変更し、不要になったホストデバイスを削除します。
デバイスと USB デバイスのバス番号の相関が正しくないことが原因で、接続された USB ホストデバイスを Web コンソールで削除することができない場合があります。
詳細は、RHEL 8 Known Issues を参照してください。
回避策として、virsh ユーティリティーを使用して、仮想マシンの XML 設定から USB デバイスの <hostdev> 部分を削除します。次の例では、example-VM-1 仮想マシンの XML 設定を開きます。
virsh edit <example-VM-1>
# virsh edit <example-VM-1>
前提条件
- RHEL 8 Web コンソールがインストールされている。
- cockpit サービスが有効になっている。
ユーザーアカウントが Web コンソールにログインできる。
手順は、Web コンソールのインストールおよび有効化 を参照してください。
- Web コンソールの仮想マシンプラグインがシステムにインストールされている。
オプション:
virsh dumpxml example-VM-1を使用して仮想マシンの XML 設定をバックアップし、出力をファイルに送信します。たとえば、以下は、testguest1 仮想マシンの設定のバックアップファイルtestguest1.xmlを作成します。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
手順
インターフェイスで、ホストデバイスを削除する仮想マシンをクリックします。
新しいページが開き、選択した仮想マシンに関する基本情報を含む Overview セクションと、仮想マシンのグラフィカルインターフェイスにアクセスするための Console セクションが表示されます。
までスクロールします。
Host devices セクションには、仮想マシンに接続されているデバイスに関する情報と、デバイスを 追加 または 削除 するためのオプションが表示されます。
VM から削除するデバイスの横にある ボタンをクリックします。
デバイスの削除確認ダイアログが表示されます。
をクリックします。
デバイスが VM から削除されます。
トラブルシューティング
ホストデバイスを取り外すことで、仮想マシンが起動できなくなる場合は、
virsh defineユーティリティーを使用して、以前にバックアップした XML 設定ファイルを再ロードして XML 設定を復元します。virsh define testguest1.xml
# virsh define testguest1.xmlCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
11.8. SR-IOV デバイスの管理 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
エミュレートされた仮想デバイスは、多くの場合、ハードウェアネットワークデバイスよりも多くの CPU およびメモリーを使用します。これにより、仮想マシンのパフォーマンスを制限できます。ただし、仮想化ホストのデバイスが SR-IOV (Single Root I/O Virtualization) に対応する場合は、この機能を使用してデバイスのパフォーマンスを向上し、仮想マシンの全体的なパフォーマンスを向上させることができます。
11.8.1. SR-IOV とは リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
SR-IOV (Single-root I/O virtualization) は、1 つの PCIe (PCI Express) デバイスが、ホストに、複数の個別の PCI デバイス (仮想機能 (VF) と呼ばれます) をホストシステムに表示できるようにする仕様です。このデバイスはそれぞれ以下のようになります。
- 元の PCIe デバイスと同一または同様のサービスを提供できます。
- ホストの PCI バス上にある別のアドレスに表示されます。
- VFIO の割り当てを使用して、別の仮想マシンに割り当てることができます。
たとえば、1 つの SR-IOV 対応ネットワークデバイスが、VF を複数の仮想マシンに提示できます。すべての VF は同じ物理カード、同じネットワーク接続、同じネットワークケーブルを使用しますが、各仮想マシンは直接そのハードウェアネットワークデバイスを制御し、ホストのリソースは使用しません。
SR-IOV の仕組み
SR-IOV 機能は、以下の PCIe 機能の導入により可能になりました。
- Physical Function (PF) - デバイス (ネットワークなど) の機能をホストに提供しますが、一連の VF を作成して管理することもできる PCIe 機能。SR-IOV 対応の各デバイスには、1 つ以上の PF があります。
- Virtual Function (VF) - 独立したデバイスとして動作する軽量の PCIe 機能。各 VF は PF から派生します。デバイスが持つことができる VF の最大数は、デバイスのハードウェアによって異なります。各 VF は、一度に 1 台の仮想マシンにのみ割り当てることができますが、1 台の仮想マシンには複数の VF を割り当てることができます。
仮想マシンは、VF を仮想デバイスとして認識します。たとえば、SR-IOV ネットワークデバイスによって作成された VF は、物理ネットワークカードがホストシステムに表示されるのと同じように、割り当てられた仮想マシンへのネットワークカードとして表示されます。
図11.1 SR-IOV アーキテクチャー
メリット
エミュレートされたデバイスではなく SR-IOV VF を使用する主な利点は以下のとおりです。
- パフォーマンスが向上する
- ホストの CPU およびメモリーリソースの使用が減少する
たとえば、vNIC として仮想マシンに接続する VF は、物理 NIC とほぼ同じレベルで実行され、準仮想化またはエミュレートされた NIC よりもはるかに適しています。特に、複数の VF を 1 台のホスト上で同時に使用する場合に、パフォーマンス上のメリットは重要です。
デメリット
- PF の設定を変更する場合は、最初に PF により公開される VF の数をゼロに変更する必要があります。したがって、このような VF が提供するデバイスを、デバイスが割り当てられている仮想マシンから削除する必要もあります。
- SR-IOV VF など、VFIO が割り当てられたデバイスが接続された仮想マシンは、別のホストに移行することができません。場合によっては、割り当てられたデバイスをエミュレートされたデバイスとペアにすることにより、この制限を回避できます。たとえば、割り当てられたネットワーク VF をエミュレートされた vNIC に ボンディング (Red Hat ナレッジベース) し、移行前に VF を削除できます。
- さらに、VFIO が割り当てたデバイスには仮想マシンのメモリーの固定 (ピニング) が必要になるため、仮想マシンのメモリー消費が増加し、仮想マシンのメモリーバルーンが使用できなくなります。
11.8.2. 仮想マシンへの SR-IOV ネットワークデバイスの割り当て リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
SR-IOV ネットワークデバイスを仮想マシン (VM) に接続するには、ホスト上の SR-IOV 対応ネットワークインターフェイスから Virtual Function (VF) を作成し、その VF をデバイスとして指定した仮想マシンに割り当てる必要があります。詳細は、次の手順を参照してください。
前提条件
ホストの CPU およびファームウェアは、IOMMU (I/O Memory Management Unit) に対応している。
- Intel CPU を使用している場合は、Intel VT-d (Virtualization Technology for Directed I/O) に対応する必要があります。
- AMD CPU を使用している場合は、AMD-Vi 機能に対応している必要があります。
ホストシステムが、アクセス制御サービス (ACS) を使用して PCIe トポロジーの DMA (Direct Memory Access) 分離を提供している。この点をシステムベンダーに確認してください。
詳細は、SR-IOV 実装に関するハードウェアの考慮事項 を参照してください。
物理ネットワークデバイスが SR-IOV をサポートしている。システムのネットワークデバイスが SR-IOV に対応しているかどうかを確認するには、
lspci -vコマンドを使用して、出力でSingle Root I/O Virtualization (SR-IOV)を探します。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow VF の作成に使用するホストのネットワークインターフェイスが実行中である。たとえば、eth1 インターフェイスをアクティブにして、実行していることを確認するには、次のコマンドを実行します。
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow SR-IOV デバイス割り当てを有効にするには、ホスト BIOS およびカーネルで IOMMU 機能を有効にする必要があります。これを行うには、以下を行います。
Intel ホストで VT-d を有効にします。
intel_iommu=onおよびiommu=ptパラメーターを使用して GRUB 設定を再生成します。grubby --args="intel_iommu=on iommu=pt" --update-kernel=ALL
# grubby --args="intel_iommu=on iommu=pt" --update-kernel=ALLCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow - ホストを再起動します。
AMD ホストで、AMD-Vi を有効にします。
iommu=ptパラメーターで GRUB 設定を再生成します。grubby --args="iommu=pt" --update-kernel=ALL
# grubby --args="iommu=pt" --update-kernel=ALLCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow - ホストを再起動します。
ARM 64 ホストでは、必要な SMMU 機能はデフォルトで有効になっていますが、パフォーマンスを向上させるために、
iommu=ptパラメーターも設定することを推奨します。iommu=ptパラメーターで GRUB 設定を再生成します。grubby --args="iommu=pt" --update-kernel=ALL
# grubby --args="iommu=pt" --update-kernel=ALLCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow - ホストを再起動します。
手順
オプション: ネットワークデバイスで使用できる VF の最大数を確認します。これを実行するには、次のコマンドを使用して、eth1 を SR-IOV 互換のネットワークデバイスに置き換えます。
cat /sys/class/net/eth1/device/sriov_totalvfs 7
# cat /sys/class/net/eth1/device/sriov_totalvfs 7Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 次のコマンドを実行して、Virtual Function (VF) を作成します。
echo VF-number > /sys/class/net/network-interface/device/sriov_numvfs
# echo VF-number > /sys/class/net/network-interface/device/sriov_numvfsCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 上記コマンドでは、以下のようになります。
- VF-number には、PF に作成する VF の数を入力します。
- network-interface は、VF が作成されるネットワークインターフェイスの名前に置き換えます。
以下の例では、eth1 ネットワークインターフェイスから 2 つの VF を作成します。
echo 2 > /sys/class/net/eth1/device/sriov_numvfs
# echo 2 > /sys/class/net/eth1/device/sriov_numvfsCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow VF が追加されたことを確認します。
lspci | grep Ethernet 82:00.0 Ethernet controller: Intel Corporation 82599ES 10-Gigabit SFI/SFP+ Network Connection (rev 01) 82:00.1 Ethernet controller: Intel Corporation 82599ES 10-Gigabit SFI/SFP+ Network Connection (rev 01) 82:10.0 Ethernet controller: Intel Corporation 82599 Ethernet Controller Virtual Function (rev 01) 82:10.2 Ethernet controller: Intel Corporation 82599 Ethernet Controller Virtual Function (rev 01)
# lspci | grep Ethernet 82:00.0 Ethernet controller: Intel Corporation 82599ES 10-Gigabit SFI/SFP+ Network Connection (rev 01) 82:00.1 Ethernet controller: Intel Corporation 82599ES 10-Gigabit SFI/SFP+ Network Connection (rev 01) 82:10.0 Ethernet controller: Intel Corporation 82599 Ethernet Controller Virtual Function (rev 01) 82:10.2 Ethernet controller: Intel Corporation 82599 Ethernet Controller Virtual Function (rev 01)Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow VF の作成に使用したネットワークインターフェイス用の udev ルールを作成して、作成した VF を永続化します。たとえば、eth1 インターフェイスの場合は、
/etc/udev/rules.d/eth1.rulesファイルを作成し、以下の行を追加します。ACTION=="add", SUBSYSTEM=="net", ENV{ID_NET_DRIVER}=="ixgbe", ATTR{device/sriov_numvfs}="2"ACTION=="add", SUBSYSTEM=="net", ENV{ID_NET_DRIVER}=="ixgbe", ATTR{device/sriov_numvfs}="2"Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow これにより、ホストの起動時に
ixgbeドライバーを使用する 2 つの VF がeth1インターフェイスで自動的に利用できるようになります。永続的な SR-IOV デバイスが必要ない場合は、この手順を省略します。警告現在、Broadcom NetXtreme II BCM57810 アダプターで VF を永続化しようとすると、上記の設定が正しく機能しません。また、このアダプターに基づく VF を Windows 仮想マシンに接続することは、現在信頼性がありません。
新しく追加された VF インターフェイスデバイスの 1 つを実行中の仮想マシンにホットプラグします。
virsh attach-interface <vm_name> hostdev 0000:82:10.0 --mac 52:54:00:00:01:01 --managed --live --config
# virsh attach-interface <vm_name> hostdev 0000:82:10.0 --mac 52:54:00:00:01:01 --managed --live --configCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow --liveオプションは、起動間の永続性なしで、実行中の仮想マシンにデバイスを接続します。--configオプションは、設定の変更を永続化します。シャットダウンされた仮想マシンにデバイスを接続する場合は、--liveオプションを使用しないでください。--macオプションは、接続されたインターフェイスの MAC アドレスを指定します。インターフェイスに MAC アドレスを指定しない場合、仮想マシンは 52:54:00 で始まる永続的な疑似ランダムアドレスを自動的に生成します。重要VM の XML 設定ファイルの <hostdev> セクションにデバイスエントリーを手動で追加して SR-IOV VF を仮想マシンに割り当てる場合、MAC アドレスは永続的に割り当てられず、通常、ホストを再起動するたびにゲストのネットワーク設定を再設定する必要があります。
これらの複雑さを回避するには、この手順で説明されているように
、virsh attach-interfaceコマンドを使用します。
検証
- 手順が成功すると、ゲストオペレーティングシステムは新しいネットワークインターフェイスコントローラーを検出します。
11.8.3. SR-IOV 割り当てに対応しているデバイス リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
すべてのデバイスを SR-IOV に使用できるわけではありません。以下のデバイスは、RHEL 8 の SR-IOV との互換性がテストおよび検証されています。
ネットワークデバイス
-
Intel 82599ES 10 Gigabit Ethernet Controller -
ixgbeドライバーを使用します。 -
Intel Ethernet Controller XL710 Series -
i40eドライバーを使用します。 -
Intel Ethernet Network Adapter XXV710 -
i40eドライバーを使用します。 -
Intel 82576 Gigabit Ethernet Controller -
igbドライバーを使用します。 -
Broadcom NetXtreme II BCM57810 -
bnx2xドライバーを使用します。 -
Ethernet Controller E810-C for QSFP -
iceドライバーを使用します。 -
SFC9220 10/40G Ethernet Controller -
sfcドライバーを使用します。 -
FastLinQ QL41000 Series 10/25/40/50GbE Controller -
qedeドライバーを使用します。 - Mellanox MT27710 イーサネットアダプターカード
- Mellanox MT2892 ファミリー [ConnectX-6 Dx]
- Mellanox MT2910 [ConnextX-7]
11.9. IBM Z の仮想マシンへの DASD デバイスの割り当て リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
vfio-ccw 機能を使用すると、直接アクセスストレージデバイス (DASD) を仲介デバイスとして IBM Z ホスト上の仮想マシンに割り当てることができます。これにより、たとえば仮想マシンは z/OS データセットにアクセスできるか、割り当てられた DASD を z/OS マシンに提供できるようになります。
前提条件
- FICON プロトコルでサポートされる IBM Z ハードウェアアーキテクチャーを備えたシステムがある。
- Linux オペレーティングシステムのターゲット仮想マシンがある。
driverctl パッケージがインストールされている。
yum install driverctl
# yum install driverctlCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow ホストに必要な
vfioカーネルモジュールがロードされている。lsmod | grep vfio
# lsmod | grep vfioCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow このコマンドの出力には、以下のモジュールが含まれている必要があります。
-
vfio_ccw -
vfio_mdev -
vfio_iommu_type1
-
仮想マシンによる排他的使用のために予備の DASD デバイスがあり、そのデバイスの識別子を把握している。
次の手順では、例として
0.0.002cを使用しています。コマンドを実行する場合は、0.0.002cを DASD デバイスーの ID に置き換えます。
手順
DASD デバイスのサブチャネル識別子を取得します。
lscss -d 0.0.002c Device Subchan. DevType CU Type Use PIM PAM POM CHPIDs ---------------------------------------------------------------------- 0.0.002c 0.0.29a8 3390/0c 3990/e9 yes f0 f0 ff 02111221 00000000
# lscss -d 0.0.002c Device Subchan. DevType CU Type Use PIM PAM POM CHPIDs ---------------------------------------------------------------------- 0.0.002c 0.0.29a8 3390/0c 3990/e9 yes f0 f0 ff 02111221 00000000Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow この例では、サブチャンネル ID は
0.0.29a8として検出されます。以下のコマンドでは、0.0.29a8を、検出されたデバイスのサブチャンネル ID に置き換えます。前の手順の
lscssコマンドでヘッダー出力のみが表示され、デバイスインフォメーションが表示されない場合は、以下の手順を実行します。cio_ignoreリストからデバイスを削除します。cio_ignore -r 0.0.002c
# cio_ignore -r 0.0.002cCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow ゲスト OS で、仮想マシンの edit the kernel command line を編集し、
!マークを使用して、cio_ignore=で始まる行にデバイス識別子を追加します (まだ存在しない場合)。cio_ignore=all,!condev,!0.0.002c
cio_ignore=all,!condev,!0.0.002cCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow - ホストで手順 1 を繰り返し、サブチャネル識別子を取得します。
サブチャネルは
vfio_ccwパススルードライバーにバインドします。driverctl -b css set-override 0.0.29a8 vfio_ccw
# driverctl -b css set-override 0.0.29a8 vfio_ccwCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 注記これにより、0.0.29a8 サブチャンネルが
vfio_ccwに永続的にバインドされます。つまり、DASD はホストコンピューターでは使用できなくなります。ホストでデバイスを使用する必要がある場合は、まず 'vfio_ccw' への自動バインディングを削除し、サブチャンネルをデフォルトドライバーに再バインドする必要があります。# driverctl -b css unset-override 0.0.29a8
DASD 仲介デバイスを定義して起動します。
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow - 実行中の場合は、仮想マシンをシャットダウンします。
以前に定義したデバイスの UUID を表示し、次の手順のために保存します。
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 仲介デバイスを仮想マシンに接続します。これを行うには、
virsh editユーティリティーを使用して仮想マシンの XML 設定を編集し、以下のセクションを XML に追加します。uuidの値は、前の手順で取得した UUID に置き換えます。<hostdev mode='subsystem' type='mdev' model='vfio-ccw'> <source> <address uuid="30820a6f-b1a5-4503-91ca-0c10ba12345a"/> </source> </hostdev><hostdev mode='subsystem' type='mdev' model='vfio-ccw'> <source> <address uuid="30820a6f-b1a5-4503-91ca-0c10ba12345a"/> </source> </hostdev>Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow オプション: ホストの起動時に仲介デバイスが自動的に起動するように設定します。
virsh nodedev-autostart mdev_30820a6f_b1a5_4503_91ca_0c10ba12345a_0_0_29a8
# virsh nodedev-autostart mdev_30820a6f_b1a5_4503_91ca_0c10ba12345a_0_0_29a8Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
検証
仲介デバイスが正しく設定されていることを確認します。
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow libvirtが仲介 DASD デバイスに割り当てた識別子を取得します。これを行うには、仮想マシンの XML 設定を表示して、vfio-ccwデバイスを見つけます。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow この例では、デバイスに割り当てられた識別子は
0.0.0009です。- 仮想マシンを起動し、ゲスト OS にログインします。
ゲスト OS で、DASD デバイスがリストされていることを確認します。以下に例を示します。
lscss | grep 0.0.0009 0.0.0009 0.0.0007 3390/0c 3990/e9 f0 f0 ff 12212231 00000000
# lscss | grep 0.0.0009 0.0.0009 0.0.0007 3390/0c 3990/e9 f0 f0 ff 12212231 00000000Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow ゲスト OS で、デバイスをオンラインに設定します。以下に例を示します。
chccwdev -e 0.0009 Setting device 0.0.0009 online Done
# chccwdev -e 0.0009 Setting device 0.0.0009 online DoneCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
11.10. Web コンソールを使用した仮想マシンへのウォッチドッグデバイスの接続 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
仮想マシン (VM) が応答を停止したときに指定されたアクションを強制的に実行するには、仮想ウォッチドッグデバイスを仮想マシンに接続します。
前提条件
- RHEL 8 Web コンソールがインストールされている。
- cockpit サービスが有効になっている。
ユーザーアカウントが Web コンソールにログインできる。
手順は、Web コンソールのインストールおよび有効化 を参照してください。
- システムに Web コンソール仮想マシンプラグインがインストールされている。詳細は、「仮想マシンを管理するために Web コンソールを設定」 を参照すること。
手順
コマンドラインでウォッチドッグサービスをインストールします。
# yum install watchdog
- 仮想マシンをシャットダウンします。
ウォッチドッグサービスを仮想マシンに追加します。
# virt-xml vmname --add-device --watchdog action=reset --update
- 仮想マシンを実行します。
RHEL 8 Web コンソールにログインします。
詳細は、Web コンソールへのログイン を参照してください。
- Web コンソールの インターフェイスで、ウォッチドッグデバイスを追加する仮想マシンをクリックします。
概要ペインの Watchdog フィールドの横にある をクリックします。
Add watchdog device type ダイアログが表示されます。
仮想マシンが応答を停止した場合にウォッチドッグデバイスが実行するアクションを選択します。
- をクリックします。
検証
- 選択したアクションは、Overview ペインの Watchdog フィールドの横に表示されます。
第12章 仮想マシン用のストレージの管理 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
仮想マシンは、物理マシンと同様に、データ、プログラム、およびシステムファイル用にストレージを必要とします。仮想マシン管理者は、物理ストレージまたはネットワークベースのストレージを仮想マシンに仮想ストレージとして割り当てることができます。また、基本となるハードウェアに関係なく、ストレージを仮想マシンに表示する方法を変更することもできます。
次のセクションでは、仮想マシンのストレージの種類、その機能、および CLI または Web コンソールを使用してそれらを管理する方法を説明します。
12.1. 仮想マシンのストレージの概要 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
仮想マシンのストレージを初めて使用するユーザー、またはその仕組みがよくわからないユーザー向けに、次のセクションでは仮想マシンストレージのさまざまなコンポーネントの概要、その機能、管理の基本、Red Hat が提供するサポートされるソリューションを説明します。
以下の情報が記載されています。
12.1.1. ストレージプールの概要 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
ストレージプールは、仮想マシンにストレージを提供するために、libvirt が管理するファイル、ディレクトリー、またはストレージデバイスです。ストレージプールは、ストレージボリュームに分割できます。ストレージボリュームは、仮想マシンイメージを保存するか、追加のストレージとして仮想マシンに割り当てられます。
さらに、複数の仮想マシンが同じストレージプールを共有できるため、ストレージリソースの割り当てが改善されます。
ストレージプールは永続的または一時的なものにできます。
-
永続ストレージプールは、ホストマシンのシステムを再起動しても維持します。この
virsh pool-defineを使用して、永続ストレージプールを作成できます。 -
一時的なストレージプールは、ホストが再起動すると削除されます。
virsh pool-createコマンドを使用すると、一時的なストレージプールを作成できます。
ストレージプールは、ローカルまたはネットワークベース (共有) のどちらかです。
ローカルストレージプール
ローカルストレージプールは、ホストサーバーに直接接続されています。これには、ローカルデバイス上のローカルディレクトリー、直接接続されたディスク、物理パーティション、論理ボリュームマネージャー (LVM) ボリュームグループが含まれます。
ローカルストレージプールは、移行を必要としない、または仮想マシンが多数存在する、開発、テスト、および小規模なデプロイメントに役立ちます。
ネットワーク (共有) ストレージプール
ネットワークストレージプールには、標準プロトコルを使用してネットワーク経由で共有されるストレージデバイスが含まれます。
12.1.2. ストレージボリュームの概要 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
ストレージプールは、ストレージボリューム に分類されます。ストレージボリュームは、libvirt が処理する物理パーティション、LVM 論理ボリューム、ファイルベースのディスクイメージ、その他のストレージタイプの抽象化です。ストレージボリュームは、基盤となるハードウェアに関係なく、ローカルのストレージデバイス (ディスクなど) として仮想マシンに表示されます。
ホストマシンでは、ストレージボリュームは、その名前と、そこから派生するストレージプールの識別子で参照されます。virsh コマンドラインでは、--pool storage_pool volume_name の形式を取ります。
たとえば、guest_images プールにある firstimage という名前のボリュームに関する情報を表示するには、次のコマンドを実行します。
virsh vol-info --pool guest_images firstimage Name: firstimage Type: block Capacity: 20.00 GB Allocation: 20.00 GB
# virsh vol-info --pool guest_images firstimage
Name: firstimage
Type: block
Capacity: 20.00 GB
Allocation: 20.00 GB
12.1.3. libvirt を使用したストレージ管理 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
libvirt リモートプロトコルを使用して、仮想マシンストレージのあらゆる側面を管理できます。これらの操作は、リモートホストで実行することもできます。したがって、RHEL Web コンソールなどの libvirt を使用する管理アプリケーションを使用して、仮想マシンのストレージを設定するために必要なすべてのタスクを実行できます。
libvirt の API を使用すると、ストレージプールのボリュームリストを照会したり、そのストレージプールの容量、割り当て、利用可能なストレージに関する情報を取得したりできます。それに対応するストレージプールの場合は、libvirt の API を使用して、ストレージボリュームを作成、クローン作成、サイズ変更、および削除することもできます。また、libvirt API を使用してデータをストレージボリュームにアップロードしたり、ストレージボリュームからデータをダウンロードしたり、ストレージボリュームのデータを消去したりできます。
12.1.4. ストレージ管理の概要 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
ストレージの管理で利用可能なオプションを説明するため、以下の例では、mount -t nfs nfs.example.com:/path/to/share /path/to/data を使用するサンプルの NFS サーバーを説明します。
ストレージ管理者は、以下を実行できます。
-
仮想ホストに NFS ストレージプールを定義し、エクスポートするサーバーパスと、クライアントのターゲットパスを記述できます。その結果、
libvirtは、libvirtの起動時に自動的に、またはlibvirtの実行中に必要に応じてストレージをマウントできます。 - ストレージプールとストレージボリュームは、名前で仮想マシンに追加するだけです。ターゲットパスをボリュームに追加する必要はありません。そのため、ターゲットのクライアントパスが変更しても、仮想マシンには影響を及ぼしません。
-
ストレージプールを自動起動するように設定できます。これを行うと、
libvirtは、libvirtの起動時に指定したディレクトリーに、NFS 共有ディスクを自動的にマウントします。libvirtは、コマンドmount nfs.example.com:/path/to/share /vmdataと同様に、指定したディレクトリーに共有をマウントします。 -
libvirtの API を使用して、ストレージボリュームパスをクエリーできます。このようなストレージボリュームは、基本的には NFS 共有ディスクにあるファイルです。その後、これらのパスを、仮想マシンのブロックデバイスのソースストレージを説明する仮想マシンの XML 定義のセクションにコピーできます。 NFS の場合は、
libvirtの API を使用するアプリケーションを使用して、ストレージプール (NFS 共有内のファイル) にあるストレージボリュームを、プールのサイズ (共有のストレージ容量) の上限まで作成および削除できます。すべてのストレージプールタイプがボリュームの作成および削除に対応しているわけではないことに注意してください。
-
ストレージプールは、不要になったときに停止できます。ストレージプールを停止する (
pool-destroy) と、開始操作が取り消されます。この場合は、NFS 共有のマウントが解除されます。コマンドの名前が記載されているにも関わらず、共有上のデータは destroy 操作で修正されません。詳細は、man virshを参照してください。
12.1.5. 対応しているストレージプールのタイプと、対応していないストレージプールのタイプ リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
対応しているストレージプールの種類
以下は、RHEL で対応しているストレージプールタイプのリストです。
- ディレクトリーベースのストレージプール
- ディスクベースのストレージプール
- パーティションベースのストレージプール
- GlusterFS ストレージプール
- iSCSI ベースのストレージプール
- LVM ベースのストレージプール
- NFS ベースのストレージプール
- vHBA デバイスを使用した SCSI ベースのストレージプール
- マルチパスベースのストレージプール
- RBD ベースのストレージプール
対応していないストレージプールの種類
以下は、RHEL で対応していない libvirt ストレージプールタイプのリストです。
- sheepdog ベースのストレージプール
- vstorage ベースのストレージプール
- ZFS ベースのストレージプール
12.2. CLI を使用した仮想マシンストレージプールの管理 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
CLI を使用して、ストレージプールの次の側面を管理し、仮想マシン (VM) にストレージを割り当てることができます。
- ストレージプール情報の表示
ストレージプールの作成
- ストレージプールの削除
12.2.1. CLI を使用したストレージプール情報の表示 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
CLI を使用して、ストレージプールに関する詳細の一部またはすべてが含まれるストレージプールのリストを表示できます。また、リスト表示されているストレージプールにフィルターをかけることもできます。
手順
virsh pool-listコマンドを使用して、ストレージプール情報を表示します。virsh pool-list --all --details Name State Autostart Persistent Capacity Allocation Available default running yes yes 48.97 GiB 23.93 GiB 25.03 GiB Downloads running yes yes 175.62 GiB 62.02 GiB 113.60 GiB RHEL-Storage-Pool running yes yes 214.62 GiB 93.02 GiB 168.60 GiB
# virsh pool-list --all --details Name State Autostart Persistent Capacity Allocation Available default running yes yes 48.97 GiB 23.93 GiB 25.03 GiB Downloads running yes yes 175.62 GiB 62.02 GiB 113.60 GiB RHEL-Storage-Pool running yes yes 214.62 GiB 93.02 GiB 168.60 GiBCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
12.2.2. CLI を使用したディレクトリーベースのストレージプールの作成 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
ディレクトリーベースのストレージプールは、マウントされている既存のファイルシステムのディレクトリーを基にしています。これは、たとえば、ファイルシステムの残りの領域を他の目的で使用する場合に役立ちます。virsh ユーティリティーを使用して、ディレクトリーベースのストレージプールを作成できます。
前提条件
ハイパーバイザーがディレクトリーのストレージプールをサポートしていることを確認します。
virsh pool-capabilities | grep "'dir' supported='yes'"
# virsh pool-capabilities | grep "'dir' supported='yes'"Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow コマンドの出力が表示される場合には、ディレクトリープールはサポートの対象です。
手順
ストレージプールを作成します。
virsh pool-define-asコマンドを使用し、ディレクトリータイプのストレージプールを定義して作成します。たとえば、/guest_images ディレクトリーを使用するguest_images_dirという名前のストレージプールを作成するには以下を実行します。virsh pool-define-as guest_images_dir dir --target "/guest_images" Pool guest_images_dir defined
# virsh pool-define-as guest_images_dir dir --target "/guest_images" Pool guest_images_dir definedCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 作成するストレージプールの XML 設定がすでにある場合は、XML を基にプールを定義することもできます。詳細は、Directory-based storage pool parameters を参照してください。
ストレージプールのターゲットパスの作成
virsh pool-buildコマンドを使用して、フォーマット済みファイルシステムのストレージプール用のストレージプールターゲットパスを作成し、ストレージソースデバイスを初期化し、データのフォーマットを定義します。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow プールが作成されたことを確認します。
virsh pool-listコマンドを使用して、プールが作成されたことを確認します。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow ストレージプールを起動します。
virsh pool-startコマンドを使用して、ストレージプールをマウントします。virsh pool-start guest_images_dir Pool guest_images_dir started
# virsh pool-start guest_images_dir Pool guest_images_dir startedCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 注記virsh pool-startコマンドは、永続ストレージプールにのみ必要です。一時的なストレージプールは、作成時に自動的に起動します。オプション: 自動起動をオンにします。
デフォルトでは、
virshコマンドで定義されたストレージプールは、仮想化サービスが起動するたびに自動的に起動するようには設定されていません。virsh pool-autostartコマンドを使用して、ストレージプールが自動的に起動するように設定します。virsh pool-autostart guest_images_dir Pool guest_images_dir marked as autostarted
# virsh pool-autostart guest_images_dir Pool guest_images_dir marked as autostartedCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
検証
virsh pool-infoコマンドを使用して、ストレージプールがrunning状態であることを確認します。報告されるサイズが期待どおりであるか、また、自動開始が正しく設定されているかを確認してください。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
12.2.3. CLI を使用したディスクベースのストレージプールの作成 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
ディスクベースのストレージプールでは、プールはディスクパーティションに基づいています。これは、たとえば、ディスクパーティション全体を仮想マシン (VM) ストレージ専用にする場合に便利です。virsh ユーティリティーを使用して、ディスクベースのストレージプールを作成できます。
前提条件
ハイパーバイザーがディスクベースのストレージプールをサポートしていることを確認します。
virsh pool-capabilities | grep "'disk' supported='yes'"
# virsh pool-capabilities | grep "'disk' supported='yes'"Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow コマンドの出力が表示される場合には、ディスクベースのプールはサポートの対象です。
ストレージプールのベースとなるデバイスを準備します。この目的のために、パーティション (
/dev/sdb1など) または LVM ボリュームを優先します。ディスク全体またはブロックデバイス (/dev/sdbなど) への書き込みアクセスを仮想マシンに提供すると、その仮想マシンはそれをパーティション分割するか、その上に独自の LVM グループを作成する可能性があります。これにより、ホストでシステムエラーが発生する可能性があります。ただし、ストレージプールにブロックデバイス全体を使用する必要がある場合、Red Hat は、デバイス上の重要なパーティションを GRUB の
os-prober機能から保護することを推奨します。これを行うには、/etc/default/grubファイルを編集して、次のいずれかの設定を適用します。os-proberを無効にします。GRUB_DISABLE_OS_PROBER=true
GRUB_DISABLE_OS_PROBER=trueCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow os-proberが特定のパーティションを検出しないようにします。以下に例を示します。GRUB_OS_PROBER_SKIP_LIST="5ef6313a-257c-4d43@/dev/sdb1"
GRUB_OS_PROBER_SKIP_LIST="5ef6313a-257c-4d43@/dev/sdb1"Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
-
ストレージプールを作成する前に、選択したストレージデバイス上のデータをバックアップします。使用されている
libvirtのバージョンに応じて、ディスクをストレージプール専用にすると、現在ディスクデバイスに格納されているすべてのデータが再フォーマットされて消去される可能性があります。
手順
ストレージプールを作成します。
virsh pool-define-asコマンドを使用し、ディスクタイプのストレージプールを定義して作成します。次の例では、/dev/sdb デバイスを使用するguest_images_diskという名前のストレージプールを作成します。virsh pool-define-as guest_images_disk disk --source-format=gpt --source-dev=/dev/sdb --target /dev Pool guest_images_disk defined
# virsh pool-define-as guest_images_disk disk --source-format=gpt --source-dev=/dev/sdb --target /dev Pool guest_images_disk definedCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 作成するストレージプールの XML 設定がすでにある場合は、XML を基にプールを定義することもできます。詳細は、Disk-based storage pool parameters を参照してください。
ストレージプールのターゲットパスの作成
virsh pool-buildコマンドを使用して、フォーマット済みファイルシステムのストレージプール用のストレージプールターゲットパスを作成し、ストレージソースデバイスを初期化し、データのフォーマットを定義します。virsh pool-build guest_images_disk Pool guest_images_disk built
# virsh pool-build guest_images_disk Pool guest_images_disk builtCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 注記ターゲットパスの構築は、ディスクベース、ファイルシステムベース、論理ストレージプールにのみ必要です。
libvirtは、overwriteオプションが指定されている場合を除き、ソースストレージデバイスのデータフォーマットが、選択したストレージプールタイプと異なることを検出すると、ビルドに失敗します。プールが作成されたことを確認します。
virsh pool-listコマンドを使用して、プールが作成されたことを確認します。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow ストレージプールを起動します。
virsh pool-startコマンドを使用して、ストレージプールをマウントします。virsh pool-start guest_images_disk Pool guest_images_disk started
# virsh pool-start guest_images_disk Pool guest_images_disk startedCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 注記virsh pool-startコマンドは、永続ストレージプールにのみ必要です。一時的なストレージプールは、作成時に自動的に起動します。オプション: 自動起動をオンにします。
デフォルトでは、
virshコマンドで定義されたストレージプールは、仮想化サービスが起動するたびに自動的に起動するようには設定されていません。virsh pool-autostartコマンドを使用して、ストレージプールが自動的に起動するように設定します。virsh pool-autostart guest_images_disk Pool guest_images_disk marked as autostarted
# virsh pool-autostart guest_images_disk Pool guest_images_disk marked as autostartedCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
検証
virsh pool-infoコマンドを使用して、ストレージプールがrunning状態であることを確認します。報告されるサイズが期待どおりであるか、また、自動開始が正しく設定されているかを確認してください。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
12.2.4. CLI を使用したファイルシステムベースのストレージプールの作成 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
マウントされていないファイルシステムにストレージプールを作成する場合は、ファイルシステムベースのストレージプールを使用します。このストレージプールは、指定のファイルシステムのマウントポイントを基にしています。virsh ユーティリティーを使用すると、ファイルシステムベースのストレージプールを作成できます。
前提条件
ハイパーバイザーがファイルシステムベースのストレージプールをサポートしていることを確認します。
virsh pool-capabilities | grep "'fs' supported='yes'"
# virsh pool-capabilities | grep "'fs' supported='yes'"Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow コマンドの出力が表示される場合には、ファイルベースのストレージプールはサポートの対象です。
ストレージプールのベースとなるデバイスを準備します。この目的のために、パーティション (
/dev/sdb1など) または LVM ボリュームを優先します。ディスク全体またはブロックデバイス (/dev/sdbなど) への書き込みアクセスを仮想マシンに提供すると、その仮想マシンはそれをパーティション分割するか、その上に独自の LVM グループを作成する可能性があります。これにより、ホストでシステムエラーが発生する可能性があります。ただし、ストレージプールにブロックデバイス全体を使用する必要がある場合、Red Hat は、デバイス上の重要なパーティションを GRUB の
os-prober機能から保護することを推奨します。これを行うには、/etc/default/grubファイルを編集して、次のいずれかの設定を適用します。os-proberを無効にします。GRUB_DISABLE_OS_PROBER=true
GRUB_DISABLE_OS_PROBER=trueCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow os-proberが特定のパーティションを検出しないようにします。以下に例を示します。GRUB_OS_PROBER_SKIP_LIST="5ef6313a-257c-4d43@/dev/sdb1"
GRUB_OS_PROBER_SKIP_LIST="5ef6313a-257c-4d43@/dev/sdb1"Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
手順
ストレージプールを作成します。
virsh pool-define-asコマンドを使用し、ファイルシステムタイプのストレージプールを定義して作成します。たとえば、/dev/sdc1 パーティションを使用し、/guest_images ディレクトリーにマウントされるストレージプールにguest_images_fsという名前を指定して作成するには以下を実行します。virsh pool-define-as guest_images_fs fs --source-dev /dev/sdc1 --target /guest_images Pool guest_images_fs defined
# virsh pool-define-as guest_images_fs fs --source-dev /dev/sdc1 --target /guest_images Pool guest_images_fs definedCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 作成するストレージプールの XML 設定がすでにある場合は、XML を基にプールを定義することもできます。詳細は、Filesystem-based storage pool parameters を参照してください。
ストレージプールのターゲットパスの定義
virsh pool-buildコマンドを使用して、フォーマット済みファイルシステムのストレージプール用のストレージプールターゲットパスを作成し、ストレージソースデバイスを初期化し、データのフォーマットを定義します。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow プールが作成されたことを確認します。
virsh pool-listコマンドを使用して、プールが作成されたことを確認します。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow ストレージプールを起動します。
virsh pool-startコマンドを使用して、ストレージプールをマウントします。virsh pool-start guest_images_fs Pool guest_images_fs started
# virsh pool-start guest_images_fs Pool guest_images_fs startedCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 注記virsh pool-startコマンドは、永続ストレージプールにのみ必要です。一時的なストレージプールは、作成時に自動的に起動します。オプション: 自動起動をオンにします。
デフォルトでは、
virshコマンドで定義されたストレージプールは、仮想化サービスが起動するたびに自動的に起動するようには設定されていません。virsh pool-autostartコマンドを使用して、ストレージプールが自動的に起動するように設定します。virsh pool-autostart guest_images_fs Pool guest_images_fs marked as autostarted
# virsh pool-autostart guest_images_fs Pool guest_images_fs marked as autostartedCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
検証
virsh pool-infoコマンドを使用して、ストレージプールがrunning状態であることを確認します。報告されるサイズが期待どおりであるか、また、自動開始が正しく設定されているかを確認してください。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow ファイルシステムのターゲットパスに
lost+foundディレクトリーがあることを確認します。これは、デバイスがマウントされていることを示しています。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
12.2.5. CLI で GlusterFS ベースのストレージプールの作成 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
GlusterFS は、FUSE (File System in Userspace) ソフトウェアインターフェイスを使用するユーザー空間のファイルシステムです。Gluster サーバーにストレージプールが必要な場合は、virsh ユーティリティーを使用して GlusterFS ベースのストレージプールを作成できます。
前提条件
ホストに GlusterFS ベースのストレージプールを作成する前に、GlusterFS を準備します。
次のコマンドを使用してそのステータスをリスト表示して、Gluster サーバーの IP アドレスを取得します。
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow -
glusterfs-fuseパッケージがインストールされていない場合はインストールします。 virt_use_fusefsブール値が有効になっていない場合は有効にします。有効になっていることを確認します。setsebool virt_use_fusefs on getsebool virt_use_fusefs virt_use_fusefs --> on
# setsebool virt_use_fusefs on # getsebool virt_use_fusefs virt_use_fusefs --> onCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
ハイパーバイザーが GlusterFS ベースのストレージプールをサポートしていることを確認します。
virsh pool-capabilities | grep "'gluster' supported='yes'"
# virsh pool-capabilities | grep "'gluster' supported='yes'"Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow コマンドの出力が表示される場合には、GlusterFS ベースのストレージプールはサポートの対象です。
手順
ストレージプールを作成します。
virsh pool-define-asコマンドを使用し、GlusterFS ベースのストレージプールを定義して作成します。名前がgluster-vol1、 IP が111.222.111.222の Gluster サーバーを使用し、Gluster サーバーの root ディレクトリーにマウントされるストレージプールにguest_images_glusterfsという名前を指定して作成するには、以下を実行します。virsh pool-define-as --name guest_images_glusterfs --type gluster --source-host 111.222.111.222 --source-name gluster-vol1 --source-path / Pool guest_images_glusterfs defined
# virsh pool-define-as --name guest_images_glusterfs --type gluster --source-host 111.222.111.222 --source-name gluster-vol1 --source-path / Pool guest_images_glusterfs definedCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 作成するストレージプールの XML 設定がすでにある場合は、XML を基にプールを定義することもできます。詳細は、GlusterFS-based storage pool parameters を参照してください。
プールが作成されたことを確認します。
virsh pool-listコマンドを使用して、プールが作成されたことを確認します。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow ストレージプールを起動します。
virsh pool-startコマンドを使用して、ストレージプールをマウントします。virsh pool-start guest_images_glusterfs Pool guest_images_glusterfs started
# virsh pool-start guest_images_glusterfs Pool guest_images_glusterfs startedCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 注記virsh pool-startコマンドは、永続ストレージプールにのみ必要です。一時的なストレージプールは、作成時に自動的に起動します。オプション: 自動起動をオンにします。
デフォルトでは、
virshコマンドで定義されたストレージプールは、仮想化サービスが起動するたびに自動的に起動するようには設定されていません。virsh pool-autostartコマンドを使用して、ストレージプールが自動的に起動するように設定します。virsh pool-autostart guest_images_glusterfs Pool guest_images_glusterfs marked as autostarted
# virsh pool-autostart guest_images_glusterfs Pool guest_images_glusterfs marked as autostartedCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
検証
virsh pool-infoコマンドを使用して、ストレージプールがrunning状態であることを確認します。報告されるサイズが期待どおりであるか、また、自動開始が正しく設定されているかを確認してください。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
12.2.6. CLI を使用した iSCSI ベースのストレージプールの作成 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
iSCSI (Internet Small Computer Systems Interface) は、データストレージ施設をリンクするための IP ベースのストレージネットワーク標準です。iSCSI サーバーにストレージプールを置く場合は、virsh ユーティリティーを使用して、iSCSI ベースのストレージプールを作成できます。
前提条件
ハイパーバイザーが iSCSI ベースのストレージプールをサポートしていることを確認します。
virsh pool-capabilities | grep "'iscsi' supported='yes'"
# virsh pool-capabilities | grep "'iscsi' supported='yes'"Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow コマンドの出力が表示される場合には、iSCSI ベースのストレージプールはサポートの対象です。
手順
ストレージプールを作成します。
virsh pool-define-asコマンドを使用し、iSCSI タイプのストレージプールを定義して作成します。たとえば、server1.example.comでiqn.2010-05.com.example.server1:iscsirhel7guestIQN を使用し、/dev/disk/by-pathパスにマウントされるストレージプールにguest_images_iscsiという名前を指定して作成するには、以下を実行します。virsh pool-define-as --name guest_images_iscsi --type iscsi --source-host server1.example.com --source-dev iqn.2010-05.com.example.server1:iscsirhel7guest --target /dev/disk/by-path Pool guest_images_iscsi defined
# virsh pool-define-as --name guest_images_iscsi --type iscsi --source-host server1.example.com --source-dev iqn.2010-05.com.example.server1:iscsirhel7guest --target /dev/disk/by-path Pool guest_images_iscsi definedCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 作成するストレージプールの XML 設定がすでにある場合は、XML を基にプールを定義することもできます。詳細は、iSCSI-based storage pool parameters を参照してください。
プールが作成されたことを確認します。
virsh pool-listコマンドを使用して、プールが作成されたことを確認します。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow ストレージプールを起動します。
virsh pool-startコマンドを使用して、ストレージプールをマウントします。virsh pool-start guest_images_iscsi Pool guest_images_iscsi started
# virsh pool-start guest_images_iscsi Pool guest_images_iscsi startedCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 注記virsh pool-startコマンドは、永続ストレージプールにのみ必要です。一時的なストレージプールは、作成時に自動的に起動します。オプション: 自動起動をオンにします。
デフォルトでは、
virshコマンドで定義されたストレージプールは、仮想化サービスが起動するたびに自動的に起動するようには設定されていません。virsh pool-autostartコマンドを使用して、ストレージプールが自動的に起動するように設定します。virsh pool-autostart guest_images_iscsi Pool guest_images_iscsi marked as autostarted
# virsh pool-autostart guest_images_iscsi Pool guest_images_iscsi marked as autostartedCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
検証
virsh pool-infoコマンドを使用して、ストレージプールがrunning状態であることを確認します。報告されるサイズが期待どおりであるか、また、自動開始が正しく設定されているかを確認してください。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
12.2.7. CLI を使用した LVM ベースのストレージプールの作成 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
LVM ボリュームグループに含まれるストレージプールが必要な場合は、virsh ユーティリティーを使用して LVM ベースのストレージプールを作成できます。
推奨事項
LVM ベースのストレージプールを作成する前に、以下の点に注意してください。
- LVM ベースのストレージプールは、LVM の柔軟性を完全には提供しません。
-
libvirtは、シン論理ボリュームに対応しますが、シンストレージプールの機能は提供しません。 LVM ベースのストレージプールは、ボリュームグループです。
virshユーティリティーを使用してボリュームグループを作成できますが、この方法では、作成したボリュームグループには 1 つのデバイスしか作成できません。複数のデバイスを持つボリュームグループを作成する場合は、代わりに LVM ユーティリティーを使用します。詳細は、How to create a volume group in Linux with LVM を参照してください。ボリュームグループの詳細は、論理ボリュームの設定および管理 を参照してください。
-
LVM ベースのストレージプールには、完全なディスクパーティションが必要です。
virshコマンドを使用して新しいパーティションまたはデバイスをアクティブにすると、パーティションがフォーマットされ、すべてのデータが消去されます。この手順で説明しているように、ホストの既存のボリュームグループを使用している場合は、何も消去されません。
前提条件
ハイパーバイザーが LVM ベースのストレージプールをサポートしていることを確認します。
virsh pool-capabilities | grep "'logical' supported='yes'"
# virsh pool-capabilities | grep "'logical' supported='yes'"Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow コマンドの出力が表示される場合には、LVM ベースのストレージプールはサポートの対象です。
手順
ストレージプールを作成します。
virsh pool-define-asコマンドを使用して、LVM タイプのストレージプールを定義して作成します。たとえば、次のコマンドは、lvm_vgボリュームグループを使用し、/dev/lvm_vgディレクトリーにマウントされているguest_images_lvmという名前のストレージプールを作成します。virsh pool-define-as guest_images_lvm logical --source-name lvm_vg --target /dev/lvm_vg Pool guest_images_lvm defined
# virsh pool-define-as guest_images_lvm logical --source-name lvm_vg --target /dev/lvm_vg Pool guest_images_lvm definedCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 作成するストレージプールの XML 設定がすでにある場合は、XML を基にプールを定義することもできます。詳細は、LVM-based storage pool parameters を参照してください。
プールが作成されたことを確認します。
virsh pool-listコマンドを使用して、プールが作成されたことを確認します。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow ストレージプールを起動します。
virsh pool-startコマンドを使用して、ストレージプールをマウントします。virsh pool-start guest_images_lvm Pool guest_images_lvm started
# virsh pool-start guest_images_lvm Pool guest_images_lvm startedCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 注記virsh pool-startコマンドは、永続ストレージプールにのみ必要です。一時的なストレージプールは、作成時に自動的に起動します。オプション: 自動起動をオンにします。
デフォルトでは、
virshコマンドで定義されたストレージプールは、仮想化サービスが起動するたびに自動的に起動するようには設定されていません。virsh pool-autostartコマンドを使用して、ストレージプールが自動的に起動するように設定します。virsh pool-autostart guest_images_lvm Pool guest_images_lvm marked as autostarted
# virsh pool-autostart guest_images_lvm Pool guest_images_lvm marked as autostartedCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
検証
virsh pool-infoコマンドを使用して、ストレージプールがrunning状態であることを確認します。報告されるサイズが期待どおりであるか、また、自動開始が正しく設定されているかを確認してください。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
12.2.8. CLI を使用した NFS ベースのストレージプールの作成 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
ネットワークファイルシステム (NFS) サーバーにストレージプールを置く場合は、virsh ユーティリティーを使用して、NFS ベースのストレージプールを作成できます。
前提条件
ハイパーバイザーが NFS ベースのストレージプールに対応していることを確認します。
virsh pool-capabilities | grep "<value>nfs</value>"
# virsh pool-capabilities | grep "<value>nfs</value>"Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow コマンドの出力が表示される場合には、NFS ベースのストレージプールはサポートの対象です。
手順
ストレージプールを作成します。
virsh
pool-define-asコマンドを使用し、NFS タイプのストレージプールを定義して作成します。たとえば、ターゲットディレクトリー/var/lib/libvirt/images/nfspoolを使用してサーバーディレクトリー/home/net_mountにマウントされ、IP が111.222.111.222の NFS サーバーを使用するストレージプールを、guest_images_netfsという名前で作成するには、以下を実行します。virsh pool-define-as --name guest_images_netfs --type netfs --source-host='111.222.111.222' --source-path='/home/net_mount' --source-format='nfs' --target='/var/lib/libvirt/images/nfspool'
# virsh pool-define-as --name guest_images_netfs --type netfs --source-host='111.222.111.222' --source-path='/home/net_mount' --source-format='nfs' --target='/var/lib/libvirt/images/nfspool'Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 作成するストレージプールの XML 設定がすでにある場合は、XML を基にプールを定義することもできます。詳細は、NFS-based storage pool parameters を参照してください。
プールが作成されたことを確認します。
virsh pool-listコマンドを使用して、プールが作成されたことを確認します。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow ストレージプールを起動します。
virsh pool-startコマンドを使用して、ストレージプールをマウントします。virsh pool-start guest_images_netfs Pool guest_images_netfs started
# virsh pool-start guest_images_netfs Pool guest_images_netfs startedCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 注記virsh pool-startコマンドは、永続ストレージプールにのみ必要です。一時的なストレージプールは、作成時に自動的に起動します。オプション: 自動起動をオンにします。
デフォルトでは、
virshコマンドで定義されたストレージプールは、仮想化サービスが起動するたびに自動的に起動するようには設定されていません。virsh pool-autostartコマンドを使用して、ストレージプールが自動的に起動するように設定します。virsh pool-autostart guest_images_netfs Pool guest_images_netfs marked as autostarted
# virsh pool-autostart guest_images_netfs Pool guest_images_netfs marked as autostartedCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
検証
virsh pool-infoコマンドを使用して、ストレージプールがrunning状態であることを確認します。報告されるサイズが期待どおりであるか、また、自動開始が正しく設定されているかを確認してください。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
12.2.9. CLI で vHBA デバイスを使用した SCSI ベースのストレージプールを作成する手順 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
Small Computer System Interface (SCSI) デバイスにストレージプールを設定する場合は、ホストが、仮想ホストバスアダプター (vHBA) を使用して SCSI デバイスに接続できる必要があります。その後、virsh ユーティリティーを使用して、SCSI ベースのストレージプールを作成できます。
前提条件
ハイパーバイザーが SCSI ベースのストレージプールをサポートしている。
virsh pool-capabilities | grep "'scsi' supported='yes'"
# virsh pool-capabilities | grep "'scsi' supported='yes'"Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow コマンドの出力が表示される場合には、SCSI ベースのストレージプールはサポートの対象です。
- 先に vHBA を作成し、vHBA デバイスで SCSI ベースのストレージプールを作成できるようにしてある。詳細は、Creating vHBAs を参照してください。
手順
ストレージプールを作成します。
virsh pool-define-asコマンドで、vHBA を使用して SCSI ストレージプールを定義して作成します。たとえば、以下は、guest_images_vhbaという名前のストレージプールを作成します。このストレージプールは、親アダプター (scsi_host3)、ワールドワイドポート番号 (5001a4ace3ee047d)、ワールドワイドノード番号 (5001a4a93526d0a1) で識別される vHBA を使用します。ストレージプールは/dev/disk/ディレクトリーにマウントされます。virsh pool-define-as guest_images_vhba scsi --adapter-parent scsi_host3 --adapter-wwnn 5001a4a93526d0a1 --adapter-wwpn 5001a4ace3ee047d --target /dev/disk/ Pool guest_images_vhba defined
# virsh pool-define-as guest_images_vhba scsi --adapter-parent scsi_host3 --adapter-wwnn 5001a4a93526d0a1 --adapter-wwpn 5001a4ace3ee047d --target /dev/disk/ Pool guest_images_vhba definedCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 作成するストレージプールの XML 設定がすでにある場合は、XML を基にプールを定義することもできます。詳細は、Parameters for SCSI-based storage pools with vHBA devices を参照してください。
プールが作成されたことを確認します。
virsh pool-listコマンドを使用して、プールが作成されたことを確認します。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow ストレージプールを起動します。
virsh pool-startコマンドを使用して、ストレージプールをマウントします。virsh pool-start guest_images_vhba Pool guest_images_vhba started
# virsh pool-start guest_images_vhba Pool guest_images_vhba startedCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 注記virsh pool-startコマンドは、永続ストレージプールにのみ必要です。一時的なストレージプールは、作成時に自動的に起動します。オプション: 自動起動をオンにします。
デフォルトでは、
virshコマンドで定義されたストレージプールは、仮想化サービスが起動するたびに自動的に起動するようには設定されていません。virsh pool-autostartコマンドを使用して、ストレージプールが自動的に起動するように設定します。virsh pool-autostart guest_images_vhba Pool guest_images_vhba marked as autostarted
# virsh pool-autostart guest_images_vhba Pool guest_images_vhba marked as autostartedCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
検証
virsh pool-infoコマンドを使用して、ストレージプールがrunning状態であることを確認します。報告されるサイズが期待どおりであるか、また、自動開始が正しく設定されているかを確認してください。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
12.2.10. CLI を使用したストレージプールの削除 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
ホストシステムからストレージプールを削除するには、プールを停止して、その XML 定義を削除する必要があります。
手順
virsh pool-listコマンドを使用して、定義済みストレージプールをリスト表示します。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow virsh pool-destroyコマンドを使用して、削除するストレージプールを停止します。virsh pool-destroy Downloads Pool Downloads destroyed
# virsh pool-destroy Downloads Pool Downloads destroyedCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow オプション: ストレージプールの種類によっては、
virsh pool-deleteコマンドを使用して、ストレージプールが存在するディレクトリーを削除できます。これを実行するには、ディレクトリーが空である必要があります。virsh pool-delete Downloads Pool Downloads deleted
# virsh pool-delete Downloads Pool Downloads deletedCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow virsh pool-undefineコマンドを使用して、ストレージプールの定義を削除します。virsh pool-undefine Downloads Pool Downloads has been undefined
# virsh pool-undefine Downloads Pool Downloads has been undefinedCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
検証
ストレージプールが削除されたことを確認します。
virsh pool-list --all Name State Autostart ------------------------------------------- default active yes rhel-Storage-Pool active yes
# virsh pool-list --all Name State Autostart ------------------------------------------- default active yes rhel-Storage-Pool active yesCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
12.3. Web コンソールを使用した仮想マシンストレージプールの管理 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
RHEL Web コンソールを使用すると、ストレージプールを管理して、仮想マシンにストレージを割り当てることができます。
Web コンソールを使用して以下を行うことができます。
- ストレージプール情報の表示。
ストレージプールの作成:
- ストレージプールの削除
- ストレージプールの非アクティブ化
12.3.1. Web コンソールを使用したストレージプール情報の表示 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
Web コンソールを使用して、システムで利用可能なストレージプールの詳細情報を表示できます。ストレージプールを使用すると、仮想マシンのディスクイメージを作成できます。
前提条件
- RHEL 8 Web コンソールがインストールされている。
- cockpit サービスが有効になっている。
ユーザーアカウントが Web コンソールにログインできる。
手順は、Web コンソールのインストールおよび有効化 を参照してください。
- Web コンソールの仮想マシンプラグインが システムにインストールされている。
手順
RHEL 8 Web コンソールにログインします。
詳細は、Web コンソールへのログイン を参照してください。
インターフェイスで をクリックします。
Storage pools 画面が表示され、設定されているストレージプールの一覧が示されます。
この情報には以下が含まれます。
- 名前 - ストレージプールの名前
- サイズ - 現在の割り当てとストレージプールの合計容量。
- 接続 - ストレージプールのアクセスに使用される接続
- 状態 - ストレージプールのステータス
情報を表示するストレージプールの横にある矢印をクリックします。
行がデプロイメントされ、選択したストレージプールに関する詳細情報を含む概要ペインが表示されます。
この情報には以下が含まれます。
- ターゲットパス - ストレージプールの場所です。
- 永続的 - ストレージプールの設定が永続的であるかどうかを示します。
- 自動起動 - システムの起動時にストレージプールが自動的に起動するかどうかを示します。
- 種類 - ストレージプールの種類。
ストレージプールに関連付けられているストレージボリュームのリストを表示する場合は、 をクリックします。
ストレージボリュームペインが表示され、設定したストレージボリュームのリストが表示されます。
この情報には以下が含まれます。
- 名前 - ストレージボリュームの名前。
- 使用者 - 現在ストレージボリュームを使用している仮想マシン。
- サイズ - ボリュームのサイズ。
12.3.2. Web コンソールを使用したディレクトリーベースのストレージプールの作成 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
ディレクトリーベースのストレージプールは、マウントされている既存のファイルシステムのディレクトリーを基にしています。これは、たとえば、ファイルシステムの残りの領域を他の目的で使用する場合に役立ちます。
前提条件
- RHEL 8 Web コンソールがインストールされている。
- cockpit サービスが有効になっている。
ユーザーアカウントが Web コンソールにログインできる。
手順は、Web コンソールのインストールおよび有効化 を参照してください。
- Web コンソールの仮想マシンプラグインが システムにインストールされている。
手順
RHEL 8 Web コンソールにログインします。
詳細は、Web コンソールへのログイン を参照してください。
RHEL Web コンソールで、Virtual Machines タブの をクリックします。
Storage pools 画面が表示され、設定されているストレージプールのリストが示されます。
をクリックします。
Create storage pool ダイアログボックスが表示されます。
- ストレージプールの名前を入力します。
Type ドロップダウンメニューで、Filesystem directory を選択します。
注記ドロップダウンメニューに Filesystem directory オプションが表示されない場合、ハイパーバイザーはディレクトリーベースのストレージプールをサポートしていません。
以下の情報を入力します。
- ターゲットパス - ストレージプールの場所です。
- 起動 - ホストの起動時にストレージプールが起動するかどうか
をクリックします。
ストレージプールが作成され、Create Storage Pool ダイアログが閉じて、新しいストレージプールがストレージプールのリストに表示されます。
12.3.3. Web コンソールを使用した NFS ベースのストレージプールの作成 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
NFS ベースのストレージプールは、サーバーでホストされているファイルシステムに基づいています。
前提条件
- RHEL 8 Web コンソールがインストールされている。
- cockpit サービスが有効になっている。
ユーザーアカウントが Web コンソールにログインできる。
手順は、Web コンソールのインストールおよび有効化 を参照してください。
- Web コンソールの仮想マシンプラグインが システムにインストールされている。
手順
RHEL 8 Web コンソールにログインします。
詳細は、Web コンソールへのログイン を参照してください。
RHEL Web コンソールで、Virtual Machines タブの をクリックします。
Storage pools 画面が表示され、設定されているストレージプールのリストが示されます。
をクリックします。
Create storage pool ダイアログボックスが表示されます。
- ストレージプールの名前を入力します。
Type ドロップダウンメニューで、Network file system を選択します。
注記ドロップダウンメニューに Network file system オプションが表示されない場合、ハイパーバイザーは nfs ベースのストレージプールをサポートしていません。
残りの情報を入力します。
- Target path - ターゲットを指定するパス。ストレージプールに使用されるパスになります。
- Host - マウントポイントがあるネットワークサーバーのホスト名。これは、ホスト名または IP アドレスになります。
- Source path - ネットワークサーバーで使用されるディレクトリー。
- 起動 - ホストの起動時にストレージプールが起動するかどうか
をクリックします。
ストレージプールが作成されます。Create storage pool ダイアログが閉じ、新しいストレージプールがストレージプールのリストに表示されます。
12.3.4. Web コンソールを使用した iSCSI ベースのストレージプールの作成 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
iSCSI ベースのストレージプールは、iSCSI (Internet Small Computer Systems Interface) をベースとする、データストレージ施設をリンクするための IP ベースのストレージネットワーク規格です。
前提条件
- RHEL 8 Web コンソールがインストールされている。
- cockpit サービスが有効になっている。
ユーザーアカウントが Web コンソールにログインできる。
手順は、Web コンソールのインストールおよび有効化 を参照してください。
- Web コンソールの仮想マシンプラグインが システムにインストールされている。
手順
RHEL 8 Web コンソールにログインします。
詳細は、Web コンソールへのログイン を参照してください。
RHEL Web コンソールで、Virtual Machines タブの をクリックします。
Storage pools 画面が表示され、設定されているストレージプールのリストが示されます。
をクリックします。
Create storage pool ダイアログボックスが表示されます。
- ストレージプールの名前を入力します。
Type ドロップダウンメニューで、iSCSI target を選択します。
残りの情報を入力します。
- Target Path - ターゲットを指定するパス。ストレージプールに使用されるパスになります。
- Host - ISCSI サーバーのホスト名または IP アドレス。
- Source path - iSCSI ターゲットの一意の iSCSI 修飾名 (IQN)。
- 起動 - ホストの起動時にストレージプールが起動するかどうか
をクリックします。
ストレージプールが作成されます。Create storage pool ダイアログが閉じ、新しいストレージプールがストレージプールのリストに表示されます。
12.3.5. Web コンソールを使用したディスクベースのストレージプールの作成 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
ディスクベースのストレージプールは、ディスクパーティション全体を使用します。
- 使用されている libvirt のバージョンに応じて、ディスクをストレージプール専用にすると、現在ディスクデバイスに格納されているすべてのデータが再フォーマットされて消去される可能性があります。ストレージプールを作成する前に、ストレージデバイスのデータのバックアップを作成することを強く推奨します。
ディスク全体またはブロックデバイスが仮想マシンに渡されると、仮想マシンはそれをパーティション分割するか、その上に独自の LVM グループを作成する可能性があります。これにより、ホストマシンがこのようなパーティションまたは LVM グループを検出し、エラーが発生する可能性があります。
これらのエラーは、パーティションまたは LVM グループを手動で作成して仮想マシンに渡す場合にも発生する可能性があります。
これらのエラーを回避するには、代わりにファイルベースのストレージプールを使用します。
前提条件
- RHEL 8 Web コンソールがインストールされている。
- cockpit サービスが有効になっている。
ユーザーアカウントが Web コンソールにログインできる。
手順は、Web コンソールのインストールおよび有効化 を参照してください。
- Web コンソールの仮想マシンプラグインが システムにインストールされている。
手順
RHEL 8 Web コンソールにログインします。
詳細は、Web コンソールへのログイン を参照してください。
RHEL Web コンソールで、Virtual Machines タブの をクリックします。
Storage pools 画面が表示され、設定されているストレージプールのリストが示されます。
をクリックします。
Create storage pool ダイアログボックスが表示されます。
- ストレージプールの名前を入力します。
Type ドロップダウンメニューで、Physical disk device を選択します。
注記ドロップダウンメニューに Physical disk device オプションが表示されない場合、ハイパーバイザーはディスクベースのストレージプールをサポートしていません。
残りの情報を入力します。
- Target Path - ターゲットデバイスを指定するパス。ストレージプールに使用されるパスになります。
-
Source path - ストレージデバイスを指定するパス。たとえば、
/dev/sdbです。 - Format - パーティションテーブルのタイプ。
- 起動 - ホストの起動時にストレージプールが起動するかどうか
をクリックします。
ストレージプールが作成されます。Create storage pool ダイアログが閉じ、新しいストレージプールがストレージプールのリストに表示されます。
12.3.6. Web コンソールを使用した LVM ベースのストレージプールの作成 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
LVM ベースのストレージプールはボリュームグループに基づいており、論理ボリュームマネージャー (LVM) を使用して管理できます。ボリュームグループは、単一のストレージ構造を作成する複数の物理ボリュームの組み合わせです。
LVM ベースのストレージプールを作成する前に、次の制限事項を考慮してください。
- LVM ベースのストレージプールは、LVM の柔軟性を完全には提供しません。
-
libvirtは、シン論理ボリュームに対応しますが、シンストレージプールの機能は提供しません。 -
LVM ベースのストレージプールには、完全なディスクパーティションが必要です。
virshコマンドを使用して新しいパーティションまたはデバイスをアクティブにすると、パーティションがフォーマットされ、すべてのデータが消去されます。この手順で説明しているように、ホストの既存のボリュームグループを使用している場合は、何も消去されません。 複数のデバイスを持つボリュームグループを作成する場合は、代わりに LVM ユーティリティーを使用します。詳細は、How to create a volume group in Linux with LVM を参照してください。
ボリュームグループの詳細は、論理ボリュームの設定および管理 を参照してください。
前提条件
- RHEL 8 Web コンソールがインストールされている。
- cockpit サービスが有効になっている。
ユーザーアカウントが Web コンソールにログインできる。
手順は、Web コンソールのインストールおよび有効化 を参照してください。
- Web コンソールの仮想マシンプラグインが システムにインストールされている。
手順
RHEL 8 Web コンソールにログインします。
詳細は、Web コンソールへのログイン を参照してください。
RHEL Web コンソールで、Virtual Machines タブの をクリックします。
Storage pools 画面が表示され、設定されているストレージプールのリストが示されます。
をクリックします。
Create storage pool ダイアログボックスが表示されます。
- ストレージプールの名前を入力します。
Type ドロップダウンメニューで、LVM volume group を選択します。
注記ドロップダウンメニューに LVM volume group オプションが表示されない場合、ハイパーバイザーは LVM ベースのストレージプールをサポートしていません。
残りの情報を入力します。
- Source volume grou - 使用する LVM ボリュームグループの名前。
- 起動 - ホストの起動時にストレージプールが起動するかどうか
をクリックします。
ストレージプールが作成されます。Create storage pool ダイアログが閉じ、新しいストレージプールがストレージプールのリストに表示されます。
12.3.7. Web コンソールで vHBA デバイスを使用して SCSI ベースのストレージプールを作成 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
SCSI ベースのストレージプールは、Small Computer System Interface (SCSI) デバイスに基づいています。この設定では、ホストは仮想ホストバスアダプター (vHBA) を使用して SCSI デバイスに接続できる必要があります。
前提条件
- RHEL 8 Web コンソールがインストールされている。
- cockpit サービスが有効になっている。
ユーザーアカウントが Web コンソールにログインできる。
手順は、Web コンソールのインストールおよび有効化 を参照してください。
- vHBA を作成します。詳細は、Creating vHBAs を参照してください。
- Web コンソールの仮想マシンプラグインが システムにインストールされている。
手順
RHEL 8 Web コンソールにログインします。
詳細は、Web コンソールへのログイン を参照してください。
RHEL Web コンソールで、Virtual Machines タブの をクリックします。
Storage pools 画面が表示され、設定されているストレージプールのリストが示されます。
をクリックします。
Create storage pool ダイアログボックスが表示されます。
- ストレージプールの名前を入力します。
Type ドロップダウンメニューで、iSCSI direct target を選択します。
注記ドロップダウンメニューに iSCSI direct target オプションが表示されない場合、ハイパーバイザーは SCSI ベースのストレージプールをサポートしていません。
残りの情報を入力します。
- Host - マウントポイントがあるネットワークサーバーのホスト名。これは、ホスト名または IP アドレスになります。
- Source path - iSCSI ターゲットの一意の iSCSI 修飾名 (IQN)。
- Initiator - iSCSI イニシエーターである vHBA の一意の iSCSI 修飾名 (IQN)。
- 起動 - ホストの起動時にストレージプールが起動するかどうか
をクリックします。
ストレージプールが作成されます。Create storage pool ダイアログが閉じ、新しいストレージプールがストレージプールのリストに表示されます。
12.3.8. Web コンソールを使用したストレージプールの削除 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
ストレージプールが不要になった場合、またはシステムパフォーマンスを向上させるためにホストまたはネットワーク上のリソースを解放する場合は、ストレージプールを削除できます。
明示的に指定されていない限り、ストレージプールを削除しても、そのプール内のストレージボリュームは同時に削除されません。
ストレージプールを削除するのではなく、一時的に非アクティブ化する場合は、Web コンソールを使用したストレージプールの非アクティブ化 を参照してください。
前提条件
- RHEL 8 Web コンソールがインストールされている。
- cockpit サービスが有効になっている。
ユーザーアカウントが Web コンソールにログインできる。
手順は、Web コンソールのインストールおよび有効化 を参照してください。
- Web コンソールの仮想マシンプラグインが システムにインストールされている。
- 仮想マシンから ディスクを切り離し ます。
- 関連するストレージボリュームをプールと共に削除する場合は、プールをアクティブ化します。
手順
Virtual Machines タブの をクリックします。
Storage Pools 画面が表示され、設定されているストレージプールのリストが示されます。
削除するストレージプールのメニューボタン をクリックし、 をクリックします。
確認ダイアログが表示されます。
- オプション: プール内のストレージボリュームを削除するには、ダイアログで対応するチェックボックスをオンにします。
をクリックします。
ストレージプールが削除されます。直前の手順でチェックボックスを選択した場合は、関連付けられたストレージボリュームも削除されます。
12.3.9. Web コンソールを使用したストレージプールの非アクティブ化 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
ストレージプールを永続的に削除しない場合は、代わりに一時的に無効にできます。
ストレージプールを無効にすると、そのプールに新しいボリュームを作成できません。ただし、そのプールにボリュームがある仮想マシンは、引き続き実行されます。これは、たとえば、システムパフォーマンスを向上させるためにプール内に作成できるボリュームの数を制限する場合に役立ちます。
RHEL Web コンソールを使用してストレージプールを無効にするには、以下の手順を参照してください。
前提条件
- RHEL 8 Web コンソールがインストールされている。
- cockpit サービスが有効になっている。
ユーザーアカウントが Web コンソールにログインできる。
手順は、Web コンソールのインストールおよび有効化 を参照してください。
- Web コンソールの仮想マシンプラグインが システムにインストールされている。
手順
RHEL 8 Web コンソールにログインします。
詳細は、Web コンソールへのログイン を参照してください。
仮想マシンタブの上部にある をクリックします。ストレージプール画面が表示され、設定されているストレージプールのリストが示されます。
ストレージプールの行で をクリックします。
ストレージプールは非アクティブになります。
12.4. ストレージプールを作成するパラメーター リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
必要なストレージプールのタイプに基づいて、その XML 設定ファイルを変更し、特定のタイプのストレージプールを定義できます。このセクションは、さまざまなタイプのストレージプールを作成するために必要な XML パラメーターと、例を説明します。
12.4.1. ディレクトリーベースのストレージプールのパラメーター リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
XML 設定ファイルを使用してディレクトリーベースのストレージプールを作成または変更する場合は、必要なパラメーターを指定する必要があります。これらのパラメーターの詳細は、以下の表を参照してください。
virsh pool-define を使用すると、指定したファイルの XML 設定を基にしてストレージプールを作成できます。以下に例を示します。
virsh pool-define ~/guest_images.xml Pool defined from guest_images_dir
# virsh pool-define ~/guest_images.xml
Pool defined from guest_images_dir
パラメーター
以下の表は、ディレクトリーベースのストレージプールの XML ファイルに必要なパラメーターのリストです。
| 説明 | XML |
|---|---|
| ストレージプールのタイプ |
<pool type='dir'>
|
| ストレージプールの名前 |
<name>name</name>
|
| ターゲットを指定するパス。ストレージプールに使用されるパスになります。 |
<target> <path>target_path</path> </target>
|
例
以下は、/guest_images ディレクトリーに基づいたストレージプールの XML ファイルの例です。
12.4.2. ディスクベースのストレージプールのパラメーター リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
XML 設定ファイルを使用してディスクベースのストレージプールを作成または変更する場合は、必要なパラメーターを指定する必要があります。これらのパラメーターの詳細は、以下の表を参照してください。
virsh pool-define を使用すると、指定したファイルの XML 設定を基にしてストレージプールを作成できます。以下に例を示します。
virsh pool-define ~/guest_images.xml Pool defined from guest_images_disk
# virsh pool-define ~/guest_images.xml
Pool defined from guest_images_disk
パラメーター
以下の表は、ディスクベースのストレージプールの XML ファイルに必要なパラメーターのリストです。
| 説明 | XML |
|---|---|
| ストレージプールのタイプ |
<pool type='disk'>
|
| ストレージプールの名前 |
<name>name</name>
|
|
ストレージデバイスを指定するパス。たとえば、 |
<source> <path>source_path</path> </source>
|
| ターゲットデバイスを指定するパス。ストレージプールに使用されるパスになります。 |
<target> <path>target_path</path> </target>
|
例
以下は、ディスクに基づいたストレージプールに対する XML ファイルの例です。
12.4.3. ファイルシステムベースのストレージプールパラメーター リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
XML 設定ファイルを使用してファイルシステムベースのストレージプールを作成または変更する場合は、必要なパラメーターを指定する必要があります。これらのパラメーターの詳細は、以下の表を参照してください。
virsh pool-define を使用すると、指定したファイルの XML 設定を基にしてストレージプールを作成できます。以下に例を示します。
virsh pool-define ~/guest_images.xml Pool defined from guest_images_fs
# virsh pool-define ~/guest_images.xml
Pool defined from guest_images_fs
パラメーター
次の表は、ファイルシステムベースのストレージプールの XML ファイルに必要なパラメーターのリストです。
| 説明 | XML |
|---|---|
| ストレージプールのタイプ |
<pool type='fs'>
|
| ストレージプールの名前 |
<name>name</name>
|
|
パーミッションを指定するパス。たとえば、 |
<source> <device path=device_path />
|
| ファイルシステムのタイプ (ext4 など)。 |
<format type=fs_type /> </source>
|
| ターゲットを指定するパス。ストレージプールに使用されるパスになります。 |
<target> <path>path-to-pool</path> </target>
|
例
以下は、/dev/sdc1 パーティションに基づいたストレージプールに対する XML ファイルの例です。
12.4.4. GlusterFS ベースのストレージプールパラメーター リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
XML 設定ファイルを使用して GlusterFS ベースのストレージプールを作成または変更する場合は、必要なパラメーターを指定する必要があります。これらのパラメーターの詳細は、以下の表を参照してください。
virsh pool-define を使用すると、指定したファイルの XML 設定を基にしてストレージプールを作成できます。以下に例を示します。
virsh pool-define ~/guest_images.xml Pool defined from guest_images_glusterfs
# virsh pool-define ~/guest_images.xml
Pool defined from guest_images_glusterfs
パラメーター
以下の表は、GlusterFS ベースのストレージプールの XML ファイルに必要なパラメーターのリストです。
| 説明 | XML |
|---|---|
| ストレージプールのタイプ |
<pool type='gluster'>
|
| ストレージプールの名前 |
<name>name</name>
|
| Gluster サーバーのホスト名または IP アドレス |
<source> <name=gluster-name />
|
| ストレージプールに使用される Gluster サーバーのパス。 |
<dir path=gluster-path /> </source>
|
例
以下は、111.222.111.222 の Gluster ファイルシステムに基づいたストレージプールに対する XML ファイルの例です。
12.4.5. iSCSI ベースのストレージプールパラメーター リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
XML 設定ファイルを使用して iSCSI ベースのストレージプールを作成または変更する場合は、必要なパラメーターを指定する必要があります。これらのパラメーターの詳細は、以下の表を参照してください。
virsh pool-define を使用すると、指定したファイルの XML 設定を基にしてストレージプールを作成できます。以下に例を示します。
virsh pool-define ~/guest_images.xml Pool defined from guest_images_iscsi
# virsh pool-define ~/guest_images.xml
Pool defined from guest_images_iscsi
パラメーター
以下の表は、iSCSI ベースのストレージプールの XML ファイルに必要なパラメーターのリストです。
| 説明 | XML |
|---|---|
| ストレージプールのタイプ |
<pool type='iscsi'>
|
| ストレージプールの名前 |
<name>name</name>
|
| ホストの名前 |
<source> <host name=hostname />
|
| iSCSI IQN |
<device path=iSCSI_IQN /> </source>
|
| ターゲットを指定するパス。ストレージプールに使用されるパスになります。 |
<target> <path>/dev/disk/by-path</path> </target>
|
| [オプション] iSCSI イニシエーターの IQN。これは、ACL が LUN を特定のイニシエーターに制限する場合に限り必要です。 |
<initiator> <iqn name='initiator0' /> </initiator>
|
iSCSI イニシエーターの IQN は、virsh find-storage-pool-sources-as iscsi コマンドを使用して指定できます。
例
以下は、指定した iSCSI に基づいたストレージプールに対する XML ファイルの例です。
12.4.6. LVM ベースのストレージプールパラメーター リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
XML 設定ファイルを使用して LVM ベースのストレージプールを作成または変更する場合は、必要なパラメーターを指定する必要があります。これらのパラメーターの詳細は、以下の表を参照してください。
virsh pool-define を使用すると、指定したファイルの XML 設定を基にしてストレージプールを作成できます。以下に例を示します。
virsh pool-define ~/guest_images.xml Pool defined from guest_images_logical
# virsh pool-define ~/guest_images.xml
Pool defined from guest_images_logical
パラメーター
以下の表は、LVM ベースのストレージプールの XML ファイルに必要なパラメーターのリストです。
| 説明 | XML |
|---|---|
| ストレージプールのタイプ |
<pool type='logical'>
|
| ストレージプールの名前 |
<name>name</name>
|
| ストレージプールのデバイスのパス |
<source> <device path='device_path' />
|
| ボリュームグループの名前 |
<name>VG-name</name>
|
| 仮想グループの形式 |
<format type='lvm2' /> </source>
|
| ターゲットパス |
<target> <path=target_path /> </target>
|
論理ボリュームグループが複数のディスクパーティションで構成されている場合は、複数のソースデバイスがリストされることがあります。以下に例を示します。
例
以下は、指定した LVM に基づいたストレージプールに対する XML ファイルの例です。
12.4.7. NFS ベースのストレージプールパラメーター リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
XML 設定ファイルを使用して NFS ベースのストレージプールを作成または変更する場合は、必要なパラメーターを指定する必要があります。これらのパラメーターの詳細は、以下の表を参照してください。
virsh pool-define を使用すると、指定したファイルの XML 設定を基にしてストレージプールを作成できます。以下に例を示します。
virsh pool-define ~/guest_images.xml Pool defined from guest_images_netfs
# virsh pool-define ~/guest_images.xml
Pool defined from guest_images_netfs
パラメーター
以下の表は、NFS ベースのストレージプールの XML ファイルに必要なパラメーターのリストです。
| 説明 | XML |
|---|---|
| ストレージプールのタイプ |
<pool type='netfs'>
|
| ストレージプールの名前 |
<name>name</name>
|
| マウントポイントがあるネットワークサーバーのホスト名。これは、ホスト名または IP アドレスになります。 |
<source> <host name=hostname />
|
| ストレージプールの形式 | 次のいずれかになります。 <format type='nfs' />
<format type='glusterfs' />
<format type='cifs' />
|
| ネットワークサーバーで使用されるディレクトリー |
<dir path=source_path /> </source>
|
| ターゲットを指定するパス。ストレージプールに使用されるパスになります。 |
<target> <path>target_path</path> </target>
|
例
以下は、NFS サーバー file_server の /home/net_mount ディレクトリーでのストレージプールの XML ファイルの例です。
12.4.8. vHBA デバイスを使用した SCSI ベースのストレージプールのパラメーター リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
仮想ホストアダプターバス (vHBA) デバイスを使用する SCSi ベースのストレージプール用の XML 設定ファイルを作成または変更する場合は、XML 設定ファイルに必要な特定のパラメーターを含める必要があります。必要なパラメーターの詳細は、以下の表を参照してください。
virsh pool-define を使用すると、指定したファイルの XML 設定を基にしてストレージプールを作成できます。以下に例を示します。
virsh pool-define ~/guest_images.xml Pool defined from guest_images_vhba
# virsh pool-define ~/guest_images.xml
Pool defined from guest_images_vhba
パラメーター
次の表は、vHBA を使用した SCSI ベースのストレージプールの XML ファイルに必要なパラメーターのリストを示しています。
| 説明 | XML |
|---|---|
| ストレージプールのタイプ |
<pool type='scsi'>
|
| ストレージプールの名前 |
<name>name</name>
|
|
vHBA の識別子。 |
|
| ターゲットパス。ストレージプールに使用されるパスになります。 |
<target> <path=target_path /> </target>
|
<path> フィールドが /dev/ の場合、libvirt は、ボリュームデバイスパスで一意の短いデバイスパスを生成します。たとえば、/dev/sdc です。それ以外の場合は、物理ホストパスが使用されます。たとえば、/dev/disk/by-path/pci-0000:10:00.0-fc-0x5006016044602198-lun-0 などです。一意の短いデバイスパスを使用すると、複数のストレージプールで、同じボリュームを複数の仮想マシン (VM) にリスト表示できます。物理ホストのパスを複数の仮想マシンで使用すると、デバイスタイプが重複していることを示す警告が発生することがあります。
parent 属性は、パスを変更して NPIV LUN の使用元となる物理 HBA の親を識別する <adapter> フィールドで使用できます。scsi_hostN フィールドは、vports 属性および max_vports 属性と合わせて、親 ID を作成します。parent、parent_wwnn、parent_wwpn、または parent_fabric_wwn の属性は、ホストの再起動後に同じ HBA が使用されることを保証するさまざまなレベルを提供します。
-
親を指定しないと、libvirtは、NPIV に対応する最初のscsi_hostNアダプターを使用します。 -
親のみを指定し、設定に SCSI ホストアダプターを追加すると、問題が発生する可能性があります。 -
parent_wwnnまたはparent_wwpnを指定すると、ホストの再起動後に同じ HBA が使用されます。 -
ホストの再起動後、
parent_fabric_wwnを使用すると、scsi_hostNが使用されたかどうかにかかわらず、同じファブリックの HBA が選択されます。
例
以下は、vHBA を使用する SCSI ベースのストレージプールの XML ファイルの例です。
HBA にある唯一のストレージプール
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow parent属性を使用して SCSI ホストデバイスを識別し、vHBA を 1 つ使用する複数のストレージプールの 1 つ。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
12.5. CLI を使用した仮想マシンのストレージボリュームの管理 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
CLI を使用して、ストレージプボリュームの次の側面を管理し、仮想マシン (VM) にストレージを割り当てることができます。
12.5.1. CLI を使用したストレージボリューム情報の表示 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
コマンドラインを使用して、ホストで利用可能なすべてのストレージプールのリストと、指定したストレージプールの詳細を表示できます。
手順
virsh vol-listコマンドを使用して、指定したストレージプールにあるストレージボリュームをリスト表示します。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow virsh vol-infoコマンドを使用して、指定したストレージプール内のストレージボリュームをリスト表示します。virsh vol-info --pool RHEL-Storage-Pool --vol RHEL_Volume.qcow2 Name: RHEL_Volume.qcow2 Type: file Capacity: 60.00 GiB Allocation: 13.93 GiB
# virsh vol-info --pool RHEL-Storage-Pool --vol RHEL_Volume.qcow2 Name: RHEL_Volume.qcow2 Type: file Capacity: 60.00 GiB Allocation: 13.93 GiBCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
12.5.2. CLI を使用したストレージボリュームの作成と割り当て リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
ディスクイメージを取得して、仮想ディスクとして仮想マシンに割り当てるには、ストレージボリュームを作成し、その XML 設定を仮想マシンに割り当てます。
前提条件
空き領域が割り当てられていないストレージプールがホストに存在する。
ホストのストレージプールをリスト表示して確認します。
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow - 既存のストレージプールがない場合は、作成します。詳細は、仮想マシンのストレージの管理 を参照してください。
手順
virsh vol-create-asコマンドを使用してストレージボリュームを作成します。たとえば、guest-images-fsストレージプールをもとに 20 GB qcow2 ボリュームを作成するには以下を実行します。virsh vol-create-as --pool guest-images-fs --name vm-disk1 --capacity 20 --format qcow2
# virsh vol-create-as --pool guest-images-fs --name vm-disk1 --capacity 20 --format qcow2Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 重要: ストレージプールタイプによっては、
virsh vol-create-asコマンドがサポートされないため、代わりにストレージボリューム作成の特定のプロセスが必要になります。-
GlusterFS ベース -
qemu-imgコマンドを使用して、ストレージボリュームを作成します。 - iSCSI ベース - iSCSI サーバーに事前に iSCSI LUN を準備します。
-
マルチパスベース -
multipathdコマンドを使用して、マルチパスを準備または管理します。 - vHBA ベース - ファイバーチャンネルカードを事前に準備します。
-
GlusterFS ベース -
XML ファイルを作成し、そのファイルに以下の行を追加します。このファイルは、ストレージボリュームをディスクとして仮想マシンに追加するために使用します。
<disk type='volume' device='disk'> <driver name='qemu' type='qcow2'/> <source pool='guest-images-fs' volume='vm-disk1'/> <target dev='hdk' bus='ide'/> </disk><disk type='volume' device='disk'> <driver name='qemu' type='qcow2'/> <source pool='guest-images-fs' volume='vm-disk1'/> <target dev='hdk' bus='ide'/> </disk>Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow この例では、前の手順で作成した
vm-disk1ボリュームを使用する仮想ディスクを指定し、このボリュームをideバスにhdkディスクとして指定するように設定します。実際の環境に応じてそれぞれのパラメーターを変更します。重要: 特定のストレージプールタイプでは、別の XML 形式を使用してストレージボリュームディスクを記述する必要があります。
GlusterFS ベース のプールの場合:
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow マルチパスベース のプールの場合:
<disk type='block' device='disk'> <driver name='qemu' type='raw'/> <source dev='/dev/mapper/mpatha' /> <target dev='sda' bus='scsi'/> </disk>
<disk type='block' device='disk'> <driver name='qemu' type='raw'/> <source dev='/dev/mapper/mpatha' /> <target dev='sda' bus='scsi'/> </disk>Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow RBD ベースのストレージ プールの場合:
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
XML ファイルを使用して、ストレージボリュームをディスクとして仮想マシンに割り当てます。たとえば、
~/vm-disk1.xmlで定義されたディスクをtestguest1仮想マシンに割り当てるには、次のコマンドを使用します。virsh attach-device --config testguest1 ~/vm-disk1.xml
# virsh attach-device --config testguest1 ~/vm-disk1.xmlCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
検証
- 仮想マシンのゲストオペレーティングシステムで、ディスクイメージが未フォーマットかつ未割り当てのディスクとして利用できるようになっていることを確認します。
12.5.3. CLI を使用したストレージボリュームの削除 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
ホストシステムからストレージボリュームを削除するには、プールを停止して、その XML 定義を削除する必要があります。
前提条件
- 削除するストレージボリュームを使用する仮想マシンがすべてシャットダウンしている。
手順
virsh vol-listコマンドを使用して、指定したストレージプールにあるストレージボリュームをリスト表示します。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow オプション:
virsh vol-wipeコマンドを使用してストレージボリュームをワイプします。たとえば、ストレージプールRHEL-SPに関連付けられているvm-disk1という名前のストレージボリュームを削除する場合は、次のコマンドを実行します。virsh vol-wipe --pool RHEL-SP vm-disk1 Vol vm-disk1 wiped
# virsh vol-wipe --pool RHEL-SP vm-disk1 Vol vm-disk1 wipedCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow virsh vol-deleteコマンドを使用して、ストレージボリュームを削除します。たとえば、ストレージプールRHEL-SPに関連付けられているvm-disk1という名前のストレージボリュームを削除する場合は、次のコマンドを実行します。virsh vol-delete --pool RHEL-SP vm-disk1 Vol vm-disk1 deleted
# virsh vol-delete --pool RHEL-SP vm-disk1 Vol vm-disk1 deletedCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
検証
virsh vol-listを再度実行して、ストレージボリュームが削除されたことを確認します。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
12.6. CLI を使用した仮想ディスクイメージの管理 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
仮想ディスクイメージは、仮想ストレージボリューム の一種であり、ハードドライブが物理マシンにストレージを提供するのと同様に、仮想マシンにストレージを提供します。
新しい仮想マシンを作成する 場合、特に指定しない限り、libvirt は新しいディスクイメージを自動的に作成します。ただし、ユースケースによっては、仮想マシンとは別にディスクイメージを作成して管理することが必要になる場合があります。
12.6.1. qemu-img を使用した仮想ディスクイメージの作成 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
新しい仮想マシンとは別に新しい仮想ディスクイメージを作成する必要があり、ストレージボリュームの作成 が実行できない場合は、qemu-img コマンドラインユーティリティーを使用できます。
手順
qemu-imgユーティリティーを使用して仮想ディスクイメージを作成します。qemu-img create -f <format> <image-name> <size>
# qemu-img create -f <format> <image-name> <size>Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow たとえば、次のコマンドは、test-image という名前の、30 ギガバイトの qcow2 ディスクイメージを作成します。
qemu-img create -f qcow2 test-image 30G Formatting 'test-img', fmt=qcow2 cluster_size=65536 extended_l2=off compression_type=zlib size=32212254720 lazy_refcounts=off refcount_bits=16
# qemu-img create -f qcow2 test-image 30G Formatting 'test-img', fmt=qcow2 cluster_size=65536 extended_l2=off compression_type=zlib size=32212254720 lazy_refcounts=off refcount_bits=16Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
検証
作成したイメージに関する情報を表示し、必要なサイズであること、および破損が報告されないことを確認します。
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
12.6.2. 仮想ディスクイメージの整合性のチェック リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
ディスクイメージを仮想マシンにアタッチする前に、ディスクイメージに破損や著しい断片化などの問題がないことを確認します。確認には、qemu-img check コマンドを使用します。
必要に応じて、このコマンドを使用してディスクイメージの修復を試みることもできます。
前提条件
- ディスクイメージを使用する仮想マシンがすべてシャットダウンしている。
手順
テストするイメージに対して
qemu-img checkコマンドを使用します。以下に例を示します。qemu-img check <test-name.qcow2> No errors were found on the image. 327434/327680 = 99.92% allocated, 0.00% fragmented, 0.00% compressed clusters Image end offset: 21478375424
# qemu-img check <test-name.qcow2> No errors were found on the image. 327434/327680 = 99.92% allocated, 0.00% fragmented, 0.00% compressed clusters Image end offset: 21478375424Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow チェックでディスクイメージに問題が見つかった場合、コマンドの出力は次のようになります。
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 検出された問題の修復を試みるために、
-r allオプションを指定したqemu-img checkコマンドを使用します。ただし、問題の一部しか解決されない可能性があることに注意してください。警告ディスクイメージを修復すると、データの破損やその他の問題が発生する可能性があります。修復を試みる前に、ディスクイメージをバックアップしてください。
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow この出力は、修復後にディスクイメージで見つかった問題の数を示しています。
-
さらにディスクイメージの修復が必要な場合は、
guestfishシェル のさまざまなlibguestfsツールを使用できます。
12.6.3. 仮想ディスクイメージのサイズ変更 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
既存のディスクイメージに追加の領域が必要な場合は、qemu-img resize ユーティリティーを使用して、ユースケースに合わせてイメージのサイズを変更できます。
前提条件
- ディスクイメージのバックアップを作成済みである。
ディスクイメージを使用する仮想マシンがすべてシャットダウンしている。
警告実行中の仮想マシンのディスクイメージのサイズを変更すると、データの破損やその他の問題が発生する可能性があります。
- ホストのハードディスクに、意図したディスクイメージサイズに対して十分な空き領域がある。
- オプション: ディスクイメージにデータの破損や同様の問題がないことを確認済みである。手順は、仮想ディスクイメージの整合性のチェック を参照してください。
手順
サイズを変更する仮想マシンのディスクイメージファイルの場所を判別します。以下に例を示します。
virsh domblklist <vm-name> Target Source ---------------------------------------------------------- vda /home/username/disk-images/example-image.qcow2
# virsh domblklist <vm-name> Target Source ---------------------------------------------------------- vda /home/username/disk-images/example-image.qcow2Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow オプション: 現在のディスクイメージをバックアップします。
cp <example-image.qcow2> <example-image-backup.qcow2>
# cp <example-image.qcow2> <example-image-backup.qcow2>Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow qemu-img resizeユーティリティーを使用して、イメージのサイズを変更します。たとえば、<example-image.qcow2> のサイズを 10 GB 増やすには、次のようにします。
qemu-img resize <example-image.qcow2> +10G
# qemu-img resize <example-image.qcow2> +10GCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow - ディスクイメージ内のファイルシステム、パーティション、または物理ボリュームのサイズを変更して、使用する領域を追加します。RHEL ゲストオペレーティングシステムでこれを行うには、ストレージデバイスの管理 および ファイルシステムの管理 の手順を使用します。
検証
サイズを変更したイメージに関する情報を表示し、意図したサイズになっているかを確認します。
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow - サイズを変更したディスクイメージに潜在的なエラーがないか確認します。手順は、仮想ディスクイメージの整合性のチェック を参照してください。
12.6.4. 仮想ディスクイメージの形式の変換 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
qemu-img convert コマンドを使用して、仮想ディスクイメージを別の形式に変換できます。たとえば、別のハイパーバイザーで実行している仮想マシンにディスクイメージをアタッチする場合、仮想ディスクイメージの形式の変換が必要になることがあります。
前提条件
- ディスクイメージを使用する仮想マシンがすべてシャットダウンしている。
- QEMU による変換を行うには、ソースディスクイメージ形式がサポートされている必要があります。詳細なリストは、サポートされているディスクイメージ形式 を参照してください。
手順
qemu-img convertコマンドを使用して、既存の仮想ディスクイメージを別の形式に変換します。たとえば、raw ディスクイメージを QCOW2 ディスクイメージに変換するには、次のようにします。qemu-img convert -f raw <original-image.img> -O qcow2 <converted-image.qcow2>
# qemu-img convert -f raw <original-image.img> -O qcow2 <converted-image.qcow2>Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
検証
変換したイメージに関する情報を表示し、意図した形式とサイズであるかどうかを確認します。
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow - ディスクイメージに潜在的なエラーがないか確認します。手順は、仮想ディスクイメージの整合性のチェック を参照してください。
12.6.5. サポートされているディスクイメージ形式 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
RHEL で仮想マシン (VM) を実行するには、サポートされている形式のディスクイメージを使用する必要があります。サポートされていない特定のディスクイメージをサポートされている形式に変換することもできます。
仮想マシンでサポートされているディスクイメージ形式
RHEL で仮想マシンを実行するには、次の形式のディスクイメージを使用できます。
- qcow2 - 圧縮などの追加機能を提供します。
- raw - より良いパフォーマンスが得られる可能性があります。
- luks - Linux Unified Key Setup (LUKS) 仕様を使用して暗号化されたディスクイメージ。
変換でサポートされているディスクイメージ形式
-
必要に応じて、
qemu-img convertコマンドを使用して、ディスクイメージをraw形式とqcow2形式間で変換できます。 -
vmdk ディスクイメージを
rawまたはqcow2形式に変換する必要がある場合は、virt-v2vユーティリティーを使用 して、ディスクを使用する仮想マシンを KVM に変換します。 他のディスクイメージ形式を
rawまたはqcow2に変換するには、qemu-img convertコマンド を使用できます。このコマンドで使用できる形式のリストは、QEMU のドキュメント を参照してください。ほとんどの場合、非 KVM 仮想マシンのディスクイメージ形式を
qcow2またはrawに変換するだけでは、仮想マシンを RHEL KVM 上で正しく実行するのに十分ではないことに注意してください。ディスクイメージを変換するだけでなく、対応するドライバーを仮想マシンのゲストオペレーティングシステムにインストールして設定する必要があります。サポートされているハイパーバイザー変換には、virt-v2vユーティリティーを使用します。
12.7. Web コンソールを使用した仮想マシンのストレージボリュームの管理 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
RHEL を使用すると、仮想マシンにストレージを割り当てるために使用されるストレージボリュームを管理できます。
RHEL Web コンソールを使用して以下を実行できます。
12.7.1. Web コンソールを使用したストレージボリュームの作成 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
機能している仮想マシンを作成するには、仮想マシンイメージと仮想マシン関連のデータを保存できるローカルストレージデバイスが仮想マシンに割り当てられている必要があります。ストレージプールにストレージボリュームを作成し、ストレージディスクとして仮想マシンに割り当てることができます。
Web コンソールを使用してストレージボリュームを作成するには、以下の手順を参照してください。
前提条件
- RHEL 8 Web コンソールがインストールされている。
- cockpit サービスが有効になっている。
ユーザーアカウントが Web コンソールにログインできる。
手順は、Web コンソールのインストールおよび有効化 を参照してください。
- Web コンソールの仮想マシンプラグインが システムにインストールされている。
手順
RHEL 8 Web コンソールにログインします。
詳細は、Web コンソールへのログイン を参照してください。
仮想マシンタブの上部にある をクリックします。ストレージプール画面が表示され、設定されているストレージプールのリストが示されます。
画面で、ストレージボリュームを作成するストレージプールをクリックします。
行がデプロイメントされ、選択したストレージプールに関する基本情報を含む概要ペインが表示されます。
拡張された行の概要タブの横にある をクリックします。
ストレージボリュームタブが表示され、既存のストレージボリュームが存在する場合は、そのボリュームに関する基本的な情報が表示されます。
をクリックします。
Create storage volume ダイアログが表示されます。
ストレージボリュームの作成ダイアログに、次の情報を入力します。
- 名前 - ストレージボリュームの名前。
- サイズ - ストレージボリュームのサイズ (MiB または GiB)。
-
フォーマット - ストレージボリュームの形式。サポートされているタイプは
qcow2およびrawです。
をクリックします。
ストレージボリュームが作成されると、ストレージボリュームの作成ダイアログが終了し、ストレージボリュームのリストに新しいストレージボリュームが表示されます。
12.7.2. Web コンソールを使用したストレージボリュームの削除 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
ストレージプールの領域を解放するためにストレージボリュームを削除したり、仮想マシンが切断された場合に関連付けられたストレージ項目を削除したりできます。
RHEL Web コンソールを使用してストレージボリュームを削除するには、以下の手順を参照してください。
前提条件
- RHEL 8 Web コンソールがインストールされている。
- cockpit サービスが有効になっている。
ユーザーアカウントが Web コンソールにログインできる。
手順は、Web コンソールのインストールおよび有効化 を参照してください。
- Web コンソールの仮想マシンプラグインが システムにインストールされている。
- 削除するストレージボリュームを使用する仮想マシンがすべてシャットダウンしている。
手順
仮想マシンタブの上部にある をクリックします。ストレージプール画面が表示され、設定されているストレージプールのリストが示されます。
画面で、ストレージボリュームを削除するストレージプールをクリックします。
行がデプロイメントされ、選択したストレージプールに関する基本情報を含む概要ペインが表示されます。
拡張された行の概要タブの横にある をクリックします。
ストレージボリュームタブが表示され、既存のストレージボリュームが存在する場合は、そのボリュームに関する基本的な情報が表示されます。
削除するストレージボリュームを選択します。
- をクリックします。
12.8. Web コンソールを使用した仮想マシンストレージディスクの管理 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
RHEL を使用すると、仮想マシンに接続されているストレージディスクを管理できます。
RHEL Web コンソールを使用して以下を実行できます。
12.8.1. Web コンソールで仮想マシンのディスク情報の表示 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
Web コンソールを使用して、選択した仮想マシンに割り当てられたディスクの詳細情報を表示できます。
前提条件
- RHEL 8 Web コンソールがインストールされている。
- cockpit サービスが有効になっている。
ユーザーアカウントが Web コンソールにログインできる。
手順は、Web コンソールのインストールおよび有効化 を参照してください。
- Web コンソールの仮想マシンプラグインが システムにインストールされている。
手順
RHEL 8 Web コンソールにログインします。
詳細は、Web コンソールへのログイン を参照してください。
情報を表示する仮想マシンをクリックします。
新しいページが開き、選択した仮想マシンに関する基本情報を含む Overview セクションと、仮想マシンのグラフィカルインターフェイスにアクセスするための Console セクションが表示されます。
までスクロールします。
ディスクセクションには、仮想マシンに割り当てられたディスクに関する情報と、ディスクの Add、または Edit のオプションが表示されます。
この情報には以下が含まれます。
- デバイス - ディスクのデバイスの種類。
- 使用済み - 現在割り当てられているディスク容量。
- 容量 - ストレージボリュームの最大サイズ。
- バス - エミュレートされるディスクデバイスの種類。
-
アクセス - ディスクが書き込み可能 かどうか、読み取り専用 であるか。
rawディスクの場合は、書き込み可能および共有 へのアクセスを設定することもできます。 - ソース - ディスクデバイスまたはファイル
12.8.2. Web コンソールを使用した仮想マシンへの新しいディスクの追加 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
新しいディスクを仮想マシンに追加するには、RHEL 9 Web コンソールを使用して、新しいストレージボリュームを作成し、仮想マシンに割り当てます。
前提条件
- RHEL 8 Web コンソールがインストールされている。
- cockpit サービスが有効になっている。
ユーザーアカウントが Web コンソールにログインできる。
手順は、Web コンソールのインストールおよび有効化 を参照してください。
- Web コンソールの仮想マシンプラグインが システムにインストールされている。
手順
RHEL 8 Web コンソールにログインします。
詳細は、Web コンソールへのログイン を参照してください。
インターフェイスで、新しいディスクを作成して割り当てる仮想マシンを選択します。
新しいページが開き、選択した仮想マシンに関する基本情報を含む Overview セクションと、仮想マシンのグラフィカルインターフェイスにアクセスするための Console セクションが表示されます。
までスクロールします。
ディスクセクションには、仮想マシンに割り当てられたディスクに関する情報と、ディスクの Add、または Edit のオプションが表示されます。
をクリックします。
ディスクの追加ダイアログが表示されます。
- 新規作成 オプションを選択します。
新しいディスクを設定します。
- プール - 仮想ディスクの作成元であるストレージプールを選択します。
- 名前 - 作成する仮想ディスクの名前を入力します。
- サイズ - 作成する仮想ディスクのサイズを入力し、単位 (MiB または GiB) を選択します。
-
フォーマット - 作成する仮想ディスクの形式を選択します。サポートされているタイプは
qcow2およびrawです。 永続 - 選択すると、仮想ディスクが永続化されます。選択しないと、仮想ディスクは一時的になります。
注記一時的なデバイスは、稼働中の仮想マシンにのみ追加できます。
追加オプション - 仮想ディスクの追加設定を指定します。
- キャッシュ - キャッシュメカニズムを選択します。
- バス - エミュレートするディスクデバイスの種類を選択します。
- ディスク識別子 - マルチパスストレージの設定に使用できる、接続されているディスクの識別子を設定します。識別子は、特定のディスクシリアル番号にライセンスされた独自のソフトウェアを使用する場合にも役立ちます。
をクリックします。
仮想ディスクが作成され、仮想マシンに接続します。
12.8.3. Web コンソールで既存ディスクを仮想マシンに割り当てる手順 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
Web コンソールを使用して、既存のストレージボリュームをディスクとして仮想マシンに割り当てることができます。
前提条件
- RHEL 8 Web コンソールがインストールされている。
- cockpit サービスが有効になっている。
ユーザーアカウントが Web コンソールにログインできる。
手順は、Web コンソールのインストールおよび有効化 を参照してください。
- Web コンソールの仮想マシンプラグインが システムにインストールされている。
手順
RHEL 8 Web コンソールにログインします。
詳細は、Web コンソールへのログイン を参照してください。
インターフェイスで、新しいディスクを作成して割り当てる仮想マシンを選択します。
新しいページが開き、選択した仮想マシンに関する基本情報を含む Overview セクションと、仮想マシンのグラフィカルインターフェイスにアクセスするための Console セクションが表示されます。
までスクロールします。
ディスクセクションには、仮想マシンに割り当てられたディスクに関する情報と、ディスクの Add、または Edit のオプションが表示されます。
をクリックします。
ディスクの追加ダイアログが表示されます。
既存の使用 ラジオボタンをクリックします。
ディスクの追加ダイアログに、適切な設定フィールドが表示されます。
仮想マシンのディスクを設定します。
- プール - 仮想ディスクを割り当てるストレージプールを選択します。
- ボリューム - 割り当てるストレージボリュームを選択します。
- 永続性: 仮想マシンの実行中に利用できます。常に接続 チェックボックスを選択して、仮想ディスクを永続化します。仮想ディスクを一時的にするには、チェックボックスをオフにします。
追加オプション - 仮想ディスクの追加設定を指定します。
- キャッシュ - キャッシュメカニズムを選択します。
- バス - エミュレートするディスクデバイスの種類を選択します。
- ディスク識別子 - マルチパスストレージの設定に使用できる、接続されているディスクの識別子を設定します。識別子は、特定のディスクシリアル番号にライセンスされた独自のソフトウェアを使用する場合にも役立ちます。
をクリックします。
選択した仮想ディスクが仮想マシンに割り当てられます。
12.8.4. Web コンソールを使用した仮想マシンからのディスクの割り当て解除 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
Web コンソールを使用して、仮想マシンからディスクの割り当てを解除できます。
前提条件
- Web コンソールの仮想マシンプラグインが システムにインストールされている。
手順
インターフェイスで、ディスクの割り当てを解除する仮想マシンを選択します。
新しいページが開き、選択した仮想マシンに関する基本情報を含む Overview セクションと、仮想マシンのグラフィカルインターフェイスにアクセスするための Console セクションが表示されます。
までスクロールします。
ディスクセクションには、仮想マシンに割り当てられたディスクに関する情報と、ディスクの Add、または Edit のオプションが表示されます。
- 切り離すディスクの行の右側にあるメニューボタン をクリックします。
表示されるドロップダウンメニューで、 ボタンをクリックします。
Remove disk from VM?確認ダイアログボックスが表示されます。確認ダイアログボックスで、 をクリックします。オプションで、ディスクイメージも削除する場合は、 をクリックします。
仮想マシンから、仮想ディスクの割り当てが解除されます。
12.9. libvirt シークレットを使用した iSCSI ストレージプールのセキュリティー保護 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
ユーザー名とパスワードのパラメーターは、iSCSI ストレージプールをセキュリティー保護するため、virsh で設定できます。プールの定義前または後に設定できますが、認証設定を有効にするにはプールを起動する必要があります。
ここでは、libvirt シークレットを使用して、iSCSI ベースのストレージプールのセキュリティーを保護する手順を説明します。
この手順は、iSCSI ターゲットの作成時に user_ID および password が定義される場合に必要です。
前提条件
- iSCSI ベースのストレージプールが作成されていることを確認します。詳細は、CLI を使用した iSCSI ベースのストレージプールの作成 を参照してください。
手順
チャレンジハンドシェイク認証プロトコル (CHAP) のユーザー名を使用して、libvirt シークレットファイルを作成します。以下に例を示します。
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow virsh secret-defineコマンドを使用して、libvirt シークレットを定義します。virsh secret-define secret.xml
# virsh secret-define secret.xmlCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow virsh secret-listコマンドで UUID を確認します。virsh secret-list UUID Usage -------------------------------------------------------------- 2d7891af-20be-4e5e-af83-190e8a922360 iscsi iscsirhel7secret
# virsh secret-list UUID Usage -------------------------------------------------------------- 2d7891af-20be-4e5e-af83-190e8a922360 iscsi iscsirhel7secretCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow virsh secret-set-valueコマンドを使用して、前の手順の出力の UUID に、シークレットを割り当てます。これにより、CHAP ユーザー名とパスワードが、libvirt が制御するシークレットリストにあることが保証されます。以下に例を示します。virsh secret-set-value --interactive 2d7891af-20be-4e5e-af83-190e8a922360 Enter new value for secret: Secret value set
# virsh secret-set-value --interactive 2d7891af-20be-4e5e-af83-190e8a922360 Enter new value for secret: Secret value setCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow virsh editコマンドを使用してストレージプールの XML ファイルに認証エントリーを追加し、<auth>要素を追加してauthentication type、username、およびsecret usageを指定します。以下に例を示します。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 注記サブ要素
<auth>は仮想マシンの<pool>および<disk>XML 要素内の異なる場所に存在します。<pool>の場合は、<auth>が<source>要素に指定されます。認証は一部のプールソース (iSCSI および RBD) のプロパティーであるため、これはプールソースの検索場所を説明する要素となります。ドメインのサブ要素である<disk>の場合、iSCSI ディスクまたは RBD ディスクに対する認証は、ディスクのプロパティーです。また、ディスクのサブ要素<auth>は、ストレージプールのサブ要素とは異なります。<auth username='redhat'> <secret type='iscsi' usage='iscsirhel7secret'/> </auth>
<auth username='redhat'> <secret type='iscsi' usage='iscsirhel7secret'/> </auth>Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 変更を有効にするには、ストレージプールを有効にします。プールがすでに起動している場合は、ストレージプールを停止して再起動します。
virsh pool-destroy iscsirhel7pool virsh pool-start iscsirhel7pool
# virsh pool-destroy iscsirhel7pool # virsh pool-start iscsirhel7poolCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
12.10. vHBA の作成 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
仮想ホストバスアダプター (vHBA) デバイスは、ホストシステムを SCSI デバイスに接続し、SCSI ベースのストレージプールを作成するために必要です。
vHBA デバイスは、XML 設定ファイルで定義することで作成できます。
手順
virsh nodedev-list --cap vportsコマンドを使用して、ホストシステムの HBA を見つけます。以下の例は、vHBA に対応する HBA が 2 つ搭載されているホストを示しています。
virsh nodedev-list --cap vports scsi_host3 scsi_host4
# virsh nodedev-list --cap vports scsi_host3 scsi_host4Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow virsh nodedev-dumpxml HBA_deviceコマンドを使用して、HBA の詳細を表示します。virsh nodedev-dumpxml scsi_host3
# virsh nodedev-dumpxml scsi_host3Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow コマンドからの出力には、
<name>、<wwnn>、および<wwpn>フィールドのリストが表示されます。これは、vHBA を作成するために使用されます。<max_vports>は、対応している vHBA の最大数を示します。以下に例を示します。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow この例では、
<max_vports>値は、HBA 設定で使用できる合計 127 の仮想ポートがあることを示します。<vports>の値は、現在使用中の仮想ポートの数を示します。この値は、vHBA の作成後に更新されます。vHBA ホスト用に、以下のいずれかの XML ファイルを作成します。この例では、ファイルの名前は
vhba_host3.xmlです。次の例では、
scsi_host3を使用して親 vHBA を説明します。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 次の例では、WWNN/WWPN のペアを使用して親 vHBA を説明します。
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 注記WWNN および WWPN の値は、前の手順で確認した HBA の詳細の値と一致する必要があります。
<parent>フィールドは、この vHBA デバイスに関連付ける HBA デバイスを指定します。<device>タグの詳細は、ホスト用の新しい vHBA デバイスを作成するために、次の手順で使用されます。nodedevの XML 形式の詳細は、アップストリームの libvirt ページ を参照してください。注記virshコマンドでは、parent_wwnn属性、parent_wwpn属性、またはparent_fabric_wwn属性を定義する方法が提供されません。virsh nodev-createコマンドを使用して、前の手順で作成した XML ファイルに基づいて VHBA を作成します。virsh nodedev-create vhba_host3 Node device scsi_host5 created from vhba_host3.xml
# virsh nodedev-create vhba_host3 Node device scsi_host5 created from vhba_host3.xmlCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
検証
virsh nodedev-dumpxmlコマンドで、新しい vHBA の詳細 (scsi_host5) を確認します。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
第13章 仮想マシンでの GPU デバイスの管理 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
RHEL 8 ホストで仮想マシンのグラフィカルパフォーマンスを向上させるために、仮想マシンにホスト GPU を割り当てることができます。
- ホストから GPU を取り外し、GPU の完全な制御を仮想マシンに直接渡すことができます。
- 物理 GPU から複数の仲介デバイスを作成し、これらのデバイスを仮想 GPU (vGPU) として複数のゲストに割り当てることができます。現在、これは選択した NVIDIA GPU でのみ対応しており、1 つのゲストに割り当てることができる仲介デバイスは 1 つだけです。
GPU の割り当ては現在、Intel 64 システムおよび AMD64 システムでのみサポートされています。
13.1. 仮想マシンへの GPU の割り当て リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
ホストシステムに接続されている GPU にアクセスして制御するには、GPU の直接制御を仮想マシンに渡すようにホストシステムを設定する必要があります。
仮想 GPU の割り当て方法の詳細は、Managing NVIDIA vGPU devices を参照してください。
前提条件
ホストマシンカーネルで IOMMU サポートを有効にする必要があります。
Intel ホストでは、VT-d を有効にする必要があります。
intel_iommu=onおよびiommu=ptパラメーターを使用して GRUB 設定を再生成します。grubby --args="intel_iommu=on iommu=pt" --update-kernel DEFAULT
# grubby --args="intel_iommu=on iommu=pt" --update-kernel DEFAULTCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow - ホストを再起動します。
AMD ホストでは、AMD-Vi を有効にする必要があります。
AMD ホストでは、IOMMU はデフォルトで有効になっているため、
iommu=ptを追加してパススルーモードに切り替えることができます。iommu=ptパラメーターで GRUB 設定を再生成します。grubby --args="iommu=pt" --update-kernel DEFAULT
# grubby --args="iommu=pt" --update-kernel DEFAULTCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 注記ptオプションは、パススルーモードで使用されるデバイスにのみ IOMMU を有効にし、ホストパフォーマンスを向上させます。ただし、すべてのハードウェアがこのオプションに対応しているわけではありません。このオプションが有効になっていない場合でも、デバイスを割り当てることは可能です。- ホストを再起動します。
- 64 ビット ARM ホストでは、仮想マシンへの GPU の割り当ては現在サポートされていません。
手順
ドライバーが GPU にバインドしないようにします。
GPU の接続先である PCI バスアドレスを特定します。
lspci -Dnn | grep VGA 0000:02:00.0 VGA compatible controller [0300]: NVIDIA Corporation GK106GL [Quadro K4000] [10de:11fa] (rev a1)
# lspci -Dnn | grep VGA 0000:02:00.0 VGA compatible controller [0300]: NVIDIA Corporation GK106GL [Quadro K4000] [10de:11fa] (rev a1)Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow ホストのグラフィックドライバーが GPU を使用しないようにします。これには、pci-stub ドライバーで GPU の PCI ID を使用します。
たとえば、次のコマンドは、ドライバーが10de: 11fa バスに接続されている GPU にバインドしないようにします。
grubby --args="pci-stub.ids=10de:11fa" --update-kernel DEFAULT
# grubby --args="pci-stub.ids=10de:11fa" --update-kernel DEFAULTCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow - ホストを再起動します。
オプション: サポートの制限により、オーディオなどの特定の GPU 機能を仮想マシンにパススルーできない場合は、IOMMU グループ内のエンドポイントのドライバーバインディングを変更すると、必要な GPU 機能のみをパススルーできます。
GPU 設定を XML に変換し、ホストドライバーに接続しないようにするエンドポイントの PCI アドレスを書き留めておきます。
これを行うには、アドレスに
pci_接頭辞を追加し、区切り文字をアンダースコアに変換することにより、GPU の PCI バスアドレスを libvirt 互換形式に変換します。たとえば、次のコマンドは、
0000:02:00.0バスアドレスに接続されている GPU の XML 設定を表示します。virsh nodedev-dumpxml pci_0000_02_00_0
# virsh nodedev-dumpxml pci_0000_02_00_0Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow エンドポイントがホストドライバーに接続されないようにします。
この例では、GPU を仮想マシンに割り当て、オーディオ機能である
<address domain='0x0000' bus='0x02' slot='0x00' function='0x1'/>に対応するエンドポイントがホストオーディオドライバーに接続されないようにし、代わりにエンドポイントを VFIO-PCI に接続します。driverctl set-override 0000:02:00.1 vfio-pci
# driverctl set-override 0000:02:00.1 vfio-pciCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
GPU の仮想マシンへの接続
PCI バスアドレスを使用して GPU 用の XML 設定ファイルを作成します。
たとえば、GPU のバスアドレスからパラメーターを使用して、次の XML ファイル GPU-Assign.xml を作成できます。
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow - ホストシステムにファイルを保存します。
ファイルを仮想マシンの XML 設定とマージします。
たとえば、次のコマンドは、GPU XML ファイルの GPU-Assign.xml を、
System1仮想マシンの XML 設定ファイルにマージします。virsh attach-device System1 --file /home/GPU-Assign.xml --persistent Device attached successfully.
# virsh attach-device System1 --file /home/GPU-Assign.xml --persistent Device attached successfully.Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 注記GPU は、セカンダリーグラフィックスデバイスとして仮想マシンに接続されています。GPU をプライマリーグラフィックスデバイスとして割り当てることには対応していません。Red Hat では、仮想マシンの XML 設定で、エミュレートしているプライマリーグラフィックスデバイスを削除することは推奨しません。
検証
-
デバイスが、仮想マシンの XML 設定の
<devices>セクションに表示されます。詳細は、Sample virtual machine XML configuration を参照してください。
既知の問題
VM に接続できる GPU の数は、割り当てられた PCI デバイスの最大数 (RHEL 8 では現在 64) によって制限されます。ただし、仮想マシンに複数の GPU を接続すると、ゲストのメモリーマップド I/O (MMIO) で問題が発生する可能性があり、その結果、GPU が仮想マシンで使用できなくなる可能性があります。
これらの問題を回避するには、より大きな 64 ビット MMIO 空間を設定し、vCPU 物理アドレスビットを設定して、拡張された 64 ビット MMIO 空間をアドレス指定可能にします。
- 現在 RHEL 8 ゲストオペレーティングシステムを使用している仮想マシンに NVIDIA GPU デバイスを接続すると、その仮想マシンで Wayland セッションが無効になり、代わりに Xorg セッションが読み込まれます。これは、NVIDIA ドライバーと Wayland の間の非互換性が原因です。
13.2. NVIDIA vGPU デバイスの管理 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
vGPU 機能により、仲介デバイス として参照される物理的な NVIDIA GPU デバイスを複数の仮想デバイスに分割できます。この仲介デバイスは、仮想 GPU として複数の仮想マシンに割り当てることができます。これにより、この仮想マシンが、1 つの物理 GPU のパフォーマンスを共有できます。
仲介デバイスの使用にかかわらず、仮想マシンに物理 GPU を割り当てると、ホストが GPU を使用できなくなります。
13.2.1. NVIDIA vGPU デバイスのセットアップ リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
NVIDIA の vGPU 機能を設定するには、GPU デバイスの NVIDIA vGPU ドライバーをダウンロードして、仲介デバイスを作成し、使用する仮想マシンに割り当てる必要があります。詳細な手順は、以下を参照してください。
前提条件
GPU が vGPU 仲介デバイスをサポートしている。vGPU の作成をサポートする NVIDIA GPU の最新のリストは、NVIDIA vGPU ソフトウェアのドキュメント を参照してください。
ホストが使用している GPU が分からない場合は、lshw パッケージをインストールして、
lshw -C displayコマンドを使用します。以下の例は、システムが、vGPU と互換性がある NVIDIA Tesla P4 GPU を使用していることを示しています。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
手順
- NVIDIA vGPU ドライバーをダウンロードして、システムにインストールします。手順は NVIDIA ドキュメント を参照してください。
NVIDIA ソフトウェアのインストーラーで /etc/modprobe.d/nvidia-installer-disable-nouveau.conf ファイルが作成されなかった場合は、/etc/modprobe.d/ に任意の名前で
confファイルを作成し、そのファイルに以下の行を追加します。blacklist nouveau options nouveau modeset=0
blacklist nouveau options nouveau modeset=0Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 現在のカーネル用に初期 ramdisk を再生成してから再起動します。
dracut --force reboot
# dracut --force # rebootCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow カーネルで
nvidia_vgpu_vfioモジュールが読み込まれていること、nvidia-vgpu-mgr.serviceサービスが実行されていることを確認してください。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow さらに、NVIDIA Ampere GPU デバイスに基づいて vGPU を作成する場合は、物理 GPU で仮想機能が有効になっていることを確認してください。手順は NVIDIA ドキュメント を参照してください。
デバイスの UUID を生成します。
uuidgen 30820a6f-b1a5-4503-91ca-0c10ba58692a
# uuidgen 30820a6f-b1a5-4503-91ca-0c10ba58692aCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 検出された GPU ハードウェアに基づいて、仲介されたデバイスの設定を含む XML ファイルを準備します。たとえば、次の例では、0000:01:00.0 PCI バスで実行され、前の手順で生成された UUID を使用する NVIDIA Tesla P4 カードで
nvidia-63vGPU タイプの仲介デバイスを設定します。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 準備した XML ファイルに基づいて vGPU 仲介デバイスを定義します。以下に例を示します。
virsh nodedev-define vgpu-test.xml Node device mdev_30820a6f_b1a5_4503_91ca_0c10ba58692a_0000_01_00_0 created from vgpu-test.xml
# virsh nodedev-define vgpu-test.xml Node device mdev_30820a6f_b1a5_4503_91ca_0c10ba58692a_0000_01_00_0 created from vgpu-test.xmlCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow オプション: 仲介デバイスが非アクティブなデバイスとしてリストされることを確認します。
virsh nodedev-list --cap mdev --inactive mdev_30820a6f_b1a5_4503_91ca_0c10ba58692a_0000_01_00_0
# virsh nodedev-list --cap mdev --inactive mdev_30820a6f_b1a5_4503_91ca_0c10ba58692a_0000_01_00_0Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 作成した vGPU 仲介デバイスを起動します。
virsh nodedev-start mdev_30820a6f_b1a5_4503_91ca_0c10ba58692a_0000_01_00_0 Device mdev_30820a6f_b1a5_4503_91ca_0c10ba58692a_0000_01_00_0 started
# virsh nodedev-start mdev_30820a6f_b1a5_4503_91ca_0c10ba58692a_0000_01_00_0 Device mdev_30820a6f_b1a5_4503_91ca_0c10ba58692a_0000_01_00_0 startedCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow オプション: 仲介デバイスがアクティブなデバイスとしてリストされることを確認します。
virsh nodedev-list --cap mdev mdev_30820a6f_b1a5_4503_91ca_0c10ba58692a_0000_01_00_0
# virsh nodedev-list --cap mdev mdev_30820a6f_b1a5_4503_91ca_0c10ba58692a_0000_01_00_0Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow ホストの再起動後に自動的に起動するように vGPU デバイスを設定します。
virsh nodedev-autostart mdev_30820a6f_b1a5_4503_91ca_0c10ba58692a_0000_01_00_0 Device mdev_30820a6f_b1a5_4503_91ca_0c10ba58692a_0000_01_00_0 marked as autostarted
# virsh nodedev-autostart mdev_30820a6f_b1a5_4503_91ca_0c10ba58692a_0000_01_00_0 Device mdev_30820a6f_b1a5_4503_91ca_0c10ba58692a_0000_01_00_0 marked as autostartedCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow vGPU リソースを共有する仮想マシンに仲介デバイスを割り当てます。これを行うには、以下の行を、仮想マシンの XML 設定の <devices/> セクションに追加します。
<hostdev mode='subsystem' type='mdev' managed='no' model='vfio-pci' display='on'> <source> <address uuid='30820a6f-b1a5-4503-91ca-0c10ba58692a'/> </source> </hostdev><hostdev mode='subsystem' type='mdev' managed='no' model='vfio-pci' display='on'> <source> <address uuid='30820a6f-b1a5-4503-91ca-0c10ba58692a'/> </source> </hostdev>Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 各 UUID は、一度に 1 つの仮想マシンにしか割り当てることができないのでご注意ください。さらに、仮想マシンに
virtio-vgaなどの QEMU ビデオデバイスがない場合は、<hostdev>行にramfb='on'パラメーターも追加します。- 割り当てられた仮想マシンに vGPU 仲介デバイスの全機能が提供されるように、これらの仮想マシンに NVIDIA vGPU ゲストソフトウェアのライセンスを設定します。詳細および手順は、NVIDIA の仮想 GPU ソフトウェアのライセンスサーバーユーザーガイド を参照してください。
検証
作成した vGPU の機能をクエリーし、アクティブで永続的な機能としてリストされていることを確認します。
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 仮想マシンを起動し、ゲストオペレーティングシステムが仲介デバイスを NVIDIA GPU として検出することを確認します。たとえば、仮想マシンが Linux を使用している場合は、以下のとおりとなります。
lspci -d 10de: -k 07:00.0 VGA compatible controller: NVIDIA Corporation GV100GL [Tesla V100 SXM2 32GB] (rev a1) Subsystem: NVIDIA Corporation Device 12ce Kernel driver in use: nvidia Kernel modules: nouveau, nvidia_drm, nvidia# lspci -d 10de: -k 07:00.0 VGA compatible controller: NVIDIA Corporation GV100GL [Tesla V100 SXM2 32GB] (rev a1) Subsystem: NVIDIA Corporation Device 12ce Kernel driver in use: nvidia Kernel modules: nouveau, nvidia_drm, nvidiaCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
既知の問題
- 現在 RHEL 8 ゲストオペレーティングシステムを使用している仮想マシンに NVIDIA vGPU 仲介デバイスを割り当てると、その仮想マシンで Wayland セッションが無効になり、代わりに Xorg セッションが読み込まれます。これは、NVIDIA ドライバーと Wayland の間の非互換性が原因です。
13.2.2. NVIDIA vGPU デバイスの削除 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
割り当てられた vGPU 仲介デバイス の設定を変更する場合は、割り当てられた仮想マシンから既存のデバイスを削除する必要があります。手順は、以下を参照してください。
前提条件
- デバイスを削除する仮想マシンがシャットダウンしている。
手順
削除する仲介デバイスの ID を取得します。
virsh nodedev-list --cap mdev mdev_30820a6f_b1a5_4503_91ca_0c10ba58692a_0000_01_00_0
# virsh nodedev-list --cap mdev mdev_30820a6f_b1a5_4503_91ca_0c10ba58692a_0000_01_00_0Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow vGPU 仲介バイスの実行中のインスタンスを停止します。
virsh nodedev-destroy mdev_30820a6f_b1a5_4503_91ca_0c10ba58692a_0000_01_00_0 Destroyed node device 'mdev_30820a6f_b1a5_4503_91ca_0c10ba58692a_0000_01_00_0'
# virsh nodedev-destroy mdev_30820a6f_b1a5_4503_91ca_0c10ba58692a_0000_01_00_0 Destroyed node device 'mdev_30820a6f_b1a5_4503_91ca_0c10ba58692a_0000_01_00_0'Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow オプション: 仲介デバイスが非アクティブ化されていることを確認します。
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 仮想マシンの XML 設定からデバイスを削除します。これには、
virsh editユーティリティーを使用して仮想マシンの XML 設定を編集し、mdev の設定セグメントを削除します。このセグメントは、以下のようになります。<hostdev mode='subsystem' type='mdev' managed='no' model='vfio-pci'> <source> <address uuid='30820a6f-b1a5-4503-91ca-0c10ba58692a'/> </source> </hostdev><hostdev mode='subsystem' type='mdev' managed='no' model='vfio-pci'> <source> <address uuid='30820a6f-b1a5-4503-91ca-0c10ba58692a'/> </source> </hostdev>Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 仲介デバイスを停止してデタッチしても、このデバイスは削除されずに 定義された とおりに保持されるのでご注意ください。したがって、デバイスを 再起動 して、別の仮想マシンに 割り当てる ことができます。
オプション: 停止した仲介デバイスを削除するには、デバイスの定義を削除します。
virsh nodedev-undefine mdev_30820a6f_b1a5_4503_91ca_0c10ba58692a_0000_01_00_0 Undefined node device 'mdev_30820a6f_b1a5_4503_91ca_0c10ba58692a_0000_01_00_0'
# virsh nodedev-undefine mdev_30820a6f_b1a5_4503_91ca_0c10ba58692a_0000_01_00_0 Undefined node device 'mdev_30820a6f_b1a5_4503_91ca_0c10ba58692a_0000_01_00_0'Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
検証
デバイスを停止して切り離しただけの場合は、仲介デバイスが非アクティブとしてリストされていることを確認してください。
virsh nodedev-list --cap mdev --inactive mdev_30820a6f_b1a5_4503_91ca_0c10ba58692a_0000_01_00_0
# virsh nodedev-list --cap mdev --inactive mdev_30820a6f_b1a5_4503_91ca_0c10ba58692a_0000_01_00_0Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow デバイスも削除した場合は、次のコマンドでデバイスが表示されないことを確認してください。
virsh nodedev-list --cap mdev
# virsh nodedev-list --cap mdevCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
13.2.3. システムに関する NVIDIA vGPU 情報の取得 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
利用可能な vGPU 機能の機能を評価するには、お使いのシステムの仲介デバイスに関する以下のような追加情報を取得してください。
- 特定タイプの仲介デバイスを何個作成できるか
- お使いのシステムに設定済みの仲介デバイスはどれか
手順
vGPU 仲介デバイスをサポートできるホストで使用可能な GPU デバイスを確認するには、
virsh nodedev-list--capmdev_typesコマンドを使用します。たとえば、以下は 2 つの NVIDIA Quadro RTX6000 デバイスを備えたシステムを示しています。virsh nodedev-list --cap mdev_types pci_0000_5b_00_0 pci_0000_9b_00_0
# virsh nodedev-list --cap mdev_types pci_0000_5b_00_0 pci_0000_9b_00_0Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 特定の GPU デバイスでサポートされている vGPU タイプと追加のメタデータを表示するには、
virsh nodedev-dumpxmlコマンドを使用します。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
13.2.4. NVIDIA vGPU のリモートデスクトップストリーミングサービス リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
次のリモートデスクトップストリーミングサービスは、NVIDIA vGPU または NVIDIA GPU パススルーが有効になっている RHEL 8 ハイパーバイザーでサポートされています。
- HP ZCentral Remote Boost/Teradici
- NICE DCV
- Mechdyne TGX
サポートの詳細は、適切なベンダーサポートマトリックスを参照してください。
第14章 仮想マシンのネットワーク接続の設定 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
ホストや、ホスト上の他の仮想マシン、外部ネットワークの場所に、ネットワーク経由で仮想マシンを接続する場合には、仮想マシンネットワークをそれぞれに合わせて設定する必要があります。RHEL 8 ハイパーバイザーおよび新規作成仮想マシンには、仮想マシンネットワークを提供するためにデフォルトのネットワーク設定があり、この設定は後から変更も可能です。以下に例を示します。
- 仮想マシンがホストと同じネットワーク上にあるかのように、ホスト上の仮想マシンを検出し、ホスト外の場所に接続できます。
- 仮想マシンを受信ネットワークトラフィックから部分的に分離するか、完全に分離して、セキュリティーを強化し、仮想マシンに影響を及ぼすリスクを最小限に抑えることができます。
以下のセクションでは、仮想マシンネットワーク設定と、選択した仮想マシンネットワークオプションの設定を説明します。
14.1. 仮想ネットワークの概要 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
ホストハードウェアにより、ネットワーク上の他のデバイスや場所への仮想マシンの接続が容易になります。以下のセクションでは、仮想マシンのネットワーク接続のメカニズムや、デフォルトの仮想マシンのネットワーク設定を説明します。
14.1.1. 仮想ネットワークの仕組み リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
仮想ネットワークは、仮想ネットワークスイッチの概念を使用します。仮想ネットワークスイッチは、ホストマシンで動作するソフトウエア設定です。仮想マシンは、仮想ネットワークスイッチを介してネットワークに接続します。仮想スイッチの設定に基づいて、仮想マシンはハイパーバイザーによって管理される既存の仮想ネットワーク、または別のネットワーク接続メソッドを使用できます。
以下の図は、2 つの仮想マシンをネットワークに接続する仮想ネットワークスイッチを示しています。
ゲストオペレーティングシステムの視点から見ると、仮想ネットワーク接続は物理ネットワーク接続と同じです。ホストのマシンサーバーは、仮想ネットワークスイッチをネットワークインターフェイスとして表示します。libvirtd サービスを初めてインストールして起動すると、仮想マシンのデフォルトのネットワークインターフェイスである virbr0 が作成されます。
このインターフェイスに関する情報を表示するには、ホストで ip ユーティリティーを使用します。
ip addr show virbr0 3: virbr0: <BROADCAST,MULTICAST,UP,LOWER_UP> mtu 1500 qdisc noqueue state UNKNOWN link/ether 1b:c4:94:cf:fd:17 brd ff:ff:ff:ff:ff:ff inet 192.0.2.1/24 brd 192.0.2.255 scope global virbr0
$ ip addr show virbr0
3: virbr0: <BROADCAST,MULTICAST,UP,LOWER_UP> mtu 1500 qdisc noqueue state
UNKNOWN link/ether 1b:c4:94:cf:fd:17 brd ff:ff:ff:ff:ff:ff
inet 192.0.2.1/24 brd 192.0.2.255 scope global virbr0
デフォルトでは、1 台のホストにあるすべての仮想マシンが、virbr0 インターフェイスを使用する default という名前の同じ NAT タイプ の仮想ネットワークに接続されています。詳細は、Virtual networking default configuration を参照してください。
仮想マシンからの基本的なアウトバウンドのみのネットワークアクセスでは、デフォルトのネットワークが libvirt-daemon-config-network パッケージと一緒にインストールされ、libvirtd サービスが起動すると自動的に開始するため、通常は追加のネットワーク設定は必要ありません。
別の仮想マシンのネットワーク機能が必要な場合は、仮想ネットワークおよびネットワークインターフェイスを追加で作成し、仮想マシンがその機能を使用するように設定できます。デフォルトの NAT に加えて、これらのネットワークとインターフェイスは以下のいずれかのモードを使用するように設定できます。
14.1.2. デフォルトの仮想ネットワーク設定 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
仮想化ホストへの libvirtd サービスの初回インストール時に、仮想化ホストに、ネットワークアドレス変換 (NAT) モードの仮想ネットワークの初期設定が含まれます。デフォルトでは、1 台のホストにあるすべての仮想マシンが、同じ libvirt 仮想ネットワーク (default) に接続されています。このネットワーク上の仮想マシンは、ホスト上およびホスト外のネットワーク上の場所の両方に接続できますが、以下の制限があります。
-
ネットワーク上の仮想マシンはホストと、ホスト上の他の仮想マシンに表示されますが、ネットワークトラフィックはゲストオペレーティングシステムのネットワークスタックのファイアウォールと、ゲストインターフェイスに接続されている
libvirtネットワークフィルタールールの影響を受けます。 - ネットワーク上の仮想マシンは、ホスト外の場所に接続可能ですが、表示されません。送信トラフィックは NAT ルールおよびホストシステムのファイアウォールの影響を受けます。
以下の図は、仮想マシンのデフォルトのネットワーク設定を示しています。
14.2. Web コンソールで仮想マシンのネットワークインターフェイスの管理 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
RHEL 8 Web コンソールを使用して、Web コンソールが接続している仮想マシンの仮想ネットワークインターフェイスを管理できます。以下を行うことができます。
14.2.1. Web コンソールで仮想ネットワークインターフェイス情報の表示および編集 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
RHEL 9 Web コンソールを使用して、選択した仮想マシンで仮想ネットワークインターフェイスを表示および変更することができます。
前提条件
- RHEL 8 Web コンソールがインストールされている。
- cockpit サービスが有効になっている。
ユーザーアカウントが Web コンソールにログインできる。
手順は、Web コンソールのインストールおよび有効化 を参照してください。
- Web コンソールの仮想マシンプラグインが システムにインストールされている。
手順
RHEL 8 Web コンソールにログインします。
詳細は、Web コンソールへのログイン を参照してください。
インターフェイスで、情報を表示する仮想マシンを選択します。
新しいページが開き、選択した仮想マシンに関する基本情報を含む Overview セクションと、仮想マシンのグラフィカルインターフェイスにアクセスするための Console セクションが表示されます。
までスクロールします。
ネットワークインターフェイスセクションには、仮想マシンに設定された仮想ネットワークインターフェイスに関する情報と、ネットワークインターフェイスの追加、削除、編集、またはアンプラグ のオプションが表示されます。
この情報には以下が含まれます。
種類 - 仮想マシンのネットワークインターフェイスの種類。タイプには、仮想ネットワーク、LAN へのブリッジ、および直接割り当てが含まれます。
注記RHEL 8 以降では、汎用イーサネット接続はサポートされていません。
- モデルタイプ - 仮想ネットワークインターフェイスのモデル。
- MAC アドレス - 仮想ネットワークインターフェイスの MAC アドレス。
- IP アドレス - 仮想ネットワークインターフェイスの IP アドレス。
- ソース - ネットワークインターフェイスのソース。これはネットワークの種類によって異なります。
- 状態 - 仮想ネットワークインターフェイスの状態。
仮想ネットワークインターフェイスの設定を編集するには、 をクリックします。仮想ネットワークインターフェイスの設定ダイアログが開きます。
- インターフェイスの種類、ソース、モデル、または MAC アドレスを変更します。
をクリックします。ネットワークインターフェイスが変更しました。
注記仮想ネットワークインターフェイス設定の変更は、仮想マシンを再起動しないと有効になりません。
また、MAC アドレスは、仮想マシンがシャットダウンしている場合にのみ変更できます。
14.2.2. Web コンソールでの仮想ネットワークインターフェイスの追加および接続 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
RHEL 9 Web コンソールを使用して、仮想ネットワークインターフェイスを作成し、これに仮想マシンを接続できます。
前提条件
- RHEL 8 Web コンソールがインストールされている。
- cockpit サービスが有効になっている。
ユーザーアカウントが Web コンソールにログインできる。
手順は、Web コンソールのインストールおよび有効化 を参照してください。
- Web コンソールの仮想マシンプラグインが システムにインストールされている。
手順
RHEL 8 Web コンソールにログインします。
詳細は、Web コンソールへのログイン を参照してください。
インターフェイスで、情報を表示する仮想マシンを選択します。
新しいページが開き、選択した仮想マシンに関する基本情報を含む Overview セクションと、仮想マシンのグラフィカルインターフェイスにアクセスするための Console セクションが表示されます。
までスクロールします。
ネットワークインターフェイスセクションには、仮想マシンに設定された仮想ネットワークインターフェイスに関する情報と、ネットワークインターフェイスの追加、編集、または プラグ のオプションが表示されます。
接続する仮想ネットワークインターフェイスの行の をクリックします。
選択した仮想ネットワークインターフェイスが仮想マシンに接続します。
14.2.3. Web コンソールでの仮想ネットワークインターフェイスの切断および削除 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
RHEL 9 Web コンソールを使用して、選択した仮想マシンに接続した仮想ネットワークインターフェイスの接続を解除できます。
前提条件
- RHEL 8 Web コンソールがインストールされている。
- cockpit サービスが有効になっている。
ユーザーアカウントが Web コンソールにログインできる。
手順は、Web コンソールのインストールおよび有効化 を参照してください。
- Web コンソールの仮想マシンプラグインが システムにインストールされている。
手順
RHEL 8 Web コンソールにログインします。
詳細は、Web コンソールへのログイン を参照してください。
インターフェイスで、情報を表示する仮想マシンを選択します。
新しいページが開き、選択した仮想マシンに関する基本情報を含む Overview セクションと、仮想マシンのグラフィカルインターフェイスにアクセスするための Console セクションが表示されます。
までスクロールします。
ネットワークインターフェイスセクションには、仮想マシンに設定された仮想ネットワークインターフェイスに関する情報と、ネットワークインターフェイスの追加、削除、編集、またはアンプラグ のオプションが表示されます。
切断する仮想ネットワークインターフェイスの行で をクリックします。
選択した仮想ネットワークインターフェイスが仮想マシンから切断されます。
14.3. 推奨される仮想マシンネットワーク設定 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
多くのシナリオでは、デフォルトの仮想マシンのネットワーク設定だけで十分です。ただし、設定の調整が必要な場合は、コマンドライン (CLI) または RHEL 9 Web コンソールを使用して調整できます。次のセクションでは、このような状況での仮想マシンのネットワーク設定を一部説明します。
14.3.1. コマンドラインを使用した外部に表示される仮想マシンの設定 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
デフォルトでは、新規作成された仮想マシンは、NAT タイプのネットワークに接続されます。このネットワークは、ホストのデフォルトの仮想ブリッジである virbr0 を使用します。これにより、仮想マシンはホストのネットワークインターフェイスコントローラー (NIC) を使用して外部ネットワークに接続できますが、外部システムから仮想マシンには到達できません。
仮想マシンをハイパーバイザーと同じ外部ネットワークに表示する必要がある場合は、代わりに ブリッジモード を使用する必要があります。これには、仮想マシンを、ハイパーバイザーの物理ネットワークデバイスに接続されているブリッジデバイスに割り当てます。これを行うためにコマンドラインを使用するには、以下の手順に従います。
前提条件
- デフォルトの NAT 設定を持つ 既存の仮想マシン のシャットダウン。
ハイパーバイザーの IP 設定。これは、ホストのネットワーク接続によって異なります。たとえば、以下の手順では、イーサネットケーブルを使用してホストがネットワークに接続され、ホストの物理 NIC MAC アドレスが DHCP サーバーの静的 IP に割り当てられるシナリオを使用します。したがって、イーサネットインターフェイスはハイパーバイザー IP として扱われます。
イーサネットインターフェイスの IP 設定を取得するには、
ip addrユーティリティーを使用します。ip addr [...] enp0s25: <BROADCAST,MULTICAST,UP,LOWER_UP> mtu 1500 qdisc fq_codel state UP group default qlen 1000 link/ether 54:ee:75:49:dc:46 brd ff:ff:ff:ff:ff:ff inet 192.0.2.1/24 brd 192.0.2.255 scope global dynamic noprefixroute enp0s25# ip addr [...] enp0s25: <BROADCAST,MULTICAST,UP,LOWER_UP> mtu 1500 qdisc fq_codel state UP group default qlen 1000 link/ether 54:ee:75:49:dc:46 brd ff:ff:ff:ff:ff:ff inet 192.0.2.1/24 brd 192.0.2.255 scope global dynamic noprefixroute enp0s25Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
手順
ホスト上の物理インターフェイスのブリッジ接続を作成して設定します。手順は、ネットワークブリッジの設定 を参照してください。
静的 IP 割り当てが使用されるシナリオでは、物理イーサネットインターフェイスの IPv4 設定をブリッジインターフェイスに移行する必要があることに注意してください。
作成したブリッジインターフェイスを使用するように仮想マシンのネットワークを変更します。たとえば、以下のコマンドは、bridge0 を使用するように testguest を設定します。
virt-xml testguest --edit --network bridge=bridge0 Domain 'testguest' defined successfully.
# virt-xml testguest --edit --network bridge=bridge0 Domain 'testguest' defined successfully.Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 仮想マシンを起動します。
virsh start testguest
# virsh start testguestCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow ゲストオペレーティングシステムで、仮想マシンがハイパーバイザーと同じネットワーク内の別の物理システムであるかのように、システムのネットワークインターフェイスの IP および DHCP 設定を調整します。
これに関する具体的な手順は、仮想マシンが使用するゲスト OS によって異なります。たとえば、ゲスト OS が RHEL 8 の場合は、Configuring an Ethernet connection を参照してください。
検証
新たに作成されたブリッジが実行中で、ホストの物理インターフェイスと仮想マシンのインターフェイスの両方が含まれていることを確認します。
ip link show master bridge0 2: enp0s25: <BROADCAST,MULTICAST,UP,LOWER_UP> mtu 1500 qdisc fq_codel master bridge0 state UP mode DEFAULT group default qlen 1000 link/ether 54:ee:75:49:dc:46 brd ff:ff:ff:ff:ff:ff 10: vnet0: <BROADCAST,MULTICAST,UP,LOWER_UP> mtu 1500 qdisc fq_codel master bridge0 state UNKNOWN mode DEFAULT group default qlen 1000 link/ether fe:54:00:89:15:40 brd ff:ff:ff:ff:ff:ff# ip link show master bridge0 2: enp0s25: <BROADCAST,MULTICAST,UP,LOWER_UP> mtu 1500 qdisc fq_codel master bridge0 state UP mode DEFAULT group default qlen 1000 link/ether 54:ee:75:49:dc:46 brd ff:ff:ff:ff:ff:ff 10: vnet0: <BROADCAST,MULTICAST,UP,LOWER_UP> mtu 1500 qdisc fq_codel master bridge0 state UNKNOWN mode DEFAULT group default qlen 1000 link/ether fe:54:00:89:15:40 brd ff:ff:ff:ff:ff:ffCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 仮想マシンがハイパーバイザーと同じ外部ネットワークに表示されることを確認します。
ゲストオペレーティングシステムで、システムのネットワーク ID を取得します。たとえば、これが Linux ゲストの場合は、次のコマンドを実行します。
ip addr [...] enp0s0: <BROADCAST,MULTICAST,UP,LOWER_UP> mtu 1500 qdisc fq_codel state UP group default qlen 1000 link/ether 52:54:00:09:15:46 brd ff:ff:ff:ff:ff:ff inet 192.0.2.1/24 brd 192.0.2.255 scope global dynamic noprefixroute enp0s0# ip addr [...] enp0s0: <BROADCAST,MULTICAST,UP,LOWER_UP> mtu 1500 qdisc fq_codel state UP group default qlen 1000 link/ether 52:54:00:09:15:46 brd ff:ff:ff:ff:ff:ff inet 192.0.2.1/24 brd 192.0.2.255 scope global dynamic noprefixroute enp0s0Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow ローカルネットワークに接続された外部システムから、取得した ID を使用して仮想マシンに接続します。
ssh root@192.0.2.1 root@192.0.2.1's password: Last login: Mon Sep 24 12:05:36 2019 root~#*
# ssh root@192.0.2.1 root@192.0.2.1's password: Last login: Mon Sep 24 12:05:36 2019 root~#*Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 接続が機能している場合にはネットワークが正常に設定されています。
トラブルシューティング
仮想マシンがクライアントでホストされる間に、クライアントからサイトへの VPN を使用するなどの特定の状況では、外部ロケーションで仮想マシンを利用可能にするブリッジモードを使用することはできません。
この問題を回避するには、仮想マシンの
nftablesを使用して宛先 NAT を設定 します。
14.3.2. Web コンソールを使用した外部に表示される仮想マシンの設定 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
デフォルトでは、新規作成された仮想マシンは、NAT タイプのネットワークに接続されます。このネットワークは、ホストのデフォルトの仮想ブリッジである virbr0 を使用します。これにより、仮想マシンはホストのネットワークインターフェイスコントローラー (NIC) を使用して外部ネットワークに接続できますが、外部システムから仮想マシンには到達できません。
仮想マシンをハイパーバイザーと同じ外部ネットワークに表示する必要がある場合は、代わりに ブリッジモード を使用する必要があります。これには、仮想マシンを、ハイパーバイザーの物理ネットワークデバイスに接続されているブリッジデバイスに割り当てます。これを行うために RHEL 8 Web コンソールを使用するには、以下の手順に従います。
前提条件
- RHEL 8 Web コンソールがインストールされている。
- cockpit サービスが有効になっている。
ユーザーアカウントが Web コンソールにログインできる。
手順は、Web コンソールのインストールおよび有効化 を参照してください。
- Web コンソールの仮想マシンプラグインが システムにインストールされている。
- デフォルトの NAT 設定を持つ 既存の仮想マシン のシャットダウン。
ハイパーバイザーの IP 設定。これは、ホストのネットワーク接続によって異なります。たとえば、以下の手順では、イーサネットケーブルを使用してホストがネットワークに接続され、ホストの物理 NIC MAC アドレスが DHCP サーバーの静的 IP に割り当てられるシナリオを使用します。したがって、イーサネットインターフェイスはハイパーバイザー IP として扱われます。
イーサネットインターフェイスの IP 設定を取得するには、Web コンソールの
Networkingタブに移動し、Interfacesセクションを確認します。
手順
ホスト上の物理インターフェイスのブリッジ接続を作成して設定します。手順は、Web コンソールでネットワークブリッジの設定 を参照してください。
静的 IP 割り当てが使用されるシナリオでは、物理イーサネットインターフェイスの IPv4 設定をブリッジインターフェイスに移行する必要があることに注意してください。
ブリッジインターフェイスを使用するように仮想マシンのネットワークを変更します。仮想マシンの ネットワークインターフェイス タブで、以下を行います。
- をクリックします。
仮想ネットワークインターフェイスの追加ダイアログで、以下を設定します。-
インターフェイスタイプ:
LAN へのブリッジ -
ソース: 新規作成ブリッジ (例:
bridge0)
-
インターフェイスタイプ:
- をクリックします。
- オプション: 仮想マシンに接続されている他のすべてのインターフェイスの をクリックします。
- をクリックして、仮想マシンを起動します。
ゲストオペレーティングシステムで、仮想マシンがハイパーバイザーと同じネットワーク内の別の物理システムであるかのように、システムのネットワークインターフェイスの IP および DHCP 設定を調整します。
これに関する具体的な手順は、仮想マシンが使用するゲスト OS によって異なります。たとえば、ゲスト OS が RHEL 8 の場合は、Configuring an Ethernet connection を参照してください。
検証
ホストの Web コンソールの Networking タブで、新たに作成されたブリッジがある行をクリックして、ホストの物理インターフェイスと仮想マシンのインターフェイスの両方が含まれていることを確認します。
仮想マシンがハイパーバイザーと同じ外部ネットワークに表示されることを確認します。
ゲストオペレーティングシステムで、システムのネットワーク ID を取得します。たとえば、これが Linux ゲストの場合は、次のコマンドを実行します。
ip addr [...] enp0s0: <BROADCAST,MULTICAST,UP,LOWER_UP> mtu 1500 qdisc fq_codel state UP group default qlen 1000 link/ether 52:54:00:09:15:46 brd ff:ff:ff:ff:ff:ff inet 192.0.2.1/24 brd 192.0.2.255 scope global dynamic noprefixroute enp0s0# ip addr [...] enp0s0: <BROADCAST,MULTICAST,UP,LOWER_UP> mtu 1500 qdisc fq_codel state UP group default qlen 1000 link/ether 52:54:00:09:15:46 brd ff:ff:ff:ff:ff:ff inet 192.0.2.1/24 brd 192.0.2.255 scope global dynamic noprefixroute enp0s0Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow ローカルネットワークに接続された外部システムから、取得した ID を使用して仮想マシンに接続します。
ssh root@192.0.2.1 root@192.0.2.1's password: Last login: Mon Sep 24 12:05:36 2019 root~#*
# ssh root@192.0.2.1 root@192.0.2.1's password: Last login: Mon Sep 24 12:05:36 2019 root~#*Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 接続が機能している場合にはネットワークが正常に設定されています。
トラブルシューティング
- 仮想マシンがクライアントでホストされる間に、クライアントからサイトへの VPN を使用するなどの特定の状況では、外部ロケーションで仮想マシンを利用可能にするブリッジモードを使用することはできません。
この問題を回避するには、仮想マシンの nftables を使用して宛先 NAT を設定 します。
14.3.3. macvtap 接続の置き換え リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
macvtap は、仮想ネットワークインターフェイスを作成する Linux ネットワークデバイスドライバーです。これにより、仮想マシンがホストマシン上の物理ネットワークインターフェイスに直接アクセスできるようになります。macvtap 接続の使用は RHEL 9 でサポートされています。
ただし、他の利用可能な仮想マシン (VM) ネットワーク設定と比較すると、macvtap のパフォーマンスは最適ではなく、正しく設定するのがより困難です。したがって、ユースケースで macvtap が明示的に必要とされない場合は、サポートされている別のネットワーク設定を使用してください。
仮想マシンで macvtap モードを使用している場合は、代わりに次のネットワーク設定を使用することを検討してください。
- macvtap ブリッジモードの代わりに、Linux ブリッジ 設定を使用します。
- macvtap パススルーモードの代わりに、PCI パススルー を使用します。
14.4. 仮想マシンのネットワーク接続の種類 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
仮想マシンのネットワークプロパティーと動作を変更するには、仮想マシンが使用する仮想ネットワークまたはインターフェイスの種類を変更します。次のセクションでは、RHEL 8 の仮想マシンで利用可能な接続の種類を説明します。
14.4.1. ネットワークアドレス変換のある仮想ネットワーク リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
デフォルトでは、仮想ネットワークスイッチはネットワークアドレス変換 (NAT) モードで動作します。Source-NAT (SNAT) または Destination-NAT (DNAT) の代わりに IP マスカレードを使用します。IP マスカレードで接続されている仮想マシンは、外部ネットワークとの通信にホストマシンの IP アドレスを使用できるようになります。ホスト外のコンピューターは、仮想ネットワークスイッチが NAT モードで動作している場合に、ホスト内部の仮想マシンと通信ができません。
仮想ネットワークスイッチは、ファイアウォールルールで設定された NAT を使用します。スイッチの実行中にこのルールを編集することは推奨されていません。誤ったルールがあると、スイッチが通信できなくなる可能性があるためです。
14.4.2. ルーティングモードの仮想ネットワーク リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
ルーティング モードを使用する場合は、仮想スイッチを、ホストマシンに接続された物理 LAN に接続し、NAT を使用せずにトラフィックをやり取りします。仮想スイッチは、すべてのトラフィックを調べ、ネットワークパケットに含まれる情報を使用して、ルーティングの決定を行うことができます。このモードを使用すると、仮想マシンはすべて 1 つのサブネット内に入り、ホストマシンから分離されます。仮想マシンサブネットは、ホストマシンにある仮想スイッチを介してルーティングされます。これにより、着信接続が有効になりますが、外部ネットワークのシステムに追加のルーティングテーブルエントリーが必要になります。
ルーティングモードは、IP アドレスベースのルーティングを使用します。
ルーティングモードを使用する一般的なトポロジーは、仮想サーバーホスティング (VSH) です。VSH プロバイダーには複数のホストマシンがあり、それぞれに 2 つの物理ネットワーク接続がある場合があります。管理とアカウンティングにはいずれかのインターフェイスが使用されており、もう 1 つは仮想マシンによる接続に使用されます。各仮想マシンには独自のパブリック IP アドレスがありますが、ホストマシンはプライベート IP アドレスを使用するため、内部管理者のみが仮想マシンを管理できます。
14.4.3. ブリッジモードの仮想ネットワーク リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
その他の仮想マシンネットワークモードは、仮想ブリッジ virbr0 を自動的に作成して接続します。一方、ブリッジ モードでは、仮想マシンはホストの既存の Linux ブリッジに接続します。これにより、仮想マシンが物理ネットワークに直接表示されます。これにより、着信接続が有効になりますが、追加のルーティングテーブルエントリーは必要ありません。
ブリッジモードは、MAC アドレスをベースにした接続スイッチを使用します。
ブリッジモードでは、仮想マシンがホストマシンと同じサブネットに表示されます。同じ物理ネットワーク上にある他の物理マシンはすべて、仮想マシンを検出してアクセスできます。
ブリッジネットワークボンディング
ハイパーバイザーで複数の物理ブリッジインターフェイスを使用する場合は、ボンドで複数のインターフェイスを結合します。ボンドをブリッジに追加すると、仮想マシンをブリッジに追加できるようになります。ただし、ボンディングドライバーにはいくつかの動作モードがあり、このモードのすべてが、仮想マシンが使用されているブリッジで機能するわけではありません。
次のボンディングモードを使用できます。
- モード 1
- モード 2
- モード 4
対照的に、モード 0、3、5、または 6 を使用すると、接続が失敗する可能性が高くなります。また、アドレス解決プロトコル (ARP) の監視が正しく機能しないため、MII (Media-Independent Interface) 監視を使用してボンディングモードを監視する必要があります。
ボンディングモードの詳細は、Red Hat ナレッジベースソリューション Which bonding modes work when used with a bridge that virtual machine guests or containers connect to? を参照してください。
一般的なシナリオ
ブリッジモードにおける最も一般的なユースケースには、たとえば以下のようなものがあります。
- ホストマシンとともに既存のネットワークに仮想マシンをデプロイし、仮想マシンと物理マシンの相違点をエンドユーザーに見えないようにする。
- 既存の物理ネットワーク設定を変更せずに仮想マシンをデプロイする。
- 既存の物理ネットワークから簡単にアクセスできる必要がある仮想マシンをデプロイする。また、DHCP サービスにアクセスする必要のある物理ネットワークに仮想マシンを配置する。
- 仮想 LAN (VLAN) が使用されている既存のネットワークに仮想マシンを接続する。
- 非武装地帯 (DMZ) ネットワーク。仮想マシンを使用した DMZ デプロイメントの場合、Red Hat は、物理ネットワークのルーターとスイッチで DMZ を設定し、ブリッジモードを使用して仮想マシンを物理ネットワークに接続することを推奨しています。
14.4.4. 分離モードの仮想ネットワーク リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
分離 モードを使用すると、仮想スイッチに接続されている仮想マシンは相互に通信でき、ホストマシンとも通信できますが、トラフィックはホストマシンの外部を通過せず、ホストマシンの外部からトラフィックを受信することができません。DHCP などの基本的な機能には、このモードの dnsmasq を使用する必要があります。
14.4.5. オープンモードの仮想ネットワーク リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
ネットワークに オープン モードを使用する場合、libvirt はネットワークにファイアウォールルールを生成しません。したがって、libvirt はホストが提供するファイアウォールルールを上書きせず、仮想マシンのファイアウォールルールを手動で管理できます。
14.4.6. 仮想マシンの接続タイプの比較 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
以下の表では、選択したタイプの仮想マシンネットワーク設定が接続できる場所と、表示できる内容を示します。
| ホストへの接続 | ホスト上の他の仮想マシンへの接続 | 外部ロケーションへの接続 | 外部の場所に表示可能か | |
|---|---|---|---|---|
| ブリッジモード | はい | はい | はい | はい |
| NAT | はい | はい | はい | いいえ |
| ルーティングモード | はい | はい | はい | はい |
| 分離モード | はい | はい | いいえ | いいえ |
| オープンモード | ホストのファイアウォールルールにより異なります。 | |||
14.5. PXE サーバーから仮想マシンの起動 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
PXE (Preboot Execution Environment) を使用する仮想マシンは、ネットワークから起動して設定を読み込むことができます。この章では、libvirt を使用して、仮想ネットワークまたはブリッジネットワークの PXE サーバーから仮想マシンを起動する方法を説明します。
以下の手順は、例としてのみ提供されます。続行する前に、十分なバックアップがあることを確認してください。
14.5.1. 仮想ネットワークで PXE ブートサーバーの設定 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
この手順では、PXE (Preboot Execution Environment) を提供するように libvirt 仮想ネットワークを設定する方法を説明します。これにより、ホストの仮想マシンを、仮想ネットワークで利用可能な起動イメージから起動するように設定できます。
前提条件
次のようなローカルの PXE サーバー (DHCP および TFTP)
- libvirt 内部サーバー
- 手動で設定した dhcpd および tftpd
- dnsmasq
- Cobbler サーバー
-
Cobbler が設定した
PXELINUXなど、または手動で設定した PXE 起動イメージ。
手順
-
PXE ブートイメージおよび設定を
/var/lib/tftpbootフォルダーに置きます。 フォルダーのパーミッションを設定する:
chmod -R a+r /var/lib/tftpboot
# chmod -R a+r /var/lib/tftpbootCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow フォルダーの所有権を設定する:
chown -R nobody: /var/lib/tftpboot
# chown -R nobody: /var/lib/tftpbootCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow SELinux コンテキストを更新します。
chcon -R --reference /usr/sbin/dnsmasq /var/lib/tftpboot chcon -R --reference /usr/libexec/libvirt_leaseshelper /var/lib/tftpboot
# chcon -R --reference /usr/sbin/dnsmasq /var/lib/tftpboot # chcon -R --reference /usr/libexec/libvirt_leaseshelper /var/lib/tftpbootCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 仮想ネットワークをシャットダウンします。
virsh net-destroy default
# virsh net-destroy defaultCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow デフォルトエディターで仮想ネットワーク設定ファイルを開きます。
virsh net-edit default
# virsh net-edit defaultCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow <ip>要素を編集して、適切なアドレス、ネットワークマスク、DHCP アドレス範囲、および起動ファイルを追加します。example-pxelinux は、ブートイメージファイルの名前になります。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 仮想ネットワークを起動します。
virsh net-start default
# virsh net-start defaultCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
検証
default仮想ネットワークが有効であることを確認します。virsh net-list Name State Autostart Persistent --------------------------------------------------- default active no no
# virsh net-list Name State Autostart Persistent --------------------------------------------------- default active no noCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
14.5.2. PXE および仮想ネットワークを使用した仮想マシンの起動 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
仮想ネットワークで利用可能な PXE (Preboot Execution Environment) サーバーから仮想マシンを起動するには、PXE ブートを有効にする必要があります。
前提条件
- PXE ブートサーバーは、Setting up a PXE boot server on a virtual network 説明されているように、仮想ネットワークでセットアップされます。
手順
PXE 起動が有効になっている新しい仮想マシンを作成します。たとえば、
default仮想ネットワークで利用可能な PXE から、新しい 10GB の qcow2 イメージファイルにインストールする場合は、次のコマンドを実行します。virt-install --pxe --network network=default --memory 2048 --vcpus 2 --disk size=10
# virt-install --pxe --network network=default --memory 2048 --vcpus 2 --disk size=10Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow または、既存の仮想マシンの XML 設定ファイルを手動で編集できます。これを行うには、ゲストネットワークが仮想ネットワークを使用するように設定され、ネットワークがプライマリーブートデバイスとして設定されていることを確認します。
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
検証
-
virsh startコマンドを使用して仮想マシンを起動します。PXE が正しく設定されていると、仮想マシンは、PXE サーバーで利用可能な起動イメージから起動します。
14.5.3. PXE およびブリッジネットワークを使用した仮想マシンの起動 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
ブリッジネットワークで利用可能な PXE (Preboot Execution Environment) サーバーから仮想マシンを起動するには、PXE ブートを有効にする必要があります。
前提条件
- ネットワークブリッジが有効になっている。
- ブリッジネットワークでは、PXE ブートサーバーが利用できます。
手順
PXE 起動が有効になっている新しい仮想マシンを作成します。たとえば、
breth0ブリッジネットワークで利用可能な PXE から、新しい 10GB の qcow2 イメージファイルにインストールする場合は、次のコマンドを実行します。virt-install --pxe --network bridge=breth0 --memory 2048 --vcpus 2 --disk size=10
# virt-install --pxe --network bridge=breth0 --memory 2048 --vcpus 2 --disk size=10Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow または、既存の仮想マシンの XML 設定ファイルを手動で編集できます。これを行うには、仮想マシンがブリッジネットワークで設定され、ネットワークがプライマリーブートデバイスとして設定されていることを確認します。
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
検証
-
virsh startコマンドを使用して仮想マシンを起動します。PXE が正しく設定されていると、仮想マシンは、PXE サーバーで利用可能な起動イメージから起動します。
第15章 ホストとその仮想マシン間でのファイルの共有 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
ホストシステムと、そのホストが実行する仮想マシンとの間で、データを共有することが頻繁に必要になります。これを迅速かつ効率的に行うために、システムに NFS ファイル共有をセットアップできます。
15.1. NFS を使用してホストとその仮想マシン間でファイルを共有する リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
RHEL 9 ホストシステムと仮想マシンの間でファイルを効率的に共有するために、仮想マシンがマウントしてアクセスできる NFS 共有をエクスポートできます。
前提条件
nfs-utilsパッケージがホストにインストールされている。yum install nfs-utils -y
# yum install nfs-utils -yCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow -
NATまたはbridgeタイプの仮想ネットワークが、ホストを仮想マシンに接続するように設定されている。 - オプション: セキュリティーを強化するには、仮想マシンが NFS バージョン 4 以降と互換性があることを確認します。
手順
ホストで、ネットワークファイルシステム (NFS) として共有するファイルを含むディレクトリーをエクスポートします。
既存のディレクトリーを仮想マシンと共有します。既存のディレクトリーを共有したくない場合は、新しいディレクトリーを作成します。
mkdir shared-files
# mkdir shared-filesCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow ホストからファイルを共有するために各仮想マシンの IP アドレスを取得します (例: testguest1 と testguest2)。
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow ホスト上の
/etc/exportsファイルを編集し、共有するディレクトリー、共有する仮想マシンの IP、および追加のオプションを含む行を追加します。/home/<username>/Downloads/<shared_directory>/ <VM1-IP(options)> <VM2-IP(options)> ...
/home/<username>/Downloads/<shared_directory>/ <VM1-IP(options)> <VM2-IP(options)> ...Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow たとえば、以下は、testguest1 および testguest2 があるホストの
/usr/local/shared-filesディレクトリーを共有し、仮想マシンがディレクトリーのコンテンツを編集できるようにします。/usr/local/shared-files/ 192.0.2.2(rw,sync) 192.0.2.3(rw,sync)
/usr/local/shared-files/ 192.0.2.2(rw,sync) 192.0.2.3(rw,sync)Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 注記Windows の仮想マシンとディレクトリーを共有するには、Windows NFS クライアントに共有ディレクトリーへの書き込み権限があることを確認する必要があります。
/etc/exportsファイルでは、all_squash、anonuid、およびanongidオプションを使用できます。/usr/local/shared-files/ 192.0.2.2(rw,sync,all_squash,anonuid=<directory-owner-UID>,anongid=<directory-owner-GID>)<directory-owner-UID> と <directory-owner-GID> は、ホスト上の共有ディレクトリーを所有するローカルユーザーの UID と GID です。
NFS クライアントの権限を管理するその他のオプションについては、NFS サービスの保護 ガイドに従ってください。
更新したファイルシステムをエクスポートします。
exportfs -a
# exportfs -aCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow nfs-serverサービスを起動します。systemctl start nfs-server
# systemctl start nfs-serverCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow ホストシステムの IP アドレスを取得して、仮想マシンに共有ディレクトリーをマウントします。
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 関連するネットワークはホストと仮想マシンを接続してファイルを共有することに注意してください。通常、これは
virbr0です。
/etc/exportsファイルで指定されている Linux 仮想マシンに共有ディレクトリーをマウントします。mount 192.0.2.1:/usr/local/shared-files /mnt/host-share
# mount 192.0.2.1:/usr/local/shared-files /mnt/host-shareCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow -
192.0.2.1: ホストの IP アドレスです。 -
/usr/local/shared-files: ホスト上のエクスポートされたディレクトリーへのファイルシステムパスです。 /mnt/host-share: 仮想マシン上のマウントポイントです。注記マウントポイントは空のディレクトリーである必要があります。
-
/etc/exportsファイルに指定されているように Windows 仮想マシンに共有ディレクトリーをマウントするには、次の手順を実行します。- 管理者として PowerShell シェルプロンプトを開きます。
Windows に
NFS-Clientパッケージをインストールします。サーバーバージョンにインストールするには、次のように入力します。
Install-WindowsFeature NFS-Client
# Install-WindowsFeature NFS-ClientCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow デスクトップバージョンにインストールするには、次のように入力します。
Enable-WindowsOptionalFeature -FeatureName ServicesForNFS-ClientOnly, ClientForNFS-Infrastructure -Online -NoRestart
# Enable-WindowsOptionalFeature -FeatureName ServicesForNFS-ClientOnly, ClientForNFS-Infrastructure -Online -NoRestartCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
ホストによってエクスポートされたディレクトリーを Windows 仮想マシンにマウントします。
C:\Windows\system32\mount.exe -o anon \\192.0.2.1\usr\local\shared-files Z:
# C:\Windows\system32\mount.exe -o anon \\192.0.2.1\usr\local\shared-files Z:Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow この例では、以下が適用されます。
-
192.0.2.1: ホストの IP アドレスです。 -
/usr/local/shared-files: ホスト上のエクスポートされたディレクトリーへのファイルシステムパスです。 Z:: マウントポイントのドライブ文字です。注記システムで使用されていないドライブ文字を選択する必要があります。
-
検証
ホストと仮想マシンの間でファイルを共有できるように、仮想マシン上の共有ディレクトリーの内容をリスト表示します。
ls <mount_point> shared-file1 shared-file2 shared-file3
$ ls <mount_point> shared-file1 shared-file2 shared-file3Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow この例では、<mount_point> を、マウントされた共有ディレクトリーへのファイルシステムパスに置き換えます。
第16章 仮想マシンの保護 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
仮想マシンを使用する RHEL 8 システムの管理者は、仮想マシンのセキュリティーをできる限り確保することで、ゲストおよびホストの OS が悪意のあるソフトウェアに感染するリスクを大幅に低減します。
次のセクションでは、RHEL 9 ホスト上の 仮想マシンを保護する仕組み を概説し、仮想マシンのセキュリティーを強化する 方法のリスト を示します。
16.1. 仮想マシンでセキュリティーが機能する仕組み リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
仮想マシンを使用する場合は、複数のオペレーティングシステムを 1 台のホストマシンに格納できます。このシステムは、ハイパーバイザーを介してホストに接続しますが、通常は仮想ネットワークを介して接続します。したがって、各仮想マシンを、悪意のあるソフトウェアでホストを攻撃するベクトルとして使用できます。また、ホストも、仮想マシンを攻撃するベクトルとして使用できます。
図16.1 仮想化ホストの潜在的なマルウェア攻撃ベクトル
ハイパーバイザーは、ホストカーネルを使用して仮想マシンを管理するため、仮想マシンのオペレーティングシステムで実行しているサービスは、悪意のあるコードをホストシステムに挿入するのによく使用されます。ただし、ホストおよびゲストのシステムで 多数のセキュリティー機能 を使用して、このようなセキュリティーの脅威からシステムを保護できます。
このような SELinux や QEMU サンドボックスなどの機能は、悪意のあるコードがハイパーバイザーを攻撃し、ホストと仮想マシンとの間の転送をより困難にするさまざまな対策を提供します。
図16.2 仮想化ホストでマルウェア攻撃を阻止
仮想マシンのセキュリティーに対して RHEL 8 が提供する機能の多くは、常にアクティブで、有効または設定する必要がありません。詳細は、Automatic features for virtual machine security を参照してください。
さらに、仮想マシンおよびハイパーバイザーの脆弱性を最小限に抑えるために、さまざまなベストプラクティスを実行することもできます。詳細は、Best practices for securing virtual machines を参照してください。
16.2. 仮想マシンのセキュリティー保護に関するベストプラクティス リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
以下の手順を行うと、仮想マシンが悪意のあるコードに感染し、ホストシステムに侵入するための攻撃ベクトルとして使用されるリスクが大幅に低減します。
ゲストで以下を行います。
仮想マシンを、物理マシンと同じように保護します。セキュリティーを強化するのに使用できる方法は、ゲスト OS によって異なります。
仮想マシンで RHEL 8 を実行している場合、ゲストシステムのセキュリティーを強化する方法の詳細は、Securing Red Hat Enterprise Linux 8 を参照してください。
ホストで以下を行います。
- 仮想マシンをリモートで管理する場合は、SSH などの暗号化ユーティリティーと、SSL などのネットワークプロトコルを使用して仮想マシンに接続します。
SELinux が Enforcing モードであることを確認します。
getenforce Enforcing
# getenforce EnforcingCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow SELinux が無効または Permissive モードになっている場合は、SELinux の使用 で Enforcing モードを有効にする手順を参照してください。
注記SELinux の Enforcing モードでは、sVirt RHEL 8 機能も有効になります。これは、仮想化に使用される特別な SELinux ブール値のセットです。この値は 手動で調整 でき、仮想マシンのセキュリティーを詳細に管理できます。
SecureBoot で仮想マシンを使用します。
SecureBoot は、仮想マシンが暗号化で署名された OS を実行していることを確認する機能です。これにより、マルウェア攻撃が変更した OS の仮想マシンを起動できなくなります。
SecureBoot は、AMD64 または Intel 64 ホストで OVMF ファームウェアを使用する Linux 仮想マシンをインストールする場合にのみ適用できます。手順は、Creating a SecureBoot virtual machine を参照してください。
qemu-kvmなどのqemu-*コマンドは使用しないでください。QEMU は、RHEL 8 における仮想化アーキテクチャーの必須コンポーネントですが、手動で管理することが難しく、QEMU 設定に誤りがあるとセキュリティーの脆弱性を引き起こす可能性があります。したがって、Red Hat では、大半の
qemu-*コマンドの使用をサポートしていません。代わりに、ベストプラクティスに従って QEMU のオーケストレーションを行うため、virsh、virt-install、virt-xmlなどの libvirt ユーティリティーを使用します。ただし、仮想ディスクイメージの管理 には
qemu-imgユーティリティーがサポートされていることに注意してください。
16.3. 仮想マシンのセキュリティーの自動機能 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
Best practices for securing virtual machines に記載されている、仮想マシンのセキュリティーを向上させる手動での手段に加えて、RHEL 8 で仮想化を使用する場合は、libvirt ソフトウェアスイートにより、多くのセキュリティー機能が提供され、自動的に有効になります。これには以下が含まれます。
- システムおよびセッションの接続
RHEL 8 で仮想マシン管理に使用できるすべてのユーティリティーにアクセスするには、libvirt (
qemu:///system) のシステム接続を使用する必要があります。そのためには、システムで root 権限を持っているか、libvirt ユーザーグループの一部である必要があります。libvirt グループに属していない root 以外のユーザーは、libvirt (
qemu:///session) のセッション接続にのみアクセスできます。これは、リソースにアクセスする際に、ローカルユーザーのアクセス権限が有効である必要があります。たとえば、セッション接続を使用しても、システム接続で作成された仮想マシンや、その他のユーザーを検出したり、アクセスしたりすることはできません。また、利用可能な仮想マシンネットワーク設定オプションも大幅に制限されます。注記RHEL 8 のドキュメントでは、システムの接続特権があることを前提としています。
- 仮想マシンの分離
- 個々の仮想マシンは、ホストで孤立したプロセスとして動作し、ホストカーネルにより強制されるセキュリティーに依存します。したがって、仮想マシンは、同じホストにある他の仮想マシンのメモリーやストレージを読み取ったり、アクセスすることができません。
- QEMU サンドボックス
- QEMU コードが、ホストのセキュリティーを侵害する可能性のあるシステムコールを実行できない機能です。
- KASLR (Kernel Address Space Randomization)
- カーネルイメージをデプロイメントする物理アドレスおよび仮想アドレスをランダム化できるようにします。したがって、KASLR は、カーネルオブジェクトの場所に基づいて、ゲストのセキュリティーが悪用されるのを防ぎます。
16.4. SecureBoot の仮想マシンの作成 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
SecureBoot 機能を使用する Linux 仮想マシンを作成できます。これにより、仮想マシンで暗号で署名された OS を実行できるようになります。これは、仮想マシンのゲスト OS がマルウェアにより変更された場合に役立ちます。このようなシナリオでは、SecureBoot により仮想マシンが起動しなくなり、ホストマシンへのマルウェアの潜在的な拡散を阻止します。
前提条件
- 仮想マシンが Q35 マシンタイプである。
- ホストシステムは AMD64 または Intel 64 アーキテクチャーを使用します。
edk2-OVMFパッケージがインストールされている。yum install edk2-ovmf
# yum install edk2-ovmfCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow オペレーティングシステム (OS) のインストールソースがローカルまたはネットワークで利用できる。これには、以下のいずれかの形式を使用できます。
- インストールメディアの ISO イメージ
既存の仮想マシンインストールのディスクイメージ
警告RHEL 8 では、ホストの CD-ROM デバイスまたは DVD-ROM デバイスからインストールすることができません。RHEL 8 で利用可能な仮想マシンのインストール方法を使用する際に、インストールソースに CD-ROM または DVD-ROM を選択するとインストールに失敗します。詳細は、Red Hat ナレッジベースソリューション RHEL 7 or higher can’t install guest OS from CD/DVD-ROM を参照してください。
- 任意: インストールをより速く、簡単に設定するために、キックスタートファイルを利用できます。
手順
virt-installコマンドを使用して、コマンドラインを使用した仮想マシンの作成 で説明されているとおりに仮想マシンを作成します。--bootオプションには、uefi,nvram_template=/usr/share/OVMF/OVMF_VARS.secboot.fdを使用します。これは、OVMF_VARS.secboot.fdファイルおよびOVMF_CODE.secboot.fdファイルをテンプレートとして使用します。仮想マシンの不揮発性 RAM (NVRAM) 設定のテンプレートとして使用します。これにより、SecureBoot 機能を有効にします。以下に例を示します。
virt-install --name rhel8sb --memory 4096 --vcpus 4 --os-variant rhel8.0 --boot uefi,nvram_template=/usr/share/OVMF/OVMF_VARS.secboot.fd --disk boot_order=2,size=10 --disk boot_order=1,device=cdrom,bus=scsi,path=/images/RHEL-8.0-installation.iso
# virt-install --name rhel8sb --memory 4096 --vcpus 4 --os-variant rhel8.0 --boot uefi,nvram_template=/usr/share/OVMF/OVMF_VARS.secboot.fd --disk boot_order=2,size=10 --disk boot_order=1,device=cdrom,bus=scsi,path=/images/RHEL-8.0-installation.isoCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow - 画面の指示に従って、OS のインストール手順を進めます。
検証
- ゲスト OS がインストールされたら、グラフィカルゲストコンソール で端末を開いて仮想マシンのコマンドラインにアクセスするか、SSH を使用 してゲスト OS へ接続します。
仮想マシンで SecureBoot が有効になっていることを確認するには、
mokutil --sb-stateコマンドを使用します。mokutil --sb-state SecureBoot enabled
# mokutil --sb-state SecureBoot enabledCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
16.5. 仮想マシンユーザーが使用できるアクションの制限 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
場合によっては、RHEL 8 でホストされる仮想マシン (VM) のユーザーがデフォルトで実行できるアクションにより、セキュリティーリスクが発生する可能性があります。この場合は、ホストマシンで polkit ポリシーツールキットを使用するように libvirt デーモンを設定して、仮想マシンユーザーに利用可能なアクションを制限できます。
手順
オプション:
libvirtに関連するシステムのpolkit制御ポリシーが必要に応じて設定されていることを確認します。/usr/share/polkit-1/actions/ディレクトリーおよび/usr/share/polkit-1/rules.d/ディレクトリーにある libvirt 関連のファイルすべてを検索します。ls /usr/share/polkit-1/actions | grep libvirt ls /usr/share/polkit-1/rules.d | grep libvirt
# ls /usr/share/polkit-1/actions | grep libvirt # ls /usr/share/polkit-1/rules.d | grep libvirtCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow ファイルを開き、ルール設定を確認します。
polkit制御ポリシーの構文の読み取りに関する詳細は、man polkitを使用します。libvirt制御ポリシーを変更します。これを行うには、以下を行います。-
/etc/polkit-1/rules.d/ディレクトリーに新しい.rulesファイルを作成します。 このファイルにカスタムポリシーを追加して保存します。
libvirtコントロールポリシーの詳細および例は、アップストリームのlibvirtドキュメント を参照してください。
-
polkitで決定されるアクセスポリシーを使用するように仮想マシンを設定します。これを行うには、
/etc/libvirt/libvirtd.confファイルのaccess_drivers = [ "polkit" ]行のコメントを外します。sed -i 's/#access_drivers = \[ "polkit" \]/access_drivers = \[ "polkit" \]/' /etc/libvirt/libvirtd.conf
# sed -i 's/#access_drivers = \[ "polkit" \]/access_drivers = \[ "polkit" \]/' /etc/libvirt/libvirtd.confCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow libvirtdサービスを再起動します。systemctl restart libvirtd
# systemctl restart libvirtdCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
検証
VM アクションを制限する予定だったユーザーとして、制限されたアクションの 1 つを実行します。
たとえば、特権のないユーザーがシステムセッションで作成された VM の表示を制限されている場合は、以下を実行します。
virsh -c qemu:///system list --all Id Name State -------------------------------
$ virsh -c qemu:///system list --all Id Name State -------------------------------Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow お使いのシステムに 1 つ以上の仮想マシンが存在していても、このコマンドで仮想マシンがリスト表示されない場合は、
polkitは特権のないユーザーのアクションを正常に制限します。
トラブルシューティング
現在、
polkitを使用するようにlibvirtを設定すると、libvirt-dbusサービスとの互換性がないため、RHEL 8 Web コンソールを使用 する VM に接続できなくなります。Web コンソールで仮想マシンのきめ細かいアクセス制御が必要な場合は、カスタム D-Bus ポリシーを作成します。詳細は、Red Hat ナレッジベースソリューション How to configure fine-grained control of Virtual Machines in Cockpit を参照してください。
16.6. VNC パスワードの設定 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
仮想マシン (VM) のグラフィカル出力へのアクセスを管理するには、仮想マシンの VNC コンソールのパスワードを設定できます。
仮想マシンに VNC パスワードが設定されている場合、仮想マシンのユーザーは、たとえば virt-viewer ユーティリティーを使用して仮想マシンの VNC グラフィカルコンソールを表示したり操作したりするときに、パスワードを入力する必要があります。
VNC パスワードは、仮想マシン環境のセキュリティーを確保するのに十分な手段ではありません。詳細は、VNC セキュリティーに関する QEMU のドキュメント を参照してください。
また、VNC パスワードは、仮想マシンの設定にプレーンテキストで保存されます。そのため、パスワードを有効にする場合は、ユーザーが仮想マシン設定を表示できないようにする必要があります。
前提条件
VNC パスワードで保護する仮想マシンに VNC グラフィックスが設定されている。
これが当てはまるかどうかを確認するには、次のように
virsh dumpxmlコマンドを使用します。virsh dumpxml <vm-name> | grep graphics <graphics type='vnc' ports='-1' autoport=yes listen=127.0.0.1> </graphics>
# virsh dumpxml <vm-name> | grep graphics <graphics type='vnc' ports='-1' autoport=yes listen=127.0.0.1> </graphics>Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
手順
VNC パスワードを割り当てる仮想マシンの設定を開きます。
virsh edit <vm-name>
# virsh edit <vm-name>Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 設定の
<graphics>行に、passwd属性とパスワード文字列を追加します。パスワードは 8 文字以下にする必要があります。<graphics type='vnc' ports='-1' autoport=yes listen=127.0.0.1 passwd='<password>'>
<graphics type='vnc' ports='-1' autoport=yes listen=127.0.0.1 passwd='<password>'>Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow オプション: さらに、パスワードの有効期限が切れる日時を定義します。
<graphics type='vnc' ports='-1' autoport=yes listen=127.0.0.1 passwd='<password>' passwdValidTo='2025-02-01T15:30:00'>
<graphics type='vnc' ports='-1' autoport=yes listen=127.0.0.1 passwd='<password>' passwdValidTo='2025-02-01T15:30:00'>Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow この例では、パスワードは 2025 年 2 月 1 日 15:30 UTC に期限切れになります。
- 設定を保存します。
検証
変更した仮想マシンを起動します。
virsh start <vm-name>
# virsh start <vm-name>Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow たとえば、
virt-viewerユーティリティーを使用して、仮想マシンのグラフィカルコンソールを開きます。virt-viewer <vm-name>
# virt-viewer <vm-name>Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow VNC パスワードが正しく設定されている場合は、パスワードの入力を要求するダイアログウィンドウが表示されます。
16.7. 仮想化用の SELinux ブール値 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
RHEL 9 は、SELinux が Enforcing モードのホストで自動的に有効になる特殊な SELinux ブール値のセットである sVirt 機能を提供します。
RHEL 8 システムにおける仮想マシンのセキュリティーの詳細な設定には、ハイパーバイザーが特定の方法で機能するように、ホストで SELinux のブール値を設定できます。
仮想化関連のブール値とそのステータスのリストを表示するには、getsebool -a | grep virt コマンドを実行します。
特定のブール値を有効にするには、root で setsebool -P boolean_name on コマンドを実行します。ブール値を無効にするには、setsebool -P boolean_name off を使用します。
以下の表は、RHEL 8 で利用可能な仮想化関連のブール値と、その値が有効な場合の動作を示しています。
| SELinux のブール値 | 説明 |
|---|---|
| staff_use_svirt | 非 root ユーザーが仮想マシンを作成して、sVirt に移行できるようになります。 |
| unprivuser_use_svirt | 非特権ユーザーが仮想マシンを作成して、sVirt に移行できるようになります。 |
| virt_sandbox_use_audit | サンドボックスコンテナーが監査メッセージを送信できるようになります。 |
| virt_sandbox_use_netlink | サンドボックスコンテナーでネットリンクシステム呼び出しが使用できるようになります。 |
| virt_sandbox_use_sys_admin | サンドボックスコンテナーで sys_admin システム呼び出し (mount 等) が使用できるようになります。 |
| virt_transition_userdomain | 仮想プロセスをユーザードメインとして実行できるようになります。 |
| virt_use_comm | virt でシリアルおよびパラレルの通信ポートが使用できるようになります。 |
| virt_use_execmem | 制限された仮想ゲストが実行可能メモリーおよび実行可能スタックを使用できるようになります。 |
| virt_use_fusefs | FUSE がマウントしたファイルを virt が読み取りできるようになります。 |
| virt_use_nfs | NFS がマウントしたファイルを virt が管理できるようになります。 |
| virt_use_rawip | virt で rawip ソケットとの通信ができるようになります。 |
| virt_use_samba | CIFS がマウントしたファイルを virt が管理できるようになります。 |
| virt_use_sanlock | 制限された仮想ゲストが sanlock と相互作用できるようになります。 |
| virt_use_usb | virt で USB デバイスが使用できるようになります。 |
| virt_use_xserver | 仮想マシンで X Window System と相互作用できるようになります。 |
16.8. IBM Z での IBM Secure Execution の設定 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
IBM Z ハードウェアを使用して RHEL 9 ホストを実行する場合は、仮想マシン (VM) の IBM Secure Execution 機能を設定して、仮想マシンのセキュリティーを強化できます。
IBM Secure Execution (Protected Virtualization とも呼ばれる) は、ホストシステムが仮想マシンの状態とメモリーのコンテンツにアクセスできないようにします。その結果、ホストが危険にさらされても、ゲストオペレーティングシステムを攻撃するベクトルとして使用できません。さらに、セキュア実行を使用して、信頼できないホストが仮想マシンから機密情報を取得しないようにすることもできます。
IBM Secure Execution を有効にすることで、IBM Z ホスト上の既存の仮想マシンを安全な仮想マシンに変換できます。
実稼働環境を保護するには、ワークロードをさらに保護する方法を説明している Secure Execution を使用したワークロードの完全な保護に関する IBM ドキュメント を参照してください。
前提条件
システムハードウェアに以下のいずれかを使用している。
- IBM z15 以降
- IBM LinuxONE III 以降
Secure Execution 機能がお使いのシステムで有効になっている。確認するには、次のコマンドを実行します。
grep facilities /proc/cpuinfo | grep 158
# grep facilities /proc/cpuinfo | grep 158Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow このコマンドで出力が表示された場合には、お使いの CPU は Secure Execution と互換性があります。
カーネルに Secure Execution のサポートが含まれている。これを確認するには、次のコマンドを実行します。
ls /sys/firmware | grep uv
# ls /sys/firmware | grep uvCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow このコマンドで出力が表示された場合には、カーネルで Secure Execution がサポートされています。
ホストの CPU モデルに
unpack機能が含まれている。これを確認するには、次のコマンドを実行します。virsh domcapabilities | grep unpack <feature policy='require' name='unpack'/>
# virsh domcapabilities | grep unpack <feature policy='require' name='unpack'/>Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow このコマンドで上記の出力が表示された場合には、お使いの CPU ホストモデルは Secure Execution と互換性があります。
仮想マシンの CPU モードが
host-modelに設定されている。virsh dumpxml <vm_name> | grep "<cpu mode='host-model'/>"
# virsh dumpxml <vm_name> | grep "<cpu mode='host-model'/>"Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow このコマンドで出力が表示された場合には、仮想マシンの CPU モデルは正しく設定されています。
ホストから直接仮想マシンイメージを変更する場合に備えて、
guestfs-toolsパッケージがホストにインストールされています。yum install guestfs-tools
# yum install guestfs-toolsCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow - IBM Z のホストキーのドキュメントを取得および確認している。詳細は、IBM ドキュメントの Verifying the host key document を参照してください。
手順
お使いのホスト で、以下の手順を実行します。
ホストのブート設定に
prot_virt=1カーネルパラメーターを追加します。grubby --update-kernel=ALL --args="prot_virt=1"
# grubby --update-kernel=ALL --args="prot_virt=1"Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow ブートメニューを更新します。
# zipl
-
virsh editを使用して、セキュリティー保護する仮想マシンの XML 設定を変更します。 <launchSecurity type="s390-pv"/>を</devices>行の下に追加します。以下に例を示します。[...] </memballoon> </devices> <launchSecurity type="s390-pv"/> </domain>[...] </memballoon> </devices> <launchSecurity type="s390-pv"/> </domain>Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow -
設定の
<devices>セクションにvirtio-rngデバイス (<rng model="virtio">) が含まれている場合は、<rng> </rng>ブロックのすべての行を削除します。
以下のいずれかのセクションの手順に進みます。ゲストにログインして、Secure Execution 用に手動で設定するか、スクリプトおよび guestfs-tools を使用してホストから直接ゲストイメージを設定できます。
Secure Execution の仮想マシンの手動設定
セキュリティーを保護する仮想マシンの ゲストオペレーティングシステム で、以下の手順を実行します。
パラメーターファイルを作成します。以下に例を示します。
touch ~/secure-parameters
# touch ~/secure-parametersCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow /boot/loader/entriesディレクトリーで、最新バージョンのブートローダーエントリーを特定します。ls /boot/loader/entries -l [...] -rw-r--r--. 1 root root 281 Oct 9 15:51 3ab27a195c2849429927b00679db15c1-4.18.0-240.el8.s390x.conf
# ls /boot/loader/entries -l [...] -rw-r--r--. 1 root root 281 Oct 9 15:51 3ab27a195c2849429927b00679db15c1-4.18.0-240.el8.s390x.confCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow ブートローダーエントリーからカーネルオプションの行を取得します。
cat /boot/loader/entries/3ab27a195c2849429927b00679db15c1-4.18.0-240.el8.s390x.conf | grep options options root=/dev/mapper/rhel-root crashkernel=auto rd.lvm.lv=rhel/root rd.lvm.lv=rhel/swap
# cat /boot/loader/entries/3ab27a195c2849429927b00679db15c1-4.18.0-240.el8.s390x.conf | grep options options root=/dev/mapper/rhel-root crashkernel=auto rd.lvm.lv=rhel/root rd.lvm.lv=rhel/swapCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow オプションの行の内容と
swiotlb=262144を作成したパラメーターのファイルに追加します。echo "root=/dev/mapper/rhel-root crashkernel=auto rd.lvm.lv=rhel/root rd.lvm.lv=rhel/swap swiotlb=262144" > ~/secure-parameters
# echo "root=/dev/mapper/rhel-root crashkernel=auto rd.lvm.lv=rhel/root rd.lvm.lv=rhel/swap swiotlb=262144" > ~/secure-parametersCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 新しい IBM Secure Execution イメージを生成します。
たとえば、以下は
secure-parametersファイル、/boot/initramfs-4.18.0-240.el8.s390x.img初期 RAM ディスクファイル、およびHKD-8651-000201C048.crtホストキードキュメントを使用して、/boot/vmlinuz-4.18.0-240.el8.s390xイメージをもとに、セキュアなイメージ (/boot/secure-image) を作成します。genprotimg -i /boot/vmlinuz-4.18.0-240.el8.s390x -r /boot/initramfs-4.18.0-240.el8.s390x.img -p ~/secure-parameters -k HKD-8651-00020089A8.crt -o /boot/secure-image
# genprotimg -i /boot/vmlinuz-4.18.0-240.el8.s390x -r /boot/initramfs-4.18.0-240.el8.s390x.img -p ~/secure-parameters -k HKD-8651-00020089A8.crt -o /boot/secure-imageCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow genprotimgユーティリティーを使用すると、カーネルパラメーター、初期 RAM ディスク、ブートイメージを含む、セキュアなイメージが作成されます。仮想マシンのブートメニューを更新して、セキュアなイメージから起動します。さらに、
initrdおよびオプションで始まる行は必要ないので削除します。たとえば、RHEL 8.3 仮想マシンでは、
/boot/loader/entries/ディレクトリーでブートメニューの編集が可能です。cat /boot/loader/entries/3ab27a195c2849429927b00679db15c1-4.18.0-240.el8.s390x.conf title Red Hat Enterprise Linux 8.3 version 4.18.0-240.el8.s390x linux /boot/secure-image [...]
# cat /boot/loader/entries/3ab27a195c2849429927b00679db15c1-4.18.0-240.el8.s390x.conf title Red Hat Enterprise Linux 8.3 version 4.18.0-240.el8.s390x linux /boot/secure-image [...]Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow ブート可能なディスクイメージの作成
zipl -V
# zipl -VCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 保護されていない元のファイルを安全に削除します。以下に例を示します。
shred /boot/vmlinuz-4.18.0-240.el8.s390x shred /boot/initramfs-4.18.0-240.el8.s390x.img shred secure-parameters
# shred /boot/vmlinuz-4.18.0-240.el8.s390x # shred /boot/initramfs-4.18.0-240.el8.s390x.img # shred secure-parametersCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 元のブートイメージ、初期 RAM イメージ、およびカーネルパラメーターファイルは保護されていません。削除しない場合には、Secure Execution が有効になっている仮想マシンで、ハッキングまたは機密データマイニングの攻撃を受ける可能性があります。
ホストから直接 Secure Execution の仮想マシンを設定する
guestfs-tools を使用して、手動で起動せずに既存のイメージを変更できます。ただし、以下の例はテスト環境および開発環境でのみ使用してください。実稼働環境を保護するには、Secure Execution を使用したワークロードの完全な保護に関する IBM ドキュメント を参照してください。
ホストで 以下の手順を実行します。
ホストキードキュメントを含むスクリプトと、Secure Execution を使用するように既存の仮想マシンを設定するスクリプトを作成します。以下に例を示します。
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow - 仮想マシンがシャットダウンしていることを確認します。
guestfs-toolsを使用して既存の仮想マシンイメージにスクリプトを追加し、最初の起動時に実行 するようにマークします。virt-customize -a <vm_image_path> --selinux-relabel --firstboot <script_path>
# virt-customize -a <vm_image_path> --selinux-relabel --firstboot <script_path>Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 追加したスクリプトを使用して、イメージから仮想マシンを起動します。
スクリプトは初回起動時に実行され、続いて仮想マシンを再度シャットダウンします。その結果、仮想マシンは、対応するホストキーを持つホスト上の Secure Execution で実行するように設定されます。
検証
ホストで、
virsh dumpxmlユーティリティーを使用して、セキュアな仮想マシンの XML 設定を確認します。設定には<launchSecurity type="s390-pv"/>要素を含み、<rng model="virtio"> 行は使用しないでください。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
16.9. IBM Z 上の仮想マシンへの暗号化コプロセッサーの割り当て リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
IBM Z ホストの仮想マシンでハードウェア暗号化を使用するには、暗号化プロセッサーデバイスから仲介デバイスを作成して目的の仮想マシンに割り当てます。詳細な手順は、以下を参照してください。
前提条件
- お使いのホストを IBM Z ハードウェアで実行している。
暗号化コプロセッサーは、デバイスの割り当てと互換性があります。これを確認するには、コプロセッサーの
タイプがCEX4以降として表示されているかをチェックします。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow vfio_apカーネルモジュールが読み込まれている。確認するには、次のコマンドを実行します。lsmod | grep vfio_ap vfio_ap 24576 0 [...]
# lsmod | grep vfio_ap vfio_ap 24576 0 [...]Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow モジュールを読み込むには、以下を使用します。
modprobe vfio_ap
# modprobe vfio_apCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow s390utilsバージョンはap処理をサポートしています。lszdev --list-types ... ap Cryptographic Adjunct Processor (AP) device ...
# lszdev --list-types ... ap Cryptographic Adjunct Processor (AP) device ...Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
手順
仮想マシンに割り当てるデバイスの 10 進数値を取得します。たとえば、デバイス
05.0004および05.00abの場合は以下のようになります。echo "obase=10; ibase=16; 04" | bc 4 echo "obase=10; ibase=16; AB" | bc 171
# echo "obase=10; ibase=16; 04" | bc 4 # echo "obase=10; ibase=16; AB" | bc 171Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow ホストで、デバイスを
vfio-apドライバーに再割り当てします。chzdev -t ap apmask=-5 aqmask=-4,-171
# chzdev -t ap apmask=-5 aqmask=-4,-171Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 注記デバイスを永続的に割り当てるには、
-pフラグを使用します。暗号化デバイスが正しく再割り当てされていることを確認します。
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow ドメインキューの DRIVER の値が
vfio_apに変更されると、再割り当ては成功します。新しい仲介デバイスを定義する XML スニペットを作成します。
以下の例では、永続的な仲介デバイスを定義してそのデバイスにキューを割り当てます。具体的には、この例の
vfio_ap.xmlXML スニペットは、ドメインアダプター0x05、ドメインキュー0x0004および0x00ab、および制御ドメイン0x00abを仲介デバイスに割り当てます。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow vfio_ap.xmlXML スニペットから新しい仲介デバイスを作成します。virsh nodedev-define vfio_ap.xml Node device 'mdev_8f9c4a73_1411_48d2_895d_34db9ac18f85_matrix' defined from 'vfio_ap.xml'
# virsh nodedev-define vfio_ap.xml Node device 'mdev_8f9c4a73_1411_48d2_895d_34db9ac18f85_matrix' defined from 'vfio_ap.xml'Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 前の手順で作成した仲介デバイス (この場合は
mdev_8f9c4a73_1411_48d2_895d_34db9ac18f85_matrix) を起動します。virsh nodedev-start mdev_8f9c4a73_1411_48d2_895d_34db9ac18f85_matrix Device mdev_8f9c4a73_1411_48d2_895d_34db9ac18f85_matrix started
# virsh nodedev-start mdev_8f9c4a73_1411_48d2_895d_34db9ac18f85_matrix Device mdev_8f9c4a73_1411_48d2_895d_34db9ac18f85_matrix startedCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 設定が正しく適用されたことを確認します。
cat /sys/devices/vfio_ap/matrix/mdev_supported_types/vfio_ap-passthrough/devices/669d9b23-fe1b-4ecb-be08-a2fabca99b71/matrix 05.0004 05.00ab
# cat /sys/devices/vfio_ap/matrix/mdev_supported_types/vfio_ap-passthrough/devices/669d9b23-fe1b-4ecb-be08-a2fabca99b71/matrix 05.0004 05.00abCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 出力に
vfio-apに割り当てられたキューの数値が含まれる場合には、プロセスは成功です。仲介デバイスを仮想マシンに接続します。
作成した仲介デバイスの UUID を表示し、次の手順のために保存します。
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 暗号化カード仲介デバイスの XML ファイルを作成して開きます。以下に例を示します。
vim crypto-dev.xml
# vim crypto-dev.xmlCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 以下の行をファイルに追加して保存します。
uuid値は、手順 a で取得した UUID に置き換えます。<hostdev mode='subsystem' type='mdev' managed='no' model='vfio-ap'> <source> <address uuid='8f9c4a73-1411-48d2-895d-34db9ac18f85'/> </source> </hostdev><hostdev mode='subsystem' type='mdev' managed='no' model='vfio-ap'> <source> <address uuid='8f9c4a73-1411-48d2-895d-34db9ac18f85'/> </source> </hostdev>Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow XML ファイルを使用して、仲介デバイスを仮想マシンに接続します。たとえば、
crypto-dev.xmlファイルで定義されたデバイスを、実行中のtestguest1仮想マシンに永続的に接続するには、次のコマンドを実行します。virsh attach-device testguest1 crypto-dev.xml --live --config
# virsh attach-device testguest1 crypto-dev.xml --live --configCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow --liveオプションは、実行中の仮想マシンにのみデバイスを接続します。再起動後に永続性は維持されません。--configオプションは、設定の変更を永続化します。--configオプションのみを使用すると、デバイスをシャットダウンした仮想マシンに接続できます。各 UUID は、一度に 1 つの仮想マシンにしか割り当てることができないのでご注意ください。
検証
ゲストオペレーティングシステムが、割り当てられた暗号化デバイスを検出していることを確認します。
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow ゲストオペレーティングシステムでのこのコマンドの出力は、利用可能な暗号化コプロセッサーデバイスが同じホストの論理パーティションで表示される出力と同じです。
ゲストオペレーティングシステムで、制御ドメインが暗号化デバイスに正常に割り当てられていることを確認します。
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow lszcrypt -d Cで暗号化デバイスマトリックスにUとBの交差が表示された場合、制御ドメインの割り当ては成功しています。
16.10. Windows 仮想マシンでの標準ハードウェアセキュリティーの有効化 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
Windows 仮想マシンを保護するには、Windows デバイスの標準ハードウェア機能を使用して基本的なレベルのセキュリティーを有効にします。
前提条件
- 最新の WHQL 認定 VirtIO ドライバーがインストールされている。
- 仮想マシンのファームウェアが UEFI ブートに対応している。
edk2-OVMFパッケージをホストマシンにインストールしている。{PackageManagerCommand} install edk2-ovmf# {PackageManagerCommand} install edk2-ovmfCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow ホストマシンに
vTPMパッケージをインストールしている。{PackageManagerCommand} install swtpm libtpms# {PackageManagerCommand} install swtpm libtpmsCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow - 仮想マシンが Q35 マシンアーキテクチャーを使用している。
- Windows インストールメディアを使用している。
手順
TPM 2.0 を有効にするには、仮想マシンの XML 設定の
<devices>セクションに以下のパラメーターを追加します。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow - UEFI モードで Windows をインストールします。詳細は、SecureBoot の仮想マシンの作成 を参照してください。
- Windows 仮想マシンに VirtIO ドライバーをインストールします。詳細は、Windows ゲストへの virtio ドライバーのインストール を参照してください。
- UEFI でセキュアブートを有効にします。詳細は、セキュアブート を参照してください。
検証
Windows マシンの デバイスのセキュリティー ページに、以下のメッセージが表示されていることを確認します。
Settings > Update & Security > Windows Security > Device Security
Your device meets the requirements for standard hardware security.
Your device meets the requirements for standard hardware security.Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
第17章 仮想マシンのパフォーマンスの最適化 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
仮想マシンでは、ホストと比べて、パフォーマンス低下が常に見られます。以下のセクションでは、この低下の理由を説明します。また、ハードウェアのインフラストラクチャーリソースを可能な限り効率的に使用できるように、RHEL 8 での仮想化によるパフォーマンスへの影響を最小限に抑える方法を説明します。
17.1. 仮想マシンのパフォーマンスに影響を及ぼすもの リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
仮想マシンは、ホストのユーザー空間プロセスとして実行します。したがって、ハイパーバイザーは、仮想マシンがホストシステムのリソースを使用できるように、ホストのシステムリソースを変換する必要があります。したがって、変換によりリソースの一部が消費されるため、仮想マシンのパフォーマンス効率は、ホストと同じにはなりません。
システムパフォーマンスにおける仮想化の影響
仮想マシンのパフォーマンス低下の理由には、以下のようなものがあります。
- 仮想 CPU (vCPU) がホスト上のスレッドとして実装され、Linux スケジューラーで処理される。
- 仮想マシンは、ホストカーネルから NUMA や Huge Page などの最適化機能を自動的に継承しない。
- ホストのディスクおよびネットワーク I/O の設定が、仮想マシンのパフォーマンスに大きく影響する可能性がある。
- ネットワークトラフィックは、一般的に、ソフトウェアベースのブリッジから仮想マシンに流れる。
- ホストデバイスとそのモデルによっては、その特定のハードウェアのエミュレーションにより、オーバーヘッドが著しくなる可能性がある。
仮想化が仮想マシンのパフォーマンスに与える影響の重大度は、次のようなさまざまな要因の影響を受けます。
- 同時に実行している仮想マシンの数
- 各仮想マシンで使用される仮想デバイスのサイズ
- 仮想マシンが使用するデバイスの種類
仮想マシンのパフォーマンス損失を減らす
RHEL 8 は、仮想化のパフォーマンスへの悪影響を減らすのに使用できる多くの機能を提供します。以下に例を示します。
-
TuneDサービス により、仮想マシンのリソース配分とパフォーマンスを自動的に最適化できます。 - ブロック I/O チューニング により、ディスクなどの仮想マシンのブロックデバイスのパフォーマンスを改善できます。
- NUMA のチューニング により、vCPU のパフォーマンスを向上できます。
- 仮想ネットワーク をさまざまな方法で最適化できます。
仮想マシンのパフォーマンスのチューニングは、その他の仮想化機能に悪影響を与える可能性があります。たとえば、変更した仮想マシンの移行がより困難になります。
17.2. TuneD を使用した仮想マシンのパフォーマンスの最適化 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
TuneD ユーティリティーは、CPU 集中型タスクや、ストレージネットワークスループットの応答などの特定のワークロードの特性に対して RHEL を調整するプロファイル配信メカニズムです。これにより、特定のユースケースで、パフォーマンスを強化し、電力消費を減らすように事前設定されたチューニングプロファイルを多数利用できます。これらのプロファイルを編集するか、新規プロファイルを作成して、仮想化環境に適したパフォーマンスソリューション (仮想化環境を含む) を作成できます。
RHEL 8 を仮想化に最適化するには、次のプロファイルを使用します。
-
RHEL 8 仮想マシンの場合は、virtual-guest プロファイルを使用します。これは、一般的に適用された
throughput-performanceプロファイルをベースにしていますが、仮想メモリーのスワップは減少します。 - RHEL 8 仮想ホストの場合は、virtual-host プロファイルを使用します。これにより、ダーティーメモリーページのより集中的なライトバックが有効になり、ホストのパフォーマンスを活用できます。
前提条件
-
TuneDサービスがインストールされており、有効になっている。
手順
特定の TuneD プロファイルを有効にするには、以下を実行します。
利用可能な
TuneDプロファイルをリスト表示します。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow オプション: 新しい
TuneDプロファイルを作成するか、既存のTuneDプロファイルを編集します。詳しくは、TuneD プロファイルのカスタマイズ を参照してください。
TuneDプロファイルをアクティベートします。tuned-adm profile selected-profile
# tuned-adm profile selected-profileCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 仮想化ホストを最適化するには、virtual-host プロファイルを使用します。
tuned-adm profile virtual-host
# tuned-adm profile virtual-hostCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow RHEL ゲストオペレーティングシステムで、virtual-guest プロファイルを使用します。
tuned-adm profile virtual-guest
# tuned-adm profile virtual-guestCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
検証
TuneDのアクティブなプロファイルを表示します。tuned-adm active Current active profile: virtual-host
# tuned-adm active Current active profile: virtual-hostCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow TuneDプロファイル設定がシステムに適用されていることを確認します。tuned-adm verify Verification succeeded, current system settings match the preset profile. See tuned log file ('/var/log/tuned/tuned.log') for details.# tuned-adm verify Verification succeeded, current system settings match the preset profile. See tuned log file ('/var/log/tuned/tuned.log') for details.Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
17.3. 特定のワークロードに合わせた仮想マシンのパフォーマンスの最適化 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
仮想マシン (VM) は、多くの場合、特定のワークロードを実行するために専用に使用されます。目的のワークロードに合わせて仮想マシンの設定を最適化することで、仮想マシンのパフォーマンスを向上させることができます。
| ユースケース | IOThread | 仮想 CPU ピニング | vNUMA ピニング | huge page | multi-queue |
|---|---|---|---|---|---|
| データベース | データベースディスク用 | はい* | はい* | はい* | はい (multi-queue virtio-blk、virtio-scsi を参照) |
| 仮想ネットワーク機能 (VNF) | なし | はい | はい | はい | はい (multi-queue virtio-net を参照) |
| ハイパフォーマンスコンピューティング (HPC) | なし | はい | はい | はい | なし |
| バックアップサーバー | バックアップディスク用 | なし | なし | なし | はい (multi-queue virtio-blk、virtio-scsi を参照) |
| 多数の CPU を搭載した仮想マシン (通常 32 個以上) | なし | はい* | はい* | なし | なし |
| 大容量 RAM を搭載した仮想マシン (通常 128 GB 以上) | なし | なし | はい* | はい | なし |
* 仮想マシンに複数の NUMA ノードを使用するのに十分な CPU と RAM がある場合。
仮想マシンは、複数のカテゴリーのユースケースに適合できます。そのような状況では、推奨される設定をすべて適用する必要があります。
17.4. 仮想マシンのメモリーの設定 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
仮想マシンのパフォーマンスを改善するために、追加のホスト RAM を仮想マシンに割り当てることができます。同様に、仮想マシンに割り当てるメモリー量を減らして、ホストメモリーを他の仮想マシンやタスクに割り当てることができます。
これらの操作を実行するには、Web コンソール または コマンドライン を使用します。
17.4.1. メモリーのオーバーコミットメント リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
KVM ハイパーバイザー上で実行される仮想マシン (VM) には、専用の物理 RAM ブロックが割り当てられません。代わりに、各仮想マシンが Linux プロセスとして機能し、要求された場合にのみホストの Linux カーネルがメモリーを割り当てます。また、ホストのメモリーマネージャーが、仮想マシンのメモリーを独自の物理メモリーとスワップ領域間で移動できます。メモリーオーバーコミットが有効な場合、仮想マシンによって要求された量よりも少ない物理メモリーを割り当てることをカーネルが決定できます。これは、要求されたメモリー量が仮想マシンのプロセスによって完全に使用されないことが多いためです。
デフォルトでは、Linux カーネルでメモリーオーバーコミットが有効になっており、カーネルは仮想マシンの要求に対して安全なメモリーオーバーコミット量を推定します。ただし、メモリーを大量に消費するワークロードでは、オーバーコミットが頻繁に発生するため、システムが不安定になる可能性があります。
メモリーのオーバーコミットを行うには、すべての仮想マシンを収容するためにホスト物理マシンに十分なスワップ領域を割り当てるとともに、ホスト物理マシンのプロセスに十分なメモリーを割り当てる必要があります。推奨される基本的なスワップ領域のサイズについては、What is the recommended swap size for Red Hat platforms? を参照してください。
ホストのメモリー不足に対処するには、次の方法を推奨します。
- 仮想マシンごとに割り当てるメモリーを減らします。
- ホストに物理メモリーを追加します。
- より大きなスワップ領域を使用します。
仮想マシンは頻繁にスワップされると実行速度が低下します。また、オーバーコミットによりシステムのメモリーが不足 (OOM) する可能性があります。これにより、Linux カーネルが重要なシステムプロセスをシャットダウンする可能性があります。
メモリーのオーバーコミットは、デバイスの割り当てでは対応していません。これは、デバイスの割り当てが使用中の場合に、割り当てられたデバイスでダイレクトメモリーアクセス (DMA) を有効にするには、仮想マシンのすべてのメモリーを静的に事前に割り当てる必要があるためです。
17.4.2. Web コンソールを使用した仮想マシンのメモリーの追加および削除 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
仮想マシンのパフォーマンスを向上させるか、仮想マシンが使用するホストリソースを解放するために、Web コンソールを使用して、仮想マシンに割り当てられたメモリーの量を調整できます。
前提条件
- RHEL 8 Web コンソールがインストールされている。
- cockpit サービスが有効になっている。
ユーザーアカウントが Web コンソールにログインできる。
手順は、Web コンソールのインストールおよび有効化 を参照してください。
ゲスト OS がメモリーバルーンドライバーを実行している。これを確認するには、以下を実行します。
仮想マシンの設定に
memballoonデバイスが含まれていることを確認します。virsh dumpxml testguest | grep memballoon <memballoon model='virtio'> </memballoon># virsh dumpxml testguest | grep memballoon <memballoon model='virtio'> </memballoon>Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow このコマンドで出力が表示され、モデルが
noneに設定されていない場合は、memballoonデバイスが存在します。バルーンドライバーがゲスト OS で実行していることを確認します。
-
Windows ゲストでは、ドライバーは
virtio-winドライバーパッケージの一部としてインストールされます。手順は、Installing KVM paravirtualized drivers for Windows virtual machines を参照してください。 -
Linux ゲストでは、通常、このドライバーはデフォルトで含まれており、
memballoonデバイスがあれば、アクティベートされます。
-
Windows ゲストでは、ドライバーは
- Web コンソールの仮想マシンプラグインが システムにインストールされている。
手順
オプション: 仮想マシンの最大メモリーと現在使用されているメモリーに関する情報を取得します。これは、変更のベースラインとしても、検証のためにも機能します。
virsh dominfo testguest Max memory: 2097152 KiB Used memory: 2097152 KiB
# virsh dominfo testguest Max memory: 2097152 KiB Used memory: 2097152 KiBCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
RHEL 8 Web コンソールにログインします。
詳細は、Web コンソールへのログイン を参照してください。
インターフェイスで、情報を表示する仮想マシンを選択します。
新しいページが開き、選択した仮想マシンに関する基本情報を含む Overview セクションと、仮想マシンのグラフィカルインターフェイスにアクセスするための Console セクションが表示されます。
概要ペインで、
Memory行の横にある をクリックします。メモリー調整ダイアログが表示されます。選択した仮想マシンの仮想メモリーを設定します。
最大割り当て: 仮想マシンがそのプロセスに使用できるホストメモリーの最大量を設定します。VM の作成時に最大メモリーを指定することも、後で増やすこともできます。メモリーは、MiB または GiB の倍数で指定できます。
仮想マシンをシャットダウンしてからでないと、最大メモリー割り当てを調整できません。
現在の割り当て - 仮想マシンに割り当てる実際のメモリー量を設定します。この値は、最大割り当てより小さい値にすることができますが、上限を超えることはできません。値を調整して、仮想マシンで利用可能なメモリーをプロセス用に調整できます。メモリーは、MiB または GiB の倍数で指定できます。
この値を指定しない場合、デフォルトの割り当ては最大割り当て の値になります。
をクリックします。
仮想マシンのメモリー割り当てが調整されます。
17.4.3. コマンドラインを使用した仮想マシンのメモリーの追加と削除 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
仮想マシン (仮想マシン) のパフォーマンスを向上させるか、使用しているホストリソースを解放するには、CLI を使用して、memballoon デバイスによって仮想マシンに割り当てられたメモリーの量を調整できます。
前提条件
ゲスト OS がメモリーバルーンドライバーを実行している。これを確認するには、以下を実行します。
仮想マシンの設定に
memballoonデバイスが含まれていることを確認します。virsh dumpxml testguest | grep memballoon <memballoon model='virtio'> </memballoon># virsh dumpxml testguest | grep memballoon <memballoon model='virtio'> </memballoon>Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow このコマンドで出力が表示され、モデルが
noneに設定されていない場合は、memballoonデバイスが存在します。ballon ドライバーがゲスト OS で実行されていることを確認します。
-
Windows ゲストでは、ドライバーは
virtio-winドライバーパッケージの一部としてインストールされます。手順は、Installing KVM paravirtualized drivers for Windows virtual machines を参照してください。 -
Linux ゲストでは、通常、このドライバーはデフォルトで含まれており、
memballoonデバイスがあれば、アクティベートされます。
-
Windows ゲストでは、ドライバーは
手順
オプション: 仮想マシンの最大メモリーと現在使用されているメモリーに関する情報を取得します。これは、変更のベースラインとしても、検証のためにも機能します。
virsh dominfo testguest Max memory: 2097152 KiB Used memory: 2097152 KiB
# virsh dominfo testguest Max memory: 2097152 KiB Used memory: 2097152 KiBCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 仮想マシンに割り当てる最大メモリーを調整します。この値を増やすと、仮想マシンのパフォーマンスが低下する可能性が向上し、値を減らすことで、仮想マシンがホスト上にあるパフォーマンスフットプリントが低減します。この変更は、停止している仮想マシンでのみ実行できるため、実行中の仮想マシンを調整するには再起動する必要があります。
たとえば、仮想マシン testguest が使用可能な最大メモリーを 4096 MiB に変更するには、次のコマンドを実行します。
virt-xml testguest --edit --memory memory=4096,currentMemory=4096 Domain 'testguest' defined successfully. Changes will take effect after the domain is fully powered off.
# virt-xml testguest --edit --memory memory=4096,currentMemory=4096 Domain 'testguest' defined successfully. Changes will take effect after the domain is fully powered off.Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 実行中の仮想マシンの最大メモリーを増やすには、仮想マシンにメモリーデバイスを割り当てます。これは、メモリーのホットプラグとも呼ばれます。詳細は、デバイスの仮想マシンへの接続 を参照してください。
警告実行中の仮想マシン (メモリーのホットアンプラグとも呼ばれる) から、メモリーデバイスを削除することはサポートされておらず、Red Hat では推奨していません。
オプション: 仮想マシンで現在使用されているメモリーを最大割り当て量まで調整することもできます。これにより、仮想マシンの最大割り当てを変更せずに、仮想マシンが次回の再起動までホスト上にあるメモリー負荷が調整されます。
virsh setmem testguest --current 2048
# virsh setmem testguest --current 2048Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
検証
仮想マシンが使用するメモリーが更新されていることを確認します。
virsh dominfo testguest Max memory: 4194304 KiB Used memory: 2097152 KiB
# virsh dominfo testguest Max memory: 4194304 KiB Used memory: 2097152 KiBCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 現在の仮想マシンメモリーを調整した場合は、仮想マシンのメモリーバルーンの統計情報を取得して、そのメモリー使用量がどの程度効果的に制御されているかを評価できます。
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
17.4.4. huge page を使用するように仮想マシンを設定する リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
特定のユースケースでは、デフォルトの 4 KiB メモリーページの代わりに huge page を使用することで、仮想マシン (VM) のメモリー割り当てを改善できます。たとえば、huge page は、データベースサーバーなど、メモリー使用率の高い仮想マシンのパフォーマンスを向上させることができます。
前提条件
- メモリー割り当てで huge page を使用するようにホストが設定されている。手順については、起動時の HugeTLB の設定 を参照してください。
手順
- 選択した仮想マシンが実行中の場合はシャットダウンします。
1 GiB の huge page を使用するように仮想マシンを設定するために、仮想マシンの XML 定義を開いて編集します。たとえば、
testguest仮想マシンを編集するには、次のコマンドを実行します。virsh edit testguest
# virsh edit testguestCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow XML 定義の
<memoryBacking>セクションに次の行を追加します。<memoryBacking> <hugepages> <page size='1' unit='GiB'/> </hugepages> </memoryBacking><memoryBacking> <hugepages> <page size='1' unit='GiB'/> </hugepages> </memoryBacking>Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
検証
- 仮想マシンを起動します。
ホストが実行中の仮想マシンに huge page を正常に割り当てたことを確認します。ホスト上で次のコマンドを実行します。
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 空き huge page と予約済み huge page の数 (
HugePages_Free+HugePages_Rsvd) を足すと、結果が huge page の合計数 (HugePages_Total) よりも少なくなるはずです。この差は、実行中の仮想マシンによって使用される huge page の数によるものです。
17.5. 仮想マシンの I/O パフォーマンスの最適化 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
仮想マシンの入出力 (I/O) 機能は、仮想マシンの全体的な効率を大幅に制限する可能性があります。これに対処するために、ブロック I/O パラメーターを設定して、仮想マシンの I/O を最適化できます。
17.5.1. 仮想マシンにおけるブロック I/O のチューニング リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
複数のブロックデバイスが、複数の仮想マシンで使用されている場合は、I/O ウェイト を変更して特定の仮想デバイスの I/O の優先度を調整することが重要になる場合があります。
デバイスの I/O ウェイトを上げると、I/O 帯域幅の優先度が高まるため、より多くのホストリソースが提供されます。同様に、デバイスのウェイトを下げると、ホストのリソースが少なくなります。
各デバイスの ウェイト の値は 100 から 1000 の範囲内でなければなりません。もしくは、値を 0 にすると、各デバイスのリストからそのデバイスを削除できます。
手順
仮想マシンのブロック I/O パラメーターを表示および設定するには、以下を行います。
仮想マシンの現在の
<blkio>パラメーターを表示します。# virsh dumpxml VM-nameCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 指定したデバイスの I/O ウェイトを編集します。
virsh blkiotune VM-name --device-weights device, I/O-weight
# virsh blkiotune VM-name --device-weights device, I/O-weightCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow たとえば、次の例では、testguest1 仮想マシンの /dev/sda デバイスの重みを 500 に変更します。
virsh blkiotune testguest1 --device-weights /dev/sda, 500
# virsh blkiotune testguest1 --device-weights /dev/sda, 500Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
検証
仮想マシンのブロック I/O パラメーターが正しく設定されていることを確認します。
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 重要一部のカーネルは、特定のデバイスの I/O 重み設定をサポートしていません。前の手順で期待どおりに重みが表示されない場合は、この機能がホストカーネルと互換性がない可能性があります。
17.5.2. 仮想マシンのディスク I/O スロットリング リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
複数の仮想マシンが同時に実行する場合は、過剰なディスク I/O により、システムパフォーマンスに影響が及ぶ可能性があります。KVM 仮想化のディスク I/O スロットリングでは、仮想マシンからホストマシンに送られるディスク I/O 要求に制限を設定する機能を利用できます。これにより、仮想マシンが共有リソースを過剰に使用し、その他の仮想マシンのパフォーマンスに影響を及ぼすことを防ぐことができます。
ディスク I/O スロットリングを有効にするには、仮想マシンに割り当てられた各ブロックデバイスからホストマシンに送られるディスク I/O 要求に制限を設定します。
手順
virsh domblklistコマンドを使用して、指定された仮想マシン上のすべてのディスクデバイスの名前をリスト表示します。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow スロットルする仮想ディスクがマウントされているホストブロックデバイスを見つけます。
たとえば、前の手順の
sdb仮想ディスクをスロットリングする場合は、以下の出力では、ディスクが/dev/nvme0n1p3パーティションにマウントされていることを示しています。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow virsh blkiotuneコマンドを使用して、ブロックデバイスの I/O 制限を設定します。virsh blkiotune VM-name --parameter device,limit
# virsh blkiotune VM-name --parameter device,limitCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 以下の例は、
rollin-coal仮想マシン上のsdbディスクを毎秒 1000 の読み書き操作にスロットリングし、毎秒 50 MB の読み書きスループットにスロットリングします。virsh blkiotune rollin-coal --device-read-iops-sec /dev/nvme0n1p3,1000 --device-write-iops-sec /dev/nvme0n1p3,1000 --device-write-bytes-sec /dev/nvme0n1p3,52428800 --device-read-bytes-sec /dev/nvme0n1p3,52428800
# virsh blkiotune rollin-coal --device-read-iops-sec /dev/nvme0n1p3,1000 --device-write-iops-sec /dev/nvme0n1p3,1000 --device-write-bytes-sec /dev/nvme0n1p3,52428800 --device-read-bytes-sec /dev/nvme0n1p3,52428800Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
関連情報
- ディスク I/O スロットリングは、異なる顧客に属する仮想マシンが同じホストで実行されている場合や、異なる仮想マシンに QoS 保証が提供されている場合など、さまざまな状況で役立ちます。ディスク I/O スロットリングは、低速なディスクをシミュレートするために使用することもできます。
- I/O スロットリングは、仮想マシンに割り当てられた各ブロックデバイスに個別に適用でき、スループットおよび I/O 操作の制限に対応します。
-
Red Hat は、
virsh blkdeviotuneコマンドを使用した仮想マシンでの I/O スロットリングの設定はサポートしていません。RHEL 8 を仮想マシンホストとして使用する場合にサポートされていない機能の詳細は、RHEL 8 仮想化でサポートされていない機能 を参照してください。
17.5.3. ストレージデバイスでの multi-queue の有効化 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
仮想マシン (VM) で virtio-blk または virtio-scsi ストレージデバイスを使用する場合、multi-queue 機能によりストレージパフォーマンスとスケーラビリティーが向上します。このため、各仮想 CPU (vCPU) に別のキューを持たせることが可能になります。また仮想 CPU は、その他の vCPU に影響を及ぼすことなく使用するために、割り込みできるようになります。
multi-queue 機能は Q35 マシンタイプではデフォルトで有効になっていますが、i440FX マシンタイプでは手動で有効にする必要があります。キューの数をワークロードに最適になるように調整できます。ただし、最適な数はワークロードの種類ごとに異なるため、どのキュー数が最適かをテストする必要があります。
手順
ストレージデバイスで
multi-queueを有効にするために、仮想マシンの XML 設定を編集します。virsh edit <example_vm>
# virsh edit <example_vm>Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow XML 設定で、目的のストレージデバイスを見つけて、複数の I/O キューを使用するように
queuesパラメーターを変更します。N を仮想マシン内の仮想 CPU の数 (最大 16 個) に置き換えます。virtio-blkの例:Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow virtio-scsiの例:<controller type='scsi' index='0' model='virtio-scsi'> <driver queues='N' /> </controller>
<controller type='scsi' index='0' model='virtio-scsi'> <driver queues='N' /> </controller>Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
- 仮想マシンを再起動して変更を有効にします。
17.5.4. 専用の IOThreads の設定 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
仮想マシン (VM) 上のディスクの入出力 (IO) パフォーマンスを向上させるために、仮想マシンのディスクの IO 操作を管理するために使用される専用の IOThread を設定できます。
通常、ディスクの IO 操作はメインの QEMU スレッドの一部です。そのため、集中的な IO ワークロードの実行時に、仮想マシン全体の応答性が低下する可能性があります。IO 操作を専用の IOThread に分離することで、仮想マシンの応答性とパフォーマンスを大幅に向上させることができます。
手順
- 選択した仮想マシンが実行中の場合はシャットダウンします。
ホストで、仮想マシンの XML 設定に
<iothreads>タグを追加または編集します。たとえば、testguest1仮想マシンに 1 つのIOThreadを作成するには、次のようにします。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 注記最適な結果を得るには、ホスト上の CPU ごとに 1 - 2 個の
IOThreadのみを使用してください。仮想マシンディスクに専用の
IOThreadを割り当てます。たとえば、ID が1のIOThreadをtestguest1仮想マシン上のディスクに割り当てるには、次のように指定します。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 注記IOThreadの ID は 1 から始まります。ディスクごとに 1 つのIOThreadのみを割り当てる必要があります。通常、最適なパフォーマンスを得るには、仮想マシンごとに 1 つの専用
IOThreadで十分です。virtio-scsiストレージデバイスを使用する場合は、virtio-scsiコントローラーに専用のIOThreadを割り当てます。たとえば、ID が1のIOThreadをtestguest1仮想マシン上のコントローラーに割り当てるには、次のように指定します。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
検証
- 仮想マシンのパフォーマンスに対する変更の効果を評価します。詳細は、仮想マシンのパフォーマンス監視ツール を参照してください。
17.5.5. 仮想ディスクキャッシュの設定 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
KVM にはいくつかの仮想ディスクキャッシュモードがあります。集中的な入出力 (IO) ワークロードがある場合は、最適なキャッシュモードを選択すると、仮想マシン (VM) のパフォーマンスが大幅に向上します。
+
仮想ディスクキャッシュモードの概要
writethrough- ホストのページキャッシュが読み取り専用として使用されます。データがストレージデバイスにコミットされた場合にのみ、書き込みが完了したと報告されます。このモードでは、持続的な IO パフォーマンスは低下しますが、書き込みが十分に保証されます。
writeback-
ホストのページキャッシュが読み取りと書き込みの両方に使用されます。データが物理ストレージではなくホストのメモリーキャッシュに到達したときに、書き込みが完了したと報告されます。このモードは
writethroughよりも IO パフォーマンスが高速ですが、ホスト障害時にデータが失われる可能性があります。 none- ホストのページキャッシュが完全に回避されます。このモードは物理ディスクの書き込みキューに直接依存します。そのため、予測可能な持続的な IO パフォーマンスが得られ、安定したゲスト上で書き込みが十分に保証されます。これは、仮想マシンライブマイグレーションのための安全なキャッシュモードでもあります。
手順
- 選択した仮想マシンが実行中の場合はシャットダウンします。
選択した仮想マシンの XML 設定を編集します。
virsh edit <vm_name>
# virsh edit <vm_name>Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow ディスクデバイスを見つけて、
driverタグのcacheオプションを編集します。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
17.6. 仮想マシンの CPU パフォーマンスの最適化 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
vCPU は、ホストマシンの物理 CPU と同様、仮想マシンのパフォーマンスにおいて極めて重要です。したがって、vCPU を最適化すると、仮想マシンのリソース効率に大きな影響を及ぼす可能性があります。vCPU を最適化するには、以下を実行します。
- 仮想マシンに割り当てられているホスト CPU の数を調整します。これは、CLI または Web コンソール を使用して実行できます。
vCPU モデルが、ホストの CPU モデルに調整されていることを確認します。たとえば、仮想マシン testguest1 を、ホストの CPU モデルを使用するように設定するには、次のコマンドを実行します。
virt-xml testguest1 --edit --cpu host-model
# virt-xml testguest1 --edit --cpu host-modelCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow - Kernel Same-page Merging (KSM) を無効にします。
ホストマシンが Non-Uniform Memory Access (NUMA) を使用する場合は、その仮想マシンに対して NUMA を設定 することもできます。これにより、ホストの CPU およびメモリープロセスが、仮想マシンの CPU およびメモリープロセスにできるだけ近くにマッピングされます。事実上、NUMA チューニングにより、仮想マシンに割り当てられたシステムメモリーへのより効率的なアクセスが可能になります。これにより、vCPU 処理の効果が改善されます。
詳細は、仮想マシンでの NUMA の設定 および 特定のワークロードに合わせた仮想マシンのパフォーマンスの最適化 を参照してください。
17.6.1. 仮想 CPU のオーバーコミット リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
仮想 CPU のオーバーコミットを使用すると、ホスト上で実行される仮想マシン (VM) 内の全仮想 CPU の合計数が、ホスト上の物理 CPU の数を超える設定が可能になります。ただし、ホスト上で物理的に使用可能なコア数よりも多くのコアを仮想マシンで同時に実行すると、パフォーマンスが低下する可能性があります。
最高のパフォーマンスを得るには、各仮想マシンで目的のワークロードを実行するのに必要な数の仮想 CPU だけを仮想マシンに割り当てます。
仮想 CPU のオーバーコミットに関する推奨事項を以下に示します。
- 最高のパフォーマンスを得るために、仮想マシンのワークロードに必要な最小限の仮想 CPU を割り当てます。
- 詳細なテストを行わずに実稼働環境で仮想 CPU をオーバーコミットすることは避けてください。
- 仮想 CPU をオーバーコミットする場合、負荷が 100% 未満のときは、通常、仮想 CPU と物理 CPU の比率を 5 対 1 にするのが安全です。
- 物理プロセッサーコアごとに合計 10 個を超える仮想 CPU を割り当てることは推奨されません。
- 高負荷時のパフォーマンス低下を防ぐために CPU 使用率を監視します。
オーバーコミットされた環境では、メモリーを 100% 使用するアプリケーションや処理リソースが不安定になる可能性があります。CPU のオーバーコミット率はワークロードに依存するため、詳細なテストを行わずに実稼働環境でメモリーや CPU をオーバーコミットしないでください。
17.6.2. コマンドラインを使用した仮想 CPU の追加と削除 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
仮想マシンの CPU パフォーマンスを増減するには、仮想マシンに割り当てられた仮想 CPU (vCPU) を追加または削除します。
実行中の仮想マシンで実行する場合、これは vCPU ホットプラグおよびホットアンプラグとも呼ばれます。ただし、RHEL 8 では vCPU のホットアンプラグに対応しておらず、Red Hat ではその使用を強く推奨していません。
前提条件
オプション: ターゲット仮想マシン内の vCPU の現在の状態を表示します。たとえば、仮想マシン testguest 上の vCPU の数を表示するには、以下を実行します。
virsh vcpucount testguest maximum config 4 maximum live 2 current config 2 current live 1
# virsh vcpucount testguest maximum config 4 maximum live 2 current config 2 current live 1Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow この出力は、testguest が現在 1 vCPU を使用していることを示し、1 つ以上の vCPU をホットプラグして仮想マシンのパフォーマンスを向上できることを示しています。ただし、再起動後に使用される vCPU の testguest 数は 2 に変更され、2 以上の vCPU のホットプラグが可能になります。
手順
仮想マシンに割り当てることができる vCPU の最大数を調整します。これは、仮想マシンの次回起動時に有効になります。
たとえば、仮想マシン testguest の vCPU の最大数を 8 に増やすには、次のコマンドを実行します。
virsh setvcpus testguest 8 --maximum --config
# virsh setvcpus testguest 8 --maximum --configCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 最大値は、CPU トポロジー、ホストハードウェア、ハイパーバイザー、およびその他の要素によって制限される可能性があることに注意してください。
仮想マシンに割り当てられている現在の vCPU の数を、前の手順で設定した最大値まで調整します。以下に例を示します。
実行中の仮想マシン testguest にアタッチされている vCPU を 4 に増やすには、以下を実行します。
virsh setvcpus testguest 4 --live
# virsh setvcpus testguest 4 --liveCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow これにより、仮想マシンの次回の起動まで、仮想マシンのパフォーマンスおよび testguest のホスト負荷のフットプリントが高まります。
testguest 仮想マシンにアタッチされている vCPU の数を永続的に 1 に減らすには、次のコマンドを実行します。
virsh setvcpus testguest 1 --config
# virsh setvcpus testguest 1 --configCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow これにより、仮想マシンの次回の起動後に、仮想マシンのパフォーマンスおよび testguest のホスト負荷のフットプリントが低下します。ただし、必要に応じて、仮想マシンに追加の vCPU をホットプラグして、一時的にパフォーマンスを向上させることができます。
検証
仮想マシンの vCPU の現在の状態に変更が反映されていることを確認します。
virsh vcpucount testguest maximum config 8 maximum live 4 current config 1 current live 4
# virsh vcpucount testguest maximum config 8 maximum live 4 current config 1 current live 4Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
17.6.3. Web コンソールを使用した仮想 CPU の管理 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
RHEL 9 Web コンソールを使用して、Web コンソールが接続している仮想マシンが使用する仮想 CPU を確認し、設定できます。
前提条件
- RHEL 8 Web コンソールがインストールされている。
- cockpit サービスが有効になっている。
ユーザーアカウントが Web コンソールにログインできる。
手順は、Web コンソールのインストールおよび有効化 を参照してください。
- Web コンソールの仮想マシンプラグインが システムにインストールされている。
手順
RHEL 8 Web コンソールにログインします。
詳細は、Web コンソールへのログイン を参照してください。
インターフェイスで、情報を表示する仮想マシンを選択します。
新しいページが開き、選択した仮想マシンに関する基本情報を含む Overview セクションと、仮想マシンのグラフィカルインターフェイスにアクセスするための Console セクションが表示されます。
概要ペインで、vCPU の数の横にある をクリックします。
vCPU の詳細ダイアログが表示されます。
選択した仮想マシンの仮想 CPU を設定します。
vCPU 数: 現在使用中の vCPU の数
注記vCPU 数は、vCPU 最大値以下にする必要があります。
- vCPU 最大値 - 仮想マシンに設定できる仮想 CPU の最大数を入力します。この値が vCPU 数 よりも大きい場合には、vCPU を追加で仮想マシンに割り当てることができます。
- ソケット - 仮想マシンに公開するソケットの数を選択します。
- ソケットごとのコア - 仮想マシンに公開する各ソケットのコア数を選択します。
コアあたりのスレッド - 仮想マシンに公開する各コアのスレッド数を選択します。
Sockets、Cores per socket、および Threads per core オプションは、仮想マシンの CPU トポロジーを調整することに注意してください。これは、vCPU のパフォーマンスにメリットがあり、ゲスト OS の特定のソフトウェアの機能に影響を与える可能性があります。デプロイメントで別の設定が必要ない場合は、デフォルト値のままにします。
をクリックします。
仮想マシンに仮想 CPU が設定されます。
注記仮想 CPU 設定の変更は、仮想マシンの再起動後にのみ有効になります。
17.6.4. 仮想マシンでの NUMA の設定 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
以下の方法は、RHEL 8 ホストで、仮想マシンの Non-Uniform Memory Access (NUMA) 設定の設定に使用できます。
使いやすさのため、自動化ユーティリティーとサービスを使用して、仮想マシンの NUMA を設定できます。ただし、手動で NUMA を設定すると、パフォーマンスが大幅に向上する可能性が高くなります。
前提条件
ホストが NUMA 対応のマシンである。これを確認するには、
virsh nodeinfoコマンドを使用して、NUMA cell(2)の行を確認します。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 行の値が 2 以上であると、そのホストは NUMA に対応しています。
オプション: ホストに
numactlパッケージがインストールされている。yum install numactl
# yum install numactlCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
手順
自動方式
仮想マシンの NUMA ポリシーを
Preferredに設定します。たとえば、testguest5 仮想マシンを設定するには、次のコマンドを実行します。virt-xml testguest5 --edit --vcpus placement=auto virt-xml testguest5 --edit --numatune mode=preferred
# virt-xml testguest5 --edit --vcpus placement=auto # virt-xml testguest5 --edit --numatune mode=preferredCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow numadサービスを使用して、メモリーリソースに合わせて仮想マシン CPU を自動的に調整します。echo 1 > /proc/sys/kernel/numa_balancing
# echo 1 > /proc/sys/kernel/numa_balancingCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow umadサービスを起動して、メモリーリソースで仮想マシンの CPU を自動的に調整します。systemctl start numad
# systemctl start numadCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
手動方式
NUMA 設定を手動で調整する場合は、特定の仮想マシンにどのホスト NUMA ノードを割り当てるかを指定できます。これにより、仮想マシンの vCPU によるホストメモリーの使用率が向上します。
オプション:
numactlコマンドを使用して、ホスト上の NUMA トポロジーを表示します。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 仮想マシンの XML 設定を編集して、特定の NUMA ノードに CPU およびメモリーリソースを割り当てます。たとえば、次の設定では、testguest6 が NUMA ノード
0の仮想 CPU 0 - 7 と NUMA ノード1の仮想 CPU 8 - 15 を使用するように指定します。両方のノードに 16 GiB の仮想マシンメモリーも割り当てます。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow - 仮想マシンが実行中の場合は、再起動して設定を適用します。
最高のパフォーマンス結果を得るために、ホスト上の各 NUMA ノードの最大メモリーサイズに従うことを推奨します。
17.6.5. 仮想 CPU ピニングの設定 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
仮想マシン (VM) の CPU パフォーマンスを向上させるために、ホスト上の特定の物理 CPU スレッドに仮想 CPU (vCPU) をピニングすることができます。これにより、仮想 CPU に専用の物理 CPU スレッドが確保され、仮想 CPU のパフォーマンスが大幅に向上します。
CPU パフォーマンスをさらに最適化するために、指定の仮想マシンに関連付けられた QEMU プロセススレッドを、特定のホスト CPU にピニングすることもできます。
手順
ホストの CPU トポロジーを確認します。
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow この例では、NUMA ノードとホスト上の使用可能な物理 CPU スレッドが出力に含まれています。
仮想マシン内の仮想 CPU スレッドの数を確認します。
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow この例では、NUMA ノードと仮想マシン内の使用可能な仮想 CPU スレッドが出力に含まれています。
仮想マシンの特定の仮想 CPU スレッドを、特定のホスト CPU または CPU の範囲にピニングします。これは、仮想 CPU のパフォーマンスを向上させる安全な方法として推奨されます。
たとえば、次のコマンドは、testguest6 仮想マシンの仮想 CPU スレッド 0 - 3 を、それぞれホスト CPU 1、3、5、7 にピニングします。
virsh vcpupin testguest6 0 1 virsh vcpupin testguest6 1 3 virsh vcpupin testguest6 2 5 virsh vcpupin testguest6 3 7
# virsh vcpupin testguest6 0 1 # virsh vcpupin testguest6 1 3 # virsh vcpupin testguest6 2 5 # virsh vcpupin testguest6 3 7Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow オプション: 仮想 CPU スレッドが CPU に正常にピニングされているかどうかを確認します。
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow vCPU スレッドのピニング後に、指定の仮想マシンに関連付けられた QEMU プロセススレッドを、特定ホスト CPU、またはある範囲の CPU に固定することもできます。これにより、QEMU プロセスが物理 CPU 上でより効率的に実行されるようになります。
たとえば、次のコマンドは、testguest6 の QEMU プロセススレッドを CPU 2 および 4 にピニングし、これが成功したことを確認します。
virsh emulatorpin testguest6 2,4 virsh emulatorpin testguest6 emulator: CPU Affinity ---------------------------------- *: 2,4# virsh emulatorpin testguest6 2,4 # virsh emulatorpin testguest6 emulator: CPU Affinity ---------------------------------- *: 2,4Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
17.6.6. 仮想 CPU キャッピングの設定 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
仮想 CPU (vCPU) キャッピングを使用すると、仮想マシン (VM) が使用できる CPU リソースの量を制限できます。1 台の仮想マシンによるホストの CPU リソースの過剰な使用を防ぎ、ハイパーバイザーによる CPU スケジューリングの管理を容易にすることで、全体的なパフォーマンスを向上させることができます。
手順
ホストの現在の仮想 CPU スケジューリング設定を表示します。
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 仮想マシンの絶対的な仮想 CPU キャップを設定するには、
vcpu_periodおよびvcpu_quotaパラメーターを設定します。どちらのパラメーターも、マイクロ秒単位の時間の長さを表す数値を使用します。virsh schedinfoコマンドを使用してvcpu_periodパラメーターを設定します。以下に例を示します。virsh schedinfo <vm_name> --set vcpu_period=100000
# virsh schedinfo <vm_name> --set vcpu_period=100000Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow この例では、
vcpu_periodは 100,000 マイクロ秒に設定されています。これは、スケジューラーがこの時間間隔中に仮想 CPU キャッピングを適用することを意味します。--live --configオプションを使用して、実行中の仮想マシンを再起動せずに設定することもできます。virsh schedinfoコマンドを使用してvcpu_quotaパラメーターを設定します。以下に例を示します。virsh schedinfo <vm_name> --set vcpu_quota=50000
# virsh schedinfo <vm_name> --set vcpu_quota=50000Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow この例では、
vcpu_quotaは 50,000 マイクロ秒に設定されています。これは、vcpu_period時間間隔中に仮想マシンが使用できる CPU 時間の最大量を指定します。この場合、vcpu_quotaはvcpu_periodの半分に設定されているため、仮想マシンはその間隔中に CPU 時間の最大 50% を使用できます。--live --configオプションを使用して、実行中の仮想マシンを再起動せずに設定することもできます。
検証
仮想 CPU スケジューリングのパラメーターの値が正しいことを確認します。
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
17.6.7. CPU 重みの調整 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
CPU 重み (または CPU シェア) 設定は、実行中の他の仮想マシンと比較して、仮想マシン (VM) が受け取る CPU 時間を制御するものです。特定の仮想マシンの CPU 重み を増やすことで、この仮想マシンが他の仮想マシンよりも多くの CPU 時間を確保できるようになります。複数の仮想マシン間で CPU 時間の割り当ての優先度を設定するには、cpu_shares パラメーターを設定します。
指定可能な CPU 重み値の範囲は 0 から 262144 です。新しい KVM 仮想マシンのデフォルト値は 1024 です。
手順
仮想マシンの現在の CPU 重み を確認します。
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow CPU 重み を希望の値に調整します。
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow この例では、
cpu_sharesは 2048 に設定されています。そのため、他のすべての仮想マシンの値が 1024 に設定されている場合、この仮想マシンには約 2 倍の CPU 時間が割り当てられます。--live --configオプションを使用して、実行中の仮想マシンを再起動せずに設定することもできます。
17.6.8. カーネルの同一ページマージを無効にする リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
Kernel Same-Page Merging (KSM) は、仮想マシン (VM) 間で同一のメモリーページを共有することにより、メモリー密度を向上させます。
ただし、KSM を使用すると CPU 使用率が増加し、ワークロードによっては全体的なパフォーマンスに悪影響を与える可能性があります。
RHEL 8 では、KSM はデフォルトで有効になっています。したがって、仮想マシンデプロイメントにおける CPU パフォーマンスが最適でない場合は、KSM を無効にすることで改善できます。
前提条件
- ホストシステムへのルートアクセス。
手順
- ホスト上の仮想マシンのパフォーマンスとリソース消費を監視して、KSM を有効にすることによる利点を評価します。具体的には、KSM による CPU 使用率の増加によってメモリーの改善が相殺されないこと、および別のパフォーマンスの問題が発生しないことを確認します。レイテンシーの影響を受けやすいワークロードでは、NUMA 間のページマージにも注意してください。
オプション: KSM によって仮想マシンのパフォーマンスが向上しない場合は、無効にします。
KSM を単一セッションの間だけ無効にするには、
systemctlユーティリティーを使用してksmおよびksmtunedサービスを停止します。systemctl stop ksm systemctl stop ksmtuned
# systemctl stop ksm # systemctl stop ksmtunedCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow KSM を永続的に無効にするには、
systemctlユーティリティーを使用してksmおよびksmtunedサービスを無効にします。systemctl disable ksm Removed /etc/systemd/system/multi-user.target.wants/ksm.service. systemctl disable ksmtuned Removed /etc/systemd/system/multi-user.target.wants/ksmtuned.service.
# systemctl disable ksm Removed /etc/systemd/system/multi-user.target.wants/ksm.service. # systemctl disable ksmtuned Removed /etc/systemd/system/multi-user.target.wants/ksmtuned.service.Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 注記KSM を無効にする前に仮想マシン間で共有されていたメモリーページは、そのまま共有されます。共有を停止するには、以下のコマンドを使用して、システムの
PageKSMページをすべて削除します。echo 2 > /sys/kernel/mm/ksm/run
# echo 2 > /sys/kernel/mm/ksm/runCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow ただし、このコマンドはメモリー使用量を増加させ、ホストまたは仮想マシンでパフォーマンスの問題を引き起こす可能性があります。
検証
- ホスト上の仮想マシンのパフォーマンスとリソース消費を監視して、KSM を有効にすることによる利点を評価します。手順については、仮想マシンのパフォーマンス監視ツールを 参照してください。
17.7. 仮想マシンのネットワークパフォーマンスの最適化 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
仮想マシンのネットワークインターフェイスコントローラー (NIC) の性質上、仮想マシンは、割り当てられているホストネットワークの帯域幅の一部を失います。これにより、仮想マシンの全体的なワークロード効率が低下することがあります。以下のヒントは、仮想 NIC (vNIC) のスループットで仮想化の影響を最小限に抑えることができます。
手順
以下の方法のいずれかを使用し、仮想マシンのネットワークパフォーマンスにメリットがあるかどうかを調べます。
- vhost_net モジュールの有効化
ホストで
vhost_netカーネル機能が有効になっていることを確認します。lsmod | grep vhost vhost_net 32768 1 vhost 53248 1 vhost_net tap 24576 1 vhost_net tun 57344 6 vhost_net
# lsmod | grep vhost vhost_net 32768 1 vhost 53248 1 vhost_net tap 24576 1 vhost_net tun 57344 6 vhost_netCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow このコマンドの出力が空白である場合は、
vhost_netカーネルモジュールを有効にします。modprobe vhost_net
# modprobe vhost_netCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
- マルチキュー virtio-net の設定
仮想マシンに マルチキュー virtio-net 機能を設定するには、
virsh editコマンドを使用して、仮想マシンの XML 設定を編集します。XML で、以下を<devices>セクションに追加し、Nを、仮想マシンの vCPU 数 (最大 16) に変更します。<interface type='network'> <source network='default'/> <model type='virtio'/> <driver name='vhost' queues='N'/> </interface><interface type='network'> <source network='default'/> <model type='virtio'/> <driver name='vhost' queues='N'/> </interface>Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 仮想マシンが実行中の場合は、再起動して変更を適用します。
- ネットワークパケットのバッチ処理
転送パスが長い Linux の仮想マシン設定では、パケットをバッチ処理してからカーネルに送信することで、キャッシュが有効に活用される場合があります。パケットバッチ機能を設定するには、ホストで次のコマンドを実行し、tap0 を、仮想マシンが使用するネットワークインターフェイスの名前に置き換えます。
ethtool -C tap0 rx-frames 64
# ethtool -C tap0 rx-frames 64Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow - SR-IOV
- ホスト NIC が SR-IOV に対応している場合は、vNIC に SR-IOV デバイス割り当てを使用します。詳細は、SR-IOV デバイスの管理 を参照してください。
17.8. 仮想マシンのパフォーマンス監視ツール リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
最も多くの仮想マシンリソースを消費するものと、仮想マシンで最適化を必要とする部分を認識するために、一般的なパフォーマンス診断ツールや仮想マシン固有のパフォーマンス診断ツールを使用できます。
デフォルトの OS パフォーマンス監視ツール
標準のパフォーマンス評価には、ホストおよびゲストのオペレーティングシステムでデフォルトで提供されるユーティリティーを使用できます。
RHEL 8 ホストで、root として
topユーティリティーまたは システムモニター アプリケーションを使用し、出力結果からqemuとvirtを見つけます。これは、仮想マシンが消費しているホストシステムのリソースのサイズを示します。-
監視ツールにおいて、
qemuプロセスまたはvirtプロセスのいずれかで、ホストの CPU またはメモリーの容量を大幅に消費していることが示されている場合は、perfユーティリティーを使用して調査を行います。詳細は以下を参照してください。 -
また、
vhost_netスレッドプロセス (例: vhost_net-1234) が、ホストの CPU 容量を過剰に消費する際に表示される場合は、multi-queue virtio-netなどの 仮想ネットワークの最適化機能 を使用することを検討してください。
-
監視ツールにおいて、
ゲストオペレーティングシステムでは、システムで利用可能なパフォーマンスユーティリティーとアプリケーションを使用して、どのプロセスが最も多くのシステムリソースを消費するかを評価します。
-
Linux システムでは、
topユーティリティーを使用できます。 - Windows システムでは、Task Manager アプリケーションを使用できます。
-
Linux システムでは、
perf kvm
perf ユーティリティーを使用して、RHEL 8 ホストのパフォーマンスに関する仮想化固有の統計を収集および分析できます。改善点を報告する場合は、以下のように行います。
ホストに、perf パッケージをインストールします。
yum install perf
# yum install perfCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow perf kvm statコマンドの 1 つを使用して、仮想化ホストの perf 統計を表示します。-
お使いのハイパーバイザーのリアルタイム監視には、
perf kvm stat liveコマンドを使用します。 -
一定期間でハイパーバイザーの perf データをログに記録するには、
perf kvm stat recordコマンドを使用してロギングを有効にします。コマンドをキャンセルまたは中断した後、データはperf.data.guestファイルに保存されます。これは、perf kvm stat reportコマンドを使用して分析できます。
-
お使いのハイパーバイザーのリアルタイム監視には、
VM-EXITイベントとそのディストリビューションのタイプについてperf出力を分析します。たとえば、PAUSE_INSTRUCTIONイベントは頻繁に存在すべきではありませんが、以下の出力では、このイベントが頻繁に現れ、ホスト CPU が vCPU を適切に処理していないことを示しています。このようなシナリオでは、アクティブな一部の仮想マシンの電源オフ、その仮想マシンからの vCPU の削除、または vCPU のパフォーマンスの調整 を検討してください。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow perf kvm statの出力で問題を知らせる他のイベントタイプには、以下が含まれます。-
INSN_EMULATION- 準最適な 仮想マシンの I/O 設定 を示します。
-
perf を使用して仮想化パフォーマンスを監視する方法の詳細は、システム上の perf-kvm man ページを参照してください。
numastat
システムの現在の NUMA 設定を表示するには、numastat ユーティリティーを使用できます。これは numactl パッケージをインストールすることで利用できます。
以下は、4 つの実行中の仮想マシンが含まれるホストを示しています。それぞれは、複数の NUMA ノードからメモリーを取得しています。これは、vCPU のパフォーマンスに対して最適なのではなく、保証調整 です。
一方、以下では、1 つのノードで各仮想マシンに提供されているメモリーを示しています。これは、より一層効率的です。
第18章 Windows 仮想マシンのインストールおよび管理 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
RHEL 8 ホスト上の仮想マシンでゲストオペレーティングシステムとして Microsoft Windows を使用するには、この仮想マシンが正しく実行されるように追加の手順を実行することが推奨されます。
このため、以下のセクションでは、ホストマシンに Windows 仮想マシンをインストールし、最適化する方法を説明します。また、Windows 仮想マシンにドライバーをインストールし、設定する方法を説明します。
18.1. Windows 仮想マシンのインストール リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
RHEL 8 ホストに完全仮想化 Windows マシンを作成し、仮想マシン内でグラフィカル Windows インストーラーを起動して、インストールした Windows ゲストオペレーティングシステム (OS) を最適化できます。
仮想マシンを作成し、Windows ゲスト OS をインストールするには、virt-install コマンドまたは RHEL 8 Web コンソールを使用します。
前提条件
ローカルまたはネットワークで利用可能な OS のインストールソースがある。次のいずれかになります。
- インストールメディアの ISO イメージ
- 既存の仮想マシンインストールのディスクイメージ
KVM
virtioドライバーを備えた記憶媒体がある。このメディアを作成するには、Preparing virtio driver installation media on a host machine 参照してください。
-
Windows 11 をインストールする場合は、
edk2-ovmfパッケージ、swtpmパッケージ、およびlibtpmsパッケージをホストにインストールする必要があります。
手順
仮想マシンを作成します。手順については、仮想マシンの作成 を参照してください。ただし、次の詳細に注意してください。
virt-installユーティリティーを使用して仮想マシンを作成する場合は、次のオプションをコマンドに追加します。KVM
virtioドライバーを備えた記憶媒体。以下に例を示します。--disk path=/usr/share/virtio-win/virtio-win.iso,device=cdrom
--disk path=/usr/share/virtio-win/virtio-win.iso,device=cdromCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow インストールする Windows バージョン。たとえば、Windows 10 および 11 の場合は、以下のようになります。
--os-variant win10
--os-variant win10Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow Windows のバージョンと、適切なオプションのリストを表示するには、次のコマンドを実行します。
osinfo-query os
# osinfo-query osCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow Windows 11 をインストールする場合は、Unified Extensible Firmware Interface (UEFI) および 仮想 Trusted Platform Module (vTPM) を有効にします。
--boot uefi --tpm model=tpm-crb,backend.type=emulator,backend.version=2.0
--boot uefi --tpm model=tpm-crb,backend.type=emulator,backend.version=2.0Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
Web コンソールを使用して仮想マシンを作成する場合は、仮想マシンの新規作成 画面の オペレーティングシステム フィールドで Windows のバージョンを指定します。
- Windows 11 および Windows Server 2022 より前のバージョンの Windows をインストールする場合は、 をクリックしてインストールを開始します。
Windows 11 をインストールする場合、または追加の Windows Server 2022 機能を使用する場合は、 をクリックして確認し、CLI を使用して UEFI および vTPM を有効にします。
仮想マシンの XML 設定を開きます。
virsh edit windows-vm
# virsh edit windows-vmCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow firmware='efi'オプションをos要素に追加します。<os firmware='efi'> <type arch='x86_64' machine='pc-q35-6.2'>hvm</type> <boot dev='hd'/> </os>
<os firmware='efi'> <type arch='x86_64' machine='pc-q35-6.2'>hvm</type> <boot dev='hd'/> </os>Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow devices要素内にtpmデバイスを追加します。<devices> <tpm model='tpm-crb'> <backend type='emulator' version='2.0'/> </tpm> </devices><devices> <tpm model='tpm-crb'> <backend type='emulator' version='2.0'/> </tpm> </devices>Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow - Virtual machines テーブルで をクリックして、Windows のインストールを開始します。
仮想マシンに Windows OS をインストールします。
Windows オペレーティングシステムのインストール方法は、関連する Microsoft インストールドキュメントを参照してください。
- Web コンソールを使用して仮想マシンを作成する場合は、Disks インターフェイスを使用して、virtio ドライバーを含むストレージメディアを仮想マシンに接続します。手順は、Web コンソールで既存ディスクを仮想マシンに割り当てる手順 を参照してください。
-
Windows ゲスト OS で、KVM
virtioドライバーを設定します。詳細は、Installing KVM paravirtualized drivers for Windows virtual machines を参照してください。
18.2. Windows 仮想マシンの最適化 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
RHEL 8 でホストされる仮想マシンで Microsoft Windows をゲストオペレーティングシステムとして使用すると、ゲストのパフォーマンスが悪影響を受ける可能性があります。
そのため、Red Hat は、以下のいずれかを組み合わせて実行して Windows 仮想マシンを最適化することを推奨しています。
- 準仮想化ドライバーの使用。詳細は、Installing KVM paravirtualized drivers for Windows virtual machines を参照してください。
- Hyper-V Enlightenment の有効化。詳細は、Hyper-V enlightenment の有効化 を参照してください。
- NetKVM ドライバーパラメーターの設定。詳細は、Configuring NetKVM driver parameters を参照してください。
- Windows バックグラウンドプロセスの最適化または無効化。詳細は、Optimizing background processes on Windows virtual machines を参照してください。
18.2.1. Windows 仮想マシン用の KVM 準仮想化ドライバーのインストール リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
Windows 仮想マシンのパフォーマンスを改善する主な方法は、Windows 用の KVM 準仮想化 (virtio) ドライバーをゲストオペレーティングシステムにインストールすることです。
virtio-win ドライバーは、各 virtio-win リリースの時点で利用可能な Windows 10 および 11 の最新リリースに対して認定 (WHQL) されています。ただし、virtio-win ドライバーは広くテストされており、Windows 10 および 11 の以前のビルドでも正しく機能することが期待されます。
Windows VM にドライバーをインストールするには、次の操作を実行します。
- ホストマシンにインストールメディアを準備します。詳細は、Preparing virtio driver installation media on a host machine を参照してください。
- インストールメディアを既存の Windows 仮想マシンに接続するか、新しい Windows 仮想マシンを作成するときに接続します。詳細は、RHEL への Windows 仮想マシンのインストール を参照してください。
-
Windows ゲストオペレーティングシステムに
virtioドライバーをインストールします。詳細は、Installing virtio drivers on a Windows guest を参照してください。 -
QEMU Guest Agentを Windows ゲストオペレーティングシステムにインストールします。詳細は、Windows ゲストへの QEMU ゲストエージェントのインストール を参照してください。
18.2.1.1. Windows virtio ドライバーの仕組み リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
準仮想化ドライバーは仮想マシンのパフォーマンスを向上し、I/O レイテンシーを下げ、ベアメタルレベルまでスループットを増加させます。Red Hat は、I/O 負荷の高いタスクとアプリケーションを実行する仮想マシンには、準仮想化ドライバーを使用することを推奨します。
virtio ドライバーは、KVM ホストで実行する Windows 仮想マシンで利用可能な、KVM の準仮想化デバイスドライバーです。これらのドライバーは、virtio-win パッケージにより提供されます。これには、以下のドライバーが含まれます。
- ブロック (ストレージ) デバイス
- ネットワークインターフェイスコントローラー
- ビデオコントローラー
- メモリーバルーニングデバイス
- 準仮想化シリアルポートデバイス
- エントロピーソースデバイス
- 準仮想化パニックデバイス
- マウス、キーボード、タブレットなどの入力デバイス
- エミュレートされたデバイスの小規模セット
エミュレートされたデバイス、virtio デバイス、および割り当てられたデバイスの詳細は、仮想デバイスの管理 を参照してください。
KVM の virtio ドライバーを使用すると、以下の Microsoft Windows バージョンが、物理システムのように動作することが見込まれます。
- Windows Server バージョン - Red Hat ナレッジベースの Certified guest operating systems for Red Hat Enterprise Linux with KVM を参照してください。
Windows デスクトップ (サーバー以外) バージョン:
- Windows 10 (32 ビット版および 64 ビット版)
18.2.1.2. ホストマシンでの virtio ドライバーインストールメディアの準備 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
KVM virtio ドライバーを Windows 仮想マシン (VM) にインストールまたは更新するには、最初にホストマシンで virtio ドライバーインストールメディアを準備する必要があります。これを行うには、virtio-win パッケージで提供される .iso ファイルをストレージデバイスとして Windows VM に接続します。
前提条件
- RHEL 8 ホストシステムで仮想化が有効になっていることを確認する。詳細は、Enabling virtualization を参照してください。
- 仮想マシンへのルートアクセス権限があることを確認します。
手順
サブスクリプションデータを更新します。
subscription-manager refresh All local data refreshed
# subscription-manager refresh All local data refreshedCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow virtio-winパッケージの最新バージョンを入手します。virtio-winがインストールされていない場合:yum install -y virtio-win
# yum install -y virtio-winCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow virtio-winがインストールされている場合:yum upgrade -y virtio-win
# yum upgrade -y virtio-winCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow インストールが成功すると、
virtio-winドライバーファイルが/usr/share/virtio-win/ディレクトリーで使用可能になります。これには、ISOファイルと、ディレクトリーにドライバーファイルを持つdriversディレクトリー (各アーキテクチャーと対応している Windows バージョン用のファイル) が含まれます。ls /usr/share/virtio-win/ drivers/ guest-agent/ virtio-win-1.9.9.iso virtio-win.iso
# ls /usr/share/virtio-win/ drivers/ guest-agent/ virtio-win-1.9.9.iso virtio-win.isoCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
virtio-win.isoファイルをストレージデバイスとして Windows VM に接続します。-
新しい Windows 仮想マシンを作成する ときは、
virt-installコマンドオプションを使用してファイルをアタッチします。 既存の Windows 仮想マシンにドライバーをインストールする場合は、
virt-xmlユーティリティーを使用してファイルを CD-ROM としてアタッチします。virt-xml WindowsVM --add-device --disk virtio-win.iso,device=cdrom Domain 'WindowsVM' defined successfully.
# virt-xml WindowsVM --add-device --disk virtio-win.iso,device=cdrom Domain 'WindowsVM' defined successfully.Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
-
新しい Windows 仮想マシンを作成する ときは、
18.2.1.3. Windows ゲストへの virtio ドライバーのインストール リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
KVM virtio ドライバーを Windows ゲストオペレーティングシステムにインストールするには、ドライバーを含むストレージデバイスを (仮想マシン (VM) の作成時または作成後に) 追加し、Windows ゲストオペレーティングシステムにドライバーをインストールする必要があります。
この手順では、グラフィカルインターフェイスを使用してドライバーをインストールする手順を説明します。Microsoft Windows Installer (MSI) コマンドラインインターフェイスを使用することもできます。
前提条件
-
KVM
virtioドライバーを備えたインストールメディアを仮想マシンに接続する必要があります。メディアの準備手順は、Preparing virtio driver installation media on a host machine を参照してください。
手順
-
Windows ゲストオペレーティングシステムで、
File Explorerアプリケーションを開きます。 -
この PCをクリックします。 -
デバイスおよびドライブペインで、virtio-winメディアを開きます。 仮想マシンにインストールされているオペレーティングシステムに基づいて、次のいずれかのインストーラーを実行します。
-
32 ビットオペレーティングシステムを使用している場合は、
virtio-win-gt-x86.msiインストーラーを実行します。 -
64 ビットオペレーティングシステムを使用している場合は、
virtio-win-gt-x64.msiインストーラーを実行します。
-
32 ビットオペレーティングシステムを使用している場合は、
表示された
Virtio-win-driver-installerセットアップウィザードで、表示される指示に従い、Custom Setupステップまで進みます。- カスタムセットアップ画面で、インストールするデバイスドライバーを選択します。推奨されるドライバーセットが自動的に選択され、ドライバーの説明がリストの右側に表示されます。
- をクリックして、 をクリックします。
- インストールが完了したら、 をクリックします。
- 仮想マシンを再起動してドライバーのインストールを完了します。
検証
Windows 仮想マシンで、Device Manager に移動します。
- Start をクリックします。
- Device Manager を検索します。
デバイスが正しいドライバーを使用していることを確認します。
- デバイスをクリックして Driver Properties ウィンドウを開きます。
- Driver タブに移動します。
- Driver Details をクリックします。
次のステップ
- NetKVM ドライバーをインストールした場合は、Windows ゲストのネットワークパラメーターの設定も必要になる場合があります。詳細は、Configuring NetKVM driver parameters を参照してください。
18.2.1.4. Windows ゲストでの virtio ドライバーの更新 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
Windows ゲストオペレーティングシステム (OS) で KVM virtio ドライバーを更新するには、Windows OS バージョンがサポートしている場合、Windows Update サービスを使用できます。そうでない場合は、Windows 仮想マシン (VM) に接続されている virtio ドライバーインストールメディアからドライバーを再インストールします。
前提条件
- virtio ドライバーがインストールされた Windows ゲスト OS。
-
Windows Updateを使用しない場合は、最新の KVMvirtioドライバーを含むインストールメディアを Windows 仮想マシンに接続する必要があります。メディアの準備手順は、Preparing virtio driver installation media on a host machine を参照してください。
手順 1: Windows Update を使用してドライバーを更新する
Windows 10、Windows Server 2016 以降のオペレーティングシステムでは、Windows Update グラフィカルインターフェイスを使用して、ドライバーの更新が利用可能かどうかを確認します。
- Windows 仮想マシンを起動し、ゲスト OS にログインします。
Optional updates ページに移動します。
Settings → Windows Update → Advanced options → Optional updates
- Red Hat, Inc. からのすべての更新をインストールします。
手順 2: ドライバーを再インストールして更新する
Windows 10 および Windows Server 2016 より前のオペレーティングシステムの場合、または OS が Windows Update にアクセスできない場合は、ドライバーを再インストールします。これにより、Windows ゲスト OS のネットワーク設定がデフォルト (DHCP) に復元されます。カスタマイズしたネットワーク設定を保持する場合は、バックアップを作成し、netsh ユーティリティーを使用して復元する必要もあります。
- Windows 仮想マシンを起動し、ゲスト OS にログインします。
Windows コマンドプロンプトを開きます。
- Super+R キーボードショートカットを使用します。
-
表示されるウィンドウで、
cmdと入力し、Ctrl+Shift+Enter を押して管理者として実行します。
Windows コマンドプロンプトを使用して、OS ネットワーク設定をバックアップします。
backup.txt
C:\WINDOWS\system32\netsh dump > backup.txtCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 付属のインストールメディアから KVM
virtioドライバーを再インストールします。次のいずれかを行います。Windows コマンドプロンプトを使用してドライバーを再インストールします。ここで、X はインストールメディアのドライブ文字です。次のコマンドは、すべての
virtioドライバーをインストールします。64 ビット vCPU を使用している場合:
C:\WINDOWS\system32\msiexec.exe /i X:\virtio-win-gt-x64.msi /passive /norestart
32 ビット vCPU を使用している場合:
C:\WINDOWS\system32\msiexec.exe /i X:\virtio-win-gt-x86.msi /passive /norestart
C:\WINDOWS\system32\msiexec.exe /i X:\virtio-win-gt-x86.msi /passive /norestartCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
- VM を再起動せずに、グラフィカルインターフェイスを使用して ドライバーを再インストールします。
Windows コマンドプロンプトを使用して、OS ネットワーク設定を復元します。
C:\WINDOWS\system32\netsh -f backup.txt
C:\WINDOWS\system32\netsh -f backup.txtCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow - 仮想マシンを再起動してドライバーのインストールを完了します。
18.2.1.5. Windows ゲストでの QEMU ゲストエージェントの有効化 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
RHEL ホストが Windows 仮想マシン上で 特定の操作のサブセット を実行できるようにするには、QEMU ゲストエージェント (GA) を有効にする必要があります。これを行うには、QEMU ゲストエージェントインストーラーを含むストレージデバイスを、既存の仮想マシンに追加するか、新しい仮想マシンを作成するときに追加し、Windows ゲストオペレーティングシステムにドライバーをインストールします。
グラフィカルインターフェイスを使用してゲストエージェント (GA) をインストールするには、以下の手順を参照してください。コマンドラインで GA をインストールするには、Microsoft Windows Installer (MSI) を使用してください。
前提条件
- ゲストエージェントを含むインストールメディアが仮想マシンに接続されている。メディアの準備手順は、Preparing virtio driver installation media on a host machine を参照してください。
手順
-
Windows ゲストオペレーティングシステムで、
File Explorerアプリケーションを開きます。 -
この PCをクリックします。 -
デバイスおよびドライブペインで、virtio-winメディアを開きます。 -
guest-agentフォルダーを開きます。 仮想マシンにインストールされているオペレーティングシステムに基づいて、次のいずれかのインストーラーを実行します。
-
32 ビットオペレーティングシステムを使用している場合は、
qemu-ga-i386.msiインストーラーを実行します。 -
64 ビットオペレーティングシステムを使用している場合は、
qemu-ga-x86_64.msiインストーラーを実行します。
-
32 ビットオペレーティングシステムを使用している場合は、
-
オプション: ホストと Windows ゲスト間の通信インターフェイスとして準仮想化シリアルドライバー (
virtio-serial) を使用する場合は、virtio-serialドライバーが Windows ゲストにインストールされていることを確認します。virtioドライバーのインストールの詳細は、Windows ゲストへの virtio ドライバーのインストール を参照してください。
検証
Windows 仮想マシンで、Services ウィンドウに移動します。
Computer Management > Services
-
QEMU Guest AgentのステータスがRunningであることを確認します。
18.2.2. Hyper-V Enlightenment の有効化 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
Hyper-V Enlightenment では、KVM が Microsoft Hyper-V ハイパーバイザーをエミュレートするための方法を利用できます。これにより、Windows 仮想マシンのパフォーマンスが向上します。
以下のセクションは、対応している Hyper-V Enlightenment と、その有効化に関する情報を提供します。
18.2.2.1. Windows 仮想マシンでの Hyper-V Enlightenment の有効化 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
Hyper-V Enlightenment により、RHEL 8 ホストで実行している Windows 仮想マシン (VM) でパフォーマンスが向上します。それを有効にする方法は、次を参照してください。
手順
virsh editコマンドを使用して、仮想マシンの XML 設定を表示します。以下に例を示します。virsh edit windows-vm
# virsh edit windows-vmCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow XML の
<features>セクションに、以下の<hyperv>サブセクションを追加します。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow XML に
<hyperv>サブセクションが含まれている場合は、上記のように変更します。以下のように、設定の
クロックセクションを変更します。<clock offset='localtime'> ... <timer name='hypervclock' present='yes'/> </clock>
<clock offset='localtime'> ... <timer name='hypervclock' present='yes'/> </clock>Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow - XML 設定を保存して終了します。
- 仮想マシンが実行中の場合は再起動します。
検証
virsh dumpxmlコマンドを使用して、実行中の仮想マシンの XML 設定を表示します。次のセグメントが含まれている場合は、Hyper-V Enlightenment が仮想マシンで有効になります。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
18.2.2.2. 設定可能な Hyper-V Enlightenment リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
特定の Hyper-V 機能を設定して Windows 仮想マシンを最適化できます。以下の表では、設定可能な Hyper-V 機能およびその値に関する情報を提供します。
| Enlightenment | 説明 | 値 |
|---|---|---|
| evmcs | L0 (KVM) と L1 (Hyper-V) ハイパーバイザーとの間で準仮想化プロトコルを実装し、L2 を終了してハイパーバイザーに移動する時間を短縮できます。 注記 この機能は Intel プロセッサーのみを対象とします。 | on、off |
| frequencies | Hyper-V 周波数 MSR (Machine Specific Registers) を有効にします。 | on、off |
| ipi | IPI (準仮想化された相互プロセッサー割り込み) サポートを有効にします。 | on、off |
| reenlightenment | タイムスタンプカウンター (TSC) 周波数の変更がある場合に (移行時のみ) 通知します。新しい周波数に切替える準備ができるまで、ゲストでそのまま以前の周波数を使用することも可能です。 | on、off |
| relaxed | 仮想マシンを高負荷のホストで実行すると、一般的に BSOD に陥る Windows のサニティーチェックを無効化します。これは、Linux カーネルオプション no_timer_check と似ています。これは、Linux が KVM で実行している場合に自動的に有効になります。 | on、off |
| runtime | ゲストコードの実行に費やすプロセッサー時間および、ゲストコードの代わりに費やすプロセッサー時間を設定します。 | on、off |
| spinlocks |
| on、off |
| stimer | 仮想プロセッサーの合成タイマーを有効にします。この Enlightenment が指定されない場合には、特定の Windows バージョンが、HPET (HPET が利用できない場合には RTC も使用) を使用するように戻るため、仮想 CPU がアイドル状態であっても、CPU の消費量が大幅に消費される可能性があることに注意してください。 | on、off |
| stimer-direct | 有効期限イベントが通常の割り込みで配信されると合成タイマーを有効にします。 | on、off |
| synic | stimer とともに、synthetic タイマーをアクティブにします。Windows 8 では、この機能は定期的なモードで使用します。 | on、off |
| 時間 | 仮想マシンでできるように、以下の Hyper-V 固有のクロックソースを有効にします。
| on、off |
| tlbflush | 仮想プロセッサーの TLB をフラッシュします。 | on、off |
| vapic | 仮想 APIC を有効にして、高負荷のメモリーマッピングされた APIC (Advanced Programmable Interrupt Controller) レジスターへのアクセラレート MSR アクセスを提供します。 | on、off |
| vpindex | 仮想プロセッサーのインデックスを有効にします。 | on、off |
18.2.3. NetKVM ドライバーパラメーターの設定 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
NetKVM ドライバーをインストールした後は、ご使用の環境に応じて設定を行うことができます。次の手順にリストされているパラメーターは、Windows デバイスマネージャー (devmgmt.msc) を使用して設定できます。
ドライバーのパラメーターを変更すると、Windows はそのドライバーを再読み込みします。これにより、既存のネットワークアクティビティーが中断します。
前提条件
NetKVM ドライバーが仮想マシンにインストールされている。
詳細は、Installing KVM paravirtualized drivers for Windows virtual machines を参照してください。
手順
Windows デバイスマネージャーを開きます。
Device Manager を開く方法は、Windows のドキュメントを参照してください。
Red Hat VirtIO Ethernet Adapter を見つけます。
- Device Manager 画面で、Network アダプターの隣にある をクリックします。
ネットワークアダプターのリストで、Red Hat VirtIO Ethernet Adapter をダブルクリックします。
デバイスの プロパティー ウィンドウが開きます。
デバイスパラメーターを表示します。
プロパティー ウィンドウで、詳細設定 タブをクリックします。
デバイスパラメーターを変更します。
変更するパラメーターをクリックします。
そのパラメーターのオプションが表示されます。
必要に応じてオプションを変更します。
NetKVM パラメーターオプションの詳細は、NetKVM ドライバーパラメーター を参照してください。
- をクリックして変更を保存します。
18.2.4. NetKVM ドライバーパラメーター リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
次の表に、設定可能な NetKVM ドライバーのロギングパラメーターに関する情報を示します。
| パラメーター | 説明 2 |
|---|---|
| logging.Enable | ロギングが有効であるかどうかを決定するブール値。デフォルト値は Enabled です。 |
| logging.Level | ロギングレベルを定義する整数。この整数を高くすると、ログの詳細度が上がります。
注記 ロギングレベルが高くなると、仮想マシンの速度が低下します。 |
次の表に、設定可能な NetKVM ドライバーの初期パラメーターに関する情報を示します。
| パラメーター | 説明 |
|---|---|
| Assign MAC | 準仮想化 NIC のローカル管理 MAC アドレスを定義する文字列。これはデフォルトでは設定されません。 |
| Init.Do802.1PQ | Priority/VLAN タグポピュレーションと削除サポートを有効にするブール値。デフォルト値は Enabled です。 |
| Init.MaxTxBuffers | 割り当てられた TX リング記述子の数を表す整数。この値は、QEMU の Tx キューのサイズによって制限されます。 デフォルト値は 1024 です。 有効な値は、16、32、64、128、256、512、1024 です。 |
| Init.MaxRxBuffers | 割り当てられた RX リング記述子の数を表す整数。この値は、QEMU の Tx キューのサイズによって制限されます。 デフォルト値は 1024 です。 有効な値は、16、32、64、128、256、512、1024、2048、および 4096 です。 |
| Offload.Tx.Checksum | TX チェックサムオフロード機能を指定します。 Red Hat Enterprise Linux 8 では、このパラメーターの有効な値は次のとおりです。
|
| Offload.Rx.Checksum | RX チェックサムオフロード機能を指定します。 Red Hat Enterprise Linux 8 では、このパラメーターの有効な値は次のとおりです。
|
| Offload.Tx.LSO | TX ラージセグメントオフロード (LSO) 機能を指定します。 Red Hat Enterprise Linux 8 では、このパラメーターの有効な値は次のとおりです。
|
| MinRxBufferPercent | RX キュー内の使用可能なバッファーの最小量を、RX バッファーの合計量に対するパーセントで指定します。使用可能なバッファーの実際の数がこの値よりも少ない場合、NetKVM ドライバーは、オペレーティングシステムにリソース不足状態を通知します (できるだけ早く RX バッファーを返すように要求します)。
最小値 (デフォルト) -
最大値 - |
18.2.5. Windows 仮想マシンでのバックグラウンドプロセスの最適化 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
Windows OS を実行している仮想マシンのパフォーマンスを最適化するには、さまざまな Windows プロセスを設定するか、無効化してください。
設定を変更すると、プロセスによっては、予想通り機能しない場合があります。
手順
次の組み合わせを実行すると、Windows 仮想マシンを最適化できます。
- USB や CD-ROM などの未使用のデバイスを削除して、ポートを無効にします。
- SuperFetch や Windows Search などのバックグラウンドサービスを無効にします。サービスの停止に関する詳細は、システムサービスの無効化 または サービス停止 を参照してください。
useplatformclockを無効にします。これには以下のコマンドを実行します。bcdedit /set useplatformclock No
# bcdedit /set useplatformclock NoCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow - スケジュール済みのディスクのデフラグなど、不要なスケジュールタスクを確認して無効にします。方法は、スケジュール済みタスクの無効化 を参照してください。
- ディスクが暗号化されていないことを確認します。
- 定期的なサーバーアプリケーションのアクティビティーを減らします。これには、各タイマーを編集します。詳細は Multimedia Timers を参照してください。
- 仮想マシンで Server Manager アプリケーションを閉じます。
- ウイルス対策ソフトウェアを無効にします。ウイルス対策ソフトウェアを無効にすると、仮想マシンのセキュリティーが侵害される可能性があることに注意してください。
- スクリーンセーバーを無効にします。
- 使用時以外は、Windows OS のサインイン画面のままにします。
18.3. Windows 仮想マシンでの標準ハードウェアセキュリティーの有効化 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
Windows 仮想マシンを保護するには、Windows デバイスの標準ハードウェア機能を使用して基本的なレベルのセキュリティーを有効にします。
前提条件
- 最新の WHQL 認定 VirtIO ドライバーがインストールされている。
- 仮想マシンのファームウェアが UEFI ブートに対応している。
edk2-OVMFパッケージをホストマシンにインストールしている。{PackageManagerCommand} install edk2-ovmf# {PackageManagerCommand} install edk2-ovmfCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow ホストマシンに
vTPMパッケージをインストールしている。{PackageManagerCommand} install swtpm libtpms# {PackageManagerCommand} install swtpm libtpmsCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow - 仮想マシンが Q35 マシンアーキテクチャーを使用している。
- Windows インストールメディアを使用している。
手順
TPM 2.0 を有効にするには、仮想マシンの XML 設定の
<devices>セクションに以下のパラメーターを追加します。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow - UEFI モードで Windows をインストールします。詳細は、SecureBoot の仮想マシンの作成 を参照してください。
- Windows 仮想マシンに VirtIO ドライバーをインストールします。詳細は、Windows ゲストへの virtio ドライバーのインストール を参照してください。
- UEFI でセキュアブートを有効にします。詳細は、セキュアブート を参照してください。
検証
Windows マシンの デバイスのセキュリティー ページに、以下のメッセージが表示されていることを確認します。
Settings > Update & Security > Windows Security > Device Security
Your device meets the requirements for standard hardware security.
Your device meets the requirements for standard hardware security.Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
18.4. 次のステップ リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
- RHEL 8 ホストとその Windows 仮想マシンとの間でファイルを共有するには、NFS を使用できます。
第19章 入れ子仮想マシンの作成 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
ローカルホストが実行しているものとは異なるホストオペレーティングシステムが必要な場合は、ネストされた仮想マシンを使用できます。これにより、追加の物理ハードウェアが不要になります。
Red Hat は現在、ネストされた仮想化を テクノロジープレビュー としてのみ提供しているため、サポートされていません。
さらに、ネストされた仮想化は、限られたアーキテクチャーとオペレーティングシステムバージョンでのみテストされています。ご使用の環境でこの機能を使用する前に、ネストされた仮想化の制限と制約事項を 参照してください。
19.1. ネストされた仮想化とは リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
ネストされた仮想化を使用すると、仮想マシンを他の仮想マシン内で実行できます。物理ホストで実行される標準の仮想マシンは、2 番目のハイパーバイザーとして機能し、独自の仮想マシンを作成することもできます。
ネストされた仮想化に関する用語
- レベル 0 (
L0) - 物理ホスト、ベアメタルマシン。
- レベル 1 (
L1) -
L0物理ホスト上で実行され、追加の仮想ホストとして機能できる標準の仮想マシン。 - レベル 2 (
L2) L1仮想ホスト上で実行されるネストされた仮想マシン。重要: 第 2 レベルの仮想化では、
L2仮想マシンのパフォーマンスが大幅に制限されます。したがって、ネストされた仮想化は、主に以下のような開発およびテストシナリオを対象としています。- 制限された環境でのハイパーバイザーのデバッグ
- 限られた物理リソースでの大規模な仮想デプロイメントのテスト
Red Hat は現在、ネストされた仮想化を テクノロジープレビュー としてのみ提供しているため、サポートされていません。
さらに、ネストされた仮想化は、限られたアーキテクチャーとオペレーティングシステムバージョンでのみテストされています。ご使用の環境でこの機能を使用する前に、ネストされた仮想化の制限と制約事項を 参照してください。
19.2. ネストされた仮想化の制限 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
ネストされた仮想化を使用する場合は、以下の制限に注意してください。ネストされた仮想化に関連する用語の詳細は、ネストされた仮想化とは を参照してください。
現在、Red Hat はネストされた仮想化に対応しておらず、テクノロジープレビュー としてのみのネスティングを提供しています。
テスト済みのアーキテクチャー
-
L0ホストは、Intel、AMD、IBM POWER9、または IBM Z システムである必要があります。ネストされた仮想化は現在、ARM などの他のアーキテクチャーでは動作しません。
テスト環境
ネストされた仮想マシン (VM) を作成するには、次のバージョンのオペレーティングシステムを使用する必要があります。
L0 ホストの場合: | L1 仮想マシンの場合: | L2 仮想マシンの場合: |
|---|---|---|
| RHEL 8.2 以降 | RHEL 7.8 以降 | RHEL 7.8 以降 |
| RHEL 8.2 以降 | RHEL 8.2 以降 | |
| Windows Server 2016 | ||
| Windows Server 2019 |
他の Red Hat 仮想化オファリングで使用する場合、RHEL L1 仮想マシンの作成はテストされません。これには以下が含まれます。
- Red Hat Virtualization
- Red Hat OpenStack Platform
- OpenShift Virtualization
また、IBM POWER9 では、ネスト化された仮想化は、現在、以下の状況でのみ動作します。
-
L0ホストとL1仮想マシンはどちらも RHEL 8 を使用しています -
L2仮想マシンは、RHEL 8、またはrhel-altカーネルを搭載した RHEL 7 を使用します。 -
L1仮想マシンとL2仮想マシンは POWER8 互換モードで実行されていません。
Hypervisor の制限
-
現在、Red Hat は RHEL-KVM でのみネストテストを行っています。RHEL を
L0ハイパーバイザーとして使用する場合は、RHEL または Windows をL1ハイパーバイザーとして使用できます。 -
VMware ESXi や Amazon Web Services (AWS) などの非 KVM
L0ハイパーバイザーでL1RHEL 8 仮想マシンを使用する場合、RHEL 8 ゲストオペレーティングシステムでL2仮想マシンを作成すると機能する可能性がありますが、テストされていません。
機能の制限
-
L2仮想マシンをハイパーバイザーとして使用し、L3ゲストを作成することは適切にテストされていないため、機能することは想定されていません。 -
現在、AMD システムでの仮想マシンの移行は、
L0ホストでネストされた仮想化が有効になっている場合には機能しません。 IBM Z システムでは、huge-page バッキングストレージとネストされた仮想化を同時に使用することはできません。
subs="+quotes,attributes"]
# *modprobe kvm hpage=1 nested=1* modprobe: ERROR: could not insert 'kvm': Invalid argument # *dmesg |tail -1* [90226.508366] kvm-s390: A KVM host that supports nesting cannot back its KVM guests with huge pages
# *modprobe kvm hpage=1 nested=1*
modprobe: ERROR: could not insert 'kvm': Invalid argument
# *dmesg |tail -1*
[90226.508366] kvm-s390: A KVM host that supports nesting cannot back its KVM guests with huge pages
L0ホストで利用可能な機能は、L1ハイパーバイザーでは利用できない場合があります。たとえば、IBM POWER 9 ハードウェアでは、XIVE (External Interrupt Virtualization Engine) は動作しません。ただし、
L1仮想マシンはエミュレートされた XIVE 割り込みコントローラーを使用してL2仮想マシンを起動できます。
19.3. Intel でのネスト化された仮想マシンの作成 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
以下の手順に従って、Intel ホストでネストされた仮想化を有効にし、設定します。
Red Hat は現在、ネストされた仮想化を テクノロジープレビュー としてのみ提供しているため、サポートされていません。
さらに、ネストされた仮想化は、限られたアーキテクチャーとオペレーティングシステムバージョンでのみテストされています。ご使用の環境でこの機能を使用する前に、ネストされた仮想化の制限と制約事項を 参照してください。
前提条件
- L1 仮想マシンを実行している L0 RHEL 8 ホスト。
-
ハイパーバイザー CPU でネストされた仮想化をサポートしている。L0 ハイパーバイザーで
cat /proc/cpuinfoコマンドを使用して、サポートがあるか確認します。コマンドの出力にvmxおよびeptフラグが含まれる場合は、L2 仮想マシンを作成できます。通常、Intel Xeon v3 コア以降が対象です。 L0 ホストでネストされた仮想化が有効になっていることを確認します。
cat /sys/module/kvm_intel/parameters/nested
# cat /sys/module/kvm_intel/parameters/nestedCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow - コマンドが 1 または Y を返すと、この機能は有効になっています。残りの前提条件の手順を省略し、手順セクションに進みます。
コマンドで 0 または N が返されたにも拘らず、システムがネストされた仮想化に対応している場合は、以下の手順に従って機能を有効にします。
kvm_intelモジュールをアンロードします。modprobe -r kvm_intel
# modprobe -r kvm_intelCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow ネスト機能をアクティブにします。
modprobe kvm_intel nested=1
# modprobe kvm_intel nested=1Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow ネスト機能は有効になりましたが、L0 ホストの次回起動後は無効になります。永続的に有効にするには、以下の行を
/etc/modprobe.d/kvm.confファイルに追加します。options kvm_intel nested=1
options kvm_intel nested=1Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
手順
ネストされた仮想化用に L1 仮想マシンを設定します。
仮想マシンの XML 設定を開きます。以下の例では、Intel-L1 仮想マシンの設定が開きます。
virsh edit Intel-L1
# virsh edit Intel-L1Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow <cpu>要素を編集して、host-passthroughCPU モードを使用するように仮想マシンを設定します。<cpu mode='host-passthrough'/>
<cpu mode='host-passthrough'/>Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 仮想マシンで特定の CPU モデルを使用する必要がある場合は、
customCPU モードを使用するように仮想マシンを設定します。<cpu>要素内に、<feature policy='require' name='vmx'/>要素と<model>要素を追加し、内部で CPU モデルを指定します。以下に例を示します。<cpu mode ='custom' match ='exact' check='partial'> <model fallback='allow'>Haswell-noTSX</model> <feature policy='require' name='vmx'/> ... </cpu>
<cpu mode ='custom' match ='exact' check='partial'> <model fallback='allow'>Haswell-noTSX</model> <feature policy='require' name='vmx'/> ... </cpu>Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
- L1 仮想マシン内に L2 仮想マシンを作成します。これには、L1 仮想マシンの作成 時と同じ手順に従います。
19.4. AMD でのネスト化された仮想マシンの作成 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
以下の手順に従って、AMD ホストでネストされた仮想化を有効にして設定します。
Red Hat は現在、ネストされた仮想化を テクノロジープレビュー としてのみ提供しているため、サポートされていません。
さらに、ネストされた仮想化は、限られたアーキテクチャーとオペレーティングシステムバージョンでのみテストされています。ご使用の環境でこの機能を使用する前に、ネストされた仮想化の制限と制約事項を 参照してください。
前提条件
- L1 仮想マシンを実行している L0 RHEL 8 ホスト。
-
ハイパーバイザー CPU でネストされた仮想化をサポートしている。L0 ハイパーバイザーで
cat /proc/cpuinfoコマンドを使用して、サポートがあるか確認します。コマンドの出力にsvmおよびnptフラグが含まれる場合は、L2 仮想マシンを作成できます。通常、これは AMD EPYC コア以降が対象です。 L0 ホストでネストされた仮想化が有効になっていることを確認します。
cat /sys/module/kvm_amd/parameters/nested
# cat /sys/module/kvm_amd/parameters/nestedCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow - コマンドが 1 または Y を返すと、この機能は有効になっています。残りの前提条件の手順を省略し、手順セクションに進みます。
コマンドで 0 または N が返された場合は、以下の手順に従ってこの機能を有効にします。
- L0 ホストで実行中の仮想マシンをすべて停止します。
kvm_amdモジュールをアンロードします。modprobe -r kvm_amd
# modprobe -r kvm_amdCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow ネスト機能をアクティブにします。
modprobe kvm_amd nested=1
# modprobe kvm_amd nested=1Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow ネスト機能は有効になりましたが、L0 ホストの次回起動後は無効になります。永続的に有効にするには、以下を
/etc/modprobe.d/kvm.confファイルに追加します。options kvm_amd nested=1
options kvm_amd nested=1Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
手順
ネストされた仮想化用に L1 仮想マシンを設定します。
仮想マシンの XML 設定を開きます。以下の例では、AMD-L1 仮想マシンの設定が開きます。
virsh edit AMD-L1
# virsh edit AMD-L1Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow <cpu>要素を編集して、host-passthroughCPU モードを使用するように仮想マシンを設定します。<cpu mode='host-passthrough'/>
<cpu mode='host-passthrough'/>Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 仮想マシンで特定の CPU モデルを使用する必要がある場合は、
customCPU モードを使用するように仮想マシンを設定します。<cpu>要素内に、<feature policy='require' name='svm'/>要素と<model>要素を追加し、内部で CPU モデルを指定します。以下に例を示します。<cpu mode="custom" match="exact" check="none"> <model fallback="allow">EPYC-IBPB</model> <feature policy="require" name="svm"/> ... </cpu>
<cpu mode="custom" match="exact" check="none"> <model fallback="allow">EPYC-IBPB</model> <feature policy="require" name="svm"/> ... </cpu>Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
- L1 仮想マシン内に L2 仮想マシンを作成します。これには、L1 仮想マシンの作成 時と同じ手順に従います。
19.5. IBM Z でのネストされた仮想マシンの作成 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
以下の手順に従って、IBM Z ホストでネストされた仮想化を有効にして設定します。
実際には、IBM Z はベアメタル L0 ホストを提供しません。代わりに、ユーザーシステムは、論理パーティション (LPAR) にセットアップされます。論理パーティションはすでに仮想化されたシステムであるため、しばしば L1 と呼ばれます。ただし、このガイドの他のアーキテクチャーとの整合性を高めるために、次の手順では IBM Z が L0 ホストを提供するものとします。
ネストされた仮想化の詳細は、ネストされた仮想化とは を参照してください。
Red Hat は現在、ネストされた仮想化を テクノロジープレビュー としてのみ提供しているため、サポートされていません。
さらに、ネストされた仮想化は、限られたアーキテクチャーとオペレーティングシステムバージョンでのみテストされています。ご使用の環境でこの機能を使用する前に、ネストされた仮想化の制限と制約事項を 参照してください。
前提条件
- L1 仮想マシンを実行している L0 RHEL 8 ホスト。
-
ハイパーバイザー CPU でネストされた仮想化をサポートしている。これを確認するには、L0 ハイパーバイザーで
cat /proc/cpuinfoコマンドを使用します。コマンドの出力にsieフラグが含まれる場合は、L2 仮想マシンを作成できます。 L0 ホストでネストされた仮想化が有効になっていることを確認します。
cat /sys/module/kvm/parameters/nested
# cat /sys/module/kvm/parameters/nestedCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow - コマンドが 1 または Y を返すと、この機能は有効になっています。残りの前提条件の手順を省略し、手順セクションに進みます。
コマンドで 0 または N が返された場合は、以下の手順に従ってこの機能を有効にします。
- L0 ホストで実行中の仮想マシンをすべて停止します。
kvmモジュールをアンロードします。modprobe -r kvm
# modprobe -r kvmCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow ネスト機能をアクティブにします。
modprobe kvm nested=1
# modprobe kvm nested=1Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow ネスト機能は有効になりましたが、L0 ホストの次回起動後は無効になります。永続的に有効にするには、以下の行を
/etc/modprobe.d/kvm.confファイルに追加します。options kvm nested=1
options kvm nested=1Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
手順
- L1 仮想マシン内に L2 仮想マシンを作成します。これには、L1 仮想マシンの作成 時と同じ手順に従います。
19.6. IBM POWER9 でネストされた仮想マシンの作成 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
以下の手順に従って、IBM POWER9 ホストでネストされた仮想化を有効にして設定します。
IBM POWER9 は実際にはベアメタル L0 ホストを提供しません。代わりに、ユーザーシステムは、論理パーティション (LPAR) にセットアップされます。論理パーティションはすでに仮想化されたシステムであるため、しばしば L1 と呼ばれます。ただし、このガイドの他のアーキテクチャーとの整合性を高めるために、次の手順では、IBM POWER9 が L0 ホストを提供するものとして参照します。
ネストされた仮想化の詳細は、ネストされた仮想化とは を参照してください。
ネストされた仮想化は現在、IBM POWER9 アーキテクチャーでのみ テクノロジープレビュー として提供されているため、サポート対象外となります。さらに、IBM POWER8 などの旧バージョンの IBM POWER システムでは、ネストされた仮想マシンを作成できません。
前提条件
- L0 RHEL 8 ホストは L1 仮想マシンを実行しています。L1 仮想マシンは、RHEL 8 をゲストオペレーティングシステムとして使用している。
L0 ホストでネストされた仮想化が有効になっている。
cat /sys/module/kvm_hv/parameters/nested
# cat /sys/module/kvm_hv/parameters/nestedCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow - コマンドが 1 または Y を返すと、この機能は有効になっています。残りの前提条件の手順を省略し、手順セクションに進みます。
コマンドが 0 または N を返す場合は、以下の手順に従ってこの機能を有効にします。
- L0 ホストで実行中の仮想マシンをすべて停止します。
kvmモジュールをアンロードします。modprobe -r kvm_hv
# modprobe -r kvm_hvCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow ネスト機能をアクティブにします。
modprobe kvm_hv nested=1
# modprobe kvm_hv nested=1Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow ネスト機能は有効になりましたが、L0 ホストの次回起動後は無効になります。永続的に有効にするには、以下の行を
/etc/modprobe.d/kvm.confファイルに追加します。options kvm_hv nested=1
options kvm_hv nested=1Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
手順
L1 仮想マシンが L2 仮想マシンを作成できるようにするには、
cap-nested-hvパラメーターを L1 仮想マシンのマシンタイプに追加します。これには、virsh editコマンドを使用して L1 仮想マシンの XML 設定を変更し、<features>セクションに以下の行を追加します。<nested-hv state='on'/>
<nested-hv state='on'/>Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow L1 仮想マシン内に L2 仮想マシンを作成します。これには、L1 仮想マシンの作成 時と同じ手順に従います。
Red Hat は、L2 仮想マシンの XML 設定にも cap-nested-hv パラメーターを追加して、L2 仮想マシンのパフォーマンスを大幅に向上させることを推奨します。手順については、前の手順を参照してください。
関連情報
-
L2 仮想マシンのアーキテクチャーとしての
IBM POWER8 は現在サポートされていないことに注意してください。
第20章 仮想マシンの問題診断 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
仮想マシンを使用していると、さまざまな重大度の問題が発生する可能性があります。問題によってはすぐ簡単に修正できる可能性がありますが、仮想マシン関連のデータおよびログを取得して、問題を報告または診断しなければならない場合もあります。
以下のセクションでは、ログの生成および一般的な仮想マシンの問題の診断方法と、このような問題の報告方法を説明します。
20.1. libvirt デバッグログの生成 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
仮想マシンの問題を診断するには、libvirt デバッグログを生成し、確認すると便利です。また仮想マシン関連の問題解決のサポートを受ける場合には、デバッグログを添付すると役立ちます。
次のセクションでは、デバッグログとは何か、デバッグログの永続設定、実行時の有効化、問題報告時の 添付方法 を説明します。
20.1.1. libvirt デバッグログについて リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
デバッグログは、仮想マシンランタイム時に発生するイベント関連のデータが含まれるテキストファイルです。ログには、ホストライブラリーや libvirt デーモンなどの、サーバー側の基本機能に関する情報が含まれます。ログファイルには、実行中の全仮想マシンの標準エラー出力 (stderr) も含まれます。
デバッグロギングはデフォルトでは有効ではないので、libvirt の起動時に有効にする必要があります。セッション 1 回分のロギングを有効にしたり、永続的 にロギングを有効にすることができます。また、デーモンのランタイム設定を変更 することにより、libvirt デーモンセッションがすでに実行中の場合にロギングを有効にすることもできます。
仮想マシンの問題のサポートを受ける場合に、libvirt デバッグログ を添付すると役立ちます。
20.1.2. libvirt デバッグログの永続的な設定の有効化 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
libvirt の起動時に毎回、libvirt デバッグロギングを自動的に有効にするように設定できます。デフォルトでは、libvirtd は RHEL 8 の libvirt デーモンのみになります。libvirt 設定で永続的な変更を行うには、/etc/libvirt ディレクトリーにある libvirtd.conf ファイルを編集する必要があります。
手順
-
エディターで
libvirtd.confファイルを開きます。 要件に応じてフィルターを置き換えるか、設定します。
Expand 表20.1 フィルター値のデバッグ 1
libvirt が生成したすべてのメッセージをログに記録します。
2
すべての非デバッグ情報をログに記録します。
3
すべての警告およびエラーメッセージをログに記録します。これはデフォルト値です。
4
エラーメッセージのみをログに記録します。
例20.1 ロギングフィルターのデーモン設定例
以下の設定を行います。
-
remote、util.json、およびrpc層からのすべてのエラーメッセージおよび警告メッセージをログに記録します。 -
eventレイヤーからのエラーメッセージのみを記録します。 -
フィルターされたログを
/var/log/libvirt/libvirt.logに保存します。
log_filters="3:remote 4:event 3:util.json 3:rpc" log_outputs="1:file:/var/log/libvirt/libvirt.log"
log_filters="3:remote 4:event 3:util.json 3:rpc" log_outputs="1:file:/var/log/libvirt/libvirt.log"Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow -
- 保存して終了します。
libvirt デーモンを再起動します。
systemctl restart libvirtd.service
$ systemctl restart libvirtd.serviceCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
20.1.3. ランタイム時の libvirt デバッグログの有効化 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
libvirt デーモンのランタイム設定を変更し、デバッグログを有効にして出力ファイルに保存できます。
これは、再起動すると問題が解決するため、libvirt デーモンを再起動できない場合や、マイグレーションやバックアップなどの別のプロセスが同時に実行されている場合などに便利です。設定ファイルを編集したり、デーモンを再起動せずにコマンドを試行したりする場合にも、ランタイム設定を変更すると便利です。
前提条件
-
libvirt-adminパッケージがインストールされている。
手順
オプション: アクティブなログフィルターのセットをバックアップします。
virt-admin daemon-log-filters >> virt-filters-backup
# virt-admin daemon-log-filters >> virt-filters-backupCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 注記ログの生成後に復元できるように、アクティブなフィルターセットをバックアップすることが推奨されます。フィルターを復元しないと、メッセージがログに記録され、システムパフォーマンスに影響する可能性があります。
virt-adminユーティリティーを使用してデバッグを有効にし、要件に応じてフィルターを設定します。Expand 表20.2 フィルター値のデバッグ 1
libvirt が生成したすべてのメッセージをログに記録します。
2
すべての非デバッグ情報をログに記録します。
3
すべての警告およびエラーメッセージをログに記録します。これはデフォルト値です。
4
エラーメッセージのみをログに記録します。
例20.2 ロギングフィルターの virt-admin 設定の例
以下のコマンドを実行します。
-
remote、util.json、およびrpcレイヤーからのエラーメッセージおよび警告メッセージをすべてログに記録します。 -
イベントレイヤーからのエラーメッセージのみを記録します。
virt-admin daemon-log-filters "3:remote 4:event 3:util.json 3:rpc"
# virt-admin daemon-log-filters "3:remote 4:event 3:util.json 3:rpc"Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow -
virt-adminユーティリティーを使用して、ログを特定のファイルまたはディレクトリーに保存します。たとえば、以下のコマンドはログ出力を
/var/log/libvirt/ディレクトリーのlibvirt.logファイルに保存します。virt-admin daemon-log-outputs "1:file:/var/log/libvirt/libvirt.log"
# virt-admin daemon-log-outputs "1:file:/var/log/libvirt/libvirt.log"Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow オプション: フィルターを削除して、仮想マシン関連のすべての情報を含むログファイルを生成することもできます。ただし、このファイルには libvirt のモジュールが生成した多くの冗長情報が含まれる可能性があるため、推奨されません。
virt-adminユーティリティーを使用して空のフィルターのセットを指定します。virt-admin daemon-log-filters Logging filters:
# virt-admin daemon-log-filters Logging filters:Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
-
オプション: バックアップファイルを使用してフィルターを元の状態に復元します。
保存した値を使用して 2 番目の手順を実行し、フィルターを復元します。
20.1.4. サポートリクエストへの libvirt デバッグログの添付 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
仮想マシンの問題の診断および解決に追加のサポートを依頼する必要がある場合があります。仮想マシン関連の問題を迅速に解決するために、サポートチームが必要な情報すべてにアクセスできるように、サポートリクエストにデバッグログを添付することを強く推奨します。
手順
- 問題およびサポートを報告するには、サポートケースを作成 してください。
発生した問題に応じて、レポートに以下のログを添付します。
-
libvirt サービスに問題がある場合は、ホストから
/var/log/libvirt/libvirt.logファイルを添付します。 特定の仮想マシンに関する問題は、該当するログファイルを添付します。
たとえば、仮想マシン testguest1 の場合は、
/var/log/libvirt/qemu/testguest1.logにあるtestguest1.logファイルを添付します。
-
libvirt サービスに問題がある場合は、ホストから
20.2. 仮想マシンのコアのダンプ リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
仮想マシンがクラッシュしたり、誤作動した理由を分析する場合は、後で分析と診断を行えるように仮想マシンのコアをディスクのファイルにダンプします。
このセクションでは、コアダンプ概要 と、仮想マシンのコア を特定のファイルにダンプする方法を説明します。
20.2.1. 仮想マシンのコアダンプの仕組み リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
仮想マシンでは、数多くの実行中のプロセスを正確かつ効率的に機能させる必要があります。場合によっては、実行中の仮想マシンが、使用中に予期せず終了したり、誤作動したりすることがあります。仮想マシンを再起動すると、データがリセットされたり失われてしまう可能性があり、仮想マシンがクラッシュした問題の正確な診断が困難になります。
このような場合は、virsh dump ユーティリティーを使用して、仮想マシンを再起動する前に仮想マシンのコアをファイルに保存 (または ダンプ) できます。コアダンプファイルには、仮想マシンの生の物理メモリーイメージが含まれ、その中に仮想マシンの詳細情報が含まれます。この情報は、手動、または crash ユーティリティーなどのツールで、仮想マシンの問題診断に使用できます。
20.2.2. 仮想マシンのコアダンプファイルの作成 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
仮想マシンのコアダンプには、任意の時点における仮想マシンの状態に関する詳細情報が含まれます。この情報は、VM のスナップショットに似ており、VM が誤動作したり、突然シャットダウンしたりした場合に問題を検出するのに役立ちます。
前提条件
- ファイルを保存するのに十分なディスク領域があることを確認してください。仮想マシンが占有する領域は、その仮想マシンに割り当てられている RAM のサイズによって異なることに注意してください。
手順
virsh dumpユーティリティーを使用します。たとえば、次のコマンドは、仮想マシンのコア
lander1、メモリー、CPU 共通レジスターファイルを、/core/fileのgargantua.fileにダンプします。virsh dump lander1 /core/file/gargantua.file --memory-only Domain 'lander1' dumped to /core/file/gargantua.file
# virsh dump lander1 /core/file/gargantua.file --memory-only Domain 'lander1' dumped to /core/file/gargantua.fileCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
crash ユーティリティーは、virsh dump コマンドのデフォルトファイル形式に対応しなくなりました。crash を使用してコアダンプファイルを分析するには、--memory-only オプションを使用してファイルを作成する必要があります。
また、コアダンプファイルを作成して Red Hat サポートケースに添付する場合は、--memory-only オプションを使用する必要があります。
トラブルシューティング
virsh dump コマンドが System is deadlocked on memory エラーで失敗する場合、コアダンプファイルに十分なメモリーが割り当てられていることを確認してください。これを行うには、以下の crashkernel オプション値を使用します。または、コアダンプメモリーを自動的に割り当てる crashkernel は一切使用しないでください。
crashkernel=1G-4G:192M,4G-64G:256M,64G-:512M
crashkernel=1G-4G:192M,4G-64G:256M,64G-:512M
20.3. 仮想マシンプロセスのバックトレース リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
仮想マシンの誤作動に関連するプロセスが機能する場合には、プロセス識別子 (PID) を指定して gstack コマンドを使用し、誤作動しているプロセスの実行スタックトレースを生成できます。プロセスがスレッドグループの一部である場合は、スレッドもすべてトレースされます。
前提条件
GDBパッケージがインストールされている。GDBおよび利用可能なコンポーネントのインストール方法は、Installing the GNU Debugger を参照してください。バックトレースするプロセスの PID を把握している。
pgrepコマンドの後にプロセス名を使用すると、PID を検索できます。以下に例を示します。pgrep libvirt 22014 22025
# pgrep libvirt 22014 22025Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
手順
gstackユーティリティーの後にバックトレースするプロセスの PID を指定して使用します。たとえば、以下のコマンドは、PID 22014 で libvirt プロセスをバックトレースします。
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
仮想マシンの問題報告およびログ提供に使用する追加のリソース
追加でヘルプおよびサポートを依頼するには、以下を行います。
redhat-support-tool コマンドラインオプション、Red Hat Portal UI、またはいくつかの FTP の方法を使用して、サービスリクエストを提出してください。
- 問題およびサポートを報告する方法は、サポートケースの作成 を参照してください。
サービス依頼の送信時に SOS Report およびログファイルをアップロードします。
これにより、Red Hat サポートエンジニアが必要な診断情報をすべて参照できるようになります。
- SOS レポートの詳細は、Red Hat ナレッジベースソリューション What is an SOS Report and how to create one in Red Hat Enterprise Linux? を参照してください。
- ログファイルの添付については、Red Hat ナレッジベースソリューション How to provide files to Red Hat Support? を参照してください。
第21章 RHEL 8 仮想化における機能のサポートおよび制限 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
このドキュメントでは、Red Hat Enterprise Linux 8 (RHEL 8) 仮想化の機能のサポートと制限事項について説明します。
21.1. RHEL 9 仮想化サポートの動作 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
一連のサポート制限は、Red Hat Enterprise Linux 8 (RHEL 8) の仮想化に適用されます。つまり、RHEL 8 で仮想マシンを使用する際に特定の機能を使用したり、割り当てられたリソースの一定量を超えたりすると、特定のサブスクリプションプランがない限り、Red Hat はこれらのゲストに対して限定的なサポートのみを提供します。
Recommended features in RHEL 8 virtualization に記載されている機能は、RHEL 8 システムの KVM ハイパーバイザーと連携するように、Red Hat によりテストおよび認定されています。したがって、RHEL 8 の仮想化の使用が完全にサポートされ、推奨されます。
Unsupported features in RHEL 8 virtualization に記載されている機能は動作する場合もありますが、サポート対象外であり、RHEL 8 での使用は意図されていません。したがって、Red Hat は、KVM を使用する RHEL 8 でこの機能を使用しないことを強く推奨します。
Resource allocation limits in RHEL 8 virtualization は、RHEL 8 の KVM ゲストで対応する特定のリソースの最大数をリスト表示します。この制限を超えるゲストは、Red Hat によって テクノロジープレビュー とみなされます。
さらに、特に記載がない限り、RHEL 8 の仮想化のドキュメントで使用されるすべての機能とソリューションがサポートされます。ただし、その一部は完全にテストされていないため、完全には最適化されない場合があります。
この制限の多くは、Red Hat が提供するその他の仮想化ソリューション (Red Hat Virtualization (RHV)、OpenShift Virtualization や Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) など) には適用されません。
21.2. RHEL 8 仮想化で推奨される機能 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
以下の機能は、Red Hat Enterprise Linux 8 (RHEL 8) に含まれる KVM ハイパーバイザーで使用することが推奨されます。
ホストシステムのアーキテクチャー
KVM を使用した RHEL 8 は、以下のホストアーキテクチャーでのみ対応します。
- AMD64 および Intel 64
- IBM Z - IBM z14 システム以降
- IBM POWER8
- IBM POWER9
その他のハードウェアアーキテクチャーは、KVM 仮想化ホストとして RHEL 8 の使用に対応していないため、Red Hat では推奨していません。とりわけ、これには 64 ビット ARM アーキテクチャー (ARM 64) が含まれます。
RHEL 8 のドキュメントでは、主に AMD64 および Intel 64 の機能および使用方法を説明します。異なるアーキテクチャーで RHEL 8 仮想化を使用する具体的な方法は、以下を参照してください。
ゲストのオペレーティングシステム
Red Hat は、特定のゲストオペレーティングシステム (OS) を使用する KVM 仮想マシンのサポートを提供します。認定ゲスト OS の詳細なリストについては、Red Hat ナレッジベースの 認定ゲストオペレーティングシステム を参照してください。
ただし、デフォルトでは、ゲスト OS とホストとは、同じサブスクリプションを使用しない点に注意してください。したがって、ゲスト OS を適切に機能させるには、別のライセンスまたはサブスクリプションをアクティベートする必要があります。
さらに、仮想マシンにアタッチするパススルーデバイスは、ホスト OS とゲスト OS の両方でサポートされる必要があります。
同様に、デプロイメントの最適な機能を得るには、Red Hat では、仮想マシンの XML 設定で定義する CPU モデルおよび機能が、ホスト OS とゲスト OS の両方でサポートされることを推奨します。
さまざまなバージョンの RHEL で認定された CPU およびその他のハードウェアを表示するには、Red Hat Ecosystem Catalog を参照してください。
マシンタイプ
VM がホストアーキテクチャーと互換性があり、ゲスト OS が最適に実行されるようにするには、仮想マシンで適切なマシンタイプを使用する必要があります。
コマンドラインを使用して仮想マシンを作成 する場合、virt-install ユーティリティーにより複数の方法でマシンタイプを設定できます。
-
--os-variantオプションを使用すると、virt-installは、使用しているホスト CPU に対して推奨され、ゲスト OS でサポートされているマシンタイプを自動的に選択します。 -
--os-variantを使用しない場合、または別のマシンタイプが必要な場合は、-machineオプションを使用してマシンタイプを明示的に指定します。 -
サポートされていない、またはホストと互換性のない
--machine値を指定すると、virt-installが失敗し、エラーメッセージが表示されます。
サポートされているアーキテクチャー上の KVM 仮想マシンに推奨されるマシンタイプ、および --machine オプションに対応する値は次のとおりです。Y は、RHEL 8 の最新のマイナーバージョンを表します。
-
Intel 64 および AMD64 (x86_64) の場合:
pc-q35-rhel8.Y.0→--machine=q35 -
IBM Z (s390x) の場合:
s390-ccw-virtio-rhel8.Y.0→--machine=s390-ccw-virtio -
IBM POWER (PPC) の場合:
pseries-rhel8.Y.0→--machine=pseries
既存の仮想マシンを取得する場合:
virsh dumpxml VM-name | grep machine=
# virsh dumpxml VM-name | grep machine=
ホストでサポートされているマシンタイプの完全なリストを表示する場合:
/usr/libexec/qemu-kvm -M help
# /usr/libexec/qemu-kvm -M help
21.3. RHEL 8 仮想化でサポートされていない機能 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
以下の機能は、Red Hat Enterprise Linux 8 (RHEL 8) に含まれる KVM ハイパーバイザーでは対応していません。
以下の制限は、OpenShift Virtualization や Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) など、Red Hat が提供する他の仮想化ソリューションには当てはまらない場合が多くあります。
RHV 4.2 以降、または RHOSP 13 以降でサポートされる機能は、以下の段落で説明します。
ホストシステムのアーキテクチャー
KVM を使用した RHEL 8 は、Recommended features in RHEL 8 virtualization に記載されていないホストアーキテクチャーではサポートされません。
特に、Red Hat は、RHEL 8 での KVM 仮想化に、64 ビット ARM アーキテクチャー (ARM 64) のシステムの使用をサポートしていません。
ゲストのオペレーティングシステム
RHEL 8 ホストは、次のゲストオペレーティングシステム (OS) を使用する KVM 仮想マシンには対応していません。
- Microsoft Windows 8.1 以前
- Microsoft Windows Server 2008 R2 以前
- macOS
- x86 システム用の Solaris
- 2009 年より前にリリースされたすべての OS
RHEL ホスト、Red Hat Virtualization (RHV)、およびその他の仮想化ソリューションでサポートされるゲスト OS の一覧は、Certified Guest Operating Systems in Red Hat OpenStack Platform, Red Hat Virtualization, OpenShift Virtualization and Red Hat Enterprise Linux with KVM を参照してください。
コンテナーでの仮想マシンの作成
Red Hat は、RHEL 8 ハイパーバイザーの要素を含むコンテナーの種類 (QEMU エミュレーターや libvirt パッケージなど) に関係なく、KVM 仮想マシンの作成に対応していません。
コンテナーに仮想マシンを作成する場合は、OpenShift Virtualization オファリングの使用を推奨します。
QEMU コマンドライン
QEMU は、RHEL 8 における仮想化アーキテクチャーの必須コンポーネントですが、手動で管理することが難しく、QEMU 設定に誤りがあるとセキュリティーの脆弱性を引き起こす可能性があります。したがって、qemu-kvm などの qemu-* コマンドラインユーティリティーの使用は、Red Hat ではサポートされていません。代わりに、ベストプラクティスに従って QEMU のオーケストレーションを行うため、virsh、virt-install、virt-xml などの libvirt ユーティリティーを使用します。
ただし、仮想ディスクイメージの管理 には qemu-img ユーティリティーがサポートされていることに注意してください。
vCPU のホットアンプラグ
実行中の仮想マシンから仮想 CPU (vCPU) を削除することは vCPU ホットアンプラグと呼ばれますが、RHEL 8 では対応していません。
メモリーのホットアンプラグ
実行中の仮想マシンに接続されているメモリーデバイスの削除 (メモリーのホットアンプラグとも呼ばれる) は、RHEL 8 では対応していません。
QEMU 側の I/O スロットリング
virsh blkdeviotune ユーティリティーを使用して仮想ディスク上の操作の最大入出力レベルを設定すること (QEMU 側の I/O スロットリングとも呼ばれます) は、RHEL 8 ではサポートされていません。
RHEL 8 で I/O スロットリングを設定するには、virsh blkiotune を使用します。これは、libvirt 側の I/O スロットリングとしても知られています。手順は、Disk I/O throttling in virtual machines を参照してください。
QEMU 側の I/O スロットリングは RHOSP でもサポートされています。詳細は、Red Hat ナレッジベースソリューションの ディスクのリソース制限の設定 および RHOSP ストレージガイド の Quality-of-Service 仕様の使用 セクションを参照してください。
さらに、OpenShift Virtualizaton は QEMU 側の I/O スロットリングもサポートします。
ストレージのライブマイグレーション
実行している仮想マシンのディスクイメージをホスト間で移行することは、RHEL 8 では対応していません。
その他のソリューション:
- ストレージライブマイグレーションは RHOSP でサポートされますが、制限がいくつかあります。詳細は ボリュームの移行 を参照してください。
ライブスナップショット
実行中の仮想マシンのスナップショットの作成または読み込み (ライブスナップショットとも呼ばれる) は、RHEL 8 では対応していません。
さらに、非ライブ仮想マシンスナップショットは RHEL 8 で非推奨となっていることに注意してください。したがって、シャットダウンされた仮想マシンのスナップショットの作成または読み込みには対応していますが、Red Hat は推奨していません。
その他のソリューション:
- ライブスナップショットは RHOSP でサポートされています。詳細は、Importing virtual machines into the overcloud を参照してください。
- ライブスナップショットは OpenShift Virtualization でもサポートされています。
vhost-user
RHEL 8 は 、vhost-user インターフェイスの実装をサポートしていません。
S3 および S4 のシステムの電力状態
仮想マシンを Suspend to RAM (S3) または Suspend to disk (S4) のシステム電源状態にサスペンドすることには対応していません。この機能はデフォルトでは無効になっており、有効にすると、仮想マシンが Red Hat のサポート対象外となります。
現在、S3 および S4 の状態は、Red Hat が提供する他の仮想化ソリューションでもサポートされていないことに注意してください。
マルチパス化された vDisk の S3-PR
マルチパス化された vDisk の SCSI3 の永続的な予約 (S3-PR) は、RHEL 8 では対応していません。これにより、RHEL 8 では、Windows Cluster に対応していません。
virtio-crypto
virtio-crypto デバイスを使用することは RHEL 8 では対応していないため、これを使用しないことが強く推奨されています。
virtio-crypto デバイスは、Red Hat が提供する他の仮想化ソリューションでもサポートされていないことに注意してください。
インクリメンタルバックアップ
最後のバックアップ (インクリメンタルライブバックアップとも呼ばれる) 以降の仮想マシンの変更のみを保存する仮想マシンバックアップの設定は、RHEL 8 ではサポートされておらず、Red Hat はこれを使用しないことを強く推奨しています。
net_failover
RHEL 8 では、net_failover ドライバーを使用した自動ネットワークデバイスフェイルオーバーメカニズムの設定はサポートされていません。
現在、net_failover は、Red Hat が提供する他の仮想化ソリューションでもサポートされていないことに注意してください。
TPM パススルー
パススルーバックエンドを使用して物理 Trusted Platform Module (TPM) デバイスを仮想マシンに割り当てることは、RHEL 8 ホストではサポートされていません。代わりに、エミュレーターバックエンドを使用し、完全にサポートされる vTPM 機能を使用してください。
virtiofs
RHEL 8 では、virtiofs ファイルシステムを使用してホストとその仮想マシン間でファイルを共有することはサポートされていません。
ただし、RHEL 9 では virtiofs の使用がサポートされていることに注意してください。詳細は、RHEL 9 での仮想化の設定および管理 を参照してください。
TCG
QEMU と libvirt には、QEMU Tiny Code Generator (TCG) を使用した動的変換モードが含まれています。このモードでは、ハードウェアの仮想化のサポートは必要ありません。ただし、TCG は Red Hat ではサポートされていません。
TCG ベースのゲストは、PEAP dumpxml コマンドを使用するなど、XML 設定を調べることで確認できます。
TCG ゲストの設定ファイルでは、以下の行が含まれます。
<domain type='qemu'>
<domain type='qemu'>Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow KVM ゲストの設定ファイルでは、以下の行が含まれます。
<domain type='kvm'>
<domain type='kvm'>Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
SR-IOV InfiniBand ネットワークデバイス
Single Root I/O Virtualization (SR-IOV) を使用して InfiniBand ネットワークデバイスを仮想マシンに接続することはサポートされていません。
SGIO
SCSI 汎用 I/O (SGIO) を使用して SCSI デバイスを仮想マシンに接続することは、RHEL 8 ではサポートされていません。仮想マシンに SGIO デバイスが割り当てられているかどうかを検出するには、仮想マシン設定で次の行を確認します。
<disk type="block" device="lun">
<disk type="block" device="lun">
<hostdev mode='subsystem' type='scsi'>
<hostdev mode='subsystem' type='scsi'>
21.4. RHEL 8 仮想化におけるリソース割り当ての制限 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
以下の制限は、Red Hat Enterprise Linux 8 (RHEL 8) ホストの 1 台の KVM 仮想マシンに割り当てることができる仮想化リソースに適用されます。
この制限の多くは、Red Hat が提供するその他の仮想化ソリューション (Red Hat Virtualization (RHV)、OpenShift Virtualization や Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) など) には適用されません。
仮想マシンごとの vCPU の最大数
RHEL 8 ホストで実行されている単一の VM でサポートされる vCPU とメモリーの最大量については、KVM による Red Hat Enterprise Linux の仮想化の制限 を参照してください。
各仮想マシンの PCI デバイス
RHEL 8 は、各仮想マシンバスごとに 64 個の PCI デバイススロットをサポートし、デバイススロットごとに 8 個の PCI 機能をサポートします。これにより、仮想マシンで多機能の性能が有効になり、PCI ブリッジが使用されていない場合に、理論上は 1 つのバスあたり最大 512 個の PCI 機能が提供されます。
各 PCI ブリッジは新しいバスを追加します。これにより、別の 512 個のデバイスアドレスが有効になる可能性があります。ただし、一部のバスでは、512 個のデバイスアドレスすべてをユーザーが使用できるわけではありません。たとえば、ルートバスには、スロットを占有する複数の組み込みデバイスがあります。
仮想化 IDE デバイス
KVM は、各仮想マシンで仮想化されている IDE デバイスの最大数を 4 に制限します。
21.5. サポートされているディスクイメージ形式 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
RHEL で仮想マシン (VM) を実行するには、サポートされている形式のディスクイメージを使用する必要があります。サポートされていない特定のディスクイメージをサポートされている形式に変換することもできます。
仮想マシンでサポートされているディスクイメージ形式
RHEL で仮想マシンを実行するには、次の形式のディスクイメージを使用できます。
- qcow2 - 圧縮などの追加機能を提供します。
- raw - より良いパフォーマンスが得られる可能性があります。
- luks - Linux Unified Key Setup (LUKS) 仕様を使用して暗号化されたディスクイメージ。
変換でサポートされているディスクイメージ形式
-
必要に応じて、
qemu-img convertコマンドを使用して、ディスクイメージをraw形式とqcow2形式間で変換できます。 -
vmdk ディスクイメージを
rawまたはqcow2形式に変換する必要がある場合は、virt-v2vユーティリティーを使用 して、ディスクを使用する仮想マシンを KVM に変換します。 他のディスクイメージ形式を
rawまたはqcow2に変換するには、qemu-img convertコマンド を使用できます。このコマンドで使用できる形式のリストは、QEMU のドキュメント を参照してください。ほとんどの場合、非 KVM 仮想マシンのディスクイメージ形式を
qcow2またはrawに変換するだけでは、仮想マシンを RHEL KVM 上で正しく実行するのに十分ではないことに注意してください。ディスクイメージを変換するだけでなく、対応するドライバーを仮想マシンのゲストオペレーティングシステムにインストールして設定する必要があります。サポートされているハイパーバイザー変換には、virt-v2vユーティリティーを使用します。
21.6. RHEL 8 における仮想化機能のサポートの概要 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
以下の表は、対応するシステムアーキテクチャーで、RHEL 8 で選択された仮想化機能のサポート状態に関する比較情報を示しています。
| Intel 64 および AMD64 | IBM Z | IBM POWER | |
|---|---|---|---|
| CPU ホットプラグ | サポート対象 | サポート対象 | サポート対象 |
| CPU のホットアンプラグ | UNSUPPORTED | UNSUPPORTED | UNSUPPORTED |
| メモリーのホットプラグ | サポート対象 | UNSUPPORTED | サポート対象 |
| メモリーのホットアンプラグ | UNSUPPORTED | UNSUPPORTED | UNSUPPORTED |
| PCI ホットプラグ | サポート対象 | サポート対象 [a] | サポート対象 |
| PCI ホットアンプラグ | サポート対象 | サポート対象 [b] | サポート対象 |
| Intel 64 および AMD64 | IBM Z | IBM POWER | |
|---|---|---|---|
| NUMA チューニング | サポート対象 | UNSUPPORTED | サポート対象 |
| SR-IOV デバイス | サポート対象 | UNSUPPORTED | サポート対象 |
| virt-v2v および p2v | サポート対象 | UNSUPPORTED | UNSUPPORTED |
サポートされていない機能の一部は、Red Hat Virtualization や Red Hat OpenStack プラットフォームなどのその他の Red Hat 製品でサポートしていることに注意してください。詳細は、Unsupported features in RHEL 8 virtualization を参照してください。
関連情報
- RHEL 8 でサポート対象外になっている仮想マシンの機能のリストは、Unsupported features in RHEL 8 virtualization を参照してください。
- IBM Z アーキテクチャーの仮想化の詳細は、How virtualization on IBM Z differs from AMD64 and Intel 64 を参照してください。
- IBM POWER アーキテクチャーの仮想化の詳細は、How virtualization on IBM POWER differs from AMD64 and Intel 64 を参照してください。