第4章 RHEL 8.0.1 リリース
4.1. 新機能
rhel-system-roles の更新
RHEL サブシステムの設定インターフェイスを提供する rhel-system-roles
パッケージが更新されました。以下は、主な変更点です。
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network
ロールで不明なプロファイルの処理が改善しました。absent
への永続的な状態を設定することで、既存の NetworkManager のディスク上のプロファイル設定を削除すると、プロファイルの永続的な設定のみが削除され、現在のランタイム設定は変更しません。その結果、上記の状況では、対応するネットワークデバイスがダウンしなくなります。 network
ロールの VLAN インターフェイスおよび MACVLAN インターフェイスに最大転送単位 (MTU) のサイズを指定することが修正されました。これにより、network
ロールを使用して VLAN インターフェイスおよび MACVLAN インターフェイスに MTU サイズを設定すると、以下のエラーメッセージで失敗します。failure: created connection failed to normalize: nm-connection-error-quark: connection.type: property is missing (6)
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selinux
ロールおよびtimesync
ロールでは、ドキュメント化された入力変数がすべてデフォルトファイル (defaults/main.yml
) に記載されるようになりました。これにより、ロールが対応する入力変数は、各デフォルトファイルの内容を調べれば簡単に確認できるようになりました。 -
kdump
ロールおよびtimesync
ロールは、チェックモードで失敗しないように修正されました。
(BZ#1685902, BZ#1674004, BZ#1685904)
sos-collector
がバージョン 1.7 にリベース
sos-collector
パッケージが、RHEL 8.0.1 でバージョン 1.7 に更新されました。以下は、主な変更点です。
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sos-collector
は、通常の RHEL ノードと同じように、Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) ノードから sosreport を収集できるようになりました。ユーザーは、sos-collector
の実行方法を変更する必要はありません。ノードが RHCOS または RHEL を自動的に識別します。 -
RHCOS ノードから収集すると、
sos-collector
はノードに一時的なコンテナーを作成し、support-tools
コンテナーを使用して sosreport を生成します。このコンテナーは、完了後に削除されます。 -
--cluster-type=none
オプションを使用すると、ノードで実行するsosreport
コマンドに対するクラスター関連の確認または修正をすべてスキップし、--nodes
パラメーターで渡されるノードの静的なリストから簡単に収集できるようになります。 - Red Hat Satellite は、Satellite および Capsules から sosreport を収集できる、現在対応しているクラスタータイプです。
(BZ#1695764)
アップグレードされたコンパイラーツールセット
アプリケーションストリームとして配布されている以下のコンパイラーツールセットが、RHEL 8.0.1 でアップグレードされました。
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Rust Toolset は、Rust プログラミング言語コンパイラー (
rustc
)、cargo
ビルドツールおよび依存マネージャー、および必要なライブラリーをバージョン 1.35 に提供します。 -
Go Toolset は、Go (
golang
) プログラミング言語ツールおよびライブラリーをバージョン 1.11.6 に提供します。
(BZ#1731500)
SMT の有効化と無効化
RHEL 8 では、同時マルチスレッド (SMT) 設定が利用できるようになりました。Web コンソールで SMT を無効にすると、以下のような CPU セキュリティー脆弱性を軽減できます。