3.5. Maven アーティファクトおよびコーディネート
Maven ビルドシステムでは、アーティファクト が基本のビルドブロックです。ビルド後のアーティファクトの出力は、通常 JAR や WAR ファイルなどのアーカイブになります。
Maven の主な特徴として、アーティファクトを検索し、検索したアーティファクト間で依存関係を管理できる機能が挙げられます。Maven コーディネート は、特定のアーティファクトの場所を特定する値のセットです。基本的なコーディネートには、以下の形式の 3 つの値があります。
groupId:artifactId:version
基本的なコーディネートに packaging の値、または packaging と classifier の値の両方を追加することがあります。Maven コーディネートには以下の形式のいずれかを使用できます。
groupId:artifactId:version groupId:artifactId:packaging:version groupId:artifactId:packaging:classifier:version
値の説明は次のとおりです。
- groupdId
-
アーティファクトの名前の範囲を定義します。通常、パッケージ名のすべてまたは一部をグループ ID として使用します。例:
org.fusesource.example
- artifactId
- グループ名に関連するアーティファクト名を定義します。
- version
-
アーティファクトのバージョンを指定します。バージョン番号には
n.n.n.n
のように最大 4 つの部分を含めることができ、最後の部分には数字以外の文字を含めることができます。たとえば1.0-SNAPSHOT
の場合、最後の部分は英数字のサブ文字列である0-SNAPSHOT
になります。 - packaging
-
プロジェクトのビルド時に生成されるパッケージ化されたエンティティーを定義します。OSGi プロジェクトでは、パッケージングは
bundle
になります。デフォルト値はjar
です。 - classifier
- 同じ POM からビルドされた内容が異なるアーティファクトを区別できるようにします。
アーティファクトの POM ファイルの要素は、以下のようにアーティファクトのグループ ID、アーティファクト ID、パッケージング、およびバージョンを定義します。
<project ... > ... <groupId>org.fusesource.example</groupId> <artifactId>bundle-demo</artifactId> <packaging>bundle</packaging> <version>1.0-SNAPSHOT</version> ... </project>
前述のアーティファクトの依存関係を定義するには、以下の dependency
要素を POM ファイルに追加します。
<project ... > ... <dependencies> <dependency> <groupId>org.fusesource.example</groupId> <artifactId>bundle-demo</artifactId> <version>1.0-SNAPSHOT</version> </dependency> </dependencies> ... </project>
バンドルは特定タイプの JAR ファイルで、jar
はデフォルトの Maven パッケージタイプであるため、前述の依存関係に bundle
パッケージを指定する必要はありません。依存関係でパッケージタイプを明示的に指定する必要がある場合は、type
要素を使用できます。