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5.5. システムタグ付けのカスタム

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システムにカスタムグルーピングとタグ付けを適用して、個別のシステムにコンテキストマーカーを追加したり、Insights for Red Hat Enterprise Linux アプリケーションでこれらのタグ別にフィルタリングしたり、より簡単に関連システムに焦点を当てたりすることができます。この機能は、何百または何千ものシステムが管理されている環境で、Red Hat Enterprise Linux の Insights を大規模にデプロイメントする場合に特に価値があります。

複数の Insights for Red Hat Enterprise Linux サービスにカスタムタグを追加する機能に加えて、定義済みタグを追加できます。advisor サービスは、これらのタグを使用して、より高いレベルのセキュリティーを必要とするシステムなど、より注意が必要なシステムに的を絞った推奨事項を作成できます。

注記

カスタムタグと定義済みタグを作成するには、/etc/insights-client/tags.yaml ファイルに追加または変更するための root 権限、またはそれと同等の権限が必要です。

5.5.1. タグ構造

タグは、namespace/key=value のペアの構造を使用します。

  • 名前空間。名前空間は、インジェストポイントである insights-client の名前であり、変更することはできません。tags.yaml ファイルは名前空間から抽象化され、アップロード前に Insights クライアントによって挿入されます。
  • キー。キーは、ユーザーが選択したキーまたはシステムの定義済みのキーにすることができます。大文字、文字、数字、記号、および空白文字の組み合わせを使用できます。
  • 値。独自の記述文字列値を定義します。大文字、文字、数字、記号、および空白文字の組み合わせを使用できます。
注記

advisor サービスには、Red Hat がサポートする定義済みタグが含まれています。

5.5.2. tags.yaml ファイルの作成とカスタムグループの追加

insights-client --group=<name-you-choose> を使用してタグ作成し、/etc/insights-client/tags.yaml に追加します。これは、以下を実行します。

  • etc/insights-client/tags.yaml ファイルを作成します。
  • group= キーおよび <name-you-choose> の値を tags.yaml に追加します。
  • システムから Insights for Red Hat Enterprise Linux アプリケーションに新規アーカイブをアップロードすることで、最新の結果とともに新しいタグがすぐに表示されます。

初期 グループ タグを作成したら、必要に応じて /etc/insights-client/tags.yaml ファイルを編集し、タグを追加します。

次の手順は、/etc/insights-client/tags.yaml ファイルと初期グループを作成し、そのタグが Insights for Red Hat Enterprise Linux インベントリーに存在することを確認する方法を示しています。

グループの新規作成手順

  1. --group= の後にカスタムグループ名を追加して、root で以下のコマンドを実行します。

    [root@server ~]# insights-client --group=<name-you-choose>

tags.yaml 形式の例

次の tags.yaml ファイルの例は、新しいグループに追加されたファイル形式と追加のタグの例を示しています。

# tags
---
group: eastern-sap
name: Jane Example
contact: jexample@corporate.com
Zone: eastern time zone
Location:
- gray_rack
- basement
Application: SAP

カスタムグループが作成されたことを確認する手順

  1. 必要に応じて Red Hat Insights > RHEL > Inventory に移動し、ログインします。
  2. Filter results ドロップダウンメニューをクリックします。
  3. リストをスクロールするか、検索機能を使用してタグを見つけます。
  4. タグをクリックしてフィルター処理を行います。
  5. システムが、アドバイザーシステムリストの結果に含まれていることを確認します。

システムがタグ付けされていることを確認する手順

  1. 必要に応じて Red Hat Insights > RHEL > Inventory に移動し、ログインします。
  2. Name フィルターをアクティブにし、システムが表示されるまでシステム名を入力してから選択します。
  3. システム名の横にタグシンボルがグレイになり、適用されるタグの正確な数を表す数字が表示されることを確認します。

5.5.3. タグの追加または変更を行うための tags.yaml の編集

グループフィルターを作成したら、必要に応じて /etc/insights-client/tags.yaml の内容を編集して、タグの追加または変更を行います。

手順

  1. コマンドラインで、編集するタグ設定ファイルを開きます。

    [root@server ~]# vi /etc/insights-client/tags.yaml

  2. 必要に応じてコンテンツを編集するか、追加値を追加します。以下の例は、システムに複数のタグを追加する際の tags.yaml の管理方法を示しています。

    # tags
    ---
    group: eastern-sap
    location: Boston
    description:
    - RHEL8
    - SAP
    key 4: value
    注記

    必要な数の key=value ペアを追加します。大文字、文字、数字、記号、および空白文字の組み合わせを使用します。

  3. 変更を保存してエディターを閉じます。
  4. オプションで、Red Hat Enterprise Linux の Insights へのアップロードを生成します。

    # insights-client

5.5.4. 定義済みのシステムタグを使用した Red Hat Insights advisor サービスの推奨事項の精度とセキュリティーの向上

Red Hat Insights advisor サービスの推奨事項は、すべてのシステムを同等に扱います。ただし、システムによっては、他のシステムよりも高いレベルのセキュリティーが必要な場合や、異なるネットワークパフォーマンスレベルが必要な場合があります。カスタムタグを追加する機能に加えて、Red Hat Insights for Red Hat Enterprise Linux は定義済みタグを提供します。advisor サービスはこれを使用して、より注意が必要な可能性のあるシステムに的を絞った推奨事項を作成できます。

定義済みタグによって提供される拡張されたセキュリティー強化と強化された検出および修復機能をオプトインして取得するには、タグを設定する必要があります。設定後、advisor サービスは、調整された重大度レベルと、システムに適用されるネットワークパフォーマンス設定に基づいて推奨事項を提供します。

タグを設定するには、/etc/insights-client/tags.yaml ファイルを使用して、インベントリーサービスでシステムにタグを付ける場合と同様の方法で、定義済みタグを使用してシステムにタグを付けます。定義済みタグは、カスタムタグの作成に使用されるのと同じ key=value 構造を使用して設定されます。Red Hat の定義済みタグの詳細を次の表に示します。

表5.1 サポートされている定義済みタグのリスト
キー注記

security

normal (デフォルト) / strict

default を使用すると、advisor サービスは、システムのリスクプロファイルを、RHEL の最新バージョンのデフォルト設定および頻繁に使用される使用パターンから導出されたベースラインと比較します。これにより、推奨事項の焦点があっており、アクション可能で、数を減らすことができます。strict 値を使用すると、advisor サービスはセキュリティーが重要なシステムであると見なし、特定の推奨事項でより厳密なベースラインが使用されるようになり、新しい最新の RHEL インストールでも推奨事項が表示される可能性があります。

network_performance

null (デフォルト) / latency / throughput

ネットワークパフォーマンス設定 (ビジネス要件に応じたレイテンシーまたはスループット) は、システムに対する advisor サービスの推奨事項の重大度に影響します。

注記

定義済みタグのキー名は予約されています。定義済みの値とは異なる値を持つキー security をすでに使用している場合、推奨事項に変更は加えられません。既存の key=value がいずれかの定義済みのキーと同じ場合にのみ、推奨事項に変更が加えられます。たとえば、key=valuesecurity: high の場合、Red Hat の定義済みタグが原因で、推奨事項は変更されません。key=value ペアが security: strict である場合は、システムの推奨事項に変更が加えられます。

5.5.5. 定義済みタグの設定

Red Hat Insights for Red Hat Enterprise Linux advisor サービスの定義済みタグを使用すると、システムの推奨事項の動作を調整し、拡張されたセキュリティー強化と強化された検出および修復機能を得ることができます。以下の手順に従って、事前定義されたタグを設定できます。

前提条件

  • システムへのルートレベルのアクセスがある。
  • Insights クライアントがインストールされている。
  • Insights クライアント内にシステムが登録されている。
  • すでに tags.yaml ファイルを作成している。tags.yaml ファイルの作成とカスタムグループの追加 を参照してください。

手順

  1. コマンドラインと任意のエディターを使用して、/etc/insights-client/tags.yaml を開きます。(次の例では Vim を使用しています。)

    [root@server ~]# vi /etc/insights-client/tags.yaml
  2. /etc/insights-client/tags.yaml ファイルを編集して、タグの定義済みの key=value ペアを追加します。この例は、security: strict および network_performance: latency タグを追加する方法を示しています。

    # cat /etc/insights-client/tags.yaml
    group: redhat
    location: Brisbane/Australia
    description:
    - RHEL8
    - SAP
    security: strict
    network_performance: latency
  3. 変更を保存します。
  4. エディターを終了します。
  5. オプション: Insights-client コマンドを実行して、Red Hat Insights for Red Hat Enterprise Linux へのアップロードを生成するか、次のスケジュールされた Red Hat Insights アップロードまで待ちます。

    [root@server ~]# insights-client

定義済みタグが実稼働環境にあることの確認

Red Hat Insights へのアップロードを生成した後 (または、次の Insights アップロードのスケジュールを待った後)、Red Hat Insights > RHEL > Inventory にアクセスして、タグが実稼働環境にあるかどうかを確認できます。システムを見つけて、新たに作成されたタグを探します。次のことを示す表が表示されます。

  • 名前
  • タグソース (例: insights-client)。

次のイメージは、タグを作成した後にインベントリーに表示される内容の例を示しています。

現在の名前を表示する強調表示された情報

定義済みタグを適用した後の推奨事項の例

次の図では、advisor サービスは network_performance: latency タグが設定されたシステムを示しています。

推奨事項 2 点

システムは、総リスク (重要に分類) が高い推奨事項を表示します。network_performance: latency タグのないシステムの場合、総リスクは中程度に分類されます。総リスクの高さに基づいて、システムの優先順位付けに関する決定を行うことができます。

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