第1章 Prometheus の概要
Prometheus は、Red Hat OpenShift 環境にデプロイされたサービスの監視に使用できる、システムおよびサービスのオープンソースの監視およびアラートツールキットです。Prometheus は、指定の間隔で設定されたサービスからメトリクスを収集および保存します。さらに、ルール式の評価や結果の表示を行い、指定の条件が true になるとアラートをトリガーできます。
Prometheus に対する Red Hat のサポートは、Red Hat 製品ドキュメントに記載されているセットアップと推奨設定に限定されます。
OpenShift サービスを監視するには、エンドポイントを Prometheus 形式に公開するように各サービスを設定する必要があります。このエンドポイントは、メトリクスのリストとメトリクスの現在の値を提供する HTTP インターフェースです。Prometheus は定期的にターゲット定義の各エンドポイントをスクレイピングし、収集したデータをそのデータベースに書き込みます。Prometheus は、現在実行中のセッションだけでなく、長期間にわたってデータを収集します。Prometheus は、データ上でクエリーをグラフィカルに可視化し、実行できるように、データを格納します。
1.1. Prometheus クエリー リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
Prometheus Web インターフェースでは、Prometheus Query Language (PromQL) でクエリーを作成して、収集したデータを選択し、集約することができます。
たとえば、以下のクエリーを使用すると、Prometheus が直近の 5 分間に記録したすべての時系列データから、メトリクス名が http_requests_total
である値をすべて選択することができます。
http_requests_total[5m]
http_requests_total[5m]
クエリーの結果をさらに定義または絞り込むには、メトリクスのラベル (key:value
ペア) を指定します。たとえば、以下のクエリーを使用すると、Prometheus が直近の 5 分間に記録したすべて時系列データから、メトリクス名が http_requests_total
でかつジョブラベルが integration
に設定されている値をすべて選択することができます。
http_requests_total{job="integration"}[5m]
http_requests_total{job="integration"}[5m]