第1章 はじめに
このインストールガイドには、サポートされるオペレーティングシステム上で JBoss Web Server から Tomcat サーバーをインストール、マイナーアップグレード、および基本設定する手順が含まれています。Apache HTTP Server のインストールおよび設定手順は、JBoss Core Services ドキュメンテーションを参照してください。
1.1. Red Hat JBoss Web Server
Red Hat JBoss Web Server は、Java Web アプリケーションをホストするための完全統合および認定されたコンポーネントセットです。以下のコンポーネントで構成されます。
- Web サーバー (Apache HTTP Server)
- アプリケーションサーバー (Apache Tomcat サーブレットコンテナー)
- ロードバランサー (mod_jk および mod_cluster)
- Tomcat Native Library
1.1.1. コンポーネントの完全リスト
Red Hat JBoss Web Server には以下のコンポーネントが含まれます。
コンポーネント | バージョン |
---|---|
Apache CXF | 3.2.7 |
Apache Tomcat 9 | 9.0.21 |
ECJ | 4.12.0 |
Hibernate | 5.3.10 |
JBoss Logging | 3.3.2 |
libapr | 1.6.3 |
mod_cluster | 1.4.1.Final |
OpenSSL | 1.1.1c |
Tomcat-Native | 1.2.21 |
Tomcat-Vault | 1.1.8.Final |
Apache Tomcat は、RHEL 6 および RHEL 7 の一部として RHEL プラットフォームのサブスクリプションで提供されていますが、RHEL 8 には提供されません。今後のリリースでは、Tomcat は Middleware Runtimes サブスクリプションの一部として取得できます。RHEL が提供する Tomcat と、Runtimes JWS サブスクリプションで提供される Tomcat にはいくつかの違いがあります。RHEL 6 には Tomcat 6 があり、RHEL 7 には Tomcat 7 があります。JWS バージョン 3.1 は Tomcat 7 および 8 を提供し、JWS バージョン 5.x は Tomcat 9 を提供します。RHEL 6 は現在メンテナンス状態にあり、完全にサポートされていません。Tomcat の問題は、JWS エンタイトルメントのあるバージョンのみ (Tomcat 7、8、および 9) に適用する必要があります。また、両方のプロジェクトは RPM パッケージを提供しますが、JWS のみが .ZIP アーカイブを提供します。
主なコンポーネントの説明は次のとおりです。
- Apache tomcat: Java Servlet Specification に準拠するサーブレットコンテナー。JBoss Web Server には Apache Tomcat 9 が含まれています。
- Apache tomcat ネイティブライブラリー: Tomcat ライブラリーでは、Tomcat のスケーラビリティー、パフォーマンス、ネイティブサーバー技術との統合が改善されます。
- Tomcat-vault: JBoss Web Server によって使用されるパスワードおよび他の機密情報をセキュアに保存するために使用される JBoss Web Server の拡張機能。
-
mod_cluster ライブラリー: Apache Tomcat と Apache HTTP Server の
mod_proxy_cluster
モジュール間の通信を可能にするライブラリー。これにより、Apache HTTP Server を JBoss Web Server のロードバランサーとして使用することができます。mod_cluster
の設定、mod_jk
およびmod_proxy
の代替ロードバランサーのインストールおよび設定の詳細は、『HTTP Connectors and Load Balancing Guide』を参照してください。 Apache ポータブルランタイム (APR): ネイティブサーバー技術との優れたスケーラビリティー、パフォーマンス、および改善された統合を提供するランタイム。APR は、Apache HTTP Server 2.x の中核となる大変ポータブルなライブラリーです。これにより、以下にアクセスできます。
- 高度な IO 機能: sendfile、epoll、OpenSSL など。
- オペレーティングシステムレベルの機能: 乱数の生成やシステムステータスなど。
- ネイティブプロセス処理 - 共有メモリー、NT パイプ、Unix ソケットなど
- OpenSSL: Secure Sockets Layer (SSL) プロトコルおよび TLS (Transport Layer Security) プロトコルを実装するソフトウェアライブラリー。基本的な暗号化ライブラリーが含まれています。
- Java アプリケーションのクラスタリングまたはセッションレプリケーションのサポートが必要な場合、Red Hat は Red Hat JBoss Enterprise Application Platform (JBoss EAP)を使用することを推奨します。