3.11. シングルモデルサービングプラットフォームを使用したモデルのデプロイ


シングルモデルサービングプラットフォームでは、各モデルが独自のモデルサーバー上でデプロイされます。これにより、リソースの増加を必要とする大規模なモデルのデプロイ、監視、スケーリング、保守が容易になります。

重要

シングルモデルサービングプラットフォームを使用して、自己署名 SSL 証明書を使用する S3 互換ストレージからモデルをデプロイする場合は、OpenShift クラスターに認証局 (CA) バンドルをインストールする必要があります。詳細は、証明書の使用 (OpenShift AI Self-Managed) または 証明書の使用 (非接続環境の OpenShift AI Self-Managed) を参照してください。

3.11.1. シングルモデルサービングプラットフォームの有効化

KServe をインストールすると、Red Hat OpenShift AI ダッシュボードを使用して、シングルモデルサービングプラットフォームを有効にすることができます。ダッシュボードを使用して、プラットフォームのモデルサービングランタイムを有効にすることもできます。

前提条件

  • OpenShift AI 管理者権限を持つユーザーとして OpenShift AI にログインしている。
  • KServe をインストールしている。
  • クラスター管理者は、OpenShift AI ダッシュボード設定を編集して KServe コンポーネントを使用するシングルモデルサービングプラットフォームを選択する機能を無効に していない。詳細は、ダッシュボード設定オプション を参照してください。

手順

  1. 次のようにシングルモデルサービングプラットフォームを有効にします。

    1. 左側のメニューで、Settings Cluster settings をクリックします。
    2. Model serving platforms セクションを見つけます。
    3. プロジェクトに対してシングルモデルサービングプラットフォームを有効にするには、Single model serving platform チェックボックスをオンにします。
    4. Save changes をクリックします。
  2. 次のように、シングルモデルサービングプラットフォーム用のプリインストールされたランタイムを有効にします。

    1. OpenShift AI ダッシュボードの左側のメニューで、Settings Serving runtimes をクリックします。

      Serving runtimes ページには、プリインストールされたランタイムと追加したカスタムランタイムが表示されます。

      プリインストールされたランタイムの詳細は、サポートされているランタイム を参照してください。

    2. 使用するランタイムを Enabled に設定します。

      これで、シングルモデルサービングプラットフォームをモデルのデプロイに使用できるようになりました。

3.11.2. シングルモデルサービングプラットフォーム用のカスタムモデルサービングランタイムの追加

モデルサービングランタイムは、特定のモデルフレームワーク群のサポートと、それらのフレームワークでサポートされるモデル形式のサポートを追加します。OpenShift AI に含まれている プリインストールされたランタイム を使用できます。デフォルトのランタイムがニーズを満たしていない場合は、独自のカスタムランタイムを追加することもできます。たとえば、TGIS ランタイムが Hugging Face Text Generation Inference (TGI) でサポートされているモデル形式をサポートしていない場合は、カスタムランタイムを作成してモデルのサポートを追加できます。

管理者は、OpenShift AI インターフェイスを使用して、カスタムのモデルサービングランタイムを追加して有効にすることができます。その場合は、シングルモデルサービングプラットフォームにモデルをデプロイする際に、カスタムランタイムを選択できます。

注記

Red Hat はカスタムランタイムのサポートを提供しません。追加したカスタムランタイムを使用するライセンスがあることを確認し、お客様の責任で正しく設定および保守するようにしてください。

前提条件

  • OpenShift AI 管理者権限を持つユーザーとして OpenShift AI にログインしている。
  • カスタムランタイムをビルドし、イメージを Quay などのコンテナーイメージリポジトリーに追加している。

手順

  1. OpenShift AI ダッシュボードから、Settings > Serving runtimes をクリックします。

    Serving runtimes ページが開き、すでにインストールされ有効になっているモデルサービングランタイムが表示されます。

  2. カスタムランタイムを追加するには、次のオプションのいずれかを選択します。

    • 既存のランタイム (TGIS Standalone ServingRuntime for KServe など) で開始するには、既存のランタイムの横にあるアクションメニュー (⋮) をクリックしてから、Duplicate をクリックします。
    • 新しいカスタムランタイムを追加するには、Add serving runtime をクリックします。
  3. Select the model serving platforms this runtime supports リストで、Single-model serving platform を選択します。
  4. Select the API protocol this runtime supports リストで、REST または gRPC を選択します。
  5. オプション: (既存のランタイムを複製するのではなく) 新しいランタイムを開始した場合は、次のオプションのいずれかを選択してコードを追加します。

    • YAML ファイルをアップロードする

      1. Upload files をクリックします。
      2. ファイルブラウザーで、コンピューター上の YAML ファイルを選択します。

        埋め込み YAML エディターが開き、アップロードしたファイルの内容が表示されます。

    • エディターに YAML コードを直接入力する

      1. Start from scratch をクリックします。
      2. 埋め込みエディターに YAML コードを直接入力または貼り付けます。
    注記

    多くの場合、カスタムランタイムを作成するには、ServingRuntime 仕様の env セクションに新しいパラメーターまたはカスタムパラメーターを追加する必要があります。

  6. Add をクリックします。

    Serving runtimes ページが開き、インストールされているランタイムの更新されたリストが表示されます。追加したカスタムランタイムが自動的に有効になることを確認します。ランタイム作成時に指定した API プロトコルが表示されます。

  7. オプション: カスタムランタイムを編集するには、アクションメニュー (⋮) をクリックし、Edit を選択します。

検証

  • 追加したカスタムモデルサービングランタイムは、Serving runtimes ページに有効な状態で表示されます。

3.11.3. シングルモデルサービングプラットフォームへのテスト済みおよび検証済みのモデルサービングランタイム追加

プリインストールされたカスタムのモデルサービングランタイムに加えて、NVIDIA Triton Inference Server などの Red Hat でテストおよび検証されたモデルサービングランタイムを使用して要件に対応することもできます。Red Hat のテスト済みおよび検証済みのランタイムの詳細は、Red Hat OpenShift AI のテスト済みおよび検証済みのランタイム を参照してください。

Red Hat OpenShift AI ダッシュボードを使用して、シングルモデルサービングプラットフォーム用の NVIDIA Triton Inference Server ランタイムを追加して有効にできます。その場合は、シングルモデルサービングプラットフォームにモデルをデプロイする際に、ランタイムを選択できます。

前提条件

  • OpenShift AI 管理者権限を持つユーザーとして OpenShift AI にログインしている。

手順

  1. OpenShift AI ダッシュボードから、Settings > Serving runtimes をクリックします。

    Serving runtimes ページが開き、すでにインストールされ有効になっているモデルサービングランタイムが表示されます。

  2. Add serving runtime をクリックします。
  3. Select the model serving platforms this runtime supports リストで、Single-model serving platform を選択します。
  4. Select the API protocol this runtime supports リストで、REST または gRPC を選択します。
  5. Start from scratch をクリックします。

    1. REST API プロトコルを選択した場合は、埋め込みエディターに次の YAML コードを直接入力または貼り付けます。

      apiVersion: serving.kserve.io/v1alpha1
      kind: ServingRuntime
      metadata:
        name: triton-kserve-rest
        labels:
          opendatahub.io/dashboard: "true"
      spec:
        annotations:
          prometheus.kserve.io/path: /metrics
          prometheus.kserve.io/port: "8002"
        containers:
          - args:
              - tritonserver
              - --model-store=/mnt/models
              - --grpc-port=9000
              - --http-port=8080
              - --allow-grpc=true
              - --allow-http=true
            image: nvcr.io/nvidia/tritonserver@sha256:xxxxx
            name: kserve-container
            resources:
              limits:
                cpu: "1"
                memory: 2Gi
              requests:
                cpu: "1"
                memory: 2Gi
            ports:
              - containerPort: 8080
                protocol: TCP
        protocolVersions:
          - v2
          - grpc-v2
        supportedModelFormats:
          - autoSelect: true
            name: tensorrt
            version: "8"
          - autoSelect: true
            name: tensorflow
            version: "1"
          - autoSelect: true
            name: tensorflow
            version: "2"
          - autoSelect: true
            name: onnx
            version: "1"
          - name: pytorch
            version: "1"
          - autoSelect: true
            name: triton
            version: "2"
          - autoSelect: true
            name: xgboost
            version: "1"
          - autoSelect: true
            name: python
            version: "1"
    2. gRPC API プロトコルを選択した場合は、埋め込みエディターで次の YAML コードを直接入力または貼り付けます。

      apiVersion: serving.kserve.io/v1alpha1
      kind: ServingRuntime
      metadata:
        name: triton-kserve-grpc
        labels:
          opendatahub.io/dashboard: "true"
      spec:
        annotations:
          prometheus.kserve.io/path: /metrics
          prometheus.kserve.io/port: "8002"
        containers:
          - args:
              - tritonserver
              - --model-store=/mnt/models
              - --grpc-port=9000
              - --http-port=8080
              - --allow-grpc=true
              - --allow-http=true
            image: nvcr.io/nvidia/tritonserver@sha256:xxxxx
            name: kserve-container
            ports:
              - containerPort: 9000
                name: h2c
                protocol: TCP
            volumeMounts:
              - mountPath: /dev/shm
                name: shm
            resources:
              limits:
                cpu: "1"
                memory: 2Gi
              requests:
                cpu: "1"
                memory: 2Gi
        protocolVersions:
          - v2
          - grpc-v2
        supportedModelFormats:
          - autoSelect: true
            name: tensorrt
            version: "8"
          - autoSelect: true
            name: tensorflow
            version: "1"
          - autoSelect: true
            name: tensorflow
            version: "2"
          - autoSelect: true
            name: onnx
            version: "1"
          - name: pytorch
            version: "1"
          - autoSelect: true
            name: triton
            version: "2"
          - autoSelect: true
            name: xgboost
            version: "1"
          - autoSelect: true
            name: python
            version: "1"
      volumes:
        - emptyDir: null
          medium: Memory
          sizeLimit: 2Gi
          name: shm
  6. metadata.name フィールドで、追加するランタイムの値が、すでに追加されているランタイムと一致していないことを確認してください。
  7. オプション: 追加するランタイムのカスタム表示名を使用するには、次の例に示すように、metadata.annotations.openshift.io/display-name フィールドを追加し、値を指定します。

    apiVersion: serving.kserve.io/v1alpha1
    kind: ServingRuntime
    metadata:
      name: kserve-triton
      annotations:
        openshift.io/display-name: Triton ServingRuntime
    注記

    ランタイムのカスタム表示名を設定しないと、OpenShift AI には metadata.name フィールドの値が表示されます。

  8. Create をクリックします。

    Serving runtimes ページが開き、インストールされているランタイムの更新されたリストが表示されます。追加したランタイムが自動的に有効になっていることを確認します。ランタイム作成時に指定した API プロトコルが表示されます。

  9. オプション: ランタイムを編集するには、アクションメニュー (⋮) をクリックし、Edit を選択します。

検証

  • 追加したモデルサービスランタイムは、Serving runtimes ページに有効な状態で表示されます。

3.11.4. シングルモデルサービングプラットフォームへのモデルのデプロイ

シングルモデルサービングプラットフォームを有効にすると、カスタムまたはプリインストールされたモデルサービングランタイムを有効にして、プラットフォームへのモデルのデプロイを開始できます。

注記

Text Generation Inference Server (TGIS) は、Hugging Face TGI の初期のフォークに基づいています。Red Hat は、TGI モデルをサポートするスタンドアロン TGIS ランタイムの開発を継続します。モデルが OpenShift AI の現在のバージョンで機能しない場合、今後のバージョンでサポートが追加される可能性があります。それまでの間は、独自のカスタムランタイムを追加して TGI モデルをサポートすることもできます。詳細は、シングルモデルサービングプラットフォーム用のカスタムモデルサービングランタイムの追加 を参照してください。

前提条件

  • Red Hat OpenShift AI にログインしている。
  • OpenShift AI グループを使用している場合は、OpenShift のユーザーグループまたは管理者グループ (rhoai-usersrhoai-admins など) に属している。
  • KServe をインストールしている。
  • シングルモデルサービングプラットフォームを有効にしている。
  • デプロイされたモデルのトークン認可と外部モデルルートを有効にするために、Authorino を認可プロバイダーとして追加している。詳細は、シングルモデルサービングプラットフォームの認可プロバイダーの追加 を参照してください。
  • データサイエンスプロジェクトを作成した。
  • S3 互換オブジェクトストレージにアクセスできる。
  • デプロイするモデルについて、S3 互換オブジェクトストレージバケット内の関連フォルダーパスを把握している。
  • Caikit-TGIS ランタイムを使用するために、モデルを Caikit 形式に変換している。例は、caikit-tgis-serving リポジトリーの Converting Hugging Face Hub models to Caikit format を参照してください。
  • モデルサーバーでグラフィックスプロセッシングユニット (GPU) を使用する場合は、OpenShift AI で GPU サポートを有効にしている。NVIDIA GPU の有効化 を参照してください。
  • vLLM ServingRuntime for KServe を使用するために、OpenShift AI で GPU サポートを有効にし、クラスターに Node Feature Discovery Operator をインストールして設定した。詳細は、Node Feature Discovery Operator のインストールNVIDIA GPU の有効化 を参照してください。
  • vLLM ServingRuntime with Gaudi accelerators support for KServe を使用するために、OpenShift AI のハイブリッドプロセッシングユニット (HPU) のサポートを有効にした。これには、Intel Gaudi AI アクセラレーター Operator のインストールとアクセラレータープロファイルの設定が含まれます。詳細は、Setting up Gaudi for OpenShift および アクセラレーターの使用 を参照してください。

    注記

    OpenShift AI 2.16 では、Red Hat はモデルサービング用に NVIDIA GPU アクセラレーターと Intel Gaudi アクセラレーターをサポートしています。

  • RHEL AI モデルをデプロイするために、以下を実行した。

    • vLLM ServingRuntime for KServe を有効にした。
    • Red Hat コンテナーレジストリーからモデルをダウンロードし、S3 互換オブジェクトストレージにアップロードした。

手順

  1. 左側のメニューで、Data Science Projects をクリックします。

    Data Science Projects ページが開きます。

  2. モデルをデプロイするプロジェクトの名前をクリックします。

    プロジェクトの詳細ページが開きます。

  3. Models タブをクリックします。
  4. 次のいずれかの操作を実行します。

    • ​​Single-model serving platform タイルが表示された場合は、タイル上の Deploy model をクリックします。
    • タイルが表示されない場合は、Deploy model ボタンをクリックします。

    Deploy model ダイアログが開きます。

  5. Model deployment name フィールドに、デプロイするモデルの一意の名前を入力します。
  6. Serving runtime フィールドで、有効なランタイムを選択します。
  7. Model framework (name - version) リストから値を選択します。
  8. Number of model server replicas to deploy フィールドに値を指定します。
  9. Model server size リストから値を選択します。
  10. 次のオプションは、クラスターでアクセラレーターサポートを有効にし、アクセラレータープロファイルを作成した場合にのみ使用できます。

    1. Accelerator リストからアクセラレーターを選択します。
    2. 前の手順でアクセラレーターを選択した場合は、Number of accelerators フィールドで使用するアクセラレーターの数を指定します。
  11. オプション: Model route セクションで、Make deployed models available through an external route チェックボックスをオンにして、デプロイされたモデルを外部クライアントが利用できるようにします。
  12. デプロイされたモデルに対する推論リクエストにトークン認可を要求するには、次のアクションを実行します。

    1. Require token authorization を選択します。
    2. Service account name フィールドに、トークンが生成されるサービスアカウント名を入力します。
  13. モデルの場所を指定するには、次の一連のアクションのいずれかを実行します。

    • 既存の接続を使用するには

      1. Existing connection を選択します。
      2. Name リストから、以前に定義した接続を選択します。
      3. Path フィールドに、指定したデータソース内のモデルを含むフォルダーパスを入力します。

        重要

        OpenVINO Model Server ランタイムには、モデルパスの指定方法に関する特定の要件があります。詳細は、OpenShift AI リリースノートの既知の問題 RHOAIENG-3025 を参照してください。

    • 新しい接続を使用するには

      1. モデルがアクセスできる新しい接続を定義するには、New connection を選択します。

        1. Add connection モーダルで、Connection type を選択します。S3 compatible object storage オプションと URI オプションは、事前にインストールされた接続タイプです。OpenShift AI 管理者が追加した場合は、追加のオプションが利用できる場合があります。

          選択した接続タイプに固有のフィールドを含む Add connection フォームが開きます。

      2. 接続の詳細フィールドに入力します。

        重要

        接続タイプが S3 互換オブジェクトストレージの場合は、データファイルが含まれるフォルダーパスを指定する必要があります。OpenVINO Model Server ランタイムには、モデルパスの指定方法に関する特定の要件があります。詳細は、OpenShift AI リリースノートの既知の問題 RHOAIENG-3025 を参照してください。

  14. (オプション) Configuration parameters セクションでランタイムパラメーターをカスタマイズします。

    1. Additional serving runtime arguments の値を変更して、デプロイされるモデルの動作を定義します。
    2. モデルの環境内の変数を定義するには、Additional environment variables の値を変更します。

      Configuration parameters セクションに、事前定義されたサービングランタイムパラメーターが表示されます (利用可能な場合)。

      注記

      ポートまたはモデルサービングランタイムの引数は変更しないでください。これらの引数には、特定の値を設定する必要があるためです。これらのパラメーターを上書きすると、デプロイが失敗する可能性があります。

  15. Deploy をクリックします。

検証

  • デプロイされたモデルがプロジェクトの Models タブに表示され、ダッシュボードの Model Serving ページで Status 列にチェックマークが付いて表示されていることを確認します。

3.11.5. デプロイされたモデルサービングランタイムのパラメーターのカスタマイズ

特定のモデルをデプロイしたり、既存のモデルのデプロイメントを拡張したりするには、デフォルトのパラメーター以外に追加のパラメーターが必要になる場合があります。このような場合、デプロイメントのニーズに合わせて既存のランタイムのパラメーターを変更できます。

注記

ランタイムのパラメーターのカスタマイズは、選択したモデルのデプロイメントにのみ影響します。

前提条件

  • OpenShift AI 管理者権限を持つユーザーとして OpenShift AI にログインしている。
  • シングルモデルサービングプラットフォームにモデルをデプロイした。

手順

  1. OpenShift AI ダッシュボードから、左側のメニューの Model Serving をクリックします。

    Deployed models ページが開きます。

  2. カスタマイズするモデル名の横にあるアクションメニュー (⋮) をクリックし、Edit を選択します。

    Configuration parameters セクションに、事前定義されたサービングランタイムパラメーターが表示されます (利用可能な場合)。

  3. Configuration parameters セクションでランタイムパラメーターをカスタマイズします。

    1. Additional serving runtime arguments の値を変更して、デプロイされるモデルの動作を定義します。
    2. モデルの環境内の変数を定義するには、Additional environment variables の値を変更します。

      注記

      ポートまたはモデルサービングランタイムの引数は変更しないでください。これらの引数には、特定の値を設定する必要があるためです。これらのパラメーターを上書きすると、デプロイが失敗する可能性があります。

  4. ランタイムパラメーターのカスタマイズが完了したら、Redeploy をクリックして、変更を加えたモデルを保存してデプロイします。

検証

  • デプロイされたモデルがプロジェクトの Models タブに表示され、ダッシュボードの Model Serving ページで Status 列にチェックマークが付いて表示されていることを確認します。
  • 次のいずれかの方法で、設定した引数と変数が spec.predictor.model.argsspec.predictor.model.env に表示されることを確認します。

    • OpenShift コンソールから InferenceService YAML を確認します。
    • OpenShift CLI で次のコマンドを使用します。

      oc get -o json inferenceservice <inferenceservicename/modelname> -n <projectname>

3.11.6. カスタマイズ可能なモデルサービングランタイムのパラメーター

デプロイメントのニーズに合わせて、既存のモデルサービングランタイムのパラメーターを変更できます。

サポートされている各サービングランタイムのパラメーターの詳細は、次の表を参照してください。

サービングランタイムリソース

NVIDIA Triton Inference Server

NVIDIA Triton Inference Server: Model Parameters

Caikit Text Generation Inference Server (Caikit-TGIS) ServingRuntime for KServe

Caikit NLP: Configuration
TGIS: Model configuration

Caikit Standalone ServingRuntime for KServe

Caikit NLP: Configuration

OpenVINO Model Server

OpenVINO Model Server Features: Dynamic Input Parameters

Text Generation Inference Server (TGIS) Standalone ServingRuntime for KServe

TGIS: Model configuration

vLLM ServingRuntime for KServe

vLLM: Engine arguments
OpenAI Compatible Server

3.11.7. モデル保存用の OCI コンテナーの使用

モデルを S3 バケットまたは URI に保存する代わりに、モデルを OCI コンテナーにアップロードできます。モデルの保存に OCI コンテナーを使用すると、次のことが可能になります。

  • 同じモデルを複数回ダウンロードすることを回避し、起動時間を短縮します。
  • ローカルにダウンロードされるモデルの数を減らすことで、ディスク領域の使用量を削減します。
  • 事前に取得したイメージを許可することで、モデルのパフォーマンスが向上します。

このガイドでは、OpenVINO モデルサーバー上の OCI イメージに保存されている、ONNX 形式の MobileNet v2-7 モデルを手動でデプロイする方法を説明します。

重要

モデルストレージに OCI コンテナーを使用する機能は、現在、Red Hat OpenShift AI 2.16 でテクノロジープレビュー機能として利用できます。テクノロジープレビュー機能は、Red Hat 製品のサービスレベルアグリーメント (SLA) の対象外であり、機能的に完全ではないことがあります。Red Hat では、実稼働環境での使用を推奨していません。テクノロジープレビュー機能は、最新の製品機能をいち早く提供して、開発段階で機能のテストを行い、フィードバックを提供していただくことを目的としています。

Red Hat のテクノロジープレビュー機能のサポート範囲に関する詳細は、テクノロジープレビュー機能のサポート範囲 を参照してください。

前提条件

  • ONNX 形式のモデルがある。

3.11.7.1. OCI イメージを作成し、コンテナーイメージにモデルを保存する

手順

  1. ローカルマシンから、ダウンロードしたモデルとサポートファイルの両方を保存して OCI イメージを作成するための一時ディレクトリーを作成します。

    cd $(mktemp -d)
  2. 一時ディレクトリー内に models フォルダーを作成し、モデルをダウンロードします。

    mkdir -p models/1
    
    DOWNLOAD_URL=https://github.com/onnx/models/raw/main/validated/vision/classification/mobilenet/model/mobilenetv2-7.onnx
    curl -L $DOWNLOAD_URL -O --output-dir models/1/
    注記

    OpenVINO では、モデルのバージョン管理に使用する番号付きサブディレクトリーが必要なため、サブディレクトリー 1 が使用されます。OpenVINO を使用していない場合は、OCI コンテナーイメージを使用するために 1 サブディレクトリーを作成する必要はありません。

  3. 次の内容を含む Docker ファイルを Containerfile という名前で作成します。

    FROM registry.access.redhat.com/ubi9/ubi-micro:latest
    COPY --chown=0:0 models /models
    RUN chmod -R a=rX /models
    
    # nobody user
    USER 65534
    注記
    • この例では、ubi9-micro がベースコンテナーイメージとして使用されています。KServe はシェルを使用してモデルファイルがモデルサーバーにアクセスできることを確認するため、scratch などのシェルを提供しない空のイメージは使用できません。
    • コピーされたモデルファイルの所有権と読み取り権限は、root グループに付与されます。OpenShift は、ランダムなユーザー ID と root グループ ID を使用してコンテナーを実行します。グループの所有権を変更すると、確実にモデルサーバーがグループにアクセスできるようになります。
  4. tree コマンドを使用して、モデルが表示されているディレクトリー構造に従っていることを確認します。

    tree
    
    .
    ├── Containerfile
    └── models
        └── 1
            └── mobilenetv2-7.onnx
  5. Podman を使用して OCI コンテナーイメージを作成し、レジストリーにアップロードします。たとえば、レジストリーとして Quay を使用する場合は次のようになります。

    podman build --format=oci -t quay.io/<user_name>/<repository_name>:<tag_name> .
    podman push quay.io/<user_name>/<repository_name>:<tag_name>
    注記

    リポジトリーがプライベートの場合は、コンテナーイメージをアップロードする前に、レジストリーに対して認証されていることを確認してください。

3.11.7.2. パブリックリポジトリーから OCI イメージに保存されたモデルをデプロイする

注記

KServe では、デフォルトでモデルはクラスター外部に公開され、認可によって保護されません。

  1. モデルをデプロイするための namespace を作成します。

    oc new-project oci-model-example
  2. OpenShift AI アプリケーションプロジェクトの kserve-ovms テンプレートを使用して ServingRuntime リソースを作成し、新しい namespace で OpenVINO モデルサーバーを設定します。

    oc process -n redhat-ods-applications -o yaml kserve-ovms | oc apply -f -
    1. ServingRuntimekserve-ovms の名前で作成されたことを確認します。

      oc get servingruntimes
      
      NAME          DISABLED   MODELTYPE     CONTAINERS         AGE
      kserve-ovms              openvino_ir   kserve-container   1m
  3. 次の値を持つ InferenceService YAML リソースを作成します。

    apiVersion: serving.kserve.io/v1beta1
    kind: InferenceService
    metadata:
      name: sample-isvc-using-oci
    spec:
      predictor:
        model:
          runtime: kserve-ovms # Ensure this matches the name of the ServingRuntime resource
          modelFormat:
            name: onnx
          storageUri: oci://quay.io/<user_name>/<repository_name>:<tag_name>
    重要

    ServingRuntime および InferenceService 設定では、リソース制限は設定されません。

検証

InferenceService リソースを作成すると、KServe は storageUri フィールドによって参照される OCI イメージに保存されているモデルをデプロイします。次のコマンドを実行して、デプロイメントのステータスを確認します。

oc get inferenceservice

NAME                    URL                                                       READY   PREV   LATEST   PREVROLLEDOUTREVISION   LATESTREADYREVISION                     AGE
sample-isvc-using-oci   https://sample-isvc-using-oci-oci-model-example.example   True           100                              sample-isvc-using-oci-predictor-00001   1m

3.11.7.3. OCI イメージに保存されたモデルをプライベートリポジトリーからデプロイする

プライベート OCI リポジトリーから保存されたモデルをデプロイするには、イメージプルシークレットを設定する必要があります。イメージプルシークレットの作成の詳細は、イメージプルシークレットの使用 を参照してください。

  1. 前のセクションの手順に従ってモデルをデプロイします。ただし、手順 3 で InferenceService を作成するときに、spec.predictor.imagePullSecrets フィールドにプルシークレットを指定します。

    apiVersion: serving.kserve.io/v1beta1
    kind: InferenceService
    metadata:
      name: sample-isvc-using-private-oci
    spec:
      predictor:
        model:
          runtime: kserve-ovms
          modelFormat:
            name: onnx
          storageUri: oci://quay.io/<user_name>/<repository_name>:<tag_name>
        imagePullSecrets: # Specify image pull secrets to use for fetching container images (including OCI model images)
        - name: <pull-secret-name>
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