4.3.4. インストーラーでプロビジョニングされるインフラストラクチャーでの失敗した Amazon EC2 ノードの置き換え
OpenShift Container Storage の Amazon EC2 I3 の一時ストレージにより、インスタンスの電源がオフにされる場合にデータが失われる可能性があります。以下の手順を使用して、Amazon EC2 インフラストラクチャーでのインスタンスの電源オフからのリカバリーを行います。
Amazon EC2 I3 インフラストラクチャーのストレージノードの置き換えはテクノロジープレビュー機能です。テクノロジープレビュー機能は、Red Hat の実稼働環境のサービスレベルアグリーメント (SLA) ではサポートされていないため、Red Hat では実稼働環境での使用を推奨していません。Red Hat は実稼働環境でこれらを使用することを推奨していません。これらの機能は、近々発表予定の製品機能をリリースに先駆けてご提供することにより、お客様は機能性をテストし、開発プロセス中にフィードバックをお寄せいただくことができます。
前提条件
- Red Hat では、交換前のノードと同様のインフラストラクチャーおよびリソースで、交換後のノードを設定することを推奨します。
- OpenShift Container Platform (RHOCP) クラスターにログインしている必要があります。
手順
-
OpenShift Web コンソールにログインし、 Compute
Nodes をクリックします。 - 置き換える必要のあるノードを特定します。そのマシン名をメモします。
置き換えるノードのラベルを取得します。
$ oc get nodes --show-labels | grep <node_name>
置き換えるノードで実行されている mon (ある場合) および OSD を特定します。
$ oc get pods -n openshift-storage -o wide | grep -i <node_name>
先の手順で特定された Pod のデプロイメントをスケールダウンします。
以下に例を示します。
$ oc scale deployment rook-ceph-mon-c --replicas=0 -n openshift-storage $ oc scale deployment rook-ceph-osd-0 --replicas=0 -n openshift-storage $ oc scale deployment --selector=app=rook-ceph-crashcollector,node_name=<node_name> --replicas=0 -n openshift-storage
ノードにスケジュール対象外 (unschedulable) のマークを付けます。
$ oc adm cordon <node_name>
Terminating 状態の Pod を削除します。
$ oc get pods -A -o wide | grep -i <node_name> | awk '{if ($4 == "Terminating") system ("oc -n " $1 " delete pods " $2 " --grace-period=0 " " --force ")}'
ノードをドレイン (解放) します。
$ oc adm drain <node_name> --force --delete-local-data --ignore-daemonsets
-
Compute
Machines をクリックします。必要なマシンを検索します。 -
必要なマシンの横にある Action menu (⋮)
Delete Machine をクリックします。 - Delete をクリックしてマシンの削除を確認します。新しいマシンが自動的に作成されます。
新規マシンが起動し、Running 状態に移行するまで待機します。
重要このアクティビティーには少なくとも 5-10 分以上かかる場合があります。
-
OpenShift Web コンソールで Compute
Nodes をクリックします。新規ノードが Ready 状態にあるかどうかを確認します。 以下のいずれかを使用して、OpenShift Container Storage ラベルを新規ノードに適用します。
- ユーザーインターフェイスを使用する場合
-
新規ノードについて、Action Menu (⋮)
Edit Labels をクリックします。 -
cluster.ocs.openshift.io/openshift-storage
を追加し、Save をクリックします。
-
新規ノードについて、Action Menu (⋮)
- コマンドラインインターフェイスの使用
- 以下のコマンドを実行して、OpenS+hift Container Storage ラベルを新規ノードに適用します。
$ oc label node <new_node_name> cluster.ocs.openshift.io/openshift-storage=""
新規ワーカーノードで利用可能なローカルストレージデバイスを OpenShift Container Storage StorageCluster に追加します。
新規ディスクエントリーを LocalVolume CR に追加します。
LocalVolume
CR を編集します。障害のあるデバイス/dev/disk/by-id/{id}
を削除またはコメントアウトし、新規の/dev/disk/by-id/{id}
を追加します。$ oc get -n local-storage localvolume
出力例:
NAME AGE local-block 25h
$ oc edit -n local-storage localvolume local-block
出力例:
[...] storageClassDevices: - devicePaths: - /dev/disk/by-id/nvme-Amazon_EC2_NVMe_Instance_Storage_AWS10382E5D7441494EC - /dev/disk/by-id/nvme-Amazon_EC2_NVMe_Instance_Storage_AWS1F45C01D7E84FE3E9 - /dev/disk/by-id/nvme-Amazon_EC2_NVMe_Instance_Storage_AWS136BC945B4ECB9AE4 - /dev/disk/by-id/nvme-Amazon_EC2_NVMe_Instance_Storage_AWS10382E5D7441464EP # - /dev/disk/by-id/nvme-Amazon_EC2_NVMe_Instance_Storage_AWS1F45C01D7E84F43E7 # - /dev/disk/by-id/nvme-Amazon_EC2_NVMe_Instance_Storage_AWS136BC945B4ECB9AE8 - /dev/disk/by-id/nvme-Amazon_EC2_NVMe_Instance_Storage_AWS6F45C01D7E84FE3E9 - /dev/disk/by-id/nvme-Amazon_EC2_NVMe_Instance_Storage_AWS636BC945B4ECB9AE4 storageClassName: localblock volumeMode: Block [...]
CR の編集後に変更を保存するようにしてください。
この CR に by-id を使用する 2 つの新規デバイスが追加されていることを確認できます。
-
nvme-Amazon_EC2_NVMe_Instance_Storage_AWS6F45C01D7E84FE3E9
-
nvme-Amazon_EC2_NVMe_Instance_Storage_AWS636BC945B4ECB9AE4
-
localblock
と共に PV を表示します。$ oc get pv | grep localblock
出力例:
local-pv-3646185e 2328Gi RWO Delete Available localblock 9s local-pv-3933e86 2328Gi RWO Delete Bound openshift-storage/ocs-deviceset-2-1-v9jp4 localblock 5h1m local-pv-8176b2bf 2328Gi RWO Delete Bound openshift-storage/ocs-deviceset-0-0-nvs68 localblock 5h1m local-pv-ab7cabb3 2328Gi RWO Delete Available localblock 9s local-pv-ac52e8a 2328Gi RWO Delete Bound openshift-storage/ocs-deviceset-1-0-knrgr localblock 5h1m local-pv-b7e6fd37 2328Gi RWO Delete Bound openshift-storage/ocs-deviceset-2-0-rdm7m localblock 5h1m local-pv-cb454338 2328Gi RWO Delete Bound openshift-storage/ocs-deviceset-0-1-h9hfm localblock 5h1m local-pv-da5e3175 2328Gi RWO Delete Bound openshift-storage/ocs-deviceset-1-1-g97lq localblock 5h ...
障害のあるノードに関連付けられたストレージリソースを削除します。
置き換える OSD に関連付けられた DeviceSet を特定します。
$ osd_id_to_remove=0 $ oc get -n openshift-storage -o yaml deployment rook-ceph-osd-${osd_id_to_remove} | grep ceph.rook.io/pvc
ここで、
osd_id_to_remove
はrook-ceph-osd
接頭辞の直後にくる Pod 名の整数です。この例では、デプロイメント名はrook-ceph-osd-0
です。出力例:
ceph.rook.io/pvc: ocs-deviceset-0-0-nvs68 ceph.rook.io/pvc: ocs-deviceset-0-0-nvs68
PVC に関連付けられた PV を特定します。
$ oc get -n openshift-storage pvc ocs-deviceset-<x>-<y>-<pvc-suffix>
ここで、
x
、y
、およびpvc-suffix
は、前の手順で識別された DeviceSet の値です。出力例:
NAME STATUS VOLUME CAPACITY ACCESS MODES STORAGECLASS AGE ocs-deviceset-0-0-nvs68 Bound local-pv-8176b2bf 2328Gi RWO localblock 4h49m
この例では、関連付けられた PV は
local-pv-8176b2bf
です。openshift-storage
プロジェクトに変更します。$ oc project openshift-storage
失敗した OSD をクラスターから削除します。
$ oc process -n openshift-storage ocs-osd-removal -p FAILED_OSD_IDS=${osd_ids_to_remove} | oc create -f -
ocs-osd-removal
Pod のステータスをチェックして、OSD が正常に削除されたことを確認します。Completed
のステータスで、OSD の削除ジョブが正常に完了したことを確認します。# oc get pod -l job-name=ocs-osd-removal-${osd_id_to_remove} -n openshift-storage
注記ocs-osd-removal が失敗し、Pod が予想される Completed の状態にない場合、追加のデバッグのために Pod ログを確認します。以下に例を示します。
# oc logs -l job-name=ocs-osd-removal-${osd_id_to_remove} -n openshift-storage --tail=-1
先のステップで特定された PV を削除します。この例では、物理ボリューム名は
local-pv-8176b2bf
です。$ oc delete pv local-pv-8176b2bf
出力例:
persistentvolume "local-pv-8176b2bf" deleted
先の手順で特定された
crashcollector
Pod デプロイメントを削除します。$ oc delete deployment --selector=app=rook-ceph-crashcollector,node_name=<old_node_name> -n openshift-storage
ocs-osd-removal
ジョブを削除します。$ oc delete job ocs-osd-removal-${osd_id_to_remove}
出力例:
job.batch "ocs-osd-removal-0" deleted
検証手順
以下のコマンドを実行して、出力で新規ノードが表示されていることを確認します。
$ oc get nodes --show-labels | grep cluster.ocs.openshift.io/openshift-storage= |cut -d' ' -f1
Workloads
Pods をクリックし、新規ノード上の少なくとも以下の Pod が Running 状態にあることを確認します。 -
csi-cephfsplugin-*
-
csi-rbdplugin-*
-
他の必要なすべての OpenShift Container Storage Pod が Running 状態にあることを確認します。
また、増分の mon が新規に作成されており、Running 状態にあることを確認します。
$ oc get pod -n openshift-storage | grep mon
出力例:
rook-ceph-mon-a-64556f7659-c2ngc 1/1 Running 0 5h1m rook-ceph-mon-b-7c8b74dc4d-tt6hd 1/1 Running 0 5h1m rook-ceph-mon-d-57fb8c657-wg5f2 1/1 Running 0 27m
OSD と mon が Running 状態になるまで数分かかる場合があります。
新規 OSD Pod が交換後のノードで実行されていることを確認します。
$ oc get pods -o wide -n openshift-storage| egrep -i new-node-name | egrep osd
(オプション) クラスターでデータの暗号化が有効な場合には、新規 OSD デバイスが暗号化されていることを確認します。
直前の手順で特定された新規ノードごとに、以下を実行します。
デバッグ Pod を作成し、選択したホストの chroot 環境を開きます。
$ oc debug node/<node name> $ chroot /host
lsblk を実行し、
ocs-deviceset
名の横にある crypt キーワードを確認します。$ lsblk
- 検証手順が失敗した場合は、Red Hat サポートにお問い合わせください。