第1章 DNSaaS の概要


Red Hat OpenStack Platform 10 には、Designate としても知られる DNS-as-a-Service (DNSaaS) のテクノロジープレビューが含まれています。DNSaaS にはドメインとレコードの管理のための REST API が含まれ、マルチテナントに対応しており、OpenStack Identity サービス (keystone) と統合して認証を行います。また、DNSaaS には Compute (nova) および OpenStack Networking (neutron) の通知と統合するフレームワークが実装されており、DNS レコードの自動生成が可能です。DNSaaS は Bind9 の統合もサポートしています。

1.1. 本ガイドの構成

  • DNSaaS の手動インストール手順 (DNSaaS は現在 director デプロイメントに含まれていないため)
  • コマンドラインインターフェースからの DNSaaS の管理および設定
  • Bind9 との統合 (インスタンスレコードの自動作成を含む)

1.2. DNSaaS の要件

  • 完全に機能する OpenStack Networking ベースの非高可用性 OpenStack 環境
  • 自動作成のテスト用に読み込まれた OpenStack Image サービス (glance) のイメージ

1.3. DNSaaS サービス

DNSaaS のデプロイメントには、以下のコンポーネントが含まれます。

designate-api

OpenStack ネイティブの REST API を提供します。

designate-central

mysql データベースの要求を処理して、ストレージを連携します。

designate-mdns

標準の DNS プロトコルで他の DNS サーバーと通信するためだけに使用する小規模な MiniDNS サーバー

designate-pool-manager

DNSaaS が管理する DNS サーバーの状態を管理します。バックエンド DNS サーバーが DNSaaS と同期されるようにします。

designate-sink

nova および neutron 通知イベントをリッスンして、自動のレコード作成/削除をトリガーするために使用するオプションのサービス

designate-agent

ゾーン転送 (AXFR) を受け入れることができない DNS サーバーに使用します。BIND バックエンドの必要はありません。

注記

zone-manager サービスは、次のメジャーリリースで追加される予定です。このサービスはゾーンに対して定期的にタスクを実行して、失われたイベントを特定するメカニズムを提供します。

1.4. DNSaaS と Compute および OpenStack Networking の統合

DNSaaS のレコード管理は、designate-sink サービスが designate-central にメッセージを送信した時点で開始され、次に以下に記載のワークフローをトリガーします。

1. designate-sink は Compute から instance boot/delete イベントを受信するか、OpenStack Networking から floating IP add/remove イベントを受信します。これらのイベントは、OpenStack メッセージバスを使用して送信されます。

2. designate-sink は、仮想マシンの名前および設定済みのドメイン ID からホストの FQDN を構成します (以下参照)。

3. designate-sink は、designate-central に対して指定の名前および IP アドレスを持つレコードを追加/削除するように通知します。

4. designate-central は、DNSaaS データベースにレコードを追加したり、このデータベースからレコードを削除したりします (designate-centraldesignate-mdns の間で共有)。

5. designate-central は、このドメインのバックエンドの DNS サーバー (BIND9) に DNS NOTIFY を送信するように、designate-pool-manager に通知します。

6. バックエンドの DNS サーバーは DNS NOTIFY を受信して AXFR (ゾーン転送) 要求を designate-mdns に送信します。

7. designate-mdns は、データベースからこれらの変更を読み込み、AXFR 応答でバックエンド DNS サーバーに対してこれらの変更を送信します。

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