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付録C Open vSwitch ボンディングのオプション

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オーバークラウドは、ボンディングインターフェースのオプションを複数提供する Open vSwtich (OVS) を介してネットワークを提供します。「ネットワーク環境ファイルの作成」の項では、ネットワークの環境ファイルで以下のパラメーターを使用して、ボンディングインターフェースを設定します。

  BondInterfaceOvsOptions:
    "bond_mode=balance-slb"

C.1. ボンディングモードの選択

デフォルトでは、LACP は OVS ベースのボンディングでは使用できません。この設定は、Open vSwitch の一部のバージョンで既知の問題があるためサポートされていません。その代わりに、この機能を置き換わる bond_mode=balance-slb を使用することを検討してください。また、ネットワークインターフェースのテンプレートでは、引き続き LACP を Linux ボンディングで使用することができます。以下に例を示します。

      - type: linux_bond
        name: bond1
        members:
        - type: interface
          name: nic2
        - type: interface
          name: nic3
        bonding_options: "mode=802.3ad lacp_rate=[fast|slow] updelay=1000 miimon=100"
  • mode: LACP を有効にします。
  • lacp_rate: LACP パケットの送信間隔を 1 秒または 30 秒に定義します。
  • updelay: インターフェースをトラフィックに使用する前にそのインターフェースがアクティブである必要のある最低限の時間を定義します (これは、ポートフラッピングによる停止を軽減するのに役立ちます)。
  • miimon: ドライバーの MIIMON 機能を使用してポートの状態を監視する間隔 (ミリ秒単位)。

それでも LACP を OVS ベースのボンディングで使用したい場合には、デプロイメントの前に、各ネットワークインターフェースの設定 (NIC) ファイルから以下の行を手動で削除することができます。

    constraints:
      - allowed_pattern: "^((?!balance.tcp).)*$"
        description: |
          The balance-tcp bond mode is known to cause packet loss and
          should not be used in BondInterfaceOvsOptions.

各 NIC ファイルから制約を取り除いた後には、ボンディングインターフェースのパラメーターでボンディングモードを設定することができます。

  BondInterfaceOvsOptions:
    "bond_mode=balance-tcp"

この制約の背後にある技術情報については、 BZ#1267291 を参照してください。

nmcli ツールの使用方法についての詳細は、 『Red Hat Enterprise Linux 7 ネットワークガイド』「4.5.1. ボンディングモジュールのディレクティブ」を参照してください。

C.2. ボンディングオプション

以下の表には、これらのオプションについての説明と、ハードウェアに応じた代替手段を記載しています。

表C.1 ボンディングオプション

bond_mode=balance-slb

送信元の MAC アドレスと出力の VLAN に基づいてフローのバランスを取り、トラフィックパターンの変化に応じて定期的にリバランスを行います。balance-slb とのボンディングにより、リモートスイッチについての知識や協力なしに限定された形態のロードバランシングが可能となります。SLB は送信元 MAC アドレスと VLAN の各ペアをリンクに割り当て、そのリンクを介して、対象の MAC アドレスとLAN からのパケットをすべて伝送します。このモードはトラフィックパターンの変化に応じて定期的にリバランスを行う、送信元 MAC アドレスと VLAN の番号に基づいた、簡単なハッシュアルゴリズムを使用します。これは、Linux ボンディングドライバーで使用されているモード 2 のボンディングと同様で、スイッチはボンディングで設定されているが、LACP (動的なボンディングではなく静的なボンディング) を使用するように設定されていない場合に使用されます。

bond_mode=active-backup

このモードは、アクティブな接続が失敗した場合にスタンバイの NIC がネットワーク操作を再開するアクティブ/スタンバイ構成のフェイルオーバーを提供します。物理スイッチに提示される MAC アドレスは 1 つのみです。このモードには、特別なスイッチのサポートや設定は必要なく、リンクが別のスイッチに接続された際に機能します。このモードは、ロードバランシングは提供しません。

lacp=[active|passive|off]

Link Aggregation Control Protocol (LACP) の動作を制御します。LACP をサポートしているのは特定のスイッチのみです。お使いのスイッチが LACP に対応していない場合には bond_mode=balance-slb または bond_mode=active-backup を使用してください。

other-config:lacp-fallback-ab=true

フォールバックとして bond_mode=active-backup に切り替わるように LACP の動作を設定します。

other_config:lacp-time=[fast|slow]

LACP のハートビートを 1 秒 (高速) または 30 秒 (低速) に設定します。デフォルトは低速です。

other_config:bond-detect-mode=[miimon|carrier]

リンク検出に miimon ハートビート (miimon) またはモニターキャリア (carrier) を設定します。デフォルトは carrier です。

other_config:bond-miimon-interval=100

miimon を使用する場合には、ハートビートの間隔をミリ秒単位で設定します。

other_config:bond_updelay=1000

フラッピングを防ぐためにアクティブ化してリンクが Up の状態である必要のある時間 (ミリ秒単位)

other_config:bond-rebalance-interval=10000

ボンディングメンバー間のリバランシングフローの間隔 (ミリ秒単位)。無効にするにはゼロに設定します。

重要

Linux のボンディングをプロバイダーネットワークと併用してパケットのドロップやパフォーマンス上の問題が発生した場合には、スタンバイインターフェースで Large Receive Offload (LRO) を無効にすることを検討してください。ポートフラッピングが発生したり、接続を失ったりする可能性があるので、Linux ボンディングを OVS ボンディングに追加するのは避けてください。これは、スタンバイインターフェースを介したパケットループの結果です。

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