第4章 Smart Router のインストールおよび設定


Smart Router (KIE Server ルーター) は、複数の KIE Server、クライアントアプリケーション、他のコンポーネント間の統合レイヤーとして使用可能な軽量の Java コンポーネントです。デプロイメントや実行環境に合わせて、Smart Router は複数の独立した KIE Server インスタンスを単一サーバーのように集約できます。Smart Router には以下の機能があります。

データ集約

単一のクライアント要求でさまざまな KIE Server インスタンスからデータを収集して、クライアントアプリケーションに情報を提供します。

ルーターは、集約ソートを提供しますが、管理コンソールを介して使用する場合に返されるデータは raw フォーマットになります。したがって、ソートは、個々のサーバーがどのように返すかを示します。ページングは、標準フォーマットでサポートされます。

ルーティング
クライアントアプリケーションからサービスへの呼び出しを受信して、各呼び出しを自動的に個別サービスを実行する KIE Server にルーティングする単一のエンドポイントとして機能します。つまり、KIE Server に同じサービスをデプロイする必要はありません。
負荷分散
負荷分散を効率化します。Smart Router クラスターの負荷分散要求は、標準負荷分散ツールを使用して外部で管理する必要があります。
認証
システムプロパティーフラグを使用して KIE Server インスタンスを認証し、HTTPS トラフィックを有効にできます。
環境管理
環境の変更を管理します (例: サーバーインスタンスの追加または削除)

4.1. Smart Router を使用した KIE Server インスタンスの負荷分散

Smart Router は、複数の独立した KIE Server インスタンスを集約して 1 台のサーバーのように使用できます。個々の KIE Server インスタンスに要求をルーティングし、異なる KIE Server インスタンスからデータを集約できるため、インテリジェントなロードバランサーの役割を果たします。エイリアスを介して、Smart Router は プロキシーとなります。

前提条件

  • 複数の KIE Server インスタンスがインストールされている。

    注記

    Smart Router を使用するには、KIE Server を管理対象外として設定する必要はありません。

    管理対象外の KIE Server はコントローラーに接続されません。

    たとえば、管理対象外の KIE Server を Smart Router に接続してコントローラーで Smart Router を登録する場合には、Business Central は Smart Router を使用して管理対象外の KIE Server に問い合わせします。

手順

  1. Red Hat カスタマーポータルの「Software Downloads」ページに移動し (ログインが必要)、ドロップダウンオプションから製品およびバージョンを選択します。

    • Product: Process Automation Manager
    • バージョン: 7.7
  2. Red Hat Process Automation Manager 7.7.0 Add-Ons をダウンロードします。
  3. ダウンロードした rhpam-7.7.0-add-ons.zip ファイルを一時ディレクトリーに展開します。rhpam-7.7-smart-router.jar ファイルは展開した rhpam-7.7.0-add-ons ディレクトリーにあります。
  4. Rhpam -7.7-smart-router.jar ファイルを、ファイルを実行するディレクトリーにコピーします。
  5. 以下のコマンドを入力して、Smart Router を起動します。

    java
    -Dorg.kie.server.router.host=<ROUTER_HOST>
    -Dorg.kie.server.router.port=<ROUTER_PORT>
    -Dorg.kie.server.controller=<CONTROLLER_URL>
    -Dorg.kie.server.controller.user=<CONTROLLER_USER>
    -Dorg.kie.server.controller.pwd=<CONTROLLER_PWD>
    -Dorg.kie.server.router.config.watcher.enabled=true
    -Dorg.kie.server.router.repo=<NFS_STORAGE>
    -jar rhpam-7.7-smart-router.jar
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    上のコマンドのプロパティーのデフォルト値は、以下のようになります。

    org.kie.server.router.host=localhost
    org.kie.server.router.port=9000
    org.kie.server.controller= N/A
    org.kie.server.controller.user=kieserver
    org.kie.server.controller.pwd=kieserver1!
    org.kie.server.router.repo= <CURRENT_WORKING_DIR>
    org.kie.server.router.config.watcher.enabled=false
    Copy to Clipboard Toggle word wrap

    org.kie.server.controller は、以下のように、サーバーコントローラーの URL です。

    org.kie.server.controller=http://<HOST>:<PORT>/controller/rest/controller
    Copy to Clipboard Toggle word wrap

    org.kie.server.router.config.watcher.enabled は、ウォッチャーサービスシステムプロパティーを有効にする任意の設定です。

  6. Smart Router に接続する必要のあるすべての KIE Server インスタンスで、org. kie.server.router システムプロパティーを Smart Router の URL に設定します。
  7. クライアント側から Smart Router にアクセスするには、以下のように、KIE Server の URL の代わりに Smart Router の URL を使用します。

    KieServicesConfiguration config = KieServicesFactory.newRestConfiguration("http://smartrouter.example.com:9000", "USERNAME", "PASSWORD");
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    この例では、smartrouter.example.com は Smart Router URL で、USERNAME および PASSWORD は、Smart Router 設定のログイン認証情報です。

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